超音波診断装置
【課題】操作者が無理や体勢を強いられることなく負担を軽減することができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置本体2に対して回動可能な第一表示部7と、第二表示部8と、前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチと、このスイッチにより、前記第一表示部7が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを前記第二表示部8にも表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】超音波診断装置本体2に対して回動可能な第一表示部7と、第二表示部8と、前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチと、このスイッチにより、前記第一表示部7が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを前記第二表示部8にも表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特にディスプレイの向きを変えることができる超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、被検体の体表面に超音波プローブを当接して被検体内に超音波を送信し、得られたエコー信号に基づく超音波画像がディスプレイ(Display)に表示されるようになっている。近年では、例えば特許文献1に記載されているように、ディスプレイとして液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)を用いた超音波診断装置も増えている。
【0003】
また、操作者は、操作パネルに設けられた操作ボタンやポインティングデバイスなどを用いて送信条件や超音波診断装置に対する動作の指示などを入力するようになっている。また、例えば特許文献2に記載されているように、前記操作パネルにはタッチパネル式のディスプレイが設けられている場合もあり、このタッチパネル式のディスプレイに表示された操作用の画像などを用いて入力を行なう場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21088号公報
【特許文献2】特開2008−212549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記超音波診断装置において、前記ディスプレイの向きを変えることができるようになっているものがある。特に、フラットパネルディスプレイについては軽量かつコンパクトであるため、CRT(Cathode Ray Tube)よりも容易に向きを変えることができる。
【0006】
ここで、ディスプレイの向きについて説明すると、操作者は撮影時には操作パネルを操作するため、この操作パネルと正対する位置にいる。この操作パネルは、超音波診断装置における正面側に設けられているため、操作者がディスプレイを見る場合、このディスプレイは、超音波診断装置における正面側を向いている。
【0007】
また、ディスプレイに表示された超音波画像を、例えば被検体などの操作者以外の者に見せながら説明する場合がある。この場合、被検体は超音波診断装置の側面側にいるため、ディスプレイを側面側に回動させる。
【0008】
このように、ディスプレイを側面側に向けてしまうと、操作者からはディスプレイに表示された画像が見えなくなる。従って、操作者は身を乗り出すようにしてディスプレイを覗き込みながら被検体等に説明を行なうことになる。従って、操作者は無理な体勢になり負担が大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するためになされた第1の観点の発明は、超音波診断装置本体に対して回動可能な第一表示部と、第二表示部と、前記第一表示部の回動位置を検出する位置検出部と、該位置検出部により、前記第一表示部が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部に表示された画像を前記第二表示部にも表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記位置検出部は、前記第一表示部の回動に伴ってオンオフすることにより、該前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0011】
第3の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記位置検出部は、前記第一表示部の回動角度を検出する角度センサであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
第4の観点の発明は、第1〜3のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部は、前記超音波診断装置の正面に設けられており、前記所定の回動位置は、前記超音波診断装置の正面から所定の角度以上の位置であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0013】
第5の観点の発明は、第1〜4のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部は、前記超音波診断装置本体の正面に設けられたタッチパネル式のディスプレイであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0014】
第6の観点の発明は、第1〜5のいずれか一の観点の発明において、前記タッチパネル式のディスプレイには、操作用の画像が表示されることを特徴とする超音波診断装置である。
【0015】
第7の観点の発明は、第1〜6のいずれか一の観点の発明において、前記第一表示部及び前記第二表示部に表示された画像における同じ位置に、情報を伝達するために用いられる所定の表示がなされることを特徴とする超音波診断装置である。
【0016】
