超音波診断装置および超音波画像生成方法
【課題】日光等の外光が表示部に入射する使用環境においても正確な診断を行うことができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】診断装置本体の筐体4にヒンジ部5を介して表示部8が回動可能に取りつけられると共に表示部8にヒンジ部10を介して日除け部材9が回動可能に取りつけられ、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が第1の角度センサにより検出されると共に表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が第2の角度センサにより検出されると、診断装置本体の輝度調整部により、これらの回動角度θ1およびθ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度が算出され、算出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度に応じて表示部8における輝度が調整される。
【解決手段】診断装置本体の筐体4にヒンジ部5を介して表示部8が回動可能に取りつけられると共に表示部8にヒンジ部10を介して日除け部材9が回動可能に取りつけられ、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が第1の角度センサにより検出されると共に表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が第2の角度センサにより検出されると、診断装置本体の輝度調整部により、これらの回動角度θ1およびθ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度が算出され、算出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度に応じて表示部8における輝度が調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波診断装置および超音波画像生成方法に係り、特に、超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて超音波画像を生成し、表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波プローブのアレイトランスデューサから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーをアレイトランスデューサで受信して、その受信信号を診断装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年、ベッドサイドや救急医療現場等に搬送して使用することができるポータブル型の超音波診断装置が開発されている。例えば、特許文献1には、表示部が形成された診断装置本体と操作パネルとをそれぞれ連結部材に回動可能に取りつけ、診断装置本体と操作パネルとを互いに開いた状態で診断が行われ、診断装置本体と操作パネルとを互いに閉じ合わせることでコンパクトな格納状態とされる超音波診断装置が開示されている。
このような超音波診断装置によれば、被検体を診断室等へ搬送することなく、屋内、屋外を問わずに超音波診断装置を被検体の近傍に容易に搬送して診断を実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−253596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポータブル型の超音波診断装置を、例えば屋外に搬送して診断を行う際には、日光等の外光が表示部に入射することで表示部に表示された超音波画像が見にくくなるおそれがある。このような場合には、正確な診断を行うことが困難になってしまう。
そこで、表示部に日除け部材を取りつけて外光の入射を遮ることが考えられるが、単に日除け部材を取りつけるだけでは、表示部における超音波画像の見え方が日除け部材の大きさ等に左右されてしまい、正確な診断を行うための外光対策として十分なものではない。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、日光等の外光が表示部に入射する使用環境においても正確な診断を行うことができる超音波診断装置および超音波画像生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る超音波診断装置は、操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、操作部が配置された診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置であって、診断装置本体は、表示部に対して回動可能に取りつけられた日除け部材と、筐体に対する日除け部材の位置を検出する日除け部材位置センサと、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて表示部における輝度を調整する輝度調整部とを有するものである。
【0008】
日除け部材位置センサは、筐体に対する表示部の回動角度を検出する第1の角度センサと、表示部に対する日除け部材の回動角度を検出する第2の角度センサとを含み、輝度調整部は、第1の角度センサおよび第2の角度センサの検出値に基づいて筐体に対する日除け部材の回動角度を算出すると共に算出された日除け部材の回動角度を日除け部材の位置として表示部における輝度を調整することができる。
あるいは、日除け部材位置センサは、筐体に対する日除け部材の回動角度を算出する角度センサを含み、輝度調整部が、この角度センサの検出値に基づいて表示部における輝度を調整するように構成してもよい。
【0009】
輝度調整部は、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように表示部における輝度を調整することが好ましい。
この場合、輝度調整部は、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布を有し、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて複数の輝度分布から1つの輝度分布を選択して表示部における輝度調整を行うことができる。
さらに、予め設定された複数の輝度分布を、操作部からの操作により補正可能とすることが好ましい。
また、操作部は、照明式の操作ボタンまたはタッチパネルを有し、輝度調整部は、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて操作ボタンまたはタッチパネルにおける輝度を調整するように構成することもできる。
【0010】
この発明に係る超音波画像生成方法は、操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、操作部が配置された診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波画像生成方法であって、表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、筐体に対する日除け部材の位置を検出し、検出された日除け部材の位置に応じて表示部における輝度を調整する方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、筐体に対する日除け部材の位置を日除け部材位置センサで検出し、検出された日除け部材の位置に応じて輝度調整部により表示部における輝度を調整するので、日光等の外光が表示部に入射する使用環境においても正確な診断を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る超音波診断装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】診断時における診断装置本体の状態を示す側面図である。
【図4】日除け部材を最大限に引き出した状態を示す側面図である。
【図5】表示部を大きく開いた状態を示す側面図である。
【図6】実施の形態2で用いられた診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2の変形例で使用される減衰補正キーを示す図である。
【図8】実施の形態3で用いられた診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態4における診断装置本体の要部構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4の変形例における診断装置本体の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に通信ケーブル2を介して接続された診断装置本体3とを備えている。なお、通信ケーブル2は、超音波プローブ1に対しては接続固定されているが、診断装置本体3に対しては、図示しないコネクタを介して着脱可能に接続されている。
