説明

超音波検査クローラおよび原子炉ベセルにおけるジェットポンプ溶接部の検査方法

【課題】ジェットポンプの下部バッフルプレート取付箇所を含む部位を検査する検査装置を提供する。
【解決手段】検査表面の横断に適した検査アセンブリは、第1側面および底面を含み、第1側面が、第1検査表面に面するように適合化され、底面が、ギャップによって第1検査表面から隔てられた第2検査表面と係合するように適合化されたクローラ本体と、第1検査表面の間に吸引を創出するように適合化され、吸引が、クローラ本体を第1検査表面に対して偏向させる、クローラ本体における吸引モジュールと、第1検査表面と係合するように適合化されたクローラ本体上に取り付けられた少なくとも1つのローラと、センサを受けるためにマウントを有し、クローラ本体からギャップの中に延びる少なくとも1つのマストとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示される本発明は、一般的には、ロボットを使用する検査に関し、具体的には、沸騰水型原子炉(BWR)におけるジェットポンプ拡散器およびジェットポンプアダプタの溶接部の検査に関する。
【背景技術】
【0002】
BWRは、通常、水に原子炉を再循環させるのに関与するジェットポンプを含む。ジェットポンプのアレイは、一般的には、BWRの原子炉ベセルの周囲に配置される。通常のBWRでは、一般に、水をジェットポンプに向ける1対の拡散器をそれぞれが有する10のジェットポンプが存在する。20の拡散器のそれぞれが、原子炉ベセル壁と原子炉の外壁との間の水平バフルプレートに添付され、またはそれを超えて延びる。多くのBWRが、バフルプレートに直接溶接されるジェットポンプ拡散器を有するが、いくつかの原子炉は、バフルプレートの下に位置するアダプタにジェットポンプ拡散器を添付する。本明細書において開示される検査クローラおよび方法は、バフルプレートを超えて下方に延びるジェットポンプ拡散器の溶接部を検査するために使用されることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アダプタと拡散器の間の溶接部の検査は、拡散器と水再循環システムの一体性を監視するために必要である。アダプタと拡散器の溶接部の検査は、検査スキャナがバフルプレートと拡散器の間の狭いギャップを横断することを必要とする。狭いギャップは、アダプタと拡散器を添付する溶接部を検査するために、バフルプレートを超えて超音波検査スキャナを下方に挿入することに問題があった。デバイスがバフルプレートより下の拡散器の溶接部を検査することが、長く必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
検査表面を横断するように適合化される検査アセンブリが開発され、アセンブリは、第1側面および底面を含み、第1側面が、第1検査表面に面するように適合化され、底面が、ギャップによって第1検査表面から隔てられた第2検査表面と係合するように適合化されたクローラ本体と、クローラ本体を第1検査表面に対して偏向させるために、第1検査表面の間に吸引を創出するように適合化されたクローラ本体における吸引モジュールと、第1検査表面と係合するように適合化されたクローラ本体において取り付けられた少なくとも1つのローラと、センサを受けるためにマウントを有し、クローラ本体からギャップの中に延長可能である少なくとも1つのマストとを含む。
【0005】
センサは、溶接部検査用の超音波変換器とすることが可能である。第1検査表面は、直立で円形の断面とすることが可能であり、第2検査表面は、ほぼ水平とすることが可能である。クローラ本体は、クローラ本体の第1側面を通って延び、かつ第1検査表面と係合するように適合化された少なくとも1つのドライバローラを有するドライバモジュールを含むことが可能である。さらに、吸引モジュールは、クローラ本体の第1側面と第1検査表面の間に吸引を創出するように適合化されたインペラを含むことが可能である。追跡ホイールが、クローラ本体の上に取り付けられることが可能であり、符号器が、第2検査表面にわたる追跡ホイールの変位を表す信号を生成することが可能である。
【0006】
沸騰水型原子炉(BWR)のジェットポンプの拡散器に関連付けられた溶接部を検査するように適合化された検査アセンブリが開発され、アセンブリは、第1側面および底面を含み、第1側面が拡散器の側面に面するように適合化され、底面がBWRのバフルプレートに面する、クローラハウジングと、クローラ本体を拡散器に対して偏向させるために、第1側面と拡散器の表面の間に吸引を創出するように適合化された第1側面における吸引デバイスと、センサを受けるためにマウントを有し、クローラハウジングによって支持される少なくとも1つのマストとを含む。
【0007】
