説明

超音波空気清浄装置

【課題】解決しようとする問題点は、空気中のウイルスを効率良く不活性化することができない点である。
【解決手段】霧化筐体と、該霧化筐体の対向した側壁に形成した空気送入口及び空気排出口と、該空気挿入口に装着されたファンと、該空気挿入口が形成された側壁と前記空気排出口を形成した側壁の間の霧化筐体の底板の上を霧化槽とし、前記底板に間隔を開けて形成した装着穴と、該装着穴に装着した超音波振動子と、前記霧化筐体の側壁に装着した注入口と、該注入口から注入され、前記超音波振動子を浸した消毒液体と、前記霧化筐体の前記天板に上端が固着され、下端が消毒溶剤のほぼ近傍まで前記霧化装置の間に装着された第1の仕切板と第3の仕切板と、前記第1の仕切板と第3の仕切板の間の前記霧化筐体の天板に上端が固定され、下端が前記消毒液体に浸漬された第2の仕切板と、前記底板の下部に前記超音波振動子に発振出力を印加する発振器を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消毒剤を超音波で霧化した霧を充満させた霧化筐体の内部に取り込んだ空気を通し、空気中のウイルス等を霧化筐体内で不活性化させて排出する超音波空気清浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波霧化装置として、図4の筐体Aの内部に霧化容器Bが構成され、この霧化容器BにタンクCから霧化される液体Dが所定の液体面まで注入され、霧化容器Bの下部に超音波振動子Eが装着され、この超音波振動子Eに発振器Fから発振出力が印加され、筐体Aの空気吸入口にファンGが装着され、ほぼ垂直にパイプ部材Hが装着され、又、パイプ部材Hの上部に傾斜部材Jの一端がパイプ部材Hに固着され、他端はパイプ部材Hの内部に突出している。
【0003】
このように構成された従来の超音波霧化装置では、大径の霧化粒子が除去されて霧化粒子による最適加湿が得られ、埃を除去することができ、又、噴霧する霧化粒子によって除臭や一部の空気中のウイルスを不活性化することはできるが、部屋全体の空気中のウイルスを不活性化するには非常に効率が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−10643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、空気中のウイルスを効率よく不活性化することができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、霧化筐体と、該霧化筐体の対向した側壁に形成した空気送入口及び空気排出口と、該空気挿入口に装着されたファンと、該空気挿入口が形成された側壁と前記空気排出口を形成した側壁の間の霧化筐体の底板の上を霧化槽とし、前記底板に間隔を開けて形成した装着穴と、該装着穴に装着した超音波振動子と、前記霧化筐体の側壁に装着した注入口と、該注入口から注入され、前記超音波振動子を浸した消毒液体と、前記霧化筐体の前記天板に上端が固着され、下端が前記消毒溶剤のほぼ近傍まで前記霧化装置の間に装着された第1の仕切板と第3の仕切板と、前記第1の仕切板と第3の仕切板の間の前記霧化筐体の天板に上端が固定され、上部に空気通過口を形成し、下端が前記消毒液体に浸漬された第2の仕切板と、前記底板の下部に前記超音波振動子に発振出力を印加する発振器を装着してなり、該発振器からの出力で前記超音波振動子から超音波を出力することにより、前記消毒液を霧化し、前記空気送入口から前記ファンで送入された空気を前記霧化された消毒液の霧の中を通過することにより、空気中のウイルス等を霧化筐体内で不活性化して、前記空気排出口から排出するものであり、又、排出口から排出した消毒液により筐体外のウイルスも同時に不活性化するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の超音波空気清浄装置は、空気を直接取り込んで内部の霧化粒子のなかを長時間通すことにより、空気中のウイルスを不活性化するので、排出した空気中のウイルス等は完全に不活性化され、清浄化された空気が放出され、又、排出された消毒液により筐体外の空気中のウイルス等も不活性化されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の超音波空気清浄装置の断面図である。(実施例1)
【図2】図2は本発明の超音波空気清浄装置を上部から見た図である。
【図3】図3は本発明の他の実施例の超音波空気清浄装置の断面図である。(実施例2)
