足の足底面の皮膚状態を検査するシステム
【課題】本発明は、遠隔医療や家庭での自己検査のアプローチにおいて用いることのできる遠隔検査装置を提供することにより、糖尿病患者のように足の組織破壊のリスクをもつ患者の足の皮膚状態を検査する新規なアプローチに関するものである。
【解決手段】本発明は、立つこと等により圧迫された足の画像に不自然さや歪が生ずることなく患者の足の底面の高解像度画像を記録するものである。これらの画像は、患者が直ちに観察することができ、および/または電子的に組織破壊の兆候を示す画像を検査できる臨床医がいる医療機関に送り届けることができる。
【解決手段】本発明は、立つこと等により圧迫された足の画像に不自然さや歪が生ずることなく患者の足の底面の高解像度画像を記録するものである。これらの画像は、患者が直ちに観察することができ、および/または電子的に組織破壊の兆候を示す画像を検査できる臨床医がいる医療機関に送り届けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の足底面の皮膚状態を検査するシステムを提供することにより、糖尿病患者の足の検査の活用を向上させる新しいアプローチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者や他の関連する種類の疾病患者は、ただれや潰瘍、足などの四肢に影響する他の症状にしばしば悩まされている。このような患者は、足の感覚を失ったり、動きが制限されたり、視力が低下したりすることがよくあり、これらが、現行の技術を用いて患者が自身の足の足底面の皮膚の状態を観察する能力を損なわせている。潰瘍やただれなどを防ぎ早期にその存在を見つけることは、治療効果を向上させ、切除のような厳しい診療行為の必要性を減らすことを可能にする。その結果、患者の生活の質の向上と医療費の削減の両者の改善を見ることができる。
【0003】
従来、組織破壊のリスクのある人に対する足の底(足の裏)を評価するアプローチは色々な面で制限されてきた。ある知られたアプローチでは、長いハンドルの端に設けた小さな鏡(直径約3インチ)を用意し、患者がそれを用いて皮膚の損傷の兆候について足の裏を調べ、足専門医に連絡して理学的診察の予約を取る、というものがある。しかしながら、この方式では、医療機関に画像を提供しないことから、専門的検査の助けなしに評価が行われる。特に、視力に制限のある人にとっての問題(特に糖尿病の網膜症など)を考えると、そのような人は、早期で小さな組織破壊の兆候をすぐに見分けることができない。
【0004】
同様のシステムとして、柔軟なハンドルの端に取り付けたデジタルカメラを用いて皮膚の床ずれの兆候を視覚化するものがあり、これは画像を臨床医師に送って遠隔医療の評価や検査を行うことを可能にする。しかしながら、このようなシステムではいくつかの難点があり、カメラを必要とするし、画像化している間ずっと足を安定した状態に保つ必要がある。
【0005】
さらに進んだシステムとして、利用者が自分の足の足底の撮像を可能とするもので、デジタルカメラを用いて両足の足底を撮像し、その画像を自動的に臨床医師に送信して評価するものがオランダで開発されている。このシステムでは、箱の中で背景光を減らしLEDを用いて足を照らすことで安定した照明を得ている。このシステムでは、費用がかかることに加えて(それゆえ家庭用検査ツールとして広く流通するか疑わしい)、画像を取り込んでいる間に足の位置に据えた水平の棒を用いることから、この棒が足の全体像を部分的にさえぎってしまう。さらに、このシステムは患者に画像を示すものとは思われない。
【0006】
糖尿病患者のための他の種類の足の検査方式として技術的に知られているものとして、患者が立った姿勢の状態で自分の足の画像などを撮ることができるシンプルな形態のシステムがある。このようなアプローチでは、患者がガラス台の上に立てるようにして、足の足底面の画像を取り込み、当該画像を提供する。このシステムの主な難点は、足の裏の組織がガラスに対して押しつけられてしまう点にある。その結果、不自然さが生じて、皮膚のたこの組織として誤って解釈されたり、早期な皮膚の損傷の兆候(例えば紅化)を視覚的に不明瞭にしたりしてしまう可能性がある。
【0007】
従って、ユーザが立つことなく、また支持構造やプラテンに対してユーザの足を押しつけることもなく、糖尿病患者の足の検査を行うシステムを提供する技術は知られていない。また、足の足底面の圧迫により足の画像を損なうことのない検査方法を提供する技術にはさらなる課題があり、かかる圧迫の結果として不自然な結果や足底面の画像に歪が現れるような結果につながっている。さらに、遠隔医療のアプローチのために電子的に接続することができ、携帯可能で家庭での検査を可能にするシステムを提供することにもさらなる課題がある。さらには、従来技術には、画像を取り込んだユーザにリアルタイムでフィードバックすることのできるシステムを提供し、ユーザが自ら結果を見直したり、送信するに先だって治療を行う医師が最適化された画像を遠隔的に受け取れることを確実にしたりすることについても課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0097762号明細書
【特許文献2】欧州特許第1490651号明細書
【特許文献3】米国特許第7,068,379号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、上述の必要条件を満たす装置を提供する技術には問題がみられる。本発明によれば、患者や当該患者を診察する医師にとっての前述した必要条件や、遮るものがなく不自然な結果のない足の画像を提供するに当たっての従来技術におけるニーズに合致する装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本提案に係る発明は、糖尿病患者や、ただれや潰瘍、足など四肢に影響のある疾病の症状に悩まされる他の患者の治療を改善する新規なアプローチに関するものである。この目的を達成するため、本発明は、以下に関する有益な進歩を提供する:(1)足の足底面を圧迫することにより当該足の画像を損なうことのない検査方法を提供し、そのような圧迫の結果として足底面の画像に不自然な結果や他のひずみが生じることを回避する、(2)遠隔医療のアプローチのために電子的に接続することができ、携帯可能で家庭での検査を可能とする検査方法を提供する、(3)画像を取り込むユーザへのリアルタイムなフィードバックを可能とし、ユーザ自身が結果をレビューすることを可能にするとともに、最適化された画像の送信前に治療を行う医師が遠隔的に当該画像を受信することのできる検査方法を提供する。この目的を達成するため、本発明は、従来技術における前述または他の固有の不利な点を克服する。本発明の他の目的及び有利な点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明により容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムのオフセット立面図である。
