説明

足痛解消・軽減・トラブル解消靴及び中敷

【課題】扁平足の原因になる縦アーチの潰れ及び開帳足や外反母趾の原因になる横アーチの潰れを防止する縦横両アーチのサポート機能を備えると共に足痛を解消又は軽減することができ、足の血行はいつもよく、靴のために身体に被害を受けることがなくなり、靴を履き歩行することで健康増進に役立つ整形靴及び一般靴を提供する。
【解決手段】中底3の親指付け根部5及び小指付け根部6並びに踵部7を他の部位よりも相対的に低くし、中底3の上側に緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷4を備えた。中底3の親指付け根部5及び小指付け根部6並びに踵部7が他の部位よりも相対的に低いため、中敷にパッドを突設してアーチサポート機能を持たせた靴のように足が圧迫されることがなく、弾力性を有する内底形中敷4により、体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の痛みを解消又は軽減することができると共に、外反母趾や扁平足等の障害を予防することができる足痛解消・軽減・トラブル解消整形靴及び一般靴並びに靴に挿入して使用する足痛解消・軽減・トラブル解消中敷に関するものである。
【背景技術】
【0002】
足裏には大切な3つのアーチ、すなわち、中足骨部の横アーチ、踵骨内側から舟状骨、第1楔状骨、第1中足骨へと伸びて土踏まずを形成する内側縦アーチ、及び、踵骨外側から立方骨、第4、5中足骨へと伸びる外側縦アーチがある。そして、これらのアーチにより歩行時等において体重が支えられ、衝撃が吸収される。したがって、前記3つのアーチを形成する足の骨格が崩れると、足、膝、腰、背中、肩又は頭等、体の各部に歪みや痛みが生じたり、体全体に障害が生じる場合がある。
【0003】
このような足裏のアーチをサポートする機能を持たせた、各個人の足に合わせて製作する中敷として、採型用スポンジにより足の陰性モデルを形成した後、該陰性モデルに石膏を流し込んで陽性モデルを製作し、該陽性モデルに基づいて靴の中敷を製作するもの、採型用スポンジにより足の陰性モデルを形成し、該陰性モデルを三次元スキャナを用いて測定することにより採寸データを得、該採寸データに基づいて靴の中敷を製作するもの(特許文献1参照)、熱可塑性材料を用いて踏圧によって靴の中敷を成型するもの(特許文献2参照。)がある。
また、中敷本体板の表面に駒状面ファスナを貼り付け、裏面(下面)にパイル状面ファスナが接着されている第1ないし第3のパッドを前記3つのアーチに対応させて中敷本体板上に取り付け、その上から、裏面にパイル状面ファスナが接着されている被覆シートを中敷本体板表面に貼り付けることにより、靴の中敷を構成するもの(特許文献3参照。)、足底の疼痛部位に掛かる圧力を他へ逃がすために疼痛部位の近位(踵寄り)を少し挙上するように、足底の形状に合わせた形状・厚みのパットを足底板のフットベットに貼り付け、試し履きしながらパットの形状及び厚み並びに位置を決定するもの(例えば、特許文献4参照。)もある。
【0004】
さらに、足裏のアーチをサポートする機能を持たせた、各個人の足に合わせて製作する靴として、足骨の中足骨のアーチに対応した凹凸部が形成された足底板を中底自体、中底と本底との間又は中底の上面に配置したもの(特許文献5参照)、通常よりlcm(2サイズ)程度大きいサイズの靴を用い、緩衝可能な弾力性を有すると共に足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製のシート状素材からなる正方形状の小型シートを着用者の足裏に窪む土踏まずの深さに応じて所要枚数重ね、これを靴の内底の土踏まず対応部分に接着等で固定し、これに重ねて前記シート状素材で形成した靴の内底形シートを装着し、前記小型シートによる上方突出部分により靴の内部で足が前後方向へずれ動くことを抑制し、試し履きを繰り返しながら前記小型シート及び内底形シートの枚数を調整して着用者の足に整合させるもの(特許文献6参照。)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−275611号公報
【特許文献2】特開平09−149802号公報
【特許文献3】特開2003−88405号公報
【特許文献4】特開平11−216001号公報
【特許文献5】登録実用新案第3055368号公報
【特許文献6】特許第3056216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
緩い靴を履いた際には、靴の中で足が前に滑って爪先が当たるとともに踵が緩くなって脱げやすく、却って足が痛くなったり歩きにくくなるため、従来の靴は、親指付け根部と小指付け根部とを締めるように作られており、このような靴は、全体重が掛かってくる足を、言わば鋳型に入れるような作りとなっている。
また、上述の痛みや障害につながるデリケートな足に靴を適合させる靴合わせは非常に重要であり、服飾品として人が身につけるもののうち、ミリ単位の精度が要求されるのは靴しかないと言われている。
しかしながら、大きさが変わらない靴に対して、人の足の大きさは、様々な条件によって刻々と変化するものであり、例えば長時間の立ち仕事やデスクワーク等で同じ姿勢を維持した場合、運動不足、睡眠不足、エアコンによる冷え及びストレス等の生活環境による場合等には足がむくんで大きくなると共に、温度や湿度の高い夏は足が大きくなり、逆に冬は足が小さくなるという季節による大きさの変化もある。
よって、歩行時における足の痛みを解消又は軽減することができるように着用状況に合わせた調節を行うことができると共に、このような調節が容易な靴が求められている。
【0007】
特許文献1及び2の中敷では、中敷に足型を成型しているため足裏の大切な3つのアーチを支持することはできるが、三次元スキャナや電気オーブン等が必要になることから該装置を導入するためのコストが掛かると共に製作時間が長くなり、靴の外で中敷に足型を成型しているため、このような中敷を靴に挿入して実際に使用した際に足に適合しない場合がある。
また、特許文献3の中敷では、第1ないし第3のパッドを着用者に合うように選択又は製作することが困難であると共に、それらを前記3つのアーチの位置に合わせて適切な位置に配置するためには非常に手間が掛かる。
さらに、特許文献4の中敷では、足裏の大切な3つのアーチの全てをサポートする機能はなく、パットの形状及び厚みを着用者に最も適合するように選択又は製作することが困難であると共に、着用者にとって最適な位置に配置するためには非常に手間が掛かる。
【0008】
さらにまた、特許文献1〜4のいずれにおいても、上述のように足の大きさが変化することと共に靴は親指付け根部と小指付け根部とを締めるように作られていることから、例えば足がむくんで大きくなった際に、元々親指付け根部と小指付け根部とを締めるように比較的窮屈に作られている靴がさらに窮屈になって足が圧迫されて痛みが発生し、このような足の大きさの変化に応じて足の痛みを解消又は軽減するような適切な調節を行うことができない。
また、特許文献5の靴では、足骨の中足骨のアーチに対応した凹凸部が形成された足底板により足裏の大切な3つのアーチを支持することはできるが、特許文献1〜4の中敷と同様に、足の大きさの変化に応じて足の痛みを解消又は軽減するような適切な調節を行うことができない。
【0009】
これらに対して、特許文献6の靴は、通常より大きいサイズの靴を用い、緩衝可能な弾力性を有すると共に足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製の小型シート及び内底形シートの枚数を調整して着用者の足に整合させる構成であるため、外反母趾等の疾患があっても圧迫による痛みの発生を抑制することができると共に、足の大きさの変化に応じて前記小型シート及び内底形シートの枚数を調整することにより、足の痛みを解消又は軽減するような調節を行うことができるという特徴がある。
【0010】
しかしながら、特許文献6の靴は、着用者の足裏に窪む土踏まずの深さに応じて小型シートを所要枚数重ねていることから、内側縦アーチ及び外側縦アーチをサポートする機能は備えているが、横アーチをサポートすることができないため、現代人の持病とも言われる外反母趾の原因となる開帳足(開張足)の進行を防止する機能を備えていない。
また、着用者の足裏に窪む土踏まずの深さに応じて小型シートを所要枚数重ねた上方突出部分により靴の内部で足が前後方向へずれ動くことを抑制する構成であることから、歩行時に足の裏が靴の内部で前後方向に完全に滑り動かなくなるまで、2日間程度の試し履きを繰り返しながら小型シート及び内底形シートの枚数調整を行う必要があるため、このような調整に手間が掛かると共に、小型シートの枚数調整を行う際には内底形シートを外す必要があるため、さらに手間が掛かる。