第8の観点の発明は、第1〜7のいずれか一の観点の発明において、前記表示制御部は、前記第二表示部に前記第一表示部の画像が表示されている場合において、操作パネルにおける入力に基づいて、別の画像への表示切り替えを行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第9の観点の発明は、第1〜8のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部には、前記第一表示部に表示された画像のうち、少なくとも超音波画像が表示されることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0018】
上記観点の発明によれば、前記第一表示部を回動させてその向きを変えても、前記第一表示部が所定の回動位置である場合に、この第一表示部に表示された画像が前記第二表示部にも表示されるので、操作者は前記第二表示部に表示された画像を見ながら説明することができる。従って、操作者は無理な体勢を強いられることはなく、操作者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の実施形態の一例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置の外観構成を示す正面図である。
【図3】図2に示す超音波診断装置の平面図である。
【図4】図2に示す超音波診断装置の左側面図である。
【図5】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大左側面図である。
【図6】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大平面図である。
【図7】スイッチを示す拡大図である。
【図8】図7に示すスイッチのボタンがアームによって押下される状態を示す図である。
【図9】図7に示すスイッチのボタンがアームによって最下位まで押下された状態を示す図である。
【図10】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大平面図である。
【図11】第一表示部が正面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の正面図である。
【図12】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の正面図である。
【図13】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の平面図である。
【図14】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の左側面図である。
【図15】第一変形例におけるスイッチが設けられた部分の拡大平面図であり、(A)は第一表示部が0°の位置にある状態の図、(B)は第一表示部が−45°の位置にある状態の図である。
【図16】第二変形例においてカーソルが表示された超音波診断装置の正面図である。
【図17】第二変形例においてカーソルが表示された超音波診断装置の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波診断装置本体2を有し、この超音波診断装置本体2に超音波プローブ3が接続されるようになっている。また、前記超音波診断装置本体2は、送受信部4、エコー処理部5、表示制御部6、第一表示部7、第二表示部8、操作デバイス9、制御部10及びスイッチ11を備えている。前記第二表示部8及び前記操作デバイス9は、前記超音波診断装置本体2における操作パネル12に設けられている。
【0021】
前記超音波プローブ3は、アレイ状に配置された超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0022】
前記送受信部4は、前記超音波プローブ3を所定のスキャンパラメータで駆動させ、スキャン面を超音波ビームによって音線順次で走査させる。また、前記送受信部4は、前記超音波プローブ3で得られたエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコー処理部5へ出力する。
【0023】
前記エコー処理部5は、前記送受信部4から出力されたエコーデータに対し所定の信号処理を行なう。この信号処理は、例えば対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理である。
【0024】
前記表示制御部6は、DSC(Digital Scan Converter)を含んで構成され、前記エコー処理部5で所定の処理がなされたデータを、前記第一表示部7に表示される超音波画像データに走査変換する。そして、この超音波画像データに基づく超音波画像を前記第一表示部7に表示させる。
【0025】
また、前記表示制御部6は、後述するように第二表示部8にも所定の場合に超音波画像を表示させるようになっている。前記表示制御部6は本発明における表示制御部の実施の形態の一例である。
【0026】
また、前記表示制御部6は、その他にも前記第一表示部7及び前記第二表示部8への画像の表示制御を行なうようになっており、例えば前記第二表示部8に後述する操作用の画像などを表示するようになっている。
【0027】
前記制御部10は、CPU(CentRal Processing Unit)で構成され、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0028】
次に、図2〜図9に基づいて、前記第一表示部7、前記第二表示部8、前記操作デバイス9、前記スイッチ11について説明する。なお、図2〜図4において、前記超音波プローブ2は図示省略されている(図11〜図14においても同様)。
【0029】
前記第一表示部7は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。この第一表示部7は、前記超音波診断装置本体2に設けられた円柱形状の柱部材13に設けられたアーム14によって前記超音波診断装置本体2に取り付けられている。前記アーム14は、前記柱部材13に水平方向に回動可能な状態で設けられており、これにより前記第一表示部7が前記超音波診断装置本体2に対して回動可能になっている。前記第一表示部7は、本発明における第一表示部の実施の形態の一例である。
【0030】