【図1B】図1Bは、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムと該システムに備えた光学モニタインタフェースのオフセット立面図である。
【図2】図2は、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステム、該システムに備えた任意的モニタインタフェース及び着席姿勢のユーザが該システムを使用中の様子を説明するオフセット立面図である。
【図3】図3は、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムと、コンピュータ及び該コンピュータに接続されたモニタなどのような電子的表示補助デバイスとにより、前述した図1B及び図2に示す任意的モニタインタフェースを不要とし、着座姿勢のユーザが該システムを使用中の様子を説明するオフセット立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の創作的趣旨は、遠隔検査装置の提供を通じて足の組織破壊のリスクのある患者(例えば糖尿病を患っている人)の足の皮膚状態を検査する手段を提供することにある。その遠隔検査装置は、遠隔治療や家庭での自己監視のアプローチにおいて用いることができ、患者の足の予防的監視及び検査を支援する解決策を提供することができる。加えて、当該装置は、足の皮膚損傷のリスクのある患者全てに対して合理的な方法で当該装置を提供することを容易にするため、十分な低価格で設計される。本発明は、家庭にて操作され、高解像度で患者の足の裏を記録する。
【0013】
これらの画像は、ただちに患者により観察することができ、及び/または電子的に医療施設に送って、臨床医師が組織破壊の兆候となる画像を検査することができる。この装置を用いた予防的検査を頻繁に行うことで、組織破壊を早期に発見する割合を向上させることができ、場合によっては治療成果をも向上させることができ、切断のような重い診療行為の発生を全体的に減らすことができる。
【0014】
広義のレベルいえば、本発明は、足の足底面の皮膚状態を検査するシステムであって、前方部、後方部、左側部、右側部、上部、および底部を有する支持フレーム部と、前記支持フレーム部の前記上部から上方に伸びるように前記支持フレーム部に設けられた下肢支持構造体と、前記支持フレーム部の前記後方部に隣接する位置で前記支持フレーム部に設けられ、画像取得装置を受けて安定して保持する保持枠組部を有する画像取得装置インタフェースと、を具備している。
【0015】
ある具体的な実施形態では、前記支持フレーム部をもつ足の足底面の皮膚状態を検査するシステムは、(i)前記支持フレーム部を地面から実質的に安定して持ち上げる高さ支持枠組部として、前記支持フレーム部の前記前方部にて前記支持フレーム部にちょうつがい運動可能に配設された固定式または折り畳み式高さスタンド、(ii)実質的に平行な二つの脚安定化バンドを有する下肢支持構造体、(iii)画像取得装置を受けて安定して保持することで該画像取得装置を収容する保持枠組部、前記画像取得装置としては、カメラ、カメラ機能を有するスマートフォン、カメラ機能を有するPDA、およびカメラ機能を有するタブレットのグループ(群)から選択することができる、(iv)前記支持フレーム部は、少なくともその一部が、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバーおよびプラスチックの群から選択される軽量材料の少なくとも一種により形成され、(v)向きをつけた照明源および前記画像取得装置を起動させるリモート起動装置、および/または、(vi)すぐに利用する利用者が前記画像取得装置によって取得された画像をリアルタイムに観察するため、前記画像取得装置に電子的に接続されたモニタインタフェースであって、前記モニタインタフェースは、一つの可能な実施形態では、独立した状態または代替的に、前記支持フレーム部に設けられ、すぐに利用する利用者により前記画像取得装置によって取得された画像をリアルタイムに観察するため、外側に突き出されるように伸びている。
【0016】
この目的を達成するため、足の足底面の皮膚状態を検査する本発明のシステムは、さらなる特徴を有している。すなわち、患者にとって、従来の検査システムと比べて、持ち運びができ、家庭にセッティングして容易に用いることができ、例えばラップトップ、iPad(登録商標)、タブレットPC、PDA、スマートフォン、携帯電話など多くの知られた電子装置と接続することができるという有利な点がある。このようなシステムは、臨床現場における物理的事情を要求しない利点があり、現行の検査目的での患者自らが訪問することを抑えることができる。この目的を達成するため、本発明は、前述および他の従来技術に固有の不都合な点を克服する。
【0017】
一つの実施形態は、認められた遠隔治療システムの一構成要素となるものであり、足専門医または他の医師により、とりわけ足の皮膚の問題についてリスクのある患者に対して処方される。この種のシステムは、特定の患者へのニーズを監視すべく中央プラットフォームと周辺機器を含んでおり、この実施形態はこのような一以上の遠隔治療プラットフォームのための周辺機器となる。
【0018】
異なる実施形態は、スタンドアロンの自己検査ツールとしての例である。これは、安価バージョンであり、向きをつけた照明用LEDを備えた簡単なデジタルカメラと、遠隔起動装置およびデジタル画像フレームに用いられるようなベーシックディスプレイとを用いて設計することができる。ユーザがシステムを作動させて画像を撮影すると、備えられたハードウェアに直ちに表示される。この改良および他の実施形態では、例えばiPad(登録商標)や他の電子機器の内蔵カメラ機能を用いて臨床医との同時ビデオ会議を可能にする。他の改良として、前述の二つの実施形態の領域をカバーすることができる。例えば、本発明に係るシステムは、インターネットを介して独自に送信可能な専用のハードウェアプラットフォームを包括するように意図してもよいし、特定の遠隔治療プラットフォームの利用を要求することなく携帯電話データプランや無線インターネットが遠隔治療機能を提供してもよい。