よって、特許文献6の靴は、上述の特徴を有するものであるが、改良の余地がある。
【0011】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、足を締め付けないようにして歩行時における足の痛みを解消又は軽減することができ、着用状況に合わせた調節を比較的容易に行うことができる構成でありながら、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能を備えると共に、靴の内部で足がずれ動くことを抑制することができる足痛解消・軽減・トラブル解消靴及び靴に挿入して使用する足痛解消・軽減・トラブル解消中敷を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴は、前記課題解決のために、中底の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くし、前記中底の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、中底の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部が他の部位よりも相対的に低いことから、着用者の足の親指付け根及び小指付け根並びに踵が他の部位よりも低くなるため、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び小指付け根部(第5中足骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより横アーチがサポートされ、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより内側縦アーチがサポートされ、相対的に低い小指付け根部(第5中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより外側縦アーチがサポートされると共に、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができる。
【0013】
したがって、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能を備えていると共に足の前後方向及び左右方向へのずれが効果的に抑制されることから、前記3つのアーチを安定してサポートすることができる。
よって、アーチを形成する骨格の崩れに起因する障害を予防することができ、特に横アーチをサポートする機能を備えているため、現代人の持病とも言われる外反母趾の原因となる開帳足の進行を防止することができる。
また、中底の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷を備えていることから、着用者が足を載せた際に、中底の相対的に低い親指付け根部、小指付け根部及び踵部の角部に足が当たって痛くなることがない。
さらに、内底形中敷が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されていることから、着用者の体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることにより、足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に分散して足痛を解消又は軽減することができる。
【0014】
さらにまた、踵部(踵骨部)がその周りの部分よりも低く、内底形中敷が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、踵が痛い着用者が使用した際にその痛みを解消又は軽減することができる。
また、中底の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くすることによりアーチサポート機能を持たせているので、靴に挿入して使用する中敷にパッドを突設すること等によりアーチサポート機能を持たせた靴のように足が圧迫されることがないと共に、中底の上側の内底形中敷が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているので、足がむくんで大きくなった際にも足が圧迫されにくい。
さらに、横アーチをサポートする機能により魚の目やタコができやすい開帳足の進行が防止され、内底形中敷が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、魚の目やタコの発生を防止することができる。
【0015】
ここで、本底の上面に、前記中底及び内底形中敷を収容する収容凹部を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、本底の上面に形成された収容凹部内に中底及び内底形中敷が収容されるので、従来の靴と比較して中底及び内底形中敷が相対的に低い位置にあることから、靴のサイズを通常より大きいサイズにすることなく、足のサイズに合わせた通常サイズの靴でもゆとりのある靴が得られる。
よって、足のサイズに合わせた中底により前記3つのアーチをより安定してサポートすることができながら、足が窮屈にならないため、足痛を解消又は軽減することができる。
その上、このように足が窮屈にならずに通気性を確保しやすい構造であると共に、横アーチがサポートされるため歩行の際に踏圧により指が開くため、水虫の治療及び予防に好適である。
【0016】
また、前記中底の親指付け根部及び小指付け根部と踵部との間の上面に凸部を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、着用者の縦アーチが高い場合であっても、前記凸部の高さを調節することにより、適切な縦アーチサポート機能を持たせることができる。
【0017】
さらに、前記中底が本底から取り外し可能なものであり、これら中底及び本底の間の足の外側部位の下方に補正パッドを挿入してなると好ましい。
このような構成によれば、踵の外側が早く磨り減る良くない歩行姿勢を矯正して健康的な歩行姿勢にすることができる。
【0018】
さらにまた、着用状況に適合させるように前記内底形中敷の上側に重ねて靴合わせ用の調節を行う、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えてなると好ましい。
このような構成によれば、通常より大きいサイズの靴又は本底の上面に収容凹部を形成して中底及び内底形中敷を収容した靴により、着用者が靴を履いた状態でゆとりを持たせておき、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを挿入して靴合わせを行った状態で使用し、着用状況により靴が緩くなった際には前記弾性パッドを追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴がきつくなった際には前記弾性パッドの単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができる。したがって、左右の足の大きさが違う場合等であっても自在に靴合わせを行うことができる。
【0019】
特に、従来の靴のように親指付け根部と小指付け根部とを締めることなく、本底等の足指の付け根部から前方の部分の横幅を広くした靴にして内底形弾性パッドによる靴合わせを行うことにより、前記中底の形状による靴内での足ずれ防止効果と相俟って、靴による足の圧迫や靴との足の擦れを防止する効果を高めることができる。
このような足を圧迫しないと共に靴との擦れを防止できる効果から、親指若しくは小指の付け根の下側の魚の目が痛くて従来の靴では歩行が困難な人、又は、親指又は小指の横の魚の目と靴との擦り合い又は指の間の魚の目と指との擦り合いにより従来の靴では痛くて歩行が困難な人でも、本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴を履くことにより痛くなく歩行することができる。
【0020】
また、ゼリー状薄膜体を上下の伸縮性シート材で挟んでなる内底形シート体を前記内底形弾性パッドの下側に挿入してなると好ましい。
このような構成によれば、伸縮性シート材で挟まれたゼリー状薄膜体が踏圧により潰れてぐにゃぐにゃと変形して上下の伸縮性シート材間で若干のずれが生じて止まり指圧のような感覚が得られて気持よく、さらに緩衝効果が高くなるとともに足痛解消効果が高くなるため、より気持ちがよいスムーズな歩行が可能になる。
【0021】
