説明

足元操作型水洗装置と足元操作型水洗方法

フット・ペダルから延びたケーブルを収納したフット・ペダルを設けることによりトイレを足元起動する装置と方法。ケーブルは、タンク内でトイレタンクの内部の水洗手段に取り付けられている。使用者がペダルを踏むと、ペダルの両起動用構成要素によって、フット・ペダル内のケーブルの量がペダル移動距離の2倍に増加する。これによって、タンク内のケーブルは同じ量だけ減少し、おもりを吊り上げトイレタンク内の内部水洗手段を起動する。使用者がフット・ペダルから足をはずすと、フット・ペダル、ケーブルおよびおもりは、自動的に始動位置にリセットされ、トイレも再利用のために元の位置にリセットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足元操作装置に関し、より詳しくは、トイレを両用起動水洗トイレに改修するべくトイレのタンク内の内部水洗手段と接続された足元操作型水洗装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水槽型トイレは典型的には、便座、便器、タンクおよび、トイレ水洗のためにトイレタンクの前にレバーやハンドル等の手起動型水洗機構を含む。トイレ水洗をすることが望ましいとき、トイレの使用者は手でレバーを起動しなければならない。これによって、タンク内の内部構成要素またはシステムは、トイレ水洗のために起動される。しかしながら、手動式トイレの使用は、しばしば、病原菌、病気および感染の拡大につながる。手動式トイレは、トイレ・レバーを手で起動するために手を伸ばしたり、曲げたりすることになるので、転んだり体のバランスを崩したりする危険があり、腰痛もちの人には操作しにくく、また、年配者にとっても操作しにくい。
【0003】
上記のような問題点を回避するために、従来技術においては、トイレに足元操作型水洗装置を設けることが目的とされた。しかしながら、従来の足元操作型水洗装置は、トイレのレバーやハンドルを足元操作型水洗機構と全面的に取り替えるため、しばしば高価で、かつ設置しにくいものであった。例えば、Seekの特許文献1および特許文献2の従来技術による装置は、従来の水洗用ハンドルおよび/またはレバーを、前記文献1および2の各々に記載されている要領で、足元操作用ペダルまたはトイレ水洗用の足元操作ペダルに接続された水圧操作型トランスミッションチューブに接続されるケーブルと取り替えるものである。
【0004】
従来の他の足元操作型水洗装置は扱いにくく、レバーやハンドルを使用してトイレを水洗するのを困難にしている。これらは、トイレの前部、特に、トイレタンクの前部の水洗レバーやハンドルに足元操作型水洗機構を加えることにより、起動用のトイレ・レバーに取り付けられた足元操作装置を含む。この先行技術は、そのような記載を含んでいる。例えば、Samaniegoの特許文献3は、水洗用ハンドルの上方に配され、フット・ペダルの操作によって水洗用ハンドルと係合する部材からなるトイレ水洗用機構を開示している。Schneeweissの特許文献4は、水洗用バルブハンドルに固定され、足元レバーに操作可能に接続されたブラケット部品を含む。Johnson et al.の特許文献5に記載の装置は、鎖で足元レバーと接続されたトイレの水洗用ハンドルを含む。多数の他の文献、すなわち、特許文献6ないし特許文献9は、水洗のためのトイレまたは小便装置のレバーまたはハンドルに接続された水洗調整機構に注目している。Caravella et al.の特許文献10は、水洗要素を効果的に起動させるために、プランジャに係合すべく配された一体型ドライブ・バーとケーブルによって接続されたフット・ペダルを開示している。
【0005】
また、従来技術に開示されたこれらのおよび他の装置は、典型的には1つ以上の重大な不都合を有している。特に、それらは、しばしば高価で、面倒で、設置に時間がかかり、見栄えが悪く、使用するのに不便で、掃除しにくく、扱いにくく、不当な変更・破損または不当な管理要求をされることがある。
【0006】
上記のような問題点をなくした水洗調整装置を設けること、また、廉価で、見栄えがよく、現存のトイレにも簡単に使いやすく設置できるものが非常に望まれており、従来技術においても、病原菌、病気および感染を防止でき、使いやすく、トイレの水洗の助けとなるようなさらに改良された方法や装置が継続的に要求されている。
【特許文献1】米国特許第3,594,828号
【特許文献2】の米国特許第3,594,829号
【特許文献3】米国特許第4,847,924号
【特許文献4】米国特許第4,868,931号
【特許文献5】米国特許第5,142,708号
【特許文献6】米国特許第4,847,924号
【特許文献7】米国特許第4,007,499号
【特許文献8】米国特許第5,170,513号
【特許文献9】米国特許第5,339,468号
【特許文献10】米国特許第6,089,542号
【発明の開示】
【0007】
先行技術の欠点を心にとどめて、本発明の目的は、安価で、見栄えがよく、現存するトイレにも簡単に使いやすく設置でき、簡単かつ効果的で経済的な方法で操作できる水洗調整装置および水洗調整方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、現存のトイレ、特に水槽型トイレを両用起動操作型トイレに改修する足元操作型の水洗システムおよび水洗方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、手で接触することにより蔓延する病原菌、病気および感染を顕著に減少させる足元操作型水洗システムとその方法を提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、腰痛および年配の使用者を助け、怪我をさせる危険性を軽減できるように簡単に使用できる足元操作型水洗システムとその方法を提供することである。
【0011】
本発明のまた別の目的は、製造が容易で経済的な足元操作型水洗システムを提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、容易に取り付けられる、足元操作型水洗システムの組み立て材料セットを提供することである。
【0013】
本発明の更に別の目的は、トイレが手でも足でも両用起動できるように、トイレの構成と一体的に形成できる足元操作型システムとその方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的および効果は、明細書の以下の記載からある程度明らかとなり、また、ある適度明瞭となるであろう。
【0015】
