説明

超音波診断装置および医用画像診断装置

【課題】緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる超音波診断装置などの医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波診断装置は、プローブの種類と、当該プローブの種類に対応付けられた制御内容とを記憶し、緊急事態の発生を示す緊急情報の入力を受けたことに応じ、接続されているプローブの種類を判別し、当該判別結果に対応する制御内容を取得し、制御内容に応じた制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は超音波診断装置および医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置は、検査・診断を行うため、被検体内の組織の情報を医用画像(透視画像、断層画像、血流画像等)として画像化する装置である。医用画像診断装置としては、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置等がある。
【0003】
例えば、超音波診断装置は、超音波プローブを用いて被検体内に超音波を送信してその反射波を受信する。これにより、超音波診断装置は被検体の生体情報を取得する。
【0004】
超音波プローブには、様々な種類のものがある。例えば、超音波の走査方式によっていくつかの種類に分けることができる。この種類には、超音波ビームを直線的に走査させるリニアスキャン用超音波プローブ、超音波ビームを扇型に走査させるセクタスキャン用超音波プローブ、凸面状に配列された超音波振動子をリニアスキャンと同様な方法で駆動するコンベックススキャン用超音波プローブなどがある。
【0005】
また、超音波プローブの種類を、その使用形態において分類することができる。例えば、被検体外(体表面など)から超音波を送信する方式の超音波プローブ(以下、単に「超音波プローブ」と記載することがある。)および穿刺プローブや、体腔内に挿入する体腔内プローブなどがある。
【0006】
超音波診断装置などの医用画像診断装置によって被検体についての画像を取得しているときに、地震等の緊急事態が発生する場合がありうる。これについては従来、地震の揺れを検出し、その検出に応じて医用画像診断装置の故障箇所の有無を確認するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−172238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来、被検体の安全確保や危険回避のための行動は、装置の操作者の判断、経験に委ねられることが多かった。したがって、装置の操作に慣れていない操作者の場合、例えば緊急事態発生時の判断誤りにより、被検体の安全確保に支障をきたすおそれがあった。また、装置の操作経験があったとしても、緊急事態によって操作者が混乱し、正確な対処ができない場合もある。
【0009】
この実施形態は、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる超音波診断装置などの医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この実施形態にかかる超音波診断装置は、複数のプローブが選択的に接続される。また、超音波診断装置はインターフェースと、記憶部と、制御部とを有する。インターフェースは、緊急事態の発生を示す緊急情報の入力を受ける。記憶部は、プローブの種類と、当該プローブの種類に対応付けられた制御内容とを記憶する。制御部は前記インターフェースが緊急情報の入力を受けたことに応じ、接続されている前記プローブの種類を判別し、当該判別結果に対応する前記制御内容を前記記憶部から取得し、該制御内容に応じた制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態にかかる超音波診断装置を示す概略斜視図である。
【図2】第1実施形態にかかる超音波診断装置を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における記憶部に記憶された対処法DBのテーブルを示す概略図である。
【図4】第1実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態にかかる記憶部に記憶された対処法DBのテーブルの変形例を示す概略図である
【図6】第3実施形態にかかる超音波診断装置を示すブロック図である。
【図7】第3実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態にかかる超音波診断装置を示すブロック図である。
【図10】第5実施形態にかかる超音波診断装置を示すブロック図である。
【図11】第5実施形態にかかる記憶部に記憶された対処法DBのテーブルを示す概略図である。
【図12】第5実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図13】第5実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図14】第6実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図15】第6実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図16】第7実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図17】第7実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図18】第8実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図19】第8実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図20】第9実施形態にかかる避難経路DBのテーブルを示す概略図である。
【図21】第9実施形態の超音波診断装置が表示する避難経路画面を示す概略図である。
【図22】第9実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図23】第9実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図24】第9実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【図25】第10実施形態にかかる搬送経路DBのテーブルを示す概略図である。
【図26】第10実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜26を参照して、第1実施形態〜第11実施形態にかかる超音波診断装置について説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1を参照して、超音波診断装置100について説明する。超音波診断装置100は、本体101、接続部102、操作部103、表示部104を有する。なお、図1は、超音波診断装置100の例示である。したがって、本体101の構成、接続部102、操作部103、表示部104の配置や構成などは図1に例示するものに限られず、適宜変更が可能である。例えば図1のような超音波診断装置100でなく、本実施形態を携帯型の超音波診断装置に適用することも可能である。
【0014】
〈全体構成〉
(本体101)
本体101はその内部に、超音波診断装置100における入出力、演算、制御等の各処理を行うユニットを有している(図2参照)。また図1の例では本体101の底部に、超音波診断装置100を搬送するための移動手段が設けられている。本体101の側面には超音波プローブ110等を接続可能な接続部102が設けられている。さらに本体101には、操作部103および表示部104が設けられている。
【0015】
(接続部102)
本体101の側面における接続部102は、プローブコネクタとしての第1コネクタ102a、第2コネクタ102b、第3コネクタ102cを有している。第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cには、被検体から組織情報を取得するための各種の超音波プローブが接続可能である。なお、接続部102に設けられるプローブコネクタの数は任意であり、図1の例に限られない。
【0016】
ここで、上記「各種の超音波プローブ」には、スキャン方式や超音波振動子の配列形状で種別された超音波プローブが含まれる。例えば、リニアスキャン用超音波プローブ、セクタスキャン用超音波プローブ、コンベックススキャン用超音波プローブなどが含まれる。さらに「各種の超音波プローブ」の他の例としては、その使用形態で種別された超音波プローブが含まれる。例えば、被検体内に挿入される超音波プローブ、被検体内への挿入物(穿刺針等)を伴う超音波プローブ、被検体外(体表面など)から超音波を送信する方式の超音波プローブなどが含まれる。
【0017】
以下、説明の便宜上、被検体外から超音波を送信する方式の超音波プローブを、単に「超音波プローブ」と記載する。同様に、被検体内に挿入される超音波プローブ(超音波内視鏡、経直腸プローブ、経食道プローブ、経膣プローブ、経肛門プローブ等)を「体腔内プローブ」と記載する。また、穿刺アダプタとともに使用する穿刺針等、被検体内への挿入物を伴う超音波プローブを「穿刺プローブ」と記載する。また以下において、これら「超音波プローブ」、「体腔内プローブ」、「穿刺プローブ」については、特に断りがなければ、スキャン方式や超音波振動子配列の異なるプローブの種別の違いについての記載を省略する。
【0018】
また、超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112としては、複数の超音波振動子が走査方向に1列に配置された1次元アレイプローブ、複数の超音波振動子が2次元的に配置された2次元アレイプローブ、または、走査方向に1列に配置された複数の超音波振動子を、走査方向に直交する揺動方向に揺動させる機械式1次元アレイプローブなどの種別がある。超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112は被検体に超音波を送信し、被検体からの反射波をエコー信号として受信する。
【0019】
超音波プローブ110、体腔内プローブ111および穿刺プローブ112には、超音波診断装置100本体接続用のケーブルが設けられている。ケーブルの一端にはプローブの本体部分が接続され、かつこのケーブルはプローブにおける接続用基板等を介して回路部分と電気的に接続されている。ケーブルの他端には、各プローブを接続部102の第1コネクタ102a等に対して脱着可能とするコネクタ(プラグ、ジャック、レセプタクル等)が設けられている。接続部102の第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cそれぞれは、プローブのコネクタに対応して構成されており、プローブのコネクタが脱着可能である。もしくは、アダプタを介して第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cそれぞれと、プローブのコネクタが脱着可能な場合もある。
【0020】
(操作部103)
操作部103は、ユーザによる操作を受けて、この操作内容に応じた信号や情報を装置各部に入力する。例えば操作部103を介して、超音波画像の取得にかかる操作を実行可能であり、また、後述の被検体緊急情報の入力操作を行うこともできる。操作部103は、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードに限らず、任意のユーザインターフェースを用いることができる。操作部103におけるこの緊急情報の入力手段を、例えば、表示部104と一体のタッチパネルにおけるソフトウェアキー(softkey)として構成することも可能である。なお、操作部103は、ネットワークやメディアを介して信号や情報の入力を受ける機能を有していてもよい。
【0021】
(表示部104)
表示部104は、超音波画像、操作画面、設定画面や、後述の対処法表示画面を表示する。CRTや液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL、FED(Field Emission Display;電界放出ディスプレイ)など、任意の表示装置を用いることが可能である。
【0022】
〈処理・制御〉
図2を参照して、この実施形態にかかる超音波診断装置について説明する。この実施形態にかかる超音波診断装置は、送信部121と、受信部122と、信号処理部123と、画像生成部124と、表示制御部125と、I/F126、記憶部127、制御部128とを有する。
【0023】
(送信部121)
送信部121は、超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112等に電気信号を供給して所定の焦点にビームフォームした(つまり送信ビームフォームした)超音波を送信させる。
【0024】
(受信部122)
受信部122は、超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112が受信したエコー信号を受信する。受信部122は、超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112が受信したエコー信号を受信し、そのエコー信号に対して遅延処理を行うことにより、アナログのエコー信号を整相された(つまり受信ビームフォームされた)デジタルのデータに変換する。
【0025】
受信部122は、例えば図示しないプリアンプ回路と、A/D変換器と、受信遅延回路と、加算器とを有する。プリアンプ回路は、超音波プローブ110等の各超音波振動子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。その加算によって、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。受信部122から出力される受信信号は、信号処理部123に出力される。
【0026】
(信号処理部123)
信号処理部123はBモード処理部を有する。Bモード処理部は受信信号を受信部122から受けて、受信信号の振幅情報の映像化を行う。具体的には、Bモード処理部は、受信信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。