少なくとも1つのマストおよびマストの上に取り付けられたセンサを有するクローラ本体を含むロボットクローラを使用して、ほぼ水平の表面とほぼ直立の表面の間のギャップにおいて溶接部の接合部を検査する方法が開発され、方法は、クローラ本体を水平表面上に直立表面に接して配置することと、本体を直立表面に接して配置するためにクローラ本体と直立表面の間に吸引を確立することと、マストおよびセンサをクローラ本体より下のギャップの中に延長することと、吸引により本体が直立表面に接して配置されている間、クローラ本体を水平表面にわたって移動させ、センサでギャップの状態を感知し、信号をセンサから制御ユニットに伝達することとを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、破断図が、原子炉圧力ベセルの壁14と内部原子炉コア16の間においてバフルプレート12の上に取り付けられるジェットポンプアセンブリ10を示す、BWRの透視図である。ジェットポンプアセンブリは、バフルプレートにおいて開口20を通って延びる1対の拡散器18を含む。
【0009】
図2は、バフルプレート12の縁、拡散器円錐テールパイプ22、およびテールパイプをバフルプレートに接続するアダプタリング24の断面側面拡大図である。アダプタリング24は、バフルプレートより下の拡散器テールパイプのベースまで降下する。環状ギャップ26が、バフルプレートより下に存在し、一方の側面上の外部拡散器壁と他の側面上のバフルプレートおよびアダプタリングとの間に延びる。ギャップ26の底部のU形接合部32が、アダプタリングを拡散器22に接合する。
【0010】
バフルプレートの開口20は、開口の周りのバフルプレートの円形縁によって画定される。狭い環状ギャップ26が、バフルプレートの開口縁とテールパイプ22の円筒側壁との間に存在する。ギャップ26の下方深部に1対の環状溶接部があり、テールパイプ22を環状U形接合部32に接合する溶接部28、およびU形接合部32を環状アダプタリング24に接合する溶接部30を含む。これらの溶接部28、30は、周期的な検査を必要とするが、ギャップ26の深部にあり、従来の溶接部検査スキャナでは到達が困難である。他の環状溶接部34が、アダプタリング24をバフルプレート12に接合し、バフルプレートの表面付近にある。
【0011】
環状ギャップ26において、超音波感知ヘッドが、拡散器およびアダプタリングの周囲に延びる溶接部28、30、および34を検査するために、挿入されなければならない。溶接部は、緊密な環状ギャップにおいてバフルプレートより下および拡散器の周囲にある。超音波感知ユニットをこの環状ギャップに挿入するのは困難である。ジェットポンプをバフルプレートに接続するアダプタにジェットポンプの拡散器を添付するバフルプレートより下の溶接部を検査することができる超音波検査機器が、長く必要とされている。
【0012】
図3は、拡散器テールパイプ22を一周する際にバフルプレート12を横断する弧形クローラ本体42を含む、開発されたロボット溶接部検査機器40の透視図である。クローラデバイスは、拡散器18の周囲方向に駆動される。図4は、バフルプレート12上の円形経路44において、テールパイプの周りに移動する際、テールパイプ22に寄りかかっているクローラ本体42のトップダウン図である。
【0013】
クローラ40は、クローラ本体42から下方に延びることが可能である複数のセンサマスト46を含む。マストは、バフルプレート開口20と拡散器テールパイプ22の外部側壁の間において環状ギャップ26の中に延びる。マスト46は、溶接部28、30において超音波信号を送信し、溶接部および周囲の接合構造からの反射信号を受信する超音波変換器ユニット48、50を支持する。変換器ユニットは、代替として、エディ電流変換器およびビデオカメラなどの撮像デバイスとすることが可能である。さらに、変換器ユニットは、超音波変換器、渦電流センサ、およびビデオカメラの1つまたは複数など、複数のタイプのセンサを有することが可能である。
【0014】
マスト46は、対応する溶接部に各ユニットが隣接するまで、ギャップ26において下方に変換器ユニットを延長する。例えば、ユニット48の変換器ヘッドは、テールパイプ拡散器とU形接合部の間において外部溶接部28に向かって外向きに面し、ユニット50の変換器ヘッドは、U形接合部とアダプタリング24の間において内部溶接部30に向かって内向きに面する。第3(随意選択)変換器ヘッド51が、アダプタリングとバフルプレートの間において溶接部34に隣接して配置されることが可能である。
【0015】
図5は、クローラ本体42が拡散器テールパイプ22の側壁に寄りかかり、かつバフルプレート12の上面上にある状態のクローラ40を示す。クローラ本体は、それぞれのマスト46をギャップ26の中に下方に延長する(変換器ユニット48のマストのみが、例示のために図5に示されている)。
【0016】