【0014】
診断装置本体3は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータのような外観形状を有しており、筺体4と、筺体4の一端にヒンジ部5を介して回動可能に取りつけられた蓋体6とを有している。筺体4は、ほぼ平板形状を有し、表面上に操作者が各種の操作を行うための操作部7が形成されている。蓋体6も、ほぼ平板形状を有し、ヒンジ部5による回動に伴って筺体4の操作部7に対向する内側の面上に表示部8が形成されている。なお、ヒンジ部5は、蓋体6を筺体4に対して任意の回動角度で保持し得るような保持力を有しているものとする。
さらに、蓋体6には、蓋体6の背部から表示部8の上に覆い被さるように、日除け部材9がヒンジ部10を介して蓋体6に回動可能に取りつけられている。このヒンジ部10も、日除け部材9を蓋体6に対して任意の回動角度で保持し得るような保持力を有しているものとする。
【0015】
ここで、超音波プローブ1と診断装置本体3の内部構成を図2に示す。
超音波プローブ1は、アレイトランスデューサ11を有し、このアレイトランスデューサ11に送信回路12と受信回路13が接続され、送信回路12および受信回路13にプローブ制御部14が接続されている。
【0016】
診断装置本体3は、通信ケーブル2を介して超音波プローブ1の受信回路13に接続された信号処理部21を有し、この信号処理部21にDSC(Digital Scan Converter)22、画像処理部23、表示制御部24および表示部8が順次接続されている。画像処理部23には、画像メモリ25が接続され、信号処理部21、DSC22、画像処理部23および画像メモリ25により画像生成部26が形成されている。表示制御部24には、輝度調整部27が接続され、この輝度調整部27に第1の角度センサ28および第2の角度センサ29がそれぞれ接続されている。
さらに、信号処理部21、DSC22、表示制御部24および輝度調整部27に本体制御部30が接続されており、本体制御部30に操作部7および格納部31がそれぞれ接続されている。
また、超音波プローブ1のプローブ制御部14と診断装置本体3の本体制御部30が通信ケーブル2を介して互いに接続されている。
【0017】
超音波プローブ1のアレイトランスデューサ11は、1次元又は2次元のアレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これら複数の超音波トランスデューサは、それぞれ送信回路12から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
【0018】
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
【0019】
送信回路12は、例えば、複数のパルサを含んでおり、プローブ制御部14からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、アレイトランスデューサ11の複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサに供給する。
【0020】
受信回路13は、アレイトランスデューサ11の各超音波トランスデューサから送信される受信信号を増幅してA/D変換した後、プローブ制御部14からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データ(音線信号)が生成される。
プローブ制御部14は、診断装置本体3の本体制御部30から伝送される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
【0021】
診断装置本体3の信号処理部21は、超音波プローブ1の受信回路13で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC22は、信号処理部21で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部23は、DSC22から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部24に出力する、あるいは画像メモリ25に格納する。
【0022】
表示制御部24は、画像処理部23によって画像処理が施されたBモード画像信号に基づいて、表示部8に超音波診断画像を表示させる。
表示部8は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部24の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0023】
第1の角度センサ28は、筐体4と蓋体6との間の回動角度を検出するものであり、第2の角度センサ29は、蓋体6と日除け部材9との間の回動角度を検出するものである。ここで、蓋体6の内側の面上に表示部8が配置されているので、図3に示されるように、第1の角度センサ28は、ヒンジ部5を中心とした筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を検出し、第2の角度センサ29は、ヒンジ部10を中心とした表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2を検出することとなる。
輝度調整部27は、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2に基づき筐体4に対する日除け部材9の回動角度を算出すると共に、算出された日除け部材9の回動角度に応じて表示制御部24を制御することにより表示部8における輝度を調整する。
【0024】
操作部7は、筺体4の表面上に配置され、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部31は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体を用いることができる。
本体制御部30は、操作者により操作部7から入力された各種の指令信号等に基づいて、診断装置本体3内の各部の制御を行う。操作部7からの入力により輝度自動調整モードが設定されると、本体制御部30は、輝度調整部27を作動させて日除け部材9の回動角度に応じた表示部8の輝度調整を実施する。
【0025】
なお、信号処理部21、DSC22、画像処理部23、表示制御部24および輝度調整部27は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
また、診断装置本体3には、図示しないバッテリが内蔵されており、この内蔵バッテリから診断装置本体3内の各部および超音波プローブ1内の各部に電力が供給されるものとする。
【0026】
ここで、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2と表示部8における輝度との関係について説明する。
図3に示される筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を固定したまま、表示部8に対する日除け部材9の回動角度をθ2からθ2a=0°にまで小さくした状態を図4に示す。筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が一定でも、表示部8に対する日除け部材9の回動角度を0°にまで縮小したことで、日除け部材9は最大限に引き出されて表示部8の上に大きく覆い被さることとなり、それだけ表示部8に直接入射していた日光等の外光を遮断することができる。このため、表示部8における輝度が低くても表示部8上の超音波画像は見やすくなる。
【0027】
さらに、図4のように表示部8に対する日除け部材9の回動角度をθ2a=0°としたまま、筐体4に対する表示部8の回動角度をθ1からθ1aまで大きくした状態を図5に示す。この場合には、筐体4に対する表示部8の回動角度を拡大したことで、表示部8に対し日除け部材9が最大限に引き出されていても、表示部8に直接入射していた日光等の外光が増加するので、鮮明な超音波画像を得るためには表示部8における輝度を高くする必要がある。
【0028】
このように、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が小さいほど、また、表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が小さいほど、低い輝度値となるように、逆に、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が大きいほど、また、表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が大きいほど、高い輝度値となるように、表示部8における輝度を調整することが望ましい。