前記第二表示部8は、タッチパネル式のディスプレイである。そして、この第二表示部8に、操作用の画像として例えば後述のボタン表示C(図11参照)などの画像が表示され、これを操作者が押すことによって指示入力が行なわれるようになっている。また、前記第二表示部8には、第一表示部7に表示される画像が所定の場合に表示される。詳細は後述する。前記第二表示部8は、本発明における第二表示部の実施の形態の一例である。
【0031】
前記操作デバイス9は、キーボード、操作ボタン及びポインティングデバイスなどで構成され、操作者がこれらの操作デバイス9を操作することにより入力が行なわれるようになっている。なお、前記操作デバイス9は、図において簡略化されて示されている。
【0032】
前記第二表示部8は、前記操作パネル12の第一パネル部12aに設けられ、また前記操作デバイス9は、前記操作パネル12の第二パネル部12bに設けられている。前記第一パネル部12aは、前記第二パネル部12bに対して傾斜を有するように形成され、前記第二表示部8の視認性が良好になっている。
【0033】
ここで、前記操作パネル12が設けられている側を前記超音波診断装置1の正面と定義する。操作者は、超音波診断装置1の正面に設けられた前記操作パネル12と正対して前記第二表示部8及び前記操作デバイス9の操作を行なうようになっている。
【0034】
前記スイッチ11は、前記柱部材13の側部に一対設けられている。このスイッチ11のオンオフにより、前記第一表示部7の回動位置が検出されるようになっている。前記スイッチ11は、本発明における位置検出部の実施の形態の一例である。
【0035】
詳しく説明すると、前記スイッチ11は、図5〜図7に示すように、回動する前記アーム14によって押下されるボタン11aを有して構成される。ここで、前記第一表示部7が、前記超音波診断装置1における正面にあたる前記操作パネル12側、すなわち前記操作パネル12と正対する位置の操作者の方を向いている状態を0°と定義する(図2〜図4、図6の実線)。この0°の位置から水平方向に前記アーム14を回動させると、図8に示すように前記ボタン11aが前記アーム14によって押下される。そして、前記アーム14を0°の位置から±45°回動させた時(図6の二点鎖線)、図9に示すように、前記ボタン11aは最下位まで押下され、前記スイッチ11はオン状態になる。前記スイッチ11がオン状態になると、その信号が前記制御部10に入力される。そして、前記制御部10は前記スイッチ11からの入力信号があると、前記表示制御部6により、前記第二表示部8の画像を前記第一表示部7の画像に切り替えさせる。
【0036】
ちなみに、前記制御部10は、前記スイッチ11がオフ状態の場合には、前記表示制御部6により、前記第二表示部8に例えば操作用の画像を表示させる。あるいは、前記スイッチ11がオフ状態の場合、何の画像も表示させなくてもよい。
【0037】
前記第一表示部7を、例えば図10に示すように0°の位置から±90°回動させた状態においても、前記スイッチ11はオン状態になっており、さらに特に図示しないが±90°よりも大きい所定の角度まで回動させてもオン状態にある。従って、本例では、前記第一表示部7が、少なくとも±45°よりも大きな角度で、±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合に、前記スイッチ11がオン状態になる。
【0038】
ここで、前記スイッチ11においてオン状態とオフ状態に切り替わる角度は一例である。ただし、操作者が前記第一表示部7の表示を見づらくなる回動位置において、前記スイッチ11のオンオフが切り替わるようになっていることが望ましい。
【0039】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。先ず、前記操作パネル12と正対する操作者が、前記第一表示部7に表示された画像を見る場合、図11に示すように、前記第一表示部7は、0°の位置、すなわち前記操作パネル12と正対する操作者の方を向いた状態にする。この状態では、前記スイッチ11はオフ状態にあり、前記表示制御部6は、超音波画像A及びスキャンパラメータなどの文字や数字等の表示Bなどを有する画像G1を前記第一表示部7に表示させ、また前記第二表示部8に操作用のボタン表示Cからなる画像G2を表示させる。
【0040】
そして、操作者は、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを被検体など操作者以外の者に見せながら説明を行なう場合、被検体が前記超音波診断装置1の側面側にいるため、図12〜図14に示すように、前記第一表示部7を回動させてこれを側面に向ける。ここでは、前記第一表示部7は+90°の位置にある。この状態では、前記スイッチ11はオン状態にあり、前記表示制御部6は、前記第二表示部8には、前記第一表示部7に表示されている画像を表示させる。この時に前記第二表示部8に表示される画像G2′は、本例では前記第一表示部7に表示されている画像G1のうち超音波画像Aである。ただし、前記第一表示部7に表示されている画像の全て(すなわち前記超音波画像A及び文字や数字等の表示B)をそのまま前記第二表示部8に表示させてもよい。
【0041】
被検体などへの説明が終わり、前記第一表示部7を再び正面側に向けると、前記表示制御部6は、前記操作用のボタン表示Cからなる画像G2を前記第二表示部8に表示させる。
【0042】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、操作者が、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを被検体などに対して見せながら説明を行なう場合に、前記第一表示部7を側面に向けた場合、前記第二表示部8に前記超音波画像Aが表示される。従って、操作者から前記第一表示部7の画像G1が見えなくなっても、前記第二表示部8を見ながら説明を行なうことができる。これにより、操作者は無理な体勢を強いられることはなく、操作者の負担を軽減することができる。
【0043】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について図15に基づいて説明する。この第一変形例では、上記実施形態において前記スイッチ11がオン状態になる範囲、すなわち前記第一表示部7が少なくとも±45°よりも大きな角度で±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合に、前記スイッチ11がオフ状態になってもよい。