【0027】
信号処理部123はCFM(Color Flow Mapping)処理部を有していてもよい。CFM処理部は血流情報の映像化を行う。血流情報には、速度、分布、またはパワーなどの情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。
【0028】
信号処理部123はドプラ処理部を有していてもよい。ドプラ処理部は受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、FFT処理を施すことにより血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。
【0029】
信号処理部123は、信号処理が施された受信信号(超音波ラスタデータ)を画像生成部124に出力する。
【0030】
(画像生成部124)
画像生成部124は、信号処理部123から出力された信号処理後の受信信号(超音波ラスタデータ)に基づいて超音波画像データを生成する。画像生成部124は、例えばDSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)を有する。画像生成部124は、走査線の信号列で表される信号処理後の受信信号を、直交座標系で表される画像データに変換する(スキャンコンバージョン処理)。例えば、画像生成部124は、Bモード処理部によって信号処理が施された受信信号にスキャンコンバージョン処理を施すことにより、被検体の組織の形態を表すBモード画像データを生成する。画像生成部124は、超音波画像データを表示制御部125に出力する。
【0031】
(表示制御部125)
表示制御部125は、超音波画像データを画像生成部124から受けて、超音波画像データに基づく超音波画像を表示部104に表示させる。また、表示制御部125は以下に述べるように、制御部128から対処法情報を受け、表示部104に対処法表示画面を表示させる。
【0032】
(I/F126)
I/F(Interface)126は、接続部102における第1コネクタ102a、第2コネクタ102b、第3コネクタ102cを介して、接続された超音波プローブ110等から、プローブIDを受け、制御部128に送る。I/F126は、例えば第1コネクタ102a、第2コネクタ102b、第3コネクタ102cなどの接続部分や、通信プロトコルといったようなハードウェアインターフェースとして構成される。
【0033】
プローブIDとは、例えば超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112それぞれの個体ごとに割り当てられている固有の識別情報である。またこれに限らず、プローブIDは、超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112の種類を識別する種別単位でそれぞれのプローブに割り当てられている識別情報であってもよい。
【0034】
超音波プローブ110、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112それぞれには、自らに割り当てられたプローブIDを発生するプローブID発生部(不図示)が設けられている。後述のように例えば被検体緊急情報が入力されると、I/F126を介して、制御部128からの指示がプローブに送られる。この指示を受け、プローブID発生部からプローブIDが発生される。このプローブIDは、プローブのケーブルと、第1コネクタ102a、第2コネクタ102bおよび第3コネクタ102cのうちのプローブが接続されているコネクタとを介して、I/F126に送られる。なお、いずれかのプローブを、第1コネクタ102a、第2コネクタ102b、第3コネクタ102cのいずれかに接続したときに、各プローブのプローブID発生部がプローブIDを発生する構成であってもよい。
【0035】
(記憶部127)
記憶部127は、少なくとも図3に示すような対処法DBを記憶する。記憶部127としては、例えば超音波診断装置100に設けられた記憶媒体HDDやFlash SSD (Flash Solid State Drive)のような補助記憶装置が挙げられる。またこれに限らず記憶部127として、RIS(Radiology Information System)などの機関内、部門内に設けられたネットワーク上におけるストレージもしくはサーバであってもよい。またはWAN上におけるストレージもしくはサーバによって構成されていてもよい。
【0036】
ここで、図3を参照して記憶部127に記憶された対処法DBについて説明する。図3は、第1実施形態における記憶部127に記憶された対処法DBのテーブルを示す概略図である。
【0037】
対処法DBのテーブルには、「プローブの種類」、「プローブID」、および「対処法表示画面」の項目があり、プローブIDごとに、プローブの種類と、当該プローブの種類に応じた対処法表示画面(不図示)を表示するための対処法情報とが対応付けられて記憶されている。「プローブID」は、上述のプローブ発生部から取得したIDである。「プローブの種類」は、超音波プローブ、体腔内プローブ、穿刺プローブに種別されており、さらにスキャン方式ごと(リニアスキャン、セクタスキャン、コンベックススキャンなど)に種別されていてもよい。なお、超音波プローブ、体腔内プローブ、穿刺プローブの種別の説明は上述の通りである。
【0038】
図3における「対処法表示画面」の項目における対処法情報には、プローブの種類に対応した緊急事態への対処法を表示するための画面データが含まれている。被検体に緊急事態が生じている場合、例えばユーザにより、操作部103の被検体緊急情報入力部(不図示)を介して被検体緊急情報が入力される。被検体の緊急事態とは、被検体の危篤等、被検体の容態の緊急的な状況変化または変化のおそれを示すものである。第1実施形態において、対処法情報における画面データは、この緊急事態に対応する手順を表示するためのものである。具体的には、例えば被検体内に挿入した体腔内プローブ111の除去手順や、穿刺針の除去手順などを示す表示画面である。また、超音波診断装置100の操作者の混乱を防ぐための文章等であってもよい。なお、被検体緊急情報は、被検体に対する緊急事態が生じたときだけでなく、緊急事態が生じるおそれがあるときにも入力される場合がある。
【0039】
また、この画面データをユーザによる操作部103を介した画面切り替え操作により切り替わる構成とすることが可能である。また、これに限らず手順を文章で箇条書きに示す画面構成、手順を映像で示す画面構成など、緊急事態への対処法の表示画面データは、任意の構成を採ることが可能である。
【0040】
なお上記に限らず、図3における「対処法表示画面」の項目における対処法情報として、対処法を音声で案内する音声データを含んでいてもよい。また表示画面データの代替として、音声データが記憶されていてもよい。音声データは図示しない音声出力部から出力される。音声出力部は制御部128等によって制御される。
【0041】
(制御部128)
制御部128は、超音波診断装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御部128は、送信部121および受信部122による超音波の送受信を制御する。さらに制御部128は、I/F126から受けたプローブIDおよび操作部103から受けた緊急情報に基づいて対処法情報を取得し、表示制御部125に対処法情報を送る。表示制御部125は、対処法情報に応じた対処法表示画面を、表示部104に表示させる。以下、制御部128による当該制御の詳細について説明する。
【0042】
超音波診断装置100の使用時に被検体に緊急事態が生じ、それに応じてユーザが操作部103を操作して被検体緊急情報の入力操作を行うと、操作部103から被検体緊急情報が制御部128に送られる。
【0043】
被検体緊急情報の入力に応じて、制御部128は、第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cに選択的に接続された、超音波プローブ110、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112に対し、プローブIDの送信指示を送る。この指示に応じて、当該プローブのプローブID発生部からプローブIDが発せられる。制御部128は、I/F126を介してこのプローブIDを受ける。なお、第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cのいずれかに、超音波プローブ110、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112等が接続されたことに応じて、各プローブID発生部が、プローブIDを発生する構成であってもよい。制御部128は、主記憶装置等(不図示)にプローブIDを一時的に記憶させる。この主記憶装置等は記憶部127であってもよい。
【0044】
以下、第1実施形態における制御部128が取得する対処法情報のパターンおよび当該対処法情報に基づく表示制御部125の表示制御について説明する。ここでは、第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cのいずれかに、(1)体腔内プローブ111が接続されている場合、(2)穿刺プローブ112が接続されている場合および(3)超音波プローブ110が接続されている場合の例をそれぞれ説明する。
【0045】
〈第1例−体腔内プローブ〉
体腔内プローブ111が接続されている場合について説明する。制御部128は、被検体緊急情報を受けると、プローブIDおよび記憶部127の対処法DBに基づいて体腔内プローブの種類を判別する(以下、「種別する」と記載する場合がある)。この場合、制御部128はプローブの種類を体腔内プローブのいずれかの種類と判別し、体腔内プローブに応じた被検体の緊急事態に対する対処法情報を取得する。ただし、対処法DBの他の構成によっては、プローブの種類の判別を経ずに、プローブIDに基づいて対処法情報を取得する構成であってもよい(以下の例においても同様)。制御部128は取得した対処法情報を、表示制御部125に送る。体腔内プローブの種類としては、例えば超音波内視鏡プローブや経直腸プローブなどが挙げられる。
【0046】
表示制御部125は、取得した対処法情報に基づいて、表示部104に体腔内プローブの場合の対処法表示画面を表示させる。例えば、対処法表示画面としては、被検体内(直腸等)からの体腔内プローブの抜去手順が表示される。このとき、抜去手順の表示方法としては超音波画像と並列に表示してもよい。または、超音波画像の一部に抜去手順(例えば文字列)を重畳させて表示してもよい。なお、表示される抜去手順の表示形式は、画像、記号、文字列のいずれであってもよく、またこれらのいくつかの組み合わせであってもよい。また、対処法表示画面(次の穿刺針の抜去手順等)の表示方法や表示形式は、第2実施形態以降においても同様である。
【0047】
〈第2例−穿刺プローブ〉
穿刺プローブ112が接続されている場合について説明する。制御部128は、被検体緊急情報を受けると、プローブIDおよび対処法DBに基づいてプローブの種類を判別する。この場合、制御部128は、プローブの種類を穿刺プローブのいずれかの種類と判別し、穿刺プローブの種類に応じた対処法情報を取得する。また、制御部128は取得した対処法情報を表示制御部125に送る。
【0048】
表示制御部125は、取得した対処法情報に基づいて、表示部104に穿刺プローブの場合の対処法表示画面を表示させる。例えば、対処法表示画面としては、被検体内からの穿刺針の抜去手順が表示される。
【0049】
なお、穿刺針には、太さ、形状、材料などの違いがあるため、穿刺針の抜去手順等、緊急事態への対処法の違いを分けて表示すべき場合もありうる。したがって、穿刺プローブ112の場合には、被検体緊急情報の入力に付随して、穿刺針の種類を入力させるように操作部103の被検体緊急情報入力部(不図示)が構成されていてもよい。
【0050】
このように穿刺針の種類の違いによって、緊急事態への対処法の違いを分けて表示する場合には、記憶部127の対処法DBに記憶された対処法情報の種類が、例えば穿刺針の種類の数に応じて存在する。また対処法情報は、穿刺プローブの種類だけでなく、穿刺針の種類によっても分類される。なお、他の例として、穿刺針の種類の情報をユーザの操作によって入力するのではなく、超音波の送受信により取得した穿刺針を示すデータから判別する構成であってもよい。
【0051】
〈第3例−超音波プローブ〉
超音波プローブ110が接続されている場合について説明する。超音波プローブ110の場合は原則として、被検体への挿入物を伴わないので、被検体緊急情報を受けた制御部128は、対処法情報を取得しない。
【0052】
ただし、制御部128が超音波プローブ110のプローブIDを取得した場合であっても、対処法DBに対し対処法情報の検索を行わせる構成であってもよい。この構成では、対処法DBにおける対処法情報は、例えば次のようになる。すなわち、超音波プローブ110のプローブIDに対応する対処法情報は、超音波診断装置100として、緊急事態への対処法が特にない旨を表示するための表示画面データを、対処法DBに記憶させておく。制御部128が超音波プローブ110のプローブIDを受けた場合、制御部128は被検体緊急情報の入力を受けると、対処法DBから上記の表示画面データを取得する。
【0053】
以上が、第1実施形態の制御部128および表示制御部125によって、表示部104に対処法表示画面を表示させるための制御内容の説明である。なお、対処法表示画面が画面切り替え操作を要するように構成されている場合は、さらにユーザにより操作部103を介して画面切り替え操作が行われる。この操作を受け、制御部128は、表示制御部125に、表示部104に表示された対処法表示画面の切り替え指示を送る。表示制御部125は対処法表示画面が切り替わる。
【0054】
なお、制御部128による対処法表示画面の表示に関連する制御は、「制御内容」の一例に該当する。
【0055】
〈動作〉
次に、この実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて図4を参照して説明する。図4は、第1実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。
【0056】
(ステップ01)
ユーザにより、操作部103を介して被検体緊急情報の入力操作がなされると、制御部128は、被検体緊急情報を取得する。
【0057】
(ステップ02)
