説明

超音波洗浄方法及びその装置

【課題】
超音波洗浄において、被洗浄物表面の局所部分において生じるダメージを抑制し、かつ安定した洗浄性能を得るようにする。
【解決手段】
洗浄液を収容した処理槽の内部で被洗浄物を洗浄液に浸漬して保持し、超音波振動発信器によりある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力を超音波振動発生部に印加して超音波振動を発生させ、この発生させた超音波振動を処理槽の内部の被洗浄物が浸漬されている洗浄液に伝播させ被洗浄物を超音波洗浄する超音波洗浄方法において、超音波振動発信器から超音波振動発生部に印加するある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力のうち被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を他の周波数帯の高周波電力に対して変化させて超音波振動発生部に印加するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板を洗浄する装置及びその方法に係り、特に半導体ウェハやガラス基板に超音波振動をかけながら洗浄するのに適した超音波洗浄方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積装置の製造工程における洗浄方法は、バッチ式洗浄と枚葉式洗浄とに大別される。バッチ式洗浄とは、洗浄液を貯留した処理槽の中に、複数枚の被洗浄物を同時に浸漬して処理する洗浄方法である。一方、枚葉式洗浄とは、被洗浄物に洗浄液をかけ流しながら1枚ずつ処理する洗浄方法である。何れの方法も、洗浄液として用いられる水や薬品の使用量低減のため、洗浄液に対する超音波振動の照射が併用されている。
【0003】
従来の超音波洗浄装置として、例えば特開2003−320328号公報(特許文献1)には、洗浄槽に充填した洗浄液に被洗浄物を浸漬した状態で500KHz以上の周波数を洗浄槽の固有振動数を含んだ低周波で振幅変調または周波数変調して印加することにより洗浄槽を振動させ、洗浄槽内の一部に発生する停滞域を移動させることにより均一で安定した洗浄を行う超音波洗浄装置が記載されている。
【0004】
また、特開2008−227300号公報(特許文献2)には、洗浄槽を内槽と外槽との二重構造とし、内槽の底面が外槽の底面に対して傾いた状態で取付け、それぞれの槽に洗浄液を供給した状態で単一の周波数を中心周波数として2つの周波数変調部から変調幅が異なる超音波振動をかけることにより、洗浄槽内の全領域において音圧を均一化して洗浄する構成が記載されている。
【0005】
更に、特開2007−268448号公報(特許文献3)には、超音波洗浄装置の超音波振動体を複数の超音波振動素子を振動板上に並べて接着した複合素子配置構造体で形成し、振動板の各振動部位の厚さの差を小さく抑えることで被洗浄物に対して常に均一な精密洗浄が行えるようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−320328号公報
【特許文献2】特開2008−227300号公報
【特許文献3】特開2007−268448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の一般的なバッチ式超音波洗浄装置は、特許文献1乃至3に記載されているように、洗浄処理槽に洗浄液を満たした状態で超音波振動発生部で発生させた超音波振動を洗浄処理槽内部の洗浄液に伝達して洗浄処理槽内で洗浄液中に浸漬された被処理物を洗浄する。
【0008】
このとき、超音波振動を洗浄処理槽内部の洗浄液に伝達することで、洗浄液内には、減圧状態の空洞部(キャビティ)が局所的に発生する。さらに空洞部は、空洞部周囲にある洗浄液内の溶存ガスを直ちに空洞部の中に取り込み、微小な気泡(キャビテーション気泡)を形成する。このキャビテーション気泡は、振動を照射された洗浄液内で生じる圧力差によって、並進、膨張・収縮及び崩壊等の複雑な運動をする。洗浄処理槽内部の洗浄液に浸漬された被洗浄物の表面付近でこれらの運動が起こると、運動に伴って生じる洗浄液の強力な液流によって、被洗浄物の表面に付着した粒子状塵埃や膜状塵埃が剥離される。
【0009】
このとき、洗浄処理槽内部の洗浄液に伝達される超音波振動に偏りが生じ一部に超音波振動が集中したり、発生させた超音波振動が被処理物の共振周波数と一致してしまうと、被処理物にダメージ(破損)が生じることが想定される。
【0010】
これに対して特許文献1乃至3には、何れにも洗浄槽内全域において超音波振動を均一で安定させて洗浄を行うことについては記載されているが、駆動周波数を被処理物の共振周波数と一致させないようにして槽内で均一化することについては記載されていない。
【0011】
