説明

超音波画像診断装置及び超音波画像処理方法

【課題】スペックルを考慮した正確な超音波画像診断を可能とする、超音波画像を取得することができる超音波画像診断装置及び超音波画像処理方法を提供する。
【解決手段】超音波画像診断装置20は、被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子20bと、超音波探触子20bにより取得された受信信号を輝度信号に変換し、当該輝度信号から超音波画像データを生成する画像生成部204と、超音波探触子20bにより取得された受信信号からスペックルの信号レベルを検出するスペックル検出部と、スペックル検出部により検出されたスペックルの信号レベルを基準として、画像生成部204が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整する調整部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像診断装置及び超音波画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の振動子(トランスデューサー)を配列して備える振動探触子(プローブ)を有し、生体等の被検体に対して超音波の送受信を行い、受信した超音波から得られた信号(受信信号)に基づいて超音波画像データを生成し、これに基づいて超音波画像を画像表示装置に表示する超音波画像診断装置が知られている。このような超音波画像診断装置では、対数増幅された受信信号に対して、ゲインやダイナミックレンジの調整、及び、ガンマ補正等を行うことにより、超音波画像のコントラストを適正化して視認性を良好にすることができる。
【0003】
上述のような調整は、調整の必要なパラメーターが多岐に亘る超音波画像診断装置においては大変煩雑な作業であるため、従来の超音波画像診断装置において、例えば、ヒストグラムからホワイトノイズと最大輝度値を検出し、ダイナミックレンジの自動調整を行うようにして、調整負担を軽減させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ヒストグラム曲線を求め、これに基づいてゲインあるいはコントラストの調整を自動的に行うようにしたものもある(例えば、特許文献2,3参照)。
【0005】
また、画像を複数の部分領域に分割し、各部分領域の代表値を抽出して、閾値との比較に基づいて自動的にゲインの調整を行うものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、1フレーム分の受信信号を複数の深さ領域に分割し、全体の平均輝度レベルと、深さ領域毎の輝度レベルとの差分に基づいてゲインを深さ領域毎に調整するものがある(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−264530号公報
【特許文献2】特開2005−152422号公報
【特許文献3】特開平06−105850号公報
【特許文献4】特開平07−236637号公報
【特許文献5】特開平06−54849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、超音波画像上には、スペックルが現れる場合がある。スペックルは、空間分解能以下の小さな組織性状から生じる反射波や散乱波が互いに干渉して生じるものであり、規則性のないノイズとは異なるものである。
このスペックルは、生体の境界部情報は有していないが生体組織情報を有しており、肝臓や甲状腺の性状(硬さ等)を識別する際に有用である。具体的には、例えば、脂肪肝の診断を行う場合等にスペックルが考慮される。
【0009】
このように、スペックルは超音波画像診断において有用な情報であるのにも関わらず、上記した従来の技術にあってはスペックルを考慮せずに各種パラメーターが自動調整されており、正確な診断を行うことができない場合があった。
【0010】
そこで、本発明は、スペックルを考慮した正確な超音波画像診断を可能とする、超音波画像を取得することができる超音波画像診断装置及び超音波画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、超音波画像診断装置において、
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子と、
前記超音波探触子により取得された受信信号を輝度信号に変換し、当該輝度信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波探触子により取得された受信信号からスペックルの信号レベルを検出するスペックル検出部と、
前記スペックル検出部により検出されたスペックルの信号レベルを基準として、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整する調整部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波画像診断装置において、
前記調整部は、前記スペックル検出部により検出されたスペックルの信号レベルと、被検体内部の反射体からの反射超音波に基づく受信信号の信号レベルとを基準として、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の超音波画像診断装置において、
ユーザーにより操作が可能な操作部を更に備え、
前記スペックル検出部は、前記操作部による操作に応じてスペックル領域を特定し、特定されたスペックル領域からスペックルの信号レベルを検出することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置において、
前記調整部は、前記超音波探触子により取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られる輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置において、
前記調整部は、前記超音波探触子により取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られる輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の超音波画像診断装置において、