制御部128は、被検体緊急情報の取得に応じて、接続されたプローブのプローブID発生部にプローブIDを発生させる指示を送る。プローブは、プローブID発生部が発生したプローブIDを、I/F126を介して制御部128に送る。なお、プローブを第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cのいずれかに接続したときにプローブIDを制御部128に送る構成であってもよい。したがって、この場合にはステップ01とステップ02の順序が逆になる。
【0058】
(ステップ03)
制御部128は、取得したプローブIDおよび記憶部127の対処法DBに基づいて、接続されたプローブの種類を判別する。
【0059】
(ステップ04)
制御部128は、判別したプローブの種類が、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112であるか、もしくは超音波プローブ110であるか判断する。
【0060】
(ステップ05)
制御部128は、プローブの種類が、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112にかかるものであると判断した場合(S04;Yes)、当該プローブの種類に応じた対処法情報を対処法DBから取得する。
【0061】
(ステップ06)
制御部128は、取得した対処法情報を表示制御部125に送る。
【0062】
(ステップ07)
表示制御部125は、制御部128から受けた対処法情報に基づき、表示部104に対処法表示画面を表示させる。なお、対処法表示画面が画面切り替え操作を要するように構成されている場合は、さらにユーザにより操作部103を介して画面切り替え操作が行われる。この操作を受け、制御部128は、表示制御部125に、表示部104に表示された対処法表示画面の切り替え指示を送る。表示制御部125は対処法表示画面が切り替わる。
【0063】
(ステップ08)
制御部128は、表示制御部125が表示部104に対処法表示画面を表示させることに応じて、または表示させた後に、第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cに接続されているプローブの全てに対してプローブの種別を行ったか判断する。または制御部128はプローブの種類が、超音波プローブ110にかかるものであると判断した場合(S04;No)、対処法DBから対処法情報を取得せず、当該判断を行う。なお、この判断を行うにあたり、制御部128が接続部102におけるコネクタのいずれかについてプローブの種別を行ったときには、そのコネクタに接続されたプローブついて種別を実行した旨を主記憶装置等に一時的に記憶させる制御行ってもよい。
【0064】
第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cに接続されているプローブの全てに対してプローブの種別を行ったと判断した場合には(S08;Yes)、被検体緊急情報に対する当該一連の制御を終了する。プローブの全てに対してプローブの種別を行ってないと判断した場合には(S08;No)、再度、他のコネクタに接続されたプローブIDを取得する工程(S02)に戻る。
【0065】
〈変形例1〉
次に、第1実施形態の変形例1について図5を参照して説明する。図5は、第1実施形態における記憶部127に記憶された対処法DBのテーブルの変形例を示す概略図である。図5に示すように、この変形例では、記憶部127の対処法DBにおいて、対処法情報のテーブル「プローブID」、「プローブの種類」、「対処法情報」の他に、被検体緊急情報をいくつかに種別した「緊急事態種別」を記憶している。また、対処法DBでは、対処法情報が、プローブの種類だけでは決まらず、緊急事態種別とプローブの種類の双方に対応して複数記憶されている。なお、この対処法DBにおける緊急事態種別は、「緊急情報の種類」の一例に該当する。
【0066】
この変形例では、操作部103の被検体緊急情報入力部(不図示)において、被検体についての緊急事態を、その事態の具体的な分類に応じて、ユーザに入力させるように構成される。緊急事態の具体的な分類とは、例えば「危篤」、「出血」、「心肺停止」、「血圧低下」等の異常事態を示す分類である。この分類は、記憶部127の対処法DBにおける緊急事態種別に対応している。
【0067】
制御部128は、操作部103から被検体緊急情報の入力を受け、プローブIDを取得する。さらに制御部128は、プローブIDに基づきプローブの種類を判別する。なお、プローブの種別の工程を行うか否かについては、上述の通りである。この変形例では、制御部128が、プローブIDだけでなく、被検体緊急情報に基づく緊急事態の種別の情報も利用して緊急事態種別とプローブの種類の双方に対応した対処法情報が取得される。
【0068】
表示制御部125は、この対処法情報に基づき対処法表示画面を表示させる。したがって、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0069】
〈変形例2〉
次に、第1実施形態の変形例2について説明する。この変形例では、制御部128が接続されたプローブIDを取得せず、かつプローブの種別をせず、被検体緊急情報を受けたことに応じて、穿刺プローブおよび体腔内プローブの一方または双方に関する緊急事態への対処法情報を同時に表示部104に表示させる。
【0070】
記憶部127の対処法DBには、穿刺プローブおよび体腔内プローブについての対処法表示画面の画面データを含む対処法情報が記憶されている。
【0071】
この変形例では、操作部103の被検体緊急情報入力部(不図示)を介して、被検体緊急情報が入力されると、制御部128は、操作部103からの入力を受け、対処法DBから、穿刺プローブおよび体腔内プローブについての対処法情報を取得する。制御部128は、表示制御部125に対処法情報を送る。表示制御部125は、対処法情報に基づき、超音波画像とともに、穿刺プローブについての対処法および体腔内プローブについての対処法の一方または双方を表示部104に表示させる。なお、超音波画像を表示せず、これらの対処法のみ表示させる構成であってもよい。
【0072】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0073】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、被検体緊急情報の入力および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0074】
また、ユーザに被検体緊急情報を入力させる構成であるので、ユーザの要求に応じた対処法を提示することができる。また被検体の緊急事態が生じた場合であっても、ユーザが対処法の提示を必要としないときは、対処法表示画面を表示させないという選択をすることも可能である。
【0075】
なお、被検体緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0076】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と比較して緊急情報の内容が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0077】
第2実施形態における超音波診断装置100では、操作部103において被検体緊急情報でなく、所在地緊急情報を入力するための所在地緊急情報入力部(不図示)が設けられている。また、記憶部127の対処法DBのテーブルには、「プローブの種類」、「プローブID」、および「対処法表示画面」の項目があり、プローブIDごとに、プローブの種類と、当該プローブの種類に応じた対処法表示画面(不図示)を表示するための対処法情報とが対応付けられて記憶されている。「プローブID」、「プローブの種類」については、第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
【0078】
対処法DBにおける対処法情報には、プローブの種類に対応した緊急事態への対処法を表示するための画面データが含まれている。第2実施形態における対処法情報は、超音波診断装置100の現在の所在地についての緊急事態に対する対処法の情報である。所在地についての緊急事態とは、所在地や、当該所在地を含む構築物およびその周辺地域に発生した緊急的な状況変化または変化のおそれを示すものである。
【0079】
所在地緊急情報としては、例えば、台風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・地震・津波・噴火などの自然災害についての情報が挙げられる。また所在地緊急情報として、例えば超音波診断装置100が現在配置されている医療機関等に生じた停電など事故情報なども挙げられる。また、火災・戦災などの人災等についての情報が挙げられる。以下、これらの緊急事態を示す情報について単に、「所在地緊急情報」と記載する。また、単に、「所在地」と記載した場合は、超音波診断装置100が現在配置されている場所(医療機関、検査室等)を示すものとする。なお、所在地緊急情報は、所在地や、当該所在地を含む構築物およびその周辺地域における緊急事態が生じたときだけでなく、緊急事態が生じるおそれがあるときにも入力される場合がある。
【0080】
第2実施形態において、所在地の緊急事態(停電、地震等)が生じている場合、例えば、ユーザにより、操作部103の所在地緊急情報入力部(不図示)を介して所在地緊急情報が入力される。制御部128は、所在地緊急情報が入力されると、第1実施形態と同様に、プローブIDを取得する。また対処法DBから所在地緊急情報に対応した対処法情報を取得する。さらに制御部128は、取得した対処法情報を表示制御部125に送る。表示制御部125は、制御部128から受けた対処法情報に基づき所在地の緊急事態に対応する対処法表示画面を表示部104に表示させる。
【0081】
その他の事項については、第1実施形態の超音波診断装置100と同様であるため、説明を割愛する。
【0082】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0083】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、所在地緊急情報の入力および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0084】
また、ユーザに所在地緊急情報を入力させる構成であるので、ユーザの要求に応じた対処法を提示することができる。また所在地に緊急事態が生じた場合であっても、ユーザが対処法の提示を必要としないときは、対処法表示画面を表示させないという選択をすることも可能である。
【0085】
なお、所在地緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。例えば、災害に対して「直ちに退避」、「警告」、「注意」といったように。緊急度の段階で緊急事態種別が分類される。
【0086】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる超音波診断装置100について図6〜図8を参照して説明する。図6は、第3実施形態にかかる超音波診断装置100を示すブロック図である。第3実施形態においては、第1実施形態と比較して緊急情報の入力方法が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0087】
第3実施形態における超音波診断装置100では、ユーザが操作部103を介して被検体緊急情報を入力するのではなく、生体情報測定器具(生体物理測定器具)129から受けた情報に基づいて対処法情報の取得、対処法表示画面の表示制御を行う。
【0088】
〈構成〉
図6に示すように、第3実施形態における超音波診断装置100は、I/F126を介して生体情報測定器具129と情報を送受信可能に接続されている。生体情報測定器具129としては、生体電気器具(心電計、脳波計、筋電計など)、呼吸器系器具(呼吸流量計、電子式呼吸計(スパイロメータ)、呼吸抵抗計など)および、医用監視装置(単数監視装置(ベッドサイドモニタ)、複数監視装置(セントラルモニタ))等が該当する。医用監視装置は、心電図・血圧・呼吸数・体温・脈拍・血中酸素飽和度・呼気ガス分圧などのバイタルサインを監視するものである。以下、説明の便宜上、生体情報測定器具129として心電計を例にして説明することがある。
【0089】
なお、心電計は被検体の心電波形を測定し、ECG信号を超音波診断装置に出力する。心電計は、この実施形態にかかる超音波診断装置に含まれていてもよいし、超音波診断装置の外部に設置されていてもよい。
【0090】
生体情報測定器具129は、I/F126を介して被検体緊急情報を制御部128に出力する。ここで、生体情報測定器具129から出力される被検体緊急情報としては、次のように分けられる。
【0091】
1つの例として、出力される被検体緊急情報を被検体に異常事態が生じていることを示す情報とする構成が挙げられる。この例の場合、生体情報測定器具129は、予め正常な測定結果の範囲を記憶している。生体情報測定器具129は、被検体の測定結果が当該範囲内にあるかを判断する。生体情報測定器具129は測定結果が正常な範囲内にないと判断した場合、I/F126を介して被検体緊急情報を制御部128に出力する。制御部128は、被検体緊急情報を受け、対処法情報取得に関する制御を行う。
【0092】
また、他の例として、出力される情報を、生体情報測定器具129による被検体の測定結果の情報または当該測定結果に基づく情報(例えば心電計のECG)とする構成が挙げられる。なお、以下においてはこれらの情報を単に、「測定結果情報」と記載する。この例の場合、生体情報測定器具129は、所定時間ごとまたは常時、測定結果情報(ECGなど)をI/F126を介して制御部128に出力する。この場合、測定結果情報が、被検体緊急情報に該当する。超音波診断装置100は、補助記憶装置等(記憶部127等)において、予め正常な測定結果の範囲を記憶している。制御部128は、当該正常な範囲の情報を読み出し、測定結果情報としての被検体緊急情報が当該範囲内にあるかを判断する。制御部128は測定結果としての被検体緊急情報が正常な範囲内にないと判断した場合、対処法情報の取得に関する制御を行う。
【0093】
〈動作〉
次に、第3実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて図7および図8を参照して説明する。図7および図8は、第3実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。なお、図7は、被検体緊急情報が測定結果情報である場合についての超音波診断装置100の処理のフローである。
