足装具サポート・デバイス方法及び装置
ミスアラインメントを有するヒトによって装着され、履物の内側に位置決めされる補正デバイス。このデバイスは、第1の材料組成および可撓性を有し、その中への足の受入に適応し、かつ足をサポートするように連結するように形作られたインナー・シェルと、第2の材料組成及び可撓性を有するアウター・シェルとを有し、第2の材料組成及び可撓性は第1の可撓性と実質的に同じであり、アウター・シェルは、その中へのインナー・シェルの受入に適応し、インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ履物内に位置決めされることが可能となるように形作られる。ヒトが履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、ミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分がアウター・シェル及びインナー・シェルによって足の所望の領域にわたって分散される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
矯正器具(orthotics)及び下肢装具デバイスは、1つの形態において、患者の下肢のサポートの必要性に適合するように、開業医によって患者のために特別仕立てで作製される。足矯正器具又は装具の形成の実際において、工場から開業医への製品の輸送のロジスティクスは、最初に開業医が型を製造施設に送り返さなければならないので時間がかかることがわかっている。さらに、開業医の所では、常に製造業者に型を送っているので、開業医のストックされた型材料の供給が使い尽くされてしまうかもしれないという、製品の維持の問題がある。従って、1つの形態において、患者の足のネガ型を作るために用いられる半剛性デバイスを装具の製造業者に送り返すのではなく、むしろ、再利用のために開業医の所に貯蔵しておけるような実施形態を有することが望ましい。さらに、開業医の仕事場所では通常、貯蔵スペースは豊富ではなく、足の成形製品の在庫を維持しておくことは非常に困難である場合がある。1つの形態において、以下の実施形態は、可撓性部材の貯蔵及び積み重ねの便利な方法を開示する。
【0002】
本説明は、成形キャスティング・プロセスの補助における使用に適合した可撓性サポート・デバイスに関する。一般に、動的な足首の足装具を作り出す目的で、患者の足のネガ形状がキャストされる。足のキャストは、患者の膝の下の本質的に生体力学的構造である、患者の足首部分並びに下部足領域を含む下肢に対するものであることに注目すべきである。
【0003】
本開示の別の領域は、可撓性サポート・デバイスを利用した小児科矯正器具に関する。種々の予算的理由で特注の矯正器具が適切ではない領域において、穏やかなサポート・システムは、足にミスアラインメント(misalignment)がある種々の年少者のために有利である。従って、予め作られた矯正器具が、足のサポートに適したサービスを提供している。
【背景技術】
【0004】
足の回内の際には、制御されなければならない足の3つの重要な分節がある。踵領域は、回内時に外転(eversion)に移行する傾向がある。外転は、踵が足首に対して位置を変え、長軸の周囲を横方向外向きに回転する解剖学的状態である。縦足弓は、適切な生体力学的位置及びアラインメントを維持しなければならない。回内時に、足弓は、内側及び遠位に扁平位置へと動き、それは内側方向においてより大きい。最後に、足前部(forefoot)は横方向外向きに外転(abduction)に移行する。従って、これらの3つの出来事の全てが組み合わされて起こり、踵及び足前部の足弓は、各々の全般的な足の領域のミスアラインメントに相応して移動することになる。
【0005】
足中間部(mid foot)の縦足弓の崩壊時には、踵の皮膚表面は、体重を支える表面(weight−bearing surface)に対して実質的に無傷のままであるが、踵の上部は、実質的に長軸方向に延びる軸の周囲を回転しながら横方向内向きに動くことになることに注目すべきである。
【0006】
従って、有効な矯正器具又は装具デバイスは、これらの3つ全てに同時に対処しながら、患者の動き及び全般的な運動に備えなければならない。デバイスは、これらのミスアラインメントの問題に対処し、かつ患者にとって快適かつ着用可能であるべきである。
【0007】
本発明のさらなる実施形態は、患者のための特注ではない既製品のデバイスを得ることにもある。さらに、年少の患者は成長しているので、これらのデバイスは比較的短期間でサイズが合わなくなるため、デバイスの使用及び装着に関わらず限られた寿命を有するあまり高価ではないデバイスを作ることは経済的な動機がある。
【0008】
深い足矯正具は、患者にとって快適ではないことが多いという問題がある。従って、特別な成形をすることなく、サポートを提供し、種々の患者の足に適合する、快適な既製品の足矯正器具を提供するという課題がある。
【0009】
予め作られたインサートは、それに付きものの不安定性のため、問題がある。
【発明の開示】
【0010】
全般に、以下の明細書は、最初に、可撓性サポート・デバイスを利用した下肢矯正具/装具デバイスのキャスティングの1つの形態を説明する。その後、図15−図18を参照して、第2の実施形態が示され、第2の実施形態は、矯正器具/装具デバイスを製造するための多数のオプションを開業医に提供する種々の形態で用いられることができる。一般に、図15に示されるようなシェルはキャスティング・デバイスとして用いられることができ、或いはその代わりに、装具の製造のために測定値のみを製造工場に送ることが必要である場合には、患者の全般的な輪郭を測定するための測定デバイスとして用いられることができる(又は予め作られた装具の具体的なサイズ及び形状を提供するために単に用いられる)。さらに、図15−図18に示されるような実施形態は、患者に対する多様かつ適切な装着を提供するようにモジュラ構成要素が配置される、モジュラ型配置において用いられることができる。最後に、図19−図21に示される実施形態は、内部の軟質シェルと共に硬質シェルが利用されるシステムを示し、このバージョンにおいて、硬質のアウター・シェルは本質的に、患者にサポートを提供する最終製品であり、内側の軟質シェルは、患者に対するより快適な装着のために局所的な突起や凹みを吸収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1に示されるように、可撓性サポート部材20が図示される。この図に示されるように、22で示される矢印が縦軸を表す軸系が定義される。同様に、直交する矢印24は横軸を示す。最後に、上記の2つの矢印に直交する矢印は垂直軸26を示す。
【0012】
図1にさらに示されるように、可撓性足サポート20は、全般的に28で示される内側領域と全般的に30で示される外側領域とを有する。さらに、縦軸方向前方領域は遠位領域32と全般的に称され、縦軸方向の反対側の領域は通常、近位領域34と称される。上記の領域に加えて、36で示される足底領域が、患者の足の下部と接触することになる全般的な上部表面を定める。全般的に38で示される内側外側ラップ領域(medial lateral wrap region)は、踵骨(踵の骨の一部)と、縦足弓と呼ばれることもある内側足弓と、舟状骨とを取り巻くように適合された、実質的に垂直な領域である。さらに、内側外側ラップ領域は、第1中足骨頭及び第5中足骨頭、第5中足骨頭の底部及び腓骨アーチを覆うように適合されている。
【0013】
図2に示されるように、足底領域36は包囲区域40内の中央領域としておおよそ定められる。上部周囲を取り巻く、斜線が描かれた領域が、上記のような内側外側ラップ領域として実質的に定められる。足底領域36は、図2に示されるように種々の領域を有するものとして定められる。縦軸方向後方の区域から始めると、42で示される踵のくぼみは、成形プロセスの間、患者の踵に対して押し付けられるべく適合された領域として定められる。踵くぼみ領域42は、さらに後述するように内側外側ラップ領域38に対する土台を提供し、材料のこの領域は、この縦軸方向後方部分と共同して、回内、回外、内反−外反といった種々の骨格の生体力学的ミスアラインメントを修正するように作用するように、適合される。腓骨アーチは、表面がいくぶん垂直方向に隆起した領域44である。腓骨アーチは、踵(踵骨位置)の制御を助けるように踵のくぼみに対して遠位であり、第5中足骨の底部のすぐ後ろにある。この領域は、足の足弓と足のアラインメント全体のサポートを助ける。腓骨アーチ領域44は、可撓性サポート・デバイス20の外面に表された垂直の凹みであることに注目すべきである。キャスティングのときに確かな位置を表すために、開業医にフィードバックを提供することは有利であり得る。さらに、領域44は、さらに後述するように、開業医に成形プロセスを適正に実行するように指示し、かつ患者の骨格構造を位置合わせするときに、指示を補助する潜在的な基準点である。
【0014】
これもまた図2に示されるように、内側アーチ領域46は、足底領域36の中央部に隆起した領域として全般的に定められる。さらに後述するように、腓骨アーチ領域44と同様に、内側アーチ領域は、開業医が患者に対して型を導き、作るときに、掴むために使うことができる隆起した領域を有する。可撓性サポート部材20は、デフォルトでは、隆起した内側アーチ領域を有する。この部材は可撓性であることに注目すべきであり、さらに後述する。内側アーチは、舟状骨の位置合わせ、及び、回内した足又は回外した足とは反対のしっかりした機能的生体力学的にニュートラルな位置に適切に足を位置合わせする際の補助に有用である。48で示される中足骨アーチは、中足骨、特に中央の第2、第3及び第4中足骨をサポートするのに適合した隆起領域である。
【0015】
さらに図2に示されているのは、全般的に50で示される中足骨くぼみである。この領域は、中足骨頭をサポートし、これを位置合わせする領域として定められる。
【0016】
52で示される最も前方の遠位領域は、足指隆起領域である。この領域は、ドロップ(drop)第1指サブ領域54と第2指−第5指サブ領域56に分割される。ドロップ足指サブ領域54は、第2指−第5指サブ領域56に対してわずかに垂直方向に低く位置する。溝から、第2指−第5指サブ領域56は縦前方方向に遠位領域に向かって下向きに傾斜し、かつ58で示されるように、横方向外向き領域に向かって下向きに傾斜する。この領域は、足の位置合わせを助け、足が適切に位置合わせできるように、クライアントを適切に受け入れるインプットを可能にする。特に、この表面は、クライアントが自分の足及び足の位置を自覚するようになることを可能にする。従って、隆起領域はこの自覚をキャスティング・プロセスの際にクライアントにもたらし、より良好な成形を可能にする。
【0017】
ここから、成形プロセスについて検討するが、この検討においては、開業医は患者の下部足領域の型を取ることとする。図3に示されるように、成形プロセスの第1のステップは、適切なサイズの可撓性サポート・デバイスを選択することである。図3は、多様な患者に適応する、可撓性サポート・デバイスのサイズの取り揃えを示す。この図に示されるように、多様な可撓性サポート・デバイス20は、図示されているように積み重ねられるように適合されている。換言すれば、より大きな可撓性サポート・デバイスが、次に小さいサイズを支えることになる。貯蔵場所において、可撓性サポート・デバイスは、積み重ねられた状態で配置され、すぐ次に小さい可撓性サポート・デバイスはすぐ次に大きい可撓性サポート・デバイスの空洞領域内に係合し、そのため複数の可撓性サポート・デバイスが積み重ね方式で配置される。これにより、かなり多数の可撓性サポート・デバイスを開業医のオフィス内に貯蔵しておくことが可能になる。さらに、この積み重ね方法は、適切な可撓性サポート部材20を判断することを容易にするので、開業医は、どのサイズがふさわしいかを容易に識別することができる。例えば、開業医が中間サイズのうちの1つを選択し、それが患者に適切にフィットしない場合、開業医は、必要なサイズの差を測り、増分のセット数を小さい方又は大きい方へスキップして、特定の患者に対しておおよそ適切なサイズを測ることができる。
【0018】
その後(又はサイズ選びの前に)、図4に示されるように、患者の足にストッキネットを配置する。ストッキネットは、おおまかに言えば、ある種の保護、及びストッキネットの内部と外部のそれぞれの間での少なくとも部分的な分離を提供する、可撓性のカバーとして定義される。1つの形態において、ストッキネットは、伸長式ソックスと同様の編地状材料から作られる。次いで、足は、適切にサイズ選びされた可撓性サポート・デバイス20の中に置かれる。図2を参照して上記で説明された種々の足底表面は、患者の足の対応する解剖学的構造に位置合わせされなければならない。特に、患者の踵領域は、内側外側ラップ領域38の近位領域34の実質的に垂直な面に対してしっかりと押し付けられるべきである。図2に戻って参照すると、内側外側ラップ領域38の近位位置は全般的に39で示され、踵カップ領域と称される。踵カップ領域39の1つの有利な態様は、これが、成形時に、最初の土台となるサポートを提供するということである。踵カップ領域内に垂直サポート領域が設けられない場合、従来技術のサポート部材は、足に対して不適切な位置に動くことになる。これは、不適切なキャスティングへと至り、最終的には劣ったサポート・デバイスをもたらす。従って、踵カップ領域39は、不適切なキャスティングを回避する助けとなる。
【0019】
ここで図5を参照すると、患者の踵領域70は可撓性サポート・デバイス20の踵カップ領域39に対してしっかりと押し付けられていることがわかる。踵が可撓性サポート・デバイス20の後方の近位位置に適切に位置合わせされた後、開業医は遠位領域をチェックして、中足骨頭が全体溝と交差していないことを確認しなければならない。図2に戻ると、45で示される全体溝は、45で示される横方向に延びた線で示される、遠位methead近位足指隆起領域である。解剖学的構造の他の部分を可撓性サポート・デバイスに位置合わせすることもできるが、この領域は、開業医による検証のためにアクセス可能であり、そして一般に、中間の足底表面領域は、患者の解剖学的構造に対応して適切に位置決めされることになる。図4に戻ると、可撓性サポート・デバイスの全体的長さは患者の足指72よりもわずかに大きいことが有利である。換言すれば、この領域は適切な成形のために重大な意味を持つものではなく、従って、足指72と前方の垂直領域33との間の73で示される余分な空間は、一般に成形において問題にはならない。1つの形態において、患者の足指72の前面と前方垂直領域33との間の間隙領域は、およそ四分の一インチ又はそれ以上である。
【0020】
図5は、第2のストッキネット74の適用をさらに示す。1つの用途において、第2のストッキネットは、可撓性サポート・デバイス20及びストッキネットの初期層の上に適用される。ストッキネットの第2の層は、後述する付与されるキャストの層の除去のために有利である。さらに、型が少なくとも部分的に硬化して、実質的に硬質の形状を取った後に(これもさらに後述する)、可撓性サポート・デバイス20を取外す補助となるという、第2の利点も有する。さらに、第2のストッキネット74は、足及び足首領域、第1及び第2のストッキネット並びに可撓性サポート・デバイス20を表すポジ型の全体の容積を増大させる。
【0021】
図6に示されるように、第2のストッキネット74の下に示されるカッティング・ストリップ76は、患者の脚及び足領域の一部を下って「徐々に進められる(wormed in)」。1つの形態において、これは、型を取外すときに緩衝領域を促進するために、前方中央領域に位置する。このカッティング・ストリップは、2つのストッキネットのうちの1つの下に付与される。別の形態において、カッティング・ストリップは、ストッキネット76の外側表面に付与される。カッティング・ストリップ76の付与は、型を取外すために非肉(non−flesh)切削要素が用いられる場合に、型の取り外しを補助するための随意的なプロセスである。別のバージョンにおいて、カッティング・ストリップは、テープか、又は別の手段で内側のストッキネットに取り付けられる。
【0022】
図7に示されるように、柔軟な成形ストリップ95が第2のストッキネット76(図6参照)の周囲に巻き付けられ、1つの形態では成形ストリップはガラス繊維であるが、最初は柔軟で数分後には硬くなって型にすることができるいかなる物質であっても足りる。ガラス繊維ローリングの硬化前(preset)状態は、一般に、ガラス繊維テープが濡れており、図6に示されるようにその上に適用されたストッキネットを有する足首足領域全体の周囲に巻きつけられた状態である。成形ストリップ95は、大まかに言って、非常に可撓性で形状にフィッティングする方法で適用され、少なくとも半剛性状態まで硬化して、内側の構造部材の外面(例えば、下肢及び可撓性サポート・デバイスの輪郭)のネガ型を保つ能力を有する全ての物質を網羅するものとして定義される。成形ストリップが足領域に全て適用されたとき、これらは集合的に図7に示されるようなラップ97を形成する。
【0023】
ラップ97が硬化する前に、開業医は、アラインメント及び特徴定義(feature definition)プロセスに従事する。このプロセスは、本質的に、足を適切なニュートラルな生体力学的位置に位置決めして、適切な型を形成することである。上述のように、可撓性サポート・デバイス20の特徴は、その可撓性があれば、開業医が、患者の足及び下肢領域の種々の特徴の位置の操作に対してより多く制御できることを可能にする。換言すれば、可撓性サポート・デバイス20のある程度の可撓性がなければ、足の解剖学的特徴を操作することはできない。しかしながら、可撓性サポート・デバイスは、開業医が直接接触しない足及び下部足首領域の隣接領域上に圧力の分散させるのを可能にするのに十分なほど剛性である。目標は、患者の足の輪郭にぴったり合った、正確な、全体としての生体力学的アラインメントを維持する型を得ることである。
【0024】
図2に示されるような上記アーチ領域は、適切な型を形成するためにアーチの位置合わせを補助する。図7に示されるように、足後部(hindfoot)を90で示される手で安定化させる。親指を患者の舟状骨の上に置き、矢印92によって示される垂直方向の力を加えることで縦足弓を定めることを助ける。指を足の甲領域94にかけ、開業医の指の前方先部分は踵骨領域をつかみ、場合によっては、患者の回内を取り去ることを助ける。患者が回内の問題を有していない場合、左手90は足首領域が適切にニュートラルに位置合わせされるようにそこを支えることになる。手90の手のひらは、足の内側上に置かれ、指を踵の後ろに回して延ばす。
【0025】
開業医のもう一方の手99は、足前部をニュートラル位置に持ってくる。ニュートラル位置は、足のその部分が適切に位置決めされるように縦軸に沿って実行されなければならない。さらに、内側及び外側のアラインメントも同様に適切に位置合わせされなければならない。踵を垂直に保持することが重要であり、従って、患者の足の踵領域を適切に位置合わせするためには、足前部を水平に保持することはいくぶん犠牲にすることができる。踵のアラインメントが基本であり、個人の可動域が与えられると、最良の生体力学的アラインメントが得られる。可撓性サポート・デバイス20の剛性と可撓性が、縦方向後ろ向きに延びるいかなる操作も可能にし、足の表面に沿った力を供給するので、可撓性サポート・デバイスは、足前部から足後方までのより漸進的な遷移を提供する。換言すれば、開業医が足の遠位領域上に力を及ぼしたとしても、この力は、可撓性サポート・デバイスの柔軟に制御された変形のせいで、縦方向後ろ向きに踵まで分散される。可撓性サポート・デバイス20がなければ、開業医の指によるいずれの操作も、ラップ97上に局所的な凹みを作ることになる。しかしながら、その下に可撓性サポート・デバイスが入っていることで、いずれの操作も直接適用されるのではなく、圧力が加えられたところの隣接領域の周囲に、より均一に分散される。可撓性サポート・デバイスが図2に記載されているような要所の特徴及び凹みの予めセットされた形状を既に有しているとすれば、これらの特徴はより良く維持される。可撓性サポート・デバイスは、足の後方部分から足の前方部分へと、よりニュートラルな操作の遷移を提供する。
【0026】