前記調整部は、被検体内部の異なる深度の受信信号から検出されたスペックルの信号レベルをそれぞれ変換して得られる輝度信号の各輝度値の輝度差が小さくなるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を、深度ごとに調整することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、超音波画像処理方法において、
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波送受信工程と、
スペックルの信号レベルを入力するスペックル入力工程と、
入力されたスペックルの信号レベルを基準として、受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整する条件調整工程と、
調整された変換条件に基づいて、前記超音波送受信工程にて取得された受信信号を輝度信号に変換し、当該輝度信号から超音波画像データを生成する画像生成工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スペックルを考慮した正確な超音波画像診断を可能とする、超音波画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】超音波画像診断装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】画像生成部の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】参照超音波画像の輝度分布を示す図である。
【図4】ガンマ調整部の入出力特性を示す図である。
【図5】ゲイン調整部の入出力特性を示す図である。
【図6】ダイナミックレンジ調整部の入出力特性を示す図である。
【図7】輝度調整制御処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0021】
超音波画像診断装置20は、患者(被検体)の生体内部組織の状態を超音波画像にして表示出力する装置である。即ち、超音波画像診断装置20は、生体等の被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波画像診断装置20は、受信した反射波を電気信号に変換し、これに基づいて超音波画像データを生成する。超音波画像診断装置20は、生成した超音波画像データに基づき、被検体内の内部状態を超音波画像として表示する。また、超音波画像診断装置20は、撮影オーダ情報に基づいて、生成した超音波画像データに関する付帯情報を生成し、当該付帯情報を超音波画像データに付帯して所定の規格からなる画像ファイルを生成することが可能となっている。
【0022】
超音波画像診断装置20は、図1に示すように、超音波画像診断装置本体20aと超音波探触子20bとを備えている。超音波探触子20bは、上述したようにして超音波を送信するとともに、反射波を受信する。超音波画像診断装置本体20aは、ケーブル20cを介して超音波探触子20bと接続され、超音波探触子20bに電気信号の駆動信号を送信することによって、超音波探触子20bに送信超音波を送信させる。また、超音波画像診断装置本体20aは、超音波探触子20bにて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子20bで生成された電気信号である受信信号を受信し、上述のようにして超音波画像データを生成する。
【0023】
超音波探触子20bは、圧電素子からなる振動子(図示略)を備えており、この振動子は、例えば、方位方向(走査方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の振動子を備えた超音波探触子20bを用いている。なお、振動子は、二次元アレイ状に配列されたものであっても良い。また、振動子の個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子20bについて、リニア電子スキャンプローブを採用したが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用しても良く、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。
【0024】
超音波画像診断装置本体20aは、例えば、操作入力部(操作部)201と、送信部202と、受信部203と、画像生成部204と、メモリー部205と、DSC(Digital Scan Converter)206と、表示部207と、制御部208と、を備えて構成されている。
【0025】
操作入力部201は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータの入力等を行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を備えており、操作信号を制御部208に出力する。
具体的には、ユーザーが操作入力部201により所定の操作を入力することで、後述するようにスペックル検出部303によりスペックル領域が特定される。
【0026】
送信部202は、制御部208の制御に従って、超音波探触子20bにケーブル20cを介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子20bに送信超音波を発生させる回路である。また、送信部202は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部202は、例えば、超音波探触子20bに配列された複数(例えば、192個)の振動子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部202は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子を方位方向にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0027】
受信部203は、制御部208の制御に従って、超音波探触子20bからケーブル20cを介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部203は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)するための回路である。
