説明

超音波非破壊検査装置

【課題】シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化でき、さらに、使用するプローブを変更する際に、シングルエレメントプローブ用の駆動出力部へ供給される高い電圧がフェーズドアレープローブ用の駆動出力部へ供給されることにより、フェーズドアレープローブ用の駆動出力部を構成する各部が電気的に破壊されることのないようにすることのできる超音波非破壊検査装置を提供する。
【解決手段】超音波非破壊検査装置1は、タイマー102と、CPU(中央演算装置)10aと、送信パルス発生部11とからなる電圧制御部100と、シングルエレメント駆動部14と、フェーズドアレー駆動部15と、電源部16Aと、スイッチ101とからなる
駆動回路12Xとを内部に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波非破壊検査装置に関し、特に、各々異なる超音波パルス駆動信号を出力する2つの駆動出力部を有し、かつ、それら2つの駆動出力部を用途に応じて切り替えつつ使用することのできる超音波非破壊検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、超音波非破壊検査装置は、工業分野等において広く用いられている。そのような超音波非破壊検査装置としては、例えば、特許文献1において提案されているような、駆動出力部として単一のチャンネルを用い、該単一のチャンネルの駆動出力部に対して比較的高い電圧を印加しつつ検査を行う、シングルエレメント(Single Element)プローブ用のものと、特許文献2において提案されているような、駆動出力部として複数のチャンネルを用い、該複数のチャンネルの駆動出力部それぞれに対して比較的低い電圧を印加しつつ検査を行うフェーズドアレー(Phased Array)プローブ用のものとがある。
【特許文献1】特開平5−35988号公報
【特許文献2】特開平11−056838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波非破壊検査装置の中でも、特に工業分野用の超音波非破壊検査装置が用いられる現場においては、検査者が、シングルエレメントプローブと、フェーズドアレープローブを使い分けながら、長時間続けて検査を行うという状況が想定される。そのため、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とが、持ち運びができる重量および体積において一体化した、超音波非破壊検査装置が望ましい。シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを、持ち運びができる重量および体積において一体化させる場合、例えば、超音波非破壊検査装置内部に設けられた電源部の共用化による一体化が考えられる。
【0004】
しかし、特許文献1および特許文献2において提案されているような超音波非破壊検査装置においては、各々の装置が有する駆動出力部を駆動させるための駆動電圧が異なる。また、特許文献1および特許文献2において提案されているような超音波非破壊検査装置の駆動出力部は、一般的に、該駆動電圧に応じた耐圧を有する部品から構成されているため、各々の装置を単純に組み合わせただけでは、電源部の共用化による一体化を実現することはできない。
【0005】
また、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部は、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部よりも高い電圧において駆動される場合がある。そのため、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化するために、各々の超音波非破壊検査装置内部に設けられた電源部を共用化させる場合、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部の構成部材の耐圧を考慮する必要がある。例えば、使用するプローブをシングルエレメントプローブからフェーズドアレープローブに変更する際には、シングルエレメントプローブ用の駆動出力部へ供給される高い電圧が、フェーズドアレープローブ用の駆動出力部へ供給されることにより、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部が破壊される可能性がある。そのため、前述したような状況を考慮し、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部へ供給される高い電圧により、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置が有する駆動出力部が電気的に破壊されないようにする必要がある。
【0006】
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化でき、さらに、使用するプローブをシングルエレメントプローブからフェーズドアレープローブに変更する際に、シングルエレメントプローブ用の駆動出力部へ供給される高い電圧がフェーズドアレープローブ用の駆動出力部へ供給されることにより、フェーズドアレープローブ用の駆動出力部を構成する回路素子が電気的に破壊されることのないようにすることができる超音波非破壊検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における超音波非破壊検査装置は、被検体内部へ超音波パルスを出力し、前記超音波パルスの反射波を検出することにより非破壊検査を行う超音波非破壊検査装置であって、第1の電圧において動作し、第1の超音波パルス駆動信号を出力する第1駆動出力部と、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧において動作し、前記第1の超音波パルス駆動信号とは異なる第2の超音波パルス駆動信号を出力する第2駆動出力部と、前記第1駆動出力部駆動時には前記第1の電圧を供給し、前記第2駆動出力部駆動時には前記第2の電圧を供給する電源部と、前記電源部が供給する電圧が、前記第1の電圧から前記第2の電圧へ移行する際に、前記第1駆動出力部を駆動させる電圧制御部とを具備している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の超音波非破壊検査装置は、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化でき、さらに、使用するプローブをシングルエレメントプローブからフェーズドアレープローブに変更する際に、シングルエレメントプローブ用の駆動出力部へ供給される高い電圧がフェーズドアレープローブ用の駆動出力部へ供給されることにより、フェーズドアレープローブ用の駆動出力部を構成する各部が電気的に破壊されることのないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1から図4は、本発明の第1の実施形態に係るものである。図1は、超音波非破壊検査装置の外観図である。図2は、第1の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図3は、超音波非破壊検査装置が有するシングルエレメント(Single Element)駆動出力部の構成図である。図4は、超音波非破壊検査装置が有するフェーズドアレー(Phased Array)駆動出力部の構成図である。
【0011】
超音波非破壊検査装置1は、図1に示すように、電源スイッチ2と、電源状態表示LED2aと、プローブ切り替えスイッチ3と、第1プローブ状態表示LED3aと、第2プローブ状態表示LED3bと、メニュースイッチ4と、キャリブレーションスイッチ5と、第1プローブ接続部6aと、第2プローブ接続部6bと、モニタ部7とを外装面上に有する。
【0012】
電源スイッチ2がオンされると、超音波非破壊検査装置1が起動する。また、電源スイッチ2がオンされると同時に、消灯していた電源状態表示LED2aが点灯し、超音波非破壊検査装置1が起動状態にあることが検査者に告知される。なお、電源状態表示LED2aによる電源状態の告知は、前記のようなLEDの点灯および消灯による告知方法に限るものではなく、状態によりLEDの色を変える等の告知方法であっても良い。
【0013】
プローブ切り替えスイッチ3がオンされると、超音波非破壊検査装置1の内部において、使用するプローブを変更する際に必要な所定の電圧制御が行われる。なお、該所定の電圧制御の詳細な内容については、後程説明を行う。該所定の電圧制御が完了すると、シングルエレメントプローブである第1プローブ8が超音波非破壊検査装置1に接続できる場合は、第1プローブ状態表示LED3aは点灯し、第2プローブ状態表示LED3bは消灯する。一方、フェーズドアレープローブである第2プローブ9が超音波非破壊検査装置1に接続できる場合は、第1プローブ状態表示LED3aは消灯し、第2プローブ状態表示LED3bは点灯する。なお、第1プローブ状態表示LED3aおよび第2プローブ状態表示LED3bによる電圧制御完了状態の告知は、前記のようなLEDの点灯および消灯による告知方法に限るものではなく、状態によりLEDの色を変える等の告知方法であっても良い。
【0014】
メニュースイッチ4がオンされると、超音波非破壊検査装置1に関する各種設定を行うことができる。キャリブレーションスイッチ5がオンされると、超音波非破壊検査装置1に対するキャリブレーションが自動的に行われる。また、モニタ部7は、被検体の測定状況、前記各種設定の設定画面等の表示を行う。
【0015】
第1プローブ接続部6aは、第1プローブ8の一端に設けられた第1プローブ接続部8aと着脱自在な構造を有している。第2プローブ接続部6bは、第2プローブ9の一端に設けられた第2プローブ接続部9aと着脱自在な構造を有している。また、シングルエレメントプローブである第1プローブ8の他端には第1プローブ探触子8bが、フェーズドアレープローブである第2プローブ9の他端には第2プローブ探触子9bが各々設けられている。第1プローブ探触子8bの内部には、超音波振動子等の振動子が設けられており、該振動子は、超音波非破壊検査装置1の内部に設けられた、シングルエレメント(Single Element)パルス発生部14aから送られる、所定の第1の超音波パルス駆動信号を受けて振動する。また、第2プローブ探触子9bの内部には、超音波振動子等の振動子が設けられており、該振動子は、超音波非破壊検査装置1の内部に設けられた、フェーズドアレー(Phased Array)パルス発生部15aから送られる所定の第2の超音波パルス駆動信号を受けて振動する。
【0016】
次に、本実施形態に係る超音波非破壊検査装置1の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を、図2、図3および図4を用いて説明する。
【0017】
超音波非破壊検査装置1は、図2に示すように、電圧制御部100と、駆動回路12Xとを内部に有する。
【0018】
駆動回路12Xは、シングルエレメント駆動部14と、フェーズドアレー駆動部15と、電源部16Aと、スイッチ101とからなる。電源部16Aは、高圧部16と、コンデンサ17とからなる。
【0019】
また、電圧制御部100は、タイマー102と、駆動手段103とからなる。そして、駆動手段103は、CPU(中央演算装置)10aと、送信パルス発生部11とからなる。
【0020】
スイッチ部13は、電源スイッチ2と、電源状態表示LED2aと、プローブ切り替えスイッチ3と、第1プローブ状態表示LED3aと、第2プローブ状態表示LED3bと、メニュースイッチ4と、キャリブレーションスイッチ5とからなる。
【0021】
CPU10aは、スイッチ部13に対してなされた操作内容を受け、送信パルス発生部11と、モニタ部7と、スイッチ部13とに対して制御を行う。また、CPU10aは、高圧部16に対しても制御を行う。なお、CPU10aが高圧部16に対して行う制御については、後述にて説明を行うものとする。送信パルス発生部11は、発信回路等により構成され、CPU10aの制御内容を受け、駆動回路12Xに対して、検査者が行う測定の内容に応じて任意に設定した所定の送信パルス信号であるInput信号等の信号の送信を行う。スイッチ部13は、検査者によりプローブ切り替えスイッチ3が操作された場合、CPU10aおよび後述するタイマー102に対し、プローブ切替信号を送信する。また、スイッチ部13は、検査者によりプローブ切り替えスイッチ3が操作された場合、高圧部16に対し、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15への切り替えが行われるという内容の信号であるSetup信号を送信する。
【0022】
図3に示すように、第1駆動出力部であるシングルエレメント(Single Element)駆動部14は、第1の超音波パルス駆動信号を出力するシングルエレメントパルス発生部14aと、第1プローブ探触子8bとのインピーダンスマッチングを行うためのシングルエレメントダンピング抵抗14bとからなり、第1の電圧において動作する。さらに、図3に示すように、シングルエレメントパルス発生部14aは、FET14eと、抵抗14fと、コンデンサ14gとからなる。
【0023】
シングルエレメントパルス発生部14aにおいて、FET14eがオフしている場合、後述するコンデンサ17から供給された電圧は、コンデンサ14gに充電される。その後、FET14eがオンすると、コンデンサ14gに充電された電圧分の負の電圧が、コンデンサ14gのシングルエレメントダンピング抵抗14b側に発生し、該負の電圧は、第1プローブ8の第1プローブ探触子8bに対して供給される。そして、前記負の電圧が供給された第1プローブ探触子8bは、内部に設けられた超音波振動子等の振動子を振動させることにより、超音波パルスを発生させる。
【0024】
また、シングルエレメントダンピング抵抗14bの一端はシングルエレメントパルス発生部14aの出力側に接続され、他端は接地されている。そのため、FET14eがオンしている状態においては、コンデンサ14gに充電された電圧分の負の電圧は、第1プローブ探触子8bだけではなく、シングルエレメントダンピング抵抗14bに対しても供給される。前記負の電圧がシングルエレメントダンピング抵抗14bに対して供給されると、シングルエレメントダンピング抵抗14bの、シングルエレメントパルス発生部14aの出力側と、接地側とにおいて電位差が生じることにより、コンデンサ14gに充電された電圧、すなわち、後述するコンデンサ17から供給された電圧が放電される。さらに、FET14eがオンしている状態においては、コンデンサ17から供給された電圧は、抵抗14fにより放電される。なお、前述したようなシングルエレメントパルス発生部14aの構成において、FET14eがオンしている時間がパルス幅となる。また、FET14eがオフしている時間と、FET14eがオンしている時間とを1回分ずつ合計し、該合計した時間を逆数としたものがパルス繰り返し周波数となる。なお、FET14eは、トランジスタ等の回路素子であっても良い。