クローラ本体は、検査される溶接部28まで下方に変換器ユニット48を延長する。クローラは、溶接部28の位置に対応するように、既知の所定の距離、変換器ユニットを下方に延長することが可能である。代替として、変換器ユニット48からの変換器信号が、マストが延長する際に監視されることが可能であり、信号の特徴的な変化が、変換器ユニットが溶接部28に隣接するときを決定するために使用されることが可能である。変換器の信号、ならびにクローラ本体およびマストの電力および制御信号が、本体42から原子炉の外部にある電力および制御ユニット54まで延びる電力および信号ワイヤを備えるへそ接続を経て伝達される。
【0017】
クローラが拡散器の周りを移動する際、超音波変換器ユニット48、50、51は、超音波放出を使用して溶接部28、30、34を審問し、溶接部から超音波信号の反射を収集する。これらの超音波信号の反射は、溶接部の質、および疲労破壊または他の欠陥が溶接部に存在するかを決定するために分析される。クローラ40は、その位置が拡散器の周りの各角度位置において正確に知られるように、拡散器の周りのクローラの運動に指標を付ける。クローラの位置に関する正確な情報が、クローラによって支持されたセンサによって検査されている溶接部の位置を決定するために使用される。さらに、正確な変換器ユニットの高度の情報が、クローラ本体42が各変換器ユニットのマストシャフト46を上方および下方に移動する際、クローラ本体42によって収集される。変換器ユニットは、クローラ本体が水平面において拡散器の周りをゆっくり移動する際、溶接部を垂直方向に横断するように、周期的に上方および下方に移動されることが可能である。
【0018】
図3に示されたように、クローラ本体上の伝達ポスト56により、キャリッジ(図示せず)上のフックが、原子炉圧力壁14(図1)と原子炉コア壁16の間のギャップにある原子炉の中にクローラ40を降下させることが可能になる。クローラ本体42は、幅(W)、高さ(H)、および弧形の長さ(L)を有する。クローラは、クローラ本体の一側面上または両側面上の追跡ホイール58がバフルプレートの上面上に静止するまで下降する。追跡ホイール58は、ホイールの回転を監視し、かつクローラ本体によって横断された距離に変換することができる信号を出力する符号器60に回転式に結合される。追跡ホイール58は、バフルプレート表面にわたるクローラ本体の運動によって駆動されないことが可能であり、かつそれによってターンされることが可能である。
【0019】
クローラ本体42は、テールパイプ拡散器に面する内部壁表面62、および内部側面に対向する外部壁側面66を有する。内部側面は、平面図でほぼ矩形であり、弧形の断面を有する。本体42の弧は、図4において見られるように、テールパイプ拡散器の周囲からの弧に対応する。クローラ本体は、本体が拡散器を一周する際、テールパイプ拡散器22(図5)の外部側面に接して位置することを意図する。
【0020】
一実施形態では、クローラ本体は、約84°の弧を形成することが可能である。クローラ本体の内壁62は、テールパイプなど、拡散器ハウジングの外壁にほぼ一致するように湾曲している。クローラ本体の外壁64は、同様に湾曲されることが可能である。一実施形態では、クローラ本体の高さ(H)は、約7インチ(18cm)とすることが可能であり、幅(W)は、1.2インチ(3cm)とすることが可能であり、本体の弧にわたる長さ(L)は16インチ(41cm)とすることが可能である。
【0021】
クローラ本体は、マストモジュール70および中心ドライバモジュール64の支持フレームを提供する。マストモジュールは、それぞれ、マスト46および変換器ユニットを支持する。ドライバモジュール64は、駆動ローラ66を含む。モジュールは、クローラ本体のフレームにおいて取り付けられる。フレームは、モジュールのそれぞれがボルト締めされるなど添付される上方支持プレート72を含む。さらに、伝達ポスト56は、最外モジュール70に添付されることが可能であり、追跡ホイールアセンブリおよび符号器58が、最外モジュール70の1つの下方コーナに添付されることが可能である。
【0022】
クローラ本体は、配線ハーネス62、ならびに変換器からプラグを含むことが可能である共通配線出口66までのセンサワイヤ、電力ワイヤ、および他のワイヤ64の通路を含む。プラグは、へそコード68に接続し、へそコードは、クローラ本体のセンサワイヤおよび電力ワイヤを外部機器および電力源および制御デバイスに接続する。
【0023】
クローラ本体は、それぞれがマスト46ならびに超音波変換器ユニット48、50、および51の1つを有する3つのマストモジュール70を支持する。各マストモジュールは、センサ信号の配線、制御作動装置、ならびに変換器およびマストを動作するためのモータ78を含む。マストの移動は、マストの遠位端部にある超音波変換器がクローラ本体に関して正確に配置されるように精確に制御される。
【0024】