当業者にとって明らかであろう上記の目的よびその他の目的は、本発明によって達成される。すなわち本発明の第一の特徴は、台座に回転自在に取り付けられた足踏みレバーを有する足操作型ペダルを含む足起動型トイレ水洗装置である。足踏みレバーには第一のローラが取り付けられ、台座には第二のローラが取り付けられている。この装置は、トイレのタンクの後側の縁部に位置し、タンクの内側にまで延在するタンク掴みも含む。ケーブルは、ケーブルを保護するためのケーブルカバーに納められているのが好ましい。このケーブルは、台座から、足踏みレバーの第一のローラ上を通り、台座の第二のローラの上方を回って延びるように十分に考慮して位置決めされている。ケーブルは、ケーブルカバーに接触しその内部に延びるように、台座の少なくとも一つの開口部を通って横断し、その後ケーブルを内部に収納したケーブルカバーが台座を出る。ケーブルカバーは、その後、トイレの近辺に延在し、トイレの後ろ側に這い上がり、トイレタンク内に入る。タンク掴みは、ケーブルカバーを保持し、つまりその中のケーブルをタンクの内部の位置に保持する。ケーブルは、タンク内部のケーブルカバーから出て、タンク内の内部解放手段に繋がる。足で起動させ、足踏みレバーに圧力が加えられると、ケーブル長は足操作型ペダル内では増加し、その長さ分だけタンク内部では減少し、その結果として、内部解放手段を起動しトイレの水洗を行う。
【0016】
本発明の他の特徴は、少なくとも一つの開口部を有する台座を含む足起動型ペダルである。ペダルは、台座に回転自在に取り付けられた足踏みレバー、足踏みレバーに取り付けられた第一のローラおよび台座に取り付けられた第二のローラも含む。ペダルは、第一の端部と第二の端部を有するケーブルを含む。ケーブルの第一の端部はペダルの内部の台座上のある位置に取り付けられ、ケーブルの第二の端部はペダルの外部の装置の構成要素に取り付けられる。本フット・ペダルにおいては、ケーブルは、第一の端部が、台座の位置から足踏みレバーの第一のローラを通って、台座の第二のローラを回って、台座の少なくとも一つの開口部から外へ延びる。その際、ケーブルは、ケーブルカバー内に延びて収納される。ケーブルは、第二の端部が外部装置の構成要素に接続されるので、足がペダルの足踏みレバーに圧力をかけると、ケーブル長はペダル内では増加し、その長さ分だけペダルの外側が減少し、装置を作動状態とする。この装置は、ハンド・ドライヤー、タオル・ディスペンサー、ソープ・ディスペンサー、洗面台、浴槽またはシャワー、電灯、ドアの掛け金をはずすこと、ドアを開けることなどのような、浴室で一般的に見受けられるようなあらゆる遠隔操作型の装置をも含み得るが、それらに限定されない。
【0017】
本発明のさらに他の特徴は、トイレの足起動型水洗の方法である。この方法は、ペダルの足踏みレバーを設けること、該足踏みレバーに第一のローラを取り付けることを含む。台座も設けられ、第二のローラは該台座に取り付けられる。さらに、足踏みレバーは台座の頂部に回転自在に取り付けられる。トイレの水洗のための内部解放手段を備えるタンクを有するトイレが提供され、タンク掴みは、一部がタンク内に延びるようにタンクの後側の縁部に位置される。その後、ケーブルは、該ケーブルの第一の端部が、台座から足踏みレバーの第一のローラの上方を通って、台座の第二のローラを回って、台座上の少なくとも一つの開口部から出て延び、トイレの後ろ側でタンクの内部に向けて延びるよう位置される。ケーブルは、タンク掴みによってタンク内の所定の位置に保持される。ケーブルの第二の端部はタンク内で内部解放手段に接続される。足で足踏みレバーに圧力が加えられると、足踏みレバーは台座を中心に回転し第一のローラと第二のローラの間の距離を増加させ、それによってペダル内のケーブル長を増加させ、同時にその長さ分だけタンク内のケーブルの量を減らして、内部解放手段を起動しトイレの水洗を行う。
【0018】
(図面の簡単な説明)
新規であると思われる本発明の特徴および本発明の特徴を有する構成要素を、特に、添付のクレームに記載する。図面は例示のみを目的とするものであって縮尺どおりに記載されていない。ただし、操作機構および操作方法の両方に関する本発明自体は、添付の図面を参照しつつ以下に記載する詳細な説明を参照することにより最もよく理解できるであろう。
【0019】
図1Aは、本発明の実施形態による足元操作型水洗装置のフット・ペダルの前正面図である。
図1Bは、図1Aに示されるフット・ペダルの側面斜視図である。
図2Aは、通常の起動されていない位置にある足元操作型水洗装置のフット・ペダルの側面図である。
図2Bは、図2Aに示されたフット・ペダルであって、本発明により起動されたフット・ペダルの側面図である。
図3Aは、トイレタンク内にある非起動モードの放水水洗手段に取り付けられた本発明の足元操作型水洗装置を示す側面図である。
図3Bは、トイレ水洗のために図2Bに従って起動モードとなるトイレタンク内の放水水洗手段に取り付けられた本発明の足元操作型水洗装置を示す側面図である。
図4Aは、本発明の足元操作型水洗装置のタンク掴みの側面斜視図である。
図4Bは、図4Aに示すタンク掴みの他の側面斜視図である。
図5Aは、トイレタンク内のフラッパー型放水水洗手段に取り付けられた本発明の頂部斜視図である。
図5Bは、トイレタンク内で圧力操作される放水水洗手段に取り付けられた本発明の頂部斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の記載は、本発明を使用する当業者が本発明を実施できるように、また、本発明を実施するための最良の実施形態を記載するために設けられている。当業者にとっては、様々な変更が容易に認められるであろう。
【0021】
本発明は、容易で、衛生的で、適切なトイレの水洗を可能にする足操作型水洗装置、システムおよびその方法である。現存する様々な異なるタイプのトイレに取り付けるべく構成されているので、トイレタンクの前部、側部または頂部に配置されているハンドル、レバー、水洗ボタン等は、しばしば、元のままである。本発明は現存するトイレに、タンクの後から取り付ける足操作型水洗装置を設けることにより両用起動水洗可能なトイレに改修する。その際、足操作型水洗装置は、タンクの後から、蓋の下またはタンク内の孔を介して、タンク内に取り付けられ、その後、トイレタンクの内側に配置されたトイレの水洗手段に接続される。使用者が足で水洗装置を始動すると、トイレタンクの内側に配置された本足操作型水洗装置の構成要素はトイレ水洗のために起動される。
【0022】
本発明は、図1Aないし5Bを参照しつつ、以下の記載に従ってより良く理解されるであろう。
【0023】
図面を参照するに、本足操作型水洗装置は、フット・ペダル10を含む。図1Aに示されるように、フット・ペダル10は、台座14に取り付けられたペダル・レバーすなわち足踏みレバー12を含み、台座はその前部に開口部16を有する。足踏みレバーも台座も、円形、楕円形、四角形、長方形等を含む様々な形状に形成されてもよく、また審美的に落ち着きのある他のデザイン形状を有していてもよいが、それらの形状に限定されることはない。
【0024】