図8に示されるように、アラインメントのプロセス及び特徴定義プロセスは実質的に完了し、ラップ97はある程度まで硬化し始め、固化した形状を取る。この時点で、開業医はより細かいフィッティングのために局所的な領域を操作する能力を有する。図8に示されるように、開業医は踵を適切なアラインメントに輪郭付けている。もちろん、適切なニュートラルな生体力学的セット形状を取るために、開業医は他の領域の輪郭付けを選択することができる。図2に示されるような内側外側ラップ領域38に圧力が加えられる場合、予め硬化されたラップ97は圧力を分散し、「肉のずれ(flesh displacement)が起きないように補助することに注目すべきである。換言すれば、特に、より多くの脂肪沈着を含む「肉付きのよい」年少の患者において、内側外側ラップ領域38は、濡れた可撓性ラップ97が周囲に適用されたときに、より適切な圧力の分散を可能にする。中央チャンバ領域を有する可撓性サポート・デバイス20は、成形手順の最初から患者の足の位置決めを補助する。換言すれば、側壁なしの実質的に平坦なデバイスを用いる代わりに、内側外側ラップ領域は、図2で検討した種々のアーチ及び凹み領域42−50と対応する足の解剖学的部分との位置合わせについての許容誤差を低減させるように、最初に足の位置決めを補助する。患者の足はこのチャンバ領域の中に導かれ、成形を行うときに開業医が関与すべき操作及び位置合わせの問題は少ない。
【0027】
図9に示されるように、任意の従来型のツールで前部分を切開することによって、キャストが取外される。キャストが硬化した後に切断するどのような特定の選択された切断方法も利用することができる。可撓性サポート・デバイス20は、取り外しの際に足の外側領域の周囲の圧力の分散を可能にするので、患者の足から硬化したキャストを取外すことを補助することに注目すべきである。可撓性サポート・デバイス20は、さらに、キャストの前方中央領域を拡げ、横方向外向きに押し開けて、足と足首を切断部の間に挿入し、取り出さなければならない場合に、キャストの取り外しの際の歪みを最小にする。キャストの歪みを最小化することは、キャストの硬化プロセスの開始時に冷たすぎる水を用いた場合、又は遅い硬化プロセスをもたらし得る他の理由の場合に問題となり得る、キャストが完全に硬化していない場合に有用である。
【0028】
図10は、可撓性サポート・デバイス20の1つの特定の使用を例証する。この図に示されるように、可撓性サポート・デバイス20はキャスト80から取外される。これは、可撓性サポート・デバイスの再使用を可能にする。この取り外しは開業医によって実施されることができ、開業医はその後、図4に示されるような方法で可撓性サポート・デバイスを適切に貯蔵することができる。これは、従来技術の実施の1つの形態では、キャスト全体が最終装具サポート・デバイスを作製する第三者の会社に送付されるので、特に有利である。これにより、開業医は、第三者の製作者にキャストと共に郵送されるべき、患者の足の下部に位置決めされるように適合されたサポート・デバイスの送付をやめることが可能になる。これは、通常は最終的な装具サポート・デバイスが作製される場所とは異なる場所でキャストを作る開業医のためのサポート・デバイスの供給を枯渇させる。従って、本発明によれば、開業医は、その可撓性サポート・デバイスの供給を図4に示されるように維持する。
【0029】
ここで、最初に図11を参照して、成形プロセスの際に行うことができる種々の調整を検討する。この図に示されるように、可撓性サポート・デバイス20は、実質的に縦方向に切り込みが入れられている。ここで図12を参照すると、可撓性サポート・デバイスは、横方向が狭いことがある患者の足に備えて、91で示される領域で重ね合わせることができる。これは、患者の種々の形状の足に対する柔軟性を提供する。短い又は幅広の足の成形が必要とされる場合、内側外側ラップ領域38は、可撓性サポート・デバイス20のチャンバ領域にこの幅広い足が入ることを可能にするある程度の量の可撓性を有していることに注目すべきである。図2に記載されている種々の内面のサポート基礎構造は、可撓性サポート・デバイスのチャンバ領域の中に幅広の足を入れた場合でさえ維持される。
【0030】
特別な適応を必要とする患者の足の骨の突起又は極端な形状がある状況においては、図13から図16が参照される。図13に示されるように、加熱要素100が、可撓性サポート・デバイス20の特定の場所に熱を供給する。患者のどのような特別の状況にでも適応するために、可撓性サポート・デバイスのどの領域を加熱及び操作することもできることに注目すべきである。患者の種々の極端な解剖学的特徴、又はいずれかの傷に適応するのは、開業医の裁量であることが多い。従って、例として、形成プロセスを図13−図16に示す。図13は、第1の突出した方法(method)がわずかに患者において押し出されている内側領域の加熱を示す。図14に示されるように、領域102は、患者のこの特徴に適応するために、横方向外向きに付勢される。もちろん、種々の変更が可能であり、例えば可撓性サポート部材20に対する変更であって、第5中足骨領域の底部を加熱し、そのため材料が可塑性で成形可能になり、開業医は、この領域における患者の足の外向きの伸長に適応するようにその領域を外向きに操作することができる。
【0031】
可撓性サポート・デバイス20は特に外部転写に適合していることに注目すべきである。このプロセスの間、シム状のデバイスがラップの外側に位置決めされるか、又は場合によってはその下の内側に巻き込まれる。シム状デバイスは、足の位置を成形のために位置決めされた特定のニュートラルなアラインメントに維持するための一貫したサポート面を提供する。上記のように、シムの圧力の付加は、可撓性サポート・デバイスの剛性及びそのサポート・デバイスの可撓性も同様に与えられたならば、さらに一貫した足前部から足後方への自然な遷移を可能にする。図1及び図2に示されるような種々の特徴は、成形プロセスの際の患者の足の操作において、患者の足の内部アーチが維持されることの保証を提供することに、さらに注目すべきである。
【0032】
図15に示されるような実施形態は、キャスティングのために用いられることもできるし、或いは単に下肢のための適切な装具を決定するための測定デバイスとして用いられることもできる、剛性のアウター・シェル・デバイス(コントロールモジュール120)に関する。一般に、全体の下部シェルは、足首の上まで延びるおよその区域を有する、図15に示されるサポート・モジュールを含む。これは、上記の可撓性サポート・デバイス20と同様の方法でプラスチックのような可撓性材料で作られ、これを調節可能とする中央スリット領域を有する。図1及び図2に記載されるようなアーチ又は他の解剖学的領域のような重要な特徴が、このモジュール内に成形される。さらに、足の突出した特徴も同様に補償される。
【0033】
1つの形態において、コントロール・モジュール120は可撓性サポート・デバイスの1つの形態であり、キャスティングの補助に用いられることができ、モジュールは患者の足の周囲に配置され、適切なフィッティングのためにきつく締め付けられる。その後、開業医は、上記のような標準的な成形キャスティング技法を用いて、患者の足の正確なネガ・キャストを作り出すことができる。その後、このキャストは、施設に送られ(又はその場で実施され)、そこでは、コントロール・モジュールはキャストの既知の装備品であり、患者の足の不適切なポジ型の作製を避けることができる。その後、装具サポート・デバイスを作製するために用いられるポジ・モデル(型)がある。
【0034】
キャスティングの際に足の位置を制御するために、足を覆って延びる横方向の下部を有すること、並びに患者の下部ふくらはぎまで延びる近位区域を有することは有利であることに注目すべきである。
【0035】
第2の用途は、コントロール・モジュールをサイズ選び用のシェルとして用いることであり、この場合、開業医によるキャスティングは行われないが、コントロール・モジュールの特定のサイズは最終的な装具の製造者に伝えられ、高価で時間の遅延を引き起こす、キャスティングとキャストの物理的郵送が排除される。
【0036】
キャストを取らずに足の適切なサイズ選びの伝達を促進するために、図15に示されるようなマーキング表示を利用することができ、ここで、稜線130は、特定の測定値によって示される、特定のマーキング132を有する、特定の一致した位置に係合する。図16に示されるように、これは複数の可撓性測定デバイス142を有するベースサポート140を有するストラップ状システムによって達成することができる。
【0037】
装置の別の要素は、図17に示されるようなモジュラ構成要素を持つことである。この図に示されるように、矯正器具状インサート154を受けるように適合された中央下部空洞領域152を有する剛性の足構造構成要素150がある。この理論は、開業医が患者にシェルをフィッティングし、さらにストックされている矯正器具の型のうちの1つもまた同様に患者にフィッティングする柔軟性を有し得ることである。シェルは、矯正器具状インサート154の位置及び方向を定量化するために、種々の線156又は他の調整用の特徴を有することができる。
【0038】
図18に示されるように、モジュール方式はさらに、下部半剛性フィッティング・モジュール160と、次に上部半剛性モジュール162とに拡張することができる。これらのモジュールは、組み合わせて働くことができ、患者に適切にフィットするように、図3と同様の方式で積み重ねることができる複数のモジュールから取ることができる。
【0039】
この概念は、さらに、患者に適切にフィットするような、ミックス・アンド・マッチ構成要素を備えた既製品タイプの矯正器具という形をとることができる。
【0040】
ここで図19−図21の実施形態を参照すると、装置220はアウター・サポート・シェル222とインナー・ライナ224とを含む。一般に、この実施形態は、患者に対して適切な装具デバイスを提供するために剛性シェルを利用し、さらに患者毎の種々の生体構造的バリエーションに適応するためにインナー軟質シェル・ライナを用いる。一般に、この実施形態はキャスティングを利用せず、むしろプラスチックのシェルそれ自体が、ユーザが下肢のサポートのために装着する最終製品として提供される。
【0041】
アウター・シェルは内部チャンバ領域を有し、インナー・ライナはアウター・シェル222の内面に係合するように適合された外面を有する。アウター・サポート・シェル222は、内側及び外側区域228及び230を有する外周サポート領域226を含む。アウター・サポート・シェル222はさらに、装置220の後方部に踵カップ232を有する。外周サポート領域226は、患者に対しておおよそのサポート位置である位置に位置決めされる。換言すれば、アウター・シェルは、患者の生体力学的位置決め及びアラインメントを制御するための剛性サポートを提供する。
【0042】
アウター・サポート・シェルは、プラスチックのような剛体材料で作られるが、足が完全に崩壊することなく患者が取り得る種々の足のポジションを考慮して、ある程度の量の可撓性又は快適性が備わっている。
【0043】
図19−図21に示される実施形態は、患者の足の適切なアラインメントを補助するために足の位置の高められた感覚を患者に提供することにおいて重要な、固有受容フィードバック(感覚フィードバック)を利用する既製品タイプの矯正器具に適合する。
【0044】
外周領域226は、手によってほどほどに掴まれたときに押されて、サイズが内向き又は外向きに数ミリメートル撓むことになる、ある量の可撓性を提供する。この可撓性は、広範囲の患者の足に適応するための機能を提供することに注目することが重要である。さらに、この可撓性は、靴又はブーツのような履物をアウター・サポート・シェルの外面に押し付けることを可能にし、より良好な、より適応するフィッティングを提供する。アウター・サポート・シェル222は、最も広い範囲で0.5から3ミリメートルの間の全体厚を有する。より好ましい範囲は、1/16インチから90ミルまでの間の範囲である。1つの形態において、ポリエチレン・ベースのプラスチックを用いてアウター・シェル222が成形される。もちろん、可撓性及び強度を提供する他の材料を利用することができる。
【0045】
図21に示されるように、アウター・サポート・シェル222の下部は、種々のサポート・サブ領域面を含む。この面の下側は、アウター・サポート・シェルのチャンバ領域の隆起領域に相互関連することに注目すべきである。この図に示されるように、腓骨面244は、横方向外向き領域に位置し、中足骨隆起領域246は前方内側領域に位置し、患者の中足骨に係合するように適合されている。248で示される内側縦アーチは、患者の横方向内向き内側領域に共通のサポートを提供するように適合されている。これらのアーチは、固有受容フィードバックを患者に与えるためにある程度強調されており、その結果、患者は、精神的にその足を位置合わせするように誘導されることになり、足のアラインメントの自発的な制御の発生が強められる。
【0046】
図20に示されるように、アウター・サポート・シェル222は後方上部周囲稜線領域250を有する。この領域は、インナー・サポート・ライナの周囲稜線266の垂直方向下方に位置決めされ、周囲領域250からの圧力のブレンドを提供する。換言すれば、周囲稜線266を下方の剛体の稜線250の上方に位置決めすることによって、患者の足領域に直接かかる縁部圧力は小さくなる。インナー・ライナ224は、スムーズな遷移を提供し、それがなければ存在して患者に対する不快感を作り出す、集中した縁部圧力を回避する。インナー・ライナの上部は、圧力の自動的な調節を可能にし、そのため、上部周囲稜線領域250は、患者ごとに特注とする必要はなく、むしろ、装置220は、各患者に対して自己調整的である。
【0047】
インナー・ライナ224は、サポート・シェルの近位縁部から位置を移動させることによって足の側部を保護する。換言すれば、患者は周囲剛体領域250に係合することが少なくなり、肉が、刺激を生じさせる局部の圧力を受けることが少なくなる。
【0048】
ここで、最初に図19を参照して、インナー・ライナ224を説明する。この図に示されるように、インナー・ライナ224は、ベース領域260と前方領域262とから構成される。インナー・ライナ224はさらに、周囲稜線266を含む上部領域264を有する。このインナー・ライナ224の構築は、一般に、発泡体から作られる。1つの形態において、インナー・ライナ224は、エチレン酢酸ビニル由来の独立気泡の密度5ポンドの発泡体から作られる。
【0049】
アウター・サポート・シェル222の前方領域は外側領域270を有する。図20に示されるように、インナー・ライナ224は、外側領域270から縦方向前方に延びる延長領域272を有する。インナー・ライナ224は、外に延びて中足骨頭をカバーするように適合される。サポート・シェルは、外側の第5中足骨頭の直前で終端するように適合される。図20において、内側の側部は、第1中足骨頭の前で削減されるように適合されていることに注目すべきである。
【0050】
アウター・サポート・シェル222を有することによって剛体構造が提供され、そのため延長領域272が外側領域から足底領域に対して実質的に正しい角度で位置決めされ、インナー・シェルは、足の回内時に足の外転を回避するためのある程度の剛性を提供する。
【0051】
図19を参照すると、80で示される全般的なエリアは、ピボット領域として定められ、ここで中足骨頭はほぼ終わり、操作環境において、患者は、歩行又は走行時にピボット運動をすることになる。外側領域270は、ピボット動作を妨害しないように、このピボット領域80の前で終わることに注目すべきである。しかしながら、より可撓性で発泡体状材料から作られたインナー・シェル224の領域272は、歩行又は走行(又は他の二足運動)の際のピボット動作に適応する。
【0052】
従って、装置220は、多くの年少の患者における共通の関節ミスアラインメントの生体力学的問題である患者の足の回内の回避に、とても適していることが理解できる。周囲サポート領域226の内側区域228は上記の回内を避けるために内側領域に圧力をかける傾向にある。さらに、カップ領域が、後方表面が長軸に対して実質的に直交する平面内に延び、内側領域が横軸に直交する平面内にあるので、追加的なサポートが提供され、追加された剛性は踵の外転を避ける利点がある。
【0053】
深さは可撓性サポート・シェルを適切に機能させるが、これは、図19において227で示される垂直領域を有することで、外側領域270における患者の足からの圧力のように横軸の周囲にモーメントがかかったときにより大きな慣性モーメントを可能にするからである。これは、この剛性を提供するために必要とされる材料及び構造が少なくて済むので、より軽くコンパクトな矯正器具を作り出せるという格別な利点がある。
【0054】
患者に適切な生態力学的アラインメントを提供する最後の構成要素は、足前部が患者の踵領域に対して横方向外向きに外転することを回避することである。より詳細に上で説明したように、外側領域270は、インナー・ライナ延長領域272の一部をサポートするベース領域を提供し、外転の制御におけるサポートを補助する。上述のように、可撓性発泡体インサートは、実際にある程度崩壊して患者に可動域を提供して、走行時に可撓性を提供する。
【0055】
装置220は、インナー・ライナ224の上部周囲稜線266が靴の中央チャンバ領域に対して横方向外向きに位置決めされるように適合される、靴のような履物の環境において特に有用である。換言すれば、延長領域272は、患者によって容易に再位置決めされ、横方向外向きに掴まれ、患者の足の周囲領域はアウター・サポート・シェル222を越えて容易に滑ることになり、靴の中で適切な足位置に位置決めされる。装置の全体の長さが与えられると、これは靴の中に適切にフィットし、靴に対して垂直方向前方に位置決めされず、軟質ライナ・インナー・ライナ224の移動を妨げることにさらに注目すべきである。
【0056】
1つの形態において、装置220の通気性を補助するために、インナー・ライナ224の上面上に層を付与することができる。さらに、水疱などを引き起こすことがある大きすぎる履物のような不快感を回避するために、患者の足とストッキングとの間の摩擦係数を調節することができる。
【0057】
アウター・サポート・シェル222の下面にある種の形態の材料を充填して、追加のサポート及び剛性を提供するという更なる改造を使用することもできる。1つの形態において、上記のアーチ領域は、患者に対する固有受容フィードバックを促進するために、増強及び増幅されることができる。
【0058】
アウター・サポート・シェル222の製造の1つの形態は、ドレープ成形のような普通の熱シート成形技術を使用する。しかしながら、射出成形、ミリングなどのような多くの製造形態を使用することができる。
【0059】
種々の矯正サポート・デバイスの具体例は、アウター・サポート・シェルとインナー・サポート・シェルを同じ又は類似の材料から形成することを含む。一般に、これらの同じ又は類似の材料での実施は、プラスチック、ポリマー、複合体、エチレン(ethethlyenes)、ビニルのような材料、又はシェルのための可撓性と剛性の所望の組み合わせを提供する他の種類の材料から作られる、種々の形状のインナー及びアウター・シェルを用いる。インナー及びアウター・シェルの材料は、特定のインナー及びアウター・シェルを組み合わせて矯正サポートの具体例を形成したときに、ある所望の程度のユーザの快適性を可能にするのに十分な矯正サポート及び/又は操作及び適切な可撓性を提供するように、同じ又は異なる厚さの、実質的に同じ又は類似の材料組成を有するように選択される。
【0060】
実質的に同じ又は類似の材料をインナー及びアウター・シェルの両方に用いる具体例のうちのいくつかは、矯正サポート及び/又は操作とユーザの快適性のレベルとの間のバランスをさらに調整することを可能にするために、インナー・シェルとアウター・シェルの厚さを変化させることができる。インナー及びアウター・シェルの厚さは幾つかの例示された実施形態は実質的に同じであるが、所望であれば、又は可能であれば、異なる厚さとすることができる。矯正サポート及び/又は操作の度合いとユーザの快適性レベルとのバランスを矯正サポートの具体例の異なる位置で変化させることができるので、特定のシェル全体を通じて厚さを変化させることもできる。
【0061】
幾つかの具体例において、インナー及びアウター・シェルに用いられる材料は異なるものとすることができるが、インナー・シェルとアウター・シェルの両方が類似の剛性及び可撓性の品質を有する。これらの具体例において、インナー及びアウター・シェルが異なる材料から作られているとしても、インナー及びアウター・シェルの両方は、圧縮力に対する類似の抵抗レベルを持つ、類似の圧縮性を共有する。