そこで、本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、被洗浄物表面の局所部分において生じるダメージを抑制し、かつ安定した洗浄性能を得る超音波洗浄方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明では、洗浄液を収容する処理槽と、この洗浄液を収容した処理槽の内部で被洗浄物を洗浄液に浸漬した状態で保持する保持手段と、超音波振動を発生させる超音波振動発生部と、超音波振動発生部にある範囲の周波数の高周波電力を印加して超音波振動を発生させる発振器と、超音波振動発生部で発生させた超音波振動を処理槽に収容された洗浄液に伝達させる振動伝達部と、この振動伝達部により洗浄液に伝達された超音波振動により処理槽の内部で保持手段に保持されて洗浄液に浸漬されている被洗浄物に生じる振動を検知する振動検知部と、振動検知部で検知した信号を受けて発振器を制御する制御部とを備えた超音波洗浄装置において、制御部は、超音波振動発生部に印加する高周波電力のある範囲の周波数の帯域において、被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を他の周波数帯の高周波電力に対して変化させるように前記発振器を制御するように構成した。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明では、洗浄液を収容した処理槽の内部で被洗浄物を洗浄液に浸漬して保持し、超音波振動発信器によりある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力を超音波振動発生部に印加して超音波振動を発生させ、この発生させた超音波振動を処理槽の内部の被洗浄物が浸漬されている洗浄液に伝播させ被洗浄物を超音波洗浄する超音波洗浄方法において、超音波振動発信器から超音波振動発生部に印加するある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力のうち被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を他の周波数帯の高周波電力に対して変化させて超音波振動発生部に印加するようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被洗浄物の強い振動に起因する、被洗浄物表面の局所部分において瞬間的に高い音圧が加わる現象が抑えられる。これにより、局所部分においてダメージ(破損)が生じることが抑制され、かつ安定した洗浄性能を得ることができる超音波洗浄装置を提供することができる。尚、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1における超音波洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1における超音波振動発生部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1における振動伝達部の構成を示す正面の断面図である。
【図4】実施例1における洗浄処理部の構成を示す正面の断面図である。
【図5】実施例1における振動検知部と搬送機構の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例1における制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】実施例1における制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施例1における高周波電力の電圧波形図で、初期の電圧振幅が一定な状態を示すグラフである。
【図9】実施例1における高周波電力の周波数波形を示すグラフの例である。
【図10】実施例1における被洗浄物における振動強度の経時変化を示すグラフである。
【図11A】実施例1において演算部が算出するデータの例で、共振周波数帯における電圧振幅を調整する前における周波数と電圧振幅の関係を示すグラフである。
【図11B】実施例1において演算部が算出するデータの例で、共振周波数帯における電圧振幅を調整した後における周波数と電圧振幅の関係を示すグラフである。
【図12】実施例1における高周波電力の電圧波形図で、共振周波数帯における電圧振幅を調整した状態を示すグラフである。
【図13A】共振周波数帯において、電圧印加のデューティ比D(T0/T)がDの状態を示す印加電圧波形図である。
【図13B】共振周波数帯において、電圧印加のデューティ比D(T1/T)がDの状態を示す印加電圧波形図である。
【図13C】共振周波数帯において、電圧印加のデューティ比D(T2/T)がDの状態を示す印加電圧波形図である。
【図14】実施例2における超音波洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図15】実施例2における振動検知部の構成を示すブロック図である。
【図16】実施例2において被洗浄物における振動強度の経時変化を示すグラフである。
【図17】実施例3における超音波洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施例3における超音波振動発生部の構成を示す正面の断面図である。
【図19】実施例3における洗浄処理部の構成を示す正面の断面図である。
