説明

足拭き機能および広告機能付きフロアーマット

【課題】マット自体を替えることなく、広告を差し替えることができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができるフロアーマットを提供する。
【解決手段】フロアーマット10Aは、所定面積の足拭きマット11と、足拭きマット11に連結手段を介して着脱可能に連結される所定面積の設置マット12と、設置マット12の上に載置されて広告シートを着脱可能な所定面積の広告マット13とから形成されている。フロアーマット10Aでは、広告シートが下部プレートと上部プレートとの間に挟まれた状態で固定され、上部プレートの周縁部が下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部との間に挟まれた状態で固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足拭き機能と宣伝広告機能とを備えた足拭き機能および広告機能付きフロアーマットに関する。
【背景技術】
【0002】
足拭きマットの製造およびレンタルを行う足拭きマット事業者と、足拭きマット事業者との契約によって足拭きマットに広告を掲載する広告主と、足拭きマット事業者との契約によって広告が掲載された各種広告付き足拭きマットの設置場所を提供する場所提供者との関係から構築された広告方法がある(特許文献1参照)。この広告方法は、足拭きマット事業者が広告主からの依頼により、製造およびレンタル契約した足拭きマットに広告を掲載し、その広告付き足拭きマットを場所提供者の提供する設置場所において利用者の多くなる時期に応じて選択的に移動設置し、広告付き足拭きマットの設置期間に応じた対価を足拭きマット事業者が場所提供者に支払う。この広告方法は、広告付き足拭きマットを利用者の多くなる時期に応じて選択的に移動設置するから、広告付き足拭きマットの宣伝効果を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−170846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の広告方法に使用するマットは、その足拭き部分の表面に所定の広告を掲載するから、広告を変更する場合、マット自体を別の広告を掲載したそれに差し替えなければならず、その分の手間と費用とがかかる。また、この広告方法に使用するマットは、それを残した状態で広告の差し替えを行うことができず、宣伝広告を自由に替えることができないから、一つのマットで多種多様な広告を掲載することができず、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができない。さらに、マットの使用によって足拭き部分の足拭き機能が低下した場合、マット自体を新たなそれに替えなければ、足拭き部分の足拭き機能を回復させることができないから、常に足拭き機能を有する状態で広告機能を発揮することができない。
【0005】
本発明の目的は、マット自体を替えることなく、広告を差し替えることができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる足拭き機能および広告機能付きフロアーマットを提供することにある。本発明の他の目的は、常に足拭き機能を有する状態で広告機能を発揮することができる足拭き機能および広告機能付きフロアーマットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明にかかる広告機能付き足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、所定面積の足拭きマットと、足拭きマットに連結手段を介して着脱可能に連結される所定面積の設置マットと、設置マットの上に載置されて所定の宣伝広告を掲載する所定面積の広告マットとを備え、広告マットが、宣伝広告を表示した広告シートを着脱可能に載置する可撓性の下部プレートと、下部プレートの上に着脱可能に載置する可撓性の透明な上部プレートと、上下部プレートの周縁部の上に着脱可能に載置する可撓性の連結フレームとから形成され、連結フレームが、設置マットの周縁部に重なり、設置マットの外側に向かうにつれて下り勾配に傾斜する外周縁部と、下部プレートの周縁部に第1係合手段を介して着脱可能に係合し、設置マットの内側に向かうにつれて下り勾配に傾斜する内周縁部とを有し、広告シートが、下部プレートと上部プレートとの間に挟まれた状態で固定され、上部プレートの周縁部が、下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部との間に挟まれた状態で固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの一例として、広告マットでは、上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部とのうちの互いに重なり合う部分が第2係合手段を介して着脱可能に係合する。
【0008】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、連結フレームの内周縁部が、上部プレートの周縁部に当接する当接部分と、当接部分の外側に位置して上下方向下方へ凸となる凸部分と、凸部分の外側に位置して上下方向上方へ凹む凹部分とを有し、下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部の凹部分とが第1係合手段を介して着脱可能に係合する。
【0009】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とが第3係合手段を介して着脱可能に係合する。
【0010】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、第1係合手段が、連結フレームの内周縁部の凹部分に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と、下部プレートの周縁部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである。
【0011】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、第2係合手段が上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である。
【0012】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、第3係合手段が連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である。
【0013】
本発明の他の一例として足拭き機能および広告機能付きフロアーマットでは、足拭きマットの端部と設置マットの端部とが連結手段を介して連結され、連結手段が、足拭きマットの端部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と、ラバーマットの端部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである。
【0014】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、足拭きマットが、ゴム系素材から作られたラバー部と、ラバー部の上に形成された足拭き用のパイル部とを備え、設置マットが、ラバー部と同一のゴム系素材から作られ、設置マットの端部が、足拭きマットの端部の下に所定面積重なった状態で連結され、連結手段が、設置マットの端部に足拭きマットのラバー部およびパイル部の重量が作用することによる設置マットの端部と足拭きマットのラバー部との摩擦係合力である。