【0029】
実際には、筐体4をほぼ水平面上に載置するものとすると、日除け部材9による日除け効果は、概ね、筐体4に対する日除け部材9の回動角度により決定される。筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3は、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1と表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2の和θ1+θ2によって表される。
そこで、輝度調整部27は、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、この回動角度θ3が小さいほど、低い輝度値となるように、逆に、回動角度θ3が大きいほど、高い輝度値となるように、表示部8における輝度を調整する。
【0030】
例えば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して、しきい値θthを予め設定し、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の双方の検出値から算出された回動角度θ3がしきい値θth以下のときには、所定の低い輝度値B1を選択し、回動角度θ3がしきい値θthより大きいときには、輝度値B1より高い所定の輝度値B2を選択することができる。
【0031】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
まず、診断装置本体3の筐体4に対して蓋体6を閉じた状態、すなわち、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を0とすることにより、蓋体6をコンパクトに折り畳んだ状態で、被検体への超音波診断を必要とする場所まで超音波診断装置を搬送する。
診断装置本体3の筐体4を被検体の近傍に載置し、図示しないコネクタを介して超音波プローブ1を診断装置本体3に接続した後、筐体4から蓋体6を開いて筐体4の操作部7に配置されている電源スイッチを投入する。これにより、診断装置本体3の図示しない内蔵バッテリから診断装置本体3内および超音波プローブ1内の各部に電力が供給され、超音波診断装置が起動される。
【0032】
また、表示部8が操作者から見やすい位置となるように、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が操作者により決定されると共に、日光等の外光の影響に応じて表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が操作者により決定される。
ここで、操作部7からの入力により輝度自動調整モードが設定されると、あるいは、予め輝度自動調整モードが設定されているものとすると、これらの回動角度θ1およびθ2は、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29により検出され、輝度調整部27に出力される。輝度調整部27は、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29から伝送された回動角度θ1およびθ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、この回動角度θ3に応じた輝度値となるように、表示制御部24を介して表示部8における輝度の調整を行う。
【0033】
そして、超音波プローブ1の送信回路12からの駆動信号に従って、アレイトランスデューサ11の複数の超音波トランスデューサから順次超音波ビームが送信され、各超音波トランスデューサで受信された受信信号が順次受信回路13に出力されて受信データが生成される。これらの受信データに基づいて診断装置本体3の画像生成部26で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部24により超音波画像が表示部8に表示される。
【0034】
このとき、輝度調整部27により筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に応じて表示部8における輝度の調整が既に行われているので、日光等の外光の影響を受けていても、表示部8上に鮮明な超音波画像が形成され、操作者は超音波画像に基づいて正確な診断を行うことができる。
また、診断装置本体3に輝度自動調整モードが設定されていないときには、輝度調整部27による表示部8の輝度調整は行われず、日除け部材9の回動角度に関わらずに表示部8は所定の輝度で画像の表示を行う。
【0035】
なお、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して互いに異なる複数のしきい値を設定することにより、さらに細かく表示部8の輝度の調整を行うことができる。
例えば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して、第1のしきい値θth1と、第1のしきい値θth1より大きい第2のしきい値θth2を予め設定し、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の双方の検出値から算出された回動角度θ3が第1のしきい値θth1以下のときには、所定の低い輝度値B11を選択し、回動角度θ3が第1のしきい値θth1より大きく且つ第2のしきい値θth2以下のときには、輝度値B11より高い所定の輝度値B12を選択し、回動角度θ3が第2のしきい値θth2より大きいときには、輝度値B12より高い所定の輝度値B13を選択することができる。
同様にして、3つ以上のしきい値を設定することもできる。
【0036】
なお、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、算出された回動角度θ3を筐体4に対する日除け部材9の位置として、表示部8における輝度調整を行ったが、これに限るものではない。例えば、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1と第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2との双方に対応する輝度値をテーブル等の形式で予め設定しておき、この輝度値を参照して表示部8の輝度調整を行うこともできる。
【0037】
実施の形態2
図6に実施の形態2に係る超音波診断装置で用いられた診断装置本体3aの構成を示す。この診断装置本体3aは、図2に示した実施の形態1における診断装置本体3において、輝度調整部27に接続された輝度分布メモリ32をさらに有するものであり、その他の構成は実施の形態1における診断装置本体3と同様である。
【0038】
一般に、測定深度が深くなると、超音波の減衰が大きくなるので、深い測定領域ほど得られる受信信号の振幅は小さくなる。また、通常、表示部8においては、浅い測定領域が上方に、深い測定領域が下方に位置するように超音波画像が表示される。このため、表示部8に表示される超音波画像は、浅い測定領域に対応する上部よりも深い測定領域に対応する下部の方が暗くなる。そこで、上方から下方に向かうほど輝度値が高くなるような輝度分布を表示部8に設定することが好ましい。
【0039】
そこで、輝度分布メモリ32には、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布が格納されている。これらの輝度分布は、それぞれ測定深度に応じて輝度値が変化し、深い測定領域に対応する下方に向かうほど輝度値が高くなるような分布を有するもので、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に基づいて1つの輝度分布が選択されて表示部8に設定される。
すなわち、輝度調整部27において、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29で検出された回動角度θ1およびθ2から筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3が算出され、この回動角度θ3に基づいて、輝度分布メモリ32に格納されている複数の輝度分布のうちの1つが選択され、選択された輝度分布が表示制御部24を介して表示部8に設定される。
このため、深い測定領域においても浅い測定領域と同様に明度の高い超音波画像を表示することができ、測定領域の全体が見やすくなって、さらに正確な診断を行うことが可能となる。
【0040】
なお、既存の超音波診断装置には、図7に示されるように、測定深度に応じた超音波画像のゲイン調整を行なうための減衰補正キー33が操作部に配設されたものがある。この減衰補正キー33は、複数の測定深度に対応した複数のスライドバーを有しており、それぞれのスライドバーを操作することで、測定深度毎にゲイン調整を行なうことができる。
