超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置
【課題】ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる超音波診断治療システムを提供する。
【解決手段】超音波の送受信を行う超音波探触子5と、該超音波探触子5で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段であるBモード処理部9、ドップラ処理部10及び画像処理部11と、ラジオ波を放射する穿刺針7と、を備えた超音波診断治療システム1であって、前記超音波探触子5による超音波送受信と、前記穿刺針7によるラジオ波放射とを交互に行わせる診断装置側制御部13を備えることを特徴とする。
【解決手段】超音波の送受信を行う超音波探触子5と、該超音波探触子5で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段であるBモード処理部9、ドップラ処理部10及び画像処理部11と、ラジオ波を放射する穿刺針7と、を備えた超音波診断治療システム1であって、前記超音波探触子5による超音波送受信と、前記穿刺針7によるラジオ波放射とを交互に行わせる診断装置側制御部13を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システムでは、超音波画像を確認しながら穿刺針を被検体に刺入し、穿刺針からラジオ波を放射して腫瘍などの焼灼治療を行っている(例えば、特許文献1参照)。このような超音波診断治療システムでは、リアルタイムでの超音波画像を見ながら穿刺針を刺入するため、超音波画像を生成するための超音波探触子からの超音波送受信と、前記穿刺針からのラジオ波の放射とが同時に行われるようになっている。
【特許文献1】特開2007−135988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、例えばラジオ波の周波数は、450kHz程度に設定されているが、このような周波数のラジオ波の高調波が、前記超音波探触子で送受信される超音波の周波数帯域(数MHz程度)と重なってノイズ源となり、超音波画像上にノイズが現れて画質の劣化の問題を生じることがある。
【0004】
本発明の目的は、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、第1の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を備えた超音波診断装置であって、前記超音波探触子による超音波送受信と、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0006】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する前記ラジオ波焼灼治療装置の前記ラジオ波放射許可部へ、前記許可信号発生部がラジオ波放射許可信号を出力するものであり、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっていることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
第3の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、第1の観点の発明の超音波診断装置における前記制御部により、前記穿刺針からのラジオ波の放射が制御されることを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0008】
第4の観点の発明は、第3の観点の発明において、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ第2の観点の発明の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0009】
第5の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、ラジオ波を放射する穿刺針と、を備えた超音波診断治療システムであって、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0010】
第6の観点の発明は、第5の観点の発明において、前記穿刺針が接続されたラジオ波焼灼治療装置本体を備え、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、前記ラジオ波焼灼治療装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0011】
第7の観点の発明は、第6の観点の発明において、前記ラジオ波放射許可部からのラジオ波放射指令信号は、ラジオ波を放射するための電圧を前記穿刺針へ印加する電圧発生部へ出力されることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0012】
第8の観点の発明は、第5の観点の発明において、前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0013】
第9の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段を有する超音波診断治療装置であって、前記装置本体は、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0014】
第10の観点の発明は、第9の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令信号発生部からのラジオ波放射指令信号の出力とが交互に行われることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0015】
第11の観点の発明は、第9の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を出力する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、さらに、前記装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0016】
第12の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を備えた超音波診断装置であって、前記送波制御部にあっては、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子から超音波の送波を行わせるものであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第13の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、第12の観点の発明の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0018】
第14の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、ラジオ波を放射する穿刺針と、該穿刺針からのラジオ波の放射を制御する放射制御部と、を備えた超音波診断治療システムであって、前記送波制御部にあっては、前記放射制御部からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子からの超音波送波を行わせることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0019】
第15の観点の発明は、第14の観点の発明において、前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、前記穿刺針及び前記放射制御部を有するラジオ波焼灼治療装置と、を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【発明の効果】
【0020】
第1の観点の発明によれば、前記制御部は、前記超音波探触子による超音波の送受信と前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射とを交互に行わせるので、前記超音波探触子によって超音波送受信を行っているときには、ラジオ波が放射されない。したがって、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0021】
第2の観点の発明によれば、前記ラジオ波焼灼治療装置においては、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、超音波診断装置においては、前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には前記ラジオ波放射許可部に入力されないので、前記超音波探触子による超音波の送受信を、前記穿刺針によるラジオ波放射と交互に行うことができる。
【0022】
第3の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信を行っているときには、前記穿刺針からラジオ波が放射されないので、前記超音波診断装置で得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0023】
第4の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、超音波診断装置においては、前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には前記ラジオ波放射許可部に入力されない。従って、超音波の送受信を行っているときには、前記穿刺針からラジオ波が放射されないので、前記超音波診断装置で得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0024】
第5の観点の発明によれば、前記制御部は、前記超音波探触子による超音波の送受信と前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射とを交互に行わせるので、前記超音波探触子によって超音波送受信を行っているときには、ラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0025】
第6の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には入力されないので、前記超音波探触子による超音波の送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行うことができる。
【0026】
第7の観点の発明によれば、前記電圧発生部へラジオ波放射指令信号が入力されて前記穿刺針へ電圧が印加され、超音波の送受信と交互にラジオ波を放射させることができる。
【0027】
第8の観点の発明によれば、前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置とを備える超音波診断治療システムにおいて、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【0028】
第9,10,11の観点の発明によれば、第1,5の観点の発明と同一の効果を有するほか、超音波の送受信をして超音波画像を生成するための機能と、ラジオ波を放射して焼灼治療を行うための機能とが一体の装置として構成されているので、超音波画像生成の制御とラジオ波の放射制御とを関連付けた制御を簡単な構成で実現できる。
【0029】
第12の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記ラジオ波焼灼治療装置における穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0030】
第13の観点の発明によれば、前記超音波診断装置へラジオ波放射に関する情報が出力され、前記超音波診断装置では、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0031】
第14の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0032】
第15の観点の発明によれば、前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置とを備える超音波診断治療システムにおいて、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(第一実施形態)