【0028】
画像生成部204は、受信部203から取得した受信信号に対して包絡線検波処理や対数増幅などを施し、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの調整を行って輝度変換することにより、信号強度が輝度の明るさで表現される輝度信号の超音波画像データ(Bモード画像データ)を生成する。画像生成部204は、図2に示すように、包絡線検波処理部301、対数増幅処理部302、スペックル検出部303、調整部304及び輝度変換部305等を有している。
【0029】
包絡線検波処理部301は、受信部203から受信信号を取得して、当該受信信号に対して包絡線検波処理を施し、対数増幅処理部302は、包絡線検波処理後の受信信号に対して対数増幅処理を施して信号強度を対数的に増幅する。
【0030】
スペックル検出部303は、対数増幅処理部302により対数増幅処理が施された受信信号を取得して、当該受信信号からスペックルの信号レベルを検出する。ここで、スペックルの信号レベルとは、対数増幅処理後の受信信号に含まれ、生体内部の組織性状の反射波や散乱波に由来する信号の信号強度の範囲である。
なお、スペックルの信号レベルは、ユーザーによる操作入力部201の操作によって直接入力されるものであっても良いし、外部メモリーや通信ネットワーク等から取得されるものであっても良い。
【0031】
本実施形態では、スペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、表示部207に表示されている超音波画像(基準画像)から、スペックルが現れている所定領域(スペックル領域)を選択し、選択されたスペックル領域に対応するスペックルの信号レベルを特定する。なお、基準画像の超音波画像データは、調整部304による変換条件調整前の初期状態の変換条件に基づき、輝度変換して得られたものである。
例えば、図3が基準画像の輝度分布を示すとすると、スペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、基準画像上の複数のスペックル領域(例えば、図3中の領域L1,L2,L3)を特定し、特定された複数のスペックル領域に対応する信号レベルをそれぞれ特定し、それらの中の最大値から最小値までの信号強度の範囲をスペックルの信号レベルとして検出する。なお、スペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、基準画像上の一のスペックル領域を特定し、特定された一のスペックル領域に対応する信号レベルをスペックルの信号レベルとして検出するものとしても良い。また、図3中の輝度値16における一点鎖線はシステムノイズのベースラインを示しているものである。
【0032】
なお、上記の説明では、スペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、基準画像上のスペックル領域を特定し、特定されたスペックル領域からスペックルの信号レベルを検出するものとしたが、これに限られるものではなく、以下に示すような方法によりスペックルの信号レベルを検出するものとしても良い。
例えば、スペックル検出部303は、被検体と略同じ音響特性をもつファントムに対して超音波の送受信を行うことにより得られた基準信号に基づいて、スペックルの信号レベルを検出するものとしても良い。
【0033】
また、スペックル検出部303は、空間コンパウンド方法や周波数コンパウンド方法の原理を応用することにより、スペックルの信号レベルを検出するものとしても良い。
空間コンパウンド法は、被検体の同一部位に対して複数の異なる方向から超音波の送受信を行い、複数の受信信号を取得し、それら受信信号を整相加算するもので、その整相加算した受信信号を元に超音波画像を生成する方法である。周波数コンパウンド方法は、被検体の同一部位に対して周波数を変えて超音波の送受信を行い、複数の受信信号を取得し、それら受信信号を加算するもので、その加算した受信信号を元に超音波画像を生成する方法である。本実施の形態では、超音波の送受信の方向や周波数が異なるとしても、被検体内部の反射体に由来する受信信号の現れ方は略同一であるため、そのようにして複数得られた受信信号データから被検体内部の反射体に由来する受信信号を除外し、その残留部分の信号をスペックルの信号レベルとして検出するようにしても良い。
【0034】
また、スペックル検出部303は、包絡線検波処理及び対数増幅処理が施された後の受信信号の信号分布において、被検体内部の反射体に由来する受信信号の信号レベルと、スペックルに由来する受信信号の信号レベルとの分布の取り方の違いに基づいて、スペックル由来の信号レベル特有の分布を検出し、これによりスペックルの信号レベルを検出するものとしても良い。
更に、被検体に対して超音波の送受信を行うと、例えば、被検体内部の反射体の境界部の外側と内側とにおいて、2種類のスペックルが現れる場合がある。そのような場合には、スペックル検出部303は、2種類のスペックルのうち何れか一方をスペックルの信号レベルとして検出するようにしても良い。また、超音波画像上には2種類以上のスペックルが現れるような場合もあり、そのような場合であっても、スペックル検出部303は、2種類以上のスペックルのうち何れか一をスペックルの信号レベルとして検出するようにすれば良い。
【0035】
調整部304は、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルと、被検体内部の反射体からの反射超音波に基づく受信信号の信号レベルとを基準として、包絡線検波処理及び対数増幅処理が施された受信信号を輝度信号に輝度変換するための変換条件を調整する。具体的には、調整部304は、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定された最大値及び最小値を輝度変換して得られる輝度信号の各輝度値を基準に、変換条件としてのガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整する。