【0094】
(ステップ11)
制御部128は、生体情報測定器具129からI/F126を介して被検体緊急情報の入力を受ける。
【0095】
(ステップ12)
制御部128は、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内にあるか判断する。制御部128は、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内であると判断した場合(S12;Yes)、再びステップ11からステップ12の動作を繰り返す。
【0096】
(ステップ13)
これに対し、制御部128は、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内にないと判断した場合(S12;No)、制御部128は、接続されたプローブのプローブID発生部にプローブIDを発生させる指示を送る。プローブは、プローブID発生部が発生したプローブIDを、I/F126を介して制御部128に送る。なおプローブIDの送信タイミングとしては、プローブを第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cのいずれかに接続したときにプローブIDを制御部128に送る構成であってもよい。したがって、この場合にはステップ13が、ステップ11またはステップ12の前に行われる。
【0097】
(ステップ14〜19)
第3実施形態の超音波診断装置100におけるステップ14〜19、すなわちプローブの種別(S14、S15)、対処法情報の取得から対処法表示画面の表示(S16〜18)、対処法表示にかかる制御が完了したかの判断(S19)等については、第1実施形態の処理(図4/ステップ03〜08)と同様であるため、説明を割愛する。
【0098】
その他の事項については、第1実施形態の超音波診断装置100と同様であるため、説明を割愛する。
【0099】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0100】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、生体情報測定器具129から受けた被検体緊急情報の入力および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0101】
また、生体情報測定器具129から被検体緊急情報の入力を受ける構成であるので、ユーザ個人が判断しなくとも、ユーザが緊急事態の発生を把握することが可能である。また、ユーザが被検体の異常事態を把握しつつも、緊急事態であることに気付かないといった判断の誤りも回避することが可能である。
【0102】
なお、被検体緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0103】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる超音波診断装置100について図9を参照して説明する。図9は、第4実施形態にかかる超音波診断装置100を示すブロック図である。第4実施形態においては、第2実施形態と比較して緊急情報の入力方法が異なる。その他の部分は第2実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0104】
第4実施形態における超音波診断装置100では、ユーザが操作部103を介して所在地緊急情報を入力するのではなく、図4に示すようにネットワークNから受けた所在地緊急情報に基づいて対処法情報の取得、対処法表示画面の表示制御を行う。
【0105】
〈構成〉
図9に示すように、第4実施形態における超音波診断装置100は、I/F126を介してネットワークNにおけるサーバまたはホストコンピュータと接続されている。ネットワークNとしては、RIS(Radiology Information System)などの機関内、部門内に設けられたLAN、専用回線または公衆回線としてのWANなどが該当する。
【0106】
第4実施形態において、所在地の緊急事態(停電、地震等)が生じている場合、例えば、ネットワークNに接続されたサーバ等により、I/F126を介して所在地緊急情報が入力される。制御部128は、所在地緊急情報が入力されると、第1実施形態および第2実施形態と同様に、プローブIDを取得する。さらに制御部128は、対処法DBから所在地緊急情報に対応した対処法情報を取得する。さらに制御部128は、取得した対処法情報を表示制御部125に送る。表示制御部125は、制御部128から受けた対処法情報に基づき所在地の緊急事態に対応する対処法表示画面を表示部104に表示させる。
【0107】
その他の事項については、第2実施形態の超音波診断装置100と同様であるため、説明を割愛する(動作の流れは第3実施形態を参照のこと)。
【0108】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0109】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、ネットワークNから受けた所在地緊急情報の入力および接続されたプローブの種別に基づき、所在地の緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0110】
また、ネットワークNから所在地緊急情報の入力を受ける構成であるので、ユーザ個人が判断しなくとも、ユーザが緊急事態の発生を把握することが可能である。また、ユーザが被検体の異常事態を把握しつつも、緊急事態であることに気付かないといった判断の誤りも回避することが可能である。
【0111】
なお、所在地緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0112】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる超音波診断装置100について図10〜図13を参照して説明する。図10は、第5実施形態にかかる超音波診断装置100を示すブロック図である。第5実施形態は、第1実施形態〜第4実施形態の組み合わせにかかるものである。
【0113】
第5実施形態における超音波診断装置100では、制御部128が被検体緊急情報および所在地緊急情報のいずれも受けることが可能であり、かついずれの緊急情報が入力された場合でも対処法表示画面の表示に関する制御を行う。また被検体緊急情報および所在地緊急情報は、ユーザが操作部103を介して入力するだけでなく、図10に示すように、生体情報測定器具129、ネットワークNから入力を受けることも可能である。
【0114】
〈構成〉
以下、第5実施形態における超音波診断装置100の構成について、他の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0115】
(操作部)
第5実施形態における操作部103には、被検体緊急情報入力部と所在地緊急情報入力部(共に不図示)とが設けられている。これらの各入力部に対し、入力操作が行われると、それぞれ対応する被検体緊急情報、所在地緊急情報が制御部128に入力される。
【0116】
(記憶部)
次に、第5実施形態の記憶部127における対処法DBについて図11を参照して説明する。図11は、第5実施形態にかかる記憶部127に記憶された対処法DBのテーブルを示す概略図である。
【0117】
第5実施形態における対処法DBのテーブルにおいても、「プローブの種類」、「プローブID」、および「対処法表示画面」の項目があり、プローブIDごとに、プローブの種類と、当該プローブの種類に応じた対処法表示画面(不図示)を表示するための対処法情報とが対応付けられて記憶されている。さらに、この対処法DBのテーブルには、さらに「緊急情報の種類」の項目がある。つまり、この対処法DBでは、対処法情報が、プローブの種類だけでなく、緊急情報が、被検体緊急情報および所在地緊急情報のいずれであるかによって、対処法情報の種類が分けられて記憶されている。なお、対処法情報は、被検体緊急情報の場合と所在地緊急情報の場合とで表示する対処法を分けるように構成されていてもよい。例えば、被検体緊急情報(危篤等)の場合は、プローブ等の除去時間より、被検体の容態を重視した対処法を表示するように対処法情報を構成し、これに対して所在地緊急情報の場合は、プローブ等の除去を短い時間で行うことを重視した対処法を表示するように対処法情報を構成することができる。
【0118】
(制御部)
第5実施形態における制御部128は、操作部103から被検体緊急情報と、所在地緊急情報とのいずれの入力も受ける。また、被検体緊急情報は生体情報測定器具129から受け、所在地緊急情報はネットワークNから受ける。上記第3実施形態の対処法表示画面の表示制御の一例においては、生体情報測定器具129から被検体緊急情報を受けたことに応じ、正常な範囲であるかの判断を行う工程がある(図7参照)。したがって、まず制御部128は、入力を受けた緊急情報が被検体緊急情報と所在地緊急情報とのいずれであるか判別を行う。
【0119】
制御部128は、生体情報測定器具129から被検体緊急情報を受けたと判断した場合、第3実施形態と同様に、補助記憶装置等(記憶部127等)から、測定結果の範囲の情報を読み出し、測定結果情報としての被検体緊急情報が当該範囲内にあるかを判断する。制御部128は測定結果情報としての被検体緊急情報が正常な範囲内にないと判断した場合、対処法情報の取得に関する制御を行う。
【0120】
〈動作〉
次に、第5実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて図12および図13を参照して説明する。図12および図13は、第5実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。なお、図12は、生体情報測定器具129から入力される被検体緊急情報が測定結果情報である場合についてのものである。
【0121】
(ステップ21)
制御部128は、操作部103を介して、または生体情報測定器具129もしくはネットワークNからI/F126を介して緊急情報の入力を受ける。
【0122】
(ステップ22)
制御部128は、入力された緊急情報が、被検体緊急情報であるか、または所在地緊急情報であるかについて判別する。例えば、制御部128は、操作部103の被検体緊急情報入力部または生体情報測定器具129から入力された情報は被検体緊急情報であると判断する。また、操作部103の所在地緊急情報入力部またはネットワークNから入力された情報は所在地緊急情報であると判断する。
【0123】
(ステップ23)
また、制御部128は、入力された緊急情報を、被検体緊急情報であると判別した場合(S22;Yes)、制御部128は、被検体緊急情報が、生体情報測定器具129から入力されたものであるか判別する。
【0124】
(ステップ24)
制御部128は、入力された被検体緊急情報が、生体情報測定器具129から入力されたと判別した場合(S23;Yes)、制御部128は、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内にあるか判断する。制御部128は、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内であると判断した場合(S24;Yes)、再びステップ21からステップ22の動作を繰り返す。
【0125】
(ステップ25)
制御部128は、入力された緊急情報が、被検体緊急情報でない(所在地緊急情報である)と判別した場合(S22;No)、制御部128は、プローブID発生部(不図示)にプローブIDを発生させる指示を送る。プローブは、プローブID発生部が発生したプローブIDを、I/F126を介して制御部128に送る。なお、プローブを第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cのいずれかに接続したときにプローブIDを制御部128に送る構成であってもよい。したがって、この場合にはステップ25がステップ21〜24のいずれかの前段階の処理になる。
【0126】
制御部128は、入力された被検体緊急情報が、生体情報測定器具129から入力されていない(操作部103から入力された)と判別した場合(S23;No)も上記ステップ25と同様にプローブID発生の指示を送る。同じく制御部128が、入力された被検体緊急情報が、予め記憶された正常な測定結果の範囲内にないと判断した場合(S24;No)も上記ステップ25と同様にプローブID発生の指示を送る。
【0127】
(ステップ26〜30)
第5実施形態の超音波診断装置100におけるステップ26〜30、すなわちプローブの種別(S26、S27)、対処法情報の取得から対処法表示画面の表示(S28〜30)、対処法表示にかかる制御が完了したかの判断(S31)等については、第1実施形態の処理(図4/ステップ03〜08)と同様であるため、説明を割愛する。
【0128】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0129】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力および接続されたプローブの種別に基づき、緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0130】
また、ユーザ入力操作、生体情報測定器具129またはネットワークNから緊急情報の入力を受ける構成であるので、さまざまな事態に対処可能であり、緊急事態に対して幅広く対処することが可能である。
【0131】
なお、緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0132】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかる超音波診断装置100について図14および図15を参照して、緊急事態に対する制御のフローを中心に説明する。図14および図15は、第6実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の一例の概略を示すフローチャートである。第6実施形態は、第1実施形態〜第5実施形態のいずれに対しても組み合わせることができるが、ここでは、第5実施形態との組み合わせについて説明する。この組み合わせにおいては、第5実施形態と比較すると制御部128が、接続されているプローブが使用されているかについて判断する制御を行う点で異なる。その他の部分は第5実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0133】
