説明

足囲計測器

【課題】簡易な構造で、かつ、小型の足囲計測器を提供する。
【解決手段】横延部4と、第1脚部5と、第2脚部2と、第2脚部2の下端部に固定され、足囲における足の他方の側面から足の一方の側面に至るまでの足の上面に接触し、横延部4に沿って水平方向Yに延びる目盛を有する可撓性の帯状部材Mと、第2脚部2と一体に第1脚部5に対し相対移動し、帯状部材Mにおける足囲値を読み取る位置を示す指標部2Mと、帯状部材Mにおける第1脚部5の下端部から上端部に至る足囲に含まれないオフセット量を指標部2Mが指す足囲値に含まれないようにするためのオフセット部OFFとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足囲計測器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、シューズメーカーは、顧客の足の太さに合わせた製品を販売している。たとえば、足の太さを基準に、「ナロータイプ」や「ワイドタイプ」など種々のタイプの靴が販売されている。顧客の足がどのタイプの靴に適しているかは、顧客の足を計測して足の太さを把握する必要がある。
【0003】
前記足の太さを把握する上で必要なのは足長と足囲であり、足の太さは前記足長と足囲とのバランスで判定する。足囲とは、親指と小指の付け根を通る断面の周囲の長さであり、細い帯状のメジャーを足の回りに一周させて計測するのが一般的である。
【0004】
しかし、足囲を計測するには、顧客が爪先を上げる必要があり、また、足の上げ下ろしを顧客に指示する必要があるので煩雑である。さらに、イベント会場などは喧騒としており、指示が顧客に聞こえにくく、計測し辛い。
そこで、各店舗で使用するための足囲計測器が提案されている(特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平2−12882号(第1図)
【特許文献2】特開2000−51183(要約書、図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1の計測器は顧客の足裏全体を計測器上に載せて計測を行う必要がある。そのため、計測器が大型となり狭い店舗などでは場所を専有し不便である。また、顧客が該計測器の所定位置に足を載せるように指示する必要があるので煩雑である。
一方、特許文献2の計測器も前記特許文献1と同様に足裏全体を計測器上に載せる必要があるから大型であると共に、複雑な構造をしており取り扱いや保守が煩雑である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、計測器の所定の位置に足を載せる必要がなく、かつ、小型な足囲計測器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の足囲計測器は、足囲の測定時に水平方向に延びる横延部と、足の一方の側面に接触する第1接触面を有し、前記横延部から下方に向って延びる第1脚部と、足の他方の側面に接触する第2接触面を有し、前記横延部から下方に向って延び、前記第1接触面から第2接触面までの距離が足幅に応じて変化するように、かつ、前記横延部に沿って前記水平方向に前記第1脚部に対し相対移動する第2脚部と、前記第2脚部の下端部に固定され、足囲における足の前記他方の側面から足の前記一方の側面に至るまでの足の上面に接触し、前記第1脚部の下端部を通って前記第1脚部に沿って上方に立ち上がり、更に前記横延部に沿って前記水平方向に延びる目盛を有する可撓性の帯状部材と、前記第2脚部と一体に前記第1脚部に対し相対移動し、前記横延部に沿って水平方向に延びる前記帯状部材における足囲値を読み取る位置を示す指標部と、前記帯状部材における前記第1脚部の下端部から上端部に至る前記足囲に含まれないオフセット量を前記指標部が指す足囲値に含まれないようにするためのオフセット部とを備え、前記オフセット部が下記の(1)もしくは(2)のうちの少なくとも一方により構成されている。
(1)前記帯状部材における前記第2脚部の下端部から前記指標部までの間の部位。
(2)前記第2接触面に対し前記指標部が水平方向に突出する突出部を有しており、当該指標部における突出部。
【発明の効果】
【0009】
今、2つの脚部の間に前足部が位置するように、本足囲計測器を置き、帯状部材であるメジャーを足囲における足の上面に接触させる。この状態で、メジャーには足囲に含まれない第1脚部の下端部から上端部に至るオフセット量が含まれているので、前記指標部が指す足囲値に前記オフセット量が含まれないようにする必要がある。