先ず、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図1に示す超音波診断治療システム1は、超音波診断装置2とラジオ波焼灼治療装置3とを備えて構成されている。前記超音波診断装置2は、超音波診断装置本体4及びこの超音波診断装置本体4と接続された超音波探触子5からなり、また前記ラジオ波焼灼治療装置3は、ラジオ波焼灼治療装置本体6及びこのラジオ波焼灼治療装置本体6と接続された穿刺針7からなる。
【0035】
前記超音波探触子5は、図示しない複数の超音波トランスデューサのアレイを有する。個々の超音波トランスデューサは、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス等の圧電材料によって構成される。
【0036】
前記穿刺針7は、前記超音波探触子5に穿刺アダプタ(図示省略)を介して取り付けられている。
【0037】
前記超音波診断装置本体4は、送受信部8と、Bモード処理部9と、ドップラ処理部10と、画像処理部11と、表示部12と、診断装置側制御部13と、操作部14とを有する。また、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、発振器15と、アンド(AND)回路16と、電圧発生部17と、治療装置側制御部18とを有する。
【0038】
前記超音波探触子5は前記送受信部8と接続されている。前記送受信部8について図2を参照して説明すると、この送受信部8は、送波信号発生部81と、送波ビームフォーマ82と、送受切替部83と、受波ビームフォーマ84とを有している。
【0039】
前記送波信号発生部81及び前記送波ビームフォーマ82は、前記超音波探触子5へ駆動信号を与えて超音波を送波させるものであり、本発明の送信部の実施の形態の一例である。これら送波信号発生部81及び送波ビームフォーマ82について説明すると、前記送波信号発生部81は、後述するように前記診断装置側制御部13からの送波指令信号を受けて、送波信号を周期的に発生し前記送波ビームフォーマ82へ入力する。送波信号の周期は、前記診断装置側制御部13の送波指令部131(後述)により制御される。
【0040】
前記送波ビームフォーマ82は、送波のビームフォーミングを行うもので、送波信号に基づき、所定の方位の超音波ビームを形成するための送波ビームフォーミング信号を生成する。ビームフォーミング信号は、方位に対応した時間差が付与された複数の駆動信号からなる。ビームフォーミングは、前記診断装置側制御部13によって制御される。前記送波ビームフォーマ82は、送波ビームフォーミング信号を前記送受切替部83へ出力する。
【0041】
前記送受切替部83は、送波ビームフォーミング信号を前記超音波トランスデューサアレイへ出力する。この超音波トランスデューサアレイにおいて、送波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサは、駆動信号の時間差に対応した位相差をもつ超音波をそれぞれ発生させる。それら超音波の波面合成により、所定方位の音線に沿った超音波ビームが形成される。
【0042】
前記送受切替部83には、前記受波ビームフォーマ84が接続されている。前記送受切替部83は、前記超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を前記受波ビームフォーマ84へ出力する。
【0043】
前記受波ビームフォーマ84は、送波の音線に対応した受波のビームフォーミングを行うもので、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調節し、次いでそれらを加算して所定方位の音線に沿ったエコー信号を生成する。受波のビームフォーミングは、前記診断装置側制御部13によって制御される。
【0044】
前記送受信部8は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10と接続されている。前記送受信部8から出力される音線毎のエコー信号は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10へ入力される。
【0045】
前記Bモード処理部9は、エコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを生成する。図3は、前記Bモード処理部9の概略構成を示すブロック図である。図3に示すBモード処理部9は、対数増幅部91と包絡線検波部92とを有する。
【0046】
前記Bモード処理部9は、前記対数増幅部91でエコー信号を対数増幅し、前記包絡線検波部92で包絡線検波して音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを生成する。
【0047】
前記ドップラ処理部10は、エコー信号に基づいて、音線毎のドップラ画像データを生成するものである。ドップラ画像データには、後述する流速データ、分散データ及びパワーデータが含まれる。
【0048】
図4は、前記ドップラ処理部10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、前記ドップラ処理部10は、直交検波部101と、MTIフィルタ(Moving target indication filter)102と、自己相関演算部103と、平均流速演算部104と、分散演算部105と、パワー演算部106とを有する。
【0049】
前記ドップラ処理部10は、前記直交検波部101でエコー信号を直交検波し、前記MTIフィルタ102でMTI処理してエコー信号のドップラシフトを求める。また、前記自己相関演算部103で、前記MTIフィルタ102の出力信号について自己相関演算を行う。そして、平均流速演算部104で自己相関演算結果から平均流速Vを求め、前記分散演算部105で自己相関演算結果から流速の分散Tを求め、前記パワー演算部106で自己相関演算結果からドップラ信号のパワーPWを求める。以下、平均流速を単に流速ともいう。また、流速の分散を単に分散ともいい、ドップラ信号のパワーを単にパワーともいう。
【0050】
前記ドップラ処理部10によって、被検体内で移動するエコー源の流速V、分散T及びパワーPWを表すそれぞれのデータが音線毎に得られる。これらデータは、音線上の各ピクセルの流速、分散及びパワーを示す。なお、流速は音線方向の成分として得られる。また、前記超音波探触子5に近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。
【0051】
前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10は、前記画像処理部11と接続されている。この画像処理部11は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10からそれぞれ入力されるデータに基づいて、Bモード画像及びドップラ画像を生成する。前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10及び前記画像処理部11は、本発明の画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0052】
前記画像処理部11について図5に基づいて説明する。図5は、前記画像処理部11の構成の一例を示すブロック図である。この図5に示すように、前記画像処理部11は、セントラルプロセッシングユニット(CPU:Central Processing Unit)111を有する。このCPU111には、バス112によって、メインメモリ113、外部メモリ114、制御部インタフェース115、入力データメモリ116、ディジタルスキャンコンバータ(DSC:Digital Scan Converter)117、画像メモリ118及びディスプレーメモリ119が接続されている。
【0053】
前記外部メモリ114には、前記CPU111が実行するプログラムが記憶されている。前記外部メモリ114には、また、前記CPU111がプログラムを実行するにあたって使用する種々のデータも記憶されている。
【0054】
前記CPU111は、前記外部メモリ114からプログラムを前記メインメモリ113にロードして実行することにより、所定の画像処理を実行する。前記CPU111は、プログラム実行の過程で、前記制御部インタフェース115を通じて前記診断装置側制御部13と制御信号の授受を行う。
【0055】
前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10から音線毎に入力されたBモード画像データ及びドップラ画像データは、前記入力データメモリ116にそれぞれ記憶される。前記入力データメモリ116のデータは、前記DSC117で走査変換されて前記画像メモリ118に記憶される。前記画像メモリ118のデータは、前記ディスプレーメモリ119を通じて前記表示部12へ出力される。
【0056】
前記画像処理部11には、前記表示部12が接続されている。この表示部12は、前記画像処理部11から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。前記表示部12は、カラー画像が表示可能なCRTや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0057】
以上の前記送受信部8、前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10、前記画像処理部11、前記表示部12には、前記診断装置側制御部13が接続されており、この診断装置側制御部13から各種の信号が入力される。そして、前記診断装置側制御部13の制御の下で、Bモード動作及びドップラモード動作が実行される。
【0058】
前記診断装置側制御部13は、送波指令部131と、前記穿刺針7からのラジオ波放射の許否信号の発生部132とを有している。前記送波指令部131は、超音波の送波指令信号を出力して、前記送波信号発生部81による送波信号の発生及び出力を制御する。また、前記許否信号発生部132は、前記穿刺針7からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号と前記穿刺針7からのラジオ波の放射を不許可とするラジオ波放射不許可信号を発生し、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6のアンド回路16へ出力する。
【0059】
図6に、前記許否信号発生部132から出力され前記アンド回路16へ入力される許否信号の一例を示す。この許否信号では、Hレベルがラジオ波放射許可信号、Lレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。ラジオ波放射許可信号は、前記穿刺針7からラジオ波を放射させる時に出力される信号である。このようなラジオ波放射許可信号を発生及び出力する前記許否信号発生部132は、本発明における許可信号発生部の実施の形態の一例である。
【0060】
一方で、ラジオ波放射不許可信号は、前記送波指令部131から送波指令信号が出力されて超音波の送受信を行っているときに出力される。ラジオ波放射許可信号とラジオ波放射不許可信号は交互に出力され、後述するように、ラジオ波放射不許可信号が出力されて前記穿刺針104からラジオ波が放射されていないときにのみ、超音波の送受信が行われて超音波画像の生成が行われる。ラジオ波放射許可信号及びラジオ波放射不許可信号のそれぞれの出力時間の長さは、1音線あたりの超音波送受信時間であってもよく、或いは複数音線あたり、1フレームあたり又は複数フレームあたりの超音波送受信時間であってもよい。
【0061】
前記許否信号発生部132からラジオ波放射不許可信号が出力されているときは、前記送波指令部131からの送波指令信号に基づいて超音波の送波が行われるとともにエコー信号の受信が行われる。一方で、前記許否信号発生部132からラジオ波放射許可信号が出力されているときは、後述するように前記穿刺針7からラジオ波放射許可信号が放射される。すなわち、前記診断装置側制御部13は、前記送波指令部131からの送波信号の出力と、前記許否信号発生部132からのラジオ波放射許可信号の出力とを交互に行い、前記超音波探触子5による超音波送受信と、前記穿刺針7によるラジオ波放射とを交互に行うように制御するものであり、本発明における制御部の実施の形態の一例である。
【0062】