【0062】
実質的に同じ又は類似の材料を有するか、或いは類似の圧縮性能を有する異なる材料を有するインナー及びアウター・シェルを用いたこれらの具体例の3つの例示的なバージョンを図22−図31に示す。例示的なバージョンは、そのインナー・シェルがヒトの膝下のヒトの一部に接触し、かつ実質的にサポート及び/又は操作する範囲が全般的に異なる。種々のバージョンの各々のアウター・シェルは、ヒトの目標とする部分のサポート及び/又は操作を促進するために、全般的に、インナー・シェルのサイズ及び形状に応じて異なる。図示されているように、幾つかの例では、さらに後述するように、同じアウター・シェル、異なって延びたインナー・シェルを用いる異なる用途に用いることができる。
【0063】
例えば、高さが低い矯正サポート・デバイスの具体例300が、インナー・シェル302及びアウター・シェル304を有するものとして図22及び図23に示される。上で説明したように、インナー・シェル302及びアウター・シェル304は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル302及びアウター・シェル304は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された高さの低い矯正デバイス300は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像としての描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。インナー・シェル302は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図22に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。踵部309は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、ヒトの踵に適合するように形作られる。インナー・シェル302はさらに、前方内側壁部310と、前方外側壁部312と、後方内側壁部314と、後方外側壁部316と、後方壁部318とを含み、これらは、とりわけ、足後部領域、足弓領域、舟状骨領域、中足骨領域、種子骨領域のような領域を含むがこれらに限定されないヒトの足の下部領域に対して、矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、延長される。図示されている高さの低い矯正サポート・デバイスの具体例300は、インナー・シェル302及びアウター・シェル304の両方の上方範囲がヒトの装着者の足の距腿関節(足関節)の下方で終端する。
【0064】
所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルを提供するために、アウター・シェル304をインナー・シェル302と組み合わせる。アウター・シェル304は、前方部322と踵部323とを備えた底部320を含む。他の具体例において、前方部322は、インナー・シェル302の前方部308の延長度に応じて、図22に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで前方に延びるように調整されることができる。踵部323は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、隆起した靴状の踵を提供する。他の具体例において、踵部323は、所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルに基づいて、図22に描かれているものよりも強調することもできるし、これよりも強調しないこともできる。アウター・シェル304はさらに、前方内側壁部324と、前方外側壁部326と、後方内側壁部328と、後方外側壁部330と、後方壁部332とを含み、これらは、インナー・シェル302と組み合わされて、矯正サポート及び/又は操作と所望のユーザ快適性レベルとを提供するために、形作られ、延長される。
【0065】
中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例340が、インナー・シェル342及びアウター・シェル344を有するものとして図24−図29に示されている。上で説明したように、インナー・シェル342及びアウター・シェル344は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル342及びアウター・シェル344は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された中程度の高さの矯正デバイス340は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像としての描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。
【0066】
インナー・シェル342は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図24に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。インナー・シェル342はさらに、前方内側壁部344と、前方外側壁部346と、後方内側壁部348と、後方外側壁部350と、後方壁部352とを含み、これらは、高さの低い矯正デバイスについて上記したような領域を含むことができ、かつ果領域及び距腿領域のような領域も含むがこれらに限定されない領域を含むことができるヒトの足及び追加的な領域に矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、高さの低い矯正デバイス300のインナー・シェル302の対応する領域よりもさらに延長される。
【0067】
所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルを提供するために、アウター・シェル344をインナー・シェル342と組み合わせる。アウター・シェル344は、前方部322と踵部323とを備えた底部320を含む。他の具体例において、前方部308は、インナー・シェル302の前方部308の延長度に応じて、図24に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで前方に延びるように調整されることができる。踵部323は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、隆起した靴状の踵を提供する。他の具体例において、踵部323は、所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルに基づいて、図24に描かれているものよりも強調することもできるし、これよりも強調しないこともできる。アウター・シェル344はさらに、前方内側壁部354と、前方外側壁部356と、後方内側壁部358と、後方外側壁部360と、後方壁部362とを含み、これらは、インナー・シェル342と組み合わされて、矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、延長される。
【0068】
ヒトの一部364が、中程度の高さの矯正デバイス340のインナー・シェル342に挿入するために位置合わせされた状態で図26に図示される。ヒトの一部346が、インナー・シェル342に挿入され、アウター・シェル344の中に挿入されるために位置合わせされた状態で、図27に示される。ヒトの一部364を受け入れたインナー・シェル342が、アウター・シェル344内に挿入され、例示的な履物366の中に挿入されるために位置合わせされた状態で、図28に示される。図示されている中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例340は、どちらも装着者のヒトの足の距腿関節のすぐ上、かつ装着者のふくらはぎの下で終端するインナー・シェル342及びアウター・シェル344の上部範囲を有する。ヒトの一部264を受け入れたインナー・シェル342を受け入れているアウター・シェル344が、例示的な履物366の中に挿入された状態で図29に示される。
【0069】
背の高い矯正サポート・デバイスの具体例370が、インナー・シェル372及びアウター・シェル344を有するものとして、図30及び図31に示されている。上で説明したように、インナー・シェル372及びアウター・シェル344は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル372及びアウター・シェル344は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された背の高い矯正デバイス370は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像として描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。
【0070】
インナー・シェル372は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図30に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。インナー・シェル372はさらに、前方内側壁部344と、前方外側壁部346と、後方内側壁部374と、後方外側壁部376と、後方壁部378とを含み、これらは、中程度の高さの矯正デバイスについて上記したような領域を含むことができ、かつ中程度の高さの矯正デバイスが影響を与え得る領域を上回るようなヒトの領域も含むがこれらに限定されない領域を含むことができるヒトの足及び追加的な領域に矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、中程度の高さの矯正デバイス340のインナー・シェル342の対応する領域よりもさらに延長される。図示されている背の高い矯正サポート・デバイス具体例370は、どちらも、ヒトの装着者の足の距腿関節の上で終端するインナー・シェル372及びアウター・シェル344の上部範囲を有し、アウター・シェル344は距腿関節のすぐ上で終端し、インナー・シェル372はヒト装着者のふくらはぎ中央部周辺よりも実質的に高くまで延びている。
【0071】
本発明を幾つかの実施形態の説明によって例示し、例示的な実施形態は詳細に説明したが、出願人は、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に限定したり、いかなる意味でも制限したり意図はない。添付の特許請求の範囲内の更なる利点及び改変は、当業者には容易に明らかとなろう。そのより広い態様における本発明は、従って、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示され説明された例示的な例に限定されない。従って、出願人の全般的な概念の精神又は範囲から逸脱することなく、このような詳細から離れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】可撓性サポート・デバイスの上部正面等角図である。
【図2】可撓性サポート・デバイスの等角図であり、デバイスの種々の領域を示している。
【図3】便利な容積的に効率的な方式で積み重ねられた可撓性サポート・デバイスのサイズの取り揃えを示す。
【図4】患者の足に対しての可撓性サポート・デバイスのサイズ選びを示す。
【図5】可撓性サポート・デバイスを覆って、全体的に患者の足の周囲に位置決めされた第2のストッキネットを示す。
【図6】キャストを取外すときに傷害を防ぐことを助ける部材の位置決めを示す。
【図7】患者の足の周囲に巻きつけられた可撓性状態の可撓性ストリップを示す。
【図8】適切なアラインメントのために患者の足首領域を位置決めする開業医を示す。
【図9】患者の脚からキャストを取外す方法を示す。
【図10】キャストからの可撓性サポート・デバイスの取り出しを示す。
【図11】幅の狭い足を持つ患者に適応するために可撓性サポート・デバイスを改変する方法を示す。
【図12】より幅の狭い患者の足に適応するために可撓性サポート・デバイスを重ね合わせる方法を示す。
【図13】局所的な領域に熱を加えて、可撓性サポート・デバイスの再位置決めをする方法を示す。
【図14】特定の患者に適応するための可撓性サポート・デバイスの改変を示す。
【図15】剛性シェル・デバイスの等角図である。
【図16】患者の下肢部を測定するために適合された別のデバイスを概略的に示す。
【図17】患者の足の適切な測定値を得るための方式で協同して機能するように適合されたインサートと組み合わされて働くキャスティング・デバイスを示す。
【図18】矯正器具又は装具を作製する目的で患者の下肢を適切に測定するように適合されたデバイスの、別のモジュラ配置を示す。
【図19】軟質インナー・シェル及び硬質アウター・シェルを有する矯正サポート・デバイスの分解図である。
【図20】アウター・シェルの縁部から突出した縁部を有する軟質インナー・シェルを持つ矯正サポートの等角図である。
【図21】矯正サポート・デバイスの底面図である。
【図22】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、高さが低い矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図23】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図22の高さが低い矯正デバイスの具体例の等角図である。
【図24】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図25】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の等角図である。
【図26】足−インナー・シェルの組み合わせを形成する、図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例のインナー・シェル内へのヒトの足の挿入を示す側面図である。
【図27】足−デバイスの組み合わせを形成する、図24の中程度の高さの矯正デバイスのアウター・シェル内への足−インナー・シェルの組み合わせの挿入を示す側面図である。
【図28】図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の足−デバイスの組み合わせの、例示的な履物内への挿入を示す側面図である。
【図29】例示的な履物内に挿入された図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の足−デバイスの組み合わせを示す側面図である。
【図30】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、背の高い矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図31】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図30の背の高い矯正デバイスの具体例の等角図である。
【技術分野】
【0001】
矯正器具(orthotics)及び下肢装具デバイスは、1つの形態において、患者の下肢のサポートの必要性に適合するように、開業医によって患者のために特別仕立てで作製される。足矯正器具又は装具の形成の実際において、工場から開業医への製品の輸送のロジスティクスは、最初に開業医が型を製造施設に送り返さなければならないので時間がかかることがわかっている。さらに、開業医の所では、常に製造業者に型を送っているので、開業医のストックされた型材料の供給が使い尽くされてしまうかもしれないという、製品の維持の問題がある。従って、1つの形態において、患者の足のネガ型を作るために用いられる半剛性デバイスを装具の製造業者に送り返すのではなく、むしろ、再利用のために開業医の所に貯蔵しておけるような実施形態を有することが望ましい。さらに、開業医の仕事場所では通常、貯蔵スペースは豊富ではなく、足の成形製品の在庫を維持しておくことは非常に困難である場合がある。1つの形態において、以下の実施形態は、可撓性部材の貯蔵及び積み重ねの便利な方法を開示する。
【0002】
本説明は、成形キャスティング・プロセスの補助における使用に適合した可撓性サポート・デバイスに関する。一般に、動的な足首の足装具を作り出す目的で、患者の足のネガ形状がキャストされる。足のキャストは、患者の膝の下の本質的に生体力学的構造である、患者の足首部分並びに下部足領域を含む下肢に対するものであることに注目すべきである。
【0003】
本開示の別の領域は、可撓性サポート・デバイスを利用した小児科矯正器具に関する。種々の予算的理由で特注の矯正器具が適切ではない領域において、穏やかなサポート・システムは、足にミスアラインメント(misalignment)がある種々の年少者のために有利である。従って、予め作られた矯正器具が、足のサポートに適したサービスを提供している。
【背景技術】
【0004】
足の回内の際には、制御されなければならない足の3つの重要な分節がある。踵領域は、回内時に外転(eversion)に移行する傾向がある。外転は、踵が足首に対して位置を変え、長軸の周囲を横方向外向きに回転する解剖学的状態である。縦足弓は、適切な生体力学的位置及びアラインメントを維持しなければならない。回内時に、足弓は、内側及び遠位に扁平位置へと動き、それは内側方向においてより大きい。最後に、足前部(forefoot)は横方向外向きに外転(abduction)に移行する。従って、これらの3つの出来事の全てが組み合わされて起こり、踵及び足前部の足弓は、各々の全般的な足の領域のミスアラインメントに相応して移動することになる。
【0005】
足中間部(mid foot)の縦足弓の崩壊時には、踵の皮膚表面は、体重を支える表面(weight−bearing surface)に対して実質的に無傷のままであるが、踵の上部は、実質的に長軸方向に延びる軸の周囲を回転しながら横方向内向きに動くことになることに注目すべきである。
【0006】
従って、有効な矯正器具又は装具デバイスは、これらの3つ全てに同時に対処しながら、患者の動き及び全般的な運動に備えなければならない。デバイスは、これらのミスアラインメントの問題に対処し、かつ患者にとって快適かつ着用可能であるべきである。
【0007】
本発明のさらなる実施形態は、患者のための特注ではない既製品のデバイスを得ることにもある。さらに、年少の患者は成長しているので、これらのデバイスは比較的短期間でサイズが合わなくなるため、デバイスの使用及び装着に関わらず限られた寿命を有するあまり高価ではないデバイスを作ることは経済的な動機がある。
【0008】
深い足矯正具は、患者にとって快適ではないことが多いという問題がある。従って、特別な成形をすることなく、サポートを提供し、種々の患者の足に適合する、快適な既製品の足矯正器具を提供するという課題がある。
【0009】
予め作られたインサートは、それに付きものの不安定性のため、問題がある。
【発明の開示】
【0010】
全般に、以下の明細書は、最初に、可撓性サポート・デバイスを利用した下肢矯正具/装具デバイスのキャスティングの1つの形態を説明する。その後、図15−図18を参照して、第2の実施形態が示され、第2の実施形態は、矯正器具/装具デバイスを製造するための多数のオプションを開業医に提供する種々の形態で用いられることができる。一般に、図15に示されるようなシェルはキャスティング・デバイスとして用いられることができ、或いはその代わりに、装具の製造のために測定値のみを製造工場に送ることが必要である場合には、患者の全般的な輪郭を測定するための測定デバイスとして用いられることができる(又は予め作られた装具の具体的なサイズ及び形状を提供するために単に用いられる)。さらに、図15−図18に示されるような実施形態は、患者に対する多様かつ適切な装着を提供するようにモジュラ構成要素が配置される、モジュラ型配置において用いられることができる。最後に、図19−図21に示される実施形態は、内部の軟質シェルと共に硬質シェルが利用されるシステムを示し、このバージョンにおいて、硬質のアウター・シェルは本質的に、患者にサポートを提供する最終製品であり、内側の軟質シェルは、患者に対するより快適な装着のために局所的な突起や凹みを吸収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1に示されるように、可撓性サポート部材20が図示される。この図に示されるように、22で示される矢印が縦軸を表す軸系が定義される。同様に、直交する矢印24は横軸を示す。最後に、上記の2つの矢印に直交する矢印は垂直軸26を示す。
