説明

超音波洗浄装置

【課題】 高圧ノズル洗浄では、洗浄液の高圧による衝撃から被洗浄物にダメージを与え、流体ノズル洗浄では、大量のキャリアガスを必要とし、2流体の噴出による騒音と流体の飛散による装置汚染がある。
【解決手段】 ケース1に内部支持部1aが形成され、内部支持部1aの下部に空洞部1bが形成され、空洞部1bの下部に絞り部1cが形成され、絞り部1cの下部に拡大部1dが形成され、内部支持部1aの内側にパッキン2を介してホーン3が支持され、ホーン3の太い上端部3aの上に超音波振動子4が装着され、超音波振動子4に発振器5が接続され、ケース1に洗浄液供給パイプ6が装着され、洗浄液供給パイプ6は洗浄液供給装置7に接続され、ケース1のにキャリアガス供給パイプ8が装着され、キャリアガス供給パイプ8にキャリアガス供給装置9が接続され、ケース1の下部被洗浄物10が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液とキャリアガスと超音波を被洗浄物に照射して洗浄するようにした超音波洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の超音波洗浄装置としては、洗浄液を高圧にして噴射させる高圧ノズル洗浄と、キャリアガスと洗浄液を混合して噴射させる流体ノズル洗浄が知られている。
【0003】
しかしながら、このような超音波洗浄装置において、高圧ノズル洗浄では、洗浄液を高圧にする装置が必要であり、又、洗浄液の高圧による衝撃から被洗浄物に傷が生じたり、被洗浄物のパターン等に断線等のダメージが生じるという問題があり、又、流体ノズル洗浄では、圧力が低く、洗浄効率は高いものの、N2100NL/min.程度の大量のキャリアガスを必要とし、2流体の噴出による騒音と流体の飛散による装置汚染があるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の超音波洗浄装置では、高圧ノズル洗浄では、洗浄液の高圧による衝撃から被洗浄物にダメージを与えるという点があり、又、流体ノズル洗浄では、大量のキャリアガスを必要とし、2流体の噴出による騒音と流体の飛散による装置汚染があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、ケースの中心に空洞部を設け、この空洞部から下端近傍を細い絞り部を設け、上部近傍に内側突出部を設け、このケースの内側突出部にパッキンによってホーンが支持され、このホーンは上端部が太く、下端部が細く形成され、ホーンの下端部はケースの細い絞り部の近傍に位置きめされ、ホーンの上端部に圧電体振動子が装着され、洗浄液供給パイプがケースの側部から空洞部に装着され、洗浄液供給装置が洗浄液供給パイプに接続され、洗浄液供給パイプに対向した位置にキャリアガス供給パイプがケースの側部から空洞部に装着され、キャリアガス供給装置が供給供給パイプに接続され、被洗浄物がケースの下端部に対向するように配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の超音波洗浄装置では、超音波振動による加速度がキャリアガスの衝撃波へさらに加速することができ、キャリアガスの衝撃波と超音波振動による加速度を重ねた加速度が得られるので、従来のキャリアガスと洗浄液の量を削減でき、又、超音波振動による加速度を加算することにより、圧力も低下することができ、さらに、被洗浄物と装置への洗浄液の飛散を削減できるため、洗浄液の飛散によるミスト及び汚染を削減でき、洗浄液、キャリアガス、超音波振動により広くジェット流、衝撃波力、サイドジェット振動を制御できるので、被洗浄物の異物の流れや剥離力を増強することができる。
【実施例】
【0007】
図1は本発明の実施例の超音波洗浄装置の側面断面図で、ケース1は内部の上部近傍に内部支持部1aが形成され、内部支持部1aの下部に空洞部1bが形成され、この空洞部1bから下部に細く絞られた絞り部1cが形成され、この絞り部1cの下部に拡大部1dが形成され、内部支持部1aの内側にパッキン2を介してホーン3が支持され、ホーン3の上端部3aは太く、下端部3bは細く形成され、下端部3bはケース1の絞り部1cの近傍に位置決めされ、ホーン3の太い上端部3aの上に超音波振動子4が装着され、この超音波振動子4に発振器5が接続され、さらに、ケース1の側部から空洞部1bに洗浄液供給パイプ6が装着され、洗浄液供給パイプ6は洗浄液供給装置7に接続され、さらに、洗浄液供給パイプ7の対向するケース1の側部から空洞部1bにキャリアガス供給パイプ8が装着され、このキャリアガス供給パイプ8にキャリアガス供給装置9が接続され、又、ケース1の下部の拡大部1dに対向した位置に被洗浄物10が配置されている。
【0008】
このように構成された本実施例の超音波洗浄装置では、まず、洗浄液供給装置7からケース1の空洞部1b内に洗浄液を供給し、空洞部1b内に洗浄液が充満した状態でキャリアガス供給装置9からキャリアガスを供給するとともに、超音波振動子4に発振器5から発振出力を供給すると、空洞部1b内の洗浄液はキャリアガスによる加速度だけではなく、超音波振動により加速させることができるので、洗浄液を振動させるだけでなく、ジェット流と被洗浄物10も振動させ、さらに、超音波振動を変調することにより、ジェット流と被洗浄物10も変調させることにより、微細異物の除去率を高め、かつ複合振動により被洗浄物10のダメージを防ぐことができる。
【0009】
このように、本実施例では、高周波超音波を用いると、1500G程度の加速度を得ることができ、又、2流体ジェットの液滴速度は400M/sec程度の速度をさらに超音波により加速でき、この加速を被洗浄物に液滴として与えると、衝撃波とジェット流が発生し、さらに、被洗浄物10も振動することにより、異物が除去でき、2流体の加速度を超音波によりさらに、加速できるが、この加速を2流体の加速と同じとすれば、キャリアガスと洗浄液はその分だけ削減でき、又、ケース1の絞り部1cに超音速ノズル形状を付加することにより、超音速波を出力でき、又、超音波振動の変調により、被洗浄物10の振動とジェット流の制御をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
なお、微細異物の除去ができるため、半導体用では、ウエハやマスクの微細異物を除去することができ、液晶では、液晶基板、カラーフィルタ基板及びニユーメデイア等の高密度、微細品の洗浄ができることから精密洗浄ノズル及び洗浄装置として、利用でき、さらに、ホーン3と金属ブロックの間に超音波振動子4を装着してボルト締めしたランジュバン型振動子を使用すると、さらに、強力な超音波を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の超音波洗浄装置の側面断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 ケース
2 パッキン
3 ホーン
4 超音波振動子
5 発振器
6 洗浄液供給パイプ
7 洗浄液供給装置
8 キャリアガス供給パイプ
9 キャリアガス供給装置
10 被洗浄物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に空洞部を設け、該空洞部から下端近傍を細い絞り部を設け、上部近傍に内側突出部を設けたケースと、該ケースの内側突出部にパッキンによって支持され、上端部が太く、下端部が細く形成されて前記ケースの細い絞り部の近傍に位置きめされたホーンと、該ホーンの上端部に装着された圧電体振動子と、前記ケースの側部から空洞部に装着された洗浄液供給パイプと、該洗浄液供給パイプに接続された洗浄液供給装置と、前記洗浄液供給パイプに対向した位置に前記ケースの側部から前記空洞部に装着されたキャリアガス供給パイプと、該供給供給パイプに接続されたキャリアガス供給装置と、前記ケースの下端部に対向するように配置された被洗浄物とからなることを特徴とする超音波洗浄装置。

【図1】
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