【0041】
そこで、この実施の形態2における診断装置本体3aの操作部7に図7のような減衰補正キー33を配設すれば、減衰補正キー33を利用して、輝度分布メモリ32に予め格納されている複数の輝度分布を適宜補正することが可能となる。
操作部7の減衰補正キー33からの入力が、本体制御部30を介して輝度調整部27に伝送され、輝度調整部27により輝度分布メモリ32内の輝度分布が書き替えられる。
このようにすれば、日除け部材9の回動角度θ3に応じて、超音波診断装置の使用環境、超音波診断装置を扱う操作者等に適した輝度分布を表示部8に設定することができる。
【0042】
実施の形態3
図8に実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた診断装置本体3bの構成を示す。この診断装置本体3bは、図2に示した実施の形態1における診断装置本体3において、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の代わりにジャイロセンサ34を輝度調整部27に接続したものであり、その他の構成は実施の形態1における診断装置本体3と同様である。
【0043】
ジャイロセンサ34は、基準面、例えば水平面に対する傾斜角度を検出する角度センサとして、日除け部材9に固定されて使用される。筐体4をほぼ水平面上に載置すれば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度を、1つのジャイロセンサ34で検出することができる。
輝度調整部27は、ジャイロセンサ34で検出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度に応じた輝度値となるように、表示制御部24を介して表示部8における輝度の調整を行う。
【0044】
このようにすれば、1つのジャイロセンサ34で筐体4に対する日除け部材9の回動角度を直接検出することができるので、超音波診断装置の構成が簡単になると共に、輝度調整部27が第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から筐体4に対する日除け部材9の回動角度を算出する必要がなくなり、迅速且つ正確に表示部8の輝度調整を行うことが可能となる。
なお、この実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様に、輝度調整部27に輝度分布メモリ32を接続することにより、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように表示部8における輝度を調整することもできる。
【0045】
実施の形態4
上述した実施の形態1において、操作部7の代わりに、図9に示されるように、複数の照明式操作ボタン36が配置された操作部35を用いることができる。これらの照明式操作ボタン36は、それぞれLED等の発光素子が内蔵されて超音波診断装置の使用時に発光するものであり、これにより、操作者による操作がしやすくなる。
ただし、操作部35に日光等の強い外光が入射する環境にあっては、照明式操作ボタン36が発光していても、発光しているのか否かが視認しにくくなる。
【0046】
そこで、この実施の形態4においては、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値に基づいて、輝度調整部27が表示部8における輝度を調整する際に、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度調整も併せて実行する。
すなわち、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から算出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に応じて、輝度調整部27が表示部8における輝度値を高めるときには、同時に、輝度調整部27により、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度値も高められる。逆に、輝度調整部27が表示部8における輝度値を低下させるときには、同時に、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度値も低下される。
【0047】
このようにすることで、操作部35に日光等の外光が入射しても、照明式操作ボタン36の発光が見やすくなり、操作者による操作性が向上する。
同様にして、上述した実施の形態2および3においても、照明式操作ボタン36が配置された操作部35を用い、表示部8における輝度調整と同時に操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度調整を行うことができる。
【0048】
また、図10に示されるように、実施の形態1〜3における操作部7の少なくとも一部が、表示部8に組み込まれたタッチパネル37を有していてもよい。この場合にも、表示部8における輝度調整を行う際に、輝度調整部27がタッチパネル37における輝度を調整することができる。これにより、日光等の外光の影響を受けても、タッチパネル37が見やすくなり、操作性が向上する。
【0049】
なお、上記の実施の形態1〜4においては、超音波プローブ1と診断装置本体3,3a,3bとの間を通信ケーブル2で接続したが、無線通信により接続することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 超音波プローブ、2 通信ケーブル、3,3a,3b 診断装置本体、4 筺体、5,10 ヒンジ、6 蓋体、7,35 操作部、8 表示部、9 日除け部材、11 アレイトランスデューサ、12 送信回路、13 受信回路、14 プローブ制御部、21 信号処理部、22 DSC、23 画像処理部、24 表示制御部、25 画像メモリ、26 画像生成部、27 輝度調整部、28 第1の角度センサ、29 第2の角度センサ、30 本体制御部、31 格納部、32 輝度分布メモリ、33 減衰補正キー、34 ジャイロセンサ、36 照明式操作ボタン、37 タッチパネル、θ1,θ1a 筐体に対する表示部の回動角度、θ2,θ2a 表示部に対する日除け部材の回動角度。
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波診断装置および超音波画像生成方法に係り、特に、超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて超音波画像を生成し、表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波プローブのアレイトランスデューサから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーをアレイトランスデューサで受信して、その受信信号を診断装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年、ベッドサイドや救急医療現場等に搬送して使用することができるポータブル型の超音波診断装置が開発されている。例えば、特許文献1には、表示部が形成された診断装置本体と操作パネルとをそれぞれ連結部材に回動可能に取りつけ、診断装置本体と操作パネルとを互いに開いた状態で診断が行われ、診断装置本体と操作パネルとを互いに閉じ合わせることでコンパクトな格納状態とされる超音波診断装置が開示されている。
このような超音波診断装置によれば、被検体を診断室等へ搬送することなく、屋内、屋外を問わずに超音波診断装置を被検体の近傍に容易に搬送して診断を実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−253596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポータブル型の超音波診断装置を、例えば屋外に搬送して診断を行う際には、日光等の外光が表示部に入射することで表示部に表示された超音波画像が見にくくなるおそれがある。このような場合には、正確な診断を行うことが困難になってしまう。
そこで、表示部に日除け部材を取りつけて外光の入射を遮ることが考えられるが、単に日除け部材を取りつけるだけでは、表示部における超音波画像の見え方が日除け部材の大きさ等に左右されてしまい、正確な診断を行うための外光対策として十分なものではない。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、日光等の外光が表示部に入射する使用環境においても正確な診断を行うことができる超音波診断装置および超音波画像生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る超音波診断装置は、操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、操作部が配置された診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置であって、診断装置本体は、表示部に対して回動可能に取りつけられた日除け部材と、筐体に対する日除け部材の位置を検出する日除け部材位置センサと、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて表示部における輝度を調整する輝度調整部とを有するものである。