図6は、クローラデバイスのマストモジュール70の透視図であり、図7は、マストモジュール70の断面図である。モジュールは、センサのマストを受けるためにブロックを垂直に通って延びる開口74を有するほぼ矩形のブロックである。マストは、開口モジュール70を通って上方および下方に移動する。マストシャフトは、マストモジュールの回転ギアホイール76と係合するギア歯を有する。モータ78が、ベベルギア80を経てギアホイール76を駆動する。モータは、へそコードを経て、または電池によって給電されることが可能である。電力および制御ユニット54(図5)は、電力をモータに提供し、マストシャフトを上昇または下降させるためにモータを作動させるように信号を制御し、シャフト46の移動、したがって変換器ユニットの高度を示す変位信号を受信することが可能である。カラー82が、変換器ユニットが所定の高度を超えて上昇されないことを保証するために、シャフトに調節式に添付される。
【0025】
ローラ84が、マストモジュール70の側面にあるスロット86において上方および下方にスライドする。ローラは、変換器ユニット48、50、51で制御、電力、およびセンサの信号を送信するのに使用されるケーブルの管理を補助する。各マストモジュールにおいて、変換器ユニットのケーブルは、ローラ84の上にわたってループにされる。マストが延長される際、ローラは、スロット86においてループにされたケーブルの長さを短縮するように上方に移動し、ケーブルが、マストと共に延長されることを可能にする。マストが入れ子にされる際、ローラは、ケーブルを引き上げるように下方に移動し、ケーブルのセクションをスロット86に一時的に収容する。
【0026】
図8は、マスト46の遠位端部およびスキャナ変換器ユニット48(しかし50または51とすることができる)の拡大側面図であり、図9は、拡散器テールパイプとアダプタの間のギャップの中に下方に延長されたマストおよび変換器ユニットを示す。変換器ユニットは、ヨーク88および変換器センサヘッド90を含む。ヨーク88は、マスト46の遠位端部に旋回式に添付される。ヨーク上のアームは、変換器センサヘッド90の周りにはめ込まれ、ヘッドの面92が検査されている表面に隣接するように、旋回する変換器センサヘッド90を支持する。ヨークの背面上のポスト94により、センサヘッドが、検査されている壁および溶接部に対向する壁表面に当接するのが防止される。ヨークは、センサ面92が、検査されている壁表面22、32、および溶接部28に当接するなど、隣接するように、センサヘッド90を旋回させる。他のマスト上のヨークは、それぞれ、対応する壁面および溶接部に接してセンサヘッドの面を同様に旋回させる。
【0027】
図10は、ドライバモジュール64の背面透視図であり、図11は、ドライバハウジング96において見ることができるドライバの内部構成要素を有するドライバモジュールの前面透視図である。ハウジングは、ほぼ矩形であり、クローラ本体およびテールパイプ拡散器に合致するように弧形を有する。ドライバモジュール64は、クローラ本体の中心セクションにおいて取り付けられることが可能である。ドライバモジュールは、垂直に取り付けられ、かつモジュールの対向側面上にある1対の回転駆動ローラ66を含む。駆動ローラは、クローラをテールパイプの周りに移動させるように、テールパイプの表面と係合する。駆動ローラ66は、ローラとテールパイプ表面の間に良好な牽引力を提供するように、クローラ本体の高さの2分の1を超える長さに延びることが可能である。ローラ66は、テールパイプと係合することが可能であるように、クローラ本体から部分的に外部に、かつ内表面62を超えて本体まで延びる。
【0028】
駆動ローラは、駆動モジュール64の内部にあるモータ98によって給電される。駆動ベルト100またはチェーンが、モータによって移動され、両方のローラを共通の速度でターンさせる。張力ローラを含めて、ローラ102が、モータとローラの間でベルトを誘導し、ベルトが適切な量の張力下にあることを保証する。ローラのモータは、へそコード52を経て、または電池から電力を受け取ることが可能である。駆動ベルトのモータおよび/またはギアリングは、電力および制御ユニット54からの制御信号によって作動される。
【0029】
駆動モジュールは、ローラの間に取り付けられた吸引モジュール104を含む。吸引モジュールは、クローラ本体がテールパイプなどの拡散器の壁に接して適切に位置することを保証するために、クローラ本体と拡散器の間にわずかな吸引を創出する。吸引モジュールは、環状シュラウドハウジング108においてインペラ106を含む。インペラは、吸引モジュールにおいて回転式に取り付けられ、インペラ軸から、例えばインペラより上にモジュールにおいて水平に取り付けられた吸引モジュールのモータによって給電される駆動ギアと係合するギア110まで延びるベルトによって駆動される。インペラ106は、クローラ本体の内壁と拡散器テールパイプの壁の間にわずかな吸引を創出する。インペラのモータは、へそコードを経て、または電池から電力を受け取ることが可能である。モータおよび/またはインプラギアリングは、電力および制御ユニット54からの制御信号によって作動される。
