説明

超高分子量ポリエチレン粉末組成物

本発明は、カルボン酸の沈降マグネシウム塩を含む超高分子量ポリエチレン粉末組成物に関する。カルボン酸の沈降マグネシウム塩を超高分子量ポリエチレンに添加するプロセスは、バージンの超高分子量ポリエチレンおよびカルボン酸の沈降マグネシウム塩を含むマスターフラフをバージンの超高分子量ポリエチレンに転化することによって行われる。カルボン酸の沈降マグネシウム塩により、腐食挙動が改善され、色特徴が改善される。さらに、この添加により、粉末の自由流動性がプラスに影響を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高分子量ポリエチレン粉末組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンの触媒を利用した製造が当該技術分野で公知である。特別な部類のポリエチレンに、約1,000,000から10,000,000を軽く上回る範囲に及ぶ非常に高い平均分子量を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)があるのに対し、高密度ポリエチレン(HDPE)は一般に、約50,000と300,000g/モルの間のモル質量を有する。UHMWPEを得るためのポリマー合成が、例えば、非特許文献1に開示されている。UHMWPEは、高分子量であるために、特徴の独特の組合せがもたらされ、低分子量のグレードのものではうまくいかない用途に適したものとなる。非常に高い分子量により、優れた性質、例えば、非常に高い耐摩耗性、高い耐薬品性、非常に高い耐衝撃性および低い動的摩擦係数がもたらされる。非常に高い分子量のために、UHMWPEの流動性は悪く、高い溶融粘度のために、圧縮成形やラム押出しなどの特別な加工法が適用される。UHMWPEは、粉末から、例えば、板、棒材またはロッドを経て、最終製品に加工される。
【0003】
上述したように、典型的な加工手法はラム押出しと圧縮成形である。両方法とも、原理上、高温、高圧および長い滞留時間での粉末粒子の焼結を含む(非特許文献2)。その結果、粉末の性質が、UHMWPEの製造プロセス並びに転化プロセスに大きく影響する。粉末の嵩密度、粒径分布および粒子形状は、それによって、貯蔵、輸送可能性および取扱い、例えば、転化前の成形型の充填が決まるので、非常に重要である。粉末の自由流動性と組み合わさった高い嵩密度により、単位体積当たりの貯蔵可能量を増加させることができ、このことは、粉末の取扱いにとって非常に都合良い。それに加え、高い嵩密度の粉末を自由流動させると、取扱いおよび輸送中の詰まりが減少するであろう。
【0004】
UHMWPE粉末がチーグラー・ナッタ系触媒により製造される場合、このポリマーは触媒残留物を含む塩素を含有するであろう。上述したように、UHMWPEは、主に、高温、高圧および非常に長い滞留時間(一般的なポリエチレン転化と比べて)が適用される、ラム押出しおよび圧縮成形を使用して転化される。塩素の存在、高い加工温度および水分の存在の組合せは、UHMWPE粉末をUHMWPE板に転化するのに使用される成形型の金属を腐食させるマイナスの性質を示し、これにより、最終製品が変色(黄変)するかもしれない。
【0005】
重合プロセス後に、製造されたUHMWPEのバージンすなわちベース樹脂粉末に少量の腐食防止剤を添加して、塩素残留物を中和し、それによって、板、棒材またはロッドへの転化中の腐食を防いでもよい。乾燥したバージンすなわちベースポリマー粉末に、腐食防止剤、例えば、塩化物/酸受容体および/または掃去剤を少量、例えば、0.01〜0.50質量パーセントの間の範囲の量で添加してもよい。適切な酸掃去剤の例としては、無機産物、例えば、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、酸化亜鉛などの酸化物および有機産物、例えば、ステアリン酸金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛などの金属石鹸が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of Macromolecular Science Part C Polymer Reviews (Vol. C42, No 3, pp 355-371, 2002; Ultra high molecular weight polyethylene by Kelly)