フット・ペダルは、床に位置づけされるが、トイレに本発明の他の様々な構成要素を取り付けるためにトイレに近い位置に配置されるのが望ましい。その際、図1Bを参照するに、台座14は、台座14を床に固定するための取り付けブラケット18を受け入れるために、台座の概ね中央寄りに配置された開口部17をさらに含んでも良い。取り付けブラケットは、側壁19と、側壁の頂部に該取り付けブラケット18をフット・ペダルの台座14に固定するためのフランジ20とを有する堅牢な構造であるのが好ましい。この取り付けブラケットは、ナット、ボルト、ネジ等で床に取り付け可能なステンレス製のバネクランプであってもよい。この取り付けブラケットは、一旦床に固定されると、その後、下方への力を加えることによりペダルが取り付けブラケットに弾発され、フット・ペダル10の台座14に取り付けられる。例えば、取り付けブラケット18がバネクランプである場合、下方への圧力がペダルに加えられたときに、クランプは、開口部17の角度をもった側壁19によって内側にしなり、その後、頂部フランジ20がそのような側壁を過ぎた位置に来ると外側にしなり、フット・ペダルを取り付けブラケットに固定する。
【0025】
あるいは、フット・ペダル10は、様々な手段で床に取り付け、または固定されてもよい。例えば、フット・ペダルは、取り付けブラケット18を用いるよりも、粘着剤、糊、セメント、ペースト、エポキシ樹脂、接着剤、両面テープ、マジックテープ、吸盤、滑り止めゴム裏張り等を含む取り外し可能な、非侵襲性の手段を用いて床に固定されても良いが、それらの手段には限定されない。取り外し可能な、非侵襲性の手段はフット・ペダルを床に固定するために台座14の底面に塗布されるのが好ましい。その際、この取り外し可能な、非侵襲性の手段は、底面部分全体に塗布されてもよいし、台座の周囲に塗布されてもよいし、台座の平坦な底部29に塗布されてもよいし、あるいはまた開口部17の内側にまでも塗布されてもよい。フット・ペダルを望ましい場所すなわち位置に保持するために、滑り止めゴムマットのような滑り止めマットを用いて、床とフット・ペダル10の間に位置づけし、フット・ペダル10を床に位置決めしてもよい。
【0026】
フット・ペダルを床に取り付けるために取り外し可能で非侵襲性の手段を用いることにより、タイルの床等の床にドリルで孔を開ける必要がないので好都合である。そのような取り外し可能で非侵襲性の手段は、経済的にも効果的で、取り付けが容易で、掃除のためにフット・ペダルを床から取り外し、すなわち分離するような場合の取り外しも容易である。
【0027】
本発明によれば、フット・ペダル10は台座14に固定されたベース・ローラ22と足踏みレバーすなわちペダル・レバー12に固定されたペダル・ローラも含む。ベース・ローラ22は、バネが入った中空の中心部を備える堅牢な円筒状の構造を有している。バネの両側でバネと接触するのは、ベース・ローラ22を台座14に位置決めし、固定するための第一のピンと第二のピンである。バネの両側にあるピンは、バネとローラの中心から外側方向に押されるので、ピンは各々、スロットまたは開口部のような、台座14の対抗する側壁にある第一および第二の受け手段23に受け入れられる。受け手段23は、ピンを固定位置に受け入れるべくガイドするために傾斜路を含んでいてもよい。
【0028】
足踏みレバー12(ペダル・レバー)はペダル・ローラ24も含む。ペダル・ローラ24は、ベース・ローラ22と同様、第二のバネが入った中空の中心部を有する堅牢な円筒形状であるのが好ましい。このバネの両側でバネと接触するのは、ペダル・ローラ24を足踏みレバーに位置決めし固定するための第二の対をなす第一および第二のピンである。これらのピンは、バネの両側に配置され、バネとペダル・ローラの中心から外側方向に押されるので、各々、足踏みレバー12の両側壁にある他の対をなす第一および第二の受け手段23に受け入れられる。これらの受け手段23は、ピンを足踏みレバーの固定位置に受け入れるべくガイドするための傾斜路も含んでいることが好ましい。
【0029】
台座14は、上部側面フランジ25を有する側面部も有し、より好ましくは台座の両側に2つの上部側面フランジ25を有する。側面フランジ25は、ベース・ペダルの前部の場所と比較して、ベース・ペダル14の後端部13に向かって近い場所に位置決めされる。この側面フランジ25の位置決めは、始動モードの間、てこの作用を足踏みレバー12に提供し、以下で更に述べるようにケーブルの引きを大きくするのに好都合である。
【0030】
足踏みレバーを台座に取り付けるために、台座14の側面フランジ25と側面フランジとの間、好ましくはその頂部、に回転軸がある。回転軸により、足踏みレバーは、また、本発明によるトイレの水洗を行うために底板に対して回転できる。この回転軸は、図1Bの展開図の破線内に示されるように、バネの両側に接触する第一のピン2および第二のピン4を備えるバネ6が入っている中空の中心部を有する回転筒26であってもよい。このバネ6と回転筒26のピン2,4はベース・ローラ22およびペダル・ローラ24について述べられたものと同様のものである。しかしながら、頂板と底板とを取り付け、足踏みレバーを回転できるようにするために、様々な他の回転手段が用いられ得ることが理解されるべきである。
【0031】
台座14は、バネおよびバネから延びる第一及び第二のピンを備える回転筒26によって足踏みレバー12に取り付けられる。その際、足踏みレバー12は、その両側の側壁に上述の受け手段23のような(図示されない)受け手段を有する。足踏みレバーの受け手段は、足踏みレバーが底板に取り付けられるときに、足踏みレバーの底板が底板の上面と接触するように、足踏みレバーの十分な高さおよび場所に位置される。すなわち、これらの受け手段は足踏みレバーの側壁の、足踏みレバーを台座に取り付ける際にピンが配置される回転筒26に対応する場所に配置され、以下にさらに記載するようにフット・ペダルが取り付けられているトイレの水洗を可能にする。足踏みレバーを台座に取り付ける際に、足踏みレバーは底板の上に位置され、受け手段は回転筒から外側方向に延びる第一及び第二のピンと位置合わせして配される。取り付けのために足踏みレバーに圧力を加えると、ピンは足踏みレバーの受け手段内に受け入れられ、受け手段の傾斜路を介して固定・係留位置に案内される。底板と足踏みレバーは、その後位置合わせして取り付けられる。フット・ペダル10を使用者が始動すると、足踏みレバー12は押し下げられ、回転筒26から延びるピンを介して、底板に対して回転する。
【0032】
図2Aないし3Bを参照するに、本足元操作型水洗装置の重要な構成要素は、ケーブル30、ケーブルカバー40、タンク掴み50およびおもり60を含む。図2Aないし2Bに示されるとおり、ケーブル30は、本発明による足始動型水洗用のフット・ペダル内に効果などを十分に考慮して位置される。ケーブル30は、本発明による足始動型水洗を繰り返す間に加えられる圧力に耐え得るように十分な強度と耐性を有する水不透過性材料からなるので、ケーブルが壊れたり、擦り切れたり、伸びたり、膨張したり、品質が劣化したりすることはない。ケーブル30は、ポリシリコン、ナイロンまたはポリエステルの混合ワイヤ、コードまたはロープからなるのが好ましい。しかしながら、十分な強度、柔軟性および耐性を有するあらゆる既知のワイヤ、コードまたはロープ材料が用いられ得ることは理解されよう。ケーブルは、使用中にケーブル30を保護し、同時に不正改造からも保護するためにケーブルカバー40に収納される。ケーブルカバー40は、ナイロンで内側を覆った金属のすっぽり包むようなケーブルカバーであるのが好ましく、これがプラスチックで覆われるのが好ましい。