第6実施形態における制御部128は、第5実施形態と同様に、被検体緊急情報と所在地緊急情報とのいずれの入力も受ける。制御部128は、これらの緊急情報を受けると、接続部102に接続されているプローブが、駆動中であるかについて判断する。制御部128は、駆動中のプローブがあると判断すると、対処法情報の取得、対処法表示画面の表示にかかる制御を行う。
【0134】
〈動作〉
次に、第6実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて説明する。
【0135】
(ステップ32)
制御部128は、操作部103を介して、もしくは生体情報測定器具129、ネットワークNのいずれかからI/F126を介して緊急情報の入力を受ける。
【0136】
(ステップ33)
本実施形態における制御部128は、接続部102に接続されたプローブが現在駆動されているか、すなわち超音波の送受信中であるかについて判断する。
【0137】
(ステップ34)
制御部128は、判断対象のプローブが駆動中でないと判断した場合(S33;No)でも、ステップ33の判断は第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cに接続されたプローブのすべてに対して順次行われる。したがって、制御部128は、駆動中かどうかについて判断したプローブの他、他の接続部102のコネクタに接続されたプローブについて、ステップ32の判断を行ったかについて判断する。接続部102接続されたプローブのうち、駆動中かどうかの判断をしていないものがあると判断した場合(S34;No)、他のプローブについて再度ステップ33の判断を行う。
【0138】
(ステップ35)
また、制御部128は、判断対象のプローブが駆動中であると判断した場合は(S33;Yes)、入力された緊急情報が、被検体緊急情報であるか、所在地緊急情報であるかについて判断する。
【0139】
(ステップ36〜44)
第6実施形態の超音波診断装置100におけるステップ36〜44、すなわち被検体緊急情報の入力元の判断(S36)、被検体緊急情報が正常な範囲であるかの判断(S37)、プローブのID取得(S38)、プローブの種別(S39、40)、対処法情報の取得から対処法表示画面の表示(S41〜43)、対処法表示にかかる制御が完了したかの判断(S44)等については、第5実施形態の処理(図12、図13/ステップ23〜31)と同様であるため、説明を割愛する。
【0140】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0141】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力があると、接続された各プローブの駆動の有無について判断する。駆動中のプローブについては、緊急情報の種別および接続されたプローブの種別に基づき、緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0142】
また、第6実施形態の制御部128は、接続されたプローブが駆動中であるかどうか判断することにより、対処法表示画面の表示にかかる制御を継続するか中断するか判断する。したがって、超音波診断装置100による検査が行われていない場合にまで、対処法表示画面の表示にかかる制御が継続される事態を回避することが可能である。
【0143】
なお、緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0144】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態にかかる超音波診断装置100について図16および図17を参照して説明する。図16および図17は、第7実施形態における超音波診断装置100の動作の一例の概略を示すフローチャートである。第7実施形態は、第1実施形態〜第6実施形態のいずれに対しても組み合わせることができるが、ここでは、第5実施形態との組み合わせについて説明する。この組み合わせにおいては、第5実施形態と比較して制御部128が、接続されている体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入中であるかについて判断する制御を行う点で異なる。その他の部分は第5実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0145】
(記憶部)
第7実施形態における超音波診断装置100は、補助記憶装置等(記憶部127等)において、受信信号が示す強度、画素値、輝度値または補正値等における所定の数値情報を有している(なお、受信信号が示す強度、画素値、輝度値または補正値等を、以下、「画素値等」と記載することがある。)。所定の数値情報としては、体腔内プローブ111を挿入して超音波の送受信をしたときの、被検体内の組織情報に基づく画素値等が挙げられる。また、穿刺針穿刺プローブ112を挿入して超音波の送受信をしたときの穿刺針が示す受信信号の強度等が挙げられる。また、所定の情報は、被検体の組織や穿刺針の材料によって、異なる値を示すため、さまざまな所定の範囲を有する。
【0146】
(制御部)
第7実施形態における制御部128は、第5実施形態と同様に、被検体緊急情報と所在地緊急情報とのいずれの入力も受ける。制御部128は、これらの緊急情報を受けると、接続部102に接続されているプローブまたは穿刺針が被検体内に挿入されているかについて判断する。例えば、プローブが送受信した受信信号等に応じた画素値等に基づき、現在体腔内プローブ111または穿刺針等の挿入物が挿入中であるか判断する。
【0147】
例えば、制御部128は、緊急情報が入力されると、生成された超音波画像における全画素それぞれが示す画素値(もしくは生データ、補正データ等)の分布を、画像生成部124(もしくは受信部122、信号処理部123等)から取得する。さらに制御部128は、当該取得した数値情報の分布および記憶部127に記憶された所定の情報に基づいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入されているか判断する。
【0148】
制御部128は判断の結果、超音波画像における全画素それぞれが示す画素値の分布において例えば頂点に対応する値(または多数の画素の値)が、体腔内プローブ111の挿入時の画素値における上記所定の範囲内にあれば、体腔内プローブ111が挿入されていると判断する。同様に、制御部128は判断の結果、超音波画像における全画素それぞれのうち、一定数の画素が、穿刺針を示す画素値に対応していれば、穿刺針が挿入されていると判断する。制御部128は、挿入中の体腔内プローブまたは挿入中の穿刺針があると判断すると、対処法情報の取得、対処法表示画面の表示にかかる制御を行う。
【0149】
〈動作〉
次に、第7実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて説明する。
【0150】
(ステップ51)
制御部128は、操作部103を介して、もしくは生体情報測定器具129、ネットワークNのいずれかからI/F126を介して被検体緊急情報または所在地緊急情報の入力を受ける。
【0151】
(ステップ52)
本実施形態における制御部128は、補助記憶装置等から、予め記憶された所定の画素値等の情報を読み出す。さらに制御部128は、画素値等の分布と、読み出した所定の情報とを対比し、現在、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112における穿刺針が被検体内に挿入されているかについて判断する。
【0152】
(ステップ53)
制御部128は、判断対象のプローブまたは判断対象のプローブにおける穿刺針が、被検体内に挿入中でないと判断した場合(S52;No)でも、ステップ52の判断は第1コネクタ102a〜第3コネクタ102cに接続されたプローブのすべてに対して順次行われる。したがって、制御部128は、駆動中かどうかについて判断したプローブの他、他の接続部102のコネクタに接続されたプローブについて、ステップ52の判断を行ったかについて判断する。接続部102接続された全てのプローブについてステップ52を実行していないと判断した場合(S53;No)、他のプローブについて再度ステップ52の判断を行う。
【0153】
(ステップ54)
また、制御部128は、判断対象のプローブまたは判断対象のプローブにおける穿刺針が、被検体内に挿入中であると判断した場合(S52;Yes)、入力された緊急情報が、被検体緊急情報であるか、所在地緊急情報であるかについて判断する。
【0154】
(ステップ55〜63)
第7実施形態の超音波診断装置100におけるステップ55〜63、すなわち被検体緊急情報の入力元の判断(S55)、被検体緊急情報が正常な範囲であるかの判断(S56)、プローブのID取得(S57)、プローブの種別(S58、59)、対処法情報の取得から対処法表示画面の表示(S60〜62)、対処法表示にかかる制御が完了したかの判断(S63)等については、第5実施形態の処理(図12、図13/ステップ23〜30)と同様であるため、説明を割愛する。
【0155】
なお、第6実施形態と第7実施形態を組み合わせる場合は、次の通りである。第6実施形態において接続部102に接続されたプローブが挿入中であるかの判断(S32)の後、プローブが挿入中であると判断された場合(S32;Yes)に、上記ステップ52の判断を行う(図14および図16参照)。
【0156】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0157】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力があると、接続された各プローブにおいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入中であるかについて判断する。体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されていると判断した場合には、緊急情報の種別および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0158】
また、体腔内プローブ111や穿刺プローブ112の穿刺針が挿入されず、被検体の安全の確保に支障がない場合にまで、対処法表示画面の表示にかかる制御が継続される事態を回避することが可能である。
【0159】
なお、緊急情報を緊急事態種別でさらに絞る構成においては、より詳しい対処法をユーザに提供することができる。
【0160】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態にかかる超音波診断装置100について図18および図19を参照して説明する。図18および図19は、第8実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の一例の概略を示すフローチャートである。第8実施形態は、第1実施形態〜第7実施形態のいずれに対しても組み合わせることができるが、ここでは、第5実施形態との組み合わせについて説明する。この組み合わせにおいては、第7実施形態と比較して、制御部128が、対処法表示画面の表示の前に超音波の送信を継続するどうか判断する点で異なる。また、体腔内プローブや穿刺針等の挿入物が被検体内から除去されたかの判断をする点で異なる。その他の部分は第7実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点のみについて説明する。
【0161】
(記憶部)
第7実施形態と同様に、第8実施形態の超音波診断装置100の補助記憶装置等には、画素値等の所定の数値情報を有している。所定の数値情報としては、体腔内プローブ111を挿入して超音波の送受信をしたときの、被検体内の組織情報に基づく画素値等が挙げられる。また、穿刺針穿刺プローブ112を挿入して超音波の送受信をしたときの穿刺針が示す受信信号の強度等が挙げられる。また、所定の情報は、被検体の組織や穿刺針の材料によって、異なる値を示すため、さまざまな所定の範囲を有する。
【0162】
(制御部)
第8実施形態における制御部128は、第7実施形態と同様に、プローブIDに基づいてプローブを種別し、接続部102に接続されているプローブのうち、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112のいずれかに該当するものがあるかについて判断する。
【0163】
また、制御部128は、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112が接続されていると判断した場合、送信部121により該当するプローブの超音波送信を継続させる。これにより、対処法表示画面の表示制御をする場合には、あわせて超音波画像も並行して表示部104に表示し続けることが可能である。制御部128は、体腔内プローブ111、穿刺プローブ112のいずれも接続されていないと判断した場合には、送信部121に超音波の送信を停止させる制御を行う。
【0164】
さらに、被検体内に挿入される体腔内プローブ111や穿刺針をともなう穿刺プローブ112が接続されていない場合には、超音波の送信を停止することで、不要な電力の消費を回避することができる。また、緊急事態において必要のない超音波の送信を継続してしまうことによって、プローブや超音波診断装置100に支障をきたす事態の回避を図ることが可能である。
【0165】
また、制御部128は、対処法表示画面の表示後、体腔内プローブ111や穿刺針のような被検体への挿入物が被検体から除去されたか(取り出されたか)について判断する。ユーザによって除去が完了した旨を示す操作がされたことに応じて、制御部128がこの判断を行うように構成してもよい。また、他の例として制御部128が、補助記憶装置等から、上記所定の数値情報を読み出し、生成された超音波画像における全画素それぞれが示す画素値(もしくは生データ、補正データ等)の分布と対比するといったように、超音波画像の生成にかかるデータに基づいて挿入中であるかを判断してもよい。
【0166】
すなわち第7実施形態と同様に、制御部128は判断の結果、生成された超音波画像における全画素それぞれが示す画素値(もしくは生データ、補正データ等)の分布を、画像生成部124(もしくは受信部122、信号処理部123等)から取得する。