【0019】
他の実施形態は、イメージングデバイスおよび送信手段の両者としてのユニットを利用するため、高度なモバイルフォンのインタフェース手段の提供を意図してもよい。足の視覚化の代替アプローチとしては、画像をユーザのコンピュータに送り、より大きなモニタを用いてより大きな画像を表示することを可能にするものがある。リアルタイムストリーミング画像の利用は、ユーザが問題となる凹凸をよりよく視覚化するため足の位置を変えることを可能にする。
【0020】
さらにもう一つの代替の実施形態では、複数の画像取得装置(例えばカメラ、ビデオカメラ、ウェブカム)を提供し、近い距離から足に焦点を合わせることで低い解像度のカメラの利用を可能とし、費用を著しく高くすることなく全体的に高い解像度を効果的に得ることができる。ユーザは、それぞれの足の複数の画像を切り替えたり、当該複数の画像を一つの複合画像に切り替えたりして、一つの画面で両足の視覚化を実現することができる。タブレットハードウェアプラットフォーム(例えば前述のiPad(登録商標))を利用することで、容易にズームを実現することができ、とりわけ弱視の人にとって有用である。代替案として、電子的に接続されたモニタのタッチスクリーンに大きくシンプルなボタンを表示させ、同様に動作させることもできる。
【0021】
図1Aおよび図1Bおよび後述する図に示すように、本発明の構成要素それぞれは、以下により詳細かつ具体的に議論される。上記を提供するにあたり、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステム10は、支持フレーム部12と下肢支持構造体24により構成され、下肢支持構造体24はユーザの脚および足を支持する。支持フレーム部12は、前記支持フレーム部を実質的に地面から安定して持ち上げる高さ支持枠組部14および16を備えてもよい。
【0022】
高さ支持枠組部14および16は、固定式の高さスタンド(図示しないが、固定した脚または壁から構成されてもよい)としてもよいし、または図に示すように支持フレーム部12の前方部において支持フレーム部12にちょうつがい運動可能に取り付けられた(18)折り畳み式の高さスタンドとすることもできる点に留意する。どちらの場合でも、支持フレーム部12のように、少なくとも一部分が、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバー、および高強度プラスチックの群から選ばれる軽量材料の少なくとも一つにより形成することができる。
【0023】
下肢支持構造体24は、ユーザの下肢を支持フレーム部12の上に持ち上げるため、概ね上方に向けて伸びるように支持フレーム部12上に設けられてもよい。図に示すように、下肢支持構造体24は、実質的に平行な二つの脚安定化バンドを備えてもよいが、理解されるように、全体的に的確な安定化が図られている限り、代替構造によっても同様の結果を得ることができる。それにより、足のあらゆる画像がユーザの動きによって不鮮明になることがない。
【0024】
しかし、ある実施形態では、平行な脚安定化バンドがユーザの足のくるぶし付近を支持する。なぜなら、(ふくらはぎの範囲というよりは)足のくるぶし付近の支持によりユーザの足の足底から遠い位置に画像取得装置20を据えることとなり、いくつかの実施形態では写真やビデオを撮るためにより適切で安定した配置を提供することができるからである。下肢支持構造体24は、下肢だけでなく着座したユーザの支持フレーム部12上の足をも十分に支持し持ち上げるために重要である(着座ポジションでの使用は図2および3により概ね図示されている)。このような特徴は、従来のシステム、すなわち、足底面がプラテンや他の支持構造体上に押しつけられて画像が不自然になったり他のひずみが生じたりした足から画像を取得するシステムに共通する欠点を回避するために重要である。
【0025】
下肢支持24の反対側は、画像取得装置20であり、通常は前述したカメラまたはカメラ機能をもつデバイスのようなデジタル画像装置である。下肢支持構造体24は、位置決めされたユーザの足の足底面の画像を得るために用いられる。そのため、協調的に備えつける場合、ユーザの足の支持位置から下肢支持構造体24の距離が、必然的に当該不自然さや他のひずみを避けるのであり、さもなければ圧迫の結果として当該不自然さや歪が足底面の画像に現れてしまう。そのため、画像取得装置20を受け止め、安定して(好ましくは持ち上げて)保持するため、保持枠組部22が設けられる。
【0026】
この目的を達成するため、保持枠組部22は、カメラ、ビデオカメラ、ウェブカム、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたスマートフォン、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたPDA、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたタブレットのような、取りうる様々な種類の画像取得装置20を収容する能力を提供しなければならない。従って、この構造は、理想的には骨組みまたは溝付き保持構造(図示せず)をもち、容易にユーザがカメラ、スマートフォンなどを当該枠組にスライドさせまたは取り付けることで容易に収容可能とすべきである。
【0027】
一つの実施形態では、向きをつけた照明源(図示せず)と、画像取得装置を起動する遠隔起動装置(同じく図示せず)を備えてもよい。照明は、周囲を取り巻くライトにより提供され、方向性のあるLED(あるいは他の照明源)により補完されてもよい。本発明の代替の実施形態では、画像取得装置20により取得された画像は、有線式やUSBポート経由、Bluetooth(登録商標)や他の無線プロトコルを介したワイヤレス方式で、モニタインタフェース28に伝送される。
【0028】
モニタインタフェース28は、画像取得装置と電子的に接続されており、画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察することを可能にする。図3に示され、具体的には図1Aに示されるように、モニタインタフェース28は、独立して据え付けられてもよいし、どんな表示装置を備えてもよい。コンピュータや、スマートテレビのスクリーン、PDA,iPad(登録商標)など、ネイティブなソフトウェアがある限り、ユーザが容易に表示スクリーン上で自己の足を観察することを可能にする。こうした装置は、有線または無線接続により画像取得装置20と接続されている。
【0029】
