説明

足裏の角質除去装置

【課題】 本発明は、持ちやすく、疲れにくく、皮膚を傷めることもなく、無理に力を入れなくても、気持ちよく安全且つ確実に足裏の角質部を削り取ることのできる角質除去装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 モーターを内蔵した握り部と角質を除去するための軽石製こすり部又は金属製中空円盤体のこすり部から成るものであり、こすり部は握り部から突出した回転軸に着脱自在に取り付け、モーターの回転によりこすり部が回転することを特徴とする足の角質除去装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏の角質を安全に効果的に取り除くための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、足裏の皮膚は角質化しやすいものであり、角質化の進行に対して何もしないでそのままにしておくと、皮脂腺がない足裏の角質層は次第に厚く、固くなり、更に乾燥してヒビ割れが生じることがある。場合によっては、水虫の原因となる「白癬菌」が付着すると、このひび割れ部分から角質層の中に浸入しやすくなり、水虫になることがある。
このようなことを防ぐためには、角質化を放置せず、足裏をこまめに手入れすることが必要であり、通常、入浴時に足裏の皮膚をやわらかくした上で、角質をこすり取ることが行なわれる。角質部分をこすり取るためには、以前から軽石が使用されており、又、軽石の代わりに、おろし金のような凹凸を設けた金属製器具など、さまざまな角質取りの専用器具が市販されている。特殊な器具としては、楕円形の缶詰用の缶のような立体形状をしたものがあり、これは、楕円形の表面板にあけられた複数の穴の内径部に削り取り刃を設けて、この表面板を足裏に当てて、手動で円を描くように動かすものとなっている。
【特許文献】 特になし。
【非特許文献】 特になし。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の軽石は、いつでもどこでも手に入れることができるものであるが、通常、手のひらに入る程度の大きさで、概ね小判型をしている。これは、手軽ではあるが、角質部分をこする場合に、決して握りやすいものではなく、両方の足裏を満遍なくこすっていると、指先や持つ手が疲れて十分な力が入らなくなる不便さがあった。又、こすりやすくするために石鹸を付けると、手が滑りやすくなって、軽石を落とすこともしばしば生じ、決して効果的なものとはいえないといえる。握りやすくするために、軽石を細長くしたものもあるが、力を入れすぎると折れてしまう問題があった。
細かな凸部を付けたおろし金のような金属製器具は、例えば「へら」のような形状で、握り部がついているので、持ちやすさに工夫がされているといえるが、皮膚を傷めないように凸部に丸味を付けてあるので、かえって除去効果が低く、力を入れて時間をかけると手が疲れてしまう不都合があった。
穴の内径部に削り取り刃を複数有するものは、力が入ると皮膚を切ることがあり、又、器具の汚れを掃除する際にも危険を伴う問題があった。
そこで、本発明は、持ちやすく、疲れにくく、皮膚を傷めることもなく、無理に力を入れなくても、気持ちよく安全且つ確実に足裏の角質部を削り取ることのできる角質除去装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、モーターを内蔵した握り部と角質を除去するこすり部から成るものであって、こすり部は握り部から突出した回転軸に着脱自在に取り付け、モーターの回転によりこすり部が回転することを特徴とする足裏の角質除去装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明においては、次のような効果がある。
(1)モーターを内蔵した握り部は手の中にしっくりと納まり、握りやすくなっているので、すべり落ちにくく、効果的に角質除去作業をすることができる。
(2)モーターによりこすり部を回転させるので、腕や手を一生懸命に動かす必要はなく、しかも、指先に力を入れる必要がないので、時間をかけてこすっても疲れ難い。
(3)疲れ難いことに関連して、こすり部を足裏全体に満遍なく当てることができるので、確実に角質部をこすり落とすことができる。
(4)無理に力を入れる必要もないので、皮膚を傷つけることもなく安全にこすり落とし作業ができる。
【実施例1】
【0005】
図1に基づいて、角質除去装置のより具体的な実施の態様について説明する。
図1において、当該装置の握り部(1)はモーター(図示省略)を内蔵しているものであり、モーターは乾電池や充電式バッテリーを電源として作動するものが好ましい。当該装置は、浴室での使用を想定しているので、握り部(1)自体や操作スイッチ(12)の取り付け部分はもちろん、握り部(1)とこれから突出している回転軸(2)の接触部、乾電池などの出し入れ部(図示省略)を含めて防水構造とする。防水構造は、パッキングを装着するなど公知の手段による。