【0015】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例として、設置マットの足拭きマットと連結する端部を除いた残余の端部には、設置マットの内側に向かって延びる可撓性のフランジ部が形成され、フロアーマットでは、広告マットを設置マットの上に載置したときに、連結フレームの外周縁部が設置マットの端部とフランジ部との間に挟まれた状態で固定される。
【0016】
本発明の足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの他の一例としては、上部プレートが、下部プレートに対向する透明なPET樹脂シートと、PET樹脂シートの下部プレートに対する非対向面に配置された透明な保護シートとから形成され、保護シートが、透明な合成樹脂と前記合成樹脂に練り込まれた透明なセラミック粉末とから作られ、PET樹脂シートの非対向面に塗布された透明なUV樹脂をバインダーとして非対向面に接合されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる足拭き機能および広告機能付きフロアーマットによれば、所定の宣伝広告を表示した広告シートを着脱可能な広告マットを有し、足拭きマット自体や設置マット自体を替えることなく、広告マットにおいて広告シートを差し替えることができるから、広告マットにおいて多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる。フロアーマットは、宣伝広告の変更が生じたとしても、足拭きマット自体や設置マット自体を替える必要がないから、その分の手間や費用を省くことができる。フロアーマットは、各種の広告シートを配置した状態で、それを自由に移動させることができるから、必要な場所において宣伝広告を行うことができ、さらに、必要に応じて広告シートを自由に差し替えることができるから、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。フロアーマットは、足拭きマットと設置マットとが着脱可能であるから、1つのマットで足拭き機能と宣伝広告機能との両機能を同時に利用することができるとともに、使用によって足拭きマットの足拭き機能が低下したとしても、その足拭きマットを取り外して新たな足拭きマットを設置マットに連結することができるから、足拭き機能が低下した足拭きマットのみを交換することで足拭き機能を回復させることができ、常に足拭き機能を有する状態で宣伝広告機能を発揮させることができる。このフロアーマットは、連結フレームの外周縁部が設置マットの外側に向かうにつれて下り勾配に傾斜し、連結フレームの内周縁部が設置マットの内側に向かうにつれて下り勾配に傾斜しているから、フロアーマット上を通る人のつまずきを防ぐことができる。
【0018】
上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部とのうちの互いに重なり合う部分が第2係合手段を介して着脱可能に係合する足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、上下部プレートの周縁部の互いに重なり合う部分が係合することで、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができ、上下部プレートの周縁部の係合を解除することで、広告シートを自由に差し替えることができる。このフロアーマットは、足拭きマット自体や設置マット自体を替えることなく、広告マットにおいて広告シートを自由に差し替えることができるから、広告マットにおいて多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができるのみならず、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な宣伝広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。
【0019】
下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部の凹部分とが第1係合手段を介して着脱可能に係合する足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部の凹部分とが係合するから、下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部との不用意なずれ動きを防ぐことができるとともに、上部プレートの周縁部が下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部の当接部分との間に挟み込まれた状態で固定され、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができる。このフロアーマットは、足拭きマット自体や設置マット自体を替えることなく、広告マットにおいて広告シートを自由に差し替えることができるから、広告マットにおいて多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができるのみならず、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な宣伝広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。
【0020】
連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とが第3係合手段を介して着脱可能に係合する足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とが係合するから、連結フレームの内周縁部と上部プレートの周縁部との不用意なずれ動きを防ぐことができるとともに、上部プレートの周縁部が下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部の当接部分との間に挟み込まれた状態で固定され、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができる。このフロアーマットは、足拭きマット自体や設置マット自体を替えることなく、広告マットにおいて広告シートを自由に差し替えることができるから、広告マットにおいて多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができるのみならず、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な宣伝広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。
【0021】
第1係合手段が固定フレームの内周縁部の凹部分に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と下部プレートの周縁部に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部の凹部分とがメカニカルファスナを介して係合するから、下部プレートの周縁部と固定フレームの内周縁部との不用意なずれ動きを防ぐことができるとともに、上部プレートの周縁部が下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部の当接部分との間に挟み込まれた状態で固定され、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができる。フロアーマットは、固定フレームの内周縁部と下部プレートの周縁部とのメカニカルファスナによる係合を解除することで、広告シートを自由に差し替えることができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる。