【0025】
図4で示すように、第2駆動出力部であるフェーズドアレー(Phased Array)駆動部15は、第1の超音波パルス駆動信号とは異なる第2の超音波パルス駆動信号を出力するフェーズドアレーパルス発生部15aと、第2プローブ探触子9bとのインピーダンスマッチングを行うためのダンピング抵抗部15bとからなり、第1の電圧よりも低い第2の電圧において動作する。また、図3に示すように、フェーズドアレーパルス発生部15aは、FET15ep(p=1,2,…n)と、抵抗15fp(p=1,2,…n)と、コンデンサ15gp(p=1,2,…n)とからなる。なお、pはp=1,2,…nであり、nは整数である。
【0026】
なお、FET15epおよびコンデンサ15gpは、前述した第1の電圧以上の耐圧を有する部材から構成される。そのため、フェーズドアレー駆動部15が動作していない状態においては、たとえフェーズドアレー駆動部15に対して第1の電圧が印加されたとしても、フェーズドアレー駆動部15を構成する回路素子が破壊されることはない。
【0027】
フェーズドアレーパルス発生部15aにおいて、FET15epがオフしている場合、後述するコンデンサ17から供給された電圧は、コンデンサ15gpに充電される。その後、FET15epがオンすると、コンデンサ15gpに充電された電圧分の負の電圧が、コンデンサ15gpの抵抗15fp側に発生し、該負の電圧は、第1プローブ8の第1プローブ探触子8bに対して供給されるとともに、コンデンサ17から供給された電圧は、抵抗15fpにより放電される。そして、前記負の電圧が供給された第2プローブ探触子9bは、内部に設けられた超音波振動子等の振動子を振動させることにより、超音波パルスを発生させる。なお、FET15epは、トランジスタ等の回路素子であっても良い。
【0028】
さらに、フェーズドアレーパルス発生部15aは、フェーズドアレー第pパルス発生部15apとして表されるパルス発生部をn個有し、ダンピング抵抗部15bは、フェーズドアレー第pダンピング抵抗15bpとして表されるダンピング抵抗をn個有する。フェーズドアレー第kダンピング抵抗15bkの一端は、それぞれフェーズドアレー第kパルス発生部15akの出力側に接続され、他端はそれぞれ接地されている。図4に示すように、フェーズドアレー第kパルス発生部15akと、フェーズドアレー第kダンピング抵抗15bkとは、1対1で対応しており、例えば、フェーズドアレー第1パルス発生部15a1と、フェーズドアレー第1ダンピング抵抗15b1とが1つの駆動部として構成されている。すなわち、フェーズドアレー駆動部15は、n個の該駆動部により構成されている。
【0029】
高圧部16は、充電部であるコンデンサ17と電気的に導通しており、コンデンサ17に充電電圧を供給する。また、高圧部16は、スイッチ部13から送信されるSetup信号に基づき、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止する。なお、高圧部16の詳細な構成、およびコンデンサ17に充電電圧を供給する際に高圧部16を構成する各部が行う動作については、後述にて説明を行うものとする。
【0030】
充電部であるコンデンサ17は、シングルエレメント駆動部14が動作する電圧である、第1の電圧を、シングルエレメント駆動部14へ供給する。また、充電部であるコンデンサ17は、フェーズドアレー駆動部15が動作する電圧である、第1の電圧より低い第2の電圧も、フェーズドアレー駆動部15へ供給する。
【0031】
スイッチ101は、CPU10aの切替制御信号を受け、送信パルス発生部11から送信される制御信号または駆動パルスの送信先を、シングルエレメント駆動部14またはフェーズドアレー駆動部15のいずれかに変更する。
【0032】
時間計測手段であるタイマー102は、例えば、カウンター回路等の回路からなり、スイッチ部13おける操作内容に基づき、CPU10aに対し、後述する所定の時間の計測を開始したという内容を含む時間計測開始信号を送信する。なお、タイマー102は、カウンター回路等のハードウェアにより構成されるものに限らず、例えば、CPU10a等が有する、時間を計測するためのプログラムのようなソフトウェアにより構成されるものであっても良い。また、前述した所定の時間は、使用する駆動出力部がシングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際に、高圧部16が供給する電圧が、第1の電圧から第2の電圧以下の電圧へ移行するまでの時間であって、前述した、カウンター回路等の回路構成、時間計測プログラムの内容等により設定される。そして、タイマー102は、前述したような方法により設定された所定の時間の計測が終了すると、CPU10aに対し、所定の時間の計測が終了したという内容を含む時間計測終了信号を送信する。
【0033】
次に、使用する駆動出力部がシングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の、本実施形態における駆動回路12Xの動作を説明する。
【0034】
検査者が、超音波非破壊検査装置1を用いた検査を行う際に、使用するプローブを、シングルエレメントプローブである第1プローブ8からフェーズドアレープローブである第2プローブ9に変更して使用する場合、プローブの変更に併せ、使用する駆動出力部を、第1の電圧において動作するシングルエレメント駆動部14から、第2の電圧において動作するフェーズドアレー駆動部15に切り替える必要がある。つまり、高圧部16がコンデンサ17へ供給する充電電圧を第1の電圧を供給する設定から第2の電圧を供給する設定に変更する必要がある。
【0035】
その場合、まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16に送信される。高圧部16は、前記プSetup信号に基づき、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止する。
【0036】
また、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、プローブ切替信号が、時間計測手段であるタイマー102に対して送信される。タイマー102は、前記プローブ切替信号に基づいて所定の時間の計測を開始するとともに、駆動手段制御部であるCPU10aに対し、所定の時間の計測を開始したことを、時間計測開始信号として送信する。前記時間計測開始信号を受信したCPU10aは、駆動部である送信パルス発生部11に対して駆動制御信号を送信する。送信パルス発生部11は、前記駆動制御信号に基づき、シングルエレメント駆動部14に対して、例えば、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号をシングルエレメント駆動部14に出力させるような、制御信号または駆動パルスを送信する。
【0037】
以上述べたような各部の動作により、シングルエレメント駆動部14のシングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が開始される。そして、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおける放電が開始された後、所定の時間が経過した時点において、タイマー102は、CPU10aに対して時間計測終了信号を送信する。また、タイマー102は、前記時間計測終了信号を送信した後、それまでに計測した時間をリセットし、スイッチ部13から再びプローブ切替信号が送信されるまでは、待機状態を維持する。CPU10aは、前記時間計測終了信号に基づき、スイッチ101に対して切替制御信号を送信し、スイッチ101をシングルエレメント駆動部14側からフェーズドアレー駆動部15側に切り替えるとともに、送信パルス発生部11に対し、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号をシングルエレメント駆動部14に出力させるような、制御信号または駆動パルスの送信を停止させるように制御を行う。さらに、CPU10aは、前記時間計測終了信号に基づき、高圧部16に対し、コンデンサ17に対する充電電圧の供給を再開させた後、該充電電圧が第2の電圧を保持するように制御を行う。
【0038】
なお、送信パルス発生部11が出力する制御信号または駆動パルスは、前述したような、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号をシングルエレメント駆動部14に出力させるという内容を有するものに限らず、例えば、シングルエレメント駆動部14のFET14eのオン状態を持続させるという内容を有するものであっても良い。この場合、シングルエレメント駆動部14において、超音波パルス駆動信号が出力されないため、コンデンサ17の充電電圧の放電は、シングルエレメントダンピング抵抗14bではなく、抵抗14fにおいて行われる。なお、抵抗14fにおいて放電が開始された後、所定の時間が経過した時点以降の各部の動作については、前述した内容と略同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0039】
また、駆動手段103は、パルス幅が最大である超音波パルス駆動信号をシングルエレメント駆動部14に出力させる、または、シングルエレメント駆動部14のFET14eのオン状態を持続させるという内容であるプログラムを有する、例えば、CPUを含む制御回路のような構成を有していても良い。送信パルス発生部11が前述したような内容のプログラムを有する場合、CPU10aは、タイマー102から送信された時間計測開始信号に基づき、該プログラムを動作させるような制御を行う。また、この場合において、所定の時間が経過すると、CPU10aは、タイマー102から送信された時間計測終了信号に基づき、該プログラムを停止させるような制御を行う。
【0040】
また、駆動回路12Xにおいては、例えば、図2のI点に示されるような位置に、スイッチ101と連動して動作し、電源部16Aから供給される電圧の供給先を、シングルエレメント駆動部14またはフェーズドアレー駆動部15に切り替えることができるようなスイッチが設けられていても良い。
【0041】
本実施形態における駆動回路12Xを有する超音波非破壊検査装置1は、駆動出力部以外の部分の回路が共用化されているため、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化することができる。さらに、FET15epおよびコンデンサ15gpは、第1の電圧以上の耐圧を有する部材から構成される。そのため、使用するプローブをシングルエレメントプローブからフェーズドアレープローブに変更する際に、フェーズドアレー駆動部15に対して第1の電圧が印加されたとしても、フェーズドアレー駆動部15を構成する各部が電気的に破壊されることはない。
【0042】
(第2の実施形態)
図5から図11は、本発明の第2の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態と同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0043】
図5は、第2の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図6は、超音波非破壊検査装置が有する高圧部の構成図である。図7は、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の、図5の各部の動作を示すタイムチャートである。図8は、図5の超音波非破壊検査装置の第1の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図9は、図8のブロック図における各部の動作を示すタイムチャートである。図10は、図5の超音波非破壊検査装置の第2の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図11は、図10のブロック図における各部の動作を示すタイムチャートである。
【0044】
本実施形態に係る超音波非破壊検査装置1は、図5に示すように、CPU10と、送信パルス発生部11と、駆動回路12とを内部に有する。また、本実施形態に係る超音波非破壊検査装置1は、第1の実施形態と同様の構成であるモニタ部7と、スイッチ部13とを有している。
【0045】
駆動回路12は、シングルエレメント駆動部14と、フェーズドアレー駆動部15と、電源部16Aと、スイッチング部19と、電圧制御部20とからなる。
【0046】
CPU10は、スイッチ部13に対してなされた操作内容を受け、送信パルス発生部11と、モニタ部7と、スイッチ部13とに対して制御を行う。
【0047】
電源部16Aは、図5に示すように、第1の実施形態と同様の構成であって、高圧部16と、コンデンサ17とからなる。
【0048】
高圧部16は、図6に示すような、1石フライバックコンバータを用いた構成となっており、直流電源16aと、発振器16bと、FET16cと、電圧監視回路16dと、トランス16eと、ダイオード16fとからなる。
【0049】
高圧部16がコンデンサ17に充電電圧を供給する場合には、まず、スイッチ部13から送信されたSetup信号と、駆動回路12に設けられた制御部21から送信された信号とに基づき、電圧監視回路16dが、発振器16bを動作させることによりFET16cのオン状態およびオフ状態を交互にスイッチングさせる。前記スイッチング動作において、FET16cがオン状態の場合においては、ダイオード16fにより、トランス16eの2次側に電力が伝達されないが、FET16cがオフ状態からオン状態に移行する際には、トランス16eの1次側に発生した逆起電力がトランス16eの2次側に伝達される。さらに、前述したような、電圧監視回路16dが発振器16bを動作させることにより行われるFET16cのスイッチング動作が繰り返されることにより、電圧監視回路16dがSetup信号として受信した所定の電圧値、すなわち、第1の電圧または第2の電圧に達するまで、コンデンサ17に充電電圧が供給される。そして、コンデンサ17に供給された充電電圧が該所定の電圧値に達すると、電圧監視回路16dは発振器16bへのスイッチング動作を停止し、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。前述したような、電圧監視回路16dが発振器16bに対して行うスイッチング動作により、高圧部16は、コンデンサ17の充電電圧を単に上昇させるだけではなく、コンデンサ17の充電電圧を所定の電圧値に保持しながら、コンデンサ17以降に接続された所定の負荷を動作させることもできる。なお、本実施形態におけるFET16cは、トランジスタ等の回路素子であっても良い。