ここで、ラジオ波の放射時間の長さ、すなわちラジオ波放射許可信号の出力時間の長さと、超音波の送受信時間の長さ、すなわち送波指令信号の出力時間及びラジオ波放射不許可信号の出力時間の長さとの関係について説明すると、超音波画像のフレームレートが下がっても焼灼治療を優先したい場合は、超音波の送受信時間よりもラジオ波の放射時間の方が長くなるように、ラジオ波放射許可信号、送波指令信号及びラジオ波放射不許可信号が出力される。一方、超音波画像のリアルタイム性を優先したい場合は、ラジオ波の放射時間よりも超音波の送受信時間の方が長くなるように、ラジオ波放射許可信号、送波指令信号及びラジオ波放射不許可信号を出力する。
【0063】
前記診断装置側制御部13には、前記操作部14が接続されている。この操作部14は操作者によって操作され、前記診断装置側制御部13に適宜の指令や情報を入力するようになっている。前記操作部14は、例えばキーボードやポインティングデバイス及びその他の操作具を備えている。
【0064】
次に、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の各構成について説明する。前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の発振器15からは、前記穿刺針7からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令パルスが出力される。前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスは、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6に設けられた焼灼スイッチ(図示省略)をオンにすることにより、前記治療装置側制御部18からの制御信号が前記発振器15へ入力されると出力される。前記発振器15は、本発明におけるラジオ波放射指令信号発生部の実施の形態の一例である。
【0065】
前記アンド回路16には、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスと、前記許否信号発生部132からの許否信号とが入力される。前記アンド回路16は、ラジオ波放射指令パルスと許否信号のアンドをとり、前記電圧発生部17へ出力する。図6に、前記アンド回路16から前記電圧発生部17へ出力される信号を示す。この図6に示すように、前記アンド回路16は、ラジオ波放射許可信号が入力されているときは、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスをそのまま前記電圧発生部17へ出力する。前記電圧発生部17は、ラジオ波放射指令パルスの入力があると、前記穿刺針7へ電圧を印加しラジオ波を放射させる。従って、前記アンド回路16は、ラジオ波放射指令パルスが入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令パルスを出力して前記穿刺針7からラジオ波を放射させるものであり、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の一例である。
【0066】
一方で、前記アンド回路16は、前記ラジオ波放射指令パルスが入力されていても、ラジオ波放射不許可信号が入力されているときは、前記ラジオ波放射指令パルスを出力せず、従って前記穿刺針7からのラジオ波の放射は行われない。
【0067】
ちなみに、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、Hレベル信号発生部Hを備えている。ラジオ波焼灼治療を、前記超音波診断装置2を用いずに前記ラジオ波焼灼治療装置3だけで行う場合には、前記許否信号発生部132からの許否信号が前記アンド回路16へ入力されないため、代わりに前記Hレベル信号発生部Hからの信号を、前記アンド回路16へ入力する。これにより、前記アンド回路16からラジオ波放射指令パルスが出力され、前記穿刺針7からラジオ波を放射させることができ、前記ラジオ波焼灼治療装置3単独でのラジオ波焼灼治療も可能となる。
【0068】
前記治療装置側制御部18は、前記穿刺針7からのラジオ波放射の制御のほか、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の各部を制御する。
【0069】
さて、前記超音波診断治療システム1の動作について図7に基づいて説明する。前記超音波診断治療システム1にあっては、超音波画像を見ながら患部に穿刺針を刺入して焼灼治療を行うために、先ずステップS1では、撮影動作を行って前記超音波探触子5によってエコー信号を受信し、次いでステップS2では、得られたエコー信号に基づいて超音波画像を生成する。そして、ステップS3で超音波画像を表示する。
【0070】
上記の各ステップについて詳しく説明する。先ず、ステップS1について説明すると、このステップS1では、被検体に前記超音波探触子5を当接し、前記操作部14を操作して、例えばBモードとドップラモードを併用した撮影動作を行う。これにより、前記診断装置側制御部13による制御の下で、Bモード撮影とドップラモード撮影が時分割で行える。すなわち、例えばドップラモードのスキャンを所定回数行うたびにBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモードとドップラモードの混合スキャンが行われる。
【0071】
Bモードにおいては、前記送受信部8は前記超音波探触子5を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。前記超音波探触子5からの超音波の送波は、前記送波信号発生部81で発生した送波信号に基づいて行われる。また、ドップラモードにおいては、前記送受信部8は前記超音波探触子5を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。その際に、1音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行われる。
【0072】
次に、ステップS2について説明すると、前記Bモード処理部9は、前記送受信部8から入力されたエコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを形成する。前記画像処理部11は、前記Bモード処理部9から入力される音線毎のBモード画像データを前記入力データメモリ116に記憶する。これによって、前記入力データメモリ116内にBモード画像データについての音線データ空間が形成される。
【0073】
また、前記ドップラ処理部10は、エコー信号に基づいて流速V、分散T及びパワーPWを求める。これらの算出値は、それぞれエコー源の速度、分散及びパワーを音線毎かつピクセル毎に表すデータとなる。
【0074】
前記画像処理部11は、前記ドップラ処理部10から入力される音線毎かつピクセル毎の各ドップラ画像データを前記入力データメモリ116に記憶する。これによって、前記入力データメモリ116内に、各ドップラ画像データについての音線データ空間が形成される。
【0075】
前記CPU111は、前記入力データメモリ116のBモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記DSC117で走査変換して前記画像メモリ118に書き込む。その際、ドップラ画像データは、流速Vと分散Tを組み合わせた流速分布画像データ、パワーPWを用いたパワードップラ画像データまたはパワーPWと分散Tを組み合わせた分散付パワードップラ画像データ、及び分散Tを用いた分散画像データとしてそれぞれ書き込まれる。
【0076】
前記CPU111は、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ118の別々な領域に書き込む。そして、前記CPU111は、ステップS3の処理として、これらBモード画像データ及び各ドップラ画像データに基づく画像を前記表示部12に表示させる。
【0077】
Bモード画像は、音線走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。また、カラードップラ画像のうち、流速分布画像はエコー源の流速の2次元分布を示す画像になる。この画像では、流れの方向に応じて表示色を異ならせ、また流速に応じて表示色の輝度を異ならせ、さらに分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。
【0078】
カラードップラ画像のうちのパワードップラ画像は、ドップラ信号のパワーの2次元分布を示す画像となる。この画像によって運動するエコー源の所在が示される。そして、画像の表示色の輝度がパワーに対応している。それに分散を組み合わせた場合は、分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。分散画像は分散値の2次元画像を示す画像となる。この画像も運動するエコー源の所在を示す。表示色の輝度が分散の大小に対応する。
【0079】
上記の画像を前記表示部12に表示させる場合には、前記ディスプレーメモリ119においてBモード画像と合成し、この合成画像を前記表示部12に表示することにより、体内組織との位置関係が明確なカラードップラ画像を観察することができる。
【0080】
前記表示部12には、上記ステップS1〜S3を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。操作者は、前記表示部12に表示されるリアルタイムの超音波画像を見ながら、前記穿刺針7を被検体に刺入し、前記操作部14を操作して、前記穿刺針7からラジオ波を放射させる。ステップS1における撮影動作においては、前記穿刺針7からのラジオ波の放射と、超音波の送受信は交互に行われる。すなわち、例えばラジオ波放射不許可信号の出力時間が1音線分の超音波送受信時間である場合は、1音線分の超音波の送受信を行った後にラジオ波を放射し、その後ラジオ波の放射を停止して再び1音線分の超音波の送受信を行うといったことを繰り返す。ラジオ波放射不許可信号の出力時間が、複数音線分、1フレーム分或いは複数フレーム分である場合も、上記と同様にしてラジオ波の放射と超音波の送受信とを交互に行う。
【0081】
このように、前記超音波診断治療システム1によれば、ラジオ波の放射と超音波の送受信とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0082】
次に、この第一実施形態の変形例について説明する。図8は、第一実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。図8に示す超音波診断治療システム20のラジオ波焼灼治療装置本体6においては、前記アンド回路16の代わりに、ノア(NOR)回路21を備えている。このノア回路21は、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の他例である。
【0083】
この変形例においては、前記許否信号発生部132から出力され前記ノア回路21へ入力される許否信号は、Lレベルがラジオ波放射許可信号、Hレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。図9に、この変形例の許否信号を示す。前記ノア回路21は、Lレベルのラジオ波放射許可信号が入力されているときは、図9に示すように、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスを反転させたかたちで前記電圧発生部17へ出力する。これにより、前記電圧発生部17から前記穿刺針7へ電圧が印加されてラジオ波が放射される。
【0084】
ちなみに、この変形例のラジオ波焼灼治療装置本体6においては、Hレベル信号発生部Hの代わりにLレベル信号発生部Lを備えており、前記超音波診断装置2を用いないでラジオ波焼灼治療を行う場合には、前記許否信号発生部132からの許否信号の代わりに、前記Lレベル信号発生部Lからの信号を前記ノア回路21へ入力する。
【0085】
以上のような変形例の超音波診断治療システム20によっても、ラジオ波の放射と超音波の送波とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0086】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。以下の説明では、第一実施形態と異なる構成について説明する。また、動作についても、第一実施形態で説明した図7のステップS1〜S3と基本的には同一であり、以下の説明では異なる動作についてのみ説明する。
【0087】