【非特許文献2】Stein; Engineered Materials Handbook, Volume 2: Engineering Plastics, ASM International 1999; pages 167-171
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、UHMWPE粉末の転化中の腐食挙動を、UHMWPE粉末の他の所要の性質、例えば、粉末の流動性や最終製品の耐磨耗性を維持しながら、改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
腐食挙動の改善は、カルボン酸の沈降マグネシウム塩を含む超高分子量ポリエチレン粉末組成物により達成される。
【0009】
カルボン酸のこれらの沈降マグネシウム塩は、酸掃去剤として働く。
【0010】
さらに、UHMWPE粉末の自由流動性は、これらの沈降マグネシウム塩の存在によりプラスに影響を受ける。
【0011】
カルボン酸の沈降マグネシウム塩の追加の利点は、その塩により、UHMWPEに基づく製品の目に見える部品の黄変が減少することである。
【0012】
適切なカルボン酸としては、モノ−、ジ−、またはトリカルボン酸が挙げられ、適切なマグネシウム塩としては、そのモノ−、ジ−、またはトリカルボン酸のマグネシウム塩が挙げられる。これらの酸とこれらの塩の混合物も可能である。
【0013】
この塩が190℃未満の融点を有することが好ましい。
【0014】
カルボン酸塩は飽和であっても、不飽和であってもよい。
【0015】
前記塩が飽和化合物であることが好ましい。
【0016】
前記カルボン酸が、1および40の間の炭素原子を有する飽和カルボン酸からなる群より選択されることが好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態によれば、カルボン酸は、1および22の間の炭素原子を有する飽和カルボン酸からなる群より選択される。
【0018】
適切な酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸および/またはベヘン酸が挙げられる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態によれば、カルボン酸はステアリン酸である。
【0020】
カルボン酸の沈降マグネシウム塩が沈降ステアリン酸マグネシウムであることが最も好ましい。
【0021】
最終製品の耐磨耗性および耐衝撃性などの機械的性質および粉末組成物の流動性を維持するために、添加される腐食防止剤がUHMWPE粉末中に分子レベルで均質に分散されることが重要である。その結果、腐食防止剤のアスペクト比(長さ/直径)および形態が重要な役割を果たす。この形態は、腐食防止剤の製造プロセスにより決定される。
【0022】
Plastics Additives Handbook (pages 517-520; 6th edition, Carl Hanser Verlag ; ISBN 978-1-56990-430-5) にZweifel等によって開示されたように、ステアリン酸金属塩は、直接プロセスにより、または沈降プロセスにより調製してもよい。
【0023】
本発明に適用すべきカルボン酸の固体のマグネシウム塩は、沈降プロセスによって得られる。直接プロセスにより得られる生成物は適していない。
【0024】
沈降反応により、粒径分布が均一で狭く、形状が規則正しい極めて小さい粒子が得られる。一般に、沈降プロセスにより得られるステアリン酸金属塩のフレーク状形態は、例えば、5より大きいアスペクト比(長さ/直径)を有する。対照的に、直接プロセスにより得られる生成物は、幅広い分布および約1のアスペクト比(長さ/直径)を有する。
【0025】
一般に、このカルボン酸の沈降マグネシウム塩の適用される量は、塩素の量および粉末の流動特性に関する所望の値に依存する。その量は、UHMWPE最終組成物に対して、0.1と5000ppmの間に及ぶであろう。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態によれば、カルボン酸の沈降マグネシウム塩の量は、UHMWPEに対して1と2000ppmの間に及ぶ。この量が、UHMWPEに対して100と500ppmの間に及ぶことがより好ましい。
【0027】
一般に、腐食防止剤のUHMWPEへの添加は、バッチ式混合プロセスまたは連続混合プロセスにより行ってよい。
【0028】