【0044】
具体的に説明すると、本例では、前記アーム14には、前記柱部材13側の端部に偏心部14aが形成されている。また、前記スイッチ11は前記柱部材13に一つのみ設けられており、このスイッチ11のボタン11aが前記偏心部14aにより押下されてオンオフするようになっている。
【0045】
前記スイッチ11は、前記第一表示部7が、少なくとも±45°よりも大きな角度で±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合にオフ状態になる位置に設けられている。図15(B)では、−45°の位置が図示されている。
【0046】
前記表示制御部6は、前記スイッチ11がオフ状態になると、前記第二表示部8の画像を前記第一表示部7の画像に切り替える。一方で、前記スイッチ11がオン状態の場合には、前記表示制御部6は、前記第二表示部8に操作用の画像を表示させる。あるいは、前記表示制御部6は、前記スイッチ11がオン状態の場合、何の画像も表示させなくてもよい。
【0047】
次に、第二変形例について図16及び図17に基づいて説明する。これら図16及び図17に示すように、この第二変形例では、前記表示制御部6は、前記第一表示部7の画像(ここでは超音波画像A)を前記第二表示部8に表示させている状態において、前記第一表示部7及び前記第二表示部8にカーソルXを表示させてもよい。このカーソルXは本例では矢印であり、この矢印は前記第一表示部7と前記第二表示部8とで大きさは異なるものの同じ形状になっている。前記表示制御部6は、特に図示しないが、前記カーソルXを表示させるカーソル表示制御部を備える。このカーソル表示制御部は、トラックボールなどの前記操作デバイス9における入力に基づいて、前記第一表示部7及び前記第二表示部8に表示された画像(ここでは超音波画像A)における同じ位置に、前記カーソルXを表示させる。これにより、操作者は、前記操作デバイス9を操作して前記超音波画像A上において前記カーソルXを移動させ、このカーソルXで患部などの注目部位を指示しながら被検体などに対して説明を行なうことができるようになっている。すなわち、前記カーソルXは、操作者が被検体などに対して説明内容を伝達するために用いる表示であり、本発明において情報を伝達するために用いる所定の表示の実施の形態の一例である。
【0048】
この第二変形例によれば、操作者は前記カーソルXを用いることにより、被検体などに対する説明を容易に行なうことができる。そして、操作者は前記操作パネル12と正対し、前記第二表示部8を見ながら前記操作デバイス9などを操作して前記カーソルXを移動させ説明することができるので、無理な体勢を強いられることなく楽な体勢で説明を行なうことができる。
【0049】
ちなみに、操作者が被検体などに対して説明内容などの情報を伝達するために、前記表示制御部6は前記カーソルXに加えて、あるいは前記カーソルXに代えて、前記操作デバイス9の入力に基づいて、円などの図形や線、文字などを前記第一表示部7及び前記第二表示部8に表示させるようになっていてもよい。
【0050】
次に、第三変形例について説明する。この第三変形例では、前記表示制御部6は、前記第一表示部7が側面側を向いており、前記第二表示部8に前記第一表示部7の画像が表示されている場合において、前記操作デバイス9の入力に基づいて、前記第二表示部8の表示を操作用の画像に切り替えてもよい。これにより、前記第一表示部7が側面側を向いている状態であっても、操作者は前記第二表示部8に表示された操作用の画像を用いて操作を行なうことができる。前記第二表示部8における操作終了後には、前記表示制御部6は、再び前記操作デバイス9の入力に基づいて、前記第二表示部8に前記第一表示部7の画像を表示させてもよい。
【0051】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したがこれに限られるものではなく、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、特に図示しないが、前記スイッチ11の代わりに、ロータリエンコーダなどの角度センサにより前記アーム14の回動角度を検出して、前記第一表示部7の回動角度を検出するようになっていてもよい。この場合、前記角度センサによって検出される前記第一表示部7の回動角度に基づいて前記表示制御部6が前記第一表示部7に表示された画像を前記第二表示部8に表示させる。
【符号の説明】
【0052】
1 超音波診断装置
2 超音波診断装置本体
6 表示制御部
7 第一表示部
8 第二表示部
11 スイッチ(位置検出部)
12 操作パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特にディスプレイの向きを変えることができる超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、被検体の体表面に超音波プローブを当接して被検体内に超音波を送信し、得られたエコー信号に基づく超音波画像がディスプレイ(Display)に表示されるようになっている。近年では、例えば特許文献1に記載されているように、ディスプレイとして液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)を用いた超音波診断装置も増えている。
【0003】
また、操作者は、操作パネルに設けられた操作ボタンやポインティングデバイスなどを用いて送信条件や超音波診断装置に対する動作の指示などを入力するようになっている。また、例えば特許文献2に記載されているように、前記操作パネルにはタッチパネル式のディスプレイが設けられている場合もあり、このタッチパネル式のディスプレイに表示された操作用の画像などを用いて入力を行なう場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21088号公報
【特許文献2】特開2008−212549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記超音波診断装置において、前記ディスプレイの向きを変えることができるようになっているものがある。特に、フラットパネルディスプレイについては軽量かつコンパクトであるため、CRT(Cathode Ray Tube)よりも容易に向きを変えることができる。