【0008】
日除け部材位置センサは、筐体に対する表示部の回動角度を検出する第1の角度センサと、表示部に対する日除け部材の回動角度を検出する第2の角度センサとを含み、輝度調整部は、第1の角度センサおよび第2の角度センサの検出値に基づいて筐体に対する日除け部材の回動角度を算出すると共に算出された日除け部材の回動角度を日除け部材の位置として表示部における輝度を調整することができる。
あるいは、日除け部材位置センサは、筐体に対する日除け部材の回動角度を算出する角度センサを含み、輝度調整部が、この角度センサの検出値に基づいて表示部における輝度を調整するように構成してもよい。
【0009】
輝度調整部は、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように表示部における輝度を調整することが好ましい。
この場合、輝度調整部は、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布を有し、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて複数の輝度分布から1つの輝度分布を選択して表示部における輝度調整を行うことができる。
さらに、予め設定された複数の輝度分布を、操作部からの操作により補正可能とすることが好ましい。
また、操作部は、照明式の操作ボタンまたはタッチパネルを有し、輝度調整部は、日除け部材位置センサにより検出された日除け部材の位置に応じて操作ボタンまたはタッチパネルにおける輝度を調整するように構成することもできる。
【0010】
この発明に係る超音波画像生成方法は、操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、操作部が配置された診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波画像生成方法であって、表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、筐体に対する日除け部材の位置を検出し、検出された日除け部材の位置に応じて表示部における輝度を調整する方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、筐体に対する日除け部材の位置を日除け部材位置センサで検出し、検出された日除け部材の位置に応じて輝度調整部により表示部における輝度を調整するので、日光等の外光が表示部に入射する使用環境においても正確な診断を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る超音波診断装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】診断時における診断装置本体の状態を示す側面図である。
【図4】日除け部材を最大限に引き出した状態を示す側面図である。
【図5】表示部を大きく開いた状態を示す側面図である。
【図6】実施の形態2で用いられた診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2の変形例で使用される減衰補正キーを示す図である。
【図8】実施の形態3で用いられた診断装置本体の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態4における診断装置本体の要部構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4の変形例における診断装置本体の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に通信ケーブル2を介して接続された診断装置本体3とを備えている。なお、通信ケーブル2は、超音波プローブ1に対しては接続固定されているが、診断装置本体3に対しては、図示しないコネクタを介して着脱可能に接続されている。
【0014】
診断装置本体3は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータのような外観形状を有しており、筺体4と、筺体4の一端にヒンジ部5を介して回動可能に取りつけられた蓋体6とを有している。筺体4は、ほぼ平板形状を有し、表面上に操作者が各種の操作を行うための操作部7が形成されている。蓋体6も、ほぼ平板形状を有し、ヒンジ部5による回動に伴って筺体4の操作部7に対向する内側の面上に表示部8が形成されている。なお、ヒンジ部5は、蓋体6を筺体4に対して任意の回動角度で保持し得るような保持力を有しているものとする。
さらに、蓋体6には、蓋体6の背部から表示部8の上に覆い被さるように、日除け部材9がヒンジ部10を介して蓋体6に回動可能に取りつけられている。このヒンジ部10も、日除け部材9を蓋体6に対して任意の回動角度で保持し得るような保持力を有しているものとする。
【0015】
ここで、超音波プローブ1と診断装置本体3の内部構成を図2に示す。
超音波プローブ1は、アレイトランスデューサ11を有し、このアレイトランスデューサ11に送信回路12と受信回路13が接続され、送信回路12および受信回路13にプローブ制御部14が接続されている。
【0016】
診断装置本体3は、通信ケーブル2を介して超音波プローブ1の受信回路13に接続された信号処理部21を有し、この信号処理部21にDSC(Digital Scan Converter)22、画像処理部23、表示制御部24および表示部8が順次接続されている。画像処理部23には、画像メモリ25が接続され、信号処理部21、DSC22、画像処理部23および画像メモリ25により画像生成部26が形成されている。表示制御部24には、輝度調整部27が接続され、この輝度調整部27に第1の角度センサ28および第2の角度センサ29がそれぞれ接続されている。
さらに、信号処理部21、DSC22、表示制御部24および輝度調整部27に本体制御部30が接続されており、本体制御部30に操作部7および格納部31がそれぞれ接続されている。
また、超音波プローブ1のプローブ制御部14と診断装置本体3の本体制御部30が通信ケーブル2を介して互いに接続されている。
【0017】
超音波プローブ1のアレイトランスデューサ11は、1次元又は2次元のアレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これら複数の超音波トランスデューサは、それぞれ送信回路12から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
【0018】
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
【0019】
送信回路12は、例えば、複数のパルサを含んでおり、プローブ制御部14からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、アレイトランスデューサ11の複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサに供給する。
【0020】
受信回路13は、アレイトランスデューサ11の各超音波トランスデューサから送信される受信信号を増幅してA/D変換した後、プローブ制御部14からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信データ(音線信号)が生成される。
プローブ制御部14は、診断装置本体3の本体制御部30から伝送される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
【0021】
診断装置本体3の信号処理部21は、超音波プローブ1の受信回路13で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC22は、信号処理部21で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部23は、DSC22から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部24に出力する、あるいは画像メモリ25に格納する。
【0022】
表示制御部24は、画像処理部23によって画像処理が施されたBモード画像信号に基づいて、表示部8に超音波診断画像を表示させる。
表示部8は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部24の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0023】