【0050】
充電部であるコンデンサ17は、シングルエレメント駆動部14が動作する電圧である、第1の電圧を、シングルエレメント駆動部14へ供給する。また、充電部であるコンデンサ17は、フェーズドアレー駆動部15が動作する電圧である、第1の電圧より低い第2の電圧を、フェーズドアレー駆動部15へ供給する。また、コンデンサ17に供給された充電電圧は、電圧監視回路16dにより監視されている。そのため、コンデンサ17の充電電圧を、第1の電圧または第2の電圧に保持する設定において駆動回路12を動作させている際に、コンデンサ17の充電電圧が降下した場合には、電圧監視回路16dが、それまで停止していた発振器16bへのスイッチング動作を再開させることにより、該設定に応じたコンデンサ17の充電電圧を保持しつつ、駆動回路12を動作させることができる。
【0051】
スイッチング部19は、第1スイッチ19aと、第2スイッチ19bとからなる。第1スイッチ19aは、コンデンサ17の充電電圧が第1の電圧の場合にシングルエレメント駆動部14へ第1の電圧を供給し、第2スイッチ19bは、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧の場合にフェーズドアレー駆動部15へ第2の電圧を供給する。
【0052】
電圧制御部20は、電圧監視回路18と、制御部21と、発振器22と、第3スイッチ24aと、第4スイッチ24bと、ORゲート25とからなる。
【0053】
電圧監視部である電圧監視回路18は、図5において示される、Volの箇所における電圧、すなわち、充電部であるコンデンサ17に供給された充電電圧を監視している。また、電圧監視回路18は、コンデンサ17に供給された充電電圧の放電が行われている際に、Volの箇所における電圧が、第2の電圧以下の電圧となったことを告知するために、Ctrl−2信号を、駆動手段を構成する制御部21に対して送信する。
【0054】
駆動手段を構成する制御部21は、図5に示すような構成においては、集積回路により構成され、スイッチ部13から送信されたSetup信号と、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2信号との内容に基づき、所定のタイミングにおいて、駆動部である発振器22に対し、所定の超音波パルス駆動信号である、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大となるような信号の発振を開始または停止させる信号、すなわち、Ctrl−1信号を送信する。なお、該所定のタイミングの内容については、後程詳細な説明を行う。また、制御部21は、スイッチ部13から送信されたSetup信号と、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2信号との内容に基づき、コンデンサ17へ充電電圧を供給する場合、高圧部16に充電を開始または停止させる信号を送信する。さらに、制御部21は、スイッチ部13から送信されたSetup信号と、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2信号との内容に基づき、シングルエレメント駆動部14とフェーズドアレー駆動部15との切り替えを行う信号、すなわち、Ctrl−3信号を所定のタイミングで送信する。なお、該所定のタイミングの内容については、後程詳細な説明を行う。制御部21が送信したCtrl−3信号は、NOTゲート23と連携し、第1スイッチ19aおよび第2スイッチ19bと、シングルエレメント駆動部14と電気的に導通する第3スイッチ24aおよびフェーズドアレー駆動部15と電気的に導通する第4スイッチ24bとの制御を行う。
【0055】
駆動部である発振器22は、制御部21から送信されたCtrl−1信号の内容に基づき、シングルエレメント駆動部14が動作できる範囲内において、超音波パルス駆動信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅を最大としてシングルエレメント駆動部14に出力させる信号、すなわち、Osl−In信号をORゲート25へ送信する。送信パルス発生部11から送信されるInput信号と、Osl−In信号とは、ORゲート25を通過することにより積算されてOsl−Out信号となる。その結果、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしている場合、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大となるような信号がシングルエレメント駆動部14へ送信される。
【0056】
つまり、制御部21は、発振器22の制御を行うことにより、シングルエレメント駆動部14に、所定の超音波パルス駆動信号である、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大となるような信号を出力させる。
【0057】
次に、図7のタイムチャートを用いて、使用する駆動出力部がシングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の、本実施形態における駆動回路12の動作を説明する。なお、これ以降、第1の電圧は、第2の電圧より高い電圧であるとして駆動回路12の動作の説明を行う。
【0058】
検査者が、超音波非破壊検査装置1を用いた検査を行う際に、使用するプローブを、シングルエレメントプローブである第1プローブ8からフェーズドアレープローブである第2プローブ9に変更して使用する場合、プローブの変更に併せ、使用する駆動出力部を、第1の電圧において動作するシングルエレメント駆動部14から、第2の電圧において動作するフェーズドアレー駆動部15に切り替える必要がある。つまり、高圧部16がコンデンサ17へ供給する充電電圧を第1の電圧を供給する設定から第2の電圧を供給する設定に変更する必要がある。
【0059】
その場合、まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16と制御部21とに送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Setup信号を受信した制御部21から送信される信号との内容に基づき、発振器16bのスイッチング動作を停止することにより、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。制御部21は、高圧部16に対しコンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる信号を送信すると同時に、発振器22に対し、Ctrl−1信号を送信する。Ctrl−1信号を受信した発振器22は、Ctrl−1信号の内容に基づき、Osl−In信号をORゲート25へ送信する。送信パルス発生部11から送信されるInput信号と、Osl−In信号とは、ORゲート25を通過することにより積算されてOsl−Out信号となる。
【0060】
図5に示すような、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしており、第2スイッチ19bと、第3スイッチ24bとが共にオフしている状態においては、Osl−Out信号は、シングルエレメント駆動部14へ送信される。シングルエレメント駆動部14へ送信されたOsl−Out信号により、シングルエレメントパルス発生部14aは、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力する。この時、高圧部16はコンデンサ17への充電電圧の供給を停止しているため、シングルエレメントパルス発生部14aがパルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力することにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bは、コンデンサ17の充電電圧の放電を行う。その結果、コンデンサ17の充電電圧は、図7におけるVolに示すように、第1の電圧から徐々に降下してゆく。
【0061】
コンデンサ17の充電電圧が降下してゆく状況は、電圧監視回路18により監視されており、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、制御部21に対し、Ctrl−2信号を送信する。制御部21は、Ctrl−2信号の立ち上がりのタイミングに合わせて、高圧部16に対し、コンデンサ17に充電電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧を第2の電圧とさせるような信号を送信する。また、制御部21は、該信号の送信と同時に、発振器22に対し、Osl−In信号の送信を停止させる内容のCtrl−1信号を送信する。Ctrl−1信号を受信した発振器22は、Ctrl−1信号の内容に基づき、Osl−In信号のORゲート25への送信を停止する。さらに、制御部21は、Ctrl−1信号の送信と同時にCtrl−3信号を送信し、NOTゲート23と連携することにより、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替え、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替える。
【0062】
前述した一連の動作により、本実施形態における駆動回路12は、使用する駆動出力部を、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更する。
【0063】
なお、本実施形態においては、図5における電圧制御部20を、図8に示す駆動回路12Aのように、電圧制御部20aと、スイッチング制御部20bとに分けても良い。この場合、電圧制御部20aには、NOTゲート27と、ANDゲート28とが、制御部21として設けられている。また、スイッチング制御部20bには、NOTゲート23と、ANDゲート29とが設けられており、コンデンサ17の充電電圧が第1の電圧の場合にシングルエレメント駆動部14へ前記第1の電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧の場合にフェーズドアレー駆動部15へ前記第2の電圧を供給できるように、スイッチング部19の制御を行う。
【0064】
次に、本実施形態の第1の変形例である図8の回路構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の駆動回路12Aの動作を、図9のタイムチャートを用いて説明する。なお、以上に述べた説明において、構成および動作が同じである部分に関しては、一部省略して説明を行う。
【0065】
まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16と、電圧制御部20aと、スイッチング制御部20bとに送信される。電圧制御部20aが受信した、Setup信号と、電圧監視回路18から送信された信号であるCtrl2−1信号を反転させた信号とは、ANDゲート28を通過することにより加算されてCtrl−1−1信号となる。Ctrl−1−1信号は、NOTゲート27を通過し、高圧部16に送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Ctrl−1−1信号を反転させた信号との内容に基づき、発振器16bのスイッチング動作を停止することにより、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。また、ANDゲート28から送信されたCtrl−1−1信号は、NOTゲート27に送信されると同時に、発振器22に対しても送信される。Ctrl−1−1信号を受信した発振器22は、Ctrl−1−1信号の内容に基づき、Osl−In信号をORゲート25へ送信する。送信パルス発生部11から送信されるInput信号と、Osl−In信号とは、ORゲート25を通過することにより積算されてOsl−Out信号となる。
【0066】
図8に示すような、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしており、第2スイッチ19bと、第3スイッチ24bとが共にオフしている状態においては、Osl−Out信号は、シングルエレメント駆動部14へ送信される。そして、Osl−Out信号により、シングルエレメントパルス発生部14aは、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力する。この時、高圧部16はコンデンサ17への充電電圧の供給を停止しているため、シングルエレメントパルス発生部14aがパルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力することにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bは、コンデンサ17の充電電圧の放電を行う。その結果、コンデンサ17の充電電圧は、図9におけるVolに示すように、第1の電圧から徐々に降下してゆく。
【0067】
コンデンサ17の充電電圧が降下してゆく状況は、電圧監視回路18により監視されており、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、電圧制御部20aと、スイッチング制御部20bとに対し、Ctrl−2−1信号を送信する。
【0068】
