説明

足浴装置

【課題】入浴者が足部を湯中に浸けるのみならず、マッサージ効果も得られる足浴装置を提供する。
【解決手段】入浴者が着座する座部22と、座部22に着座した入浴者の足部を収容し湯水を溜める足浴部と、座部22に着座した入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足浴装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
入浴者が全身で入浴するのではなく、足部のみ入浴する足浴が知られている。これは、足浴のための足浴装置は、入浴者が着座する座部と、座部に着座した入浴者の足部を収容し湯を溜める足浴部を備えており、入浴者が座部に着座するとともに足部を足浴部の湯中に浸けて、足浴を行うものである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−61978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の足浴にあっては、入浴者は足部を湯中に浸けるのみで、マッサージ効果は得られないものであった。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、入浴者が足部を湯中に浸けるのみならず、マッサージ効果も得られる足浴装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0007】
入浴者が着座する座部と、前記座部に着座した前記入浴者の足部を収容し湯水を溜める足浴部と、前記座部に着座した前記入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置と、を備える。
【0008】
また、前記足浴部の底部の上面がフラットな面となることも好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の足浴装置は、入浴者が足部を湯中に浸けるのみならず、マッサージ効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の足浴装置を示し、(a)は入浴者を含む概略側断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は前方からみた正面図である。
【図2】同上において、足浴を行う場合を説明する側断面図である。
【図3】同上において、乾式の温浴を組み合わせる場合を説明する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0012】
足浴装置は、図1に示すように、上下を軸方向とする、平面視において略楕円筒状をした覆い部1を備えている。この覆い部1は、図1(a)(c)に示すように、上端縁が平面視における長径方向(前後方向とする)に傾斜しており、下端の開口は底面部で閉塞されて上方に開口するものである。この覆い部1は、入浴者が浴湯を張らない乾式の温浴を行う際に、入浴者の全身を覆うためのものであり、内部に座部22が形成されるための台座部20が設けられる。
【0013】
台座部20は、図1(b)に示すように、覆い部1の前後方向の上端縁が高い方(後方Bとする)の端部から上端縁が低い方(前方Fとする)の端部の手前(前後長さの前端から1/3あたり)にかけて、底面部から20〜40cm程度の高さを有するものである。そして、この台座部20の上面が座部22となり、前側面が、前方を向いて座部22に着座した入浴者のふくらはぎが位置するふくらはぎ部23となる。また、覆い部1の後端部の台座部20よりも上側に位置する内面が、着座した入浴者の背中が位置する背もたれ部21となり、底面部の前部の台座部20が形成されていない部分の上面が、着座した入浴者の足裏が位置する足裏部24となる。
【0014】
また、覆い部1の台座部20よりも前側の部分と、ふくらはぎ部23とで囲まれた空間は、図2に示すように、浴湯が張られる湯溜まり部となり、且つ、着座した入浴者の足部(ふくらはぎ以下の部分)が収容される足浴部3となる。また、足浴部3の底部の上面(すなわち足裏部24の上面)は、水平でフラットな面(平坦面)となっており、入浴者は、足浴部3の底部の上面に足を載せて立った状態で足浴を行うこともできる。足浴部3は、覆い部1の上端縁が最も低くなった前端部がオーバーフロー部31となり、オーバーフロー部31は座部22よりも下方に位置している。また、足浴部3に溜まっている湯を排出する排出口(不図示)が形成され、排出口には開閉自在な栓(不図示)が設けられる。
【0015】