【0022】
第2係合手段が上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部との互いに重なり合う部分が粘着剤を介して係合することで、上下部プレートの不用意なずれ動きを防ぐことができ、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができる。フロアーマットは、上部プレートの周縁部と下部プレートの周縁部との粘着剤による係合を解除することで、広告シートを自由に差し替えることができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる。
【0023】
第3係合手段が連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、連結フレームの内周縁部の当接部分と上部プレートの周縁部とが粘着剤を介して係合するから、連結フレームの内周縁部と上部プレートの周縁部との不用意なずれ動きを防ぐことができるとともに、上部プレートの周縁部が下部プレートの周縁部と連結フレームの内周縁部の当接部分との間に挟み込まれた状態で固定され、広告シートを上下部プレートの間に確実に固定することができる。
【0024】
足拭きマットの端部と設置マットの端部とが連結手段を介して連結され、その連結手段が足拭きマットの端部に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と設置マットの端部に取り付けられた雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、足拭きマットと設置マットとがメカニカルファスナを介して連結されるから、足拭きマットと設置マットとの不用意な分離を防ぐことができ、1つのマットで足拭き機能と宣伝広告機能との両機能を同時に利用することができる。このフロアーマットは、足拭きマットと設置マットとがメカニカルファスナを介して着脱可能であり、使用によって足拭きマットの足拭き機能が低下したとしても、その足拭きマットを取り外して新たな足拭きマットを設置マットに連結することができるから、足拭き機能が低下した足拭きマットのみを交換することで足拭き機能を回復させることができ、常に足拭き機能を有する状態で宣伝広告機能を発揮させることができる。
【0025】
足拭きマットがゴム系素材から作られたラバー部とそのラバー部の上に形成された足拭き用のパイル部とを備え、ゴム系素材の設置マットの端部が足拭きマットの端部の下に所定面積重なった状態で連結され、連結手段が設置マットの端部に足拭きマットのラバー部およびパイル部の重量が作用することによる設置マットの端部と足拭きマットのラバー部との摩擦係合力である足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、足拭きマットと設置マットとが互いの摩擦係合力によって連結されるから、足拭きマットと設置マットとの不用意な分離を防ぐことができ、1つのマットで足拭き機能と宣伝広告機能との両機能を同時に利用することができる。このフロアーマットは、足拭きマットと設置マットとが着脱可能であり、使用によって足拭きマットの足拭き機能が低下したとしても、その足拭きマットを取り外して新たな足拭きマットを設置マットに連結することができるから、足拭き機能が低下した足拭きマットのみを交換することで足拭き機能を回復させることができ、常に足拭き機能を有する状態で宣伝広告機能を発揮させることができる。
【0026】
設置マットの内側に向かって延びる可撓性のフランジ部が設置マットの足拭きマットと連結する端部を除いた残余の端部に形成され、広告マットを設置マットの上に載置したときに、連結フレームの外周縁部が設置マットの端部とフランジ部との間に挟まれた状態で固定される足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、広告マットを設置マットの上に載置したときに、広告マットが設置マットの上に固定されるから、広告マットが設置マットから外れることはなく、マットにおける宣伝広告機能を確実に発揮させることができる。このフロアーマットは、設置マットの上における広告マットの不用意なずれ動きを防ぐことができるから、フロアーマット上を通る人のつまずきを防ぐことができる。
【0027】
上部プレートが透明なPET樹脂シートと保護シートとから形成され、保護シートが透明な合成樹脂と合成樹脂に練り込まれた透明なセラミック粉末とから作られ、その保護シートがPET樹脂シートの非対向面に塗布された透明なUV樹脂をバインダーとして非対向面に接合された足拭き機能および広告機能付きフロアーマットは、高い耐衝撃性と優れた強度とを有する保護シートをPET樹脂シートに接合することによって上部プレートの強度が向上し、上部プレートが踏みつけられたとしても上部プレートが傷つき難く、上部プレートを長期間にわたって連続的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一例として示す足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの斜視図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図1のB−B線端面図。
【図4】足拭きマットと設置マットと広告マットとを分離した状態で示すそれらマットの斜視図。
【図5】広告マットの分解斜視図。
【図6】他の一例として示す足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの斜視図。
【図7】図6のC−C線端面図。
【図8】図6のD−D先端面図。
【図9】足拭きマットと設置マットおよび広告マットとを分離した状態で示すそれらマットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一例として示す足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る足拭き機能および広告機能付きフロアーマットの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1のA−A線矢視断面図であり、図3は、図1のB−B線端面図である。図4は、足拭きマット11と設置マット12と広告マット13とを分離した状態で示すそれらマット11〜13の斜視図であり、図5は、広告マット13の分解斜視図である。図1では、前後方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
【0030】
足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Aは、販売品またはレンタル品として料金の支払いにより、店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等の出入口や床等に設置され、店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等において所定の商品や役務の宣伝広告に利用される。足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Aは、足拭きマット11と、足拭きマット11に着脱可能に連結される設置マット12と、設置マット12の上に着脱可能に載置(固定)される広告マット13とから構成されている。