電圧制御部20aが受信した、Ctrl−2−1信号を反転させた信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート28を通過することにより加算されてCtrl−1−1信号となる。Ctrl−1−1信号は、NOTゲート27を通過し、高圧部16に送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Ctrl−1−1信号を反転させた信号との内容に基づき、コンデンサ17に充電電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧を第2の電圧とさせる。また、ANDゲート28から送信されたCtrl−1−1信号は、NOTゲート27に送信されると同時に、発振器22に対しても送信される。Ctrl−1−1信号を受信した発振器22は、Ctrl−1−1信号の内容に基づき、Osl−In信号のORゲート25への送信を停止する。
【0069】
スイッチング制御部20bが受信したCtrl−2−1信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート29を通過することにより加算されてCtrl−3信号となる。Ctrl−3信号は、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替え、また、NOTゲート23を通過して反転したCtrl−3信号は、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替える。
【0070】
なお、発振器22は、前述したような、パルス幅が最大である超音波パルス駆動信号をシングルエレメント駆動部14に出力させるという内容であるプログラムを有する、例えば、CPUを含む制御回路のような構成を有していても良い。発振器22が前述したような内容のプログラムを有する場合、制御部21は、Setup信号に基づいてCtrl−1信号またはCtrl−1−1信号を発振器22に対して送信し、該プログラムを動作させる。また、この場合において、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧になると、制御部21は、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2信号またはCtrl−2−1信号に基づき、該プログラムを停止させるような制御を行う。
【0071】
さらに、本実施形態においては、図5における電圧制御部20の代わりに、図10に示すように、電圧制御部20xが設けられた駆動回路12Yを用いても良い。
【0072】
電圧制御部20xは、電圧制御部20から発振器22を取り除いたような構成を有している。
【0073】
次に、本実施形態の第2の変形例である図10の回路構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の駆動回路12Yの動作を、図11のタイムチャートを用いて説明する。なお、以上に述べた説明において、構成および動作が同じである部分に関しては、一部省略して説明を行う。
【0074】
まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16と制御部21とに送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Setup信号を受信した制御部21から送信される信号との内容に基づき、発振器16bのスイッチング動作を停止することにより、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。制御部21は、高圧部16に対しコンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる信号を送信すると同時に、ORゲート25に対し、図11に示すようなCtrl−1信号を送信する。送信パルス発生部11から送信されるInput信号と、Ctrl−1信号とは、ORゲート25を通過することにより積算されて、図11に示すようなOsl−Out信号となる。
【0075】
図10に示すような、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしており、第2スイッチ19bと、第3スイッチ24bとが共にオフしている状態においては、Osl−Out信号は、シングルエレメント駆動部14へ送信される。シングルエレメント駆動部14へ送信されたOsl−Out信号により、シングルエレメントパルス発生部14aのFET14eはオン状態となる。この時、高圧部16はコンデンサ17への充電電圧の供給を停止しているため、シングルエレメントパルス発生部14aのFET14eがオン状態となることにより、抵抗14fにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる。その結果、コンデンサ17の充電電圧は、図11におけるVolに示すように、第1の電圧から徐々に降下してゆく。
【0076】
コンデンサ17の充電電圧が降下してゆく状況は、電圧監視回路18により監視されており、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、制御部21に対し、Ctrl−2信号を送信する。制御部21は、Ctrl−2信号の立ち上がりのタイミングに合わせて、高圧部16に対し、コンデンサ17に充電電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧を第2の電圧とさせるような信号を送信する。また、制御部21は、該信号の送信と同時に、ORゲート25に対して送信していたCtrl−1信号を停止する。さらに、制御部21は、Ctrl−1信号の停止と同時にCtrl−3信号を送信し、NOTゲート23と連携することにより、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替え、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替える。
【0077】
本実施形態における駆動回路12または駆動回路12Aまたは駆動回路12Yを有する超音波非破壊検査装置1は、駆動出力部以外の部分の回路が共用化されているため、シングルエレメントプローブ用の超音波非破壊検査装置と、フェーズドアレープローブ用の超音波非破壊検査装置とを一体化できる。
【0078】
さらに、コンデンサ17の充電電圧を監視する電圧監視回路18と、制御部21との作用により、駆動回路12は、シングルエレメント駆動部14へ供給される高い電圧がフェーズドアレー駆動部15へ供給されないようにしつつ、使用する駆動出力部を、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更することができる。すなわち、使用するプローブをシングルエレメントプローブからフェーズドアレープローブに変更する際に、フェーズドアレー駆動部15を構成する各部が電気的に破壊されることはない。
【0079】
また、駆動回路12Aにおいては、制御部21は、集積回路ではなく、論理素子である、NOTゲート27と、ANDゲート28とにより構成されている。そのため、駆動回路12に比べて回路構成が容易であり、また、製造コストを低く抑えることができる。
【0080】
また、駆動回路12Yにおいては、電圧制御部20xに発振器22が設けられていない。そのため、駆動回路12に比べて回路構成が容易であり、また、製造コストを低く抑えることができる。
【0081】
(第3の実施形態)
図12から図15は、本発明の第3の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0082】
図12は、第3の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図13は、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の、図12の各部の動作を示すタイムチャートである。図14は、図12の超音波非破壊検査装置の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。図15は、図14のブロック図における各部の動作を示すタイムチャートである。
【0083】
本実施形態における送信パルス発生部11は、内部に図示しないレジスタ等のメモリ手段を有している。該図示しないメモリ手段は、例えば、所定の超音波パルス駆動信号である、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大となるような信号を送信パルス発生部11を制御して送信させるような、プログラム等の制御手段を格納している。該制御手段は、スイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3がオンされた信号と、制御部21から送信された信号であるCtrl−4信号との内容に基づき、それまでに送信パルス発生部11に対してなされていた、任意の超音波パルス駆動信号を送信させる設定、すなわち、Input信号に対する設定を無効とした上において、送信パルス発生部11を制御し、所定の超音波パルス駆動信号をInput信号として送信させる。
【0084】
なお、Ctrl−4信号の送信先は、送信パルス発生部11に限るものではなく、例えば、内部に図示しないレジスタ等のメモリ手段を有し、かつ、I/Oポート等を介して制御部21と直接接続できるような構成を有するCPU10であってもよい。この場合、前記制御手段は、CPU10が内部に有する図示しないレジスタ等のメモリ手段に格納されている。前記制御手段は、スイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3がオンされた信号と、Ctrl−4信号との内容に基づき、それまでに送信パルス発生部11になされていたInput信号に対する設定を無効とさせ、かつ、送信パルス発生部11に所定の超音波パルス駆動信号をInput信号として送信させるような制御をCPU10が行うように、CPU10の制御を行う。
【0085】
また、本実施形態における駆動回路12Bは、電圧制御部30を有し、電圧制御部30は、第1の実施形態における電圧制御部20と異なり、発振器22と、ORゲート25とを有さない。また、本実施形態における電圧制御部30は、NOTゲート31を有している。さらに、電圧制御部30に設けられ、駆動手段を構成する制御部21は、図12に示すような構成においては、集積回路により構成されている。
【0086】
次に、図13のタイムチャートを用いて、使用する駆動出力部がシングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の、本実施形態における駆動回路12Bの動作を説明する。なお、これ以降、第1の電圧は、第2の電圧より高い電圧であるとして駆動回路12Bの動作の説明を行う。
【0087】
まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16と制御部21とに送信される。Setup信号を受信した制御部21は、その内容に基づき、送信パルス発生部11と、NOTゲート31とへCtrl−4信号を送信する。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、NOTゲート31により反転されたCtrl−4信号との内容に基づき、発振器16bのスイッチング動作を停止することにより、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。また、Ctrl−4信号を受信した送信パルス発生部11は、スイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3がオンされた信号と、Ctrl−4信号との内容に基づき、内部に有する図示しないメモリ手段に格納された制御手段を動作させる。該制御手段は、それまでに送信パルス発生部11に対してなされていた、Input信号に対する設定を無効とした上において、所定の超音波パルス駆動信号であるパルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大となるような信号を、送信パルス発生部11を制御し、Input信号として送信させる。
【0088】
図12に示すような、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしており、第2スイッチ19bと、第3スイッチ24bとが共にオフしている状態においては、Input信号は、シングルエレメント駆動部14へ送信される。シングルエレメント駆動部14へ送信されたInput信号により、シングルエレメントパルス発生部14aは、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力する。この時、高圧部16はコンデンサ17への充電電圧の供給を停止しているため、シングルエレメントパルス発生部14aがパルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力することにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bは、コンデンサ17の充電電圧の放電を行う。その結果、コンデンサ17の充電電圧は、図10におけるVolに示すように、第1の電圧から徐々に降下してゆく。コンデンサ17の充電電圧が降下してゆく状況は、電圧監視回路18により監視されており、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、制御部21に対し、Ctrl−2信号を送信する。制御部21は、Ctrl−2信号の立ち上がりのタイミングに合わせて、送信パルス発生部11と、NOTゲート31とへCtrl−4信号を送信する。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、NOTゲート31により反転されたCtrl−4信号との内容に基づき、コンデンサ17に充電電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧を第2の電圧とさせる。また、Ctrl−4信号を受信した送信パルス発生部11は、Ctrl−4信号の内容に基づき、内部に有する図示しないメモリ手段に格納された制御手段の動作を停止させる。該制御手段による送信パルス発生部11の制御が行われなくなると、該制御手段による送信パルス発生部11の制御が行われる直前になされていた、Input信号に対する設定が再び有効となる。さらに、制御部21は、Ctrl−4信号の送信と同時にCtrl−3信号を送信し、NOTゲート23と連携することにより、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替え、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替える。