【0030】
動作時、クローラ40は、原子炉が燃料補給のために開放されているときに使用されることが可能である。ロボットクローラ本体42は、原子炉圧力壁14とコア16の間のギャップ26の中に降下され、バフルプレート12の上に、ジェット噴霧ポンプの拡散器のテールパイプ22に当接して配置される。クローラ本体42からのへそコード52は、電力をクローラ本体に提供し、制御およびクローラ本体との連絡を確立するために、電力および制御ユニットに接続される。インペラを108は、クローラを拡散器テールパイプに接して配置するために開始される。
【0031】
技術者が、電力および制御ユニット54を経てクローラを動作する。クローラ本体のマスト46は、検査される溶接部のそれぞれと隣接して変換器ユニット48、50、および51を配置するように降下される。クローラ本体は、拡散器の周りの特定の角度位置において配置されることが可能であり、それにより、クローラの初期位置を決定することができる。技術者は、適切な信号が変換器ユニットのそれぞれから受信されており、かつクローラが制御ユニットと適切に通信していることを確認する。技術者は、駆動モータ98が作動されるように命令し、クローラは、拡散器の周りをゆっくり移動する。クローラが移動する際、溶接部28、30、34は、変換器ユニットのそれぞれの1つからの超音波信号で審問される。溶接部からの反射信号は、コンピュータ制御ユニット54によって分析および捕捉され、技術者が見るためにコンピュータスクリーンに表示されることが可能である。クローラは、クローラが拡散器の周りを移動する際、溶接部の表面を一掃するように、マストおよび変換器ユニットを上方および下方に移動させることが可能である。クローラの移動は、バフルプレートにわたって転がる追跡ホイール58によって測定される。追跡ホイール上の符号器が、クローラ本体によって進行された距離を示す変位信号を生成する。溶接部の検査は、クローラ本体が拡散器テールパイプの全周囲を横断したとき、拡散器について完了する。クローラ本体は、他の溶接部検査が実施される他の拡散器テールパイプまで、上昇および変位されることが可能である。
【0032】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられていることに関連して記述されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるのではなく、対照的に、添付の請求項の精神および範囲内に含まれる様々な修正および等価な構成を網羅することを意図することを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】破断領域が、拡散器シュラウドおよびアダプタを有する例示的なジェットポンプを示す、沸騰水型原子炉(BWR)の透視図である。
【図2】拡散器の一部、バフルプレートの縁、およびテールパイプをバフルプレートに接合するアダプタの拡大断面図である。
【図3】拡散器のテールパイプ、アダプタ、およびバフルプレートの間の溶接部を検査するクローラの透視図である。
【図4】拡散器の周囲を一周し、バフルプレートを横断するクローラのトップダウン図である。
【図5】溶接部を検査するために拡散器テールパイプとアダプタの間にスキャナ変換器を突出させるマストを有する、バフルプレートの上に拡散器に接して位置するクローラの側面図である。
【図6】クローラデバイスのマストモジュールの透視図である。
【図7】マストモジュールの断面図である。
【図8】マストおよびスキャナ変換器の拡大透視側面図である。
【図9】拡散器テールパイプとアダプタリングの間のギャップの断面の中に延びたマストおよびスキャナ変換器の拡大側面図である。
【図10】駆動ローラおよび吸引ファンを含むクローラ本体用のドライバモジュールの第1側面の透視図である。
【図11】本体の内部構成要素を示すためにモジュールのフレームが輪郭で示されている、クローラ用のドライバモジュールの第2側面の透視図である。
【符号の説明】
【0034】
10 ジェットポンプアセンブリ
12 バフルプレート
14 原子炉圧力壁
16 原子炉コア
18 ジェットポンプの拡散器
20 バフルプレートの開口
22 拡散器のテールパイプ
24 アダプタリング
26 環状ギャップ
28、30、34 溶接部
32 U形接合部
40 超音波溶接部検査
42 クローラ本体
44 円形経路
46 センサマスト
48 超音波変換器ユニット
50、51 超音波変換器ユニット
52 へそコード
54 電力および制御ユニット
56 伝達ポスト
58 追跡ホイール
60 符号器
62 クローラ本体の内部
64 ドライバモジュール
66 駆動ローラ
68 吸引デバイス
70 マストモジュール
72 クローラ本体の上方支持プレート
74 マストモジュールにおけるマストの開口
76 ギアホイール
78 モータ
80 ベベルギア
82 カラー
84 ローラ
86 スロット