【図4】図4は従来の超音波霧化装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、霧化筐体内に複数の仕切板を装着し、霧化槽に消毒溶剤を入れて、消毒溶剤を霧化して、霧化粒子の中に吸入した空気を長時間通過させることにより、取り込んだ空気中のウイルスを不活性化して空気を清浄化することを実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の1実施例の超音波空気清浄装置の断面図で、霧化筐体1の側壁1aに空気送入口2を形成し、この空気送入口2にファン3を装着し、又、空気送入口2を形成した側壁1aと対向する側壁1bに空気排出口4を形成し、側壁1aと側壁1bの間の底板1cに間隔を開けて複数の装着穴5a、5b、5cが形成され、これらの装着穴5a、5b、5cに超音波振動子6a、6b、6cがそれぞれパッキン7a、7b、7cで固定されされ、又、底板1cにレベルセンサ8が装着され、このレベルセンサ8によって超音波振動子6a、6b、6cの上に消毒液体9が所定のレベルまで液体注入口10から注入され、空気送入口2を形成した側壁1aに対向して霧化筐体1の天板1dに第1の仕切板11の上端11aが固定され、第1の仕切板11の下端11bは超音波振動子6aの近傍で、消毒液体6の上面近傍に位置するように装着され、又、空気排出口4を形成した側壁1bに対向して霧化筐体1の天板1dに第3の仕切板12の上端12aが固定され、第3の仕切板12の下端12bは超音波振動子6cの近傍で、消毒液体9の上面近傍に位置するように装着され、さらに、第2の仕切板13の上端13aは第1の仕切板11と第3の仕切板12の中間の天板1dに固着され、第2の仕切板13の下端13bは消毒液体9に浸漬され、第2の仕切板13の天板1dの近傍に空気の通過口13cが形成されており、又、仕切板11と仕切板13の間に超音波振動子5aが装着され、仕切板13と仕切板12の間に超音波振動子5bが装着され、仕切板12と側壁1bの間に超音波振動子5cが装着されている。。
【0011】
このように構成された本実施例の超音波空気洗浄機では、霧化筐体1の底板1cの下に装着された発振器14から超音波振動子6a、6b、6cに発振出力が印加されると、消毒液体9が霧化され、第1の仕切板11と第2の仕切板13の間の空間、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間及び第3の仕切板12と側壁1bの間に消毒液体9の霧化粒子が充満するので、ファン3を回転して空気を取り入れると、取り入れられた空気は第1の仕切板11の下端と消毒液体9の間を通り、第1の仕切板11と第2の仕切板13の間を上昇し、第2の仕切板13の天板1dの近傍の空気の通過口13cを抜けて、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間を下降し、第3の仕切板12の下端12bと消毒液体9の間を通って、第3の仕切板12と霧化筐体1の側壁1bの間を上昇し、霧化筐体1の側壁1bの上部に形成された空気排出口4から長時間消毒液体9の霧化粒子中を通ってウイルスが不活性化した清浄な空気が外部に噴出され、又、外部に噴出された消毒液体9の霧化粒子が空気排出口4の近傍の空気に含まれたウイルスを不活性化して空気を清浄化することができる。
【0012】
なお、上記実施例では、第1の仕切板11と第2の仕切板13の間の装着穴5a、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間に装着穴5b、及び第3の仕切板12と霧化筐体1の側壁1bの間に装着穴5cを設けているが、図2の平面図で示すように、第1の仕切板11と第2の仕切板13の間の装着穴5aの隣に装着穴51aを設け、この装置穴51aにパッキン7に装着した超音波振動子61aを設け、又、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間の装着穴5bの隣に装着穴51bを設け、この装置穴51bにパッキン7に装着された超音波振動子61bが設けられ、さらに、第3の仕切板12と霧化筐体1の側壁1bの間の装着穴5cの隣に装着穴51cを設け、この装置穴51cにパッキン7に装着した超音波振動子61cが設けられている。
【0013】
このように構成することにより、図1の実施例において、霧化筐体1内の霧化量を増加することができる。
【0014】
図3は本発明の他の実施例の空気清浄装置の断面図で、1は霧化筐体、2は空気送風口、3はファン、4は空気排出口、5a、5b、5cは複数の装着穴、6a、6b、6cは超音波振動子、7a、7b、7cはパッキン、8はレベルセンサ、9は消毒液体、10は液体注入口、11は第1の仕切板、12は第3の仕切板、13は第2の仕切板で、これらの構成は上記実施例と同じであるので説明は省略するが、本実施例では、超音波振動子6a、6b、6cの上にそれぞれ超音波振動子側の底部15A近傍が太く形成され、消毒液体9の液面近傍の先端部15Bが細く形成され、底部15aの側部に消毒液体9が流通する流通穴15Cが形成されたホーン15a、15b、15cがそれぞれ装着されている。