【図20】実施例3における振動検知部と搬送機構の構成を示すブロック図である。
【図21】実施例4における超音波洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施例4における超音波振動発生部と振動検知部の構成を示すブロック図である。
【図23】実施例5における超音波洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図24】実施例5における振動検知部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
本実施例では、圧電素子を利用して被洗浄物の振動を直接的に検知する方式を利用したバッチ式超音波洗浄装置の例を説明する。
【0018】
図1は、実施例1に係る超音波洗浄装置100の構成図の例である。超音波洗浄装置100は、発振器110と、超音波振動発生部120と、振動伝達部130と、洗浄処理部140と、振動検知部150と、制御部160とを備える。
【0019】
発振器110は、周波数20kHz以上で、かつ所定の振幅の電気信号(高周波電力)を超音波振動発生部120に付与する。被洗浄物Wの表面に配線パターン等の繊細な構造体が形成されている場合、微細な構造体が破壊されるのを抑制するためには、前記周波数は500kHz以上であることが望ましい。
【0020】
図2は、超音波振動発生部120の構成図の例である。超音波振動発生部120は、圧電振動子121と、振動板122と、振動子ケース123と、給電ケーブル124a, 124bとを備える。
【0021】
圧電振動子121は、板状のジルコン・チタン酸鉛(PZT)の焼結体であり、その主面(振動板122と対向する面)は長方形である。圧電振動子121は、アレイ状に配置されており、その主面側は振動板122の裏面に接着され、主面の反対側は振動子ケース123によって外部から遮蔽されている。圧電振動子121の主面の側にはグランド電極層121aが、主面と反対側の面には高周波印加電極層121bが形成されている。給電ケーブル124aは、一端は発振器110に接続し、他端はグランド電極層121aに接続している。給電ケーブル124bは、一端は発振器110に接続し、他端は高周波印加電極層121bに接続している。
【0022】
圧電振動子121は、給電ケーブル124a,124b及びグランド電極層121a、高周波印加電極層121bを介して、発振器110から高周波電力を付与されると、逆ピエゾ効果によって厚さ方向に伸縮振動し、この振動は振動板122に伝搬し、振動板122の主面から振動伝達部130に向かって超音波振動として放射される。
【0023】
図3は、振動伝達部130の構成図の例である。振動伝達部130は、脱気水131と、それを貯留する間接槽132とを備える。133aは間接槽132に脱気水131を供給するための供給口、133bは間接槽132から脱気水131を排出するための排出口である。間接槽132の底部には、開口部132aが設けられ、開口部132aには振動板122が取り付けられている。振動板122の表面から放射された超音波振動は、脱気水131を介して、洗浄処理部140へ伝搬する。そのため、間接槽132内は、本実施例のように、超音波振動の伝搬を阻害する障害物や気体等を含まないことが望ましい。
【0024】
図4は、洗浄処理部140の構成図の例である。洗浄処理部140は、処理槽141と、搬送機構142とを備え、何れの材質も石英である。
【0025】
処理槽141は、底部から見た断面が方形状の槽であり、底部付近には洗浄液Lの給液管141aを備え、処理槽141の上部外壁面には外槽141bを備えている。外槽141bの底部には局所的に開口部が設けられ、開口部には廃液管141cが取り付けられている。洗浄液Lは、給液管141aを通して供給され、処理槽141に貯留される。処理槽141より溢れ出た洗浄液Lは、一時的に外槽141bに貯留され、廃液管141cを通して系外へ排出される。尚、洗浄液Lは、溶存ガス濃度が調整された溶液であることが望ましい。振動伝達部130を介して放射された超音波振動は、処理槽141の底部を介して、洗浄液Lに伝搬されることによって、被洗浄物Wに対する洗浄効果が発現する。
【0026】
図5は、振動検知部150の構成図の例と、搬送機構142の構成図の例である。振動検知部150は、圧電素子151と、増幅器152と、波形計測器153とを備え、搬送機構142は、リフタ142aと、保持部142bとを備え、圧電素子151と一体化している。
【0027】
リフタ142aは、処理槽141の内部において、保持部142bごと被洗浄物Wの位置を調整する。保持部142bには、複数の保持溝142cが刻まれており、圧電素子151は、少なくとも1つ以上の保持溝142cの表面に設置されている。被洗浄物Wは、保持溝が被洗浄物Wの外周部の一部を挟む際に、圧電素子151の主面と接触する。一端において圧電素子151と接続するケーブル151aは、処理槽141の内部で露出しないように、リフタ142aの内部と、保持部142bの内部に埋め込まれている。ケーブル151aの他端は、洗浄処理部140の外部に設置された増幅器152に接続している。