【0167】
さらに制御部128は、当該取得した数値情報の分布および記憶部127に記憶された所定の情報に基づいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内から除去されたか判断する。制御部128は、体腔内プローブまたは穿刺針等の挿入物が被検体から除去されたと判断すると、送信部121を制御して、プローブによる超音波の送信を停止させる。
〈動作〉
次に、第8実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて説明する。
【0168】
(ステップ71〜77)
第8実施形態の超音波診断装置100におけるステップ71〜77、すなわち緊急情報の受信(S71)、プローブ等の挿入の有無の判断(S72)、接続されたすべてのプローブについてステップ72を行ったかの判断(S73)、被検体体緊急情報の入力元の判断(S74、S75)、被検体緊急情報が正常な範囲であるかの判断(S76)、プローブのID取得(S77)、プローブの種別(S78、79)については、第7実施形態の処理(図16、図17/ステップ51〜59)と同様であるため、説明を割愛する。
【0169】
(ステップ80)
制御部128は、ステップ79の判断の結果、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112が接続されていると判断した場合(S79;Yes)、送信部121によって、該当するプローブの超音波送信を継続させる。
【0170】
(ステップ81)
制御部128は、ステップ79の判断の結果、体腔内プローブ111または穿刺プローブ112が接続されていないと判断した場合(S79;No)、送信部121によって、該当するプローブの超音波送信を停止させる。
【0171】
(ステップ82)
制御部128は、ステップ80とともに、またはステップ80に前後して、超音波送信を継続させつつ、当該プローブの種類に応じた対処法情報を対処法DBから取得する。
【0172】
(ステップ83)
制御部128は、取得した対処法情報を表示制御部125に送る。
【0173】
(ステップ84)
表示制御部125は、制御部128から受けた対処法情報に基づき、表示部104に対処法表示画面を表示させる。あわせて、超音波の送信が継続されているので、超音波画像も並行して表示部104に表示させる。
【0174】
(ステップ85)
制御部128は、ユーザによって体腔内プローブまたは穿刺針の除去が完了した旨を示す操作がされたかどうかについて判断する。または、制御部128は、判断対象のプローブもしくは判断対象のプローブにおける穿刺針が、被検体内から除去されたかについて、プローブからの受信信号または超音波画像の画素値等に基づき判断する。制御部128は、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体から除去されていないと判断した場合は(S85;No)、表示制御部125、送信部121等を制御して、対処法表示画面を超音波画像とともに表示し続ける。あわせて、制御部128は、体腔内プローブまたは穿刺針が、被検体から除去されているかの判断(S85)を継続する。
【0175】
なお、第8実施形態においては、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体から除去されたと判断した場合(S85;Yes)、他の実施形態で実行される、対処法表示にかかる制御が完了したかの判断(第7実施形態/S63等)は行わなくてもよい。ステップ79において接続部102に接続されているプローブのうち、体腔内プローブまたは穿刺プローブ112があるかについて判断しているためである。
【0176】
上述の第8実施形態における制御部128は、体腔内プローブ111や穿刺針のような被検体への挿入物が被検体から除去されたかについて、ユーザの操作か、またはプローブ(111、112)の受信信号に基づいて、判断する。そして制御部128は、挿入中の体腔内プローブまたは挿入中の穿刺針が除去されたと判断すると、送信部121を制御して、プローブによる超音波の送信を停止させる。ただし、この判断を行わず、予め設定した所定時間の経過をもって、制御部128がプローブによる超音波の送信を停止させる構成とすることも可能である。この場合、超音波診断装置100または外部の計時部から時間の情報(時刻、経過時間等)を取得し、制御部128が予め設定した所定時間の情報と対比する。取得した時間の情報における値が、所定時間の情報の値を超えた場合、制御部128は、送信部121を制御して、プローブによる超音波の送信を停止させる。
【0177】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0178】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力があると、接続された各プローブにおいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入中であるかについて判断する。体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されていると判断した場合には、緊急情報の種別および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0179】
また制御部128は、対処法表示画面の表示の前に超音波の送信を継続するどうか判断をする。また、対処法表示画面の表示にともなって体腔内プローブや穿刺針等の挿入物が被検体内から除去されたかの判断をする。体腔内プローブまたは穿刺針が除去されたと判断した場合には、超音波の送信を停止する。
【0180】
したがって、体腔内プローブ111や穿刺プローブ112が接続されていない場合には、体腔内プローブ111や穿刺針が被検体に挿入されている状況がほとんどないといえる。また、体腔内プローブ111や穿刺プローブ112の穿刺針の除去を確認した後は、被検体への挿入物による危険性はほとんどないといえる。そのようなときに、超音波の送信を停止することで、不要な電力の消費を回避することができる。また、緊急事態において必要のない超音波の送信を継続してしまうことによって、プローブや超音波診断装置100に支障をきたす事態の回避を図ることが可能である。
【0181】
[第9実施形態]
次に、第9実施形態にかかる超音波診断装置100について図20〜図24を参照して説明する。図20は、第9実施形態にかかる避難経路DBのテーブルを示す概略図である。図21は、第9実施形態の超音波診断装置100が表示する避難経路表示画面200を示す概略図である。第9実施形態は、第1実施形態〜第8実施形態のいずれに対しても組み合わせることができるが、ここでは、第8実施形態との組み合わせについて説明する。この組み合わせにおいては、第8実施形態と比較して、制御部128が、避難経路の表示にかかる制御を行う点で異なる。また、緊急事態が回避された旨を示す回避情報を取得する点で異なる。その他の部分は第8実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。
【0182】
〈構成〉
以下、第9実施形態における超音波診断装置100の構成について、他の実施形態との差異点を中心に説明する。この実施形態では、超音波診断装置100に入力される緊急情報が、被検体緊急情報と、災害情報と、設備不良情報とに種別される。すなわち、他の実施形態において所在地緊急情報としていたものが、災害情報と設備不良情報とに分けられる。
【0183】
災害情報としては、台風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・地震・津波・噴火などの自然災害についての情報が挙げられる。加えて、火災・戦災などの人災等についての情報が挙げられる。設備不良情報とは、例えば超音波診断装置100が現在配置されている医療機関等に生じた停電などの事故情報が挙げられる。なお、災害情報は、災害が生じたときだけでなく、災害が生じるおそれがあるときにも入力される場合がある。
【0184】
(操作部)
この実施形態における操作部103には、被検体緊急情報入力部と、災害情報入力部と、設備不良情報入力部とが設けられている(すべて不図示)。これらの各入力部に対し、入力操作が行われると、対応する被検体緊急情報、災害情報、設備不良情報が制御部128に入力される。
【0185】
(I/F)
I/F126には、ネットワークNを介して、ホストコンピュータやサーバ等から災害情報が入力される。この入力された災害情報は、制御部128に送られる。
【0186】
(記憶部)
第9実施形態の超音波診断装置100の補助記憶装置等(例えば、記憶部127等)には、予め現在地情報が入力されている。この現在地情報は、後述の避難経路の検索に利用される。次に、この実施形態における避難経路DBについて図20を参照して説明する。
【0187】
超音波診断装置100の補助記憶装置等(例えば、記憶部127等)には、避難経路DBが記憶されている。避難経路DBには、退避先情報、退避前位置情報、周辺情報および避難経路情報が、緊急情報種別としての災害情報と対応付けられて記憶されている。この避難経路DBにおける「退避先情報」とは、災害情報が示す災害に対応するための退避先を示す位置情報である。「退避前位置情報」とは、周辺位置の特定および退避先の特定をするための、所在地におけるいずれかの位置(病室、検査室等)を示す情報である。「周辺情報」とは、退避前位置の周辺の情報(見取り図等)を示す情報である。「避難経路情報」とは、退避前位置、周辺、退避先の情報に基づく避難経路を示す情報である。なお、この避難経路DBにおける「退避前位置情報」は、「位置情報」の一例に該当する。
【0188】
なお、避難経路DBは、超音波診断装置100の所在地における設備内のサーバに記憶されていてもよい。また、現在地情報は、超音波診断装置100に予め入力されなくてもよく、例えばRISのサーバにおいて超音波診断装置100の現在地の情報が記憶されていてもよい。このように避難経路DBや現在地情報を外部装置において記憶する場合は、超音波診断装置100は、これらの情報をネットワークNおよびI/F126を介して読み出して利用する。なお超音波診断装置100は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を含んでいてもよく、その場合、現在地情報は予め記憶されなくてもよい。また、携帯可能な超音波診断装置の場合は、GPS機能を他の携帯機器を超音波診断装置に接続し、当該GPS機能を用いて現在地情報を取得するようにしてもよい。
【0189】
(制御部)
第9実施形態における制御部128について図21を参照して説明する。制御部128は、ネットワークNまたは操作部103から災害情報を受けると、超音波診断装置100に予め記憶されている現在地情報に基づいて避難経路DBを検索し、周辺位置、退避先および避難経路を特定し、図21に示すような避難経路表示画面200を表示部104に表示させる。
【0190】
ここで、I/F126を介してネットワークNから火災発生に基づく災害情報が制御部128に入力された場合の例を挙げて、制御部128における避難経路表示画面200の表示にかかる制御について説明する。超音波診断装置100の所在地において火災が発生すると、制御部128は、例えば所在地のホストコンピュータから、ネットワークNを介し、災害情報の入力を受ける。ホストコンピュータやサーバは、関連官庁から発信される緊急災害情報を受けるシステムから災害情報を受けてもよい。
また災害情報を受けると、制御部128は、予め記憶部127等に記憶されていた現在地情報を読み出す。もしくは、制御部128が超音波診断装置100等のGPS機能を用いて現在地情報を取得するようにしてもよい。制御部128は、災害情報と、取得した予現在地情報に基づいて次のように避難経路DBを検索する。
【0191】
制御部128は、避難経路DBから、予め記憶された現在地情報を検索条件として、避難経路DBにおける退避前位置情報を特定する。避難経路DBにおいては、退避前位置情報に、周辺情報と、退避先情報と、避難経路情報とを対応付けて記憶しているので、ここで退避前位置と、当該退避前位置の周辺と、退避先と、避難経路が特定される。制御部128はこれらの情報を読み出して、避難経路表示画面200を表示させる制御を行う。
【0192】
例えば、制御部128は表示制御部125に対し、避難経路表示画面200を生成させ、表示部104に表示させる。この避難経路表示画面200は、避難経路を模式的に示す表示画面である。避難経路表示画面200において、周辺情報に基づいて現在地の周辺の構造(通路等)が表示される。また、退避前位置情報に基づいて現在地210の位置が表示される。退避先情報に基づいて退避先220が表示される。また、避難経路情報に基づいて、現在地210と退避先220を結ぶ避難経路が表示される。なお、制御部128は、避難経路表示画面200の画面データを、超音波診断装置100の外部装置、例えば携帯機器等に出力し、当該携帯機器に避難経路表示画面200を表示させてもよい。
【0193】
第9実施形態における制御部128においても、プローブの種別に応じて、超音波送信の継続・停止の制御が行われる。また第8実施形態と同様に、制御部128は、対処法表示画面の表示後、体腔内プローブ111や穿刺針のような被検体への挿入物が被検体から除去されたかについて判断する。制御部128は判断の結果、体腔内プローブまたは穿刺針等の挿入物が被検体から除去されたと判断した場合、対処法表示画面の表示を停止する。また、音声情報を出力している場合はそれも停止する。
【0194】
制御部128は、記憶している情報(避難経路DB等)によらず、現在地情報から退避先、避難経路を求めて表示させる構成であってもよい。また、屋外であれば現在地の情報から近隣周辺の避難区域における避難場所までの経路のうち適切な経路を求めて避難経路を表示させる構成であってもよい。
【0195】
また避難経路の表示に関しては、表示部104に表示させる構成に限らず、周辺機器を用いて避難経路の提供手段にしてもよい。例えば、周辺機器であるプリンタにより避難経路をプリントアウトしてもよい。
【0196】
〈動作〉
次に、第9実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて説明する。図22〜図24は、第9実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。
【0197】
(ステップ91〜102/図22〜図23)