【0031】
足拭きマット11は、図1,4に示すように、所定面積を有し、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型されている。足拭きマット11は、足拭き機能を有する。足拭きマット11は、ラバー部14と、ラバー部14の上に形成されたパイル部15とから作られている。ラバー部14は、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型され、前後方向へ延びる両端縁部16,17(端部)と、横方向へ延びる両側縁部18,19(端部)とを有する。ラバー部14は、ゴム系素材から作られ、可撓性かつ弾力性を有する。ラバー部14の一方の側縁部19(端部)の下面には、図2に示すように、縦方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雄ファスナ20(連結手段)が取り付けられている。
【0032】
パイル部15は、ラバー部14の両端縁部16,17および両側縁部18,19を除く残余の領域に形成されている。パイル部15は、図示はしていないが、給水繊維とフィラメント(ナイロンモノフィラメント、レーヨンモノフィラメント、アクリルモノフィラメント、ポリエステルモノフィラメント等)との着色されたコンビネーションパイルであり、油系吸着剤加工が施され、抗菌剤が錬り込まれている。パイル部15は、吸水性や保水性、吸着性、抗菌性に優れ、履物の靴裏の水分を吸収し、靴裏の塵埃や泥汚れを取り去る。また、素足の足裏の水分を吸収し、足裏の塵埃や汚れを取り去る。なお、足拭きマット11の平面形状を図示の矩形に限定するものではなく、他のあらゆる形状に成型することができる。また、パイル部15はコンビネーションパイルのみならず、現在販売やレンタルされている足拭きマットのパイルとして利用されている他のあらゆる形態を採用することができる。
【0033】
設置マット12は、図4に示すように、所定面積を有し、足拭きマット11のラバー部14と同一のゴム系素材から作られ、可撓性かつ弾力性を有する。設置マット12は、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型され、前後方向へ延びる両端縁部21,22(端部)と、横方向へ延びる両側縁部23,24(端部)とを有する。なお、設置マット12の平面形状を図示の矩形に限定するものではなく、他のあらゆる形状に成型することができる。設置マット12の一方の側縁部23(端部)の上面には、横方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雌ファスナ25(連結手段)が取り付けられている。
【0034】
設置マット12の両端縁部21,22には、上下方向上方へ凸となって前後方向へ直状に延びる凸部26と、凸部26につながって設置マット12の内側へ向かって延びる可撓性のフランジ部48とが形成されている。設置マット12の他方の側縁部24には、上下方向上方へ凸となって横方向へ直状に延びる凸部26と、凸部26につながって設置マット12の内側へ向かって延びる可撓性のフランジ部48とが形成されている。設置マット12の両端縁部21,22とフランジ部48との間には、後記する連結フレーム29の外周縁部40を挿脱可能に挿入するポケット49が形成されている。設置マット12の側縁部24とフランジ部48との間には、連結フレーム29の外周縁部40を挿脱可能に挿入するポケット49が形成されている。
【0035】
足拭きマット11のラバー部14の側縁部19の下面と設置マット12の側縁部23の上面とを重ね合わせると、ラバー部14の側縁部19に取り付けられた雄ファスナ20と設置マット12の側縁部23に取り付けられた雌ファスナ25とが係合し、足拭きマット11と設置マット12とを連結することができる。また、ラバー部14の側縁部19の雄ファスナ20と設置マット12の側縁部23の雌ファスナ25との係合を解除することで、足拭きマット11と設置マット12とを分離することができる。
【0036】
広告マット13は、所定の宣伝広告の掲載に利用され、宣伝広告機能を発揮する。広告マット13は、図4に示すように、所定面積を有し、その平面形状が横方向へ長い矩形を呈する。広告マット13の面積は、設置マット12のそれよりもわずかに小さい。広告マット13は、下部プレート27および透明な上部プレート28と、連結フレーム29とから形成されている。
【0037】
下部プレート27は、透明または着色されたプラスチックあるいはラバー部14や設置マット12と同一のゴム系素材から作られ、可撓性かつ弾力性を有する。下部プレート27は、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型され、前後方向へ延びる両端縁部30,31(周縁部)と、横方向へ延びる両側縁部32,33(周縁部)とを有する。下部プレート27の上には、広告シート34が着脱可能に載置される。広告シート34は、横方向へ長い矩形の紙やプラスチックシートから作られ、図示はしていないが、その少なくとも一面に所定の宣伝広告(文字、図形、記号、写真等の広告媒体)が表示されている。
【0038】
下部プレート27の両端縁部30,31(周縁部)には、前後方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雄ファスナ35(第1係合手段)が取り付けられ、下部プレート27の両側縁部32,33(周縁部)には、横方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雄ファスナ35(第1係合手段)が取り付けられている。下部プレート27の両端縁部32,33(周縁部)のうちの雄ファスナ35の内側(下部プレート27の両端縁部30,31と上部プレート28の両端縁部37,38とのうちの互いに重なり合う部分)には、前後方向へ直状に延びる両面粘着テープ36(粘着剤)(第2係合手段)が貼着されている(図2参照)。下部プレート27の両側縁部32,33(周縁部)のうちの雄ファスナ35の内側(下部プレート27の両側縁部32,33と上部プレート28の両側縁部39,40とのうちの互いに重なり合う部分)には、横方向へ直状に延びる両面粘着テープ36(粘着剤)(第2係合手段)が貼着されている(図3参照)。
【0039】
上部プレート28は、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型され、前後方向へ延びる両端縁部37,38(周縁部)と、横方向へ延びる両側縁部39,40(周縁部)とを有する。上部プレート28の面積は、下部プレート27のそれよりもわずかに小さく、下部プレート27の上に着脱可能に載置される。上部プレート28は、図示はしていないが、下部シート27に対向する透明なPET樹脂シートと、PET樹脂シートの上面に配置された透明な保護シートとから作られ、可撓性かつ弾力性を有する。PET樹脂シートは、下部シート27に対向する下面と、下部シート27に非対向の上面(非対向面)とを有する。保護シートは、透明な合成樹脂と、その合成樹脂に練り込まれた透明なセラミック粉末とから作られている。保護シートは、PET樹脂シートの上面に塗布された透明なUV樹脂をバインダーとしてPET樹脂シートの上面に接合されている。