この第二実施形態では、図10に示すように、超音波診断装置本体とラジオ波焼灼治療装置本体とを一体とし、前記超音波診断治療システム1を超音波診断治療装置30として構成している。すなわち、超音波診断治療装置30は、前記送受信部8、前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10、前記画像処理部11、前記表示部12、前記操作部14、制御部32及び前記電圧発生部17を備えた装置本体31と、この装置本体31と接続された超音波探触子5及び穿刺針7とを備えている。そして、前記制御部32は、図1に示す診断装置側制御部13及び前記治療装置側制御部18と同様の制御を行う。前記超音波診断治療装置30は、前記発振器15及び前記アンド回路16又はノア回路21を備えず、前記制御部32のラジオ波放射指令パルス発生部322(後述)から出力されるラジオ波放射指令パルスのみに基づいて、ラジオ波を放射させる。
【0088】
前記制御部32は、送波指令部321と前記ラジオ波放射指令パルス発生部322とを有している。前記送波指令部321は、第一実施形態における前記診断装置側制御部13の送波指令部131と同様に、超音波の送波指令信号を出力して前記送波信号発生部81による送波信号の発生及び出力を制御する。また、前記ラジオ波放射指令パルス発生部322は、前記穿刺針7からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号として、ラジオ波放射指令パルスを前記電圧発生部17へ出力する。前記ラジオ波放射指令パルス発生部322は、本発明のラジオ波放射指令信号発生部の実施の形態の一例である。前記電圧発生部17は、ラジオ波放射指令パルスが入力されると、前記穿刺針7へ電圧を印加してラジオ波を放射させる。
【0089】
撮影動作時において、前記送波指令部321からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令パルス発生部322からのラジオ波放射指令パルスの出力は交互に行われる。従って、ラジオ波の放射と超音波の送受信とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0090】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について図11に基づいて説明する。図11は、本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0091】
この第三実施形態の超音波診断治療システム40は、第一実施形態と同様に、前記超音波診断装置2とラジオ波焼灼治療装置3とを備えている。以下、第一実施形態と異なる構成についてのみ説明する。また、動作についても第一実施形態で説明した図7のステップS1〜S3と基本的には同一であり、異なる動作についてのみ説明する。
【0092】
前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、前記アンド回路16を備えておらず、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスは、直接前記電圧発生部17へ入力される。これにより、本例におけるラジオ波焼灼治療装置3においては、焼灼スイッチをオンにすると、常に前記穿刺針7からラジオ波が放射される。
【0093】
また、前記治療装置側制御部18は、前記発振器15から前記電圧発生部17へラジオ波放射指令パルスが入力されて、前記穿刺針7からラジオ波が放射されていることを示すラジオ波放射信号を前記診断装置側制御部13へ出力するようになっている。このラジオ波放射信号は、本発明におけるラジオ波放射に関する情報の実施の形態の一例であり、また前記治療装置側制御部18は、本発明における放射制御部の実施の形態の一例である。
【0094】
本例において、前記超音波診断装置本体4における診断装置側制御部13は、前記拒否信号発生部132を備えていない。そして、前記診断装置側制御部13は、前記治療装置側制御部15から出力されるラジオ波放射信号の有無に基づいて、前記送波指令部131からの送波指令信号の出力を制御する。本例における前記送波指令部131は、本発明における送波制御部の実施の形態の一例である。
【0095】
具体的に説明すると、前記診断装置側制御部13は、撮影動作時に前記ラジオ波放射信号の入力の有無を判断し、ラジオ波放射信号の入力がない場合に、前記送波指令部131から前記送波指令信号を出力する。一方、前記診断装置側制御部13は、ラジオ波放射信号の入力があると、前記送波指令部131からの送波指令信号の出力を行わない。これにより、前記超音波探触子5による超音波の送受信が、ラジオ波の放射を行っていないときに行われ、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはないので、画質の劣化を防止することができる。
【0096】
以上、本発明を前記各実施形態によって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、その主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、特に図示しないが、第一実施形態で説明した構成を備える前記超音波診断装置本体4と前記ラジオ波焼灼治療装置本体6とをそのまま一体とすることにより、第二実施形態における装置本体31を構成してもよい。また、特に図示しないが、第三実施形態で説明した構成を備える前記超音波診断装置本体4と前記ラジオ波焼灼治療装置本体6とをそのまま一体とすることにより、第二実施形態における装置本体31を構成してもよい。
【0097】
さらに、第三実施形態において、治療装置側制御部18から前記診断装置側制御部13へ、ラジオ波放射に関する情報として、ラジオ波の放射を行っていないことを示す信号を入力するようにし、この信号が入力されている場合、前記送波指令部131から送波指令信号を出力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す送受信部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すBモード処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すドップラ処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示すアンド回路における入出力の信号を示す図である。
【図7】第一実施形態の超音波診断治療システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図7に示すノア回路における入出力の信号を示す図である。
【図10】本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
1,20,40 超音波診断治療システム
2 超音波診断装置
3 ラジオ波焼灼治療装置
5 超音波探触子
7 穿刺針
9 Bモード処理部(画像生成手段)
10 ドップラ処理部(画像生成手段)
11 画像処理部(画像生成手段)
13 診断装置側制御部(制御部)
15 発振器(ラジオ波放射指令信号発生部)
16 アンド回路(ラジオ波放射許可部)
17 電圧発生部
21 ノア回路(ラジオ波放射許可部)
30 超音波診断治療装置
32 制御部
131,321 送波指令部
132 許否信号発生部(許可信号発生部)
322 ラジオ波放射指令パルス発生部(ラジオ波放射指令信号発生部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システムでは、超音波画像を確認しながら穿刺針を被検体に刺入し、穿刺針からラジオ波を放射して腫瘍などの焼灼治療を行っている(例えば、特許文献1参照)。このような超音波診断治療システムでは、リアルタイムでの超音波画像を見ながら穿刺針を刺入するため、超音波画像を生成するための超音波探触子からの超音波送受信と、前記穿刺針からのラジオ波の放射とが同時に行われるようになっている。
【特許文献1】特開2007−135988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、例えばラジオ波の周波数は、450kHz程度に設定されているが、このような周波数のラジオ波の高調波が、前記超音波探触子で送受信される超音波の周波数帯域(数MHz程度)と重なってノイズ源となり、超音波画像上にノイズが現れて画質の劣化の問題を生じることがある。
【0004】
本発明の目的は、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、第1の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を備えた超音波診断装置であって、前記超音波探触子による超音波送受信と、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0006】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する前記ラジオ波焼灼治療装置の前記ラジオ波放射許可部へ、前記許可信号発生部がラジオ波放射許可信号を出力するものであり、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっていることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
第3の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、第1の観点の発明の超音波診断装置における前記制御部により、前記穿刺針からのラジオ波の放射が制御されることを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0008】
第4の観点の発明は、第3の観点の発明において、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ第2の観点の発明の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0009】
第5の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、ラジオ波を放射する穿刺針と、を備えた超音波診断治療システムであって、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0010】
第6の観点の発明は、第5の観点の発明において、前記穿刺針が接続されたラジオ波焼灼治療装置本体を備え、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、前記ラジオ波焼灼治療装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0011】
第7の観点の発明は、第6の観点の発明において、前記ラジオ波放射許可部からのラジオ波放射指令信号は、ラジオ波を放射するための電圧を前記穿刺針へ印加する電圧発生部へ出力されることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0012】
第8の観点の発明は、第5の観点の発明において、前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0013】
第9の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段を有する超音波診断治療装置であって、前記装置本体は、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0014】
第10の観点の発明は、第9の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令信号発生部からのラジオ波放射指令信号の出力とが交互に行われることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0015】
第11の観点の発明は、第9の観点の発明において、前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を出力する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、さらに、前記装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0016】
第12の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を備えた超音波診断装置であって、前記送波制御部にあっては、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子から超音波の送波を行わせるものであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第13の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、第12の観点の発明の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0018】