第1の角度センサ28は、筐体4と蓋体6との間の回動角度を検出するものであり、第2の角度センサ29は、蓋体6と日除け部材9との間の回動角度を検出するものである。ここで、蓋体6の内側の面上に表示部8が配置されているので、図3に示されるように、第1の角度センサ28は、ヒンジ部5を中心とした筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を検出し、第2の角度センサ29は、ヒンジ部10を中心とした表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2を検出することとなる。
輝度調整部27は、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2に基づき筐体4に対する日除け部材9の回動角度を算出すると共に、算出された日除け部材9の回動角度に応じて表示制御部24を制御することにより表示部8における輝度を調整する。
【0024】
操作部7は、筺体4の表面上に配置され、操作者が入力操作を行うための各種の操作ボタンを有している。
格納部31は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体を用いることができる。
本体制御部30は、操作者により操作部7から入力された各種の指令信号等に基づいて、診断装置本体3内の各部の制御を行う。操作部7からの入力により輝度自動調整モードが設定されると、本体制御部30は、輝度調整部27を作動させて日除け部材9の回動角度に応じた表示部8の輝度調整を実施する。
【0025】
なお、信号処理部21、DSC22、画像処理部23、表示制御部24および輝度調整部27は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
また、診断装置本体3には、図示しないバッテリが内蔵されており、この内蔵バッテリから診断装置本体3内の各部および超音波プローブ1内の各部に電力が供給されるものとする。
【0026】
ここで、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2と表示部8における輝度との関係について説明する。
図3に示される筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を固定したまま、表示部8に対する日除け部材9の回動角度をθ2からθ2a=0°にまで小さくした状態を図4に示す。筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が一定でも、表示部8に対する日除け部材9の回動角度を0°にまで縮小したことで、日除け部材9は最大限に引き出されて表示部8の上に大きく覆い被さることとなり、それだけ表示部8に直接入射していた日光等の外光を遮断することができる。このため、表示部8における輝度が低くても表示部8上の超音波画像は見やすくなる。
【0027】
さらに、図4のように表示部8に対する日除け部材9の回動角度をθ2a=0°としたまま、筐体4に対する表示部8の回動角度をθ1からθ1aまで大きくした状態を図5に示す。この場合には、筐体4に対する表示部8の回動角度を拡大したことで、表示部8に対し日除け部材9が最大限に引き出されていても、表示部8に直接入射していた日光等の外光が増加するので、鮮明な超音波画像を得るためには表示部8における輝度を高くする必要がある。
【0028】
このように、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が小さいほど、また、表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が小さいほど、低い輝度値となるように、逆に、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が大きいほど、また、表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が大きいほど、高い輝度値となるように、表示部8における輝度を調整することが望ましい。
【0029】
実際には、筐体4をほぼ水平面上に載置するものとすると、日除け部材9による日除け効果は、概ね、筐体4に対する日除け部材9の回動角度により決定される。筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3は、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1と表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2の和θ1+θ2によって表される。
そこで、輝度調整部27は、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1および第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、この回動角度θ3が小さいほど、低い輝度値となるように、逆に、回動角度θ3が大きいほど、高い輝度値となるように、表示部8における輝度を調整する。
【0030】
例えば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して、しきい値θthを予め設定し、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の双方の検出値から算出された回動角度θ3がしきい値θth以下のときには、所定の低い輝度値B1を選択し、回動角度θ3がしきい値θthより大きいときには、輝度値B1より高い所定の輝度値B2を選択することができる。
【0031】
次に、実施の形態1の動作を説明する。
まず、診断装置本体3の筐体4に対して蓋体6を閉じた状態、すなわち、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1を0とすることにより、蓋体6をコンパクトに折り畳んだ状態で、被検体への超音波診断を必要とする場所まで超音波診断装置を搬送する。
診断装置本体3の筐体4を被検体の近傍に載置し、図示しないコネクタを介して超音波プローブ1を診断装置本体3に接続した後、筐体4から蓋体6を開いて筐体4の操作部7に配置されている電源スイッチを投入する。これにより、診断装置本体3の図示しない内蔵バッテリから診断装置本体3内および超音波プローブ1内の各部に電力が供給され、超音波診断装置が起動される。
【0032】
また、表示部8が操作者から見やすい位置となるように、筐体4に対する表示部8の回動角度θ1が操作者により決定されると共に、日光等の外光の影響に応じて表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2が操作者により決定される。
ここで、操作部7からの入力により輝度自動調整モードが設定されると、あるいは、予め輝度自動調整モードが設定されているものとすると、これらの回動角度θ1およびθ2は、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29により検出され、輝度調整部27に出力される。輝度調整部27は、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29から伝送された回動角度θ1およびθ2に基づいて筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、この回動角度θ3に応じた輝度値となるように、表示制御部24を介して表示部8における輝度の調整を行う。
【0033】
そして、超音波プローブ1の送信回路12からの駆動信号に従って、アレイトランスデューサ11の複数の超音波トランスデューサから順次超音波ビームが送信され、各超音波トランスデューサで受信された受信信号が順次受信回路13に出力されて受信データが生成される。これらの受信データに基づいて診断装置本体3の画像生成部26で画像信号が生成され、さらに、画像信号に基づいて表示制御部24により超音波画像が表示部8に表示される。
【0034】
このとき、輝度調整部27により筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に応じて表示部8における輝度の調整が既に行われているので、日光等の外光の影響を受けていても、表示部8上に鮮明な超音波画像が形成され、操作者は超音波画像に基づいて正確な診断を行うことができる。
また、診断装置本体3に輝度自動調整モードが設定されていないときには、輝度調整部27による表示部8の輝度調整は行われず、日除け部材9の回動角度に関わらずに表示部8は所定の輝度で画像の表示を行う。
【0035】
なお、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して互いに異なる複数のしきい値を設定することにより、さらに細かく表示部8の輝度の調整を行うことができる。