【0040】
上部プレート28を形成する保護シートは、それが合成樹脂とその合成樹脂に練り込まれたセラミック粉末とから作られることで、高い耐衝撃性を備え、優れた強度を有する。ゆえに、UV樹脂をバインダーとしてPET樹脂シートに保護シートを接合することによって上部プレート28の強度が向上し、上部プレート28が踏みつけられたとしても上部プレート28が傷つき難く、上部プレート28を長期間にわたって連続的に使用することができる。
【0041】
連結フレーム29は、上下部プレート27,28の両端縁部30,31,37,38の上に着脱可能に載置されるとともに、上下部プレート27,28の両側縁部32,33,39,40の上に着脱可能に載置される。連結フレーム29は、図7に示すように、その平面形状が横方向へ長い矩形に成型されている。連結フレーム29は、設置マット12の両端縁部21,22(周縁部)の上に重なるとともに両側縁部23,24(周縁部)の上に重なる外周縁部41と、上下部プレート27,28の両端縁部30,31,37,38(周縁部)の上に重なるとともに両側縁部32,33,39,40(周縁部)の上に重なる内周縁部42とを有する。
【0042】
連結フレーム29の外周縁部41は、設置マット12の外側に向かうにつれて下り勾配に傾斜し、その先端の厚み寸法(上下方向の寸法)が略0である。連結フレーム29の内周縁部42は、設置マット12の内側に向かうにつれて下り勾配に傾斜し、その先端の厚み寸法(上下方向の寸法)が略0である。
【0043】
連結フレーム29の内周縁部42は、上部プレート28の両端縁部37,38(周縁部)に当接するとともに両側縁部39,40(周縁部)に当接する当接部分43と、当接部分43の外側に位置して上下方向下方へ凸となる凸部分44と、凸部分44の外側に位置して上下方向上方へ凹む凹部分45とを有する。連結フレーム29を上下部プレート27,28に載置すると、凸部分44と凹部分45とが下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33に対向する。
【0044】
上部プレート28の両端縁部37,38と並行して前後方向へ延びる当接部分43には、前後方向へ直状に延びる両面粘着テープ46(粘着剤)(第3係合手段)が貼着されている。上部プレート28の両側縁部39,40と並行して横方向へ延びる当接部分43には、横方向へ直状に延びる両面粘着テープ46(粘着剤)(第3係合手段)が貼着されている。下部プレート27の両端縁部30,31と並行して前後方向へ延びる凹部分45には、前後方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雌ファスナ47(第1係合手段)が取り付けられている。下部プレート27の両側縁部32,33に並行して横方向へ延びる凹部分45には、横方向へ直状に延びるメカニカルファスナの雌ファスナ47(第1係合手段)が取り付けられている。
【0045】
以下、図1の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Aの使用手順の一例を説明する。最初に上部プレート28と下部プレート27との間に広告シート34を設置する。図4に示すように、広告マット13を設置マット12の上から取り外す。広告マット13を設置マット12から取り外すには、設置マット12のフランジ部48を上下方向上方へ捲り上げ、連結フレーム29の外周縁部41をポケット49の外に出す。広告マット13を設置マット12から取り外した後、連結フレーム29を上下部プレート27,28から離間させる方向へ引っ張り、連結フレーム29の当接部分43に貼着された粘着テープ46の粘着力に抗して連結フレーム29と上部プレート28との係合を解除するとともに、下部プレート27に取り付けられた雄ファスナ35と連結フレーム29の凹部45に取り付けられた雌ファスナ47との係合を解除し、図5に示すように、上下部プレート27,28と連結フレーム29とを分離する。
【0046】
上下部プレート27,28と連結フレーム29とを分離した後、上部プレート28を下部プレート27から離間させる方向へ引っ張り、下部プレート27に貼着された粘着テープ36の粘着力に抗して上部プレート28と下部プレート27との係合を解除し、上部プレート28と下部プレート27と分離させる。上部プレート28と下部プレート27と分離させた後、下部プレート27の上に広告シート34を載置する。下部プレート27に広告シート34を載置した後、下部プレート27の上に上部プレート28を載置し、粘着テープ36を介して上部プレート28と下部プレート27とを再び係合させる。
【0047】
広告シート34は、上部プレート28と下部プレート27との間に挟まれた状態でそれらプレート27,28に固定される。広告シート34の宣伝広告を表示した面を透明な上部プレート28に対向させることで、上部プレート28を通して広告シート34に表示された宣伝広告を視認することができる。
【0048】
次に、上下部プレート27,28の両端縁部30,31,37,38および両側縁部32,33,39,40の上に連結フレーム29を載置し、連結フレーム29の当接部分43に貼着された粘着テープ46を介して連結フレーム29の当接部分43と上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40とを再び係合させるとともに、連結フレーム29の凹部分45に取り付けられた雌ファスナ47と下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33に取り付けられた雄ファスナ35とを再び係合させ、連結フレーム29と上下部プレート27,28とを連結させて広告マット13を組み立てる。連結フレーム29と上下部プレート27,28とを連結させると、上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40が下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33と連結フレーム29の内周縁部42との間に挟み込まれた状態で固定される。
【0049】
連結フレーム29と上下部プレート27,28とを連結させて広告マット13を組み立てた後、その広告マット13を設置マット12の上に載置する。広告マット13を設置マット12の上に載置する場合、設置マット12のフランジ部48を上下方向上方へ捲り上げ、連結フレーム29の外周縁部41をポケット49の中に入れる。広告マット13を設置マット12の上に載置すると、連結フレーム29の外周縁部41が設置マット12の両端縁部21,22および両側縁部23,24の上に重なり、連結フレーム29の内周縁部42が上下部プレート27,28の両端縁部30,31,37,38および両側縁部32,33,39,40に重なる。広告マット13の連結フレーム29の外周縁部41がポケット49に進入し、外周縁部41が設置マット12の両端縁部21,22とフランジ部48との間に挟まれた状態で固定され、外周縁部41が設置マット12の側縁部24とフランジ部48との間に挟まれた状態で固定される。さらに、広告マット13の下部プレート27と設置マット12とが重なり、広告マット13の重量が設置マット12に作用することによる下部プレート27と設置マット12との摩擦係合力により、広告マット13が設置マット12に固定される。ゆえに、広告マット13が設置マット12上において不用意にずれ動くことはない。
【0050】