【0006】
ここで、ディスプレイの向きについて説明すると、操作者は撮影時には操作パネルを操作するため、この操作パネルと正対する位置にいる。この操作パネルは、超音波診断装置における正面側に設けられているため、操作者がディスプレイを見る場合、このディスプレイは、超音波診断装置における正面側を向いている。
【0007】
また、ディスプレイに表示された超音波画像を、例えば被検体などの操作者以外の者に見せながら説明する場合がある。この場合、被検体は超音波診断装置の側面側にいるため、ディスプレイを側面側に回動させる。
【0008】
このように、ディスプレイを側面側に向けてしまうと、操作者からはディスプレイに表示された画像が見えなくなる。従って、操作者は身を乗り出すようにしてディスプレイを覗き込みながら被検体等に説明を行なうことになる。従って、操作者は無理な体勢になり負担が大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するためになされた第1の観点の発明は、超音波診断装置本体に対して回動可能な第一表示部と、第二表示部と、前記第一表示部の回動位置を検出する位置検出部と、該位置検出部により、前記第一表示部が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部に表示された画像を前記第二表示部にも表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記位置検出部は、前記第一表示部の回動に伴ってオンオフすることにより、該前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0011】
第3の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記位置検出部は、前記第一表示部の回動角度を検出する角度センサであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
第4の観点の発明は、第1〜3のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部は、前記超音波診断装置の正面に設けられており、前記所定の回動位置は、前記超音波診断装置の正面から所定の角度以上の位置であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0013】
第5の観点の発明は、第1〜4のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部は、前記超音波診断装置本体の正面に設けられたタッチパネル式のディスプレイであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0014】
第6の観点の発明は、第1〜5のいずれか一の観点の発明において、前記タッチパネル式のディスプレイには、操作用の画像が表示されることを特徴とする超音波診断装置である。
【0015】
第7の観点の発明は、第1〜6のいずれか一の観点の発明において、前記第一表示部及び前記第二表示部に表示された画像における同じ位置に、情報を伝達するために用いられる所定の表示がなされることを特徴とする超音波診断装置である。
【0016】
第8の観点の発明は、第1〜7のいずれか一の観点の発明において、前記表示制御部は、前記第二表示部に前記第一表示部の画像が表示されている場合において、操作パネルにおける入力に基づいて、別の画像への表示切り替えを行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第9の観点の発明は、第1〜8のいずれか一の観点の発明において、前記第二表示部には、前記第一表示部に表示された画像のうち、少なくとも超音波画像が表示されることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0018】
上記観点の発明によれば、前記第一表示部を回動させてその向きを変えても、前記第一表示部が所定の回動位置である場合に、この第一表示部に表示された画像が前記第二表示部にも表示されるので、操作者は前記第二表示部に表示された画像を見ながら説明することができる。従って、操作者は無理な体勢を強いられることはなく、操作者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の実施形態の一例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置の外観構成を示す正面図である。
【図3】図2に示す超音波診断装置の平面図である。
【図4】図2に示す超音波診断装置の左側面図である。
【図5】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大左側面図である。
【図6】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大平面図である。
【図7】スイッチを示す拡大図である。
【図8】図7に示すスイッチのボタンがアームによって押下される状態を示す図である。
【図9】図7に示すスイッチのボタンがアームによって最下位まで押下された状態を示す図である。
【図10】図2に示す超音波診断装置において、スイッチが設けられた部分を示す拡大平面図である。
【図11】第一表示部が正面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の正面図である。
【図12】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の正面図である。
【図13】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の平面図である。
【図14】第一表示部が側面を向いた状態で、第一表示部及び第二表示部に画像が表示された超音波診断装置の左側面図である。
【図15】第一変形例におけるスイッチが設けられた部分の拡大平面図であり、(A)は第一表示部が0°の位置にある状態の図、(B)は第一表示部が−45°の位置にある状態の図である。
【図16】第二変形例においてカーソルが表示された超音波診断装置の正面図である。