あるいは、モニタインタフェース28は、状況に応じて任意のモニタインタフェース支持部26により、外向きに突き出るように延長して支持フレーム部12に付加されてもよい(図1Bに示すとともに図2に使用の状態を示す)。モニタインタフェース28は、どんな表示装置を備えてもよく、コンピュータやスマートテレビのスクリーン、PDA、iPad(登録商標)など、ネイティブなソフトウェアがある限り、ユーザが容易に表示スクリーン上で自己の足を観察することを可能にする。
【0030】
こうした改良版の提供により、ユーザは自己検査処置を開始することができ、必要であれば、画像を再取得する機能を与えて質の良い画像のみを送ることができ、さらには、患者やユーザが医療機関にどの画像を送るか常に選ぶことが可能になる。このため、モニタインタフェース28を提供するアプローチは、画像取得装置20により取得されたあらゆる画像を、足元にシステムを置いた患者のようにすぐに利用するユーザが直ちに観察することを可能にする。
【0031】
一旦選ばれると、前述のあらゆるデバイスでのネイティブなソフトウェアは、インターネットや携帯電話網を介した安全な方法により、ユーザが対象となる画像を自分の医師に送って医師の判断を仰ぐことを可能にする。これにより、画像に異常が現れた場合に、ユーザは医療機関にコンタクトを取って適切な臨床ケアを受けることが可能になる。従って、この装置は、検査ツールとして、臨床医による患者の足の検査の必要性を知らせるものであり、その結果、患者に対して医療機関へ直接赴くように促すことになり、臨床医が厳しい処置を必要とする前にただれを解決することができるようになる。
【0032】
本装置は、例えば米国特許出願公開第2005/0097762号明細書「糖尿病患者の足の検査装置およびその検査方法」、欧州特許第1490651号明細書「小型光学的輪郭デジタイザ」、および、米国特許第7,068,379号明細書「小型光学的輪郭デジタイザ」に概略されるような他のアプローチを含むものであり、これらの文献全体は参考文献としてここに組み込まれる。
【0033】
ここで説明される本発明は、様々な方法で変形することができるのは明らかである。こうした変形は、本発明の精神と範囲から逸脱するとみなされるものではなく、このような全ての改良は、本特許請求の範囲に包含されることを意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の足底面の皮膚状態を検査するシステムを提供することにより、糖尿病患者の足の検査の活用を向上させる新しいアプローチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者や他の関連する種類の疾病患者は、ただれや潰瘍、足などの四肢に影響する他の症状にしばしば悩まされている。このような患者は、足の感覚を失ったり、動きが制限されたり、視力が低下したりすることがよくあり、これらが、現行の技術を用いて患者が自身の足の足底面の皮膚の状態を観察する能力を損なわせている。潰瘍やただれなどを防ぎ早期にその存在を見つけることは、治療効果を向上させ、切除のような厳しい診療行為の必要性を減らすことを可能にする。その結果、患者の生活の質の向上と医療費の削減の両者の改善を見ることができる。
【0003】
従来、組織破壊のリスクのある人に対する足の底(足の裏)を評価するアプローチは色々な面で制限されてきた。ある知られたアプローチでは、長いハンドルの端に設けた小さな鏡(直径約3インチ)を用意し、患者がそれを用いて皮膚の損傷の兆候について足の裏を調べ、足専門医に連絡して理学的診察の予約を取る、というものがある。しかしながら、この方式では、医療機関に画像を提供しないことから、専門的検査の助けなしに評価が行われる。特に、視力に制限のある人にとっての問題(特に糖尿病の網膜症など)を考えると、そのような人は、早期で小さな組織破壊の兆候をすぐに見分けることができない。
【0004】
同様のシステムとして、柔軟なハンドルの端に取り付けたデジタルカメラを用いて皮膚の床ずれの兆候を視覚化するものがあり、これは画像を臨床医師に送って遠隔医療の評価や検査を行うことを可能にする。しかしながら、このようなシステムではいくつかの難点があり、カメラを必要とするし、画像化している間ずっと足を安定した状態に保つ必要がある。
【0005】
さらに進んだシステムとして、利用者が自分の足の足底の撮像を可能とするもので、デジタルカメラを用いて両足の足底を撮像し、その画像を自動的に臨床医師に送信して評価するものがオランダで開発されている。このシステムでは、箱の中で背景光を減らしLEDを用いて足を照らすことで安定した照明を得ている。このシステムでは、費用がかかることに加えて(それゆえ家庭用検査ツールとして広く流通するか疑わしい)、画像を取り込んでいる間に足の位置に据えた水平の棒を用いることから、この棒が足の全体像を部分的にさえぎってしまう。さらに、このシステムは患者に画像を示すものとは思われない。
【0006】
糖尿病患者のための他の種類の足の検査方式として技術的に知られているものとして、患者が立った姿勢の状態で自分の足の画像などを撮ることができるシンプルな形態のシステムがある。このようなアプローチでは、患者がガラス台の上に立てるようにして、足の足底面の画像を取り込み、当該画像を提供する。このシステムの主な難点は、足の裏の組織がガラスに対して押しつけられてしまう点にある。その結果、不自然さが生じて、皮膚のたこの組織として誤って解釈されたり、早期な皮膚の損傷の兆候(例えば紅化)を視覚的に不明瞭にしたりしてしまう可能性がある。
【0007】
従って、ユーザが立つことなく、また支持構造やプラテンに対してユーザの足を押しつけることもなく、糖尿病患者の足の検査を行うシステムを提供する技術は知られていない。また、足の足底面の圧迫により足の画像を損なうことのない検査方法を提供する技術にはさらなる課題があり、かかる圧迫の結果として不自然な結果や足底面の画像に歪が現れるような結果につながっている。さらに、遠隔医療のアプローチのために電子的に接続することができ、携帯可能で家庭での検査を可能にするシステムを提供することにもさらなる課題がある。さらには、従来技術には、画像を取り込んだユーザにリアルタイムでフィードバックすることのできるシステムを提供し、ユーザが自ら結果を見直したり、送信するに先だって治療を行う医師が最適化された画像を遠隔的に受け取れることを確実にしたりすることについても課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0097762号明細書
【特許文献2】欧州特許第1490651号明細書