第14の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、ラジオ波を放射する穿刺針と、該穿刺針からのラジオ波の放射を制御する放射制御部と、を備えた超音波診断治療システムであって、前記送波制御部にあっては、前記放射制御部からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子からの超音波送波を行わせることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0019】
第15の観点の発明は、第14の観点の発明において、前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、前記穿刺針及び前記放射制御部を有するラジオ波焼灼治療装置と、を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【発明の効果】
【0020】
第1の観点の発明によれば、前記制御部は、前記超音波探触子による超音波の送受信と前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射とを交互に行わせるので、前記超音波探触子によって超音波送受信を行っているときには、ラジオ波が放射されない。したがって、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0021】
第2の観点の発明によれば、前記ラジオ波焼灼治療装置においては、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、超音波診断装置においては、前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には前記ラジオ波放射許可部に入力されないので、前記超音波探触子による超音波の送受信を、前記穿刺針によるラジオ波放射と交互に行うことができる。
【0022】
第3の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信を行っているときには、前記穿刺針からラジオ波が放射されないので、前記超音波診断装置で得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0023】
第4の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、超音波診断装置においては、前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には前記ラジオ波放射許可部に入力されない。従って、超音波の送受信を行っているときには、前記穿刺針からラジオ波が放射されないので、前記超音波診断装置で得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0024】
第5の観点の発明によれば、前記制御部は、前記超音波探触子による超音波の送受信と前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射とを交互に行わせるので、前記超音波探触子によって超音波送受信を行っているときには、ラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0025】
第6の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。前記送波指令部からの超音波の送波指令の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力は交互に行われるようになっていることから、ラジオ波放射許可信号は、超音波の送受信時には入力されないので、前記超音波探触子による超音波の送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行うことができる。
【0026】
第7の観点の発明によれば、前記電圧発生部へラジオ波放射指令信号が入力されて前記穿刺針へ電圧が印加され、超音波の送受信と交互にラジオ波を放射させることができる。
【0027】
第8の観点の発明によれば、前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置とを備える超音波診断治療システムにおいて、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【0028】
第9,10,11の観点の発明によれば、第1,5の観点の発明と同一の効果を有するほか、超音波の送受信をして超音波画像を生成するための機能と、ラジオ波を放射して焼灼治療を行うための機能とが一体の装置として構成されているので、超音波画像生成の制御とラジオ波の放射制御とを関連付けた制御を簡単な構成で実現できる。
【0029】
第12の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記ラジオ波焼灼治療装置における穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0030】
第13の観点の発明によれば、前記超音波診断装置へラジオ波放射に関する情報が出力され、前記超音波診断装置では、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0031】
第14の観点の発明によれば、前記超音波探触子による超音波の送受信が、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに行われるので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0032】
第15の観点の発明によれば、前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置とを備える超音波診断治療システムにおいて、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(第一実施形態)
先ず、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図1に示す超音波診断治療システム1は、超音波診断装置2とラジオ波焼灼治療装置3とを備えて構成されている。前記超音波診断装置2は、超音波診断装置本体4及びこの超音波診断装置本体4と接続された超音波探触子5からなり、また前記ラジオ波焼灼治療装置3は、ラジオ波焼灼治療装置本体6及びこのラジオ波焼灼治療装置本体6と接続された穿刺針7からなる。
【0035】
前記超音波探触子5は、図示しない複数の超音波トランスデューサのアレイを有する。個々の超音波トランスデューサは、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス等の圧電材料によって構成される。
【0036】
前記穿刺針7は、前記超音波探触子5に穿刺アダプタ(図示省略)を介して取り付けられている。
【0037】
前記超音波診断装置本体4は、送受信部8と、Bモード処理部9と、ドップラ処理部10と、画像処理部11と、表示部12と、診断装置側制御部13と、操作部14とを有する。また、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、発振器15と、アンド(AND)回路16と、電圧発生部17と、治療装置側制御部18とを有する。
【0038】
前記超音波探触子5は前記送受信部8と接続されている。前記送受信部8について図2を参照して説明すると、この送受信部8は、送波信号発生部81と、送波ビームフォーマ82と、送受切替部83と、受波ビームフォーマ84とを有している。
【0039】
前記送波信号発生部81及び前記送波ビームフォーマ82は、前記超音波探触子5へ駆動信号を与えて超音波を送波させるものであり、本発明の送信部の実施の形態の一例である。これら送波信号発生部81及び送波ビームフォーマ82について説明すると、前記送波信号発生部81は、後述するように前記診断装置側制御部13からの送波指令信号を受けて、送波信号を周期的に発生し前記送波ビームフォーマ82へ入力する。送波信号の周期は、前記診断装置側制御部13の送波指令部131(後述)により制御される。
【0040】
前記送波ビームフォーマ82は、送波のビームフォーミングを行うもので、送波信号に基づき、所定の方位の超音波ビームを形成するための送波ビームフォーミング信号を生成する。ビームフォーミング信号は、方位に対応した時間差が付与された複数の駆動信号からなる。ビームフォーミングは、前記診断装置側制御部13によって制御される。前記送波ビームフォーマ82は、送波ビームフォーミング信号を前記送受切替部83へ出力する。
【0041】
前記送受切替部83は、送波ビームフォーミング信号を前記超音波トランスデューサアレイへ出力する。この超音波トランスデューサアレイにおいて、送波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサは、駆動信号の時間差に対応した位相差をもつ超音波をそれぞれ発生させる。それら超音波の波面合成により、所定方位の音線に沿った超音波ビームが形成される。
【0042】
前記送受切替部83には、前記受波ビームフォーマ84が接続されている。前記送受切替部83は、前記超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を前記受波ビームフォーマ84へ出力する。
【0043】
前記受波ビームフォーマ84は、送波の音線に対応した受波のビームフォーミングを行うもので、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調節し、次いでそれらを加算して所定方位の音線に沿ったエコー信号を生成する。受波のビームフォーミングは、前記診断装置側制御部13によって制御される。
【0044】
前記送受信部8は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10と接続されている。前記送受信部8から出力される音線毎のエコー信号は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10へ入力される。
【0045】
前記Bモード処理部9は、エコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを生成する。図3は、前記Bモード処理部9の概略構成を示すブロック図である。図3に示すBモード処理部9は、対数増幅部91と包絡線検波部92とを有する。
【0046】
前記Bモード処理部9は、前記対数増幅部91でエコー信号を対数増幅し、前記包絡線検波部92で包絡線検波して音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを生成する。
【0047】
前記ドップラ処理部10は、エコー信号に基づいて、音線毎のドップラ画像データを生成するものである。ドップラ画像データには、後述する流速データ、分散データ及びパワーデータが含まれる。
【0048】
図4は、前記ドップラ処理部10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、前記ドップラ処理部10は、直交検波部101と、MTIフィルタ(Moving target indication filter)102と、自己相関演算部103と、平均流速演算部104と、分散演算部105と、パワー演算部106とを有する。
【0049】
前記ドップラ処理部10は、前記直交検波部101でエコー信号を直交検波し、前記MTIフィルタ102でMTI処理してエコー信号のドップラシフトを求める。また、前記自己相関演算部103で、前記MTIフィルタ102の出力信号について自己相関演算を行う。そして、平均流速演算部104で自己相関演算結果から平均流速Vを求め、前記分散演算部105で自己相関演算結果から流速の分散Tを求め、前記パワー演算部106で自己相関演算結果からドップラ信号のパワーPWを求める。以下、平均流速を単に流速ともいう。また、流速の分散を単に分散ともいい、ドップラ信号のパワーを単にパワーともいう。
【0050】
前記ドップラ処理部10によって、被検体内で移動するエコー源の流速V、分散T及びパワーPWを表すそれぞれのデータが音線毎に得られる。これらデータは、音線上の各ピクセルの流速、分散及びパワーを示す。なお、流速は音線方向の成分として得られる。また、前記超音波探触子5に近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。