【0028】
圧電素子151は、被洗浄物Wの振動(ラム波)を検知すると、ピエゾ効果によって電圧信号へ変換する。増幅器152は、前記電圧信号を増幅し、波形計測器153は、増幅された電圧信号を計測し、表示画面154に計測した信号波形を表示する。
【0029】
図6は、制御部160の構成図の例である。制御部160は、外部通信部161と、発振器モニタ162と、振動検知部モニタ163と、記録部164と、演算部165とを備える。
【0030】
図7は、超音波洗浄装置100による処理の一連の動作を説明するフロー図である。先ず、初期段階の処理として、外部通信部161は、超音波洗浄装置100の外部から洗浄処理開始の入力を受け(S701)、発振器110に対して高周波電力の発生を開始させ(S702)、振動検知部150に対して振動検知を開始させる(S703)。発振器110は、外部通信部161からの入力を受け、一定の電圧振幅と、一定の周波数変調範囲と、一定の周波数変調周期を有する高周波電力を発生する(洗浄処理開始)。発振器モニタ162は、洗浄処理開始からの経過時間と、前記高周波電力の周波数とを入力として受け、周波数の経時変化として記録部164へ格納する(S704)。振動検知部モニタ163は、洗浄処理開始からの経過時間と、波形計測器153において数値化された振動強度とを入力として受け、振動強度の経時変化として記録部164へ格納する(S705)。
【0031】
図8は、初期段階において、発振器110が発生させる高周波電力の電圧波形801の例である。図中の横軸811は洗浄処理開始からの経過時間t、図中の縦軸812は電圧Vである。電圧振幅Vは一定であるが、位相が元の値に戻るまでの時間(周波数fの逆数)は、経過時間とともに変化する。電圧Vは(1)式で与えられる。
【0032】
【数1】

【0033】

図9は、初期段階において、発振器110が発生させる高周波電力の周波数波形901の例であり、発振器モニタ162が入力として受け、記録部164へ格納するデータである。図中の横軸911は洗浄処理開始からの経過時間t、図中の縦軸912は周波数fである。周波数変調の範囲f−Δf乃至f+Δfと、周波数変調の周期τは、ともに一定である。周波数fは(2)式で与えられる。
【0034】
【数2】

【0035】
図10は、初期段階において、被洗浄物Wの振動強度1001の経時変化の例であり、振動検知部モニタ163が入力として受け、記録部164へ格納するデータである。図中の横軸1011は洗浄処理開始からの経過時間t、図中の縦軸1012は振動強度の変換と増幅によって得られた電圧信号vである。振動強度1001の電圧信号vの振幅|v|が大きい状態、即ち被洗浄物Wの振動が強い状態が時間周期的に現れる。
【0036】
図7のフロー図に戻って、制御部160における初期段階経過後の処理を説明する。記録部164は、演算部165に対し、周波数fの経時変化データ901(図9)と、振動強度の電圧信号vの経時変化データ1001(図10)とを入力する(S706)。演算部165は、記録部164からの入力を受け、夫々の周波数fに対する振幅|v|を算出し(S707)、何れの周波数変調範囲f−Δf乃至f+Δfにおいても、振幅|v|が基準範囲vmin乃至vmaxに入るか否かを診断する(S708)。
【0037】
振幅|v|が基準範囲に入る場合、演算部165は、外部通信部110に対して、初期段階の処理の継続を命令する(S704,S705)。一方、振幅|v|が基準範囲に入らない場合、外部通信部110に対して、その時の周波数fにおける電圧振幅Vを変化させるように命令する(S709)。命令の内容は、|v|<vminの場合、Vを増大させ、|v|>vmaxの場合、Vを減少させることである。
【0038】
外部通信部161は、演算部165からの入力を受け、発振器110に対して、夫々の周波数fにおける高周波電力の電圧振幅Vを再設定する。演算部165は、何れの周波数変調範囲f−Δf乃至f+Δfにおいても、振幅|v|が基準範囲に入るまで、電圧振幅Vの再設定を繰り返し行う。尚、発振器モニタ162、振動検知部モニタ163及び記録部164は、振幅|v|が基準範囲に入るか否かに関わらず、夫々の処理を継続する。
【0039】
図11Aは、演算部165が算出するデータの例である。図中の横軸1111は周波数f、図中の縦軸1112は振動強度の電圧信号v1101の振幅|v|である。本図の場合、初期の電圧振幅Vが一定の段階では、周波数f0a乃至f0b、周波数f1a乃至f1b及び周波数f2a乃至f2bにおいて、振幅|v|>vmaxとなる。前記の周波数範囲を共振周波数帯と定義する。
【0040】
この場合は、演算部165は、夫々の共振周波数帯における電圧振幅をV00、V01及びV02に再設定すると(図12に、周波数f1a乃至f1bの範囲の電圧振幅をV01に再設定した状態の波形1201を示す)、図11Bに波形1102として示すように、周波数f0a乃至f0b、周波数f1a乃至f1b及び周波数f2a乃至f2bにおいて、振幅|v|即ち被洗浄物Wの振動が小さくなる。その結果、被洗浄物W表面の局所部分に対して、瞬間的に高い音圧が加わる現象が防止され、ダメージ(破損)が抑制される。尚、夫々の共振周波数帯において、電圧振幅Vの再設定の代りに、電圧印加のデューティ比D(Ti/T)を図13Aに示すようにD、図13Bに示すようにD及び図13Cに示すように