例えば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に関して、第1のしきい値θth1と、第1のしきい値θth1より大きい第2のしきい値θth2を予め設定し、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の双方の検出値から算出された回動角度θ3が第1のしきい値θth1以下のときには、所定の低い輝度値B11を選択し、回動角度θ3が第1のしきい値θth1より大きく且つ第2のしきい値θth2以下のときには、輝度値B11より高い所定の輝度値B12を選択し、回動角度θ3が第2のしきい値θth2より大きいときには、輝度値B12より高い所定の輝度値B13を選択することができる。
同様にして、3つ以上のしきい値を設定することもできる。
【0036】
なお、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3を算出し、算出された回動角度θ3を筐体4に対する日除け部材9の位置として、表示部8における輝度調整を行ったが、これに限るものではない。例えば、第1の角度センサ28で検出された筐体4に対する表示部8の回動角度θ1と第2の角度センサ29で検出された表示部8に対する日除け部材9の回動角度θ2との双方に対応する輝度値をテーブル等の形式で予め設定しておき、この輝度値を参照して表示部8の輝度調整を行うこともできる。
【0037】
実施の形態2
図6に実施の形態2に係る超音波診断装置で用いられた診断装置本体3aの構成を示す。この診断装置本体3aは、図2に示した実施の形態1における診断装置本体3において、輝度調整部27に接続された輝度分布メモリ32をさらに有するものであり、その他の構成は実施の形態1における診断装置本体3と同様である。
【0038】
一般に、測定深度が深くなると、超音波の減衰が大きくなるので、深い測定領域ほど得られる受信信号の振幅は小さくなる。また、通常、表示部8においては、浅い測定領域が上方に、深い測定領域が下方に位置するように超音波画像が表示される。このため、表示部8に表示される超音波画像は、浅い測定領域に対応する上部よりも深い測定領域に対応する下部の方が暗くなる。そこで、上方から下方に向かうほど輝度値が高くなるような輝度分布を表示部8に設定することが好ましい。
【0039】
そこで、輝度分布メモリ32には、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布が格納されている。これらの輝度分布は、それぞれ測定深度に応じて輝度値が変化し、深い測定領域に対応する下方に向かうほど輝度値が高くなるような分布を有するもので、筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に基づいて1つの輝度分布が選択されて表示部8に設定される。
すなわち、輝度調整部27において、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29で検出された回動角度θ1およびθ2から筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3が算出され、この回動角度θ3に基づいて、輝度分布メモリ32に格納されている複数の輝度分布のうちの1つが選択され、選択された輝度分布が表示制御部24を介して表示部8に設定される。
このため、深い測定領域においても浅い測定領域と同様に明度の高い超音波画像を表示することができ、測定領域の全体が見やすくなって、さらに正確な診断を行うことが可能となる。
【0040】
なお、既存の超音波診断装置には、図7に示されるように、測定深度に応じた超音波画像のゲイン調整を行なうための減衰補正キー33が操作部に配設されたものがある。この減衰補正キー33は、複数の測定深度に対応した複数のスライドバーを有しており、それぞれのスライドバーを操作することで、測定深度毎にゲイン調整を行なうことができる。
【0041】
そこで、この実施の形態2における診断装置本体3aの操作部7に図7のような減衰補正キー33を配設すれば、減衰補正キー33を利用して、輝度分布メモリ32に予め格納されている複数の輝度分布を適宜補正することが可能となる。
操作部7の減衰補正キー33からの入力が、本体制御部30を介して輝度調整部27に伝送され、輝度調整部27により輝度分布メモリ32内の輝度分布が書き替えられる。
このようにすれば、日除け部材9の回動角度θ3に応じて、超音波診断装置の使用環境、超音波診断装置を扱う操作者等に適した輝度分布を表示部8に設定することができる。
【0042】
実施の形態3
図8に実施の形態3に係る超音波診断装置で用いられた診断装置本体3bの構成を示す。この診断装置本体3bは、図2に示した実施の形態1における診断装置本体3において、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29の代わりにジャイロセンサ34を輝度調整部27に接続したものであり、その他の構成は実施の形態1における診断装置本体3と同様である。
【0043】
ジャイロセンサ34は、基準面、例えば水平面に対する傾斜角度を検出する角度センサとして、日除け部材9に固定されて使用される。筐体4をほぼ水平面上に載置すれば、筐体4に対する日除け部材9の回動角度を、1つのジャイロセンサ34で検出することができる。
輝度調整部27は、ジャイロセンサ34で検出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度に応じた輝度値となるように、表示制御部24を介して表示部8における輝度の調整を行う。
【0044】
このようにすれば、1つのジャイロセンサ34で筐体4に対する日除け部材9の回動角度を直接検出することができるので、超音波診断装置の構成が簡単になると共に、輝度調整部27が第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から筐体4に対する日除け部材9の回動角度を算出する必要がなくなり、迅速且つ正確に表示部8の輝度調整を行うことが可能となる。
なお、この実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様に、輝度調整部27に輝度分布メモリ32を接続することにより、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように表示部8における輝度を調整することもできる。
【0045】
実施の形態4
上述した実施の形態1において、操作部7の代わりに、図9に示されるように、複数の照明式操作ボタン36が配置された操作部35を用いることができる。これらの照明式操作ボタン36は、それぞれLED等の発光素子が内蔵されて超音波診断装置の使用時に発光するものであり、これにより、操作者による操作がしやすくなる。
ただし、操作部35に日光等の強い外光が入射する環境にあっては、照明式操作ボタン36が発光していても、発光しているのか否かが視認しにくくなる。
【0046】
そこで、この実施の形態4においては、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値に基づいて、輝度調整部27が表示部8における輝度を調整する際に、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度調整も併せて実行する。
すなわち、第1の角度センサ28および第2の角度センサ29による検出値から算出された筐体4に対する日除け部材9の回動角度θ3に応じて、輝度調整部27が表示部8における輝度値を高めるときには、同時に、輝度調整部27により、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度値も高められる。逆に、輝度調整部27が表示部8における輝度値を低下させるときには、同時に、操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度値も低下される。
【0047】
このようにすることで、操作部35に日光等の外光が入射しても、照明式操作ボタン36の発光が見やすくなり、操作者による操作性が向上する。
同様にして、上述した実施の形態2および3においても、照明式操作ボタン36が配置された操作部35を用い、表示部8における輝度調整と同時に操作部35の各照明式操作ボタン36における輝度調整を行うことができる。
【0048】
また、図10に示されるように、実施の形態1〜3における操作部7の少なくとも一部が、表示部8に組み込まれたタッチパネル37を有していてもよい。この場合にも、表示部8における輝度調整を行う際に、輝度調整部27がタッチパネル37における輝度を調整することができる。これにより、日光等の外光の影響を受けても、タッチパネル37が見やすくなり、操作性が向上する。
【0049】