【0051】
前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10は、前記画像処理部11と接続されている。この画像処理部11は、前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10からそれぞれ入力されるデータに基づいて、Bモード画像及びドップラ画像を生成する。前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10及び前記画像処理部11は、本発明の画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0052】
前記画像処理部11について図5に基づいて説明する。図5は、前記画像処理部11の構成の一例を示すブロック図である。この図5に示すように、前記画像処理部11は、セントラルプロセッシングユニット(CPU:Central Processing Unit)111を有する。このCPU111には、バス112によって、メインメモリ113、外部メモリ114、制御部インタフェース115、入力データメモリ116、ディジタルスキャンコンバータ(DSC:Digital Scan Converter)117、画像メモリ118及びディスプレーメモリ119が接続されている。
【0053】
前記外部メモリ114には、前記CPU111が実行するプログラムが記憶されている。前記外部メモリ114には、また、前記CPU111がプログラムを実行するにあたって使用する種々のデータも記憶されている。
【0054】
前記CPU111は、前記外部メモリ114からプログラムを前記メインメモリ113にロードして実行することにより、所定の画像処理を実行する。前記CPU111は、プログラム実行の過程で、前記制御部インタフェース115を通じて前記診断装置側制御部13と制御信号の授受を行う。
【0055】
前記Bモード処理部9及び前記ドップラ処理部10から音線毎に入力されたBモード画像データ及びドップラ画像データは、前記入力データメモリ116にそれぞれ記憶される。前記入力データメモリ116のデータは、前記DSC117で走査変換されて前記画像メモリ118に記憶される。前記画像メモリ118のデータは、前記ディスプレーメモリ119を通じて前記表示部12へ出力される。
【0056】
前記画像処理部11には、前記表示部12が接続されている。この表示部12は、前記画像処理部11から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。前記表示部12は、カラー画像が表示可能なCRTや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0057】
以上の前記送受信部8、前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10、前記画像処理部11、前記表示部12には、前記診断装置側制御部13が接続されており、この診断装置側制御部13から各種の信号が入力される。そして、前記診断装置側制御部13の制御の下で、Bモード動作及びドップラモード動作が実行される。
【0058】
前記診断装置側制御部13は、送波指令部131と、前記穿刺針7からのラジオ波放射の許否信号の発生部132とを有している。前記送波指令部131は、超音波の送波指令信号を出力して、前記送波信号発生部81による送波信号の発生及び出力を制御する。また、前記許否信号発生部132は、前記穿刺針7からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号と前記穿刺針7からのラジオ波の放射を不許可とするラジオ波放射不許可信号を発生し、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6のアンド回路16へ出力する。
【0059】
図6に、前記許否信号発生部132から出力され前記アンド回路16へ入力される許否信号の一例を示す。この許否信号では、Hレベルがラジオ波放射許可信号、Lレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。ラジオ波放射許可信号は、前記穿刺針7からラジオ波を放射させる時に出力される信号である。このようなラジオ波放射許可信号を発生及び出力する前記許否信号発生部132は、本発明における許可信号発生部の実施の形態の一例である。
【0060】
一方で、ラジオ波放射不許可信号は、前記送波指令部131から送波指令信号が出力されて超音波の送受信を行っているときに出力される。ラジオ波放射許可信号とラジオ波放射不許可信号は交互に出力され、後述するように、ラジオ波放射不許可信号が出力されて前記穿刺針104からラジオ波が放射されていないときにのみ、超音波の送受信が行われて超音波画像の生成が行われる。ラジオ波放射許可信号及びラジオ波放射不許可信号のそれぞれの出力時間の長さは、1音線あたりの超音波送受信時間であってもよく、或いは複数音線あたり、1フレームあたり又は複数フレームあたりの超音波送受信時間であってもよい。
【0061】
前記許否信号発生部132からラジオ波放射不許可信号が出力されているときは、前記送波指令部131からの送波指令信号に基づいて超音波の送波が行われるとともにエコー信号の受信が行われる。一方で、前記許否信号発生部132からラジオ波放射許可信号が出力されているときは、後述するように前記穿刺針7からラジオ波放射許可信号が放射される。すなわち、前記診断装置側制御部13は、前記送波指令部131からの送波信号の出力と、前記許否信号発生部132からのラジオ波放射許可信号の出力とを交互に行い、前記超音波探触子5による超音波送受信と、前記穿刺針7によるラジオ波放射とを交互に行うように制御するものであり、本発明における制御部の実施の形態の一例である。
【0062】
ここで、ラジオ波の放射時間の長さ、すなわちラジオ波放射許可信号の出力時間の長さと、超音波の送受信時間の長さ、すなわち送波指令信号の出力時間及びラジオ波放射不許可信号の出力時間の長さとの関係について説明すると、超音波画像のフレームレートが下がっても焼灼治療を優先したい場合は、超音波の送受信時間よりもラジオ波の放射時間の方が長くなるように、ラジオ波放射許可信号、送波指令信号及びラジオ波放射不許可信号が出力される。一方、超音波画像のリアルタイム性を優先したい場合は、ラジオ波の放射時間よりも超音波の送受信時間の方が長くなるように、ラジオ波放射許可信号、送波指令信号及びラジオ波放射不許可信号を出力する。
【0063】
前記診断装置側制御部13には、前記操作部14が接続されている。この操作部14は操作者によって操作され、前記診断装置側制御部13に適宜の指令や情報を入力するようになっている。前記操作部14は、例えばキーボードやポインティングデバイス及びその他の操作具を備えている。
【0064】
次に、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の各構成について説明する。前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の発振器15からは、前記穿刺針7からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令パルスが出力される。前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスは、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6に設けられた焼灼スイッチ(図示省略)をオンにすることにより、前記治療装置側制御部18からの制御信号が前記発振器15へ入力されると出力される。前記発振器15は、本発明におけるラジオ波放射指令信号発生部の実施の形態の一例である。
【0065】
前記アンド回路16には、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスと、前記許否信号発生部132からの許否信号とが入力される。前記アンド回路16は、ラジオ波放射指令パルスと許否信号のアンドをとり、前記電圧発生部17へ出力する。図6に、前記アンド回路16から前記電圧発生部17へ出力される信号を示す。この図6に示すように、前記アンド回路16は、ラジオ波放射許可信号が入力されているときは、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスをそのまま前記電圧発生部17へ出力する。前記電圧発生部17は、ラジオ波放射指令パルスの入力があると、前記穿刺針7へ電圧を印加しラジオ波を放射させる。従って、前記アンド回路16は、ラジオ波放射指令パルスが入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令パルスを出力して前記穿刺針7からラジオ波を放射させるものであり、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の一例である。
【0066】
一方で、前記アンド回路16は、前記ラジオ波放射指令パルスが入力されていても、ラジオ波放射不許可信号が入力されているときは、前記ラジオ波放射指令パルスを出力せず、従って前記穿刺針7からのラジオ波の放射は行われない。
【0067】
ちなみに、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、Hレベル信号発生部Hを備えている。ラジオ波焼灼治療を、前記超音波診断装置2を用いずに前記ラジオ波焼灼治療装置3だけで行う場合には、前記許否信号発生部132からの許否信号が前記アンド回路16へ入力されないため、代わりに前記Hレベル信号発生部Hからの信号を、前記アンド回路16へ入力する。これにより、前記アンド回路16からラジオ波放射指令パルスが出力され、前記穿刺針7からラジオ波を放射させることができ、前記ラジオ波焼灼治療装置3単独でのラジオ波焼灼治療も可能となる。
【0068】
前記治療装置側制御部18は、前記穿刺針7からのラジオ波放射の制御のほか、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の各部を制御する。
【0069】
さて、前記超音波診断治療システム1の動作について図7に基づいて説明する。前記超音波診断治療システム1にあっては、超音波画像を見ながら患部に穿刺針を刺入して焼灼治療を行うために、先ずステップS1では、撮影動作を行って前記超音波探触子5によってエコー信号を受信し、次いでステップS2では、得られたエコー信号に基づいて超音波画像を生成する。そして、ステップS3で超音波画像を表示する。
【0070】
上記の各ステップについて詳しく説明する。先ず、ステップS1について説明すると、このステップS1では、被検体に前記超音波探触子5を当接し、前記操作部14を操作して、例えばBモードとドップラモードを併用した撮影動作を行う。これにより、前記診断装置側制御部13による制御の下で、Bモード撮影とドップラモード撮影が時分割で行える。すなわち、例えばドップラモードのスキャンを所定回数行うたびにBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモードとドップラモードの混合スキャンが行われる。
【0071】
Bモードにおいては、前記送受信部8は前記超音波探触子5を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。前記超音波探触子5からの超音波の送波は、前記送波信号発生部81で発生した送波信号に基づいて行われる。また、ドップラモードにおいては、前記送受信部8は前記超音波探触子5を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。その際に、1音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行われる。
【0072】
次に、ステップS2について説明すると、前記Bモード処理部9は、前記送受信部8から入力されたエコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを形成する。前記画像処理部11は、前記Bモード処理部9から入力される音線毎のBモード画像データを前記入力データメモリ116に記憶する。これによって、前記入力データメモリ116内にBモード画像データについての音線データ空間が形成される。
【0073】
また、前記ドップラ処理部10は、エコー信号に基づいて流速V、分散T及びパワーPWを求める。これらの算出値は、それぞれエコー源の速度、分散及びパワーを音線毎かつピクセル毎に表すデータとなる。