【0089】
前述した一連の動作により、本実施形態における駆動回路12Bは、使用する駆動出力部を、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更する。
【0090】
なお、本実施形態においては、図12における電圧制御部30を、図14に示す駆動回路12Cのように、電圧制御部30aと、スイッチング制御部30bとに分けても良い。この場合、電圧制御部30aには、ANDゲート28が、制御部21として設けられている。また、スイッチング制御部30bには、NOTゲート23と、ANDゲート29とが設けられており、コンデンサ17の充電電圧が第1の電圧の場合にシングルエレメント駆動部14へ前記第1の電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧の場合にフェーズドアレー駆動部15へ前記第2の電圧を供給できるように、スイッチング部19の制御を行う。
【0091】
次に、本実施形態の変形例である図14の回路構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の駆動回路12Cの動作を、図15のタイムチャートを用いて説明する。なお、第1の実施形態の説明および本実施形態の図12および図13との説明において、構成および動作が同じである部分に関しては、一部省略して説明を行う。
【0092】
まず、検査者がスイッチ部13のプローブ切り替えスイッチ3をオンすることにより、Setup信号が、高圧部16と、電圧制御部30aと、スイッチング制御部30bとに送信される。電圧制御部30aが受信した、Setup信号と、電圧監視回路18から送信された信号であるCtrl2−1信号を反転させた信号とは、ANDゲート28を通過することにより加算されてCtrl−4信号となる。Ctrl−4信号は、NOTゲート27を通過し、高圧部16に送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Ctrl−4信号を反転させた信号との内容に基づき、発振器16bのスイッチング動作を停止することにより、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止させる。また、ANDゲート28から送信されたCtrl−4信号は、NOTゲート31に送信されると同時に、送信パルス発生部11に対しても送信される。Ctrl−4信号を受信した送信パルス発生部11は、Ctrl−4信号の内容に基づき、所定の超音波パルス駆動信号をInput信号として送信する。
【0093】
図14に示すような、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとが共にオンしており、第2スイッチ19bと、第3スイッチ24bとが共にオフしている状態においては、Input信号は、シングルエレメント駆動部14へ送信される。そして、Input信号により、シングルエレメントパルス発生部14aは、パルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力する。この時、高圧部16はコンデンサ17への充電電圧の供給を停止しているため、シングルエレメントパルス発生部14aがパルス繰り返し周波数およびパルス幅が最大である超音波パルス駆動信号を出力することにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bは、コンデンサ17の充電電圧の放電を行う。その結果、コンデンサ17の充電電圧は、図15におけるVolに示すように、第1の電圧から徐々に降下してゆく。
【0094】
コンデンサ17の充電電圧が降下してゆく状況は、電圧監視回路18により監視されており、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、電圧制御部30aと、スイッチング制御部30bとに対し、Ctrl−2−1信号を送信する。電圧制御部30aが受信した、Ctrl−2−1信号を反転させた信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート28を通過することにより加算されてCtrl−4信号となる。Ctrl−4信号は、NOTゲート31を通過し、高圧部16に送信される。高圧部16の電圧監視回路16dは、Setup信号と、Ctrl−4信号を反転させた信号との内容に基づき、コンデンサ17に充電電圧を供給し、コンデンサ17の充電電圧を第2の電圧とさせる。また、ANDゲート28から送信されたCtrl−4信号は、NOTゲート31に送信されると同時に、送信パルス発生部11に対しても送信される。Ctrl−4信号を受信した送信パルス発生部11は、Ctrl−4信号の内容に基づき、所定の超音波パルス駆動信号をInput信号として送信を行う動作を停止する。
【0095】
スイッチング制御部30bが受信したCtrl−2−1信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート29を通過することにより加算されてCtrl−3信号となる。Ctrl−3信号は、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替え、また、NOTゲート23を通過して反転したCtrl−3信号は、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替える。
【0096】
本実施形態における駆動回路12Bまたは駆動回路12Cを有する超音波非破壊検査装置1は、第2の実施形態において述べた効果と同様の効果を得ることかできる。
【0097】
また、駆動回路12Bおよび駆動回路12Cにおいては、発振器22の作用が送信パルス発生部11により実現されているため、第2の実施形態における駆動回路12および駆動回路12Aよりも回路の規模を小さくすることができる。
【0098】
また、駆動回路12Cにおいては、制御部21は、集積回路ではなく、論理素子である、ANDゲート28により構成されている。そのため、駆動回路12Bに比べて回路構成が容易であり、また、製造コストを低く抑えることができる。
【0099】
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態から第3の実施形態までと同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0100】
図16は、第4の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図である。
【0101】
本実施形態の駆動回路12Dは、第2の実施形態における図5の回路構成に基づいて構成されており、図16に示すような回路構成を有している。すなわち、本実施形態におけるシングルエレメント駆動部14Aは、シングルエレメントダンピング抵抗14bの第1プローブ接続部6a側に、出力切断手段である出力切断スイッチ14cを有している。さらに、本実施形態におけるフェーズドアレー駆動部15Aは、ダンピング抵抗部15bの第2プローブ接続部6b側に、出力切断手段である出力切断スイッチ部15cを有している。出力切断スイッチ部15cは、第i出力切断スイッチ15ci(i=1,2,…m)として表される出力切断スイッチをm個有する。図16に示すように、第i出力切断スイッチ15ciは、フェーズドアレー第iパルス発生部15ai(i=1,2,…m)と、フェーズドアレー第iダンピング抵抗15bi(i=1,2,…m)とから構成される1つの駆動部に対してそれぞれ1つずつ設けられており、例えば、フェーズドアレー第1パルス発生部15a1と、フェーズドアレー第1ダンピング抵抗15b1とから構成される駆動部に対しては、第1出力切断スイッチ15c1が設けられている。また、出力切断スイッチ14cおよび出力切断スイッチ部15cは、電圧制御部20もしくは電圧制御部20が有するスイッチング制御部20bと導通している。なお、前述した構成は、第2の実施形態における第1の変形例である駆動回路12A、第3の実施形態である駆動回路12B、および第3の実施形態における変形例である駆動回路12Cのいずれに対しても適用することができる。
【0102】
次に、前述した構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Aからフェーズドアレー駆動部15Aに変更される際に、出力切断スイッチ14cと、出力切断スイッチ部15cとが動作を行うタイミングについて説明を行う。なお、本実施形態の駆動回路12Dは、第2の実施形態における図5の回路構成に基づいて構成されているため、図5に示す駆動回路12の動作の説明と重複する部分に関しては、一部省略して説明を行う。また、これ以降、第1の電圧は、第2の電圧より高い電圧であるとして説明を行う。
【0103】
シングルエレメント駆動部14Aが駆動している場合、出力切断スイッチ14cと、第1スイッチ19aとが共にオンしており、出力切断スイッチ15cと、第1スイッチ19bとが共にオフしている。この状態から、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Aからフェーズドアレー駆動部15Aに変更される場合、高圧部16がコンデンサ17への充電電圧の供給を停止した後に、電圧監視回路18が、コンデンサ17の充電電圧を確認する。コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧より大きい場合、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、所定の信号をCtrl−2信号のラインを使って送信する。該Ctrl−2信号を受信した制御部21は、所定の信号をCtrl−3信号のラインを使って送信し、出力切断スイッチ14cをオフにする。その後、出力切断スイッチ14cがオフであり、第1スイッチ19aがオンである該状態が保持されたまま、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下するまで、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる。そして、コンデンサ17の充電電圧が第2の電圧以下の電圧値まで降下した時点において、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、所定の信号をCtrl−2信号のラインを使って送信する。該Ctrl−2信号を受信した制御部21は、所定の信号をCtrl−3信号のラインを使って送信することにより、第1スイッチ19aをオフにすると同時に、出力切断スイッチ部15cと、第1スイッチ19bとを共にオンにする。
【0104】
本実施形態における駆動回路12Dを有する超音波非破壊検査装置1は、第2の実施形態において述べた効果と同様の効果を得ることかできる。
【0105】
さらに、本実施形態における駆動回路12Dは、使用する駆動出力部を、シングルエレメント駆動部14Aからフェーズドアレー駆動部15Aに変更する際に、第1プローブ接続部6a以降の部分から、シングルエレメントダンピング抵抗14bを切り離した状態において、コンデンサ17の充電電圧の放電を行うことができる。そのため、プローブの挿抜等により、第1プローブ接続部6a以降の部分の状態が変化した場合においても、そのような変化とは全く無関係にコンデンサ17の充電電圧の放電を行うことができる。
【0106】
(第5の実施形態)
図17から図23は、本発明の第4の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態から第4の実施形態までと同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態から第4の実施形態までと同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0107】
図17は、第5の実施形態に係る超音波非破壊検査装置が有するシングルエレメント(Single Element)駆動出力部の構成図である。図18は、第5の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際のフローチャートである。図19は、第5の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の電圧の変化の状態を示した図である。図20は、第2の実施形態の図5の駆動回路におけるXの部分の構成を、第5の実施形態を実施するために必要な構成に変形した場合のブロック図である。図21は、図20のブロック図における各部の動作を示すタイムチャートである。図22は、第2の実施形態の図8の駆動回路におけるYの部分の構成を、第5の実施形態を実施するために必要な構成に変形した場合のブロック図である。図23は、図22のブロック図における各部の動作を示すタイムチャートである。
【0108】
本実施形態の駆動回路は、第2の実施形態における図5の駆動回路12の回路構成に基づいて構成されており、第2の実施形態の図5の駆動回路12におけるXの部分の構成が、図20に示すような構成となっている。また、本実施形態におけるシングルエレメント駆動部14Bは、図17に示すように、シングルエレメントダンピング抵抗14bがダンピング抵抗を複数有し、また、複数のダンピング抵抗切り替えスイッチを有するシングルエレメントダンピング抵抗切り替えスイッチ14dにより、それらのダンピング抵抗を所定のタイミングにおいて切り替えることができる。シングルエレメントダンピング抵抗14bは、シングルエレメント第jダンピング抵抗14bj(j=1,2,…t)として表されるダンピング抵抗をt個有し、シングルエレメントダンピング抵抗切り替えスイッチ14dは、シングルエレメント第jダンピング抵抗切り替えスイッチ14dj(j=1,2,…t)として表されるダンピング抵抗切り替えスイッチをt個有する。図17に示すように、シングルエレメント第jダンピング抵抗14bjと、シングルエレメント第jダンピング抵抗切り替えスイッチ14djとは、1対1で対応しており、例えば、シングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1におけるコンデンサ17の充電電圧の放電を開始および停止させるダンピング抵抗切り替えスイッチは、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1であるという構成となっている。なお、本実施形態の説明においては、説明の簡単のため、t=3としてこれ以降の説明を行う。また、シングルエレメント第jダンピング抵抗14bjの抵抗値をRjとし、t=3である本実施形態の説明における、各ダンピング抵抗の抵抗値の大小関係は、R1<R2<R3であるとする。