例えば、スペックル検出部303により図3中の領域L1,L2,L3に対応する信号レベルがスペックルの信号レベルとして検出された場合には、調整部304は、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、当該特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から輝度変換して輝度値96及び輝度値16を算出し、これらの輝度値96,16を基準に、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整する。
【0036】
輝度変換部305は、ガンマ調整部305aと、ゲイン調整部305bと、ダイナミックレンジ調整部305cと、を備えて構成されている。輝度変換部305は、調整部304により調整されたガンマ調整部305aの入出力特性、ゲイン調整部305bの入出力特性及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性に基づき、包絡線検波処理及び対数増幅処理が施された後の受信信号を輝度信号に輝度変換し、超音波画像データを生成する。
【0037】
以下、図4〜6を参照して、調整部304によるガンマ調整部305a、ゲイン調整部305b及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性の調整について例を挙げて具体的に説明する。図4〜6中において、破線は初期状態の入出力特性を示し、実線は調整部304により調整された後の入出力特性を示しているものである。
【0038】
調整部304は、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、ガンマ調整部305aの入出力特性を調整する。
具体的には、例えば、調整部304は、図4に示すように、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bを特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bから輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値A2,B2の輝度差R2が、調整前の入出力特性で輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値A1,B1の輝度差R1よりも大きくなるように、ガンマ調整部305aの入出力特性を調整する。即ち、調整部304は、スペックルの信号レベルの最小値Bよりも小さい値の信号はノイズとして入出力特性の傾斜を小さくし、スペックルの信号レベルの最小値Bから最大値Aの範囲においては入出力特性の傾斜を大きくするように調整する。これにより、調整前の入出力特性でスペックルの信号レベルを輝度変換して得られた輝度信号の輝度値A1とB1の輝度差R1よりも、調整後の入出力特性でスペックルの信号レベルを輝度変換して得られた輝度信号の輝度値A2とB2の輝度差R2の方が大きくなる。したがって、輝度変換部305は、調整されたガンマ調整部305aの入出力特性に基づいて受信信号を輝度変換することで、スペックルが強調され、ノイズが抑えられた超音波画像を生成することができる。
【0039】
また、調整部304は、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ゲイン調整部305bの入出力特性を調整する。
具体的には、例えば、調整部304は、図5に示すように、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bを特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bから輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値A2,B2が輝度の中間値に含まれるように、ゲイン調整部305bの入出力特性を調整する。即ち、調整部304は、輝度値A2が輝度の100%よりも小さく、輝度値B2が輝度の0%よりも大きくなるように、好ましくは、輝度値A2,B2が輝度の20〜40%に含まれるように、ゲイン調整部305bの入出力特性を調整する。図5中において、スペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bから、調整前の入出力特性で輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値がA1,B1である。また、調整部304は、被検体内部の反射体に由来する輝度信号の輝度値が輝度の100%を超えないように、ゲイン調整部305bの入出力特性を調整する。輝度変換部305は、調整されたゲイン調整部305bの入出力特性に基づいて受信信号を輝度変換することで、スペックルが明る過ぎたり暗過ぎたりすることのない超音波画像を生成することができる。
【0040】
また、調整部304は、スペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、また、当該輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。
具体的には、例えば、調整部304は、先ずスペックル検出部303により検出されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値B(図6参照)を特定する。調整部304は、図6に示すように、特定されたスペックルの信号レベルの最大値A及び最小値Bから輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値A2,B2の輝度差R2が、調整前の入出力特性に基づき輝度変換して得られた輝度信号の各輝度値A1,B1の輝度差R1よりも大きくなるように、また、輝度値A2,B2が輝度の中間値(例えば、輝度の20〜40%)に含まれるように、ダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。即ち、調整部304は、入出力特性の傾きを大きくするようにダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。また、調整部304は、被検体内部の反射体に由来する輝度信号の輝度値が輝度の100%を超えないように、ダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。輝度変換部305は、調整されたダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性に基づいて、受信信号を輝度変換することで、スペックルが強調され、且つスペックルが明る過ぎたり暗過ぎたりすることのない超音波画像を生成することができる。