したがって、前記オフセット量に相当する長さを持つオフセット部を設けることにより、足囲を測ることができる。
【0010】
特に、本発明においては計測器上に足を載せる必要がなく本足囲計測器の一対の接触面を足の上方から足の側面に当接させるだけの簡単な操作で、かつ、演算用のコンピュータを用いることもないので、極めて簡単な小型の器具で足囲を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる足囲計測器の計測方法を示す斜視図である。
【図2】同計測方法を示す斜視図である。
【図3】足囲計測器を示す一部破断した概略正面図である。
【図4】図4(a)は図3におけるIVa−IVa線概略断面図、図4(b)は図3におけるIVb−IVb線概略断面図、図4(c)は図3におけるIVc−IVc線概略断面図、図4(d)は図3におけるIVd−IVd線概略断面図である。
【図5】足囲の計測方法の原理を示す概念図である。
【図6】実施例1の足囲計測器の変形例を示す概略正面図である。
【図7】実施例2の足囲計測器を示す概略正面図である。
【図8】実施例3の足囲計測器を示す概略正面図である。
【図9】実施例4の足囲計測器を示す概略正面図である。
【図10】実施例5の足囲計測器を示す概略正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明における好ましい態様において、前記横延部には足幅に関する計測用の目盛が設けられている
【0013】
かかる態様によれば、第1接触面と第2接触面との間の距離は、足幅に相当するので、前記足囲の測定時には足幅を同時に計ることが可能である。したがって、足幅を読み取るための目盛りなどを設けることにより、足幅等を知ることができる。
【0014】
本発明における好ましい態様において、前記横延部は足長方向に2分割された一対の合成樹脂部材が互いに接合されて形成され、前記一対の合成樹脂部材の互いに対面する面に、前記水平方向に延びるガイドレールが形成され、前記ガイドレールに嵌り前記水平方向にスライドするスライダと共に一体に前記第2脚部が前記ガイドレールに沿って水平移動する。
【0015】
前記両接触面の間の距離は足囲の計測値に直接的に影響する。したがって、前記相対移動により前記両脚部と前記横延部とのなす角度が変化してはならない。
ここで、ガイドレールにスライダが嵌まり込んでいるため、第2脚部がガイドレールに沿ってスムースに移動し前記角度に変化が生じない。
【0016】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【実施例1】
【0017】
図1〜5は実施例1を示す。
図1および図2に示すように、足囲計測器は横延部4、第1脚部5および第2脚部2を備えている。
【0018】
前記第1脚部5は、足囲の測定時に水平方向Yに延びる横延部4の先端部4aに一体に設けられ、略L字状の本体1を構成している。図3において第1脚部5は足Fの一方の側面Fs1、たとえば、小指f5(または親指f1)の付け根付近の外側面に接触する第1接触面51を有しており、前記横延部4から下方に向って延びている。
【0019】
前記横延部4には、略I字状の第2脚部2が摺動自在に設けられている。前記第2脚部2は足Fの他方の側面Fs2、たとえば、親指f1(または小指f5)の付け根付近の外側面に接触する第2接触面22を有しており、前記横延部4から下方に向って延びている。
したがって、足囲計測器は略L字状の前記本体1と略I字状の第2脚部2とが組み合わされた略F字状に形成されている。
【0020】
第2脚部2:
図3に示す第2脚部2は、横延部4に沿って水平方向Yに前記第1脚部5に対して相対移動可能に設定されている。
【0021】
図4(a)〜図4(c)に示すように、前記横延部4は、足長方向Fdに2分割された一対の合成樹脂部材10が互いに接合されて形成されている。
図3および図4(b)に示すように、前記一対の合成樹脂部材10の互いに対面する面には、水平方向Yに延びる溝状のガイドレール11が形成されている。
【0022】
図4(c)に示すように、前記第2脚部2の上端部は、前記ガイドレール11に嵌まり水平方向Yにスライドするスライダ20が一体に形成されている。図3に示すように、前記スライダ20は第1脚部5側に向って水平方向Yに向って延設されている。
【0023】
図4(b)の前記溝状のガイドレール11の上面11aおよび下面11bには、それぞれ、前記スライダ20の第1摺接面20aおよび第2摺接面20bが隙間なく接している。