本実施形態の足浴装置には、ヒータ4が設けられるもので、ヒータ4は、PTCヒータをはじめ様々なものが利用可能で、特に限定されない。このヒータ4は、背もたれ部21内に設けられる背もたれ部ヒータ41と、座部22に設けられる座部ヒータ42と、ふくらはぎ部23内に設けられるふくらはぎ部ヒータ43と、足裏部24内に設けられる足裏部ヒータ44とからなり、ヒータ4は表面には露出しない。これらヒータ4は、台座部20内に備える電源部(不図示)に電気的に接続され、電源部から供給される電力で発熱を行い、電源部は商用電源等を電力供給源としている。
【0016】
また本実施形態の足浴装置には、シャワー装置5が設けられる。シャワー装置5は、本実施形態では、給水管51および給湯管52と、湯水混合装置53と、ポンプ54と、切替弁55と、ノズル56と、これらを接続する配管と、を備えている。給水管51は上流側が水道等に接続され、給湯管52は上流側が給湯器等に接続され、それぞれ途中に開閉弁(不図示)や流量調整弁(不図示)が適宜設けられる。湯水混合装置53は、給水管51からの水と給湯管52からの湯を混合して湯水を作るもので、マイクロコンピュータからなる制御部(不図示)を備え、該制御部が前記開閉弁や前記流量調整弁を制御して、所望の温度の湯を所望の量作成する。
【0017】
ノズル56は、少なくともふくらはぎ部23に設けられるふくらはぎ部ノズル562を備えるが、本実施形態ではさらに背もたれ部21に設けられる背もたれ部ノズル561も備えており、ポンプ54の駆動によりノズル56から湯水を前方に向けて噴出する。また、切替弁55により、背もたれ部ノズル561とふくらはぎ部ノズル562の任意の一方または両方から噴出させることができ、ポンプ54と切替弁55はマイクロコンピュータからなる制御部(不図示)により制御される。この制御部は、湯水混合装置53の制御部と同じであってもよい。また、配管の途中にフィルター等を備えてもよい。
【0018】
上記のような足浴装置にあっては、図2に示すように、入浴者が服を着たまま裸足になって座部22に着座し、ふくらはぎ部ノズル562から湯水を噴出させる足シャワーを行う。これにより、噴出した湯水が入浴者の足部(ふくらはぎ)に衝突して、入浴者は足部のマッサージ効果を得ることができる。
【0019】
また、足浴部3に湯が溜まって足シャワーが停止すれば、足浴部3の湯に足部が浸かって通常の足浴となる。
【0020】
また、足浴部3に湯が溜まって足シャワーが継続されてもよく、ふくらはぎ部ノズル562からの湯が足浴部3に溜まっている湯中に噴出されるため、足浴部3に湯が溜まっていない場合に比べて若干弱まるものの、マッサージ効果が得られる。そして、湯はオーバーフロー部31から溢れ出て、湯面が座部22に至ることはなく、着座している入浴者の服が濡れることもない。
【0021】
また、足シャワーや足浴に加え、図3に示すように、任意の一つまたは複数のヒータ4を適宜使用して乾式の温浴を組み合わせることも可能であり、これにより、より快適な足シャワーや足浴が可能となる。
【0022】
また、図1に示すように、覆い部1を平面視略楕円筒状に形成することで、入浴者が繭やゆりかごを想起して、優しく包まれる感じや、リラックス感が得られる、という視覚的な効果も得られるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 覆い部
20 台座部
21 背もたれ部
22 座部
23 ふくらはぎ部
24 足裏部
3 足浴部
4 ヒータ
41 背もたれ部ヒータ
42 座部ヒータ
43 ふくらはぎ部ヒータ
44 足裏部ヒータ
5 シャワー装置
51 給水管
52 給湯管
53 湯水混合装置
54 ポンプ
55 切替弁
56 ノズル
561 背もたれ部ノズル
562 ふくらはぎ部ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者が着座する座部と、前記座部に着座した前記入浴者の足部を収容し湯水を溜める足浴部と、前記座部に着座した前記入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置と、を備えて成ることを特徴とする足浴装置。
【請求項2】
前記足浴部の底部の上面がフラットな面となることを特徴とする請求項1記載の足浴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−42944(P2013−42944A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182885(P2011−182885)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】