【0033】
本発明の構成要素であるケーブル30は、フット・ペダル10内に効果などを十分に考慮して位置される。図1Bないし2Bを参照するに、ケーブル30は台座14の前端部15の場所28に固定される。ケーブル30は、台座から上に向けて延び、その後続いてペダル・ローラ24の上方を通り、ベース・ローラ22を周り下に延び、台座14の開口部31から外に出る。ケーブルは、該ケーブル30を保護するために開口部31においてケーブルカバー40に受け入れられる。ケーブルカバー40は、台座14の開口部31の場所で固定されるのが好ましい。ケーブルカバー40は、ケーブル30を収容しつつ、所定の位置まで続き、固定手段32によって所定の位置に保持され、台座14(トイレタンクに面しているのが好ましい)の前端部15の開口部16から外に出る。これらの固定手段32は、複数のリブを備え、ケーブルカバーをそのようなリブに挿入すると、リブが、ケーブル30を損傷したり圧迫を加えたりすることなく、ケーブルカバー40を挟み込むので、ケーブルカバーはフット・ペダルの台座内の所定の位置に固定される。ケーブルカバーはその後、台座の前端部15に配置される開口部16から出る。
【0034】
上記のとおり、ケーブル30の位置決めは、ペダル・ローラ24およびベース・ローラ22を一巻き囲い込むが、ペダル・ローラおよびベース・ローラを二巻き以上囲い込んでもよいことが理解されねばならない。例えば、ケーブル30は位置28から延びて、ペダル・ローラ24の上を通って、ベース・ローラ22の下を周って、再びペダル・ローラ24の上を通り、再びベース・ローラ22の下を周って、その後開口部16から外に延びてもよい。このベース・ローラおよびペダル・ローラを通って周るケーブル30の位置決めは、本フット・ペダルの機能を維持したままで望みどおりの回数分だけ繰り返すことができる。
【0035】
図3Aおよび3Bを参照するに、ケーブルカバー40に収容されるケーブル30は、ともにフット・ペダルの前からトイレ100のタンク110に向かって延びる。その際、ケーブル30とケーブルカバー40は、トイレ近くの床に沿って進みトイレの後に上るので、本足操作型水洗装置の使用者は、最低限ケーブル30を収容したカバー40が目に入る。または、フット・ペダルおよびケーブルカバーは、一体に成型されたり、形成時にトイレと鋳造されたりして、トイレ100の構成要素として形成されてもよい。この特徴においては、ケーブルカバーとその中に収容されたケーブル30は、ともに裸眼では目視できない。
【0036】
図3Aないし4Bを参照するに、ケーブルカバー40およびケーブル30はトイレの後側の周囲に沿って上方に進み、本発明の必要不可欠な特徴は、トイレタンクの蓋112の下のタンク110の後側に位置されるタンク掴みである。タンク掴み50は、ケーブル30を収容したケーブルカバー40をトイレタンクの内側に保持・固定する。タンク掴み50は、トイレタンクの適当な位置に保持され、本発明による水洗操作の間に加えられるいかなる力にも耐えるのに十分な強度と耐久性をもってタンクに掴みを提供するために、ステンレスやその他の既知のさび耐久性材料のような堅牢な材料で作られるのが好ましい。
【0037】
タンク掴み50は、発明の重要な構成要素であり、多くの好都合を有する。タンク掴みは、容易にすばやくトイレタンクに自ら張り付く。トイレ蓋112は無視し得る、不十分な高さしかないので、タンク掴みは、トイレ蓋112とぶつからないように最小限の厚みとする。タンク掴みは、また、ケーブル30およびおもり60がタンク110の内部の側壁と接触またはぶつかるのを避け、同時に、ケーブル30をトイレタンク内の内部水洗機構に向ける。
【0038】
図4Aおよび4Bに示されるように、タンク掴み50は、上部フランジ54を介して前部フランジ56に接続された後部フランジ52を含む。これらのフランジ52,56および54は、タンク掴みをタンク110の後に位置決めし保持すると同時に、タンク110に対してタンク掴みがぐらつかないようにする。上部フランジ54は、例えば、第一の横方向延在部53や第二の横方向延在部55のような、対抗する延在部を更に含み、トイレに対するタンク掴み50の固定すなわち安定をよくする。対抗する横方向延在部53および55は、掴みがタンク110に位置決めされると掴み50の揺れを防止し、本発明による足操作型水洗が行われる間にタンク掴み50に加えられる力を分散させる。さらに、タンク掴み50をトイレタンク110に位置決めすると、後部フランジ52はタンク110の外部にあり、前部フランジ56はタンクの内部にある。
【0039】
タンク110内の前部フランジ56から、外側に向けて突出する2つのケーブル支持フランジ58,57が延在している。外側に向けて突出するケーブル支持フランジ58,57の各々は、トイレタンク内に延びる傾斜した頂部を有する。これらの傾斜した頂部の各々は、少なくとも2つの凹部59を有する。側面フランジ57の凹部59は、側面フランジ58の凹部59と並んでいるので、これらの凹部は、ケーブルカバー40を所定の位置に受け入れ、保持し、固定するのに適合している。ケーブルカバー40とそこに収容されたケーブル30は、図5Aに示されるように、一つ目の側面フランジの頂部の凹部の所定の位置に固定され、その後、対抗する二つ目の側面フランジの底部の凹部に固定されることにより角度をもって受け入れられる。
【0040】
または、ケーブル30は、図5Bに示されるように、第一および第二のフランジ57,58の両方の底部または頂部の凹部にまっすぐに横切って受け入れられ得る。その際、ガイド手段45は、少なくとも一つのカーブした端部を有するのが好ましく、トイレタンクの側壁から離れてガイド手段45から延びるケーブル30を位置決めするのに用いられ得る。ケーブルカバー40は、タンクの後ろ側にある穴を通ってトイレタンクの内部に向けて延び、ガイド手段に直接つながり、取り付けられる。その際、ケーブル30だけが第一および第二のフランジ57,58の底部または頂部の凹部のいずれかを真直ぐに横切ってガイド手段45を通って延びる。ケーブル30は、タンクの側壁に接触しないように、カーブした端部の辺りでガイド手段を出る。このガイド手段45は、内部をナイロンで覆ったステンレスのような錆びない材料からなり、本発明に従って使用することにより加えられる力に耐える十分な強度、厚みおよび耐久性を有するパイプやチューブであってもよい。
【0041】
図3Aおよび3Bを再度参照するに、ケーブルカバー40は、フット・ペダルの台座14にしっかりと留まり、ケーブル30を取り囲む。組み合わされたケーブルカバー40とケーブル30は、トイレ100の裏側に沿って前進し、タンク蓋112の下に向かいタンク110内に入り、タンク掴み50によってタンク内の位置に保持される。タンク110内のケーブルカバー部分はタンクの上部、好ましくはタンク110の水面の上で止まる。ケーブルカバー、つまりはケーブル30をタンク110内に固定するとき、側面フランジ57の第一の凹部59と側面フランジ58の第二の凹部59内に、上述の要領で角度をもってあるいは直線的に、適当な位置に弾発されるか、固定されるのが好ましい。