【0012】
図1にさらに示されるように、可撓性足サポート20は、全般的に28で示される内側領域と全般的に30で示される外側領域とを有する。さらに、縦軸方向前方領域は遠位領域32と全般的に称され、縦軸方向の反対側の領域は通常、近位領域34と称される。上記の領域に加えて、36で示される足底領域が、患者の足の下部と接触することになる全般的な上部表面を定める。全般的に38で示される内側外側ラップ領域(medial lateral wrap region)は、踵骨(踵の骨の一部)と、縦足弓と呼ばれることもある内側足弓と、舟状骨とを取り巻くように適合された、実質的に垂直な領域である。さらに、内側外側ラップ領域は、第1中足骨頭及び第5中足骨頭、第5中足骨頭の底部及び腓骨アーチを覆うように適合されている。
【0013】
図2に示されるように、足底領域36は包囲区域40内の中央領域としておおよそ定められる。上部周囲を取り巻く、斜線が描かれた領域が、上記のような内側外側ラップ領域として実質的に定められる。足底領域36は、図2に示されるように種々の領域を有するものとして定められる。縦軸方向後方の区域から始めると、42で示される踵のくぼみは、成形プロセスの間、患者の踵に対して押し付けられるべく適合された領域として定められる。踵くぼみ領域42は、さらに後述するように内側外側ラップ領域38に対する土台を提供し、材料のこの領域は、この縦軸方向後方部分と共同して、回内、回外、内反−外反といった種々の骨格の生体力学的ミスアラインメントを修正するように作用するように、適合される。腓骨アーチは、表面がいくぶん垂直方向に隆起した領域44である。腓骨アーチは、踵(踵骨位置)の制御を助けるように踵のくぼみに対して遠位であり、第5中足骨の底部のすぐ後ろにある。この領域は、足の足弓と足のアラインメント全体のサポートを助ける。腓骨アーチ領域44は、可撓性サポート・デバイス20の外面に表された垂直の凹みであることに注目すべきである。キャスティングのときに確かな位置を表すために、開業医にフィードバックを提供することは有利であり得る。さらに、領域44は、さらに後述するように、開業医に成形プロセスを適正に実行するように指示し、かつ患者の骨格構造を位置合わせするときに、指示を補助する潜在的な基準点である。
【0014】
これもまた図2に示されるように、内側アーチ領域46は、足底領域36の中央部に隆起した領域として全般的に定められる。さらに後述するように、腓骨アーチ領域44と同様に、内側アーチ領域は、開業医が患者に対して型を導き、作るときに、掴むために使うことができる隆起した領域を有する。可撓性サポート部材20は、デフォルトでは、隆起した内側アーチ領域を有する。この部材は可撓性であることに注目すべきであり、さらに後述する。内側アーチは、舟状骨の位置合わせ、及び、回内した足又は回外した足とは反対のしっかりした機能的生体力学的にニュートラルな位置に適切に足を位置合わせする際の補助に有用である。48で示される中足骨アーチは、中足骨、特に中央の第2、第3及び第4中足骨をサポートするのに適合した隆起領域である。
【0015】
さらに図2に示されているのは、全般的に50で示される中足骨くぼみである。この領域は、中足骨頭をサポートし、これを位置合わせする領域として定められる。
【0016】
52で示される最も前方の遠位領域は、足指隆起領域である。この領域は、ドロップ(drop)第1指サブ領域54と第2指−第5指サブ領域56に分割される。ドロップ足指サブ領域54は、第2指−第5指サブ領域56に対してわずかに垂直方向に低く位置する。溝から、第2指−第5指サブ領域56は縦前方方向に遠位領域に向かって下向きに傾斜し、かつ58で示されるように、横方向外向き領域に向かって下向きに傾斜する。この領域は、足の位置合わせを助け、足が適切に位置合わせできるように、クライアントを適切に受け入れるインプットを可能にする。特に、この表面は、クライアントが自分の足及び足の位置を自覚するようになることを可能にする。従って、隆起領域はこの自覚をキャスティング・プロセスの際にクライアントにもたらし、より良好な成形を可能にする。
【0017】
ここから、成形プロセスについて検討するが、この検討においては、開業医は患者の下部足領域の型を取ることとする。図3に示されるように、成形プロセスの第1のステップは、適切なサイズの可撓性サポート・デバイスを選択することである。図3は、多様な患者に適応する、可撓性サポート・デバイスのサイズの取り揃えを示す。この図に示されるように、多様な可撓性サポート・デバイス20は、図示されているように積み重ねられるように適合されている。換言すれば、より大きな可撓性サポート・デバイスが、次に小さいサイズを支えることになる。貯蔵場所において、可撓性サポート・デバイスは、積み重ねられた状態で配置され、すぐ次に小さい可撓性サポート・デバイスはすぐ次に大きい可撓性サポート・デバイスの空洞領域内に係合し、そのため複数の可撓性サポート・デバイスが積み重ね方式で配置される。これにより、かなり多数の可撓性サポート・デバイスを開業医のオフィス内に貯蔵しておくことが可能になる。さらに、この積み重ね方法は、適切な可撓性サポート部材20を判断することを容易にするので、開業医は、どのサイズがふさわしいかを容易に識別することができる。例えば、開業医が中間サイズのうちの1つを選択し、それが患者に適切にフィットしない場合、開業医は、必要なサイズの差を測り、増分のセット数を小さい方又は大きい方へスキップして、特定の患者に対しておおよそ適切なサイズを測ることができる。
【0018】
その後(又はサイズ選びの前に)、図4に示されるように、患者の足にストッキネットを配置する。ストッキネットは、おおまかに言えば、ある種の保護、及びストッキネットの内部と外部のそれぞれの間での少なくとも部分的な分離を提供する、可撓性のカバーとして定義される。1つの形態において、ストッキネットは、伸長式ソックスと同様の編地状材料から作られる。次いで、足は、適切にサイズ選びされた可撓性サポート・デバイス20の中に置かれる。図2を参照して上記で説明された種々の足底表面は、患者の足の対応する解剖学的構造に位置合わせされなければならない。特に、患者の踵領域は、内側外側ラップ領域38の近位領域34の実質的に垂直な面に対してしっかりと押し付けられるべきである。図2に戻って参照すると、内側外側ラップ領域38の近位位置は全般的に39で示され、踵カップ領域と称される。踵カップ領域39の1つの有利な態様は、これが、成形時に、最初の土台となるサポートを提供するということである。踵カップ領域内に垂直サポート領域が設けられない場合、従来技術のサポート部材は、足に対して不適切な位置に動くことになる。これは、不適切なキャスティングへと至り、最終的には劣ったサポート・デバイスをもたらす。従って、踵カップ領域39は、不適切なキャスティングを回避する助けとなる。
【0019】
ここで図5を参照すると、患者の踵領域70は可撓性サポート・デバイス20の踵カップ領域39に対してしっかりと押し付けられていることがわかる。踵が可撓性サポート・デバイス20の後方の近位位置に適切に位置合わせされた後、開業医は遠位領域をチェックして、中足骨頭が全体溝と交差していないことを確認しなければならない。図2に戻ると、45で示される全体溝は、45で示される横方向に延びた線で示される、遠位methead近位足指隆起領域である。解剖学的構造の他の部分を可撓性サポート・デバイスに位置合わせすることもできるが、この領域は、開業医による検証のためにアクセス可能であり、そして一般に、中間の足底表面領域は、患者の解剖学的構造に対応して適切に位置決めされることになる。図4に戻ると、可撓性サポート・デバイスの全体的長さは患者の足指72よりもわずかに大きいことが有利である。換言すれば、この領域は適切な成形のために重大な意味を持つものではなく、従って、足指72と前方の垂直領域33との間の73で示される余分な空間は、一般に成形において問題にはならない。1つの形態において、患者の足指72の前面と前方垂直領域33との間の間隙領域は、およそ四分の一インチ又はそれ以上である。
【0020】
図5は、第2のストッキネット74の適用をさらに示す。1つの用途において、第2のストッキネットは、可撓性サポート・デバイス20及びストッキネットの初期層の上に適用される。ストッキネットの第2の層は、後述する付与されるキャストの層の除去のために有利である。さらに、型が少なくとも部分的に硬化して、実質的に硬質の形状を取った後に(これもさらに後述する)、可撓性サポート・デバイス20を取外す補助となるという、第2の利点も有する。さらに、第2のストッキネット74は、足及び足首領域、第1及び第2のストッキネット並びに可撓性サポート・デバイス20を表すポジ型の全体の容積を増大させる。
【0021】
図6に示されるように、第2のストッキネット74の下に示されるカッティング・ストリップ76は、患者の脚及び足領域の一部を下って「徐々に進められる(wormed in)」。1つの形態において、これは、型を取外すときに緩衝領域を促進するために、前方中央領域に位置する。このカッティング・ストリップは、2つのストッキネットのうちの1つの下に付与される。別の形態において、カッティング・ストリップは、ストッキネット76の外側表面に付与される。カッティング・ストリップ76の付与は、型を取外すために非肉(non−flesh)切削要素が用いられる場合に、型の取り外しを補助するための随意的なプロセスである。別のバージョンにおいて、カッティング・ストリップは、テープか、又は別の手段で内側のストッキネットに取り付けられる。
【0022】
図7に示されるように、柔軟な成形ストリップ95が第2のストッキネット76(図6参照)の周囲に巻き付けられ、1つの形態では成形ストリップはガラス繊維であるが、最初は柔軟で数分後には硬くなって型にすることができるいかなる物質であっても足りる。ガラス繊維ローリングの硬化前(preset)状態は、一般に、ガラス繊維テープが濡れており、図6に示されるようにその上に適用されたストッキネットを有する足首足領域全体の周囲に巻きつけられた状態である。成形ストリップ95は、大まかに言って、非常に可撓性で形状にフィッティングする方法で適用され、少なくとも半剛性状態まで硬化して、内側の構造部材の外面(例えば、下肢及び可撓性サポート・デバイスの輪郭)のネガ型を保つ能力を有する全ての物質を網羅するものとして定義される。成形ストリップが足領域に全て適用されたとき、これらは集合的に図7に示されるようなラップ97を形成する。
【0023】
ラップ97が硬化する前に、開業医は、アラインメント及び特徴定義(feature definition)プロセスに従事する。このプロセスは、本質的に、足を適切なニュートラルな生体力学的位置に位置決めして、適切な型を形成することである。上述のように、可撓性サポート・デバイス20の特徴は、その可撓性があれば、開業医が、患者の足及び下肢領域の種々の特徴の位置の操作に対してより多く制御できることを可能にする。換言すれば、可撓性サポート・デバイス20のある程度の可撓性がなければ、足の解剖学的特徴を操作することはできない。しかしながら、可撓性サポート・デバイスは、開業医が直接接触しない足及び下部足首領域の隣接領域上に圧力の分散させるのを可能にするのに十分なほど剛性である。目標は、患者の足の輪郭にぴったり合った、正確な、全体としての生体力学的アラインメントを維持する型を得ることである。
【0024】
図2に示されるような上記アーチ領域は、適切な型を形成するためにアーチの位置合わせを補助する。図7に示されるように、足後部(hindfoot)を90で示される手で安定化させる。親指を患者の舟状骨の上に置き、矢印92によって示される垂直方向の力を加えることで縦足弓を定めることを助ける。指を足の甲領域94にかけ、開業医の指の前方先部分は踵骨領域をつかみ、場合によっては、患者の回内を取り去ることを助ける。患者が回内の問題を有していない場合、左手90は足首領域が適切にニュートラルに位置合わせされるようにそこを支えることになる。手90の手のひらは、足の内側上に置かれ、指を踵の後ろに回して延ばす。
【0025】
開業医のもう一方の手99は、足前部をニュートラル位置に持ってくる。ニュートラル位置は、足のその部分が適切に位置決めされるように縦軸に沿って実行されなければならない。さらに、内側及び外側のアラインメントも同様に適切に位置合わせされなければならない。踵を垂直に保持することが重要であり、従って、患者の足の踵領域を適切に位置合わせするためには、足前部を水平に保持することはいくぶん犠牲にすることができる。踵のアラインメントが基本であり、個人の可動域が与えられると、最良の生体力学的アラインメントが得られる。可撓性サポート・デバイス20の剛性と可撓性が、縦方向後ろ向きに延びるいかなる操作も可能にし、足の表面に沿った力を供給するので、可撓性サポート・デバイスは、足前部から足後方までのより漸進的な遷移を提供する。換言すれば、開業医が足の遠位領域上に力を及ぼしたとしても、この力は、可撓性サポート・デバイスの柔軟に制御された変形のせいで、縦方向後ろ向きに踵まで分散される。可撓性サポート・デバイス20がなければ、開業医の指によるいずれの操作も、ラップ97上に局所的な凹みを作ることになる。しかしながら、その下に可撓性サポート・デバイスが入っていることで、いずれの操作も直接適用されるのではなく、圧力が加えられたところの隣接領域の周囲に、より均一に分散される。可撓性サポート・デバイスが図2に記載されているような要所の特徴及び凹みの予めセットされた形状を既に有しているとすれば、これらの特徴はより良く維持される。可撓性サポート・デバイスは、足の後方部分から足の前方部分へと、よりニュートラルな操作の遷移を提供する。
【0026】
図8に示されるように、アラインメントのプロセス及び特徴定義プロセスは実質的に完了し、ラップ97はある程度まで硬化し始め、固化した形状を取る。この時点で、開業医はより細かいフィッティングのために局所的な領域を操作する能力を有する。図8に示されるように、開業医は踵を適切なアラインメントに輪郭付けている。もちろん、適切なニュートラルな生体力学的セット形状を取るために、開業医は他の領域の輪郭付けを選択することができる。図2に示されるような内側外側ラップ領域38に圧力が加えられる場合、予め硬化されたラップ97は圧力を分散し、「肉のずれ(flesh displacement)が起きないように補助することに注目すべきである。換言すれば、特に、より多くの脂肪沈着を含む「肉付きのよい」年少の患者において、内側外側ラップ領域38は、濡れた可撓性ラップ97が周囲に適用されたときに、より適切な圧力の分散を可能にする。中央チャンバ領域を有する可撓性サポート・デバイス20は、成形手順の最初から患者の足の位置決めを補助する。換言すれば、側壁なしの実質的に平坦なデバイスを用いる代わりに、内側外側ラップ領域は、図2で検討した種々のアーチ及び凹み領域42−50と対応する足の解剖学的部分との位置合わせについての許容誤差を低減させるように、最初に足の位置決めを補助する。患者の足はこのチャンバ領域の中に導かれ、成形を行うときに開業医が関与すべき操作及び位置合わせの問題は少ない。
【0027】
図9に示されるように、任意の従来型のツールで前部分を切開することによって、キャストが取外される。キャストが硬化した後に切断するどのような特定の選択された切断方法も利用することができる。可撓性サポート・デバイス20は、取り外しの際に足の外側領域の周囲の圧力の分散を可能にするので、患者の足から硬化したキャストを取外すことを補助することに注目すべきである。可撓性サポート・デバイス20は、さらに、キャストの前方中央領域を拡げ、横方向外向きに押し開けて、足と足首を切断部の間に挿入し、取り出さなければならない場合に、キャストの取り外しの際の歪みを最小にする。キャストの歪みを最小化することは、キャストの硬化プロセスの開始時に冷たすぎる水を用いた場合、又は遅い硬化プロセスをもたらし得る他の理由の場合に問題となり得る、キャストが完全に硬化していない場合に有用である。
【0028】
図10は、可撓性サポート・デバイス20の1つの特定の使用を例証する。この図に示されるように、可撓性サポート・デバイス20はキャスト80から取外される。これは、可撓性サポート・デバイスの再使用を可能にする。この取り外しは開業医によって実施されることができ、開業医はその後、図4に示されるような方法で可撓性サポート・デバイスを適切に貯蔵することができる。これは、従来技術の実施の1つの形態では、キャスト全体が最終装具サポート・デバイスを作製する第三者の会社に送付されるので、特に有利である。これにより、開業医は、第三者の製作者にキャストと共に郵送されるべき、患者の足の下部に位置決めされるように適合されたサポート・デバイスの送付をやめることが可能になる。これは、通常は最終的な装具サポート・デバイスが作製される場所とは異なる場所でキャストを作る開業医のためのサポート・デバイスの供給を枯渇させる。従って、本発明によれば、開業医は、その可撓性サポート・デバイスの供給を図4に示されるように維持する。
【0029】
ここで、最初に図11を参照して、成形プロセスの際に行うことができる種々の調整を検討する。この図に示されるように、可撓性サポート・デバイス20は、実質的に縦方向に切り込みが入れられている。ここで図12を参照すると、可撓性サポート・デバイスは、横方向が狭いことがある患者の足に備えて、91で示される領域で重ね合わせることができる。これは、患者の種々の形状の足に対する柔軟性を提供する。短い又は幅広の足の成形が必要とされる場合、内側外側ラップ領域38は、可撓性サポート・デバイス20のチャンバ領域にこの幅広い足が入ることを可能にするある程度の量の可撓性を有していることに注目すべきである。図2に記載されている種々の内面のサポート基礎構造は、可撓性サポート・デバイスのチャンバ領域の中に幅広の足を入れた場合でさえ維持される。
【0030】
特別な適応を必要とする患者の足の骨の突起又は極端な形状がある状況においては、図13から図16が参照される。図13に示されるように、加熱要素100が、可撓性サポート・デバイス20の特定の場所に熱を供給する。患者のどのような特別の状況にでも適応するために、可撓性サポート・デバイスのどの領域を加熱及び操作することもできることに注目すべきである。患者の種々の極端な解剖学的特徴、又はいずれかの傷に適応するのは、開業医の裁量であることが多い。従って、例として、形成プロセスを図13−図16に示す。図13は、第1の突出した方法(method)がわずかに患者において押し出されている内側領域の加熱を示す。図14に示されるように、領域102は、患者のこの特徴に適応するために、横方向外向きに付勢される。もちろん、種々の変更が可能であり、例えば可撓性サポート部材20に対する変更であって、第5中足骨領域の底部を加熱し、そのため材料が可塑性で成形可能になり、開業医は、この領域における患者の足の外向きの伸長に適応するようにその領域を外向きに操作することができる。
【0031】
可撓性サポート・デバイス20は特に外部転写に適合していることに注目すべきである。このプロセスの間、シム状のデバイスがラップの外側に位置決めされるか、又は場合によってはその下の内側に巻き込まれる。シム状デバイスは、足の位置を成形のために位置決めされた特定のニュートラルなアラインメントに維持するための一貫したサポート面を提供する。上記のように、シムの圧力の付加は、可撓性サポート・デバイスの剛性及びそのサポート・デバイスの可撓性も同様に与えられたならば、さらに一貫した足前部から足後方への自然な遷移を可能にする。図1及び図2に示されるような種々の特徴は、成形プロセスの際の患者の足の操作において、患者の足の内部アーチが維持されることの保証を提供することに、さらに注目すべきである。
【0032】