【図17】第二変形例においてカーソルが表示された超音波診断装置の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波診断装置本体2を有し、この超音波診断装置本体2に超音波プローブ3が接続されるようになっている。また、前記超音波診断装置本体2は、送受信部4、エコー処理部5、表示制御部6、第一表示部7、第二表示部8、操作デバイス9、制御部10及びスイッチ11を備えている。前記第二表示部8及び前記操作デバイス9は、前記超音波診断装置本体2における操作パネル12に設けられている。
【0021】
前記超音波プローブ3は、アレイ状に配置された超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0022】
前記送受信部4は、前記超音波プローブ3を所定のスキャンパラメータで駆動させ、スキャン面を超音波ビームによって音線順次で走査させる。また、前記送受信部4は、前記超音波プローブ3で得られたエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコー処理部5へ出力する。
【0023】
前記エコー処理部5は、前記送受信部4から出力されたエコーデータに対し所定の信号処理を行なう。この信号処理は、例えば対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理である。
【0024】
前記表示制御部6は、DSC(Digital Scan Converter)を含んで構成され、前記エコー処理部5で所定の処理がなされたデータを、前記第一表示部7に表示される超音波画像データに走査変換する。そして、この超音波画像データに基づく超音波画像を前記第一表示部7に表示させる。
【0025】
また、前記表示制御部6は、後述するように第二表示部8にも所定の場合に超音波画像を表示させるようになっている。前記表示制御部6は本発明における表示制御部の実施の形態の一例である。
【0026】
また、前記表示制御部6は、その他にも前記第一表示部7及び前記第二表示部8への画像の表示制御を行なうようになっており、例えば前記第二表示部8に後述する操作用の画像などを表示するようになっている。
【0027】
前記制御部10は、CPU(CentRal Processing Unit)で構成され、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0028】
次に、図2〜図9に基づいて、前記第一表示部7、前記第二表示部8、前記操作デバイス9、前記スイッチ11について説明する。なお、図2〜図4において、前記超音波プローブ2は図示省略されている(図11〜図14においても同様)。
【0029】
前記第一表示部7は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。この第一表示部7は、前記超音波診断装置本体2に設けられた円柱形状の柱部材13に設けられたアーム14によって前記超音波診断装置本体2に取り付けられている。前記アーム14は、前記柱部材13に水平方向に回動可能な状態で設けられており、これにより前記第一表示部7が前記超音波診断装置本体2に対して回動可能になっている。前記第一表示部7は、本発明における第一表示部の実施の形態の一例である。
【0030】
前記第二表示部8は、タッチパネル式のディスプレイである。そして、この第二表示部8に、操作用の画像として例えば後述のボタン表示C(図11参照)などの画像が表示され、これを操作者が押すことによって指示入力が行なわれるようになっている。また、前記第二表示部8には、第一表示部7に表示される画像が所定の場合に表示される。詳細は後述する。前記第二表示部8は、本発明における第二表示部の実施の形態の一例である。
【0031】
前記操作デバイス9は、キーボード、操作ボタン及びポインティングデバイスなどで構成され、操作者がこれらの操作デバイス9を操作することにより入力が行なわれるようになっている。なお、前記操作デバイス9は、図において簡略化されて示されている。
【0032】
前記第二表示部8は、前記操作パネル12の第一パネル部12aに設けられ、また前記操作デバイス9は、前記操作パネル12の第二パネル部12bに設けられている。前記第一パネル部12aは、前記第二パネル部12bに対して傾斜を有するように形成され、前記第二表示部8の視認性が良好になっている。
【0033】
ここで、前記操作パネル12が設けられている側を前記超音波診断装置1の正面と定義する。操作者は、超音波診断装置1の正面に設けられた前記操作パネル12と正対して前記第二表示部8及び前記操作デバイス9の操作を行なうようになっている。
【0034】
前記スイッチ11は、前記柱部材13の側部に一対設けられている。このスイッチ11のオンオフにより、前記第一表示部7の回動位置が検出されるようになっている。前記スイッチ11は、本発明における位置検出部の実施の形態の一例である。
【0035】
詳しく説明すると、前記スイッチ11は、図5〜図7に示すように、回動する前記アーム14によって押下されるボタン11aを有して構成される。ここで、前記第一表示部7が、前記超音波診断装置1における正面にあたる前記操作パネル12側、すなわち前記操作パネル12と正対する位置の操作者の方を向いている状態を0°と定義する(図2〜図4、図6の実線)。この0°の位置から水平方向に前記アーム14を回動させると、図8に示すように前記ボタン11aが前記アーム14によって押下される。そして、前記アーム14を0°の位置から±45°回動させた時(図6の二点鎖線)、図9に示すように、前記ボタン11aは最下位まで押下され、前記スイッチ11はオン状態になる。前記スイッチ11がオン状態になると、その信号が前記制御部10に入力される。そして、前記制御部10は前記スイッチ11からの入力信号があると、前記表示制御部6により、前記第二表示部8の画像を前記第一表示部7の画像に切り替えさせる。
【0036】
ちなみに、前記制御部10は、前記スイッチ11がオフ状態の場合には、前記表示制御部6により、前記第二表示部8に例えば操作用の画像を表示させる。あるいは、前記スイッチ11がオフ状態の場合、何の画像も表示させなくてもよい。
【0037】