【0042】
所定の位置に落ち着くと、ケーブル30は、ケーブルカバーの第二の端部を通過して、タンク110内に延びるのが好ましい。または、タンク110内のケーブル30の第二の端部には、おもり60が位置づけされ固定される。おもり60は、およそ4オンスから16オンスの重さ、より好ましくは8から12オンスの重さを有するステンレスのおもりであるのが好ましい。しかしながら、おもり60は、様々な異なるトイレタンク内で用いられることを想定して、様々な異なる材料および重さ寸法からなるものでもよいことは理解されねばならない。おもり60は、円筒状または球形、あるいは、おもり60が鎖114のひねりや鎖114とおもりとの絡まりを防止すべく容易に回転またはスピンできるようなその他の形状であるのが好ましい。
【0043】
図5Aおよび5Bを参照するに、ケーブルカバー40とケーブル30とをタンク掴みによって角度をもって位置づけすることにより、おもり60がタンク内の側壁、特にタンク110の内部の後壁に接触することを防止し、同時に、重力式トイレタンク110におけるフラッパー115または圧力式トイレタンク210における圧力タンク215の水洗ボタンのように、ケーブル30および補助おもり60をトイレタンク内の内部放水水洗手段の方に向ける。
【0044】
ケーブル30は、その後、トイレタンク内の放水水洗手段に接続される。この接続は少なくとも2つのスイベル・フックを用いて行われるのが好ましい。スイベル・フックは、トイレタンク110内にあるケーブル30の第二の端部に取り付けられる。第一のフック、すなわちスイベル・フック91はおもり60に取り付けられ、おもり60はスイベル・フック91を受け入れるためのループ部またはフック部を有する。第二のスイベル・フック92は、好ましくは、このスイベル・フック92をトイレタンク内の放水水洗手段に取り付けられた鎖に取り付けることによって、図3Aおよび3Bさらには5Aおよび5Bに示されるように、ケーブル30をこの放水水洗手段に接続する。
【0045】
本足起動型水洗装置およびそのシステムの操作について、使用者はフット・ペダル10の足踏みレバー12、好ましくは足踏みレバー12の末端部11を踏みつけることによって、下方への力が足踏みレバーに加えられ、トイレを水洗することができる。この下方への力によって、足踏みレバー12(ペダル・レバー)は回転ローラ26から延びるピンを中心に回転し、フット・ペダル内のケーブル30が図3Aに示されるような非起動位置(非水洗モード)から、トイレ100の水洗のために、図3Bに示されるような完全起動モード(水洗モード)に移行する。
【0046】
その際、ペダルが非起動状態のとき、ペダル・ローラ24はベース・ローラ22の上方かつ近辺に位置される。足踏みレバー、好ましくは足踏みレバーの末端部11に下方への力を加えると、足踏みレバー12の前端部が持ち上がり、その結果、ペダル・ローラ24もまた持ち上がり、図3Bに示すような最終完全起動位置となる。この本発明による完全起動モードにおいて、フット・ペダル10の内部のケーブル30はペダル・ローラ24の上方を通って場所28から延び、やがてベース・ローラ22の上方の場所、あるいはベース・ローラ22の上方かつ後方に位置決めされる。これによって、実際、フット・ペダル10内のケーブル30の長さは少なくとも2倍になり、その後、下記のとおりのトイレの水洗が行われる。これによって、実際、フット・ペダル10内のケーブル30の長さはかなり増加し、好ましくは、完全起動モードの際のペダルの移動距離のおよそ2倍、あるいはそれよりもわずかに多いか少ないかの長さ分だけ増加し、下記の要領でトイレの水洗を行う。
【0047】
すなわち、ペダル・ローラ24とベース・ローラ22は、滑車装置構造を構成すべく位置づけられるので、本足起動型装置は、ペダル移動距離に対しておよそ2倍の距離分だけ、完全起動モード時にフット・ペダル内に引き込まれるケーブル30の量を効果的に増加させることができる。本発明によれば、フット・ペダル内で増加するケーブルの量は、ベース・ローラ22に対するペダル・ローラ24の(真直ぐに上方に位置するか、上方かつ後方に位置するか、あるいは上方かつ前方に位置するかの)位置決め、および/またはケーブル30が滑車装置構造を構成するペダルとベース・ローラの周りを何回転分巻きつけられるかによって決まる。
【0048】
上記の内容の理解を容易にすべく、図2Aに示されるように、非起動モードにおいては、フット・ペダルは、足踏みレバー12から底板14までの間を距離99とする。足踏みレバー12の末端部11を台座まで押し下げて完全起動モード(図2B)に起動すると、フット・ペダル内で増加するケーブル30の距離は、(距離99とほぼ同じかまたは長い)第一の長さ33と(距離99とほぼ同じかまたは長い)第二の長さ34とを含む。図示されるように、このケーブル30の第一の長さ33は、場所28からペダル・ローラ24の完全起動モード位置まで延び、その一方で、ケーブル30の第二の長さ34は完全に起動されたペダル・ローラ24からベース・ローラ22まで延びる。例えば、本ペダルの足踏みレバー12から台座までの距離99がおよそ2.05インチであれば、完全起動モード(図2B)の際にフット・ペダルに引き込まれ増加するケーブル30の量は、第一の長さ33がおよそ2インチで第二の長さ34がおよそ2インチとなり、フット・ペダルに引き込まれるケーブルの総増加量はおよそ4インチである、すなわち、完全起動モード時にフット・ペダルに引き込まれるケーブル30は、ペダルの移動距離であるおよそ2.25インチに対して約2倍となる。
【0049】
本発明によれば、このトイレの水洗を行うためにフット・ペダル内に引き込まれたケーブル30の増加量は、本発明の2つの構成要素によって実現されたものである。第一の構成要素は、フット・ペダル内に引き込まれるケーブルの量を少なくとも2倍にすることを可能にしたベース・ローラ22とペダル・ローラ24の位置決めである。完全起動モードのペダル・ローラ24がベース・ローラ22の上方および真上にある場合、ペダル移動距離99に対するフット・ペダル内のケーブルの増加量は約2倍となる。しかしながら、完全起動モードのペダル・ローラ24がベース・ローラ22の上方および後方にある場合、ペダル移動距離99に対するフット・ペダル内のケーブルの増加量は、場所28からペダル・ローラ24の完全起動モード位置までのケーブル長33の分量が増えるので、約2倍以上となる。
【0050】
本発明によれば、トイレの水洗を行うべくフット・ペダル内に引き込まれたケーブル30の増加量は、本発明の2つの構成要素によって実現される。第一の構成要素は、移動距離99に対するフット・ペダル内へ引き込まれたケーブルの量の乗算を可能とする、ベース・ローラ22とペダル・ローラ24の位置決めである。完全起動モードのペダル・ローラ24がベース・ローラ22の上方および真上にある場合、ペダル移動距離99に対するフット・ペダル内のケーブル増加量は、およそ2倍となる。しかしながら、完全起動モードのペダル・ローラ24がベース・ローラ22の上方および後方にある場合、ペダル移動距離99に対するフット・ペダル内のケーブルの増加量は、場所28からぺダル・ローラ24の完全起動モード位置まで延びるケーブル長33の量もまた増加するので、およそ2倍となる。