【0109】
立ち上がり検出回路32は、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される場合の信号の立ち上がりを検知し、検知した内容を所定の信号とし電圧監視回路18に送信する。
【0110】
次に、前述した構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Bからフェーズドアレー駆動部15に変更される際に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1と、シングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3とが切り替わるタイミングについての説明を、図18と、図19と、図21とに基づいて行う。なお、本実施形態の駆動回路は、第2の実施形態における図5の回路構成に基づいて構成されているため、図5の駆動回路12の動作の説明と重複する部分に関しては、一部省略して説明を行う。また、これ以降、第1の電圧は第3の電圧より高く、第3の電圧は第4の電圧より高く、第4の電圧は第2の電圧より高い電圧であるとして説明を行う。
【0111】
シングルエレメント駆動部14Bが駆動している場合、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとがオンしており、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3と、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとがオフしている。
【0112】
この状態から、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Bからフェーズドアレー駆動部15に変更される場合、まず、制御部21が所定の信号を高圧部16に送信し、該所定の信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止する(ステップS1−1)。次に、立ち上がり検出回路32がInput信号の立ち上がりを検知し、検知した内容を所定の信号として電圧監視回路18に送信する。該所定の信号を受信した電圧監視回路18は、コンデンサ17の充電電圧の電圧値を確認する(ステップS1−2およびステップS1−3)。ここで、コンデンサ17の充電電圧の電圧値をVとすると、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第1の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第3の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、第1のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第1のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、所定の信号をCtrl−3信号のラインを使って送信し、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1をオンにすると共に、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3とをオフにする(ステップS1−4)。その後、制御部21は、発振器22に対し、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を開始させる(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1とが導通状態となっているため、抵抗値がR1であるシングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0113】
その後、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第3の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第4の電圧よりも大きい場合、電圧制御部20の制御部21に対し、第2のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第2のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、所定の信号をCtrl−3信号のラインを使って送信し、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2をオンにすると共に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3とをオフにする(ステップS1−5)。その後、制御部21は、発振器22に対し、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を継続させる(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2とが導通状態となっているため、抵抗値がR2であるシングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0114】
また、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが前記第4の電圧以下である場合、電圧制御部20の制御部21に対し、第3のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第3のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、所定の信号をCtrl−3信号のラインを使って送信し、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3をオンにすると共に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2とをオフにする(ステップS1−6)。その後、制御部21は、発振器22に対し、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を継続させる(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3とが導通状態となっているため、抵抗値がR3であるシングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0115】
さらに、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より小さくなった場合、電圧制御部20の制御部21に対し、第4のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第4のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、発振器22に対し、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を停止させる。また、制御部21は、所定の信号を高圧部16に送信し、該所定の信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を再開する。さらに、制御部21は、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2−2信号が第4のパルス幅を有することを検知した後にCtrl−3信号を送信し、NOTゲート23と連携することにより、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替え、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替える(ステップS1−9)。
【0116】
なお、本実施形態の駆動回路においては、第2の実施形態の変形例である図8の駆動回路12AにおけるYの部分の構成が、図22に示すような構成となっていてもよい。この場合、図7におけるANDゲート28および電圧監視回路18とANDゲートとを接続するラインが、検知すべき電圧値の数と同じ数だけ設けられている。また、検知すべき電圧値が、前述した大小関係を有する第1の電圧から第4の電圧までの4つの電圧値であるとすると、ANDゲートおよび電圧監視回路18とANDゲートとを接続するラインは、それぞれ4つずつとなる。なお、これら4つのANDゲートを、それぞれ28a、28b、28c、28dとする。
【0117】
前述した本実施形態の説明においては、電圧監視回路18は、ステップS1−4の動作を行う前後と、ステップS1−5の動作を行う際と、ステップS1−6との動作を行う際とにおいて、それぞれ異なる4種類の所定のパルス幅を持つ信号をCtrl−2−2信号として制御部21に対して送信していた。しかし、制御部21が無い本変形例においては、電圧監視回路18は、電圧監視回路18とANDゲートとを接続するライン1つに対して1つずつ信号を割り当てて送信している。具体的には、ANDゲート28aに送信する所定の第1の信号をCtrl−2−3信号として第1の電圧に割り当て、ANDゲート28bに送信する所定の第2の信号をCtrl−2−4信号として第3の電圧に割り当て、ANDゲート28cに送信する所定の第3の信号をCtrl−2−5信号として第4の電圧に割り当て、ANDゲート28dに送信する所定の第4の信号をCtrl−2−6信号として第2の電圧に割り当てるという方法を用いて、電圧監視回路18は、コンデンサ17の充電電圧の変化を信号として送信している。
【0118】
次に、本変形例において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Bからフェーズドアレー駆動部15に変更される際に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1と、シングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3とが切り替わるタイミングについての説明を、図18と、図19と、図23に基づいて行う。なお、本変形例の駆動回路は、第2の実施形態における図8の駆動回路12Aの回路構成に基づいて構成されているため、図8の駆動回路12Aの動作の説明と重複する部分に関しては、一部省略して説明を行う。また、前述した本実施形態の説明と重複する部分に関しても、一部省略して説明を行う。
【0119】
シングルエレメント駆動部14Bが駆動している場合、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとがオンしており、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3と、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとがオフしている。
【0120】
この状態から、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14Bからフェーズドアレー駆動部15に変更される場合、まず、所定の信号を受信した高圧部16が、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止し(ステップS1−1)、次に、電圧監視回路18が、コンデンサ17の充電電圧の電圧値を確認する(ステップS1−2およびステップS1−3)。ここで、コンデンサ17の充電電圧の電圧値をVとすると、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第1の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第3の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、ANDゲート28aに対し、所定の第1の信号をCtrl−2−3信号として送信する。Ctrl−2−3信号は、ANDゲート28aを通過してCtrl−1−2信号となり、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1をオンにすると共に、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3とをオフにする(ステップS1−4)。その後、Ctrl−1−2信号を受信した発振器22は、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を開始する(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1とが導通状態となっているため、抵抗値がR1であるシングルエレメント第1ダンピング抵抗14b1において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0121】
その後、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第3の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第4の電圧よりも大きい場合、ANDゲート28bに対し、所定の第2の信号をCtrl−2−4信号として送信する。Ctrl−2−4信号は、ANDゲート28bを通過してCtrl−1−3信号となり、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2をオンにすると共に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3とをオフにする(ステップS1−5)。その後、所定のCtrl−2−4信号を受信した発振器22は、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を継続する(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2とが導通状態となっているため、抵抗値がR2であるシングルエレメント第2ダンピング抵抗14b2において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0122】