なお、調整部304は、ガンマ調整部305aの入出力特性、ゲイン調整部305bの入出力特性及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性をそれぞれ調整するものとしたが、これらうちの少なくとも一つを調整するものとしても良い。
【0041】
また、調整部304は、被検体内部の深度ごとにガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整するものとしても良い。この場合、例えばスペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、領域L1,L2,L3(図3参照)を特定し、特定された領域L1,L2,L3に対応する信号レベルをそれぞれ特定してスペックルの信号レベルとして検出する。そして調整部304は、スペックル検出部303により検出された領域L1,L2,L3のスペックルの信号レベルをそれぞれ輝度変換して得られる輝度信号の各輝度値の輝度差が小さくなるように、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を深度ごとに調整する。つまり、調整部304は、領域L1,L2,L3のスペックルの信号レベルをそれぞれ輝度変換して得られる輝度信号の各輝度値が等しくなるように、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を深度ごとに調整する。これにより、画像上においてスペックルの輝度が各深度で一定となった超音波画像を得ることができる。
【0042】
図1に示すメモリー部205は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成されており、画像生成部204から送信されたBモード画像データをフレーム単位で記憶する。即ち、フレーム画像データとして記憶することができる。そして、記憶されたフレーム画像データは、制御部208の制御に従って、DSC206に送信される。メモリー部205は、約10秒分のフレーム画像データを保持可能な大容量メモリーにより構成されており、例えば、FIFO(First-In First-Out)方式により、直近10秒分のフレーム画像データが保持される。
【0043】
DSC206は、メモリー部205より受信したフレーム画像データをテレビジョン信号の走査方式による画像信号に変換し、表示部207に出力する。
【0044】
表示部207は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置が適用可能である。表示部207は、DSC206から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。なお、表示装置に代えてプリンター等の印刷装置等を適用し、プリント出力可能に構成しても良い。
【0045】
制御部208は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波画像診断装置20の各部の動作を集中制御する。
ROMは、半導体等の不揮発メモリー等により構成され、超音波画像診断装置20に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する輝度調整制御処理等を実行する各種処理プログラム等の各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0046】
次に、以上のようにして構成された超音波画像診断装置20により実行される輝度調整制御処理について図7を参照しながら説明する。
【0047】
先ず、スペックル検出部303は、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じて、表示部207に表示されている基準画像上のスペックル領域を選択する(ステップS101)。
【0048】
次に、スペックル検出部303は、基準画像の元となる受信信号から、ステップS101にて選択されたスペックル領域に対応する信号レベルを特定し、特定された信号をスペックルの信号レベルとして検出する(ステップS102)。
【0049】
次に、調整部304は、検出されたスペックルの信号レベルと、被検体内部の反射体に由来する受信信号の信号レベルと、を基準として、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整する(ステップS103)。
具体的には、調整部304は、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を輝度変換して得られる輝度信号の各輝度値の差が大きく、また、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値を輝度変換して得られる輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ガンマ調整部305aの入出力特性、ゲイン調整部305bの入出力特性及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。また、調整部304は、被検体内部の反射体に由来する輝度信号の輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ガンマ調整部305aの入出力特性、ゲイン調整部305bの入出力特性及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。
【0050】
最後に、輝度変換部305は、ステップS103にて調整部304により調整された入出力特性に基づいて、取得された受信信号を輝度信号に輝度変換し、超音波画像データを生成する(ステップS104)。
これにより、輝度調整制御処理を終了する。
【0051】
また、上記した本実施形態の超音波画像診断装置20を用いた超音波画像処理方法について説明する。
まず、超音波探触子20bにより被検体に対し送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより、受信信号を取得する(超音波送受信工程)。取得された受信信号に対し、受信部203の増幅器、A/D変換回路、整相加算回路により各種処理を施す。