さらに、前記内底形中敷又は内底形弾性パッドを、多数の通孔が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体と、このシート体の上面を被う伸縮性シート材とにより構成してなると好ましい。
このような構成によれば、シート体の通孔により敏感な足の裏が適度に刺激されるため気持ちよく、長時間使用してもシート体上の伸縮性シート材により足裏が痛くなることがなく、シート体の通孔により、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができるとともに通気性が向上する。
【0022】
さらにまた、足の甲が当たる部分の内側に、内表面に多数の凹部を形成した弾性パッドを取り付けてなると好ましい。
このような構成によれば、弾性パッドに足の甲を圧接した際には弾性パッドが足の甲の形状に合うように変形する共に、弾性パッドの内表面に多数の凹部が形成されていることから、弾性パッドと足の甲が擦れにくいため、靴ずれによる傷が治りにくく、足の知覚障害を起こして感覚が鈍くなり足の傷に気が付かずに足に重大な障害を起こすことがある糖尿病患者に適した靴となる。
その上、着用者の爪先を防護する先芯があるため甲部(アッパー部)が硬い安全靴に本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴の構成を採用して弾性パッドを備えることにより、安全靴の着用が義務付けられ足痛等を辛抱している作業者に好適な靴となる。
【0023】
本発明に係る足痛解消・軽減・トラブル解消中敷は、前記課題解決のために、靴に挿入して使用する中敷であって、靴の中底と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料からなる基体の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くし、前記基体の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、靴に挿入して使用する足痛解消・軽減・トラブル解消中敷の基体が靴の中底と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料からなり、その親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部が他の部位よりも相対的に低いことから、着用者の足の親指付け根及び小指付け根並びに踵が他の部位よりも低くなるため、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び小指付け根部(第5中足骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより横アーチがサポートされ、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより内側縦アーチがサポートされ、相対的に低い小指付け根部(第5中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより外側縦アーチがサポートされると共に、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができる。
【0024】
したがって、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能を備えていると共に足の前後方向及び左右方向へのずれが効果的に抑制されることから、前記3つのアーチを安定してサポートすることができる。
よって、アーチを形成する骨格の崩れに起因する障害を予防することができ、特に横アーチをサポートする機能を備えているため、現代人の持病とも言われる外反母趾の原因となる開帳足の進行を防止することができる。
また、基体の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えていることから、着用者が足を載せた際に、基体の相対的に低い親指付け根部、小指付け根部及び踵部の角部に足が当たって痛くなることがない。
さらに、内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されていることから、着用者の体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることにより、足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に分散して足痛を解消又は軽減することができる。
【0025】
さらにまた、踵部(踵骨部)がその周りの部分よりも低く、内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、踵が痛い着用者が使用した際にその痛みを解消又は軽減することができる。
また、基体の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くすることによりアーチサポート機能を持たせているので、基体にパッドを突設すること等によりアーチサポート機能を持たせた中敷のように足が圧迫されることがないと共に、基体の上側の内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているので、足がむくんで大きくなった際にも足が圧迫されにくい。
さらに、横アーチをサポートする機能により魚の目やタコができやすい開帳足の進行が防止され、内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、魚の目やタコの発生を防止することができる。
【0026】
ここで、前記基体の親指付け根部及び小指付け根部と踵部との間の上面に凸部を形成してなると好ましい。
このような構成によれば、着用者の縦アーチが高い場合であっても、前記凸部の高さを調節することにより、適切な縦アーチサポート機能を持たせることができる。
【0027】
また、前記基体の下側の足の外側部位の下方に補正パッドを備えてなると好ましい。
このような構成によれば、踵の外側が早く磨り減る良くない歩行姿勢を矯正して健康的な歩行姿勢にすることができる。
【0028】
さらに、着用状況に適合させるように前記内底形弾性パッドの上側に重ねて靴合わせ用の調節を行う、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えてなると好ましい。
このような構成によれば、足痛解消・軽減・トラブル解消中敷を挿入する靴を、通常より大きいサイズの靴又は本底の上面に収容凹部を形成して中底及び内底形中敷を収容した靴として、着用者が靴を履いた状態でゆとりを持たせておき、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを挿入して靴合わせを行った状態で使用し、着用状況により靴が緩くなった際には前記弾性パッドを追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴がきつくなった際には前記弾性パッドの単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができる。したがって、左右の足の大きさが違う場合等であっても自在に靴合わせを行うことができる。
【0029】
さらにまた、ゼリー状薄膜体を上下の伸縮性シート材で挟んでなる内底形シート体を前記内底形弾性パッドの下側に挿入してなると好ましい。
このような構成によれば、伸縮性シート材で挟まれたゼリー状薄膜体が踏圧により潰れてぐにゃぐにゃと変形して上下の伸縮性シート材間で若干のずれが生じて止まり指圧のような感覚が得られて気持よく、さらに緩衝効果が高くなるとともに足痛解消効果が高くなるため、より気持ちがよいスムーズな歩行が可能になる。
【0030】
また、前記内底形弾性パッド又はその上に重ねて靴合わせ用の調節を行う前記内底形弾性パッドを、多数の通孔が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体と、このシート体の上面を被う伸縮性シート材とにより構成してなると好ましい。