バッチ式混合プロセスの場合、カルボン酸の沈降マグネシウム塩は、均質混合プロセスにより、得られたUHMWPE粉末に成分として直接添加してよい。その混合プロセスは、例えば、Harnby et al, Mixing in the Process Industries, second edition, 1992, pages 42-61(ISBN 0750611103)により記載されているように粉末ミキサで行ってよい。
【0029】
最終的なUHMWPE粉末組成物中のカルボン酸のマグネシウム塩の量は0.1と5000ppmの間に及ぶので、これらの非常に少量の直接添加は、最終的なUHMWPE粉末組成物中の腐食防止剤の不均質な分布をもたらし得る。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、カルボン酸のマグネシウム塩を最終的なUHMWPE粉末組成物中に均質に分布させるプロセスを提供する。酸掃去剤の量は非常に少なく、この酸掃去剤自体は自由流動性ではないので、均質な混合物を得ながら、これを連続製造流中に直接添加することは難題である。
【0031】
この難題は、カルボン酸のマグネシウム塩が、カルボン酸の沈降マグネシウム塩およびバージンUHMWPE粉末を含む自由流動性のマスターフラフ(master fluff)によって、バージンUHMWPE粉末の連続混合流中に添加されるプロセスによって解決される。
【0032】
連続混合設備の適切な例は、例えば、ボルテックス形スクリューまたはリボン状の羽根を備えた推力・乱流ミキサのタイプのものである。
【0033】
自由流動性のマスターフラフ粉末混合物が、0.1と10.0質量%の間のカルボン酸の沈降マグネシウム塩および99.9と90.0質量%の間のバージンUHMWPE粉末を含むことが好ましい。
【0034】
自由流動性のマスターフラフに使用されるバージンUHMWPE粉末は、未改質であり、どのような添加剤も含まない。
【0035】
マスターフラフは、添加剤、例えば、腐食防止剤、酸掃去剤、(UV)安定剤、酸化防止剤、滑剤、抗菌剤、着色剤、顔料、増白剤、架橋剤、充填剤、かぶり防止剤、帯電防止剤および/または難燃剤を含んでもよい。
【0036】
マスターフラフは、微小規模での塊や凝集なく、バージンUHMWPE粉末およびカルボン酸の沈降マグネシウム塩を非常に均質によく分散した混合物として含む。
【0037】
マスターフラフは、優れた安定した均質性、良好な流動性、非粘着性挙動、および取扱いと貯蔵中にクラスター形成も偏析(segregation)もないことを示す。
【0038】
自由流動性のマスターフラフをバージンUHMWPE粉末に添加すると、自由流動性のUHMWPE粉末組成物が得られる。
【0039】
カルボン酸の沈降マグネシウム塩は、最終的なUHMWPE粉末組成物中に均質に分布しており、それゆえ、全てのUHMWPE粉末はその塩により処理される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】最終的なUHMWPE粉末組成物を得るためのバージンUHMWPEへのマスターフラフの添加に関するプロセスの概略図
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、最終的なUHMWPE粉末組成物を得るためのバージンUHMWPEへのマスターフラフの添加に関するプロセスの概略図を示す。
【0042】
バージンUHMWPE粉末4は、連続重合反応装置A内で製造される。
【0043】
マスターフラフ3は、バージンUHMWPE1および沈降ステアリン酸マグネシウム2をバッチ混合設備B内で混合することによって得られる。
【0044】
連続粉末混合設備CへのバージンUHMWPE粉末4とマスターフラフ3の連続添加は、UHMWPE製造の連続プロセス中にポリマー粉末中に沈降ステアリン酸マグネシウムを均質に分布させて、UHMWPEおよびステアリン酸マグネシウムの均質に分散した混合物5を得るための効率的な方法である。
【0045】
バージンUHMWPEは、以下の特徴を有するであろう:
・ 500,000g/モル超の平均分子量
・ 50および250マイクロメートルの間の範囲にある平均粒径(D50
・ 350および600kg/m3の間の範囲にある嵩密度
【0046】
本発明による組成物は、例えば、ラム押出しによるロッド、管、棒材、およびより複雑な連続異形材の製造および圧縮成形による大型板の製造に適応できる。
【0047】