また、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが前記第4の電圧以下である場合、ANDゲート28cに対し、所定の第3の信号をCtrl−2−5信号として送信する。Ctrl−2−5信号は、ANDゲート28cを通過してCtrl−1−4信号となり、シングルエレメント第3ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d3をオンにすると共に、シングルエレメント第1ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d1と、シングルエレメント第2ダンピング抵抗切り替えスイッチ14d2とをオフにする(ステップS1−5)。その後、Ctrl−1−4信号を受信した発振器22は、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を継続する(ステップS1−7)。この場合、シングルエレメントパルス発生部14aと、シングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3とが導通状態となっているため、抵抗値がR3であるシングルエレメント第3ダンピング抵抗14b3において、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS1−8)。
【0123】
さらに、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS1−2およびステップS1−3)、電圧値Vが第2の電圧より小さくなった場合、ANDゲート28dに対し、所定の第4の信号をCtrl−2−6信号として送信する。Ctrl−2−6信号は、ANDゲート28dを通過してCtrl−1−5信号となる。Ctrl−1−5信号を受信した発振器22は、Osl−Out信号として送信される信号のパルス繰り返し周波数およびパルス幅が各々最大となるような信号の発振を停止する。また、Ctrl−1−5信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を再開する。さらに、Ctrl−2−6信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート29を通過することにより加算されてCtrl−3信号となる。Ctrl−3信号は、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替え、また、NOTゲート23を通過して反転したCtrl−3信号は、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替える(ステップS1−9)。
【0124】
本実施形態および本実施形態の変形例における駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、第2の実施形態において述べた効果と同様の効果を得ることかできる。
【0125】
さらに、本実施形態および本実施形態の変形例における駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、第1駆動出力部であるシングルエレメント駆動部14Bに、抵抗値がそれぞれ異なるダンピング抵抗を複数設けることにより、コンデンサ17の充電電圧を段階的に降下させることができるため、使用する駆動出力部がシングルエレメント駆動部14Bからフェーズドアレー駆動部15に変更される際に生じる、コンデンサ17におけるエネルギーのロスを少なくすることができる。
【0126】
また、本実施形態の変形例における駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、前述したような本実施形態における効果を、より容易な回路構成により実現することができる。
【0127】
(第6の実施形態)
図24および図25は、本発明の第6の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態から第5の実施形態までと同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態から第5の実施形態までと同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0128】
図24は、第6の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際のフローチャートである。図25は、第6の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の電圧の変化の状態を示した図である。
【0129】
本実施形態の駆動回路は、第2の実施形態における図5の駆動回路12の回路構成に基づいて構成されており、第5の実施形態と同様に、第2の実施形態の図5の駆動回路12におけるXの部分の構成が、図20に示すような構成となっている。また、本実施形態の駆動回路12に設けられた発振器22は、第2の実施形態における図5の駆動回路12に設けられた発振器22とは異なり、所定のパルス幅およびパルス繰り返し周波数を有する信号のみを発振するものではなく、所定の信号を受信することにより、パルス幅およびパルス繰り返し周波数を変更しつつ、信号を発振することができるものである。
【0130】
次に、前述した構成において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の手順についての説明を、図24と、図25とに基づいて行う。なお、本実施形態の駆動回路は、第2の実施形態における図5の回路構成に基づいて構成されているため、図5の駆動回路12の動作の説明と重複する部分に関しては、一部省略して説明を行う。また、これ以降、第1の電圧は第3の電圧より高く、第3の電圧は第4の電圧より高く、第4の電圧は第2の電圧より高い電圧であるとして説明を行う。
【0131】
シングルエレメント駆動部14が駆動している場合、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとがオンしており、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとがオフしている。
【0132】
この状態から、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される場合、まず、制御部21が所定の信号を高圧部16に送信し、該所定の信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止する(ステップS2−1)。次に、電圧監視回路18は、Input信号の立ち上がりを検知し、コンデンサ17の充電電圧の電圧値を確認する(ステップS2−2およびステップS2−3)。ここで、コンデンサ17の充電電圧の電圧値をVとすると、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第1の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第3の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、第1のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第1のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、発振器22に対し、第1のパルス繰り返し周波数および第5のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振させる信号を送信する(ステップS2−4)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第1のパルス繰り返し周波数および第5のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0133】
その後、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第3の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第4の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、第2のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第2のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、発振器22に対し、第2のパルス繰り返し周波数および第6のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振させる信号を送信する(ステップS2−5)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第2のパルス繰り返し周波数および第6のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0134】
また、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが前記第4の電圧以下である場合、電圧監視回路18は、電圧制御部20の制御部21に対し、第3のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第3のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、発振器22に対し、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振させる信号を送信する(ステップS2−6)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0135】
さらに、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より小さくなった場合、電圧制御部20の制御部21に対し、第4のパルス幅を有する所定の信号をCtrl−2−2信号として送信する。第4のパルス幅を有するCtrl−2−2信号を受信した制御部21は、発振器22に対し、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号の発振を停止させる。また、制御部21は、所定の信号を高圧部16に送信し、該所定の信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を再開する。さらに、制御部21は、電圧監視回路18から送信されたCtrl−2−2信号が第4のパルス幅を有することを検知した後にCtrl−3信号を送信し、NOTゲート23と連携することにより、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替え、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替える(ステップS2−8)。
【0136】
なお、本実施形態の駆動回路においては、第5の実施形態と同様に、第2の実施形態の変形例である図8の駆動回路12AにおけるYの部分の構成が、図22に示すような構成となっていてもよい。この場合、図8におけるANDゲート28および電圧監視回路18とANDゲートとを接続するラインが、検知すべき電圧値の数と同じ数だけ設けられている。また、検知すべき電圧値が、前述した大小関係を有する第1の電圧から第4の電圧までの4つの電圧値であるとすると、ANDゲートおよび電圧監視回路18とANDゲートとを接続するラインは、それぞれ4つずつとなる。なお、これら4つのANDゲートを、それぞれ28a、28b、28c、28dとする。
【0137】
次に、本変形例において、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される際の手順についての説明を、図24と、図25とに基づいて行う。なお、本実施形態の駆動回路は、第2の実施形態における図8の駆動回路12Aの回路構成に基づいて構成されているため、図8の駆動回路12Aの動作の説明と重複する部分に関しては、一部省略して説明を行う。また、前述した本実施形態の説明と重複する部分に関しても、一部省略して説明を行う。
【0138】
シングルエレメント駆動部14が駆動している場合、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとがオンしており、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとがオフしている。
【0139】
この状態から、使用する駆動出力部が、シングルエレメント駆動部14からフェーズドアレー駆動部15に変更される場合、まず、所定の信号を受信した高圧部16が、コンデンサ17への充電電圧の供給を停止し(ステップS2−1)、次に、電圧監視回路18が、コンデンサ17の充電電圧の電圧値を確認する(ステップS2−2およびステップS2−3)。ここで、コンデンサ17の充電電圧の電圧値をVとすると、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第1の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第3の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、ANDゲート28aに対し、所定の第1の信号をCtrl−2−3信号として送信する。Ctrl−2−3信号は、ANDゲート28aを通過してCtrl−1−2信号となり、Ctrl−1−2信号を受信した発振器22は、第1のパルス繰り返し周波数および第5のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振する(ステップS2−4)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第1のパルス繰り返し周波数および第5のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0140】