このような構成によれば、シート体の通孔により敏感な足の裏が適度に刺激されるため気持ちよく、長時間使用してもシート体上の伸縮性シート材により足裏が痛くなることがなく、シート体の通孔により、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができるとともに通気性が向上する。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴及び中敷によれば、(ア)足痛解消・軽減・トラブル解消靴の中底又は靴に挿入して使用する足痛解消・軽減・トラブル解消中敷の基体の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くする簡素な構成により、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能及び靴の内部で足がずれ動くことを抑制する機能を持たせることができること、(イ)前記中底又は基体の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くすることによりアーチサポート機能を持たせているので、靴に挿入して使用する中敷にパッドを突設すること等によりアーチサポート機能を持たせた靴のように足が圧迫されることがないこと、(ウ)足痛解消・軽減・トラブル解消靴の内底形中敷又は足痛解消・軽減・トラブル解消中敷の内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されていることから、着用者の体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることにより、足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に分散して足痛を解消又は軽減することができること、(エ)中底の上側の内底形中敷又は前記基体の上側の内底形弾性パッドが緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているので、足がむくんで大きくなった際にも足が圧迫されにくいこと、(オ)前記内底形中敷又は内底形弾性パッドの上側に重ねて使用する、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した靴合わせ調節用内底形弾性パッドを用いて靴合わせを行うことにより、着用状況により靴が緩くなった際には靴合わせ調節用内底形弾性パッドを追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴がきつくなった際には靴合わせ調節用内底形弾性パッドの単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができるため、足を締め付けないようにして歩行時における足の痛みを解消又は軽減することができること、(カ)横アーチにより踏圧で指が開いて自由に動くと共に足が圧迫されないことから、足指や足部が痛くなることがなく、足の血行がいつも良くなり、従来の窮屈な鋳型に足を入れたような靴が原因で生じる足や身体の様々なトラブルがなくなり、気持ちよく靴を履いているだけで知らぬ内に病気の治療や予防をすることができて健康に非常に役立つこと、等の顕著な効果を奏する。
【0032】
また、本発明に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴において、本底の上面に中底及び内底形中敷を収容する収容凹部を形成することにより、従来の靴と比較して中底及び内底形中敷が相対的に低い位置にあることから、靴のサイズを通常より大きいサイズにすることなく、足のサイズに合わせた通常サイズの靴でもゆとりのある靴が得られるため、足のサイズに合わせた中底により前記3つのアーチをより安定してサポートすることができながら、足が窮屈にならず、よって、足痛を解消又は軽減することができ、特に、従来の靴のように親指付け根部と小指付け根部とを締めることなく、本底等の足指の付け根部から前方の部分の横幅を広くした靴にして前記内底形弾性パッドによる靴合わせを行うことにより、前記中底の形状による靴内での足ずれ防止効果と相俟って、靴による足の圧迫や靴との足の擦れを防止する効果を高めることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴を示す斜視図である。
【図2】同じく縦断正面図である。
【図3】中底及び内底形中敷並びに本発明の実施の形態に係る足痛解消・軽減・トラブル解消中敷の基体及び内底形弾性パッドを示す分解斜視図である。
【図4】内底形中敷又は内底形弾性パッド上に足を置いた状態を示す平面図である。
【図5】足痛解消・軽減・トラブル解消靴又は中敷を使用して内底形中敷又は内底形弾性パッドが変形した状態を示す斜視図である。
【図6】内底形中敷の上側に内底形弾性パッドを載せて靴合わせ用の調節を行った足痛解消・軽減・トラブル解消靴の縦断正面図である。
【図7】足痛解消・軽減・トラブル解消靴又は中敷及び内底形弾性パッドを使用して内底形中敷又は内底形弾性パッド及び靴合わせ調節用内底形弾性パッドが変形した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の別の実施の形態に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴を示す縦断正面図である。
【図9】同じく本底、内底、内底形中敷及び内底形弾性パッドを示す分解斜視図である。
【図10】母趾と第2趾との間にガーゼを挟んで靴を履いた状態示す平面図である。
【図11】足痛解消・軽減・トラブル解消靴の中底又は足痛解消・軽減・トラブル解消中敷の基体の下側の足の外側部位の下方に備える補正パッドの例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は平面図である。
【図12】中底に活性炭収容部を形成する構成例を示す分解斜視図である。
【図13】ゼリー状薄膜体を上下の伸縮性シート材で挟んでなる内底形シート体を内底形弾性パッドの下側に挿入する構成例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は拡大縦断面図である。
【図14】多数の通孔が形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体及び伸縮性シート材からなる内底形中敷又は内底形弾性パッドの構成例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は内底形中敷又は内底形弾性パッドの斜視図である。
【図15】足の甲が当たる部分の内側に取り付ける、内表面に多数の凹部を形成した緩衝可能な弾力性を有する発泡合成樹脂製シート体で形成された弾性パッドの斜視図である。
【図16】中底及び中敷の基体のバリエーション例を示す斜視図である。
【図17】中敷の基体のバリエーション例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書においては、靴の爪先側を前、踵側を後とする。また、左右は前方に向かっていうものとし、左方から見た図を正面図とする。
なお、以下において、左足用の足痛解消・軽減・トラブル解消靴及び足痛解消・軽減・トラブル解消中敷を代表させて、これらについて説明するが、右足用の足痛解消・軽減・トラブル解消靴及び足痛解消・軽減・トラブル解消中敷も同様の構成である。
【0035】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴1は、足を支える土台部分である底部(ソール部)1A及び足を被う甲部(アッパー部)1Bからなり、底部1Aは、例えば合成ゴム製である本底(表底)2、本底2の上面に貼着等により取り付けられた、例えばパルプボード、レザーボード又は不織ボード製である2〜4mm程度の厚さの中底3、及び、中底3の上面に貼着等により取り付けられた、例えば緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体で形成した2〜4mm程度の厚さの内底形中敷4からなり、甲部1Bは、例えば皮革製である甲革9A及び甲革9Aの裏側の甲裏9B等からなり、足の甲が当たる部分の甲裏9Bの内側(例えば舌革の内面)には、後述する弾性パッド10が取り付けられる。
【0036】
ここで、内底形中敷4を形成する緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体は、体重と足裏の面積によって個人別に想定される踏圧(幼児から大人までの体重15〜90kg程度に対応する踏圧)が繰り返し負荷されて圧縮変形した際に、合成樹脂のクリープ性、応力緩和性(応力の減少)、若しくは疲労現象又はこれらの複合作用によって着用の足指の形状に馴染むように塑性変形するものであり、踏圧によって塑性変形した状態では若干の弾性余効はあるが、外力(踏圧)が繰り返し弾性限界近くまたは弾性限界を越えて負荷されることによって歪みが残り、外力を取り去っても変形が完全に消えない塑性変形の状態になる。
【0037】