広告シート34を設置した広告マット13を設置マット12に載置した後、このフロアーマット10Aを店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等の出入口や床等に置く。店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等を利用する人がこのフロアーマット10Aの上(広告マット13の上)を通過するときに、広告シート34の宣伝広告が上部プレート28を透過して目に入り、その宣伝広告の内容を認識する。人が足拭きマット11の上を通過するときに、パイル部15が靴裏についた水分を吸収し、靴裏の塵埃や泥汚れを取り去る。また、パイル部15が足裏の水分を吸収し、足裏の塵埃や汚れを取り去る。
【0051】
なお、足拭きマット11を所定期間使用すると、パイル部15に塗布された油系吸着剤が希薄になり、足拭きマット11のパイル部15の足拭き機能が低下する。パイル部15の足拭き機能が低下した場合、古い足拭きマット11を新たな足拭きマット11に交換する。足拭きマット11の交換は、足拭きマット11のラバー部14に取り付けられた雄ファスナ20と設置マット12に取り付けられた雌ファスナ25との係合を解除し、古い足拭きマット11と設置マット12とを分離させた後、新たな足拭きマット11のラバー部14の雄ファスナ20と設置マット12の雌ファスナ25とを係合させ、新たな足拭きマット11と設置マット12とを連結する。古い足拭きマット11は、それの再処理を行う業者に回収される。古い足拭きマット11を回収した業者は、回収した足拭きマット11を再処理工場において再処理し、パイル部15の足拭き機能を回復させる。
【0052】
宣伝広告の変更が必要となり、広告シート34を差し替える場合、連結フレーム29の外周縁部41をポケット49の外に出して広告マット13を設置マット12の上から取り外し、粘着テープ46に粘着力に抗して連結フレーム29と上部プレート28との係合を解除するとともに、ファスナ35,47の係合を解除し、上下部プレート27,28と連結フレーム29とを分離する。粘着テープ36の粘着力に抗して上部プレート28と下部プレート27との係合を解除し、上部プレート28と下部プレート27と分離した後、下部プレート27の上に新たな広告シート34を載置し、粘着テープ36を介して上部プレート28と下部プレート27とを再び係合させる。次に、上下部プレート27,28の両端縁部30,31,37,38および両側縁部32,33,39,40の上に連結プレート29を載置し、粘着テープ46を介して連結フレーム29の当接部分43と上部プレート28とを係合させるとともに、ファスナ35,47を係合させて連結フレーム29と上下部プレート27,28とを連結させて広告マット13を組み立てた後、連結フレーム29の外周縁部41をポケット49の中に入れ、その広告マット13を設置マット12の上に載置する。
【0053】
足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Aは、所定の宣伝広告を表示した広告シート34を着脱可能な広告マット13を有し、足拭きマット11自体や設置マット12自体を替えることなく、広告マット13において広告シート34を差し替えることができるから、広告マット13において多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる。フロアーマット10Aは、宣伝広告の変更が生じたとしても、足拭きマット11自体や設置マット12自体を替える必要がないから、その分の手間や費用を省くことができる。フロアーマット10Aは、各種の広告シート34を配置した状態で、それを自由に移動させることができるから、必要な場所において宣伝広告を行うことができ、さらに、必要に応じて広告シート34を自由に差し替えることができるから、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。
【0054】
フロアーマット10Aは、足拭きマット11と設置マット12とが着脱可能であるから、1つのマット10Aで足拭き機能と宣伝広告機能との両機能を同時に利用することができるとともに、使用によって足拭きマット11の足拭き機能が低下したとしても、その足拭きマット11を取り外して新たな足拭きマット11を設置マット12に連結することができ、常に足拭き機能を有する状態で宣伝広告機能を発揮させることができる。
【0055】
フロアーマット10Aは、下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33と連結フレーム29の内周縁部42の凹部分45とが係合するとともに、連結フレーム29の内周縁部42の当接部分43と上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40とが係合するから、上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40が下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33と連結フレーム29の内周縁部42の当接部分43との間に挟み込まれた状態で固定され、下部プレート27と連結フレーム29との不用意なずれ動きや連結フレーム29と上部プレート28との不用意なずれ動きを防ぐことができ、広告シート34を上下部プレート27,28の間に確実に固定することができる。
【0056】
フロアーマット10Aは、連結フレーム29の外周縁部41がポケット49に進入し、外周縁部41が設置マット12の両端縁部21,22および側縁部24とフランジ部48との間に挟まれた状態で固定されるから、広告マット13が設置マット12から外れることはなく、マット10Aにおける宣伝広告機能を確実に発揮させることができる。フロアーマット10Aは、連結フレーム29の外周縁部41が下り勾配に傾斜し、内周縁部42が下り勾配に傾斜するとともに、広告マット13が設置マット12の上において不用意にずれ動くことがないから、フロアーマット10A上を通る人のつまずきを防ぐことができる。
【0057】
図6は、他の一例として示す足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Bの斜視図であり、図7は、図6のC−C線端面図である。図8は、図6のD−D先端面図であり、図9は、足拭きマット11と設置マット12および広告マット13とを分離した状態で示すそれらマット11〜13の斜視図である。図6では、前後方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
【0058】
この足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Bが図1のそれと異なるところは足拭きマット11と設置マット12とを連結する連結手段としてそれらマット11,12の摩擦係合力を利用している点にあり、その他の構成は図1のフロアーマット10Aと同一である。したがって、図1のフロアーマット10Aと同一の構成については図1と同一の符号を付し、図1のフロアーマット10Aの説明を援用することで、このフロアーマット10Bにおける同一の構成についての説明は省略する。このフロアーマット10Bは、足拭きマット11と、足拭きマット11に着脱可能に連結される設置マット12と、設置マット12の上に着脱可能に載置(固定)される広告マット13とから構成されている。足拭きマット11や広告マット13は、図1のフロアーマット10Aのそれらと同一である。
【0059】