欧州特許出願公開第661340A号明細書には、少なくとも106g/モルの粘性により測定した平均分子量を有するポリエチレン成形材料であって、成形材料が、成形材料に基づいて、0.05から5.0質量%の高級モノカルボン酸の塩またはそのような塩の混合物を含有し、その塩または塩の混合物が摂氏80度と220度の間の温度で溶融し、成形材料の加工温度での塩または塩の混合物の溶融粘度が50Pa・s以下である成形材料が開示されている。その結果、その製品は、摂氏80度より高い温度での溶融物に適応されるので、室温で粉末として適用されない。欧州特許出願公開第661340A号明細書には、マスターフラフは開示されていない。欧州特許出願公開第661340A号明細書には、カルボン酸の非沈降の自由流動性ではない塩が開示されており、また欧州特許出願公開第661340A号明細書には、カルボン酸の沈降マグネシウム塩を適用することがどこにも示唆されていない。欧州特許出願公開第661340A号明細書は、厚い壁のより大型の異形材の製造における問題に向けられている。それらの表面は、しばしば横割れを示す。この問題は、多数の様々な化合物から選択される非常に特殊な滑剤の添加により解決される。これらの化合物が、UHMWPEのラム押出しにおける横割れの形成を防ぐ。高級モノカルボン酸の塩は、10から24の炭素原子を有する酸から誘導され、物品の亀裂を防ぐための加工助剤として適応される。ステアリン酸亜鉛は好ましい添加剤である。欧州特許出願公開第661340A号明細書は、腐食挙動の改善にも、色の改善にも向けられていない。
【0048】
以下の非制限的実施例によって、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0049】
以下の成分を実施例に適用した:
1. 10ppmの塩素を含むUHMWPE1;嵩密度=480kg/m3、D50=150μmおよび平均分子量は約5,000,000g/モルである
2. 30ppmの塩素を含むUHMWPE2;嵩密度=480kg/m3、D50=150μmおよび平均分子量は約5,000,000g/モルである
3. 沈降ステアリン酸マグネシウム:Ligamed MF−3−V
4. 沈降ステアリン酸カルシウム:Ligaステアリン酸カルシウムCPR5
【0050】
22.5mgのステアリン酸金属塩を、おだやかに混合することによって、45gのUHMWPE粉末に加えて、500ppmのステアリン酸金属塩を含有するマスターフラフを得た。この15gのマスターフラフに15gのUHMWPEを加えて、250ppmのステアリン酸金属塩を含有するUHMWPEの混合物を得た。
【0051】
Pico試験(Pico test)を使用して、腐食試験を行った。この試験は、少量のポリマー粉末(15g)に基づいて、鋼鉄の腐食を調査できる方法である。この試験の構成は、下部と上部に、鋼鉄製ディスク(これらの実施例において、鋼鉄52(steel 52))が搭載された金属製シリンダからなる。シリンダの上部と下部は別々に加熱される。このシリンダに1/3だけポリマー粉末を充填する。そのために、ポリマー粉末は、下部の鋼鉄製ディスクと接触している(上部の鋼鉄製ディスクとは接触していない)。下部は、ポリマー粉末の溶融温度(200℃)より高く加熱される。上部は100℃の温度に加熱され、これは、塩化水素酸の凝縮温度(117℃)より低い。この構成を使用して、ポリマー粉末中に存在する酸掃去剤の有効性を決定することができる。鋼鉄との直接の接触の効果と、蒸気の存在も調査する。ディスクは、ポリマーと蒸気に24時間に亘り曝露される。その後、ポリマー粉末を取り除き、ディスクを濯ぎ、質量損失を測定する。次いで、これを、腐食速度に対して計算する。腐食速度は、蒸気と接触した上部のディスクの質量損失に基づく。
【0052】
表Iは、組成と腐食試験の結果を要約している。
【表1】

【0053】
沈降ステアリン酸カルシウムと沈降ステアリン酸マグネシウムの使用を比較すると、表Iは、沈降ステアリン酸マグネシウムを適用した場合のほうが、腐食特性がずっと良好であることを示す。一般に、ポリマー粉末と密接に接触していた鋼鉄製ディスク(下部のディスク)には、腐食は観察できなかった。このことは、例えば、ロッド、板または棒材への転化中に、成形型は腐食しないことを意味する。
【0054】
・250ppmのステアリン酸金属塩を添加した実施例Iおよび比較例B
並びに
・500ppmのステアリン酸金属塩を添加した実施例IIおよび比較例C
を比較したときに、より低い腐食値により示されるように、10ppmの塩素の存在下で、ステアリン酸マグネシウムが、ステアリン酸カルシウムよりも効果的な酸掃去剤である。
【0055】
・250ppmのステアリン酸金属塩を添加した実施例IIIおよび比較例E