このように塑性変形可能な軟質弾性の発泡合成樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンその他の周知の軟質合成樹脂を発泡成形したものが挙げられる。特に高発泡の電子線架橋ポリエチレンフォームは、適度の柔らかい弾性を有しており、着用感が好ましいものである。
なお、内底形中敷4は、緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体により形成する以外に、緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体、例えば、天然ゴム発泡体及び合成ゴム発泡体等のゴム系材料からなるシート体、並びに、化学架橋又は物理発泡ポリエチレン樹脂発泡体等の発泡合成樹脂シート体等により形成してもよく、所望の硬さや弾力性に合わせて製作する。
また、このような緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷4は、着用者の体重を足裏全体に分散平均化することができ、足裏全体に添って体重を支えることにより足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に均等に分散することができるため、足痛を解消又は軽減することができる。
なお、内底形中敷4は、前記シート体の上下面に吸水性不織布やニットなどの編織布を重ねて、汗などを吸収する吸湿性を持たせたものであってもよく、吸水性不織布の材料として天然パルプを用いることにより、耐久性があって履き心地が長期間良好なものとなり、しかも充分な吸湿性があるので、油分の分泌が多い着用者でも長期間快適に使用することができる。
【0038】
図3に示すように、中底3は、その親指付け根部(第1中足骨部)5からその前方及び小指付け根部(第5中足骨部)6からその前方を切除して段落ちさせていると共に、その踵部(踵骨部)7に前部が方形(矩形)状で後部が半円形状の通孔を形成しており、中底3は、上述のとおりパルプボード、レザーボード又は不織ボード等により形成されていることから、踏圧が掛かっても変形しにくいため、図4に示すように内底形中敷4に足を載せると、図5に示すように親指付け根部5から前方へ延びる窪みA、小指付け根6から前方へ延びる窪みB及び踵部7の窪みCが形成される。
なお、小指付け根部(第5中足骨部)6に加えて薬指付け根部(第4中足骨部)も切除して段落ちさせてもよい。
また、図4に示す中底3(内底形中敷4)の長軸に沿う線Lに対して、指の付け根部(中足骨部)から前方に延びる部分を約5mm程度小指側にシフトさせ、親指付け根部5側の段落ち部(図5の窪みA)の幅を、小指付け根部6側の段落ち部(図5の窪みB)の幅よりも広くすることにより、親指の付け根に力が入りやすくなるため、O脚や膝痛に対する効果がある。
【0039】
このように着用者の足の親指付け根及び小指付け根並びに踵が他の部位よりも低くなることから、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)5及び小指付け根部(第5中足骨部)6とそれらの間の相対的に高い部分とにより横アーチがサポートされ、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)5及び踵部(踵骨部)7とそれらの間の相対的に高い部分とにより内側縦アーチがサポートされ、相対的に低い小指付け根部6(第5中足骨部)及び踵部(踵骨部)7とそれらの間の相対的に高い部分とにより外側縦アーチがサポートされると共に、靴1の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができる。
したがって、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能を備えていると共に足の前後方向及び左右方向へのずれが効果的に抑制されることから、前記3つのアーチを安定してサポートすることができる。
よって、アーチを形成する骨格の崩れに起因する障害を予防することができ、特に横アーチをサポートする機能を備えているため、現代人の持病とも言われる外反母趾の原因となる開帳足の進行を防止することができる。
【0040】
また、中底3の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷4を備えていることから、着用者が足を載せた際に、中底3の前記段落ち部及び通孔の角部に足が当たって痛くなることがない。
さらに、内底形中敷4が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されていることから、着用者の体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることにより、足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に分散して足痛を解消又は軽減することができる。
さらにまた、踵部(踵骨部)7がその周りの部分よりも低く、内底形中敷4が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、踵が痛い着用者が使用した際にその痛みを解消又は軽減することができる。
【0041】
また、中底3の親指付け根部5及び小指付け根部6を段落ちさせると共に、その踵部7に通孔を形成することによりアーチサポート機能を持たせているので、靴に挿入して使用する中敷にパッドを突設すること等によりアーチサポート機能を持たせた靴のように足が圧迫されることがないと共に、中底3の上側の内底形中敷4が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているので、足がむくんで大きくなった際にも足が圧迫されにくい。
さらに、横アーチをサポートする機能により魚の目やタコができやすい開帳足の進行が防止され、内底形中敷4が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、魚の目やタコの発生を防止することができる。
【0042】
以上のような図1及び図2の構造の靴1を着用者が履いた状態で、図1に示す靴紐を調整することによりある程度の靴合わせが可能であるが、図6及び図7に示すように、緩衝可能な弾力性を有するシート体(特に、緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体が好ましい。)で形成した内底形弾性パッド8を内底形中敷4の上側に重ねることにより、着用状況に適合させるような靴合わせ用の調節をきめ細かく行うことができる。
なお、図6及び図7には1枚の内底形弾性パッド8により靴合わせ用の調節を行った場合を示しているが、2枚以上の内底形弾性パッド8を重ねて靴合わせ用の調節を行ってもよいのは勿論である。
例えば、靴1のサイズを通常より大きいサイズとして着用者が靴1を履いた状態でゆとりを持たせておき、内底形弾性パッド8の単又は複数を挿入して靴合わせを行った状態で使用し、着用状況により靴1が緩くなった際には内底形弾性パッド8を追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴1がきつくなった際には内底形弾性パッド8の単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができる。したがって、左右の足の大きさが違う場合等であっても自在に靴合わせを行うことができる。
【0043】
ここで、内底形弾性パッド8は、前記発泡合成樹脂製シート体の上下面に吸水性不織布やニットなどの編織布を重ねて、汗などを吸収する吸湿性を持たせたものであってもよく、吸水性不織布の材料として天然パルプを用いることにより、耐久性があって履き心地が長期間良好なものとなり、しかも充分な吸湿性があるので、油分の分泌が多い着用者でも長期間快適に使用することができる。
以上のような足痛解消に適した靴1を着用者が履いた際に、この着用者が怪我等が重症で尚痛みが残る場合には、痛い箇所が当たる部分の内底形弾性パッド8や内底形中敷4に穴を明けて空間を形成することにより、足が靴に接触することにより生じる痛みを無くすことができる。
【0044】
さらにまた、図8及び図9に示すように、本底2の上面に、中底3及び内底形中敷4を収容する収容凹部Dを形成しておくことにより、本底2の収容凹部D内に中底3及び内底形中敷4が収容されるので、従来の靴と比較して中底3及び内底形中敷4が相対的に低い位置にあることから、靴1のサイズを通常より大きいサイズにすることなく、足のサイズに合わせた通常サイズでもゆとりのある靴1が得られる。