前記第一表示部7を、例えば図10に示すように0°の位置から±90°回動させた状態においても、前記スイッチ11はオン状態になっており、さらに特に図示しないが±90°よりも大きい所定の角度まで回動させてもオン状態にある。従って、本例では、前記第一表示部7が、少なくとも±45°よりも大きな角度で、±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合に、前記スイッチ11がオン状態になる。
【0038】
ここで、前記スイッチ11においてオン状態とオフ状態に切り替わる角度は一例である。ただし、操作者が前記第一表示部7の表示を見づらくなる回動位置において、前記スイッチ11のオンオフが切り替わるようになっていることが望ましい。
【0039】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。先ず、前記操作パネル12と正対する操作者が、前記第一表示部7に表示された画像を見る場合、図11に示すように、前記第一表示部7は、0°の位置、すなわち前記操作パネル12と正対する操作者の方を向いた状態にする。この状態では、前記スイッチ11はオフ状態にあり、前記表示制御部6は、超音波画像A及びスキャンパラメータなどの文字や数字等の表示Bなどを有する画像G1を前記第一表示部7に表示させ、また前記第二表示部8に操作用のボタン表示Cからなる画像G2を表示させる。
【0040】
そして、操作者は、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを被検体など操作者以外の者に見せながら説明を行なう場合、被検体が前記超音波診断装置1の側面側にいるため、図12〜図14に示すように、前記第一表示部7を回動させてこれを側面に向ける。ここでは、前記第一表示部7は+90°の位置にある。この状態では、前記スイッチ11はオン状態にあり、前記表示制御部6は、前記第二表示部8には、前記第一表示部7に表示されている画像を表示させる。この時に前記第二表示部8に表示される画像G2′は、本例では前記第一表示部7に表示されている画像G1のうち超音波画像Aである。ただし、前記第一表示部7に表示されている画像の全て(すなわち前記超音波画像A及び文字や数字等の表示B)をそのまま前記第二表示部8に表示させてもよい。
【0041】
被検体などへの説明が終わり、前記第一表示部7を再び正面側に向けると、前記表示制御部6は、前記操作用のボタン表示Cからなる画像G2を前記第二表示部8に表示させる。
【0042】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、操作者が、前記第一表示部7に表示された超音波画像Aを被検体などに対して見せながら説明を行なう場合に、前記第一表示部7を側面に向けた場合、前記第二表示部8に前記超音波画像Aが表示される。従って、操作者から前記第一表示部7の画像G1が見えなくなっても、前記第二表示部8を見ながら説明を行なうことができる。これにより、操作者は無理な体勢を強いられることはなく、操作者の負担を軽減することができる。
【0043】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について図15に基づいて説明する。この第一変形例では、上記実施形態において前記スイッチ11がオン状態になる範囲、すなわち前記第一表示部7が少なくとも±45°よりも大きな角度で±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合に、前記スイッチ11がオフ状態になってもよい。
【0044】
具体的に説明すると、本例では、前記アーム14には、前記柱部材13側の端部に偏心部14aが形成されている。また、前記スイッチ11は前記柱部材13に一つのみ設けられており、このスイッチ11のボタン11aが前記偏心部14aにより押下されてオンオフするようになっている。
【0045】
前記スイッチ11は、前記第一表示部7が、少なくとも±45°よりも大きな角度で±90°を含む所定の範囲の回動位置にある場合にオフ状態になる位置に設けられている。図15(B)では、−45°の位置が図示されている。
【0046】
前記表示制御部6は、前記スイッチ11がオフ状態になると、前記第二表示部8の画像を前記第一表示部7の画像に切り替える。一方で、前記スイッチ11がオン状態の場合には、前記表示制御部6は、前記第二表示部8に操作用の画像を表示させる。あるいは、前記表示制御部6は、前記スイッチ11がオン状態の場合、何の画像も表示させなくてもよい。
【0047】
次に、第二変形例について図16及び図17に基づいて説明する。これら図16及び図17に示すように、この第二変形例では、前記表示制御部6は、前記第一表示部7の画像(ここでは超音波画像A)を前記第二表示部8に表示させている状態において、前記第一表示部7及び前記第二表示部8にカーソルXを表示させてもよい。このカーソルXは本例では矢印であり、この矢印は前記第一表示部7と前記第二表示部8とで大きさは異なるものの同じ形状になっている。前記表示制御部6は、特に図示しないが、前記カーソルXを表示させるカーソル表示制御部を備える。このカーソル表示制御部は、トラックボールなどの前記操作デバイス9における入力に基づいて、前記第一表示部7及び前記第二表示部8に表示された画像(ここでは超音波画像A)における同じ位置に、前記カーソルXを表示させる。これにより、操作者は、前記操作デバイス9を操作して前記超音波画像A上において前記カーソルXを移動させ、このカーソルXで患部などの注目部位を指示しながら被検体などに対して説明を行なうことができるようになっている。すなわち、前記カーソルXは、操作者が被検体などに対して説明内容を伝達するために用いる表示であり、本発明において情報を伝達するために用いる所定の表示の実施の形態の一例である。
【0048】
この第二変形例によれば、操作者は前記カーソルXを用いることにより、被検体などに対する説明を容易に行なうことができる。そして、操作者は前記操作パネル12と正対し、前記第二表示部8を見ながら前記操作デバイス9などを操作して前記カーソルXを移動させ説明することができるので、無理な体勢を強いられることなく楽な体勢で説明を行なうことができる。
【0049】
ちなみに、操作者が被検体などに対して説明内容などの情報を伝達するために、前記表示制御部6は前記カーソルXに加えて、あるいは前記カーソルXに代えて、前記操作デバイス9の入力に基づいて、円などの図形や線、文字などを前記第一表示部7及び前記第二表示部8に表示させるようになっていてもよい。
【0050】