【0051】
完全起動モードのケーブル長は、フット・ペダル内で少なくとも2倍になるので、このケーブルの引き込みによりトイレタンク内のケーブル長量が減少する。本発明の完全起動モードを達成する際には、ケーブル30はケーブルカバー40を介して引き込まれペダル内のケーブル長を増加させ、その一方で、その分だけタンク内のケーブル長を減少させ、その後タンク内の水放出手段を起動しトイレの水洗を行う。図3Aおよび3Bを参照するに、図3Aの非起動モードは水洗放水手段(例えば、フラッパー115、圧力タンク215等)が閉位置にあり、水がタンク内にとどまっている状態を示す。
【0052】
しかしながら、本発明の完全起動モードでは、図3Bに、トイレタンク内のケーブル30の減少によっておもり60が引き上げられ、フラッパー115もまたタンクから水を解放するために引き上げられ、トイレを水洗することが示されている。使用者が足をはずすと、フット・ペダル10は、図3Aに示されるような、元の始動時の非起動位置に戻ることにより、即座に自動的にリセットされる。内部水洗機構は、典型的には、一度タンクから水が流れるとリセットする。フット・ペダルをリセットする場合、おもり60は、タンク内の元の始動時の位置まで引っ込む。これは、重力によっておもり60を引っ張り、ケーブルカバー40を通ってトイレタンク内へ戻るように、ケーブルをフット・ペダルから引き寄せることで達成され、それによってトイレおよび本システムは元の位置、すなわち、非起動モードつまり非水洗モードに戻ることができる。タンク115内のケーブルカバー40は、タンク掴み50によって、角度をもって取り付けられているため、おもり60がタンク内のどの内壁にも接触しないようになっている。さらに、タンク掴み50によってトイレタンク内に角度をもってケーブルカバー40とケーブル30とを挟み込み、角度が小さくなった位置でケーブル30が内部放水水洗手段に接続されたことにより、本発明による水洗は向上する。フット・ペダル10と内部水洗構造がリセットされ、元の非起動モードに戻ると、トイレタンクは本発明による再利用のために再び水を充填する。
【0053】
本発明は、重力式タンクトイレ、圧力式タンクトイレおよび水洗バルブ操作型トイレ等の様々な異なるタイプのトイレに用いられるが、それらのみには限定されない。本発明の目的のためには、重力式タンクトイレは住居にもっとも一般的に見られるトイレであり、排泄物を洗い流すのはタンク内の水の量によって決まる。圧力式トイレタンクは、より水洗速度を高めるために水道圧を利用するタンクである。これらのシステムでは、水はトイレタンク自体の内部には貯蔵されず、むしろ、トイレタンク内の内部タンクに貯蔵され、空気を圧縮して、圧力をかけられた水をトイレ槽内に放水し、該槽の底にあるトラップ管から出す。重力式トイレタンクも圧力式トイレタンクも、ハンドル、レバー、押しボタン等の様々な異なる手動式水洗機構を有していてもよい。本発明はこれらのようなボタンを押すことによって操作(水洗)されるトイレを両用操作型、すなわち足および押しボタン型のトイレに改修するのに有効である。本装置は、現存するトイレを両操作型に改修する、すなわち、水洗のための手動式水洗手段は元のままで、現存するトイレに足元操作型水洗装置を追加したものとするための組み立て用部品一式であってもよい。
【0054】
本ペダルと該ペダルから延びるケーブルは、トレイタンクを持たないトイレのような水洗バルブトイレの足起動操作にも用いることができるが、むしろ、小便用の便器または多くの公衆トイレで共通して見られるようなトイレのように、建物の外の水供給管に直接繋がるバルブの足起動操作に用いることができる。本発明のこの特徴では、足元起動システムはそのようなトイレのレバーやハンドルを両操作起動型ハンドルおよび少なくともケーブルカバー40とケーブル30と取り替える。その際、ケーブルカバー40は、トイレの(外側の側壁ではなく)両操作起動型ハンドルまで延び、ケーブル30はトイレの(内部にはない)両操作起動型ハンドル水洗システム内まで延び、そのような水洗バルブ操作型トイレによって水洗を起動するための内部水洗バルブに直接接続される。本発明の足操作型ペダルはトイレを操作するだけに限定されるものではないことも理解されねばならない。本発明は、限定されるものではないが、例えば、ハンド・ドライヤー、タオル・ディスペンサー、ソープ・ディスペンサー、洗面台、浴槽またはシャワー、電灯、ドアの鍵を開けること、ドアを開けること等の浴室で見かける様々な遠隔操作される装置を作動状態にするためにも用いられ得る。
【0055】
本発明について、特定の好ましい実施形態を参照しつつ、詳しく説明してきたが、上記の説明を参照すれば当業者には、多くの変形、変更およびバリエーションが明白であることは明らかである。よって、添付の請求項は、そのような変形、変更およびバリエーションが本発明の真正な範囲および範疇に含まれることが意図されている。
【0056】
従って、本発明の記載に鑑みて請求の範囲は:
【図面の簡単な説明】
【0057】
新規であると思われる本発明の特徴および本発明の特徴を有する構成要素を、特に、添付のクレームに記載する。図面は例示のみを目的とするものであって縮尺どおりに記載されていない。ただし、操作機構および操作方法の両方に関する本発明自体は、添付の図面を参照しつつ以下に記載する詳細な説明を参照することにより最もよく理解できるであろう。
【0058】
【図1】図1Aは、本発明の実施形態による足元操作型水洗装置のフット・ペダルの前正面図である。 図1Bは、図1Aに示されるフット・ペダルの側面斜視図である。
【図2】図2Aは、通常の起動されていない位置にある足元操作型水洗装置のフット・ペダルの側面図である。 図2Bは、図2Aに示されたフット・ペダルであって、本発明により起動されたフット・ペダルの側面図である。
【図3】図3Aは、トイレタンク内にある非起動モードの放水水洗手段に取り付けられた本発明の足元操作型水洗装置を示す側面図である。図3Bは、トイレ水洗のために図2Bに従って起動モードとなるトイレタンク内の放水水洗手段に取り付けられた本発明の足元操作型水洗装置を示す側面図である。
【図4】図4Aは、本発明の足元操作型水洗装置のタンク掴みの側面斜視図である。 図4Bは、図4Aに示すタンク掴みの他の側面斜視図である。
【図5】図5Aは、トイレタンク内のフラッパー型放水水洗手段に取り付けられた本発明の頂部斜視図である。図5Bは、トイレタンク内で圧力操作される放水水洗手段に取り付けられた本発明の頂部斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
2,4 ピン 6 バネ
10 フット・ペダル 12 足踏みレバー
14 台座 22 ベース・ローラ