【0015】
本実施例はこのように構成することにより、超音波振動子6a、6b、6cでそれぞれ霧化された消毒液体粒子は第1の仕切板11と第2の仕切板13の間の通路、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間の通路、第3の仕切板12と霧化筐体1の側壁1bの間の通路にそれぞれホーン15で大量に浮遊するので、空気の通過を遅くし、消毒液体粒子によって空気中のウイルスを不活性化することができ、又、図2に示すように装着穴5を増やすことにより、霧化量を増加することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
上記実施例では、第1の仕切板11と第2の仕切板13の間の通路、第2の仕切板13と第3の仕切板12の間の通路、第3の仕切板12と霧化筐体1の側壁1bの間の通路にそれぞれ装着穴5を増加することにより霧化量を増加するようにしたが、装着穴5及びパッキン7,超音波振動子6を複数個装着することによりさらに霧化量を増加でき、さらに、仕切板を増やすことにより、霧化筐体1の中に取り入れた空気を長く消毒液体粒子の中を通過させることができ、それに応じてファン3の回転数を上げて、風量を増加することがてき、又、上記実施例では、空気の清浄をするように構成したが、消毒液体の代わりに消臭溶液を使用すれば、霧化筐体を通過する空気の消臭をすることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 霧化筐体
2 空気送風口
3 ファン
4 空気排出口
5a、5b、5c 複数の装着穴
6a、6b、6c 超音波振動子
7a、7b、7c パッキン
8 レベルセンサ
9 消毒液体
10 液体注入口
11 第1の仕切板
12 第3の仕切板
13 第2の仕切板
14 発振器
15 ホーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化筐体と、該霧化筐体の対向した側壁に形成した空気送入口及び空気排出口と、該空気挿入口に装着されたファンと、該空気挿入口が形成された側壁と前記空気排出口を形成した側壁の間の霧化筐体の底板の上を霧化槽とし、前記底板に間隔を開けて形成した装着穴と、該装着穴に装着した超音波振動子と、前記霧化筐体の側壁に装着した注入口と、該注入口から注入され、前記超音波振動子を浸した消毒液体と、前記霧化筐体の前記天板に上端が固着され、下端が前記消毒溶剤のほぼ近傍まで前記霧化装置の間に装着された第1の仕切板と第3の仕切板と、前記第1の仕切板と第3の仕切板の間の前記霧化筐体の天板に上端が固定され、上部に空気通過口を形成し、下端が前記消毒液体に浸漬された第2の仕切板と、前記底板の下部に前記超音波振動子に発振出力を印加する発振器を装着してなり、該発振器からの出力で前記超音波振動子から超音波を出力することにより、前記消毒液を霧化し、前記空気送入口から前記ファンで送入された空気を前記霧化された消毒液の霧の中を通過することにより、空気中のウイルス等を霧化筐体内で不活性化して、前記空気排出口から排出することを特徴とする超音波空気清浄装置。
【請求項2】
前記第1の仕切板と第2の仕切板と第3の仕切板と前記霧化筐体の側壁の間に装着された前記超音波振動子はそれぞれ並列に少なくとも2つ装着されることを特徴とする請求項1記載の超音波空気清浄装置。
【請求項3】
前記霧化装置は前記超音波振動子とほぼ同じ径を持つ下端と、徐々に細くなった上端とを持つホーンを前記超音波振動子の上に装着することを特徴とする請求項1記載の超音波空気清浄装置。
【請求項4】
前記霧化槽にレベル計を装着することを特徴とする請求項1記載の超音波空気清浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−239524(P2012−239524A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109844(P2011−109844)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年11月17日〜19日 一般社団法人日本医療福祉設備協会 社団法人日本能率協会主催の「HOSPEX JAPAN 2010」に出品
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】