図15に示されるような実施形態は、キャスティングのために用いられることもできるし、或いは単に下肢のための適切な装具を決定するための測定デバイスとして用いられることもできる、剛性のアウター・シェル・デバイス(コントロールモジュール120)に関する。一般に、全体の下部シェルは、足首の上まで延びるおよその区域を有する、図15に示されるサポート・モジュールを含む。これは、上記の可撓性サポート・デバイス20と同様の方法でプラスチックのような可撓性材料で作られ、これを調節可能とする中央スリット領域を有する。図1及び図2に記載されるようなアーチ又は他の解剖学的領域のような重要な特徴が、このモジュール内に成形される。さらに、足の突出した特徴も同様に補償される。
【0033】
1つの形態において、コントロール・モジュール120は可撓性サポート・デバイスの1つの形態であり、キャスティングの補助に用いられることができ、モジュールは患者の足の周囲に配置され、適切なフィッティングのためにきつく締め付けられる。その後、開業医は、上記のような標準的な成形キャスティング技法を用いて、患者の足の正確なネガ・キャストを作り出すことができる。その後、このキャストは、施設に送られ(又はその場で実施され)、そこでは、コントロール・モジュールはキャストの既知の装備品であり、患者の足の不適切なポジ型の作製を避けることができる。その後、装具サポート・デバイスを作製するために用いられるポジ・モデル(型)がある。
【0034】
キャスティングの際に足の位置を制御するために、足を覆って延びる横方向の下部を有すること、並びに患者の下部ふくらはぎまで延びる近位区域を有することは有利であることに注目すべきである。
【0035】
第2の用途は、コントロール・モジュールをサイズ選び用のシェルとして用いることであり、この場合、開業医によるキャスティングは行われないが、コントロール・モジュールの特定のサイズは最終的な装具の製造者に伝えられ、高価で時間の遅延を引き起こす、キャスティングとキャストの物理的郵送が排除される。
【0036】
キャストを取らずに足の適切なサイズ選びの伝達を促進するために、図15に示されるようなマーキング表示を利用することができ、ここで、稜線130は、特定の測定値によって示される、特定のマーキング132を有する、特定の一致した位置に係合する。図16に示されるように、これは複数の可撓性測定デバイス142を有するベースサポート140を有するストラップ状システムによって達成することができる。
【0037】
装置の別の要素は、図17に示されるようなモジュラ構成要素を持つことである。この図に示されるように、矯正器具状インサート154を受けるように適合された中央下部空洞領域152を有する剛性の足構造構成要素150がある。この理論は、開業医が患者にシェルをフィッティングし、さらにストックされている矯正器具の型のうちの1つもまた同様に患者にフィッティングする柔軟性を有し得ることである。シェルは、矯正器具状インサート154の位置及び方向を定量化するために、種々の線156又は他の調整用の特徴を有することができる。
【0038】
図18に示されるように、モジュール方式はさらに、下部半剛性フィッティング・モジュール160と、次に上部半剛性モジュール162とに拡張することができる。これらのモジュールは、組み合わせて働くことができ、患者に適切にフィットするように、図3と同様の方式で積み重ねることができる複数のモジュールから取ることができる。
【0039】
この概念は、さらに、患者に適切にフィットするような、ミックス・アンド・マッチ構成要素を備えた既製品タイプの矯正器具という形をとることができる。
【0040】
ここで図19−図21の実施形態を参照すると、装置220はアウター・サポート・シェル222とインナー・ライナ224とを含む。一般に、この実施形態は、患者に対して適切な装具デバイスを提供するために剛性シェルを利用し、さらに患者毎の種々の生体構造的バリエーションに適応するためにインナー軟質シェル・ライナを用いる。一般に、この実施形態はキャスティングを利用せず、むしろプラスチックのシェルそれ自体が、ユーザが下肢のサポートのために装着する最終製品として提供される。
【0041】
アウター・シェルは内部チャンバ領域を有し、インナー・ライナはアウター・シェル222の内面に係合するように適合された外面を有する。アウター・サポート・シェル222は、内側及び外側区域228及び230を有する外周サポート領域226を含む。アウター・サポート・シェル222はさらに、装置220の後方部に踵カップ232を有する。外周サポート領域226は、患者に対しておおよそのサポート位置である位置に位置決めされる。換言すれば、アウター・シェルは、患者の生体力学的位置決め及びアラインメントを制御するための剛性サポートを提供する。
【0042】
アウター・サポート・シェルは、プラスチックのような剛体材料で作られるが、足が完全に崩壊することなく患者が取り得る種々の足のポジションを考慮して、ある程度の量の可撓性又は快適性が備わっている。
【0043】
図19−図21に示される実施形態は、患者の足の適切なアラインメントを補助するために足の位置の高められた感覚を患者に提供することにおいて重要な、固有受容フィードバック(感覚フィードバック)を利用する既製品タイプの矯正器具に適合する。
【0044】
外周領域226は、手によってほどほどに掴まれたときに押されて、サイズが内向き又は外向きに数ミリメートル撓むことになる、ある量の可撓性を提供する。この可撓性は、広範囲の患者の足に適応するための機能を提供することに注目することが重要である。さらに、この可撓性は、靴又はブーツのような履物をアウター・サポート・シェルの外面に押し付けることを可能にし、より良好な、より適応するフィッティングを提供する。アウター・サポート・シェル222は、最も広い範囲で0.5から3ミリメートルの間の全体厚を有する。より好ましい範囲は、1/16インチから90ミルまでの間の範囲である。1つの形態において、ポリエチレン・ベースのプラスチックを用いてアウター・シェル222が成形される。もちろん、可撓性及び強度を提供する他の材料を利用することができる。
【0045】
図21に示されるように、アウター・サポート・シェル222の下部は、種々のサポート・サブ領域面を含む。この面の下側は、アウター・サポート・シェルのチャンバ領域の隆起領域に相互関連することに注目すべきである。この図に示されるように、腓骨面244は、横方向外向き領域に位置し、中足骨隆起領域246は前方内側領域に位置し、患者の中足骨に係合するように適合されている。248で示される内側縦アーチは、患者の横方向内向き内側領域に共通のサポートを提供するように適合されている。これらのアーチは、固有受容フィードバックを患者に与えるためにある程度強調されており、その結果、患者は、精神的にその足を位置合わせするように誘導されることになり、足のアラインメントの自発的な制御の発生が強められる。
【0046】
図20に示されるように、アウター・サポート・シェル222は後方上部周囲稜線領域250を有する。この領域は、インナー・サポート・ライナの周囲稜線266の垂直方向下方に位置決めされ、周囲領域250からの圧力のブレンドを提供する。換言すれば、周囲稜線266を下方の剛体の稜線250の上方に位置決めすることによって、患者の足領域に直接かかる縁部圧力は小さくなる。インナー・ライナ224は、スムーズな遷移を提供し、それがなければ存在して患者に対する不快感を作り出す、集中した縁部圧力を回避する。インナー・ライナの上部は、圧力の自動的な調節を可能にし、そのため、上部周囲稜線領域250は、患者ごとに特注とする必要はなく、むしろ、装置220は、各患者に対して自己調整的である。
【0047】
インナー・ライナ224は、サポート・シェルの近位縁部から位置を移動させることによって足の側部を保護する。換言すれば、患者は周囲剛体領域250に係合することが少なくなり、肉が、刺激を生じさせる局部の圧力を受けることが少なくなる。
【0048】
ここで、最初に図19を参照して、インナー・ライナ224を説明する。この図に示されるように、インナー・ライナ224は、ベース領域260と前方領域262とから構成される。インナー・ライナ224はさらに、周囲稜線266を含む上部領域264を有する。このインナー・ライナ224の構築は、一般に、発泡体から作られる。1つの形態において、インナー・ライナ224は、エチレン酢酸ビニル由来の独立気泡の密度5ポンドの発泡体から作られる。
【0049】
アウター・サポート・シェル222の前方領域は外側領域270を有する。図20に示されるように、インナー・ライナ224は、外側領域270から縦方向前方に延びる延長領域272を有する。インナー・ライナ224は、外に延びて中足骨頭をカバーするように適合される。サポート・シェルは、外側の第5中足骨頭の直前で終端するように適合される。図20において、内側の側部は、第1中足骨頭の前で削減されるように適合されていることに注目すべきである。
【0050】
アウター・サポート・シェル222を有することによって剛体構造が提供され、そのため延長領域272が外側領域から足底領域に対して実質的に正しい角度で位置決めされ、インナー・シェルは、足の回内時に足の外転を回避するためのある程度の剛性を提供する。
【0051】
図19を参照すると、80で示される全般的なエリアは、ピボット領域として定められ、ここで中足骨頭はほぼ終わり、操作環境において、患者は、歩行又は走行時にピボット運動をすることになる。外側領域270は、ピボット動作を妨害しないように、このピボット領域80の前で終わることに注目すべきである。しかしながら、より可撓性で発泡体状材料から作られたインナー・シェル224の領域272は、歩行又は走行(又は他の二足運動)の際のピボット動作に適応する。
【0052】
従って、装置220は、多くの年少の患者における共通の関節ミスアラインメントの生体力学的問題である患者の足の回内の回避に、とても適していることが理解できる。周囲サポート領域226の内側区域228は上記の回内を避けるために内側領域に圧力をかける傾向にある。さらに、カップ領域が、後方表面が長軸に対して実質的に直交する平面内に延び、内側領域が横軸に直交する平面内にあるので、追加的なサポートが提供され、追加された剛性は踵の外転を避ける利点がある。
【0053】
深さは可撓性サポート・シェルを適切に機能させるが、これは、図19において227で示される垂直領域を有することで、外側領域270における患者の足からの圧力のように横軸の周囲にモーメントがかかったときにより大きな慣性モーメントを可能にするからである。これは、この剛性を提供するために必要とされる材料及び構造が少なくて済むので、より軽くコンパクトな矯正器具を作り出せるという格別な利点がある。
【0054】
患者に適切な生態力学的アラインメントを提供する最後の構成要素は、足前部が患者の踵領域に対して横方向外向きに外転することを回避することである。より詳細に上で説明したように、外側領域270は、インナー・ライナ延長領域272の一部をサポートするベース領域を提供し、外転の制御におけるサポートを補助する。上述のように、可撓性発泡体インサートは、実際にある程度崩壊して患者に可動域を提供して、走行時に可撓性を提供する。
【0055】
装置220は、インナー・ライナ224の上部周囲稜線266が靴の中央チャンバ領域に対して横方向外向きに位置決めされるように適合される、靴のような履物の環境において特に有用である。換言すれば、延長領域272は、患者によって容易に再位置決めされ、横方向外向きに掴まれ、患者の足の周囲領域はアウター・サポート・シェル222を越えて容易に滑ることになり、靴の中で適切な足位置に位置決めされる。装置の全体の長さが与えられると、これは靴の中に適切にフィットし、靴に対して垂直方向前方に位置決めされず、軟質ライナ・インナー・ライナ224の移動を妨げることにさらに注目すべきである。
【0056】
1つの形態において、装置220の通気性を補助するために、インナー・ライナ224の上面上に層を付与することができる。さらに、水疱などを引き起こすことがある大きすぎる履物のような不快感を回避するために、患者の足とストッキングとの間の摩擦係数を調節することができる。
【0057】
アウター・サポート・シェル222の下面にある種の形態の材料を充填して、追加のサポート及び剛性を提供するという更なる改造を使用することもできる。1つの形態において、上記のアーチ領域は、患者に対する固有受容フィードバックを促進するために、増強及び増幅されることができる。
【0058】
アウター・サポート・シェル222の製造の1つの形態は、ドレープ成形のような普通の熱シート成形技術を使用する。しかしながら、射出成形、ミリングなどのような多くの製造形態を使用することができる。
【0059】
種々の矯正サポート・デバイスの具体例は、アウター・サポート・シェルとインナー・サポート・シェルを同じ又は類似の材料から形成することを含む。一般に、これらの同じ又は類似の材料での実施は、プラスチック、ポリマー、複合体、エチレン(ethethlyenes)、ビニルのような材料、又はシェルのための可撓性と剛性の所望の組み合わせを提供する他の種類の材料から作られる、種々の形状のインナー及びアウター・シェルを用いる。インナー及びアウター・シェルの材料は、特定のインナー及びアウター・シェルを組み合わせて矯正サポートの具体例を形成したときに、ある所望の程度のユーザの快適性を可能にするのに十分な矯正サポート及び/又は操作及び適切な可撓性を提供するように、同じ又は異なる厚さの、実質的に同じ又は類似の材料組成を有するように選択される。
【0060】
実質的に同じ又は類似の材料をインナー及びアウター・シェルの両方に用いる具体例のうちのいくつかは、矯正サポート及び/又は操作とユーザの快適性のレベルとの間のバランスをさらに調整することを可能にするために、インナー・シェルとアウター・シェルの厚さを変化させることができる。インナー及びアウター・シェルの厚さは幾つかの例示された実施形態は実質的に同じであるが、所望であれば、又は可能であれば、異なる厚さとすることができる。矯正サポート及び/又は操作の度合いとユーザの快適性レベルとのバランスを矯正サポートの具体例の異なる位置で変化させることができるので、特定のシェル全体を通じて厚さを変化させることもできる。
【0061】
幾つかの具体例において、インナー及びアウター・シェルに用いられる材料は異なるものとすることができるが、インナー・シェルとアウター・シェルの両方が類似の剛性及び可撓性の品質を有する。これらの具体例において、インナー及びアウター・シェルが異なる材料から作られているとしても、インナー及びアウター・シェルの両方は、圧縮力に対する類似の抵抗レベルを持つ、類似の圧縮性を共有する。
【0062】
実質的に同じ又は類似の材料を有するか、或いは類似の圧縮性能を有する異なる材料を有するインナー及びアウター・シェルを用いたこれらの具体例の3つの例示的なバージョンを図22−図31に示す。例示的なバージョンは、そのインナー・シェルがヒトの膝下のヒトの一部に接触し、かつ実質的にサポート及び/又は操作する範囲が全般的に異なる。種々のバージョンの各々のアウター・シェルは、ヒトの目標とする部分のサポート及び/又は操作を促進するために、全般的に、インナー・シェルのサイズ及び形状に応じて異なる。図示されているように、幾つかの例では、さらに後述するように、同じアウター・シェル、異なって延びたインナー・シェルを用いる異なる用途に用いることができる。
【0063】
例えば、高さが低い矯正サポート・デバイスの具体例300が、インナー・シェル302及びアウター・シェル304を有するものとして図22及び図23に示される。上で説明したように、インナー・シェル302及びアウター・シェル304は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル302及びアウター・シェル304は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された高さの低い矯正デバイス300は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像としての描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。インナー・シェル302は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図22に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。踵部309は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、ヒトの踵に適合するように形作られる。インナー・シェル302はさらに、前方内側壁部310と、前方外側壁部312と、後方内側壁部314と、後方外側壁部316と、後方壁部318とを含み、これらは、とりわけ、足後部領域、足弓領域、舟状骨領域、中足骨領域、種子骨領域のような領域を含むがこれらに限定されないヒトの足の下部領域に対して、矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、延長される。図示されている高さの低い矯正サポート・デバイスの具体例300は、インナー・シェル302及びアウター・シェル304の両方の上方範囲がヒトの装着者の足の距腿関節(足関節)の下方で終端する。
【0064】
所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルを提供するために、アウター・シェル304をインナー・シェル302と組み合わせる。アウター・シェル304は、前方部322と踵部323とを備えた底部320を含む。他の具体例において、前方部322は、インナー・シェル302の前方部308の延長度に応じて、図22に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで前方に延びるように調整されることができる。踵部323は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、隆起した靴状の踵を提供する。他の具体例において、踵部323は、所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルに基づいて、図22に描かれているものよりも強調することもできるし、これよりも強調しないこともできる。アウター・シェル304はさらに、前方内側壁部324と、前方外側壁部326と、後方内側壁部328と、後方外側壁部330と、後方壁部332とを含み、これらは、インナー・シェル302と組み合わされて、矯正サポート及び/又は操作と所望のユーザ快適性レベルとを提供するために、形作られ、延長される。
【0065】
中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例340が、インナー・シェル342及びアウター・シェル344を有するものとして図24−図29に示されている。上で説明したように、インナー・シェル342及びアウター・シェル344は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル342及びアウター・シェル344は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された中程度の高さの矯正デバイス340は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像としての描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。
【0066】
インナー・シェル342は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図24に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。インナー・シェル342はさらに、前方内側壁部344と、前方外側壁部346と、後方内側壁部348と、後方外側壁部350と、後方壁部352とを含み、これらは、高さの低い矯正デバイスについて上記したような領域を含むことができ、かつ果領域及び距腿領域のような領域も含むがこれらに限定されない領域を含むことができるヒトの足及び追加的な領域に矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、高さの低い矯正デバイス300のインナー・シェル302の対応する領域よりもさらに延長される。
【0067】