24 ペダル・ローラ 26 回転筒 50 タンク掴み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座に回転自在に取り付けられた足踏みレバーを有するペダルと、
前記足踏みレバーに取り付けられた第一のローラと、
前記台座に取り付けられた第二のローラと、
内部解放手段を有するトイレのタンクの裏側縁部に位置され、前記タンクの内部に延びるタンク掴みと、
前記ペダル内にあるケーブルであって、前記ケーブルは、前記台座から出て前記トイレの前記裏側で前記タンクの前記内部に延び、前記タンク掴みによって所定の位置に保持され、前記タンク内の前記内部解放手段に接続されるケーブルと、
前記ケーブルの少なくとも一部を収容するケーブルカバーを備え、
前記ペダルの前記足踏みレバーに足で圧力を加えると、前記ケーブルの長さは前記ペダル内で増加し、前記タンクの前記内部では前記長さ分だけ減少し、前記内部解放手段を起動し、前記トイレの水洗を行う足起動型トイレ水洗装置。
【請求項2】
前記ケーブルは、前記台座から延び、前記足踏みレバーの第一のローラの上方を通り、前記台座の第二のローラを周って、前記台座の少なくとも一つの開口部から出て延び、前記ケーブルカバー内まで延びて該ケース内に収容されるよう順次位置づけされ、前記ケーブルカバーは前記台座を出て、前記トイレの近辺に進み、前記トイレの裏側を登り前記タンク内に入り、前記タンク掴みによって前記タンクの前記内部の位置に保持され、また、前記ケーブルは前記タンクの前記内部にある前記ケーブルカバーを出て、前記タンク内において前記内部解放手段につながり、足で前記トイレの水洗ができるようにすることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの開口部を有する前記台座は、第一の開口部、固定リブおよび第二の開口部を備え、前記ケーブルは前記第一の開口部から出て前記ケーブルカバー内に延びそこで収容され、前記ケーブルカバーは前記リブ内に位置付け固定され、その後、前記ケーブルカバーは前記第二の開口部を通って前記台座を出た前記ケーブルを収容することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一および第二のローラは、各々バネと該バネの両側の一対のピンとを収納する中空の筒を備え、前記ピンの各々は第一の端部でバネと接触し、足踏みレバーには第一のローラが、台座には第二のローラが各々両側壁の受け手段に、反対側の第二の端部の所定の位置で固定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
対抗して上方に延び、前記ペダル内のケーブルの増加量を最大にするために台座の位置に配置される第一および第二のフランジを有する前記台座と、
対抗して上方に延びる前記第一および第二のフランジの間に位置される回転ローラと、
前記回転ローラ内のバネと、
前記回転ローラ内を延びて前記バネの両端部と接触する第一のピンおよび第二のピンであって、前記第一および第二のピンは、前記上方に延びるフランジを介して延び、前記足踏みレバーと接触する第一および第二のピンと、
前記足踏みレバーを前記台座に回転自在に取り付けるために、前記第一および第二のピンを所定の位置に受け入れ固定する第一の受け手段および対抗する第二の受け手段を有する前記足踏みレバーとをさらに備えることを特徴とする前記足踏みレバーが前記台座に回転自在に取り付けられる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ペダルは現存するトイレ近辺の床に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ペダルは、取り付けブラケット、バネクランプ、粘着剤、糊、セメント、ペースト、エポキシ樹脂、接着剤、両面テープ、マジックテープ、吸盤、滑り止めゴムからなる群から選択された取り付け手段によって前記床に取り付けられることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記ケーブルは、前記ペダルの使用中に加えられる圧力に耐えるのに十分な強度、可撓性および耐性を有する不浸透性の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
タンクの前記内部にある前記ケーブルの端部に取り付けられた少なくとも2つのスイベル・フックをさらに含み、その内の第一のスイベル・フックは前記ケーブルをおもりに接続し、第二のスイベル・フックは前記ケーブルを前記タンク内の前記内部解放手段に接続することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記おもりは、およそ4オンスからおよそ16オンスの耐錆び性材料からなり、前記おもりが前記タンクの内部構成要素と絡まるのを防止するような形状を有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記タンク掴みは、前記ペダルの通常の作業操作が行われる間に前記タンク掴みに加えられる力に耐えるのに十分な堅牢で強い材料からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記タンク掴みは、前記タンク掴みを前記タンクの前記裏側の縁部に固定し、前記ペダルの使用中に前記タンク掴みに加えられる力を分散させるために両側に横方向に延びる上部フランジを介して前部フランジに接続される後部フランジを含み、前記後部フランジは前記タンクの外側と接触し、その一方で、前記前部フランジは前記タンクの前記内部で該内部と接触することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記タンク掴みは、前記前部フランジから前記タンクの前記内部まで延びる少なくとも二つの外側に突出して角度をもった側壁フランジをさらに含み、前記外側に突出して角度をもった側壁フランジは前記ケーブルカバーを受け入れるために複数の凹部を含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記タンク掴みの凹部は前記タンクの前記内部に前記ケーブルカバーを角度をもって受け入れ固定するので、前記ケーブルは前記タンクの側壁から離れる方向で、かつ前記タンク内の内部解放手段に向かう方向に延びることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ケーブルの一部を収容する角度をもったガイド手段は、前記角度をもった管の前記角度が前記タンクの側壁から離れる方向で、かつ前記タンク内の内部解放手段に向かう方向に伸びるように、前記タンク掴みの凹部を真直ぐに横切って受け入れられ固定されることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記トイレは、重量式タンクトイレ、圧力式タンクトイレおよび水洗弁操作型トイレからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記内部解放手段はフラッパー型または圧力型タンク・プッシュ・バルブであることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ペダルは、ケーブルカバーおよびケーブルが裸眼で見ることができないように前記トイレと一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも一つの開口部を有する台座と、