と再設定しても同様の効果が得られる。
【0041】
図7のフロー図に戻って、制御部160における終期段階の処理においては、外部通信部161は、超音波洗浄装置100の外部から洗浄処理停止の入力が有るか否かをチェックする(S710)。その結果、停止の入力が無い場合(NOの場合)にはS704及びS705のステップに戻って一連の処理を継続する。一方、停止の入力が有った場合(YESの場合)には、発振器110に対して高周波電力の発生を停止させ(S711)、振動検知部150に対して振動検知を停止させる(S712)。発振器モニタ162は、発振器110における高周波電力発生の停止を受けて停止し(S713)、振動検知部モニタ163は、振動検知部150における振動検知停止を受けて停止する(S714)。記録部164は、発振器モニタ162または振動検知部モニタ163の少なくとも一方が停止するのを受けて停止する(S715)。演算部165は、記録部164が停止するのを受けて停止する(S716)。これにより、一連の動作を終了する。
【実施例2】
【0042】
本実施例では、光学式変位センサを利用して被洗浄物の振動を間接的に検知する方式を利用したバッチ式超音波洗浄装置の例を説明する。
【0043】
図14は、実施例2に係る超音波洗浄装置200の構成図の例である。超音波洗浄装置200は、発振器110と、超音波振動発生部120と、振動伝達部130と、洗浄処理部140と、振動検知部250と、制御部160とを備える。
【0044】
実施例1で説明した図1の超音波洗浄装置100のうち、振動検知部150を振動検知部250に変更したものである。その他の構成は、既に説明した図1乃至図4及び図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0045】
図15は、振動検知部250の構成図の例である。振動検知部250は、駆動回路251と、光源252と、投光レンズ253と、受光レンズ254と、光位置検出素子255と、増幅器256と、波形計測器257とを備える。尚、振動検知部250の何れの構成要素ともに、搬送機構142とは一体化しておらず、完全に独立している。
【0046】
駆動回路251は、光源252に対して電力を供給する。光源252は、入力される電力の種類(直流か交流か)、周波数、電圧振幅に対して、発光のタイミングや発光強度の応答性が高い、発光ダイオードである。投光レンズ253は、処理槽141の側面のうち被洗浄物Wの一端が対向する側の面の外側に配置され、光源252において発光した光を集光させ、処理槽141の内部へ入射する。受光レンズ254は、処理槽141の側面のうち投光レンズ253が配置される側の面に対向する面の外側に配置され、処理槽141の内部を通過した光を集光し、光位置検出素子255へ入射する。光位置検出素子255は、素子内の所定の座標において、検出される光の強度を電圧信号へ変換する。増幅器256は、前記電圧信号を増幅し、波形計測器257は、増幅された電圧信号を計測する。
【0047】
図16は、被洗浄物Wにおける振動強度1501の経時変化の例であり、光位置検出素子255のうち被洗浄物Wの表面付近に対応する座標における検出光強度の経時変化である。図中の横軸1511は洗浄処理開始からの経過時間t、図中の縦軸1512は検出光強度の変換と増幅によって得られた電圧信号vである。被洗浄物Wの振動が強い場合、被洗浄物Wの表面付近では、洗浄液Lの密度が大きく変動するのに伴い、光に対する屈折率も大きく変動するため、電圧信号vの変動の振幅|v|が増大する。
【0048】
本実施例の場合においても、図11A及び図11Bで示したデータの算出が可能である。よって、図7で示したフローチャートに基づいて処理を実行することで、被洗浄物W表面の局所部分に対して、瞬間的に高い音圧が加わる現象が防止され、ダメージ(破損)が抑制される。
【実施例3】
【0049】
本実施例では、圧電素子を利用して被洗浄物の振動を直接的に検知する方式を利用した枚葉式超音波洗浄装置の例を説明する。
【0050】
図17は、実施例3に係る超音波洗浄装置300の構成図の例である。超音波洗浄装置300は、発振器110と、超音波振動発生部320と、洗浄処理部340と、振動検知部350と、制御部160とを備える。
【0051】
実施例1で説明した図1の超音波洗浄装置100のうち、超音波振動発生部120を超音波振動発生部320に変更し、振動伝達部130を省き、洗浄処理部140を洗浄処理部340に変更し、振動検知部150を振動検知部350に変更したものである。その他の構成は、図1に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0052】
図18は、超音波振動発生部320の構成図である。超音波振動発生部320は、圧電振動子321と、振動板322と、振動子ケース323と、給電ケーブル324とを備え、全体として円筒形状の外観を有する。超音波振動発生部320は、主面が上方を向くように設置された被洗浄物Wに対して、その主面より1mm乃至3mmの距離を保って設置されている。