88 変換器ユニットのヨーク
90 変換器センサヘッド
92 センサヘッドの面
94 ポスト
96 ドライバハウジング
98 駆動ローラモータ
100 駆動ベルト
102 ローラ
104 吸引モジュール
106 インペラ
108 シュラウドハウジング
110 ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査表面の横断に適合化された検査アセンブリ(10)であって、
第1側面(62)および底面を有するクローラ本体(42)であって、この第1側面が第1検査表面(18)に面するように適合化され、前記底面が、ギャップ(26)によって前記第1検査表面から隔てられた第2検査表面(12)と係合するように適合化されたクローラ本体(42)と、
前記第1検査表面の間に吸引を創出するように適合化され、前記吸引が、前記クローラ本体を第1検査表面に対して偏向させるように前記クローラ本体において適合化された吸引モジュール(68)と、
前記第1検査表面と係合するように適合化された前記クローラ本体上に取り付けられた少なくとも1つのローラ(66)と
センサ(48、50、51)を受けるためにマウントを有し、前記クローラ本体から前記ギャップの中に延びる少なくとも1つのマスト(46)とを備えることを特徴とする検査アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記センサ(48、50、51)が、超音波変換器、渦電流センサ、および像捕獲デバイスの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項3】
前記第1検査表面(18)が直立であり、前記第2検査表面(12)がほぼ水平であることを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項4】
前記第1検査表面(18)が、ほぼ円形の断面であり、前記クローラ本体の前記第1側面(62)が、前記第1検査表面に合致するように弧形であり、前記ギャップ(26)が環状であることを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項5】
前記クローラ本体の前記第1側面を通って延び、前記第1検査表面と係合するように適合化された少なくとも1つのドライバローラを含むドライバモジュール(64)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項6】
前記吸引モジュール(68)が、前記クローラ本体の前記第1側面と前記第1検査表面の間に吸引を創出するように適合化されたインペラ(106)を含むことを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項7】
前記クローラ本体上に取り付けられ、かつ前記第2検査表面(12)と係合する追跡ホイール(58)、および前記追跡ホイールの変位を表す信号を生成する符号器(60)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の検査アセンブリ。
【請求項8】
沸騰水型原子炉(BWR)のジェットポンプの拡散器に関連付けられた溶接部(28、30、34)を検査するように適合化された検査アセンブリ(10)であって、
第1側面(62)および底面を含み、前記第1側面が、前記拡散器の側面(18、22)に面し、前記底面が、前記BWRのバフルプレート(12)に面する、クローラハウジング(42)と、
前記クローラ本体を前記拡散器に接して偏向させるように、前記第1側面と前記拡散器の表面の間に吸引を創出するように適合化された前記第1側面における吸引デバイス(68)と、
センサ(48、50、51)を受けるためにマウントを有し、前記クローラハウジングから前記バフルプレートと前記拡散器の間の環状ギャップ(26)を通って下方に延びる少なくとも1つのマスト(46)とを備える、検査アセンブリ(10)。
【請求項9】
前記センサ(48、50、51)が、超音波変換器、渦電流センサ、および像捕獲デバイスの少なくとも1つであることを特徴とする請求項8記載の検査アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマスト(46)が、前記BWRの外部に面するセンサを有する第1マスト、および前記BWRの内部に面するセンサを有する第2マストを含む複数のマストであることを特徴とする請求項8記載の検査アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−145432(P2008−145432A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303922(P2007−303922)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】