【0074】
前記画像処理部11は、前記ドップラ処理部10から入力される音線毎かつピクセル毎の各ドップラ画像データを前記入力データメモリ116に記憶する。これによって、前記入力データメモリ116内に、各ドップラ画像データについての音線データ空間が形成される。
【0075】
前記CPU111は、前記入力データメモリ116のBモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記DSC117で走査変換して前記画像メモリ118に書き込む。その際、ドップラ画像データは、流速Vと分散Tを組み合わせた流速分布画像データ、パワーPWを用いたパワードップラ画像データまたはパワーPWと分散Tを組み合わせた分散付パワードップラ画像データ、及び分散Tを用いた分散画像データとしてそれぞれ書き込まれる。
【0076】
前記CPU111は、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ118の別々な領域に書き込む。そして、前記CPU111は、ステップS3の処理として、これらBモード画像データ及び各ドップラ画像データに基づく画像を前記表示部12に表示させる。
【0077】
Bモード画像は、音線走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。また、カラードップラ画像のうち、流速分布画像はエコー源の流速の2次元分布を示す画像になる。この画像では、流れの方向に応じて表示色を異ならせ、また流速に応じて表示色の輝度を異ならせ、さらに分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。
【0078】
カラードップラ画像のうちのパワードップラ画像は、ドップラ信号のパワーの2次元分布を示す画像となる。この画像によって運動するエコー源の所在が示される。そして、画像の表示色の輝度がパワーに対応している。それに分散を組み合わせた場合は、分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。分散画像は分散値の2次元画像を示す画像となる。この画像も運動するエコー源の所在を示す。表示色の輝度が分散の大小に対応する。
【0079】
上記の画像を前記表示部12に表示させる場合には、前記ディスプレーメモリ119においてBモード画像と合成し、この合成画像を前記表示部12に表示することにより、体内組織との位置関係が明確なカラードップラ画像を観察することができる。
【0080】
前記表示部12には、上記ステップS1〜S3を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。操作者は、前記表示部12に表示されるリアルタイムの超音波画像を見ながら、前記穿刺針7を被検体に刺入し、前記操作部14を操作して、前記穿刺針7からラジオ波を放射させる。ステップS1における撮影動作においては、前記穿刺針7からのラジオ波の放射と、超音波の送受信は交互に行われる。すなわち、例えばラジオ波放射不許可信号の出力時間が1音線分の超音波送受信時間である場合は、1音線分の超音波の送受信を行った後にラジオ波を放射し、その後ラジオ波の放射を停止して再び1音線分の超音波の送受信を行うといったことを繰り返す。ラジオ波放射不許可信号の出力時間が、複数音線分、1フレーム分或いは複数フレーム分である場合も、上記と同様にしてラジオ波の放射と超音波の送受信とを交互に行う。
【0081】
このように、前記超音波診断治療システム1によれば、ラジオ波の放射と超音波の送受信とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0082】
次に、この第一実施形態の変形例について説明する。図8は、第一実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。図8に示す超音波診断治療システム20のラジオ波焼灼治療装置本体6においては、前記アンド回路16の代わりに、ノア(NOR)回路21を備えている。このノア回路21は、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の他例である。
【0083】
この変形例においては、前記許否信号発生部132から出力され前記ノア回路21へ入力される許否信号は、Lレベルがラジオ波放射許可信号、Hレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。図9に、この変形例の許否信号を示す。前記ノア回路21は、Lレベルのラジオ波放射許可信号が入力されているときは、図9に示すように、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスを反転させたかたちで前記電圧発生部17へ出力する。これにより、前記電圧発生部17から前記穿刺針7へ電圧が印加されてラジオ波が放射される。
【0084】
ちなみに、この変形例のラジオ波焼灼治療装置本体6においては、Hレベル信号発生部Hの代わりにLレベル信号発生部Lを備えており、前記超音波診断装置2を用いないでラジオ波焼灼治療を行う場合には、前記許否信号発生部132からの許否信号の代わりに、前記Lレベル信号発生部Lからの信号を前記ノア回路21へ入力する。
【0085】
以上のような変形例の超音波診断治療システム20によっても、ラジオ波の放射と超音波の送波とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0086】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。以下の説明では、第一実施形態と異なる構成について説明する。また、動作についても、第一実施形態で説明した図7のステップS1〜S3と基本的には同一であり、以下の説明では異なる動作についてのみ説明する。
【0087】
この第二実施形態では、図10に示すように、超音波診断装置本体とラジオ波焼灼治療装置本体とを一体とし、前記超音波診断治療システム1を超音波診断治療装置30として構成している。すなわち、超音波診断治療装置30は、前記送受信部8、前記Bモード処理部9、前記ドップラ処理部10、前記画像処理部11、前記表示部12、前記操作部14、制御部32及び前記電圧発生部17を備えた装置本体31と、この装置本体31と接続された超音波探触子5及び穿刺針7とを備えている。そして、前記制御部32は、図1に示す診断装置側制御部13及び前記治療装置側制御部18と同様の制御を行う。前記超音波診断治療装置30は、前記発振器15及び前記アンド回路16又はノア回路21を備えず、前記制御部32のラジオ波放射指令パルス発生部322(後述)から出力されるラジオ波放射指令パルスのみに基づいて、ラジオ波を放射させる。
【0088】
前記制御部32は、送波指令部321と前記ラジオ波放射指令パルス発生部322とを有している。前記送波指令部321は、第一実施形態における前記診断装置側制御部13の送波指令部131と同様に、超音波の送波指令信号を出力して前記送波信号発生部81による送波信号の発生及び出力を制御する。また、前記ラジオ波放射指令パルス発生部322は、前記穿刺針7からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号として、ラジオ波放射指令パルスを前記電圧発生部17へ出力する。前記ラジオ波放射指令パルス発生部322は、本発明のラジオ波放射指令信号発生部の実施の形態の一例である。前記電圧発生部17は、ラジオ波放射指令パルスが入力されると、前記穿刺針7へ電圧を印加してラジオ波を放射させる。
【0089】
撮影動作時において、前記送波指令部321からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令パルス発生部322からのラジオ波放射指令パルスの出力は交互に行われる。従って、ラジオ波の放射と超音波の送受信とが交互に行われ、超音波送受信を行っているときにはラジオ波が放射されないので、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはなく、画質の劣化を防止することができる。
【0090】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について図11に基づいて説明する。図11は、本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0091】
この第三実施形態の超音波診断治療システム40は、第一実施形態と同様に、前記超音波診断装置2とラジオ波焼灼治療装置3とを備えている。以下、第一実施形態と異なる構成についてのみ説明する。また、動作についても第一実施形態で説明した図7のステップS1〜S3と基本的には同一であり、異なる動作についてのみ説明する。
【0092】
前記ラジオ波焼灼治療装置本体6は、前記アンド回路16を備えておらず、前記発振器15からのラジオ波放射指令パルスは、直接前記電圧発生部17へ入力される。これにより、本例におけるラジオ波焼灼治療装置3においては、焼灼スイッチをオンにすると、常に前記穿刺針7からラジオ波が放射される。
【0093】
また、前記治療装置側制御部18は、前記発振器15から前記電圧発生部17へラジオ波放射指令パルスが入力されて、前記穿刺針7からラジオ波が放射されていることを示すラジオ波放射信号を前記診断装置側制御部13へ出力するようになっている。このラジオ波放射信号は、本発明におけるラジオ波放射に関する情報の実施の形態の一例であり、また前記治療装置側制御部18は、本発明における放射制御部の実施の形態の一例である。
【0094】
本例において、前記超音波診断装置本体4における診断装置側制御部13は、前記拒否信号発生部132を備えていない。そして、前記診断装置側制御部13は、前記治療装置側制御部15から出力されるラジオ波放射信号の有無に基づいて、前記送波指令部131からの送波指令信号の出力を制御する。本例における前記送波指令部131は、本発明における送波制御部の実施の形態の一例である。
【0095】
具体的に説明すると、前記診断装置側制御部13は、撮影動作時に前記ラジオ波放射信号の入力の有無を判断し、ラジオ波放射信号の入力がない場合に、前記送波指令部131から前記送波指令信号を出力する。一方、前記診断装置側制御部13は、ラジオ波放射信号の入力があると、前記送波指令部131からの送波指令信号の出力を行わない。これにより、前記超音波探触子5による超音波の送受信が、ラジオ波の放射を行っていないときに行われ、得られた超音波画像においてラジオ波に起因するノイズが現れることはないので、画質の劣化を防止することができる。
【0096】
以上、本発明を前記各実施形態によって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、その主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、特に図示しないが、第一実施形態で説明した構成を備える前記超音波診断装置本体4と前記ラジオ波焼灼治療装置本体6とをそのまま一体とすることにより、第二実施形態における装置本体31を構成してもよい。また、特に図示しないが、第三実施形態で説明した構成を備える前記超音波診断装置本体4と前記ラジオ波焼灼治療装置本体6とをそのまま一体とすることにより、第二実施形態における装置本体31を構成してもよい。
【0097】
さらに、第三実施形態において、治療装置側制御部18から前記診断装置側制御部13へ、ラジオ波放射に関する情報として、ラジオ波の放射を行っていないことを示す信号を入力するようにし、この信号が入力されている場合、前記送波指令部131から送波指令信号を出力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第一実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す送受信部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すBモード処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すドップラ処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示すアンド回路における入出力の信号を示す図である。
【図7】第一実施形態の超音波診断治療システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図7に示すノア回路における入出力の信号を示す図である。
【図10】本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