【0053】
圧電振動子321は、板状のジルコン・チタン酸鉛(PZT)の焼結体であり、その主面は円形で、振動板322の裏面に接着されている。圧電振動子321の主面及びその反対側の面には、電極層321aが形成されている。振動板322は、板状の石英であり、その主面の直径は圧電振動子321の主面と同じである。振動子ケース323は、円筒形状のフッ素樹脂であり、圧電振動子321、振動板322及び給電ケーブル324を内包する。振動子ケース323の底部には円形の開口部323aが設けられ、開口部323aの直径は、振動板322の直径より小さい。圧電振動子321及び振動板322は、開口部323a付近に取り付けられ、振動板322の主面における内側の一部が、開口部323aに露出している。給電ケーブル324は、一端は発振器110に接続し、他端は電極層321aに接続している。
【0054】
圧電振動子321は、給電ケーブル324及び電極層321aを介して、発振器110から高周波電力を付与されると、逆ピエゾ効果によって厚さ方向に伸縮振動し、この振動は振動板322に伝搬し、振動板322の主面から超音波振動として放射される。
【0055】
図19は、洗浄処理部340の構成図の例である。洗浄処理部340は、給液管341a及び341bと、搬送機構342と、スイングアーム343とを備える。
【0056】
給液管341a及び341bは、円形管状のフッ素樹脂である。給液管341aは、被洗浄物Wの主面の上方かつ超音波振動発生部320の近隣に並設されている。給液管341aの先端は、被洗浄物Wの主面を向いている。給液管341bは、被洗浄物Wの裏面の下方に設置されている。給液管341bの先端は、被洗浄物Wの裏面を向いている。スイングアーム343は、超音波振動発生部320と給液管341aとを同時に保持し、被洗浄物Wの主面に対して平行方向に旋回軸344を回転中心として揺動する。洗浄液Lは、給液管341aから被洗浄物Wの主面に向かって吐出され、給液管341bから被洗浄物Wの裏面にも吐出される。被洗浄物Wの主面及び裏面には、洗浄液Lの液膜が形成され、振動板322の主面より放射された超音波振動が洗浄液Lに伝搬することによって、被洗浄物Wの主面及び裏面に対する洗浄効果が発現する。
【0057】
図20は、振動検知部350の構成図と、搬送機構342の構成図である。振動検知部350は、圧電素子351と、増幅器352と、波形計測器353とを備え、搬送機構342は、スピンベース342aと、保持部342bと、回転軸342cと、モータ342dとを備え、圧電素子351と一体化している。
【0058】
スピンベース342aは、被洗浄物Wの裏面の下方に位置し、保持部342bごと被洗浄物Wを支える。保持部342bは、スピンベース342aの上面の周縁部に沿って、少なくとも3本以上配置され、圧電素子351は、少なくとも1つ以上の保持部342bの表面に設置されている。被洗浄物Wの外周部の一部は、保持部342bにおいて保持されると同時に、圧電素子351の主面と接触する。回転軸342cは、一端においてスピンベース342aの裏面の中央部に固定され、他端においてモータ342dに接続している。モータ342dを駆動すると、回転軸342cが回転するとともに、スピンベース342aと保持部342bと被洗浄物Wとが一体的に水平回転する。一端において圧電素子351と接続するケーブル351aは、洗浄液Lに晒されないように、スピンベース342aの内部と、保持部342bの内部と、回転軸342cの内部に埋め込まれている。ケーブル351aの他端は、洗浄処理部340の外部に設置された増幅器352に接続している。
【0059】
圧電素子351、増幅器352及び波形計測器353は、図5に示された圧電素子151と、増幅器152及び波形計測器153と同一の機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0060】
本実施例の場合においても、図8乃至図11Bで示したデータの算出が可能である。よって、図7で示したフローチャートに基づいて処理を実行することで、被洗浄物W表面の局所部分に対して、瞬間的に高い音圧が加わる現象が防止され、ダメージ(破損)が抑制される。
【実施例4】
【0061】
本実施例では、超音波振動発生部と振動検知部とが一体化した枚葉式超音波洗浄装置の例を説明する。
【0062】
図21は、実施例4に基づく超音波洗浄装置400の構成図である。超音波洗浄装置400は、発振器110と、超音波振動発生部420と、洗浄処理部340と、振動検知部450と、制御部160とを備える。
【0063】
実施例3で説明した図17の超音波洗浄装置300のうち、超音波振動発生部320を超音波振動発生部420に変更し、振動検知部350を振動検知部450に変更したものである。その他の構成は、図1、図17及び図19に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0064】