第8実施形態の超音波診断装置100におけるステップ91〜97、すなわち緊急情報の受信(S91)、緊急情報の種別の判断(S92)、被検体緊急情報の入力元の判断(S93)、被検体緊急情報が正常な範囲であるかの判断(S94)、プローブIDの取得(S95)、プローブ種別(S96、S97)、対処法表示画面の表示制御(S98〜101)、プローブ等の挿入の有無の判断(S102)、については、第8実施形態の処理(図18、図19/ステップ71〜85)と同様であるため、説明を割愛する。
【0198】
(ステップ103/図24)
制御部128は、入力された緊急情報が、被検体緊急情報であるか、災害情報であるか、または設備不良情報であるかについて判別する。例えば、制御部128は、操作部103の災害情報入力部(不図示)またはネットワークNから入力された情報は災害情報であると判断する。制御部128は、緊急情報が災害情報でないと判断した場合(S103;No)、避難経路表示にかかる制御を行わない。
【0199】
(ステップ104/図24)
制御部128は、緊急情報が災害情報であると判断した場合は(S103;Yes)、補助記憶装置またはネットワークN上のホストコンピュータ等から、超音波診断装置100の現在地情報を取得する。
【0200】
(ステップ105)
制御部128は、取得した現在地情報を検索条件として、避難経路DBにおける退避前位置情報を特定し、あわせて、周辺情報、退避先情報、避難経路情報を取得する。
【0201】
(ステップ106)
制御部128は、表示制御部125により、現在地情報と、周辺情報、退避先情報、避難経路情報に基づいて、現在地210、退避先220、避難経路230を定め、避難経路表示画面200を生成させる。避難経路表示画面200の生成は制御部128が行ってもよい。制御部128は、表示制御部125を介して、避難経路表示画面200を表示部104に表示させる。
【0202】
(ステップ107)
制御部128は、避難経路表示画面200を表示させた後、操作部103、ネットワークN等から回避情報が入力されたかについて判断する。回避情報とは、緊急事態が回避されたこと、および緊急事態が解消されたことを示す情報である。回避情報が未だ入力されない場合は(S107;No)、この判断を所定時間ごと、または常時繰り返す。
【0203】
(ステップ108)
制御部128は、回避情報が入力されたと判断した場合は(S107;Yes)、避難経路表示画面200の表示を停止する。
【0204】
なお、本実施形態において、ステップ92において一度、緊急情報の種別を行っているため、ステップ103の判断を行わず、避難経路の表示を行ってもよい。
【0205】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0206】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力があると、接続された各プローブにおいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入中であるかについて判断する。体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されていると判断した場合には、緊急情報の種別および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0207】
また制御部128は、災害情報の入力を受けて、現在地と退避先と避難経路の情報を取得し、現在地からの避難経路表示画面200を表示させる。
【0208】
したがって、災害発生または災害発生のおそれに対して被検体の安全確保を図ることが可能である。
【0209】
[第10実施形態]
次に、第10実施形態にかかる超音波診断装置100について図25を参照して説明する。図25は、第10実施形態にかかる避難経路DBのテーブルを示す概略図である。第10実施形態は、第1実施形態〜第9実施形態のいずれに対しても組み合わせることができるが、ここでは、第9実施形態との組み合わせについて説明する。この組み合わせにおいては、第9実施形態と比較して、制御部128が、避難経路之表示ではなく、搬送経路の表示にかかる制御を行う点で異なる。その他の部分は、第9実施形態にかかる超音波診断装置100の構成と同様である。
【0210】
〈構成〉
以下、第10実施形態における超音波診断装置100の構成について、他の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0211】
(記憶部)
第10実施形態の超音波診断装置100の補助記憶装置等(例えば、記憶部127等)には、予め現在地情報が入力されている。この現在地情報は、後述の搬送経路の検索に利用される。なお、第9実施形態と同様に、現在地情報をGPS機能等により取得する場合は、現在地情報を予め記憶させていなくてもよい。次に、この実施形態における搬送経路DBについて図25を参照して説明する。
【0212】
超音波診断装置100の補助記憶装置等(例えば、記憶部127等)には、避難経路DB(第9実施形態)でなく、搬送経路DBが記憶されている。搬送経路DBには、搬送位置情報、搬送前位置情報、周辺情報および搬送経路情報が、緊急情報種別としての被検体緊急情報と対応付けられて記憶されている。この搬送経路DBにおける「搬送位置情報」とは、緊急事態が生じた被検体を他の場所(大規模病院、他の手術室等)へ搬送するための位置を示す情報である。「搬送前位置情報」とは、周辺位置の特定および搬送するための位置の特定をするための、所在地におけるいずれかの位置(手術室、検査室等)を示す情報である。「周辺情報」とは、搬送前位置の周辺の情報を示す情報である。「搬送経路情報」とは、搬送前位置、周辺、搬送位置の情報に基づく搬送経路を示す情報である。なお、この搬送経路DBにおける「搬送前位置情報」は、「位置情報」の一例に該当する。
【0213】
なお、搬送経路DBは、超音波診断装置100の所在地における設備内のサーバに記憶されていてもよい。また、現在地情報は、超音波診断装置100に予め入力されなくてもよく、例えばRISのサーバにおいて超音波診断装置100の現在地の情報が記憶されていてもよい。このように搬送経路DBや現在地情報を外部装置において記憶する場合は、超音波診断装置100は、これらの情報をネットワークNおよびI/F126を介して読み出して利用する。また、超音波診断装置100等のGPS機能により現在地情報を取得する構成であってもよい。
【0214】
(制御部)
第10実施形態における制御部128について説明する。制御部128は、生体情報測定器具129または操作部103から被検体緊急情報を受けると、超音波診断装置100に予め記憶されている現在地情報に基づいて搬送経路DBを検索し、周辺位置、搬送位置および搬送経路を特定し、搬送経路表示画面(不図示)表示部104に表示させる。
【0215】
ここで、操作部103を介して被検体緊急情報入力部(不図示)から被検体緊急情報が制御部128に入力された場合の例を挙げて、制御部128における搬送経路表示画面の表示にかかる制御について説明する。被検体の容態に応じて被検体緊急情報入力部が操作されると、制御部128は、操作部103から被検体緊急情報の入力を受ける。制御部128は、被検体緊急情報と、予め記憶していた現在地情報に基づいて次のように搬送経路DBを検索する。
【0216】
制御部128は、搬送経路DBから、予め記憶された現在地情報を検索条件として、搬送経路DBにおける搬送前位置情報を特定する。搬送経路DBは搬送前位置情報に、周辺情報と、搬送位置情報と、搬送経路情報とを対応付けて記憶しているので、ここで搬送前位置と、当該搬送前位置の周辺と、搬送位置と、搬送経路とが特定される。制御部128はこれらの情報を読み出して、搬送経路表示画面を表示させる制御を行う。
【0217】
例えば、制御部128は表示制御部125に対し、搬送経路表示画面を生成させ、表示部104に表示させる。搬送経路表示画面の生成・表示については、避難経路表示画面における工程と同様であるため説明を割愛する。なお、制御部128は、搬送経路表示画面の画面データを、超音波診断装置100の外部装置、例えば携帯機器等に出力し、当該携帯機器に搬送経路表示画面を表示させてもよい。
【0218】
〈動作〉
次に、第10実施形態における緊急事態に対する制御のフローについて説明する。ここでは、第10実施形態の部分についてのみ説明する。図26は、第10実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。
【0219】
(ステップ201)
制御部128は、入力された緊急情報が、被検体緊急情報であるか、災害情報であるか、または設備不良情報であるかについて判別する。例えば、制御部128は、操作部103の被検体緊急情報入力部(不図示)から入力された情報は被検体緊急情報であると判断する。制御部128は、緊急情報が被検体緊急情報でないと判断した場合(S201;No)、搬送経路表示にかかる制御を行わない。
【0220】
(ステップ202)
制御部128は、緊急情報が被検体緊急情報であると判断した場合は(S201;Yes)、補助記憶装置もしくはネットワークN上のホストコンピュータ等から、またはGPS等により、超音波診断装置100の現在地情報を取得する。
【0221】
(ステップ203)
制御部128は、取得した現在地情報を検索条件として、搬送経路DBにおける搬送前位置情報を特定し、あわせて、周辺情報、搬送位置情報、搬送経路情報を取得する。
【0222】
(ステップ204)
制御部128は、表示制御部125により、現在地情報と、周辺情報、搬送位置情報、搬送経路情報に基づいて、現在地、周辺、搬送位置、搬送経路を定め、搬送経路表示画面を生成させる。搬送経路表示画面の生成は制御部128が行ってもよい。制御部128は、表示制御部125を介して、搬送経路表示画面を表示部104に表示させる。
【0223】
(ステップ205)
制御部128は、搬送経路表示画面を表示させた後、操作部103から回避情報が入力されたかについて判断する。回避情報とは、被検体に対する緊急事態が回避されたこと、および緊急事態が解消されたことを示す情報である。回避情報が未だ入力されない場合は(S205;No)、この判断を所定時間ごと、または常時繰り返す。
【0224】
(ステップ206)
制御部128は、回避情報が入力されたと判断した場合は(S205;Yes)、搬送経路表示画面の表示を停止する。
【0225】
なお、本実施形態において、生体情報測定器具129から被検体緊急情報を受信した場合は、第9実施形態と同様に、被検体緊急情報が正常な範囲にあるかの判断を行う(図22/S93、S94)。したがって、一度被検体緊急情報であるかの判断を行っているので、その場合は、ステップ201の判断を行わず、搬送経路の表示を行ってもよい。また、第9実施形態との組み合わせとして、避難経路の表示と搬送経路之表示を選択的に行わせることも可能である。この場合は、ステップ201で、制御部128が緊急情報を災害情報であると判断した場合(S201;No)、制御部128は図24に示すステップ104〜ステップ108の制御を行う。さらに記憶部127等に記憶される経路DBは、図20に示す避難経路DBと、図25に示す搬送経路DBとの組み合わせとなる。
【0226】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0227】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128は、操作部103、生体情報測定器具129またはネットワークNから受けた緊急情報の入力があると、接続された各プローブにおいて、体腔内プローブまたは穿刺針が被検体内に挿入中であるかについて判断する。体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されていると判断した場合には、緊急情報の種別および接続されたプローブの種別に基づき、被検体に対する緊急事態に対処するための対処法表示画面を表示させる。すなわちユーザは、対処法表示画面にしたがって、発生した緊急事態に対してどのように対応すべきかを把握することが可能である。これにより、緊急事態が発生した場合において、被検体の安全の確保を図ることができる。
【0228】
また制御部128は、被検体緊急情報の入力を受けて、現在地と搬送位置と搬送経路の情報を取得し、現在地からの搬送経路表示画面を表示させる。
【0229】
したがって、検査者等が、被検体の危篤などに対処しきれないと判断した場合は、対処できる場所へと搬送することを可能にする。したがって被検体の安全確保を図ることが可能である。
【0230】
[第11実施形態]
次に、第11実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第11実施形態においては、第1実施形態〜第10実施形態と比較して、制御部128が、設備不良情報を受け、内部電源を駆動させる制御を行う点で異なる。その他の部分は第1実施形態〜第10実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。
【0231】
本実施形態における超音波診断装置100は、臨時に使用する電源部(不図示)を有している。
【0232】
第11実施形態における制御部128について説明する。制御部128は、ネットワークNまたは操作部103から停電等を示す設備不良情報を受けると、超音波診断装置100における電源部を駆動する。なお、記憶部127等にあらかじめ電源部による超音波診断装置100の駆動に切り替えるかの選択操作用画面の画面データを記憶させておき、制御部128が設備不良情報を受けたときに、当該選択操作用画面の画面データを読み出し、当該選択操作用画面を表示部104に表示させてもよい。この場合、ユーザが電源部による駆動に切り替える選択をする走査をした場合、制御部128は、外部電源から、電源部により超音波診断装置100を動作させる。
【0233】
なお、火災等の災害によっても電源に障害がある場合もあるため。したがって、本実施形態において、ネットワークNから、火災等の災害情報を受けた場合においても、制御部128に上記制御を行わせるように構成することが可能である。
【0234】
〈作用効果〉
以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
【0235】
本実施形態における超音波診断装置100の制御部128では、火災による停電等が発生し、超音波診断装置100への電力の供給が困難になった場合でも、超音波画像を一定期間表示し続けることが可能である。例えば、表示部104に超音波画像を表示させておきたい場合、例えば、体腔内プローブ111が未だ被検体内に挿入されている場合に、超音波画像を一定期間表示し続けることで被検体の安全の確保を図ることができる。