よって、足のサイズに合わせた中底3により足裏の大切な3つのアーチをより安定してサポートすることができながら、足が窮屈にならないため、足痛を解消又は軽減することができる。
【0045】
その上、このように足が窮屈にならずに通気性を確保しやすい構造であると共に、横アーチがサポートされるため歩行の際に踏圧により指が開くため、水虫の治療及び予防に好適である。
また、このような本底2の上面に収容凹部Dを形成して中底3及び内底形中敷4を収容した靴1により、着用者が靴1を履いた状態でゆとりを持たせておき、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッド8の単又は複数(図8では2枚)を挿入して靴合わせを行った状態で使用し、着用状況により靴1が緩くなった際には内底形弾性パッド8を追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴1がきつくなった際には内底形弾性パッド8の単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができる。したがって、左右の足の大きさが違う場合等であっても自在に靴合わせを行うことができる。
【0046】
特に、従来の靴のように親指付け根部と小指付け根部とを締めることなく、本底等の足指の付け根部から前方の部分の横幅を広くした靴にして内底形弾性パッド8による靴合わせを行うことにより、中底3の形状による靴内での足ずれ防止効果と相俟って、靴による足の圧迫や靴との足の擦れを防止する効果を高めることができるという顕著な効果を奏する。
このような足を圧迫しないと共に靴との擦れを防止できる効果から、親指若しくは小指の付け根の下側の魚の目が痛くて従来の靴では歩行が困難な人、又は、親指又は小指の横の魚の目と靴との擦り合い又は指の間の魚の目と指との擦り合いにより従来の靴では痛くて歩行が困難な人でも、本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴1を履くことにより痛くなく歩行することができる。
また、中底3及び内底形中敷4が相対的に低い位置にあり、高さ方向の余裕が大きいことから、医師の診断により数値化された中敷(足底板)の厚さが、従来の靴では対応ができない例えば15mm程度と厚い場合であっても、その厚さに合わせた所要枚数の弾性パッド8を挿入して使用することができるため、医師の指示通りの治療・保護が可能になる。
【0047】
さらに、靴のサイズは0.5cm刻みであると共に従来の靴は親指付け根部と小指付け根部とを締めるように作られているのに対し、本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴1は、足を締め付けることなく上述のような靴合わせのための調節を適切に行うことができ、内底形弾性パッド8が緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体で形成されている場合には、内底形弾性パッド8は踏圧により塑性変形している。
したがって、足形は千差万別であり無数に存在すると共に足の大きさも変化し、足の痛さは他人にはわからないものであるが、踏圧により塑性変形した内底形弾性パッド8を取り出して見れば着用者の足の状態を把握することができるため、口頭のみでの臨床試験が可能になる。
【0048】
さらにまた、自分の母趾(親指、第1趾)が少し外反していると気付いた際に、なるべく早く母趾(親指、第1趾)と第2趾との間にガーゼ等を挟んで母趾をできるだけ広げることにより外反母趾を有効に治療できることが知られているが、母趾と第2趾との間にガーゼ等を挟んだ状態で通常の靴を履くと足が圧迫されて痛みが発生したり、大きい靴を履くとゆとりがあり過ぎて歩行しにくくなるため、靴を履いた状態で痛みが発生せずに気持ちよく治療に専念でき、スムーズに歩行できる靴は皆無であった。
これに対して本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴1は、ゆとりがあり足が窮屈にならないとともに靴合わせを容易に行うことができることから、図10に示すように母趾と第2趾との間にガーゼ21等を挟んだ状態で靴1を履いても痛みが発生せずに気持ちよく治療に専念でき、スムーズに歩行できるため、足の病気で一番多いと言われている外反母趾治療靴としても好適である。
【0049】
また、図2、図6又は図8の靴1において、中底3を本底2から取り外し可能なものとして、図11に示すように、中底3及び本底2の間の足の外側部位(例えば、立方骨、第4中足骨及び指骨並びに第5中足骨及び指骨)の下方に、約1mm程度の厚さの、中底3と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料により形成された補正パッド15の単又は複数を挿入することにより、後述する踵の外側が早く磨り減る良くない歩行姿勢を矯正して健康的な歩行姿勢にすることができる。
すなわち、踵の外側が早く磨り減る良くない歩行姿勢は、(1)早く疲れること、(2)踵の外側が磨り減った靴を長く履き続けていると膝や腰が痛くなったり障害が生じること、(3)O脚になる恐れがあること、等の問題があり、このような歩行姿勢を矯正するために、指回りを広くした靴作りにするとともに、図11の補正パッド15の単又は複数を挿入して高さ調整を行った靴1を着用して足の内側に少し力を入れた状態で歩行することで、自然と踵の外側が磨り減らない健康的な歩行姿勢となる。
ここで、補正パッド15は、中底3の下面に貼着してもよいし、本底2の上面に貼着してもよい。
【0050】
さらに、図12に示すように、中底3の適宜箇所に設けた活性炭収容部である長穴16内に活性炭を収容しておき、中底3上方の内底形中敷4に通孔17,17,…をあけておくことにより、活性炭のガス吸着作用により靴1内の悪臭を脱臭することができるため、靴1内を爽快に保つことができる。
さらにまた、図6及び図8の内底形弾性パッド8の上下面に重ねる不織布や編織布に備長炭を練り込んだりセラミックを配合することにより、これらの遠赤外線効果により保温力を高めることができる。
【0051】
また、図13(b)に示す、水溶性高分子、保湿剤及び水よりなるシップ基剤等からなる0.2〜0.5mm程度の厚さのゼリー状薄膜体20を上下の伸縮性シート材である例えば伸縮性不織布19,19で挟んでなる内底形シート体18を、図13(a)に示すように上下の内底形弾性パッド8,8の間又は上下の内底形弾性パッド8及び内底形中敷4の間に挿入して例えば貼着しておくことにより、このような靴を履くと、伸縮性不織布19,19で挟まれたゼリー状薄膜体20が踏圧により潰れてぐにゃぐにゃと変形して上下の伸縮性不織布19,19間で若干のずれが生じて止まり指圧のような感覚が得られて気持よく、さらに緩衝効果が高くなるとともに足痛解消効果が高くなるため、より気持ちがよいスムーズな歩行が可能になる。
【0052】
さらに、図14(a)に示すように、直径5〜10mm程度の多数の通孔23,23,…が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体22を上下の伸縮性シート材である例えば伸縮性不織布19,19で挟んでなる図14(b)のような内底形中敷4又は内底形弾性パッド8を用いることにより、シート体22の通孔23,23,…により敏感な足の裏が適度に刺激されるため気持ちよく、長時間使用してもシート体22上面に貼着された伸縮性シート材19により足裏が痛くなることがなく、通孔23,23,…により、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができるとともに通気性が向上する。
なお、伸縮性不織布19により前記シート体22の下面を被わずに、伸縮性不織布19により前記シート22の上面のみを被うようにしてもよい。
【0053】
さらにまた、図2に示す靴1の足の甲が当たる部分の甲裏9Bの内側(例えば舌革の内面)に取り付けられる弾性パッド10は、内底形中敷4と同様の、緩衝可能な弾力性を有して接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体、又は、緩衝可能な弾力性を有して接触圧により塑性変形しないシート体であり、その内表面には、図15に示すように多数の凹部(窪み)11,11,…が形成されている。
このような構成によれば、弾性パッド10に足の甲を圧接した際には弾性パッド10が足の甲の形状に合うように変形すると共に、弾性パッド10の内表面に多数の凹部11,11,…が形成されていることから、弾性パッド10と足の甲が擦れにくいため、靴1は、靴ずれによる傷が治りにくく、足の知覚障害を起こして感覚が鈍くなり足の傷に気が付かずに足に重大な障害を起こすことがある糖尿病患者に適した靴となる。また、靴の継ぎ目の内面に弾性パッド10を取り付けることにより、継ぎ目が無い靴に近づくため、糖尿病患者用の靴として、より好ましいものになる。