図22は、超音波振動発生部420の構成図と、振動検知部450の構成図である。超音波振動発生部420は、圧電振動子321と、振動板322と、振動子ケース323と、給電ケーブル424とを備え、全体として円筒形状の外観を有する。振動検知部450は、増幅器452と、波形計測器453とを備える。
【0065】
図18で示した超音波振動発生部320のうち、給電ケーブル324を給電ケーブル424に変更し、図20で示した振動検知部350のうち、圧電素子351を省いたものである。
【0066】
給電ケーブル424は、主ケーブル424a及び424bと、分岐ケーブル424c及び424dと、中継部424eとを備える。主ケーブル424a及び424bは、一端において発振器110に接続し、他端において圧電振動子321の電極層321aに接続している。分岐ケーブル424c及び424dは、一端において増幅器452に接続し、他端において、夫々中継部424e内で主ケーブル424a及び424bに接続している。分岐ケーブル424cは電圧計測に用いられ、分岐ケーブル424dは電流計測に用いられる。
【0067】
波形計測器453は、発振器110が超音波振動発生部320に付与する高周波電力の
電圧及び電流の経時変化を計測する。被洗浄物Wが強く振動すると、超音波振動は、被洗浄物Wの裏面へ強く透過し、洗浄液L内における乱反射現象が顕著となる。この時、被洗浄物Wの主面から振動板322に対して直接入射する反射波成分が弱まり、圧電振動子321は、負荷が軽減されて強く振動する。そのため、波形計測器453で計測される電圧及び電流は増大する。以上の原理を利用することで、波形計測器453によって、被洗浄物Wの振動状態を観測することが可能になる。
【0068】
本実施例の場合においても、図8乃至図11Bで示したデータの算出が可能である。よって、図7で示したフローチャートに基づいて処理を実行することで、被洗浄物W表面の局所部分に対して、瞬間的に高い音圧が加わる現象が防止され、ダメージ(破損)が抑制される。
【実施例5】
【0069】
本実施例では、ハイドロフォンプローブ(音圧計)を利用して被洗浄物の振動を間接的に検知する方式を利用したバッチ式超音波洗浄装置の例を説明する。
【0070】
図23は、実施例5に係る超音波洗浄装置500の構成図の例である。超音波洗浄装置500は、発振器110と、超音波振動発生部120と、振動伝達部130と、洗浄処理部140と、振動検知部550と、制御部160とを備える。
【0071】
実施例1で説明した図1の超音波洗浄装置100のうち、振動検知部150を振動検知部550に変更したものである。その他の構成は、既に説明した図1乃至図4及び図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0072】
図24は、振動検知部550の構成図の例である。振動検知部550は、ハイドロフォンプローブ551と、増幅器552と、波形計測器553とを備える。
【0073】
ハイドロフォンプローブ551は、計測範囲の指向性が高く、通常は音圧測定を目的として、先端部551aが超音波振動発生部120に対向するように配置される。本実施例におけるハイドロフォンプローブ551は、処理槽141の内部において、先端部551aが被洗浄物Wの主面に対向するように配置されている。よって、被洗浄物Wの振動に伴って、被洗浄物Wの主面から洗浄液Lへ放射される圧力波が高感度に検出される。ハイドロフォンプローブ551は、圧力波をピエゾ効果によって電圧信号へ変換する。増幅器552は、前記電圧信号を増幅し、波形計測器553は、増幅された電圧信号を計測し、大きさと伝搬方向を有するベクトル量として出力する。
【0074】
本実施例の場合においても、図8乃至図11Bで示したデータの算出が可能である。よって、図7で示したフローチャートに基づいて処理を実行することで、被洗浄物W表面の局所部分に対して、瞬間的に高い音圧が加わる現象が防止され、ダメージ(破損)が抑制される。
【0075】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0076】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0077】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100、200、300,400,500,600…超音波洗浄装置 110,610…発振器 120、320、420,620…超音波振動発生部 121、321…圧電振動子 130…振動伝達部 132…間接槽 140、340,640…洗浄処理部 141…処理槽 141b 外槽 142…搬送機構 150、250、350、450、550…振動検知部 151、351…圧電素子 152、352,552…増幅器 153、353,453,553…波形計測器 160…制御部 161…外部通信部 162…発振器モニタ 163…振動検知部モニタ 164…記録部 165…演算部 251…駆動回路 252…光源 253…投光レンズ 254…受光レンズ 255…光位置検出素子 256…増幅器 257…波形計測器 551…ハイドロフォンプローブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を収容する処理槽と、