1,20,40 超音波診断治療システム
2 超音波診断装置
3 ラジオ波焼灼治療装置
5 超音波探触子
7 穿刺針
9 Bモード処理部(画像生成手段)
10 ドップラ処理部(画像生成手段)
11 画像処理部(画像生成手段)
13 診断装置側制御部(制御部)
15 発振器(ラジオ波放射指令信号発生部)
16 アンド回路(ラジオ波放射許可部)
17 電圧発生部
21 ノア回路(ラジオ波放射許可部)
30 超音波診断治療装置
32 制御部
131,321 送波指令部
132 許否信号発生部(許可信号発生部)
322 ラジオ波放射指令パルス発生部(ラジオ波放射指令信号発生部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
を備えた超音波診断装置であって、
前記超音波探触子による超音波送受信と、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、
前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する前記ラジオ波焼灼治療装置の前記ラジオ波放射許可部へ、前記許可信号発生部がラジオ波放射許可信号を出力するものであり、
前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、
請求項1に記載の超音波診断装置における前記制御部により、前記穿刺針からのラジオ波の放射が制御される
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項4】
前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ請求項2に記載の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項3に記載のラジオ波焼灼治療装置。
【請求項5】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
ラジオ波を放射する穿刺針と、
を備えた超音波診断治療システムであって、
前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療システム。
【請求項6】
前記穿刺針が接続されたラジオ波焼灼治療装置本体を備え、
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、
前記ラジオ波焼灼治療装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断治療システム。
【請求項7】
前記ラジオ波放射許可部からのラジオ波放射指令信号は、ラジオ波を放射するための電圧を前記穿刺針へ印加する電圧発生部へ出力される
ことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断治療システム。
【請求項8】
前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、
前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断治療システム。
【請求項9】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段を有する超音波診断治療装置であって、
前記装置本体は、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療装置。
【請求項10】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令信号発生部からのラジオ波放射指令信号の出力とが交互に行われる
ことを特徴とする請求項9に記載の超音波診断治療装置。
【請求項11】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を出力する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、
さらに、前記装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項9に記載の超音波診断治療装置。
【請求項12】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、
前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
を備えた超音波診断装置であって、
前記送波制御部にあっては、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子から超音波の送波を行わせるものである
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項13】
ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、
請求項12に記載の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力する
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項14】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、
前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
ラジオ波を放射する穿刺針と、
該穿刺針からのラジオ波の放射を制御する放射制御部と、
を備えた超音波診断治療システムであって、
前記送波制御部にあっては、前記放射制御部からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子からの超音波送波を行わせる
ことを特徴とする超音波診断治療システム。
【請求項15】
前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、
前記穿刺針及び前記放射制御部を有するラジオ波焼灼治療装置と、
を備えることを特徴とする請求項14に記載の超音波診断治療システム。
【請求項1】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
を備えた超音波診断装置であって、
前記超音波探触子による超音波送受信と、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、
前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する前記ラジオ波焼灼治療装置の前記ラジオ波放射許可部へ、前記許可信号発生部がラジオ波放射許可信号を出力するものであり、
前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、
請求項1に記載の超音波診断装置における前記制御部により、前記穿刺針からのラジオ波の放射が制御される
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項4】
前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ請求項2に記載の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項3に記載のラジオ波焼灼治療装置。
【請求項5】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
ラジオ波を放射する穿刺針と、
を備えた超音波診断治療システムであって、
前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療システム。
【請求項6】
前記穿刺針が接続されたラジオ波焼灼治療装置本体を備え、
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、
前記ラジオ波焼灼治療装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断治療システム。
【請求項7】
前記ラジオ波放射許可部からのラジオ波放射指令信号は、ラジオ波を放射するための電圧を前記穿刺針へ印加する電圧発生部へ出力される
ことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断治療システム。
【請求項8】
前記超音波探触子、前記画像生成手段及び前記制御部を有する超音波診断装置と、
前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断治療システム。
【請求項9】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段を有する超音波診断治療装置であって、
前記装置本体は、前記超音波探触子による超音波送受信と、前記穿刺針によるラジオ波放射とを交互に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療装置。
【請求項10】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記ラジオ波放射指令信号発生部からのラジオ波放射指令信号の出力とが交互に行われる
ことを特徴とする請求項9に記載の超音波診断治療装置。
【請求項11】
前記制御部にあっては、前記超音波探触子へ駆動信号を与えて超音波を送波させる送信部へ送波指令信号を出力する送波指令部と、前記穿刺針からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を出力する許可信号発生部とを有し、前記送波指令部からの送波指令信号の出力と前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力とが交互に行われるようになっており、
さらに、前記装置本体は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項9に記載の超音波診断治療装置。
【請求項12】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、
前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
を備えた超音波診断装置であって、
前記送波制御部にあっては、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子から超音波の送波を行わせるものである
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項13】
ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、
請求項12に記載の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力する
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項14】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子からの超音波の送波を制御する送波制御部と、
前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
ラジオ波を放射する穿刺針と、
該穿刺針からのラジオ波の放射を制御する放射制御部と、
を備えた超音波診断治療システムであって、
前記送波制御部にあっては、前記放射制御部からラジオ波放射に関する情報が入力されるようになっており、前記穿刺針からラジオ波を放射していない場合に、前記超音波探触子からの超音波送波を行わせる
ことを特徴とする超音波診断治療システム。
【請求項15】
前記超音波探触子、前記送波制御部及び前記画像生成手段を有する超音波診断装置と、
前記穿刺針及び前記放射制御部を有するラジオ波焼灼治療装置と、
を備えることを特徴とする請求項14に記載の超音波診断治療システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−136523(P2009−136523A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316675(P2007−316675)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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