並びに
・500ppmのステアリン酸金属塩を添加した実施例IVおよび比較例F
を比較したときに、より低い腐食値により示されるように、30ppmの塩素の存在下で、沈降ステアリン酸マグネシウムが、沈降ステアリン酸カルシウムよりも効果的な酸掃去剤である。
【0056】
一般に、30ppmの塩素を含有するUHMWPEについて、より高い腐食速度が観察される(比較例BとE;実施例IとIIIおよび比較例CとFの比較)。
【0057】
表Iに示したようなUHMWPEおよび沈降ステアリン酸金属塩の組成物を使用して、循環炉内の高温でのエージング中の測色を行った。粉末を、200℃の温度で板に圧縮成形した。基準b*値(t=0日)を測定した後、板を、110℃の定温で循環炉内に垂直に配置した。色を、それぞれ、10日目、14日目および21日目に測定した。
【0058】
実験は二重に行い、表IIに示された値は、二重実験の平均値である。
【0059】
BYK−Gardner ColorView9000を使用して、b*値の測定(CIELAB(ASTM D6290−05)およびASTM E313−05)を行った。負のb*値が青色に対応するのに対し、正のb*値は黄色に対応する。ここで、製品間の比較において、低いb*値が黄色みの弱い製品を表す。
【0060】
表IIは、組成と、エージングと色試験の結果を要約している。
【表2】

【0061】
表Iおよび表IIにおける腐食と色に関する結果に関して、沈降ステアリン酸マグネシウムの添加により、色と腐食の要件の組合せに関して、最良の結果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
A 連続重合反応装置
B バッチ混合設備
C 連続混合設備
a バージンUHMWPE粉末
b 沈降ステアリン酸マグネシウム
c UHMWPEとステアリン酸マグネシウムの均質に分散した混合物
1 バージンUHMWPE粉末
2 沈降ステアリン酸マグネシウム
3 マスターフラフ
4 バージンUHMWPE粉末
5 UHMWPEとステアリン酸マグネシウムの均質に分散した混合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸の沈降マグネシウム塩を含む超高分子量ポリエチレン粉末組成物。
【請求項2】
前記カルボン酸が、1と40の間の炭素原子を有する飽和カルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の超高分子量ポリエチレン粉末組成物。
【請求項3】
前記カルボン酸の沈降マグネシウム塩が沈降ステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1または2記載の超高分子量ポリエチレン粉末組成物。
【請求項4】
カルボン酸の沈降マグネシウム塩を超高分子量ポリエチレンに添加するプロセスであって、バージンの超高分子量ポリエチレンおよびカルボン酸の沈降マグネシウム塩を含むマスターフラフを、バージンの超高分子量ポリエチレンに添加することを特徴とするプロセス。
【請求項5】
前記カルボン酸の沈降マグネシウム塩が沈降ステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項4記載のプロセス。
【請求項6】
前記マスターフラフを、連続混合設備内で超高分子量ポリエチレンに添加することを特徴とする請求項4または5記載のプロセス。
【請求項7】
ロッド、管、棒材、異形材および板への、請求項1から3いずれか1項記載の超高分子量ポリエチレンの使用および請求項4から6いずれか1項記載のプロセスにより得られる超高分子量ポリエチレンの使用。

【図1】
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【公表番号】特表2013−512972(P2013−512972A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541356(P2012−541356)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007289
【国際公開番号】WO2011/066956
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(502132128)サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション (109)
【Fターム(参考)】