【特許文献3】米国特許第7,068,379号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、上述の必要条件を満たす装置を提供する技術には問題がみられる。本発明によれば、患者や当該患者を診察する医師にとっての前述した必要条件や、遮るものがなく不自然な結果のない足の画像を提供するに当たっての従来技術におけるニーズに合致する装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本提案に係る発明は、糖尿病患者や、ただれや潰瘍、足など四肢に影響のある疾病の症状に悩まされる他の患者の治療を改善する新規なアプローチに関するものである。この目的を達成するため、本発明は、以下に関する有益な進歩を提供する:(1)足の足底面を圧迫することにより当該足の画像を損なうことのない検査方法を提供し、そのような圧迫の結果として足底面の画像に不自然な結果や他のひずみが生じることを回避する、(2)遠隔医療のアプローチのために電子的に接続することができ、携帯可能で家庭での検査を可能とする検査方法を提供する、(3)画像を取り込むユーザへのリアルタイムなフィードバックを可能とし、ユーザ自身が結果をレビューすることを可能にするとともに、最適化された画像の送信前に治療を行う医師が遠隔的に当該画像を受信することのできる検査方法を提供する。この目的を達成するため、本発明は、従来技術における前述または他の固有の不利な点を克服する。本発明の他の目的及び有利な点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明により容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムのオフセット立面図である。
【図1B】図1Bは、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムと該システムに備えた光学モニタインタフェースのオフセット立面図である。
【図2】図2は、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステム、該システムに備えた任意的モニタインタフェース及び着席姿勢のユーザが該システムを使用中の様子を説明するオフセット立面図である。
【図3】図3は、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステムと、コンピュータ及び該コンピュータに接続されたモニタなどのような電子的表示補助デバイスとにより、前述した図1B及び図2に示す任意的モニタインタフェースを不要とし、着座姿勢のユーザが該システムを使用中の様子を説明するオフセット立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の創作的趣旨は、遠隔検査装置の提供を通じて足の組織破壊のリスクのある患者(例えば糖尿病を患っている人)の足の皮膚状態を検査する手段を提供することにある。その遠隔検査装置は、遠隔治療や家庭での自己監視のアプローチにおいて用いることができ、患者の足の予防的監視及び検査を支援する解決策を提供することができる。加えて、当該装置は、足の皮膚損傷のリスクのある患者全てに対して合理的な方法で当該装置を提供することを容易にするため、十分な低価格で設計される。本発明は、家庭にて操作され、高解像度で患者の足の裏を記録する。
【0013】
これらの画像は、ただちに患者により観察することができ、及び/または電子的に医療施設に送って、臨床医師が組織破壊の兆候となる画像を検査することができる。この装置を用いた予防的検査を頻繁に行うことで、組織破壊を早期に発見する割合を向上させることができ、場合によっては治療成果をも向上させることができ、切断のような重い診療行為の発生を全体的に減らすことができる。
【0014】
広義のレベルいえば、本発明は、足の足底面の皮膚状態を検査するシステムであって、前方部、後方部、左側部、右側部、上部、および底部を有する支持フレーム部と、前記支持フレーム部の前記上部から上方に伸びるように前記支持フレーム部に設けられた下肢支持構造体と、前記支持フレーム部の前記後方部に隣接する位置で前記支持フレーム部に設けられ、画像取得装置を受けて安定して保持する保持枠組部を有する画像取得装置インタフェースと、を具備している。
【0015】
ある具体的な実施形態では、前記支持フレーム部をもつ足の足底面の皮膚状態を検査するシステムは、(i)前記支持フレーム部を地面から実質的に安定して持ち上げる高さ支持枠組部として、前記支持フレーム部の前記前方部にて前記支持フレーム部にちょうつがい運動可能に配設された固定式または折り畳み式高さスタンド、(ii)実質的に平行な二つの脚安定化バンドを有する下肢支持構造体、(iii)画像取得装置を受けて安定して保持することで該画像取得装置を収容する保持枠組部、前記画像取得装置としては、カメラ、カメラ機能を有するスマートフォン、カメラ機能を有するPDA、およびカメラ機能を有するタブレットのグループ(群)から選択することができる、(iv)前記支持フレーム部は、少なくともその一部が、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバーおよびプラスチックの群から選択される軽量材料の少なくとも一種により形成され、(v)向きをつけた照明源および前記画像取得装置を起動させるリモート起動装置、および/または、(vi)すぐに利用する利用者が前記画像取得装置によって取得された画像をリアルタイムに観察するため、前記画像取得装置に電子的に接続されたモニタインタフェースであって、前記モニタインタフェースは、一つの可能な実施形態では、独立した状態または代替的に、前記支持フレーム部に設けられ、すぐに利用する利用者により前記画像取得装置によって取得された画像をリアルタイムに観察するため、外側に突き出されるように伸びている。
【0016】
この目的を達成するため、足の足底面の皮膚状態を検査する本発明のシステムは、さらなる特徴を有している。すなわち、患者にとって、従来の検査システムと比べて、持ち運びができ、家庭にセッティングして容易に用いることができ、例えばラップトップ、iPad(登録商標)、タブレットPC、PDA、スマートフォン、携帯電話など多くの知られた電子装置と接続することができるという有利な点がある。このようなシステムは、臨床現場における物理的事情を要求しない利点があり、現行の検査目的での患者自らが訪問することを抑えることができる。この目的を達成するため、本発明は、前述および他の従来技術に固有の不都合な点を克服する。