その上、着用者の爪先を防護する先芯があるため甲部(アッパー部)が硬い安全靴に本発明の足痛解消・軽減・トラブル解消靴1の構成を採用して弾性パッド10を備えることにより、安全靴の着用が義務付けられ足痛等を辛抱している作業者に好適な靴となる。
【0054】
以上の説明においては、中底3の親指付け根部5及び小指付け根部6を段落ちさせると共に中底3の踵部7に通孔を形成することにより、着用者の足の親指付け根及び小指付け根並びに踵部を他の部位よりも低くする足痛解消・軽減・トラブル解消靴1を示したが、通常の靴に挿入して使用する足痛解消・軽減・トラブル解消中敷12により同様の作用をさせるようにしてもよい。
例えば、図3〜図5及び図7において、中底3を靴に挿入して使用する中敷12の基体13とし、この基体13の上面に緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッド14を貼着等により取り付ければよい。
なお、基体13は、靴の中底と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料により形成することができる。
また、図11において、中底3を靴に挿入して使用する中敷12の基体13とし、基体13の下側の足の外側部位に補正パッド15の単又は複数を備えることにより、踵の外側が早く磨り減る良くない歩行姿勢を矯正して健康的な歩行姿勢にすることができる。
ここで、補正パッド15は、基体13の下面に貼着してもよいし、中底の上面に貼着してもよい。
【0055】
このような構成によれば、靴に挿入して使用する中敷12の基体13が靴の中底と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料からなり、基体13の親指付け根部5及び小指付け根部6を切除して段落ちさせていると共に、基体13の踵部7に通孔を形成していることから、着用者の足の親指付け根及び小指付け根並びに踵が他の部位よりも低くなるため、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び小指付け根部(第5中足骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより横アーチがサポートされ、相対的に低い親指付け根部(第1中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより内側縦アーチがサポートされ、相対的に低い小指付け根部(第5中足骨部)及び踵部(踵骨部)とそれらの間の相対的に高い部分とにより外側縦アーチがサポートされると共に、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができる。
したがって、足裏の大切な3つのアーチをサポートする機能を備えていると共に足の前後方向及び左右方向へのずれが効果的に抑制されることから、前記3つのアーチを安定してサポートすることができる。
よって、アーチを形成する骨格の崩れに起因する障害を予防することができ、特に横アーチをサポートする機能を備えているため、現代人の持病とも言われる外反母趾の原因となる開帳足の進行を防止することができる。
【0056】
また、基体13の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッド14を備えていることから、着用者が足を載せた際に、基体13の前記段落ち部及び通孔の角部に足が当たって痛くなることがない。
さらに、内底形弾性パッド14が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されていることから、着用者の体重を足裏全体に分散平均化して足裏全体に添って体重を支えることにより、足裏の痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を足裏全体に分散して足痛を解消又は軽減することができる。
さらにまた、踵部(踵骨部)7がその周りの部分よりも低く、内底形弾性パッド14が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、踵が痛い着用者が使用した際にその痛みを解消又は軽減することができる。
【0057】
また、基体13の親指付け根部5及び小指付け根部6を段落ちさせると共に、その踵部7に通孔を形成することによりアーチサポート機能を持たせているので、基体にパッドを突設すること等によりアーチサポート機能を持たせた中敷のように足が圧迫されることがないと共に、基体13の上側の内底形弾性パッド14が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているので、足がむくんで大きくなった際にも足が圧迫されにくい。
さらに、横アーチをサポートする機能により魚の目やタコができやすい開帳足の進行が防止され、内底形弾性パッド14が緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成されているため、魚の目やタコの発生を防止することができる。
【0058】
さらにまた、図7に示すように、着用状況に適合させるように内底形弾性パッド14の上側に重ねて靴合わせ用の調節を行う、緩衝可能な弾力性を有するシート体(特に、緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形する発泡合成樹脂製シート体が好ましい。)で形成した内底形弾性パッド8を単又は複数備えるようにすることにより、中敷12を挿入する靴を、通常より大きいサイズの靴又は図8のような本底2の上面に収容凹部Dを形成して中底3及び内底形中敷4を収容した靴として、着用者が靴を履いた状態でゆとりを持たせておき、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッド8の単又は複数を挿入して靴合わせを行った状態で使用し、着用状況により靴が緩くなった際には弾性パッド8を追加することにより靴合わせを容易に行うことができ、着用状況により靴がきつくなった際には弾性パッド8の単又は複数を取り出すことにより靴合わせを容易に行うことができる。したがって、左右の足の大きさが違う場合であっても自在に靴合わせを行うことができる。
【0059】
また、図13において、内底形中敷4を靴に挿入して使用する中敷12の内底形弾性パッド14とし、図13(b)に示す、水溶性高分子、保湿剤及び水よりなるシップ基剤等からなる0.2〜0.5mm程度の厚さのゼリー状薄膜体20を上下の伸縮性シート材である例えば伸縮性不織布19,19で挟んでなる内底形シート体18を、図13(a)に示すように上下の内底形弾性パッド8,8の間又は上下の内底形弾性パッド8及び内底形弾性パッド14の間に挿入して例えば貼着しておくことにより、このような中敷を挿入した靴を履くと、伸縮性不織布19,19で挟まれたゼリー状薄膜体20が踏圧により潰れてぐにゃぐにゃと変形して上下の伸縮性不織布19,19間で若干のずれが生じて止まり指圧のような感覚が得られて気持よく、さらに緩衝効果が高くなるとともに足痛解消効果が高くなるため、より気持ちがよいスムーズな歩行が可能になる。
【0060】
さらに、図14(a)に示すように、直径5〜10mm程度の多数の通孔23,23,…が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体22を上下の伸縮性シート材である例えば伸縮性不織布19,19で挟んでなる図14(b)のような内底形弾性パッド14又は内底形弾性パッド8を用いることにより、シート体22の通孔23,23,…により敏感な足の裏が適度に刺激されるため気持ちよく、長時間使用してもシート体22上面に貼着された伸縮性シート材19により足裏が痛くなることがなく、通孔23,23,…により、靴の内部で足が前後方向及び左右方向へずれ動くことを抑制することができるとともに通気性が向上する。
なお、伸縮性不織布19により前記シート22の下面を被わずに、伸縮性不織布19により前記シート22の上面のみを被うようにしてもよい。
【0061】
以上の説明における靴1の中底3又は中敷12の基体13の親指付け根部5及び小指付け根部6と踵部7との間の上面に、図16(a)に示すような例えば約2mm程度の高さの凸部Eを形成してもよい。
このような構成によれば、着用者の縦アーチが高い場合であっても、凸部Eの高さを調節することにより、適切な縦アーチサポート機能を持たせることができる。