所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルを提供するために、アウター・シェル344をインナー・シェル342と組み合わせる。アウター・シェル344は、前方部322と踵部323とを備えた底部320を含む。他の具体例において、前方部308は、インナー・シェル302の前方部308の延長度に応じて、図24に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで前方に延びるように調整されることができる。踵部323は、所与の材料選択及び関与する厚さで、許容できるレベルのユーザの快適性を維持しながら、所望の矯正サポート及び/又は操作を提供するために、隆起した靴状の踵を提供する。他の具体例において、踵部323は、所望の矯正サポート、操作、及びユーザの快適性レベルに基づいて、図24に描かれているものよりも強調することもできるし、これよりも強調しないこともできる。アウター・シェル344はさらに、前方内側壁部354と、前方外側壁部356と、後方内側壁部358と、後方外側壁部360と、後方壁部362とを含み、これらは、インナー・シェル342と組み合わされて、矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、延長される。
【0068】
ヒトの一部364が、中程度の高さの矯正デバイス340のインナー・シェル342に挿入するために位置合わせされた状態で図26に図示される。ヒトの一部346が、インナー・シェル342に挿入され、アウター・シェル344の中に挿入されるために位置合わせされた状態で、図27に示される。ヒトの一部364を受け入れたインナー・シェル342が、アウター・シェル344内に挿入され、例示的な履物366の中に挿入されるために位置合わせされた状態で、図28に示される。図示されている中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例340は、どちらも装着者のヒトの足の距腿関節のすぐ上、かつ装着者のふくらはぎの下で終端するインナー・シェル342及びアウター・シェル344の上部範囲を有する。ヒトの一部264を受け入れたインナー・シェル342を受け入れているアウター・シェル344が、例示的な履物366の中に挿入された状態で図29に示される。
【0069】
背の高い矯正サポート・デバイスの具体例370が、インナー・シェル372及びアウター・シェル344を有するものとして、図30及び図31に示されている。上で説明したように、インナー・シェル372及びアウター・シェル344は、実質的に同じ材料、類似の材料、又は異なる材料からさえ作ることができ、実質的に同じ、類似、又は異なる厚さであってさえよく、インナー・シェル372及びアウター・シェル344は類似の圧縮性能を有することができるが、所望の度合いの矯正サポート及び/又は操作と許容できるユーザの快適性レベルとの全体としての目標バランスを達成するための、様々な剛性及び可撓性の性能を有することができる。図示された背の高い矯正デバイス370は、ヒトの右足に装着するように構築されている。同様であるが鏡像として描写は、ヒトの左足に適用可能であろう。
【0070】
インナー・シェル372は、前方部308と踵部309とを備えた底部306を含む。他の具体例において、前方部308は、図30に描かれているよりも多く又は少なくのいずれかで、前方へ延びるように調整されることができる。インナー・シェル372はさらに、前方内側壁部344と、前方外側壁部346と、後方内側壁部374と、後方外側壁部376と、後方壁部378とを含み、これらは、中程度の高さの矯正デバイスについて上記したような領域を含むことができ、かつ中程度の高さの矯正デバイスが影響を与え得る領域を上回るようなヒトの領域も含むがこれらに限定されない領域を含むことができるヒトの足及び追加的な領域に矯正サポート及び/又は操作を提供するために、形作られ、中程度の高さの矯正デバイス340のインナー・シェル342の対応する領域よりもさらに延長される。図示されている背の高い矯正サポート・デバイス具体例370は、どちらも、ヒトの装着者の足の距腿関節の上で終端するインナー・シェル372及びアウター・シェル344の上部範囲を有し、アウター・シェル344は距腿関節のすぐ上で終端し、インナー・シェル372はヒト装着者のふくらはぎ中央部周辺よりも実質的に高くまで延びている。
【0071】
本発明を幾つかの実施形態の説明によって例示し、例示的な実施形態は詳細に説明したが、出願人は、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に限定したり、いかなる意味でも制限したり意図はない。添付の特許請求の範囲内の更なる利点及び改変は、当業者には容易に明らかとなろう。そのより広い態様における本発明は、従って、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示され説明された例示的な例に限定されない。従って、出願人の全般的な概念の精神又は範囲から逸脱することなく、このような詳細から離れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】可撓性サポート・デバイスの上部正面等角図である。
【図2】可撓性サポート・デバイスの等角図であり、デバイスの種々の領域を示している。
【図3】便利な容積的に効率的な方式で積み重ねられた可撓性サポート・デバイスのサイズの取り揃えを示す。
【図4】患者の足に対しての可撓性サポート・デバイスのサイズ選びを示す。
【図5】可撓性サポート・デバイスを覆って、全体的に患者の足の周囲に位置決めされた第2のストッキネットを示す。
【図6】キャストを取外すときに傷害を防ぐことを助ける部材の位置決めを示す。
【図7】患者の足の周囲に巻きつけられた可撓性状態の可撓性ストリップを示す。
【図8】適切なアラインメントのために患者の足首領域を位置決めする開業医を示す。
【図9】患者の脚からキャストを取外す方法を示す。
【図10】キャストからの可撓性サポート・デバイスの取り出しを示す。
【図11】幅の狭い足を持つ患者に適応するために可撓性サポート・デバイスを改変する方法を示す。
【図12】より幅の狭い患者の足に適応するために可撓性サポート・デバイスを重ね合わせる方法を示す。
【図13】局所的な領域に熱を加えて、可撓性サポート・デバイスの再位置決めをする方法を示す。
【図14】特定の患者に適応するための可撓性サポート・デバイスの改変を示す。
【図15】剛性シェル・デバイスの等角図である。
【図16】患者の下肢部を測定するために適合された別のデバイスを概略的に示す。
【図17】患者の足の適切な測定値を得るための方式で協同して機能するように適合されたインサートと組み合わされて働くキャスティング・デバイスを示す。
【図18】矯正器具又は装具を作製する目的で患者の下肢を適切に測定するように適合されたデバイスの、別のモジュラ配置を示す。
【図19】軟質インナー・シェル及び硬質アウター・シェルを有する矯正サポート・デバイスの分解図である。
【図20】アウター・シェルの縁部から突出した縁部を有する軟質インナー・シェルを持つ矯正サポートの等角図である。
【図21】矯正サポート・デバイスの底面図である。
【図22】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、高さが低い矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図23】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図22の高さが低い矯正デバイスの具体例の等角図である。
【図24】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、中程度の高さの矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図25】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の等角図である。
【図26】足−インナー・シェルの組み合わせを形成する、図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例のインナー・シェル内へのヒトの足の挿入を示す側面図である。
【図27】足−デバイスの組み合わせを形成する、図24の中程度の高さの矯正デバイスのアウター・シェル内への足−インナー・シェルの組み合わせの挿入を示す側面図である。
【図28】図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の足−デバイスの組み合わせの、例示的な履物内への挿入を示す側面図である。
【図29】例示的な履物内に挿入された図24の中程度の高さの矯正デバイスの具体例の足−デバイスの組み合わせを示す側面図である。
【図30】インナー及びアウター・シェルが分離して示された、背の高い矯正サポート・デバイスの具体例の分解等角図である。
【図31】インナー及びアウター・シェルが互いに連結されて示された、図30の背の高い矯正デバイスの具体例の等角図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともヒトの足の一部を含むヒトの膝下のヒトの一部に装着可能であり、かつ前記ヒトの一部に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記ヒトの一部をサポートするように連結するために、前記ヒトの一部の受け入れに適応するように形作られた、第1の材料組成を有するインナー・シェルと、
第2の材料組成を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の材料組成は前記第1の材料組成と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルをサポートするように連結するために前記アウター・シェル内に前記インナー・シェルの受け入れに適応するように、かつ前記履物との連結のために前記履物内での位置決めに適応するように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトの一部の前記ミスアラインメントの補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記ヒトの一部に対して分散されるようなサイズかつ形状とされ、これにより、前記ヒトは、前記圧力の一部が前記ミスアラインメントの補正を促進するように加えられる一方で、前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを快適に装着することができることを特徴とする補正デバイス。
【請求項2】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが実質的に同じ厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項3】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが各々、異なる厚さの部分を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項4】
前記インナー・シェルの前記第1の材料組成と前記アウター・シェルの前記第2の材料組成が、プラスチック、ビニル、複合体、エチレン、及びポリマーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項5】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記ヒトの一部の距腿関節の下方で終端する上部範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項6】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記ヒトの一部の距腿関節の上方、かつ前記ヒトのふくらはぎの下方で終端する上部範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項7】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが前記ヒトの一部の距腿関節の上方で終端する上部範囲を有し、前記インナー・シェルが前記アウター・シェルより高く上方に前記ヒトのふくらはぎ中央部まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項8】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは対になって、予めセットされた隆起アーチ領域及び凹みを提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項9】
少なくとも足領域を有する身体の一部のための補正デバイスであって、前記足の隆起特徴を一部補償するために予めセットされた形態の特徴をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の補正デバイス。
【請求項10】
ニュートラルな生体力学的セット形態を一部確立するために予めセットされた形態の特徴をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の補正デバイス。
【請求項11】
足領域及び踵領域を含む前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルが、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによる圧力分布が前記足領域の遠位領域に力を加え、かつ前記踵領域に向かって縦方向後ろ向きに分散されるように形作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項12】
前記インナー・シェルが、0.0625インチと0.09インチとの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項13】
前記インナー・シェルのサポート部分が0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有し、前記アウター・シェルのサポート部分が0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項14】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが組み合わされて、1ミリメートルよりも多く内向き又は外向きに撓むのに十分な可撓性を提供するような外周領域を提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項15】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは、下部半剛性フィッティング・モジュール及び上部半剛性フィッティング・モジュールを形成するように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項16】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、ポリエチレン・ベースのプラスチックから作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項17】
前記アウター・シェルは後方上部周囲稜線領域を有し、前記インナー・シェルは下部周囲稜線領域を有し、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは、前記ヒトの一部にかかる縁部圧力を小さくするために、前記後方上部周囲稜線領域を前記下部周囲稜線領域の上方に位置決めするように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項18】
前記インナー・シェルと前記アウター・シェルは、前記ヒトの一部に係合するため、前記ヒトの一部をサポートするため、又は前記ヒトの一部に感覚的フィードバックを提供するためのうちの少なくとも1つのための隆起領域を含むように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項19】
前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルを矯正インサートとして受け入れるような形状及びサイズとされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項20】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記ミスアラインメントの補正に寄与するために、足部分の位置の高められた感覚を前記ヒトに提供して前記足部分の適切なアラインメントを補助するための、矯正感覚フィードバックを提供するように形作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項21】
前記第1及び第2の材料組成が、前記ヒトが終日装着するのを可能にするのに十分な前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルの可撓性を提供するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項22】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記足部分を完全に崩壊させることなく、圧力の十分な部分を分散させることができるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項23】
前記アウター・サポート・シェルは、前記アウター・サポート・シェルの後方部分に踵カップ領域を含み、前記インナー・シェルは、前記踵カップ領域に係合する部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項24】
前記インナー・シェルは、前記ヒトの一部の生体構造的バリエーションに適応するように、前記アウター・シェル内に連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項25】
前記アウター・シェルは中央スリット領域を有し、前記インナー・シェルは中央スリット領域を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項26】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは少なくとも部分的にプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項27】
踵領域を含む前記ヒトの一部に装着されるための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性により分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記踵領域を実質的に垂直な位置に位置合わせするのに十分であるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項28】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性により分散された圧力によるミスアラインメントの補正量が前記ヒトの一部の内側及び外側のアラインメントを維持するのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項29】
足前部領域を含む前記ヒトの一部に装着される補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力によるミスアラインメントの補正量が前記足前部領域をニュートラルな位置に位置合わせするのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項30】