該洗浄液を収容した処理槽の内部で被洗浄物を前記洗浄液に浸漬した状態で保持する保持手段と、
超音波振動を発生させる超音波振動発生部と、
前記超音波振動発生部にある範囲の周波数の高周波電力を印加して超音波振動を発生させる発振器と、
前記超音波振動発生部で発生させた超音波振動を前記処理槽に収容された洗浄液に伝達させる振動伝達部と、
該振動伝達部により前記洗浄液に伝達された超音波振動により前記処理槽の内部で前記保持手段に保持されて前記洗浄液に浸漬されている前記被洗浄物に生じる振動を検知する振動検知部と、
前記振動検知部で検知した信号を受けて前記発振器を制御する制御部と
を備えた超音波洗浄装置であって、
前記制御部は、前記超音波振動発生部に印加する高周波電力の前記ある範囲の周波数の帯域において、前記被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を他の周波数帯の高周波電力に対して変化させるように前記発振器を制御することを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波洗浄装置であって、前記制御部は、前記発信器が発振する周波数と前記振動検知部が検知する振動強度との関係から前記被洗浄物の共振周波数帯を導出し、前記発振器に対して、前記導出した被洗浄物の共振周波数帯においては前記超音波振動発生部に印加する高周波電力を変化させることを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の超音波洗浄装置であって、前記制御部は、前記被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力の電圧振幅を前記周波数帯以外の高周波電力の電圧振幅に対して減少させるように前記発振器を制御することを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の超音波洗浄装置であって、前記振動検知部は、前記被洗浄物と接するように配置された圧電素子、又は投光器と受光器とを備えて前記投光器により前記被洗浄物の表面近傍に照射した光を前記受光器で検出した信号から前記被洗浄物の振動を検知する光学的振動検知手段、又は音圧計の何れかを備えることを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項5】
洗浄液を収容した処理槽の内部で被洗浄物を前記洗浄液に浸漬して保持し、
超音波振動発信器によりある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力を超音波振動発生部に印加して超音波振動を発生させ
該発生させた超音波振動を前記処理槽の内部の前記被洗浄物が浸漬されている前記洗浄液に伝播させ前記被洗浄物を超音波洗浄する
超音波洗浄方法であって、
前記超音波振動発信器から前記超音波振動発生部に印加する前記ある範囲で周波数を変化させて発生させた高周波電力のうち前記被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を他の周波数帯の高周波電力に対して変化させて前記超音波振動発生部に印加することを特徴とする超音波洗浄方法。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波洗浄方法であって、前記被洗浄物の共振周波数帯を、前記超音波振動発信器から前記超音波振動発生部に印加する前記高周波電力を前記ある範囲で周波数を変化させたときの前記被洗浄物の振動の状態を検知して得た情報に基づいて求めることを特徴とする超音波洗浄方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の超音波洗浄方法であって、前記被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力を変化させて前記超音波振動発生部に印加することを、前記被洗浄物の共振周波数帯に相当する周波数帯の高周波電力の電圧振幅を前記周波数帯以外の高周波電力の電圧振幅に対して減少させて前記超音波振動発生部に印加することを特徴とする超音波洗浄方法。
【請求項8】
請求項6記載の超音波洗浄方法であって、前記被洗浄物の振動の状態を検知することを、前記被洗浄物と接するように配置された圧電素子で検出すること、又は投光器と受光器とを備えて前記投光器により前記被洗浄物の表面近傍に照射した光を前記受光器で検出した信号から前記被洗浄物の振動を検知すること、又は音圧計を用いて振動している前記被洗浄物から発生する圧力波を検出することの何れかにより行うことを特徴とする超音波洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−51356(P2013−51356A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189423(P2011−189423)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】