【0017】
一つの実施形態は、認められた遠隔治療システムの一構成要素となるものであり、足専門医または他の医師により、とりわけ足の皮膚の問題についてリスクのある患者に対して処方される。この種のシステムは、特定の患者へのニーズを監視すべく中央プラットフォームと周辺機器を含んでおり、この実施形態はこのような一以上の遠隔治療プラットフォームのための周辺機器となる。
【0018】
異なる実施形態は、スタンドアロンの自己検査ツールとしての例である。これは、安価バージョンであり、向きをつけた照明用LEDを備えた簡単なデジタルカメラと、遠隔起動装置およびデジタル画像フレームに用いられるようなベーシックディスプレイとを用いて設計することができる。ユーザがシステムを作動させて画像を撮影すると、備えられたハードウェアに直ちに表示される。この改良および他の実施形態では、例えばiPad(登録商標)や他の電子機器の内蔵カメラ機能を用いて臨床医との同時ビデオ会議を可能にする。他の改良として、前述の二つの実施形態の領域をカバーすることができる。例えば、本発明に係るシステムは、インターネットを介して独自に送信可能な専用のハードウェアプラットフォームを包括するように意図してもよいし、特定の遠隔治療プラットフォームの利用を要求することなく携帯電話データプランや無線インターネットが遠隔治療機能を提供してもよい。
【0019】
他の実施形態は、イメージングデバイスおよび送信手段の両者としてのユニットを利用するため、高度なモバイルフォンのインタフェース手段の提供を意図してもよい。足の視覚化の代替アプローチとしては、画像をユーザのコンピュータに送り、より大きなモニタを用いてより大きな画像を表示することを可能にするものがある。リアルタイムストリーミング画像の利用は、ユーザが問題となる凹凸をよりよく視覚化するため足の位置を変えることを可能にする。
【0020】
さらにもう一つの代替の実施形態では、複数の画像取得装置(例えばカメラ、ビデオカメラ、ウェブカム)を提供し、近い距離から足に焦点を合わせることで低い解像度のカメラの利用を可能とし、費用を著しく高くすることなく全体的に高い解像度を効果的に得ることができる。ユーザは、それぞれの足の複数の画像を切り替えたり、当該複数の画像を一つの複合画像に切り替えたりして、一つの画面で両足の視覚化を実現することができる。タブレットハードウェアプラットフォーム(例えば前述のiPad(登録商標))を利用することで、容易にズームを実現することができ、とりわけ弱視の人にとって有用である。代替案として、電子的に接続されたモニタのタッチスクリーンに大きくシンプルなボタンを表示させ、同様に動作させることもできる。
【0021】
図1Aおよび図1Bおよび後述する図に示すように、本発明の構成要素それぞれは、以下により詳細かつ具体的に議論される。上記を提供するにあたり、本発明に係る足の足底面の皮膚状態を検査するシステム10は、支持フレーム部12と下肢支持構造体24により構成され、下肢支持構造体24はユーザの脚および足を支持する。支持フレーム部12は、前記支持フレーム部を実質的に地面から安定して持ち上げる高さ支持枠組部14および16を備えてもよい。
【0022】
高さ支持枠組部14および16は、固定式の高さスタンド(図示しないが、固定した脚または壁から構成されてもよい)としてもよいし、または図に示すように支持フレーム部12の前方部において支持フレーム部12にちょうつがい運動可能に取り付けられた(18)折り畳み式の高さスタンドとすることもできる点に留意する。どちらの場合でも、支持フレーム部12のように、少なくとも一部分が、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバー、および高強度プラスチックの群から選ばれる軽量材料の少なくとも一つにより形成することができる。
【0023】
下肢支持構造体24は、ユーザの下肢を支持フレーム部12の上に持ち上げるため、概ね上方に向けて伸びるように支持フレーム部12上に設けられてもよい。図に示すように、下肢支持構造体24は、実質的に平行な二つの脚安定化バンドを備えてもよいが、理解されるように、全体的に的確な安定化が図られている限り、代替構造によっても同様の結果を得ることができる。それにより、足のあらゆる画像がユーザの動きによって不鮮明になることがない。
【0024】
しかし、ある実施形態では、平行な脚安定化バンドがユーザの足のくるぶし付近を支持する。なぜなら、(ふくらはぎの範囲というよりは)足のくるぶし付近の支持によりユーザの足の足底から遠い位置に画像取得装置20を据えることとなり、いくつかの実施形態では写真やビデオを撮るためにより適切で安定した配置を提供することができるからである。下肢支持構造体24は、下肢だけでなく着座したユーザの支持フレーム部12上の足をも十分に支持し持ち上げるために重要である(着座ポジションでの使用は図2および3により概ね図示されている)。このような特徴は、従来のシステム、すなわち、足底面がプラテンや他の支持構造体上に押しつけられて画像が不自然になったり他のひずみが生じたりした足から画像を取得するシステムに共通する欠点を回避するために重要である。
【0025】
下肢支持24の反対側は、画像取得装置20であり、通常は前述したカメラまたはカメラ機能をもつデバイスのようなデジタル画像装置である。下肢支持構造体24は、位置決めされたユーザの足の足底面の画像を得るために用いられる。そのため、協調的に備えつける場合、ユーザの足の支持位置から下肢支持構造体24の距離が、必然的に当該不自然さや他のひずみを避けるのであり、さもなければ圧迫の結果として当該不自然さや歪が足底面の画像に現れてしまう。そのため、画像取得装置20を受け止め、安定して(好ましくは持ち上げて)保持するため、保持枠組部22が設けられる。
【0026】
この目的を達成するため、保持枠組部22は、カメラ、ビデオカメラ、ウェブカム、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたスマートフォン、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたPDA、ビデオおよび/またはカメラ機能の付いたタブレットのような、取りうる様々な種類の画像取得装置20を収容する能力を提供しなければならない。従って、この構造は、理想的には骨組みまたは溝付き保持構造(図示せず)をもち、容易にユーザがカメラ、スマートフォンなどを当該枠組にスライドさせまたは取り付けることで容易に収容可能とすべきである。
【0027】