前記第1の材料組成及び前記第2の材料組成が、前記ミスアラインメントに隣接する領域上に圧力の一部を分散させるのに十分に剛性であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項31】
前記アウター・シェルが、内側及び外側区域を有する周囲サポート領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項32】
前記アウター・シェルは内面を備えた内部チャンバ領域を含み、前記インナー・シェルは前記内面に係合するように構成された外面を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項33】
踵領域を含む前記ヒトの一部に装着される補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記補正デバイスの後方近位位置に踵を位置合わせするのに十分となるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項34】
前記アウター・シェルが外側領域を有し、前記インナー・シェルが前記アウター・シェルの前記外側領域から縦方向前方に延びる延長領域を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項35】
前記アウター・シェルは底部領域を備えた外側領域を有し、前記インナー・シェルは延長領域を有し、前記底部領域は、外転を制御するために前記延長領域をサポートするように構成されることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項36】
前記インナー・シェルは延長領域を有し、前記インナー・シェルの剛性は、前記アウター・シェルの剛性と組み合わされたときに、前記インナー・シェルのピボット運動に適応するのに十分に可撓性であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項37】
前記アウター・シェルは外側領域及びピボット領域を有し、前記外側領域は前記ピボット領域の前で終端することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項38】
前記インナー・シェルの剛性は、前記アウター・シェルの剛性と組み合わされたときに、前記ミスアラインメントの補正の一部として前記足の外転を回避するのに十分であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項39】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは組み合わされて、底部領域と、前部領域と、周囲稜線を含む上部領域とを提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項40】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記足領域を生体力学的にニュートラルな位置に位置合わせするのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項41】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは組み合わされて、隆起した内側アーチ領域を提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項42】
回内、回外、および内反−外反状態のうちの少なくとも1つを含む前記ミスアラインメントを有する前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記ミスアラインメントを補正するために圧力を分散するように形作られていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項43】
外転(eversion)、扁平位置への足弓移動、及び外転(abduciton)のうちの少なくとも1つを伴う少なくとも回内状態を含む前記ミスアラインメントを有する前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記回内状態を補正するために圧力を分散するように形作られていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項44】
足首部分及び下部足領域を含む前記ヒトの一部に装着するための補正デバイスであって、前記インナー・シェルが、前記足首及び前記下部足領域の少なくとも一部の前記インナー・シェル内への受け入れに適応するような形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項45】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応するように、かつ前記足の一部をサポートするように連結するために形作られた、第1の可撓性を有するインナー・シェルと、
第2の可撓性を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の可撓性を前記第1の可撓性と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部にわたって分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項46】
患者の下肢のための補正デバイスであって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは履物内に受け入れられ、前記補正デバイスは、
第1の圧縮性を有し、前記下肢の少なくとも一部をその中に受け入れ、かつ前記下肢の少なくとも一部を覆って延びるように形作られたインナー・シェルと、
第2の圧縮性を有し、前記インナー・シェルの少なくとも一部をその中に受け入れ、かつ前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延びるように形作られたアウター・シェルとを備え、前記第1の圧縮性は前記第2の圧縮性と実質的に同じであり、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは一緒になって、患者によって装着されているときに、少なくとも部分的に前記履物内に位置決めされ、前記インナー・シェルが前記下肢のミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするのに十分に前記下肢を覆って延びるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項47】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応し、かつ前記足の一部をサポートするように連結するように形作られた、第1の剛性を有するインナー・シェルと、
第2の剛性を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の剛性は前記第1の剛性と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部の所望の領域にわたって分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項48】
ヒトの膝下の一部と共に使用するための方法であって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の材料組成を有するインナー・シェルを提供し、
前記第1の材料組成と実質的に同じ第2の材料組成を有するアウター・シェルを提供し、
前記ヒトの一部をサポートするように連結するために、前記インナー・シェル内に前記ヒトの一部を受け入れ、
前記インナー・シェルをサポートするように連結するために、前記アウター・シェル内に前記インナー・シェルを受け入れ、
前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結し、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結しているときに、前記アウター・シェルを履物内に位置決めし、
前記ヒトが前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを装着しているときに、前記ヒトの一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分に、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性によって前記ヒトの一部に対して圧力を分散させるステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
ヒトの足の少なくとも一部と共に使用するための方法であって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の可撓性を有するインナー・シェルを提供し、
第2の可撓性を有するアウター・シェルを提供し、前記第2の可撓性は前記第1の可撓性と実質的に同じであり、
前記足の一部をサポートするように連結するために、前記足の一部を前記インナー・シェル内に受け入れ、
前記アウター・シェルを前記インナー・シェルを覆って連結し、
圧力を提供するために、前記アウター・シェルを履物内に位置決めし、
前記ヒトが前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを装着しているときに、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分に、前記アウター・シェルの可撓性と前記インナー・シェルの可撓性によって前記足の一部に対して圧力を分散させる
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
患者の下肢と共に使用するための方法であって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の圧縮性を有するインナー・シェルを提供し、
第2の圧縮性を有するアウター・シェルを提供し、前記第2の圧縮性は前記第1の圧縮性と実質的に同じであり、
前記インナー・シェルを前記下肢の少なくとも一部を覆って延ばし、
前記アウター・シェルを前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延ばし、
前記下肢の前記ミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするために、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延び、かつ前記インナー・シェルが前記下肢の少なくとも一部を覆って延びているときに、前記アウター・シェルを少なくとも部分的に履物内に位置決めする
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記インナー・シェルを提供し、前記アウター・シェルを提供するステップが、0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有するシート材料でそれぞれ実質的に形成されたインナー及びアウター・シェルを提供するステップを含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ヒトの足の少なくとも一部を含むヒトの膝下のヒトの一部のための補正デバイスであって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有し、前記補正デバイスは、
前記ヒトの一部と連結するために前記ヒトの一部を受け入れるための第1の手段と、
前記第1の手段を受け入れ、かつ履物と連結するための第2の手段と、
前記ヒトの一部の前記ミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分な圧力を前記ヒトの一部に対して第1の手段及び第2の手段によって分散させるための手段と
を備えることを特徴とする補正デバイス。
【請求項53】
患者の下肢のための補正デバイスであって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有し、かつ履物と共に用いるためのものであり、前記補正デバイスは、
前記下肢の少なくとも一部を覆って延びるための第1の手段と、
前記第1の手段の少なくとも一部を覆って延びるための第2の手段とを備え、
前記第2の手段は、前記下肢のミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするために、前記第2の手段が前記第1の延びるための手段の少なくとも一部を覆って延び、かつ第1の手段が前記下肢の少なくとも一部を覆って延びているときに、少なくとも部分的に履物内に位置決めするための手段を含むことを特徴とする補正デバイス。
【請求項54】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応し、かつ前記足の一部をサポートするように連結するように形作られたインナー・シェルと、
その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られたアウター・シェルとを備え、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部に対して分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項1】
少なくともヒトの足の一部を含むヒトの膝下のヒトの一部に装着可能であり、かつ前記ヒトの一部に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記ヒトの一部をサポートするように連結するために、前記ヒトの一部の受け入れに適応するように形作られた、第1の材料組成を有するインナー・シェルと、
第2の材料組成を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の材料組成は前記第1の材料組成と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルをサポートするように連結するために前記アウター・シェル内に前記インナー・シェルの受け入れに適応するように、かつ前記履物との連結のために前記履物内での位置決めに適応するように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトの一部の前記ミスアラインメントの補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記ヒトの一部に対して分散されるようなサイズかつ形状とされ、これにより、前記ヒトは、前記圧力の一部が前記ミスアラインメントの補正を促進するように加えられる一方で、前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを快適に装着することができることを特徴とする補正デバイス。
【請求項2】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが実質的に同じ厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項3】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが各々、異なる厚さの部分を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項4】
前記インナー・シェルの前記第1の材料組成と前記アウター・シェルの前記第2の材料組成が、プラスチック、ビニル、複合体、エチレン、及びポリマーのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項5】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記ヒトの一部の距腿関節の下方で終端する上部範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項6】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記ヒトの一部の距腿関節の上方、かつ前記ヒトのふくらはぎの下方で終端する上部範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項7】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが前記ヒトの一部の距腿関節の上方で終端する上部範囲を有し、前記インナー・シェルが前記アウター・シェルより高く上方に前記ヒトのふくらはぎ中央部まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項8】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは対になって、予めセットされた隆起アーチ領域及び凹みを提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項9】
少なくとも足領域を有する身体の一部のための補正デバイスであって、前記足の隆起特徴を一部補償するために予めセットされた形態の特徴をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の補正デバイス。
【請求項10】
ニュートラルな生体力学的セット形態を一部確立するために予めセットされた形態の特徴をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の補正デバイス。
【請求項11】
足領域及び踵領域を含む前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルが、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによる圧力分布が前記足領域の遠位領域に力を加え、かつ前記踵領域に向かって縦方向後ろ向きに分散されるように形作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項12】
前記インナー・シェルが、0.0625インチと0.09インチとの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項13】
前記インナー・シェルのサポート部分が0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有し、前記アウター・シェルのサポート部分が0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項14】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが組み合わされて、1ミリメートルよりも多く内向き又は外向きに撓むのに十分な可撓性を提供するような外周領域を提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項15】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは、下部半剛性フィッティング・モジュール及び上部半剛性フィッティング・モジュールを形成するように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項16】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、ポリエチレン・ベースのプラスチックから作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項17】
前記アウター・シェルは後方上部周囲稜線領域を有し、前記インナー・シェルは下部周囲稜線領域を有し、前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは、前記ヒトの一部にかかる縁部圧力を小さくするために、前記後方上部周囲稜線領域を前記下部周囲稜線領域の上方に位置決めするように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項18】