次に、操作入力部201によりスペックルの信号レベルを入力する(スペックル入力工程)。入力するスペックルの信号レベルは、画像生成部204により生成された基準画像上のスペックル領域から特定された信号レベルであっても良いし、被検体と略同じ音響特性をもつファントムに対し超音波の送受信を行って基準信号を取得し、取得された基準信号から特定された信号レベルであっても良い。
次に、入力されたスペックルの信号レベルを基準として、受信部203により各種処理が施された受信信号を輝度変換するための変換条件を調整する(条件調整工程)。即ち、スペックルが強調されるように、ガンマ調整部305aの入出力特性、ゲイン調整部305bの入出力特性及びダイナミックレンジ調整部305cの入出力特性を調整する。
最後に、調整されたガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性に基づいて、受信信号を輝度信号に変換し超音波画像データを生成する(画像生成工程)。即ち、受信部203により各種処理が施された受信信号に対して包絡線検波処理及び対数増幅処理を施した後、条件調整工程にて調整された入出力特性に基づいて受信信号を輝度信号に変換する。これにより、スペックルが強調された超音波画像を取得することができ、スペックルを考慮した正確な超音波画像診断を行うことができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、超音波探触子20bにより取得された受信信号からスペックルの信号レベルを検出し、検出されたスペックルの信号レベルを基準として、受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整し、輝度信号の輝度を調整するので、スペックルが強調された超音波画像を取得することができる。これにより、スペックルを考慮した正確な超音波画像診断を行うことが可能となる。
【0053】
また、検出されたスペックルの信号レベルだけでなく、被検体内部の反射体からの反射信号に基づく受信信号の信号レベルをも考慮して変換条件を調整するので、生成される超音波画像上において反射体の明るさが明る過ぎることなく、反射体の輪郭が強調された超音波画像を取得することができる。これにより、スペックルを考慮したより正確な超音波画像診断を行うことが可能となる。
【0054】
また、ユーザーによる操作入力部201の操作に応じてスペックル領域を特定し、特定されたスペックル領域からスペックルの信号レベルを検出するので、ユーザーの判断に基づいてスペックルを示す信号レベルを検出することができ、ユーザーにとっての利便性を向上させることができる。
【0055】
また、超音波探触子20bにより取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られた輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整するので、生成された超音波画像上においてスペックルのコントラストが大きくなり、スペックルが強調された超音波画像を取得することができる。
【0056】
また、超音波探触子20bにより取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られた輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整するので、生成された超音波画像上においてスペックルが明るすぎたり暗すぎたりすることのないスペックルを観察し易い超音波画像を取得することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、超音波画像診断装置において記憶された超音波画像データに基づく超音波画像を表示部に出力するようにしたが、超音波画像診断装置に外部接続された表示装置や印刷装置、あるいは、ネットワーク等に接続された外部機器に超音波画像データを出力するようにしても良い。
【0058】
また、本実施の形態では、スペックルの信号レベルと、被検体内部の反射体からの反射超音波に基づく受信信号の信号レベルとの両方を基準として、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整するものとしたが、スペックルの信号レベルのみを基準としてガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整するものとしても良い。
【0059】
また、本実施の形態では、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られた輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ゲイン調整部の入出力特性を調整するものとしたが、表示された超音波画像上のスペックルが明る過ぎるような場合には、ユーザーによる操作入力部の操作に応じて、スペックルの輝度が小さくなるようにガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整し直すようにしても良い。
【0060】
また、本実施の形態では、スペックルの信号レベルを検出し、検出されたスペックルの信号レベルを基準としてガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整するものとしたが、予め複数種類のスペックルの信号レベルを記憶した記憶部を有し、ユーザーによる操作入力部の操作に応じて、記憶部に記憶された信号レベルの中から選択されたスペックルの信号レベルを基準としてガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整するようにしても良い。
また、予め調整されたガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を複数種類記憶した記憶部を有し、ユーザーによる操作入力部の操作に応じて、記憶部に記憶された入出力特性の中から選択された入出力特性に基づき、受信信号を輝度変換するようにしても良い。
【0061】