また、中底3又は基体13の形状は、図3及図16(a)のような形状に限定されるものではなく、図16(b)に示すように、中底3又は基体13の親指付け根部(第1中足骨部)5及び小指付け根部(第5中足骨部)6を左右方向の外側から略方形(矩形)状に切り欠くと共に、中底3又は基体13の踵部(踵骨部)7を円形の通孔としてもよい。
【0062】
さらに、中敷12では、その基体13の形状を、図17(a)に示すように、踵部(踵骨部)7の前側を左右方向に切断して踵部7を段落ちさせてもよい。
さらにまた、中敷12では、その基体13の形状を、図17(b)に示すように、図17(a)における基体13の指の付け根部(中足骨部)から前方に延びる部分の前側部分を切除した形状としてもよく、このような構成によれば、足の指のゆとりがさらに大きくなることから、足の指がさらに圧迫されにくくなると共に、歩行の際における指の蹴り返しがよくなる。
以上のように、靴1の中底3又は中敷12の基体13は、これらの親指付け根部5及び小指付け根部6並びに踵部7に通孔、切欠部又は段落ち部等を形成することにより、これらの部位が他の部位よりも相対的に低くなるようにすればよい。
【0063】
以上のような靴1及び中敷12は、横アーチにより踏圧で指が開いて自由に動くと共に足が圧迫されないことから、足指や足部が痛くなることがなく、足の血行がいつも良くなり、従来の窮屈な鋳型に足を入れたような靴が原因で生じる足や身体の様々なトラブルがなくなり、気持ちよく靴を履いているだけで知らぬ内に病気の治療や予防をすることができて健康に非常に役立つものとなる。
また、足の痛みを解消又は軽減することができ、外反母趾や扁平足等の障害を予防することができると共に、靴合わせの調節を容易に行うことができるため、子供用の靴又は靴に挿入して使用する中敷にも適している。
すなわち、足の骨格が崩れて成長の過程で一旦変形してしまうと、この変形を正常な状態に戻すのは至難の業であるため、子供用の靴又は靴に挿入して使用する中敷として本発明に係る足痛解消・軽減・トラブル解消靴1又は足痛解消・軽減・トラブル解消中敷12を用いて子供の足に適合するように靴合わせをすることにより、子供の骨格が固まるまでの障害の予防や障害の治療を効果的に行うことができる。
さらに、足を締め付けずにゆとりを持たせることができると共に、痛い部分の凸部に集中して掛かる負担を分散して足痛を解消又は軽減することができるため、足指の付け根の関節が腫れた関節リウマチ患者や、症状が進行して外反母趾や内反小趾等の変形が加わった関節リウマチ患者用の靴又は靴に挿入して使用する中敷にも適している。
さらにまた、制靴(学校等の指定靴や企業等の指定安全靴)は、個人の足の形や状態に合わせた選択の余地がなく、制靴を強制的に履かせられることによる足の痛みや障害が多数報告されており、このような制靴によるトラブルを解消することができる中敷は皆無であったのに対し、制靴を着用者が履いた状態でゆとりを持たせておき、足痛解消・軽減中敷12を用いて内底形弾性パッド8,8,…により靴合わせを行うことにより、制靴であっても靴が原因で生じる足や身体の様々なトラブルを解消することができる。
なお、本発明に係る「足痛解消・軽減・トラブル解消靴」は、整形靴及び一般靴を含み、上履き、つっかけ等、本発明の趣旨を阻害しない範囲の全ての履物を含むものである。
【符号の説明】
【0064】
A,B,C 窪み D 収容凹部
E 凸部 L 長軸に沿う線
1 足痛解消・軽減・トラブル解消靴 1A 底部(ソール部)
1B 甲部(アッパー部) 2 本底(表底)
3 中底 4 内底形中敷
5 親指付け根部 6 小指付け根部
7 踵部 8 内底形弾性パッド
9A 甲革 9B 甲裏
10 弾性パッド 11 凹部
12 足痛解消・軽減・トラブル解消中敷 13 基体
14 内底形弾性パッド 15 補正パッド
16 長孔(活性炭収容部) 17 通孔
18 内底形シート体 19 伸縮性不織布(伸縮性シート材)
20 ゼリー状薄膜体 21 ガーゼ
22 緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体
23 通孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中底の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くし、前記中底の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形中敷を備えたことを特徴とする足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項2】
本底の上面に、前記中底及び内底形中敷を収容する収容凹部を形成してなる請求項1記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項3】
前記中底の親指付け根部及び小指付け根部と踵部との間の上面に凸部を形成してなる請求項1又は2記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項4】
前記中底が本底から取り外し可能なものであり、これら中底及び本底の間の足の外側部位の下方に補正パッドを挿入してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項5】
着用状況に適合させるように前記内底形中敷の上側に重ねて靴合わせ用の調節を行う、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えてなる請求項1〜4の何れか1項に記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項6】
ゼリー状薄膜体を上下の伸縮性シート材で挟んでなる内底形シート体を前記内底形弾性パッドの下側に挿入してなる請求項5記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項7】
前記内底形中敷又は内底形弾性パッドを、多数の通孔が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体と、このシート体の上面を被う伸縮性シート材とにより構成してなる請求項1又は5記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項8】
足の甲が当たる部分の内側に、内表面に多数の凹部を形成した弾性パッドを取り付けてなる請求項1〜7の何れか1項に記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。
【請求項9】
靴に挿入して使用する中敷であって、靴の中底と同等の材料又はゴム材料等の踏圧が掛かっても変形しにくい材料からなる基体の親指付け根部及び小指付け根部並びに踵部を他の部位よりも相対的に低くし、前記基体の上側に、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えたことを特徴とする足痛解消・軽減・トラブル解消中敷。
【請求項10】
前記基体の親指付け根部及び小指付け根部と踵部との間の上面に凸部を形成してなる請求項9記載の足痛解消・軽減・トラブル解消中敷。
【請求項11】
前記基体の下側の足の外側部位の下方に補正パッドを備えてなる請求項9又は10記載の足痛解消・軽減・トラブル解消中敷。
【請求項12】
着用状況に適合させるように前記内底形弾性パッドの上側に重ねて靴合わせ用の調節を行う、緩衝可能な弾力性を有するシート体で形成した内底形弾性パッドを備えてなる請求項9〜11の何れか1項に記載の足痛解消・軽減・トラブル解消中敷。
【請求項13】
ゼリー状薄膜体を上下の伸縮性シート材で挟んでなる内底形シート体を前記内底形弾性パッドの下側に挿入してなる請求項12記載の足痛解消・軽減・トラブル解消中敷。
【請求項14】
前記内底形弾性パッド又はその上に重ねて靴合わせ用の調節を行う前記内底形弾性パッドを、多数の通孔が全面にわたって形成された緩衝可能な弾力性を有して足裏面の接触圧により塑性変形しないシート体と、このシート体の上面を被う伸縮性シート材とにより構成してなる請求項9又は12記載の足痛解消・軽減・トラブル解消靴。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−187374(P2012−187374A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92604(P2011−92604)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(598032667)
【Fターム(参考)】