その後、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが第3の電圧以下であり、かつ、電圧値Vが第4の電圧よりも大きい場合、電圧監視回路18は、ANDゲート28bに対し、所定の第2の信号をCtrl−2−4信号として送信する。Ctrl−2−4信号は、ANDゲート28bを通過してCtrl−1−3信号となり、Ctrl−1−3信号を受信した発振器22は、第2のパルス繰り返し周波数および第6のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振する(ステップS2−5)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第2のパルス繰り返し周波数および第6のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0141】
また、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より大きく、かつ、電圧値Vが前記第4の電圧以下である場合、電圧監視回路18は、ANDゲート28cに対し、所定の第3の信号をCtrl−2−5信号として送信する。Ctrl−2−5信号は、ANDゲート28cを通過してCtrl−1−4信号となり、Ctrl−1−4信号を受信した発振器22は、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号をOsl−Out信号として発振する(ステップS2−6)。Osl−Out信号を受信したシングルエレメントパルス発生部14aは、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号を出力する。それにより、シングルエレメントダンピング抵抗14bにおいて、コンデンサ17の充電電圧の放電が行われる(ステップS2−7)。
【0142】
さらに、電圧監視回路18は、引き続きコンデンサ17の充電電圧の監視および確認を行い(ステップS2−2およびステップS2−3)、電圧値Vが第2の電圧より小さくなった場合、ANDゲート28dに対し、所定の第4の信号をCtrl−2−6信号として送信する。Ctrl−2−6信号は、ANDゲート28dを通過してCtrl−1−5信号となり、Ctrl−1−5信号を受信した発振器22は、第3のパルス繰り返し周波数および第7のパルス幅を有する信号の発振を停止する。また、Ctrl−1−5信号を受信した高圧部16は、コンデンサ17への充電電圧の供給を再開する。さらに、Ctrl−2−6信号と、スイッチ部13から送信された信号であるSetup信号とは、ANDゲート29を通過することにより加算されてCtrl−3信号となる。Ctrl−3信号は、第2スイッチ19bと、第4スイッチ24bとをオフからオンに切り替え、また、NOTゲート23を通過して反転したCtrl−3信号は、第1スイッチ19aと、第3スイッチ24aとをオンからオフに切り替える(ステップS2−8)。
【0143】
本実施形態および本実施形態の変形例における駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、第2の実施形態および第5の実施形態において述べた効果と同様の効果を得ることかできる。
【0144】
さらに、本実施形態の駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、シングルエレメントダンピング抵抗14bが1つである場合においても実現できるため、第5の実施形態における駆動回路よりも回路の規模を小さくすることができる。
【0145】
また、本実施形態の変形例の駆動回路を有する超音波非破壊検査装置1は、前述したような本実施形態における効果を、より容易な回路構成により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】超音波非破壊検査装置の外観図。
【図2】第1の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図3】超音波非破壊検査装置が有するシングルエレメント(Single Element)駆動出力部の構成図。
【図4】超音波非破壊検査装置が有するフェーズドアレー(Phased Array)駆動出力部の構成図。
【図5】第2の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図6】超音波非破壊検査装置が有する高圧部の構成図。
【図7】使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の、図5の各部の動作を示すタイムチャート。
【図8】図5の超音波非破壊検査装置の第1の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図9】図8のブロック図における各部の動作を示すタイムチャート。
【図10】図5の超音波非破壊検査装置の第2の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図11】図10のブロック図における各部の動作を示すタイムチャート。
【図12】第3の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図13】使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の、図12の各部の動作を示すタイムチャート。
【図14】図12の超音波非破壊検査装置の変形例における、駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図15】図14のブロック図における各部の動作を示すタイムチャート。
【図16】第4の実施形態に係る超音波非破壊検査装置の駆動出力部および駆動出力部を駆動するための駆動回路の内部構成を示すブロック図。
【図17】第5の実施形態に係る超音波非破壊検査装置が有するシングルエレメント(Single Element)駆動出力部の構成図。
【図18】第5の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際のフローチャート。
【図19】第5の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の電圧の変化の状態を示した図。
【図20】第2の実施形態の図5の駆動回路におけるXの部分の構成を、第5の実施形態を実施するために必要な構成に変形した場合のブロック図。
【図21】図20のブロック図における各部の動作を示すタイムチャート。
【図22】第2の実施形態の図8の駆動回路におけるYの部分の構成を、第5の実施形態を実施するために必要な構成に変形した場合のブロック図。
【図23】図22のブロック図における各部の動作を示すタイムチャート。
【図24】第6の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際のフローチャート。
【図25】第6の実施形態において、使用する駆動出力部が第1駆動出力部から第2駆動出力部に変更される際の電圧の変化の状態を示した図。
【符号の説明】
【0147】
1 超音波非破壊検査装置、2 電源スイッチ、2a 電源状態表示LED、3 プローブ切り替えスイッチ、3a 第1プローブ状態表示LED、3b 第2プローブ状態表示LED、4 メニュースイッチ、5 キャリブレーションスイッチ、6a,8a 第1プローブ接続部、6b,9a 第2プローブ接続部、7 モニタ部、8 第1プローブ、8b 第1プローブ探触子、9 第2プローブ、9b 第2プローブ探触子、10,10a CPU、11 送信パルス発生部、12,12A,12B,12C,12X,12Y 駆動回路、13 スイッチ部、14 シングルエレメント駆動部、14a シングルエレメントパルス発生部、14b シングルエレメントダンピング抵抗、14bj シングルエレメント第jダンピング抵抗(j=1,2,…t)、14c 出力切断スイッチ、14dj シングルエレメント第jダンピング抵抗切り替えスイッチ(j=1,2,…t)、14f,15fp 抵抗(p=1,2,…n)、15 フェーズドアレー駆動部、15a フェーズドアレーパルス発生部、15ak フェーズドアレー第kパルス発生部(k=1,2,…n)、15ai フェーズドアレー第iパルス発生部(i=1,2,…m)、15b ダンピング抵抗部、15bk フェーズドアレー第kダンピング抵抗(k=1,2,…n)、15bi フェーズドアレー第iダンピング抵抗(i=1,2,…m)、15c 出力切断スイッチ部、15ci 第i出力切断スイッチ(i=1,2,…m)、16 高圧部、16a 直流電源、16A 電源部、16b 発振器、14e,15ep,16c FET(p=1,2,…n)、16d 電圧監視回路、16e トランス、16f ダイオード、14g,15gp,17 コンデンサ(p=1,2,…n)、18 電圧監視回路、19 スイッチング部、19a 第1スイッチ、19b 第2スイッチ、20,20a,20x,30,30a,100 電圧制御部、20b,30b スイッチング制御部、21 制御部、22 発振器、23 NOTゲート、24a 第3スイッチ、24b 第4スイッチ、25 ORゲート、27,31 NOTゲート、28,28a,28b,28c,28d,29 ANDゲート、32 立ち上がり検出回路、101 スイッチ、102 タイマー、103 駆動手段
代理人 弁理士 伊 藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内部へ超音波パルスを出力し、前記超音波パルスの反射波を検出することにより非破壊検査を行う超音波非破壊検査装置であって、
第1の電圧において動作し、第1の超音波パルス駆動信号を出力する第1駆動出力部と、
前記第1の電圧よりも低い第2の電圧において動作し、前記第1の超音波パルス駆動信号とは異なる第2の超音波パルス駆動信号を出力する第2駆動出力部と、
前記第1駆動出力部駆動時には前記第1の電圧を供給し、前記第2駆動出力部駆動時には前記第2の電圧を供給する電源部と、
前記電源部が供給する電圧が、前記第1の電圧から前記第2の電圧へ移行する際に、前記第1駆動出力部を駆動させる電圧制御部と、
を具備したことを特徴とする超音波非破壊検査装置。
【請求項2】
前記電圧制御部は、前記電源部が供給する電圧が、前記第1の電圧から前記第2の電圧以下の電圧へ移行するまでの時間である、所定の時間を計測するための時間計測手段と、前記所定の時間だけ前記第1駆動出力部を駆動させるための駆動手段とを有することを特徴とする請求項1記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項3】
前記電圧制御部は、前記電源部が供給する電圧が、前記第1の電圧から前記第2の電圧へ移行する際に、前記第2の電圧以下の電圧になるまで、前記第1駆動出力部を駆動させる駆動手段と、前記電源部が供給する電圧を監視し、前記電源部が供給する電圧が、前記第2の電圧以下の電圧となったことを示すための信号を前記駆動手段に対して送信する電圧監視部とを有することを特徴とする請求項1記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項4】
前記時間計測手段は、カウンター回路により構成されることを特徴とする請求項2記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項5】
前記時間計測手段は、時間を計測するためのプログラムにより構成されることを特徴とする請求項2記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項6】
前記電圧監視部は、電圧監視回路であることを特徴とする請求項3記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項7】
前記駆動手段は、前記第1駆動出力部に対して駆動パルスまたは制御信号を送信する駆動部と、前記時間計測手段から送信される信号に基づき、前記駆動部を駆動させる駆動手段制御部とを有することを特徴とする請求項2記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、前記第1駆動出力部に対して送信する駆動パルスまたは制御信号の内容を設定するためのプログラムを有し、前記プログラムは、前記時間計測手段から送信される信号に基づいて動作することを特徴とする請求項2記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記第1駆動出力部に対して送信する駆動パルスまたは制御信号の内容を設定するためのプログラムを有し、前記駆動制御部は、前記時間計測手段から送信された信号に基づき、前記プログラムを動作させることを特徴とする請求項7記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項10】
前記駆動部は、発振回路であることを特徴とする請求項7記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項11】
さらに、前記第1駆動出力部に対して駆動パルスまたは制御信号を送信する駆動部を有し、前記駆動手段は、前記電圧監視部から送信される信号に基づき、前記駆動部を駆動させる制御部を有することを特徴とする請求項3記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項12】
前記駆動部は、前記第1駆動出力部に対して送信する駆動パルスまたは制御信号の内容を設定するためのプログラムを有し、前記プログラムは、前記制御部から送信される信号に基づいて動作することを特徴とする請求項11記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記電圧監視部から送信された信号に基づき、前記プログラムを停止させることを特徴とする請求項12記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項14】
前記駆動部は、発振回路であることを特徴とする請求項11記載の超音波非破壊検査装置。
【請求項15】
前記第1駆動出力部および前記第2駆動出力部は、出力切断手段を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか記載の超音波非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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