次に、第三変形例について説明する。この第三変形例では、前記表示制御部6は、前記第一表示部7が側面側を向いており、前記第二表示部8に前記第一表示部7の画像が表示されている場合において、前記操作デバイス9の入力に基づいて、前記第二表示部8の表示を操作用の画像に切り替えてもよい。これにより、前記第一表示部7が側面側を向いている状態であっても、操作者は前記第二表示部8に表示された操作用の画像を用いて操作を行なうことができる。前記第二表示部8における操作終了後には、前記表示制御部6は、再び前記操作デバイス9の入力に基づいて、前記第二表示部8に前記第一表示部7の画像を表示させてもよい。
【0051】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したがこれに限られるものではなく、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、特に図示しないが、前記スイッチ11の代わりに、ロータリエンコーダなどの角度センサにより前記アーム14の回動角度を検出して、前記第一表示部7の回動角度を検出するようになっていてもよい。この場合、前記角度センサによって検出される前記第一表示部7の回動角度に基づいて前記表示制御部6が前記第一表示部7に表示された画像を前記第二表示部8に表示させる。
【符号の説明】
【0052】
1 超音波診断装置
2 超音波診断装置本体
6 表示制御部
7 第一表示部
8 第二表示部
11 スイッチ(位置検出部)
12 操作パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波診断装置本体に対して回動可能な第一表示部と、
第二表示部と、
前記第一表示部の回動位置を検出する位置検出部と、
該位置検出部により、前記第一表示部が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部に表示された画像を前記第二表示部にも表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記第一表示部の回動に伴ってオンオフすることにより、該前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記第一表示部の回動角度を検出する角度センサであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第二表示部は、前記超音波診断装置の正面に設けられており、前記所定の回動位置は、前記超音波診断装置の正面から所定の角度以上の位置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記第二表示部は、前記超音波診断装置本体の正面に設けられたタッチパネル式のディスプレイであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記タッチパネル式のディスプレイには、操作用の画像が表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第一表示部及び前記第二表示部に表示された画像における同じ位置に、情報を伝達するために用いられる所定の表示がなされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第二表示部に前記第一表示部の画像が表示されている場合において、操作パネルにおける入力に基づいて、別の画像への表示切り替えを行なうことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第二表示部には、前記第一表示部に表示された画像のうち、少なくとも超音波画像が表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項1】
超音波診断装置本体に対して回動可能な第一表示部と、
第二表示部と、
前記第一表示部の回動位置を検出する位置検出部と、
該位置検出部により、前記第一表示部が所定の回動位置であることが検出された場合に、前記第一表示部に表示された画像を前記第二表示部にも表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記第一表示部の回動に伴ってオンオフすることにより、該前記第一表示部の回動位置を検出するスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記第一表示部の回動角度を検出する角度センサであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第二表示部は、前記超音波診断装置の正面に設けられており、前記所定の回動位置は、前記超音波診断装置の正面から所定の角度以上の位置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記第二表示部は、前記超音波診断装置本体の正面に設けられたタッチパネル式のディスプレイであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記タッチパネル式のディスプレイには、操作用の画像が表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第一表示部及び前記第二表示部に表示された画像における同じ位置に、情報を伝達するために用いられる所定の表示がなされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第二表示部に前記第一表示部の画像が表示されている場合において、操作パネルにおける入力に基づいて、別の画像への表示切り替えを行なうことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第二表示部には、前記第一表示部に表示された画像のうち、少なくとも超音波画像が表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−125515(P2011−125515A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287103(P2009−287103)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]