一つの実施形態では、向きをつけた照明源(図示せず)と、画像取得装置を起動する遠隔起動装置(同じく図示せず)を備えてもよい。照明は、周囲を取り巻くライトにより提供され、方向性のあるLED(あるいは他の照明源)により補完されてもよい。本発明の代替の実施形態では、画像取得装置20により取得された画像は、有線式やUSBポート経由、Bluetooth(登録商標)や他の無線プロトコルを介したワイヤレス方式で、モニタインタフェース28に伝送される。
【0028】
モニタインタフェース28は、画像取得装置と電子的に接続されており、画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察することを可能にする。図3に示され、具体的には図1Aに示されるように、モニタインタフェース28は、独立して据え付けられてもよいし、どんな表示装置を備えてもよい。コンピュータや、スマートテレビのスクリーン、PDA,iPad(登録商標)など、ネイティブなソフトウェアがある限り、ユーザが容易に表示スクリーン上で自己の足を観察することを可能にする。こうした装置は、有線または無線接続により画像取得装置20と接続されている。
【0029】
あるいは、モニタインタフェース28は、状況に応じて任意のモニタインタフェース支持部26により、外向きに突き出るように延長して支持フレーム部12に付加されてもよい(図1Bに示すとともに図2に使用の状態を示す)。モニタインタフェース28は、どんな表示装置を備えてもよく、コンピュータやスマートテレビのスクリーン、PDA、iPad(登録商標)など、ネイティブなソフトウェアがある限り、ユーザが容易に表示スクリーン上で自己の足を観察することを可能にする。
【0030】
こうした改良版の提供により、ユーザは自己検査処置を開始することができ、必要であれば、画像を再取得する機能を与えて質の良い画像のみを送ることができ、さらには、患者やユーザが医療機関にどの画像を送るか常に選ぶことが可能になる。このため、モニタインタフェース28を提供するアプローチは、画像取得装置20により取得されたあらゆる画像を、足元にシステムを置いた患者のようにすぐに利用するユーザが直ちに観察することを可能にする。
【0031】
一旦選ばれると、前述のあらゆるデバイスでのネイティブなソフトウェアは、インターネットや携帯電話網を介した安全な方法により、ユーザが対象となる画像を自分の医師に送って医師の判断を仰ぐことを可能にする。これにより、画像に異常が現れた場合に、ユーザは医療機関にコンタクトを取って適切な臨床ケアを受けることが可能になる。従って、この装置は、検査ツールとして、臨床医による患者の足の検査の必要性を知らせるものであり、その結果、患者に対して医療機関へ直接赴くように促すことになり、臨床医が厳しい処置を必要とする前にただれを解決することができるようになる。
【0032】
本装置は、例えば米国特許出願公開第2005/0097762号明細書「糖尿病患者の足の検査装置およびその検査方法」、欧州特許第1490651号明細書「小型光学的輪郭デジタイザ」、および、米国特許第7,068,379号明細書「小型光学的輪郭デジタイザ」に概略されるような他のアプローチを含むものであり、これらの文献全体は参考文献としてここに組み込まれる。
【0033】
ここで説明される本発明は、様々な方法で変形することができるのは明らかである。こうした変形は、本発明の精神と範囲から逸脱するとみなされるものではなく、このような全ての改良は、本特許請求の範囲に包含されることを意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方部、後方部、左側部、右側部、上部および底部を有する支持フレーム部と、
前記支持フレーム部の前記上部から上方へ伸びるように前記支持フレーム部に配設された下肢支持構造体と、
前記支持フレーム部の前記後方部に隣接した位置の前記支持フレーム部に配設され、情報取得装置を受けて安定的に保持する保持枠組部を有し、該情報取得装置を前記下肢支持構造体から離間して配置させて不自然さや歪のない画像を取得する情報取得装置インタフェースと
を具備する足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項2】
前記支持フレーム部は、前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる高さ支持枠組部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項3】
前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる前記高さ支持枠組部は、固定式高さスタンドまたは折り畳み式高さスタンドのいずれかを含む群から選択されることを特徴とする請求項2記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項4】
前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる前記高さ支持枠組部は、前記支持フレーム部の前記前方部で前記支持フレーム部にちょうつがい運動可能に設けられた折り畳み式高さスタンドを具備することを特徴とする請求項3記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項5】
前記下肢支持構造体は、実質的に平行な二つの脚安定化バンドを具備することを特徴とする請求項4記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項6】
前記保持枠組部は、画像取得装置を受けて安定的に保持することで該画像取得装置を収容し、前記画像取得装置は、カメラ、ビデオカメラ、ビデオ/カメラ機能をもつスマートフォン、ビデオ/カメラ機能をもつPDAおよびビデオ/カメラ機能をもつタブレットの群から選ばれることを特徴とする請求項5記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項7】
前記支持フレーム部は、少なくとも部分的に、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバーおよびプラスチックの群から選ばれる少なくとも一つの軽量材料からなることを特徴とする請求項6記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項8】
向きをつけた照明源と前記画像取得装置を起動する遠隔起動装置をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項9】