設置マット12は、図9に示すように、所定面積を有し、足拭きマット11のラバー部14と同一のゴム系素材から作られ、可撓性かつ弾力性を有する。設置マット12は、その平面形状が縦方向へ長い矩形に成型され、前後方向へ延びる両端縁部21,22(端部)と、横方向へ延びる両側縁部23,24(端部)とを有する。設置マット12の両端縁部21,22には、上下方向上方へ凸となって前後方向へ直状に延びる凸部26と、凸部26につながって設置マット12の内側へ向かって延びる可撓性のフランジ部48とが形成されている。設置マット12の他方の側縁部19には、上下方向上方へ凸となって横方向へ直状に延びる凸部26と、凸部26につながって設置マット12の内側へ向かって延びる可撓性のフランジ部48とが形成されている。
【0060】
設置マット12の一方の側縁部18(端部)には凸部26が形成されておらず、平坦(フラット)な側縁部18が横方向外方へ(設置マット12の横方向外側に向かって)所定長さ延びている。設置マット12の両端縁部21,22とフランジ部48との間には、連結フレーム29の外周縁部40を挿脱可能に挿入するポケット49が形成されている。設置マット12の側縁部24とフランジ部48との間には、連結フレーム29の外周縁部40を挿脱可能に挿入するポケット49が形成されている。
【0061】
足拭きマット11のラバー部14の側縁部19の下面と設置マット12の平坦な側縁部23(端部)の上面とを重ね合わせると、設置マット12の側縁部23が足拭きマット11のラバー部14およびパイル部15の下に所定面積重なった状態となり、設置マット12の側縁部23に足拭きマット11のラバー部14とパイル部15との重量が作用することによる設置マット12の側縁部23と足拭きマット11のラバー部14との摩擦係合力によってそれら側縁部19,23どうしが係合し、足拭きマット11と設置マット12とを連結することができる。足拭きマット11と設置マット12とは、それらの側縁部19,23の摩擦係合力によってそれらマット11,12の不用意なずれ動きが防止される。また、足拭きマット11の側縁部19を上下方向上方へ捲ると、側縁部19,23どうしの摩擦係合力が解除され、足拭きマット11と設置マット12とを分離することができる。
【0062】
この足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Bの使用手順の一例は、図1のマット10Aと同様に、最初に上下部プレート27,28の間に広告シート34を設置する。広告シート34の設置手順や上下部プレート27,28と連結フレーム29との連結手順は図1のフロアーマット10Aのそれらと同一であるから、図1の説明を援用することで、それらの説明は省略する。また、広告シート34を差し替える場合の手順は図1のフロアーマット10Aのそれと同一であるから、図1の説明を援用することで、その説明は省略する。なお、広告シート34の宣伝広告を表示した面を透明な上部プレート28に対向させることで、上部プレート28を通して広告シート34に表示された宣伝広告を視認することができる。
【0063】
設置マット12を店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等の出入口や床等に置き、次に、広告シート34を設置した広告マット13を設置マット12の上に載置する。さらに、足拭きマット11のラバー部14の側縁部19を設置マット12の側縁部23の上に重ねて足拭きマット11を設置マット12の隣に置く。店舗や宿泊施設、娯楽施設、生産施設、受付フロアー等を利用する人がこのフロアーマット10Bの上(広告マット13の上)を通過するときに、広告シート34の宣伝広告が上部プレート28を透過して目に入り、その宣伝広告の内容を認識する。人が足拭きマット11の上を通過するときに、パイル部15が靴裏についた水分を吸収し、靴裏の塵埃や泥汚れを取り去る。また、パイル部15が足裏の水分を吸収し、足裏の塵埃や汚れを取り去る。
【0064】
足拭きマット11のパイル部15の足拭き機能が低下した場合、古い足拭きマット11を新たな足拭きマット11に交換する。足拭きマット11の交換は、足拭きマット11の側縁部19を上下方向上方へ持ち上げ、側縁部19を上下方向上方へ捲り、側縁部19,23どうしの摩擦係合力を解除し、足拭きマット11と設置マット12とを分離させる。足拭きマット11と設置マット12とを分離させた後、古い足拭きマット11を取り除き、替わりに新たな足拭きマット11を敷き、新たな足拭きマット11の側縁部19を設置マット12の側縁部23の上に載置する。新たな足拭きマット11の側縁部19を設置マット12の側縁部23の上に載置すると、足拭きマット11の側縁部19と設置マット12の側縁部23との摩擦係合力によってそれら側縁部19,23どうしが係合し、足拭きマット11と設置マット12とが連結される。なお、古い足拭きマット11は、それの再処理を行う業者に回収される。
【0065】
足拭き機能および広告機能付きフロアーマット10Bは、所定の宣伝広告を表示した広告シート34を着脱可能な広告マット13を有し、足拭きマット11自体や設置マット12自体を替えることなく、広告マット13において広告シート34を差し替えることができるから、広告マット13において多種多様な広告を掲載することができ、宣伝広告の変更要求に即時かつ適時に対応することができる。フロアーマット10Bは、宣伝広告の変更が生じたとしても、足拭きマット11自体や設置マット12自体を替える必要がないから、その分の手間や費用を省くことができる。フロアーマット10Bは、各種の広告シート34を配置した状態で、それを自由に移動させることができるから、必要な場所において宣伝広告を行うことができ、さらに、必要に応じて広告シート34を自由に差し替えることができるから、宣伝場所や宣伝目的に合致した最適な広告を行うことができ、宣伝広告効果を最大限に発揮させることができる。
【0066】
フロアーマット10Bは、足拭きマット11と設置マット12とが着脱可能であるから、1つのマット10Bで足拭き機能と宣伝広告機能との両機能を同時に利用することができるとともに、使用によって足拭きマット11の足拭き機能が低下したとしても、その足拭きマット11を取り外して新たな足拭きマット11を設置マット12に連結することができ、常に足拭き機能を有する状態で宣伝広告機能を発揮させることができる。
【0067】
フロアーマット10Bは、下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33と連結フレーム29の内周縁部42の凹部分45とが係合するとともに、連結フレーム29の内周縁部42の当接部分43と上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40とが係合するから、上部プレート28の両端縁部37,38および両側縁部39,40が下部プレート27の両端縁部30,31および両側縁部32,33と連結フレーム29の内周縁部42の当接部分43との間に挟み込まれた状態で固定され、下部プレート27と連結フレーム29との不用意なずれ動きや連結フレーム29と上部プレート28との不用意なずれ動きを防ぐことができ、広告シート34を上下部プレート27,28の間に確実に固定することができる。
【0068】
フロアーマット10Bは、連結フレーム29の外周縁部41がポケット49に進入し、外周縁部41が設置マット12の両端縁部21,22および側縁部24とフランジ部48との間に挟まれた状態で固定されるから、広告マット13が設置マット12から外れることはなく、マット10における宣伝広告機能を確実に発揮させることができる。フロアーマット10は、連結フレーム29の外周縁部41が下り勾配に傾斜し、内周縁部42が下り勾配に傾斜するとともに、広告マット13が設置マット12の上において不用意にずれ動くことがないから、フロアーマット10上を通る人のつまずきを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0069】