前記インナー・シェルと前記アウター・シェルは、前記ヒトの一部に係合するため、前記ヒトの一部をサポートするため、又は前記ヒトの一部に感覚的フィードバックを提供するためのうちの少なくとも1つのための隆起領域を含むように連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項19】
前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルを矯正インサートとして受け入れるような形状及びサイズとされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項20】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記ミスアラインメントの補正に寄与するために、足部分の位置の高められた感覚を前記ヒトに提供して前記足部分の適切なアラインメントを補助するための、矯正感覚フィードバックを提供するように形作られることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項21】
前記第1及び第2の材料組成が、前記ヒトが終日装着するのを可能にするのに十分な前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルの可撓性を提供するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項22】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記足部分を完全に崩壊させることなく、圧力の十分な部分を分散させることができるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項23】
前記アウター・サポート・シェルは、前記アウター・サポート・シェルの後方部分に踵カップ領域を含み、前記インナー・シェルは、前記踵カップ領域に係合する部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項24】
前記インナー・シェルは、前記ヒトの一部の生体構造的バリエーションに適応するように、前記アウター・シェル内に連結可能であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項25】
前記アウター・シェルは中央スリット領域を有し、前記インナー・シェルは中央スリット領域を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項26】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは少なくとも部分的にプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項27】
踵領域を含む前記ヒトの一部に装着されるための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性により分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記踵領域を実質的に垂直な位置に位置合わせするのに十分であるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項28】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性により分散された圧力によるミスアラインメントの補正量が前記ヒトの一部の内側及び外側のアラインメントを維持するのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項29】
足前部領域を含む前記ヒトの一部に装着される補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力によるミスアラインメントの補正量が前記足前部領域をニュートラルな位置に位置合わせするのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項30】
前記第1の材料組成及び前記第2の材料組成が、前記ミスアラインメントに隣接する領域上に圧力の一部を分散させるのに十分に剛性であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項31】
前記アウター・シェルが、内側及び外側区域を有する周囲サポート領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項32】
前記アウター・シェルは内面を備えた内部チャンバ領域を含み、前記インナー・シェルは前記内面に係合するように構成された外面を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項33】
踵領域を含む前記ヒトの一部に装着される補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルが、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記補正デバイスの後方近位位置に踵を位置合わせするのに十分となるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項34】
前記アウター・シェルが外側領域を有し、前記インナー・シェルが前記アウター・シェルの前記外側領域から縦方向前方に延びる延長領域を有することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項35】
前記アウター・シェルは底部領域を備えた外側領域を有し、前記インナー・シェルは延長領域を有し、前記底部領域は、外転を制御するために前記延長領域をサポートするように構成されることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項36】
前記インナー・シェルは延長領域を有し、前記インナー・シェルの剛性は、前記アウター・シェルの剛性と組み合わされたときに、前記インナー・シェルのピボット運動に適応するのに十分に可撓性であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項37】
前記アウター・シェルは外側領域及びピボット領域を有し、前記外側領域は前記ピボット領域の前で終端することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項38】
前記インナー・シェルの剛性は、前記アウター・シェルの剛性と組み合わされたときに、前記ミスアラインメントの補正の一部として前記足の外転を回避するのに十分であることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項39】
前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルは組み合わされて、底部領域と、前部領域と、周囲稜線を含む上部領域とを提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項40】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記アウター・シェルの剛性及び前記インナー・シェルの剛性によって分散された圧力による前記ミスアラインメントの補正量が前記足領域を生体力学的にニュートラルな位置に位置合わせするのに十分であるような形状とされることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項41】
前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは組み合わされて、隆起した内側アーチ領域を提供することを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項42】
回内、回外、および内反−外反状態のうちの少なくとも1つを含む前記ミスアラインメントを有する前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記ミスアラインメントを補正するために圧力を分散するように形作られていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項43】
外転(eversion)、扁平位置への足弓移動、及び外転(abduciton)のうちの少なくとも1つを伴う少なくとも回内状態を含む前記ミスアラインメントを有する前記ヒトの一部のための補正デバイスであって、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記回内状態を補正するために圧力を分散するように形作られていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項44】
足首部分及び下部足領域を含む前記ヒトの一部に装着するための補正デバイスであって、前記インナー・シェルが、前記足首及び前記下部足領域の少なくとも一部の前記インナー・シェル内への受け入れに適応するような形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の補正デバイス。
【請求項45】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応するように、かつ前記足の一部をサポートするように連結するために形作られた、第1の可撓性を有するインナー・シェルと、
第2の可撓性を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の可撓性を前記第1の可撓性と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部にわたって分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項46】
患者の下肢のための補正デバイスであって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは履物内に受け入れられ、前記補正デバイスは、
第1の圧縮性を有し、前記下肢の少なくとも一部をその中に受け入れ、かつ前記下肢の少なくとも一部を覆って延びるように形作られたインナー・シェルと、
第2の圧縮性を有し、前記インナー・シェルの少なくとも一部をその中に受け入れ、かつ前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延びるように形作られたアウター・シェルとを備え、前記第1の圧縮性は前記第2の圧縮性と実質的に同じであり、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは一緒になって、患者によって装着されているときに、少なくとも部分的に前記履物内に位置決めされ、前記インナー・シェルが前記下肢のミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするのに十分に前記下肢を覆って延びるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項47】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応し、かつ前記足の一部をサポートするように連結するように形作られた、第1の剛性を有するインナー・シェルと、
第2の剛性を有するアウター・シェルとを備え、前記第2の剛性は前記第1の剛性と実質的に同じであり、前記アウター・シェルは、その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られ、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部の所望の領域にわたって分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【請求項48】
ヒトの膝下の一部と共に使用するための方法であって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の材料組成を有するインナー・シェルを提供し、
前記第1の材料組成と実質的に同じ第2の材料組成を有するアウター・シェルを提供し、
前記ヒトの一部をサポートするように連結するために、前記インナー・シェル内に前記ヒトの一部を受け入れ、
前記インナー・シェルをサポートするように連結するために、前記アウター・シェル内に前記インナー・シェルを受け入れ、
前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結し、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結しているときに、前記アウター・シェルを履物内に位置決めし、
前記ヒトが前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを装着しているときに、前記ヒトの一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分に、前記アウター・シェルの剛性と前記インナー・シェルの剛性によって前記ヒトの一部に対して圧力を分散させるステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
ヒトの足の少なくとも一部と共に使用するための方法であって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の可撓性を有するインナー・シェルを提供し、
第2の可撓性を有するアウター・シェルを提供し、前記第2の可撓性は前記第1の可撓性と実質的に同じであり、
前記足の一部をサポートするように連結するために、前記足の一部を前記インナー・シェル内に受け入れ、
前記アウター・シェルを前記インナー・シェルを覆って連結し、
圧力を提供するために、前記アウター・シェルを履物内に位置決めし、
前記ヒトが前記履物の内側の前記アウター・シェルの内側の前記インナー・シェルを装着しているときに、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分に、前記アウター・シェルの可撓性と前記インナー・シェルの可撓性によって前記足の一部に対して圧力を分散させる
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
患者の下肢と共に使用するための方法であって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有し、
第1の圧縮性を有するインナー・シェルを提供し、
第2の圧縮性を有するアウター・シェルを提供し、前記第2の圧縮性は前記第1の圧縮性と実質的に同じであり、
前記インナー・シェルを前記下肢の少なくとも一部を覆って延ばし、
前記アウター・シェルを前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延ばし、
前記下肢の前記ミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするために、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルの少なくとも一部を覆って延び、かつ前記インナー・シェルが前記下肢の少なくとも一部を覆って延びているときに、前記アウター・シェルを少なくとも部分的に履物内に位置決めする
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記インナー・シェルを提供し、前記アウター・シェルを提供するステップが、0.5ミリメートルと3ミリメートルとの間の厚さを有するシート材料でそれぞれ実質的に形成されたインナー及びアウター・シェルを提供するステップを含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ヒトの足の少なくとも一部を含むヒトの膝下のヒトの一部のための補正デバイスであって、前記ヒトの一部は少なくともミスアラインメントを有し、前記補正デバイスは、
前記ヒトの一部と連結するために前記ヒトの一部を受け入れるための第1の手段と、
前記第1の手段を受け入れ、かつ履物と連結するための第2の手段と、
前記ヒトの一部の前記ミスアラインメントに対してある量の補正を提供するのに十分な圧力を前記ヒトの一部に対して第1の手段及び第2の手段によって分散させるための手段と
を備えることを特徴とする補正デバイス。
【請求項53】
患者の下肢のための補正デバイスであって、前記下肢は少なくともミスアラインメントを有し、かつ履物と共に用いるためのものであり、前記補正デバイスは、
前記下肢の少なくとも一部を覆って延びるための第1の手段と、
前記第1の手段の少なくとも一部を覆って延びるための第2の手段とを備え、
前記第2の手段は、前記下肢のミスアラインメントを少なくとも部分的に位置合わせするために、前記第2の手段が前記第1の延びるための手段の少なくとも一部を覆って延び、かつ第1の手段が前記下肢の少なくとも一部を覆って延びているときに、少なくとも部分的に履物内に位置決めするための手段を含むことを特徴とする補正デバイス。
【請求項54】
少なくともヒトの足の一部に装着され、かつ前記足に装着されながら履物の内側に位置決めされる補正デバイスであって、前記足の一部は少なくともミスアラインメントを有しており、前記補正デバイスは、
前記足の一部のその中への受け入れに適応し、かつ前記足の一部をサポートするように連結するように形作られたインナー・シェルと、
その中への前記インナー・シェルの受け入れに適応し、前記インナー・シェルをサポートするように連結し、かつ前記履物内に位置決めされることが可能となるように形作られたアウター・シェルとを備え、前記インナー・シェル及び前記アウター・シェルは、前記インナー・シェルが前記ヒトの一部と連結され、前記アウター・シェルが前記インナー・シェルと連結され、かつ前記履物内に位置決めされたときに、前記ヒトが前記履物の内側のアウター・シェルの内側のインナー・シェルを装着することを可能にする一方で、前記足の一部のミスアラインメントに対してある量の補正を提供するために、圧力の少なくとも十分な部分が前記アウター・シェル及び前記インナー・シェルによって前記足の一部に対して分散されるようなサイズ及び形状とされることを特徴とする補正デバイス。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図4】
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【図13】
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【図30】
【図31】
【公表番号】特表2009−525803(P2009−525803A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554214(P2008−554214)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/004988
【国際公開番号】WO2007/094768
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508240960)カスケイド ディーエイエフオー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/004988
【国際公開番号】WO2007/094768
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508240960)カスケイド ディーエイエフオー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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