前記画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察するため、電子的に前記画像取得装置に接続されたモニタインタフェースをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項10】
前記モニタインタフェースは、前記支持フレーム部に配設されて該支持フレーム部から外向きに突き出るように伸びて形成され、前記画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察するため、電子的に前記画像取得装置に接続されることを特徴とする請求項8記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項1】
前方部、後方部、左側部、右側部、上部および底部を有する支持フレーム部と、
前記支持フレーム部の前記上部から上方へ伸びるように前記支持フレーム部に配設された下肢支持構造体と、
前記支持フレーム部の前記後方部に隣接した位置の前記支持フレーム部に配設され、情報取得装置を受けて安定的に保持する保持枠組部を有し、該情報取得装置を前記下肢支持構造体から離間して配置させて不自然さや歪のない画像を取得する情報取得装置インタフェースと
を具備する足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項2】
前記支持フレーム部は、前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる高さ支持枠組部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項3】
前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる前記高さ支持枠組部は、固定式高さスタンドまたは折り畳み式高さスタンドのいずれかを含む群から選択されることを特徴とする請求項2記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項4】
前記支持フレーム部を実質的に安定して地面から持ち上げる前記高さ支持枠組部は、前記支持フレーム部の前記前方部で前記支持フレーム部にちょうつがい運動可能に設けられた折り畳み式高さスタンドを具備することを特徴とする請求項3記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項5】
前記下肢支持構造体は、実質的に平行な二つの脚安定化バンドを具備することを特徴とする請求項4記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項6】
前記保持枠組部は、画像取得装置を受けて安定的に保持することで該画像取得装置を収容し、前記画像取得装置は、カメラ、ビデオカメラ、ビデオ/カメラ機能をもつスマートフォン、ビデオ/カメラ機能をもつPDAおよびビデオ/カメラ機能をもつタブレットの群から選ばれることを特徴とする請求項5記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項7】
前記支持フレーム部は、少なくとも部分的に、アルミニウム、チタニウム、グラスファイバーおよびプラスチックの群から選ばれる少なくとも一つの軽量材料からなることを特徴とする請求項6記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項8】
向きをつけた照明源と前記画像取得装置を起動する遠隔起動装置をさらに具備することを特徴とする請求項7記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項9】
前記画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察するため、電子的に前記画像取得装置に接続されたモニタインタフェースをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【請求項10】
前記モニタインタフェースは、前記支持フレーム部に配設されて該支持フレーム部から外向きに突き出るように伸びて形成され、前記画像取得装置により取得された画像をすぐに利用するユーザがリアルタイムに観察するため、電子的に前記画像取得装置に接続されることを特徴とする請求項8記載の足の足底面の皮膚状態を検査するシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図1B】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−90928(P2013−90928A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−233874(P2012−233874)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【出願人】(512273543)
【氏名又は名称原語表記】The United States Government, as represented by the Department of Veterans Affairs
【住所又は居所原語表記】Office of General Counsel, Professional Staff Group IV (024), 810 Vermont Avenue, N.W., Washington, D.C. 20420
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233874(P2012−233874)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【出願人】(512273543)
【氏名又は名称原語表記】The United States Government, as represented by the Department of Veterans Affairs
【住所又は居所原語表記】Office of General Counsel, Professional Staff Group IV (024), 810 Vermont Avenue, N.W., Washington, D.C. 20420
【Fターム(参考)】
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