10A 足拭き機能および広告機能付きフロアーマット
10B 足拭き機能および広告機能付きフロアーマット
11 足拭きマット
12 設置マット
13 広告マット
14 ラバー部
15 パイル部
16 両端縁部(周縁部)
17 両端縁部(周縁部)
18 両側縁部(周縁部)
19 両側縁部(周縁部)
20 雄ファスナ(連結手段)
21 両端縁部(周縁部)
22 両端縁部(周縁部)
23 両側縁部(周縁部)
24 両側縁部(周縁部)
25 雌ファスナ(連結手段)
27 下部プレート
28 上部プレート
29 連結フレーム
30 両端縁部(周縁部)
31 両端縁部(周縁部)
32 両側縁部(周縁部)
33 両側縁部(周縁部)
34 広告シート
35 雄ファスナ(第1係合手段)
36 両面粘着テープ(第2係合手段)
37 両端縁部(周縁部)
38 両端縁部(周縁部)
39 両側縁部(周縁部)
40 両側縁部(周縁部)
41 外周縁部
42 内周縁部
43 当接部分
44 凸部分
45 凹部分
46 両面粘着テープ(第3係合手段)
47 雌ファスナ(第1係合手段)
48 フランジ部
49 ポケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定面積の足拭きマットと、前記足拭きマットに連結手段を介して着脱可能に連結される所定面積の設置マットと、前記設置マットの上に載置されて所定の宣伝広告を掲載する所定面積の広告マットとを備え、
前記広告マットが、前記宣伝広告を表示した広告シートを着脱可能に載置する可撓性の下部プレートと、前記下部プレートの上に着脱可能に載置する可撓性の透明な上部プレートと、前記上下部プレートの周縁部の上に着脱可能に載置する可撓性の連結フレームとから形成され、前記連結フレームが、前記設置マットの周縁部に重なり、該設置マットの外側に向かうにつれて下り勾配に傾斜する外周縁部と、前記下部プレートの周縁部に第1係合手段を介して着脱可能に係合し、前記設置マットの内側に向かうにつれて下り勾配に傾斜する内周縁部とを有し、前記広告シートが、前記下部プレートと前記上部プレートとの間に挟まれた状態で固定され、前記上部プレートの周縁部が、前記下部プレートの周縁部と前記連結フレームの内周縁部との間に挟まれた状態で固定される足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項2】
前記広告マットでは、前記上部プレートの周縁部と前記下部プレートの周縁部とのうちの互いに重なり合う部分が第2係合手段を介して着脱可能に係合する請求項1に記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項3】
前記連結フレームの内周縁部が、前記上部プレートの周縁部に当接する当接部分と、前記当接部分の外側に位置して上下方向下方へ凸となる凸部分と、前記凸部分の外側に位置して上下方向上方へ凹む凹部分とを有し、前記下部プレートの周縁部と前記固定フレームの内周縁部の凹部分とが、前記第1係合手段を介して着脱可能に係合する請求項1または請求項2に記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項4】
前記連結フレームの内周縁部の当接部分と前記上部プレートの周縁部とが、第3係合手段を介して着脱可能に係合する請求項3に記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項5】
前記第1係合手段が、前記連結フレームの内周縁部の凹部分に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と、前記下部プレートの周縁部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである請求項3または請求項4に記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項6】
前記第2係合手段が、前記上部プレートの周縁部と前記下部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である請求項2ないし請求項5いずれかに記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項7】
前記第3係合手段が、前記連結フレームの内周縁部の当接部分と前記上部プレートの周縁部とのいずれか一方に貼着された粘着剤である請求項4ないし請求項6いずれかに記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項8】
前記足拭き機能および広告機能付きフロアーマットでは、前記足拭きマットの端部と前記設置マットの端部とが前記連結手段を介して連結され、前記連結手段が、前記足拭きマットの端部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか一方と、前記ラバーマットの端部に取り付けられたメカニカルファスナの雄ファスナと雌ファスナとのいずれか他方とである請求項1ないし請求項7いずれかに記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項9】
前記足拭きマットが、ゴム系素材から作られたラバー部と、前記ラバー部の上に形成された足拭き用のパイル部とを備え、前記設置マットが、前記ラバー部と同一のゴム系素材から作られ、前記設置マットの端部が、前記足拭きマットの端部の下に所定面積重なった状態で連結され、前記連結手段が、前記設置マットの端部に前記足拭きマットのラバー部およびパイル部の重量が作用することによる該設置マットの端部と該足拭きマットのラバー部との摩擦係合力である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項10】
前記設置マットの前記足拭きマットと連結する端部を除いた残余の端部には、該設置マットの内側に向かって延びる可撓性のフランジ部が形成され、前記フロアーマットでは、前記広告マットを前記設置マットの上に載置したときに、前記連結フレームの外周縁部が前記設置マットの端部とフランジ部との間に挟まれた状態で固定される請求項8または請求項9に記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。
【請求項11】
前記上部プレートが、前記下部プレートに対向する透明なPET樹脂シートと、前記PET樹脂シートの前記下部プレートに対する非対向面に配置された透明な保護シートとから形成され、前記保護シートが、透明な合成樹脂と前記合成樹脂に練り込まれた透明なセラミック粉末とから作られ、前記PET樹脂シートの非対向面に塗布された透明なUV樹脂をバインダーとして前記非対向面に接合されている請求項1ないし請求項10いずれかに記載の足拭き機能および広告機能付きフロアーマット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−24466(P2012−24466A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168290(P2010−168290)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(308038875)エステージ株式会社 (5)
【出願人】(000104939)クリーンテックス・ジャパン株式会社 (13)
【Fターム(参考)】