したがって、顧客の足幅に応じて第2脚部2が水平方向Yに移動し、第1接触面51から第2接触面22までの足幅に相当する距離Wが変化する。一方、第2脚部2のスライダ20が横延部4のガイドレール11に嵌まり込んでいるため、第2脚部2と横延部4とのなす角度が変化しない。
【0024】
図3の前記スライダ20および横延部4には、手を離しても目盛りを読み取ることができるように、たとえば、輪ゴムなどの弾性部材を係止するための係止部22,52がそれぞれ形成されており、前記弾性部材によって第2脚部2は第1脚部5に向って付勢されていてもよい。なお、必ずしも前記弾性部材を設ける必要はない。
【0025】
メジャーM:
図1および図2に示すように、前記本体1および横延部4には目盛Mdを有するメジャー(帯状部材)Mが設けられている。
図3に示すように、前記メジャーMは、その一方の端部Sが、第2脚部2のたとえば下端面23に固定されている。本実施例において、メジャーMは足囲における足の他方の側面Fs2から足の一方の側面Fs1に至まで足の両側面Fs2,Fs1および上面Fuに接触し、第1脚部5の下端部5dを通って第1脚部5に沿って上方Z1に立上り、更に、横延部4に沿って水平方向Yに延びるように配置されている。
なお、前記メジャーMの遊端部は横延部4の後端部4bよりも長く延設されている。
【0026】
図3および図4(a)に示すように、第1脚部5にはメジャーMが挿通されるスリット状の第1挿通孔1aが形成されている。図3に示すように、第1脚部5の上端部5uと連なる横延部4のコーナ部4aは、メジャーMをスムースに案内するために円弧状に形成されている。前記第1挿通孔1aは、第1脚部5の下端部5dから横延部4のコーナ部4aまで形成されている。前記横延部4の後端部4bの近傍にはメジャーMが挿通されるスリット状の第2挿通孔1bが形成されている。前記横延部4において、前記第1挿通孔1aと第2挿通孔1b以外の上面にはメジャーMを案内・配置するための浅い溝1sが形成されている。
【0027】
第1脚部5の下端部5dには、前記メジャーMを案内する回転ローラ6が設けられている。図4(d)に示すように、前記回転ローラ6は、第1脚部5に固定された回転軸60を中心に回転可能に設定けられている。
【0028】
したがって、図3に示す第2脚部2が足幅に応じて移動されると、メジャーMが第2挿通孔1b、溝1sおよび第1挿通孔1aを通り、回転ローラ6の回転によって、メジャーMが足Fの両側面Fs1,Fs2および上面Fuに沿うように移動する。
【0029】
指標部2M:
図4(c)に示すように、第2脚部2の上部には、横延部4の両側面を覆うカバー部21が固定されている。本実施例の場合、図3に示すように、前記第2脚部2の第1脚部5側の上面の側端は指標部2Mを構成しており、後述する測定原理の項で説明するように、指標部2Mが指し示すメジャーMの目盛Mdを読み取ることにより、足囲を測定することが可能である。
【0030】
なお、図1および図2において、本計測器の構造を分かり易くするために、メジャーMを覆っている合成樹脂部材10の表面およびカバー部21の表面は灰色に着色している。
また、図3,図7,図8,図9および図10において、横延部4に対しスライド移動する部分には網点を施している。
【0031】
足囲の測定方法:
足囲を測定するには、図1および図2に示すように、床面に足を付けた状態で、足囲計測器の第1脚部5と第2脚部2との間を開きながら、該第1脚部5および第2脚部2の下端面53,23を地面に接触させる。第1脚部5の第1接触面51と、第2脚部2の第2接触面22とが、それぞれ、たとえば、足Fの小指f5の付け根付近の外側面および親指f1の付け根付近の内側面に接触するように足囲計測器をセットする。
【0032】
ついで、メジャーMの遊端部Mxを軽く引っ張ると、メジャーMが第1および第2挿通孔1a,1bおよび溝1sに沿って移動し、メジャーMに緩みのない状態となって、メジャーMが足囲における足の他方の側面から足の一方の側面に至るまでの足の上面Fuに接触する。
【0033】
この状態で、前記指標部2Mが指し示すメジャーMの目盛Mdを読み取ることにより足囲を測ることができる。
【0034】
測定原理:
つぎに、本足囲計測器による測定原理について説明する。