回転軸(2)の途中には、適宜数の回り止め用のキー部(3)が突起状に設けられており、先端部は雄ねじ(4)として加工される。
このような回転軸(2)に取り付けられるこすり部(5)は軽石を円盤状に成形したものであり、中央には貫通する回転軸挿通穴(6)が設けられる。この挿通穴(6)の上下には、一対の合成樹脂製の上ブッシュ(7)と下ブッシュ(8)が圧着状態で嵌合される。この上下のブッシュ(7)(8)の端部にはそれぞれに抜け防止のつばが設けられ、又、回転軸(2)を通すための貫通孔(9)(10)が設けられており、内面には上記のキー部(3)に対応する溝部(9a)(10a)を有するものとなっている。
装置の組み立てに当たっては、この上下ブッシュ(7)(8)を予め軽石製こすり部(5)の挿通穴(6)に嵌め込んでから、それぞれの溝部(9a)(10a)にキー部(3)を合わせながら回転軸(2)を挿通する。
又、先に下ブッシュ(8)の溝部(10a)を回転軸(2)のキー部(3)に合わせながら挿通した上で、こすり部(5)の挿通穴(6)に回転軸(2)を下ブッシュ(8)とともに嵌合させてから、上ブッシュ(7)をこすり部(5)の挿通穴(6)に嵌め込んでもよい。その際、上ブッシュ(7)の溝部(9a)を回転軸(2)のキー部(3)に合わせることが必要となる。
いずれの場合も、こすり部(5)を回転軸(2)に挿通した上で、こすり部(5)から突き出た雄ねじ(4)に袋ナット(11)を取り付けて締め付け固定することにより、こすり部(5)と回転軸(2)を一体化させるものである。これにより、操作スイッチ(12)を入れると、回転軸(2)とともにこすり部(5)の軽石が回転し、かかとを含めて足裏全体の角質部分をこすり取ることができるのである。
なお、こすり部(5)が摩耗、変形又は破損した場合、袋ナット(11)を緩めて外せば、こすり部(5)を回転軸(2)から取り外すことができるので、新しいこすり部に容易に交換することができる。又、上下のブッシュ(7)(8)についても、摩耗、変形又は破損した場合、分解可能の構造になっているので、交換が容易にできるものである。
【実施例2】
【0006】
上記の実施例においては、二分割した合成樹脂製のブッシュを使用したが、上下一体化した長さの筒状のブッシュでも構わない。この場合、ブッシュの一端にのみ抜け防止のつばを設ける。もちろん筒状の内面には回転軸(2)のキー部(3)に合致する溝部(10)が設けられる。これは、部品点数を減らして、組み立てを簡素にし、コストの低減効果を図ることができる。なお、ブッシュをこすり部の挿通穴(6)に嵌合するに際して、接着剤を使用することにより、回転軸(2)とこすり部(5)の一体化をより強固にすることができる。
【実施例3】
【0007】
図1に示したこすり部(5)は軽石で成形されたものであるが、軽石の代わりに合成樹脂製の円盤体を用いてもよい。この場合、円盤体の外周面には角質部をこすり落とすための多数の凸部を一体に設けるものとする。この場合、凸部の形状は角質部を効果的に削ることができるとともに、皮膚を傷めない程度に丸味を帯びたものとする。
【実施例4】
【0008】
更に、角質部の除去効果を高めるために、回転軸に対して脱着自在のこすり部を金属製とすることができる。この場合、こすり部を円盤体として上下二分割とするとともに、ふたをひねって閉めるようなネジ止め構造で一体化し、内部を空間とする。この円盤体の外周面には、多数の角質部除去用の穴を設け、こすり部の回転によりこすり取った角質層をこの穴から内部空間に取り込むことができるようにする。内部に溜まった皮膚や汚れは、こすり部を回転軸から外し、蓋を開けるようにひねって分割すれば、容易に洗い落とすことができる。なお、この除去用の穴の内径部は皮膚を傷つけない程度に面取りをしておくものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、この発明の実施の一例を示すものである。
【符号の説明】
【0010】
(1)握り部
(2)回転軸
(5)こすり部
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターを内蔵した握り部と角質を除去するこすり部から成るものであり、こすり部は握り部から突出した回転軸に着脱自在に取り付け、モーターの回転によりこすり部が回転することを特徴とする足の角質除去装置。
【請求項2】
請求項1の足の角質除去装置において、こすり部が軽石で成形されていることを特徴とする足の角質除去装置。
【請求項3】
請求項1の足の角質除去装置において、こすり部が金属製の中空円盤体であって、当該円盤体の外周側面に多数の角質除去穴を有していることを特徴とする足の角質除去装置。

【公開番号】特開2011−152379(P2011−152379A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29471(P2010−29471)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(303009892)
【Fターム(参考)】