前記台座に回転自在に取り付けられた足踏みレバーと、
前記足踏みレバーに取り付けられた第一のローラと、
前記台座に取り付けられた第二のローラと、
ケーブルと、
前記ペダルの内部に位置する前記台座のある位置に取り付けられた前記ケーブルの第一の端部と、
前記ペダルの外部に位置する装置の構成要素に取り付けられたケーブルの第二の端部とを備え、
前記ケーブルは、前記第一の位置において、前記台座の前記位置から前記足踏みレバーの前記第一のローラの上方を通って、前記台座の前記第二のローラを回って、前記台座の少なくとも一つの開口部から出て、ケーブルカバーまで延びてケーブルカバーに収容され、前記第二の端部で前記外部装置の前記構成要素に接続され、その結果、前記ペダルの前記足踏みレバーに足で圧力が加えられると、前記ケーブルの長さがペダル内で増加し、前記ペダルの外側では前記長さ分だけ減少し前記装置を作動状態とする足元起動型ペダル装置。
【請求項20】
前記ペダル内の前記ケーブルの少なくとも一部を収容するケーブルカバーをさらに含み、前記ケーブルは前記台座の第一の開口部から出て、前記ケーブルカバー内に延び、前記ケーブルカバーは前記台座の第二の開口部から出た前記ケーブルを収容することを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第一および第二のローラは、各々バネと該バネの両側の一対のピンとを収納する中空の筒を備え、前記ピンの各々は第一の端部でバネと接触し、足踏みレバーには第一のローラが、台座には第二のローラが各々両側壁の受け手段に、反対側の第二の端部の所定の位置で固定されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記ペダル内のケーブルの増加を最大限にするために、前記台座のある位置に配置された対抗して上方に延びる第一及び第二のフランジを有する前記台座と、
上方に延びる第一および第二のフランジの間に位置された回転ローラと、
前記回転ローラ内のバネと、
前記回転ローラ内に延び、前記バネの両端部に接触する第一のピンおよび第二のピンであって、対抗して上方に延びる前記フランジを介して前記足踏みレバーに接触する第一および第二のピンとを有し、
前記足踏みレバーは、前記第一および第二のピンを所定の位置に受け入れ固定し、前記足踏みレバーを前記台座に回転自在に取り付けるための第一の受け手段および対抗する第二の受け手段を有することを特徴とする前記足踏みレバーが前記台座に回転自在に取り付けられた請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ペダルは、前記装置に近い位置で床に取り付けられることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記ペダルの足踏みレバーを提供すること、
前記足踏みレバーに第一のローラを取り付けること、
前記ペダルの台座を設けること、
前記台座に第二のローラを取り付けること、
前記台座に前記足踏みレバーを回転自在に取り付けること、
前記トイレを水洗するために内部解放手段を備えるタンクを有するトイレを提供すること、
前記タンク掴みの一部が前記タンク内に延びるように前記タンクの裏側縁部にタンク掴みを位置づけること、
前記台座から、前記足踏みレバーの前記第一のローラの上方を通って、前記台座の第二のローラを回って、前記台座の少なくとも一つの開口部を出て、前記トイレの裏側で前記タンクの内部に入るよう前記ケーブルの第一の端部を延ばしてケーブルを位置決めし、前記ケーブルは前記タンク掴みで所定の位置に保持され、前記ケーブルの第二の端部で前記タンク内の前記内部解放手段に接続されること、および
前記ペダルの前記足踏みレバーに足で圧力を加え、前記足踏みレバーが前記台座を中心に回転し、前記第一および第二のローラの間の距離を増加させ、それによって、前記ペダル内のケーブルの長さを増加させ、同時に、前記長さ分だけ前記タンク内のケーブルの量を減少させて、前記内部解放手段を起動し前記トイレの水洗を行うことを特徴とするトイレの足元起動型水洗方法。
【請求項25】
取り付けブラケット、バネクランプ、粘着剤、糊、セメント、ペースト、エポキシ樹脂、接着剤、両面テープ、マジックテープ、吸盤および滑り止めゴムからなる群から選択した取り付け手段を用いて、前記ペダルを前記トイレの近辺の床に取り付けることをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記タンク内の前記ケーブルの前記第二の端部におもりを取り付けることをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記タンク内の前記ケーブルの前記第二の端部に少なくとも二つのスイベル・フックを取り付け、その内の第一のスイベル・フックが前記ケーブルを前記おもりに接続し、第二のスイベル・フックが前記ケーブルを前記タンク内の前記内部解放手段に接続することをさらに特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記タンク掴みが、少なくもと前記ケーブルを前記タンクの内部の側壁から離して、前記内部解放手段に向かうようにさせて、衝突することなく前記トイレの水洗を行うことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記足踏みレバーから前記足をはずすことにより前記ペダルをリセットし、前記ケーブルは前記ペダルおよび前記タンクとともに元の始動位置に戻ることをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項30】
ケーブルカバーとケーブルが裸眼では見えないようにするため、前記ペダルおよび前記タンク掴みを前記トイレと一体に形成することをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−521432(P2007−521432A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552275(P2006−552275)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003598
【国際公開番号】WO2005/077238
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(506268991)フット フラッシュ インターナショナル、エルエルシー. (1)
【Fターム(参考)】