また、本実施の形態では、受信部の増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に予め設定された増幅率で増幅させるとのとしたが、スペックルの信号レベルを検出した後に、検出されたスペックルの信号レベルに基づき、スペックルの信号レベルが各深度において一定となるように増幅率を変化させて、受信信号を増幅するようにしても良い。
【0062】
また、本実施の形態では、基準画像から特定されたスペックルの信号レベルを基準としてガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整し、調整した入出力特性に基づいて他のフレームの超音波画像データを生成するものとしたが、調整した入出力特性に基づいて基準画像の元となる受信信号から再度超音波画像データを生成し直すものとしても良い。
【0063】
また、本実施の形態では、検出されたスペックルの信号レベルを基準として調整されたガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性に基づいて受信信号を輝度変換するものとしたが、調整されたゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性に基づいて輝度変換した後に、調整されたガンマの入出力特性に基づいて輝度信号の輝度を調整するようにしても良い。
【0064】
また、本実施の形態では、スペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られた輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、また、各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整することにより、スペックルを強調した超音波画像を取得するものとしたが、ユーザーによる操作入力部の操作に応じて、ガンマ、ゲイン及びダイナミックレンジの入出力特性を調整し、スペックルを抑圧した超音波画像を取得できるようにしても良い。
【0065】
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0066】
20 超音波画像診断装置
20a 超音波画像診断装置本体
20b 超音波探触子
20c ケーブル
201 操作入力部(操作部)
202 送信部
203 受信部
204 画像生成部
205 メモリー部
206 DSC
207 表示部
208 制御部
301 包絡線検波処理部
302 対数増幅処理部
303 スペックル検出部
304 調整部
305 輝度変換部
305a ガンマ調整部
305b ゲイン調整部
305c ダイナミックレンジ調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子と、
前記超音波探触子により取得された受信信号を輝度信号に変換し、当該輝度信号から超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波探触子により取得された受信信号からスペックルの信号レベルを検出するスペックル検出部と、
前記スペックル検出部により検出されたスペックルの信号レベルを基準として、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整する調整部と、を備えることを特徴とする超音波画像診断装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記スペックル検出部により検出されたスペックルの信号レベルと、被検体内部の反射体からの反射超音波に基づく受信信号の信号レベルとを基準として、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
【請求項3】
ユーザーにより操作が可能な操作部を更に備え、
前記スペックル検出部は、前記操作部による操作に応じてスペックル領域を特定し、特定されたスペックル領域からスペックルの信号レベルを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波画像診断装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記超音波探触子により取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られる輝度信号の各輝度値の輝度差が大きくなるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記超音波探触子により取得された受信信号から検出されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値を特定し、特定されたスペックルの信号レベルの最大値及び最小値から変換して得られる輝度信号の各輝度値が輝度の中間値に含まれるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の超音波画像診断装置。
【請求項6】
前記調整部は、被検体内部の異なる深度の受信信号から検出されたスペックルの信号レベルをそれぞれ変換して得られる輝度信号の各輝度値の輝度差が小さくなるように、前記画像生成部が受信信号を輝度信号に変換する変換条件を、深度ごとに調整することを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
【請求項7】
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波送受信工程と、
スペックルの信号レベルを入力するスペックル入力工程と、
入力されたスペックルの信号レベルを基準として、受信信号を輝度信号に変換する変換条件を調整する条件調整工程と、
調整された変換条件に基づいて、前記超音波送受信工程にて取得された受信信号を輝度信号に変換し、当該輝度信号から超音波画像データを生成する画像生成工程と、を含むことを特徴とする超音波画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−17713(P2013−17713A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154371(P2011−154371)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】