なお、上記の実施の形態1〜4においては、超音波プローブ1と診断装置本体3,3a,3bとの間を通信ケーブル2で接続したが、無線通信により接続することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 超音波プローブ、2 通信ケーブル、3,3a,3b 診断装置本体、4 筺体、5,10 ヒンジ、6 蓋体、7,35 操作部、8 表示部、9 日除け部材、11 アレイトランスデューサ、12 送信回路、13 受信回路、14 プローブ制御部、21 信号処理部、22 DSC、23 画像処理部、24 表示制御部、25 画像メモリ、26 画像生成部、27 輝度調整部、28 第1の角度センサ、29 第2の角度センサ、30 本体制御部、31 格納部、32 輝度分布メモリ、33 減衰補正キー、34 ジャイロセンサ、36 照明式操作ボタン、37 タッチパネル、θ1,θ1a 筐体に対する表示部の回動角度、θ2,θ2a 表示部に対する日除け部材の回動角度。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、前記操作部が配置された前記診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置であって、
前記診断装置本体は、
前記表示部に対して回動可能に取りつけられた日除け部材と、
前記筐体に対する前記日除け部材の位置を検出する日除け部材位置センサと、
前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記表示部における輝度を調整する輝度調整部と
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記日除け部材位置センサは、前記筐体に対する前記表示部の回動角度を検出する第1の角度センサと、前記表示部に対する前記日除け部材の回動角度を検出する第2の角度センサとを含み、
前記輝度調整部は、前記第1の角度センサおよび前記第2の角度センサの検出値に基づいて前記筐体に対する前記日除け部材の回動角度を算出すると共に算出された前記日除け部材の回動角度を前記日除け部材の位置として前記表示部における輝度を調整する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記日除け部材位置センサは、前記筐体に対する前記日除け部材の回動角度を算出する角度センサを含み、
前記輝度調整部は、前記角度センサの検出値に基づいて前記表示部における輝度を調整する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記輝度調整部は、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように前記表示部における輝度を調整する請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記輝度調整部は、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布を有し、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記複数の輝度分布から1つの輝度分布を選択して前記表示部における輝度調整を行う請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
予め設定された前記複数の輝度分布は、前記操作部からの操作により補正可能である請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記操作部は、照明式の操作ボタンを有し、
前記輝度調整部は、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記操作ボタンにおける輝度を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記操作部は、タッチパネルを有し、
前記輝度調整部は、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記タッチパネルにおける輝度を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、前記操作部が配置された前記診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波画像生成方法であって、
表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、
前記筐体に対する前記日除け部材の位置を検出し、
検出された前記日除け部材の位置に応じて前記表示部における輝度を調整する
ことを特徴とする超音波画像生成方法。
【請求項1】
操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、前記操作部が配置された前記診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波診断装置であって、
前記診断装置本体は、
前記表示部に対して回動可能に取りつけられた日除け部材と、
前記筐体に対する前記日除け部材の位置を検出する日除け部材位置センサと、
前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記表示部における輝度を調整する輝度調整部と
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記日除け部材位置センサは、前記筐体に対する前記表示部の回動角度を検出する第1の角度センサと、前記表示部に対する前記日除け部材の回動角度を検出する第2の角度センサとを含み、
前記輝度調整部は、前記第1の角度センサおよび前記第2の角度センサの検出値に基づいて前記筐体に対する前記日除け部材の回動角度を算出すると共に算出された前記日除け部材の回動角度を前記日除け部材の位置として前記表示部における輝度を調整する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記日除け部材位置センサは、前記筐体に対する前記日除け部材の回動角度を算出する角度センサを含み、
前記輝度調整部は、前記角度センサの検出値に基づいて前記表示部における輝度を調整する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記輝度調整部は、測定深度に応じて輝度値が変化する輝度分布を有するように前記表示部における輝度を調整する請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記輝度調整部は、予め設定された複数の互いに異なる輝度分布を有し、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記複数の輝度分布から1つの輝度分布を選択して前記表示部における輝度調整を行う請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
予め設定された前記複数の輝度分布は、前記操作部からの操作により補正可能である請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記操作部は、照明式の操作ボタンを有し、
前記輝度調整部は、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記操作ボタンにおける輝度を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記操作部は、タッチパネルを有し、
前記輝度調整部は、前記日除け部材位置センサにより検出された前記日除け部材の位置に応じて前記タッチパネルにおける輝度を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
操作部からの操作により超音波プローブから超音波の送受信を行うことで得られた受信信号に基づいて診断装置本体で超音波画像を生成し、前記操作部が配置された前記診断装置本体の筐体に対して回動可能に取りつけられた表示部に超音波画像を表示する超音波画像生成方法であって、
表示部に対して回動可能に日除け部材を取りつけ、
前記筐体に対する前記日除け部材の位置を検出し、
検出された前記日除け部材の位置に応じて前記表示部における輝度を調整する
ことを特徴とする超音波画像生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−52187(P2013−52187A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194063(P2011−194063)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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