【0236】
上述した第1実施形態〜第11実施形態の超音波診断装置100は、適宜組み合わせて構成することが可能である。適宜、上記実施形態を組み合わせることにより、緊急事態に対して被検体の安全確保を図る手段が加わっていくので、より被検体の安全確保を図ることができる。
【0237】
また、上述した第1実施形態〜第11実施形態は、超音波診断装置だけでなく、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置等の、被検体を撮像して医用画像を生成する医用画像診断装置にも適用可能である。
【0238】
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0239】
100 超音波診断装置
102a〜102c 第1コネクタ〜第3コネクタ
103 操作部
104 表示部
110 超音波プローブ
111 体腔内プローブ
112 穿刺プローブ
121 送信部
122 受信部
123 信号処理部
124 画像生成部
125 表示制御部
126 I/F
127 記憶部
128 制御部
129 生体情報測定器具
200 避難経路表示画面
210 現在地
220 退避先
230 避難経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプローブが選択的に接続される超音波診断装置であって、
緊急事態の発生を示す緊急情報の入力を受けるインターフェースと、
プローブの種類と、当該プローブの種類に対応付けられた制御内容とを記憶する記憶部と、
前記インターフェースが緊急情報の入力を受けたことに応じ、接続されている前記プローブの種類を判別し、当該判別結果に対応する前記制御内容を前記記憶部から取得し、該制御内容に応じた制御を行う制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
表示部を備え、
前記記憶部は、前記プローブの種類と、前記制御内容としての前記緊急事態への対処手順を含む対処法情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記インターフェースが前記緊急情報を受信すると、前記プローブの種類に応じて前記記憶部から前記対処法情報を取得し、該対処法情報に基づく対処手順を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記プローブの種類として、被検体への挿入物に関連するプローブを示す第1プローブ類と、該第1プローブ類以外のプローブを示す第2プローブ類とに少なくとも種別して記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第1プローブ類は、さらに体腔内プローブ類と、穿刺プローブ類とに種別されて前記記憶部に記憶される
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記インターフェースには、操作者を介し、前記緊急情報として、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報または被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報が入力される
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記インターフェースには、被検体の生体情報を計測する生体情報測定器具を介し、前記緊急情報として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報が入力される
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記インターフェースには、ネットワークを介し、前記緊急情報として、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報が入力される
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記記憶部は、緊急情報の種類として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報と、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報とを、少なくとも記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記所在地緊急情報は、さらに前記所在地における災害情報と設備不良情報とに種別されて前記記憶部に記憶される
ことを特徴とする請求項5,7または8に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記プローブが接続される接続部を備え、
前記制御部は、
前記緊急情報の入力を受けたことに対応して、前記接続部に前記第1プローブ類に属するプローブが接続されているかを判断し、
該第1プローブ類に属するプローブが接続されていると判断した場合に、該プローブの種類と該受信した緊急情報の種類との組み合わせに対応する前記対処法情報を前記記憶部から取得して、前記対処手順を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記プローブが接続される接続部を備え、
前記制御部は、
前記緊急情報の入力を受けたことに対応して、前記接続部に前記第1プローブ類に属するプローブが接続されているかを判断し、
該プローブが接続されていると判断した場合に、該プローブの駆動の有無または該プローブが受けた受信信号に基づいて該プローブが使用されているか判断し、
該プローブが使用されていると判断した場合に、該プローブの種類と該入力された緊急情報の種類との組み合わせに応じた、前記対処法情報を前記記憶部から取得し、前記対処手順を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記プローブが接続される接続部を備え、
前記制御部は、
前記緊急情報の入力を受けたことに対応して、前記接続部に前記体腔内プローブ類または前記穿刺プローブ類に属するプローブが接続されているかを判断し、
該プローブが接続されていると判断した場合、該プローブが受けた受信信号に基づいて体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されているか判断し、
該体腔内プローブまたは穿刺針が挿入されていると判断した場合に、該プローブと該受信した緊急情報との組み合わせに応じた、前記対処法情報を前記記憶部から取得し、前記対処手順を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記対処手順が表示された後、操作者により前記体腔内プローブまたは穿刺針が体腔外へ取り出されたことを示す入力操作を受けたときに、前記制御部は、該プローブによる超音波パルスの送信を停止させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記対処手順を表示させた後、前記プローブが受けた受信信号に基づいて前記体腔内プローブまたは穿刺針が体腔外へ取り出されたか判断し、
体腔外へ取り出されたと判断した場合、該プローブによる超音波パルスの送信を停止させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記記憶部は、前記緊急情報の種類として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報と、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報とを、少なくとも記憶し、かつ該所在地からの避難経路を示す避難経路情報を記憶し、
前記対処手順が表示された後、前記体腔内プローブまたは穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたことを示す入力操作を受けたときに、前記制御部は、前記入力された前記緊急情報が、前記所在地緊急情報である場合、前記記憶部から前記避難経路情報を取得し、
さらに前記取得した避難経路情報に基づいて、前記表示部に前記避難経路を表示させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
前記記憶部は、前記緊急情報の種類として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報と、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報とを、少なくとも記憶し、かつ該所在地からの避難経路を示す避難経路情報を記憶し、
前記制御部は、前記対処手順を表示させた後、前記プローブが受けた受信信号に基づいて、前記体腔内プローブまたは穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたか判断し、
取り出されたと判断した場合、さらに前記入力された前記緊急情報が前記所在地緊急情報であれば、前記記憶部から前記避難経路情報を取得し、
さらに前記取得した避難経路情報に基づいて、前記表示部に前記避難経路を表示させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項17】
前記インターフェースは、前記所在地を示す現在地情報を受け、
前記記憶部は、位置情報と該位置情報の周辺情報と、前記避難経路情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記プローブまたは前記穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたことに応じて、前記現在地情報に基づき前記位置情報を特定し、前記避難経路情報を取得する
ことを特徴とする請求項15または16に記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記記憶部は、前記緊急情報の種類として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報と、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報とを、少なくとも記憶し、かつ該所在地から他の場所までの被検体の搬送経路を示す搬送経路情報を記憶し、
前記対処手順が表示された後、前記プローブまたは穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたことを示す入力操作を受けたときに、前記制御部は、前記入力された前記緊急情報が、前記被検体緊急情報である場合、前記記憶部から前記搬送経路情報を取得し、
さらに前記取得した前記搬送経路情報に基づいて、前記表示部に搬送経路を表示させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項19】
前記記憶部は、前記緊急情報の種類として、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報と、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報とを、少なくとも記憶し、かつ該所在地から他の場所までの被検体の搬送経路を示す搬送経路情報を記憶し、
前記制御部は、前記対処手順を表示させた後、前記プローブが受けた受信信号に基づいて前記体腔内プローブまたは穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたか判断し、
取り出されたと判断した場合、さらに前記入力された前記緊急情報が、前記被検体緊急情報であれば、前記記憶部から前記搬送経路情報を取得し、
さらに前記取得した前記搬送経路情報に基づいて、前記表示部に搬送経路を表示させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項20】
前記インターフェースは、前記所在地を示す現在地情報を受け、
前記記憶部は、位置情報と該位置情報の周辺情報と、前記搬送経路情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記プローブまたは前記穿刺針が被検体の体腔外へ取り出されたことに応じて、前記現在地情報に基づき前記位置情報を特定し、前記搬送経路情報を取得する
ことを特徴とする請求項18または19に記載の超音波診断装置。
【請求項21】
前記プローブが接続される接続部を備え、
前記制御部は、前記緊急情報の入力を受けたこと対応して、前記接続部に接続されているプローブそれぞれの種類を判断し、
該第2プローブ類に属するプローブについては、少なくとも超音波パルスの送信を停止させ、
該第1プローブ類に属するプローブについては、超音波パルスの送信を継続させる
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項22】
被検体を撮像して医用画像を生成する医用画像診断装置であって、
操作者の操作もしくは被検体の生体情報を計測する生体情報測定器具を介し、被検体の容態の緊急的な変化を示す被検体緊急情報が入力されるかまたは、操作者の操作もしくはネットワークを介し、装置の所在地の緊急的な状況変化を示す所在地緊急情報が入力されるインターフェースと、
前記被検体緊急情報にかかる緊急事態に対応した第1の手順を示す第1の対処法情報、および前記所在地緊急情報にかかる前記緊急事態に対応した第2の手順を示す第2の対処法情報を記憶する記憶部と、
表示部と、
前記インターフェースに前記被検体緊急情報が入力されると、前記記憶部から前記第1の対処法情報を取得して前記第1の手順を前記表示部に表示させ、
前記インターフェースに前記所在地緊急情報が入力されると、前記記憶部から前記第2の対処法情報を取得して前記第2の手順を前記表示部に表示させる制御部と、を備える
ことを特徴とする医用画像診断装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−13493(P2013−13493A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147335(P2011−147335)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】