足囲は、図5(a)に示す線分Lの周長であるが、これは図5(b)の線分L1の周長に近似される。この図5(b)の線分L1の長さは、図5(c)の2本の線分L2,L3の長さの和に等しい。これは、図5(d)のように、更に近似化でき、図5(d)の点Osから点Oeまでの二点鎖線の線分Loの長さがオフセット量αとなる。このオフセット量αを図5(e)のメジャーMの始端側から除いた点をゼロ点O0 とすることにより、つまり、オフセット部OFFをメジャーMに設けることにより、メジャーMが指標部2M(図3)において足囲値を表示する。
【0035】
前記測定原理において、オフセット部OFFはメジャーMにおける指標部2Mから離れた位置に設ければよい。たとえば、図5(d)のメジャーMの始端Sから点Oeまでは目盛を設けずに、点Oeから適宜の値の目盛が始まるようにしてもよい。
【0036】
また、前記オフセット部OFFは図7のようにメジャーMに設けずに、指標部2Mに設けてもよい。
この例では、指標部2Mは第1接触面51からメジャーMの始端Sに向う水平方向Yに突出する突出部25を有する。この突出部25の第2接触面22からの距離はオフセット量αに等しい値に設定されている。この場合、メジャーMのゼロ点O0 はメジャーMの始端Sに設定される。
【0037】
また、前記オフセット部OFFは図8のようにメジャーMおよび指標部2Mの双方に設けてもよい。この場合、メジャーMおよび指標部2Mに設けた第1オフセット部OFF1と第2オフセット部OFF2の長さの和がオフセット量αに等しくなるように設定する。
前記第1オフセット部OFF1の長さを長くすると共に、指標部2Mの位置を変えてもよい。更に、図8に示すゼロ点O0 の位置をメジャーMの始端Sから遠くし、図8の二点鎖線で示す位置に指標部2M1を設定してもよい。
【0038】
ところで、本足囲計測器において、図9に示すように、メジャーMは少なくとも足の上面に接すればよい。この場合、図5(e)の場合に比べ、下端部の高さΔ1,Δ2についてはメジャーMで測定できない。しかし、この場合のオフセット量αは下記の (1)式で近似的に表される。
α=β−(Δ1+Δ2) … (1)
但し、βは点Os〜OeまでのメジャーMの長さ
【0039】
ここで、図8や図9の場合、目視や設計上でオフセット量αを決定した場合には、オフセット量αに誤差が生じ易くなる。しかし、以下に説明するように、オフセット量αは目視や設計において求める必要はなく、物理学で用いられる検量線に近似した手法を用いて製造工程において求めてもよい。
【0040】
まず、特定人Aの足の足囲値Xを通常のメジャー(単体)で測る。一方、図8や図9の足囲計測器で、前記特定人Aの足囲を測り、指標部2Mで計測される足囲値が前記足囲値Xとなるように、前記メジャーMにおけるゼロ点O0 を定める。このゼロ点O0 の位置は前述のように近似して求められた位置よりも正確な位置となり得る。
【0041】
したがって、図8や図9の構造でも足囲を計測することができ、また、こうしてゼロ点O0 を定める前記手法によれば、前記近似式と異なり、足囲値を正確に計測することができる。
かかる検量線の手法を用いるには、少なくともメジャーMにオフセット部OFFを設ける必要がある。
【実施例2】
【0042】
つぎに、他の実施例について説明する。以下に述べる各実施例においては、前述した実施例1と異なる部分について主に説明する。
図7は実施例2を示す。
図7に示すように、第2脚部2には、第1脚部5に向って水平方向Yに延設された突出部25が一体に形成されている。前記突出部25の第1脚部5側の端には指標部2Mが設定されている。
前記突出部25のオフセット部OFFを構成する水平方向Yの長さは、前述したように、第2脚部2の第2接触面22と同じ水平方向の位置2sから前記オフセット量αに等しくなるように設定されている。
【実施例3】
【0043】
図8は実施例3を示す。
図8に示すように、第2脚部2には、第1脚部5に向って水平方向Yに延設された突出部25が一体に形成されている。前記突出部25の第1脚部5側の端には指標部2Mが設定されている。
本実施例3では、オフセット部OFFは第1オフセット部OFF1と第2オフセット部OFF2からなる。第1オフセット部OFF1はメジャーMの始端Sから所定のゼロ点O0 までの長さに設定されている。第2オフセット部OFF2はオフセット量から前記オフセット部OFF1を減算した長さであり、突出部25の水平方向Yの長さに設定されている。
【0044】
なお、前記第1オフセット部OFF1の長さを長くすると共に、第2オフセット部OFF2を長くすることにより、図8の二点鎖線で示すように、指標部2M1を第2脚部2の後端側に設けてもよい。
【実施例4】
【0045】
図9は実施例4を示す。
図9に示すように、第2脚部2および第1脚部5の下端部には別のパーツ7が接着剤により固着されている。前記パーツ7は、その高さΔ1,Δ2が3mm〜10mm程度に設定される。
そのため、メジャーMは主として足Fの上面Fuに密着する。
【0046】
このように、前記第2脚部2の下端面23に別のパーツ7を設けることにより、メジャーMの始端Sが床面に直接接しないのでメジャーMの始端S付近が経時的に摩耗するおそれがない。また、第1脚部5の下端部5dにパーツ7を設けることにより、図3の薄肉の第1脚部5の下端53が破損するのを防止し得る。
【実施例5】
【0047】
図10は実施例5を示す。
図10に示すように、この実施例の場合、第1脚部5は横延部4の後端部4b側に一体に設けられており、本体1Aは略T字型に形成されている。第2脚部2は横延部4の先端部4a側に横延部4に対し移動可能に設けられている。この実施例の場合、第1脚部5は横延部4に対し移動しないが、第2脚部2がスライドすることにより、第1脚部5が第2脚部2に対し相対移動する。
【0048】
実施例1:
図6は実施例1の変形例を示す。
図1に示すように、横延部4の側面には足幅に関する計測用の第2目盛Meが設けられている。第1脚部5の第1接触面51と、第2脚部2の第2接触面22との間の距離は足幅に相当している。そのため、足幅を読み取るための第2目盛Meを読み取ることで足幅を知ることができる。
【0049】
ここで、前記第2目盛Meは図6に示すJISウィズを換算するための目盛であってもよい。
JISウィズとはJIS規格で規定されている足囲のサイズを表す規格である。
図6に示す指標部2Mに足長を合わせると、ウィズ指標部2Jが指し示す前記第2目盛Meの位置は顧客のJISウィズ値となる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の足囲計測器は足囲の測定に用いることができる。
【符号の説明】
【0051】
2:第2脚部
2M,2M1:指標部
4:横延部
5:第1脚部
10:合成樹脂部材
11:ガイドレール
20:スライダ
22:第2接触面
51:第1接触面
α:オフセット量
M:メジャー(帯状部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足囲の測定時に水平方向に延びる横延部と、
足の一方の側面に接触する第1接触面を有し、前記横延部から下方に向って延びる第1脚部と、
足の他方の側面に接触する第2接触面を有し、前記横延部から下方に向って延び、前記第1接触面から第2接触面までの距離が足幅に応じて変化するように、かつ、前記横延部に沿って前記水平方向に前記第1脚部に対し相対移動する第2脚部と、
前記第2脚部の下端部に固定され、足囲における足の前記他方の側面から足の前記一方の側面に至るまでの足の上面に接触し、前記第1脚部の下端部を通って前記第1脚部に沿って上方に立ち上がり、更に前記横延部に沿って前記水平方向に延びる目盛を有する可撓性の帯状部材と、
前記第2脚部と一体に前記第1脚部に対し相対移動し、前記横延部に沿って水平方向に延びる前記帯状部材における足囲値を読み取る位置を示す指標部と、
前記帯状部材における前記第1脚部の下端部から上端部に至る前記足囲に含まれないオフセット量を前記指標部が指す足囲値に含まれないようにするためのオフセット部とを備え、
前記オフセット部が下記の(1)もしくは(2)のうちの少なくとも一方により構成されている足囲計測器
(1)前記帯状部材における前記第2脚部の下端部から前記指標部までの間の部位
(2)前記第2接触面に対し前記指標部が水平方向に突出する突出部を有しており、当該指標部における突出部。
【請求項2】
請求項1において、前記横延部には足幅に関する測定用の目盛が設けられている足囲測定器。
【請求項3】
請求項2において、前記横延部は足長方向に2分割された一対の合成樹脂部材が互いに接合されて形成され、
前記一対の合成樹脂部材の互いに対面する面に、前記水平方向に延びるガイドレールが形成され、
前記ガイドレールに嵌り前記水平方向にスライドするスライダと共に一体に前記第2脚部が前記ガイドレールに沿って水平移動する足囲測定器。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−30931(P2011−30931A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182304(P2009−182304)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】