説明

足部分保温機能性衣類

【課題】 パジャマなど衣服の裾について、就寝時は足先まで保温でき、歩行など未使用時も折り返してふくらはぎ付近を保温でき、冷え性の改善につながるパジャマを提供する。
【解決手段】パジャマなど衣服のズボンの裾部1において、足先まで覆う長さを有する裾延長部4aに、前記裾延長部4aの先端部から折り返し部3まで角部が弧状を形成する様に取り付けられた開閉可能なファスナー2を備えるとともに、歩行時などファスナー2は折り返し部分の角部が弧状を形成する付近でスライダー9によって係止される事により垂れ下がりを防止し、前記裾延長部4bは保温性を保つ生地などを用いリバーシブルにすることも可能で、折り返したときも足首からふくらはぎ付近を覆う。また、裾延長部から腰部を覆うファスナー8を取り付けた衣服は病気など介護される人や下半身が自力で動く事に支障がある人などにも使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足部分保温機能性衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パジャマなど寝具として着用する衣服の裾は、日常生活を行ううえで支障のない長さ
で設定されているが、睡眠時、布団の中で捲れ上がり足を冷やすためよく眠れないことや冷え性で足先が温まらないために靴下を履いて寝るなどの対策をとっていた。
【0003】
足先部がホック、ボタン、ファスナーなど開閉手段により寝るとき以外は普通の寝巻きと同じように行動できることを特徴としたパジャマなどの寝巻きについての発明はある。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、ズボンの裾部にゴム紐などによる裾口閉塞具をそなえ、面状ファスナー、スナ
ップなど用い裾部を折り返しズボン丈短縮具によりズボン丈を調節し歩行状態にできるパジャマズボンについての発明もある。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】実開昭62−3519号公報
【特許文献2】実開昭53−17415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、ホック、ボタン、ファスナーなど開閉作業に手間がかかり使
用時に時間がかかるなど支障があり、パジャマの足先部は構造上先端を幅広に形成されているため、折り返すとずり落ちて歩行など行動するとき障害になりそのためホックなどで止めることが必要になる。
【0006】
特許文献2において、ズボンの裾部にゴム紐などによる裾口閉塞具をそなえている
が、ゴム紐などによる裾口閉塞具は就寝時の人体の動きと寝具による摩擦などにより閉塞具は開き足が出て寒さを感じ、防寒の目的をなさず、また通常時内側に折り込む構造の裾口閉塞具は足部を必要以上にしめつけ血流を止めてしまい使用者の不快感につながり、また歩行状態にするためにはズボン丈の調節用留め具として面状ファスナーやスナップなどが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る足部分保温機能性衣類は着用する衣服のズボンの裾部において、足先
まで覆う程度の長さを有する裾延長部と、ファスナーは開放し折り返したとき垂れ下がりを防止するために、前記裾延長部の先端部から角部が弧状を形成する様に
前記裾延長部の折り返し部付近までつながる開閉可能な前記ファスナーがとりつけられることにより上記目的が達成される。
【0008】
前記に加えて、前記裾延長部はリバーシブルに使用できる生地を用い、裾を折り返すことによりファッション性や見栄えのよい部屋着になり、それとともに前記裾延長部は保温性を保つ生地などを用い、折り返したときも足首からふくらはぎ付近までを保温する構造であってもよい。
【0009】
また、前記裾延長部の機能を備える裾部を既存のパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部にホック、面状ファスナー、縫合などの方法により取り付け可能な手段を用いる構造であってもよい。
【0010】
それから、足先まで覆う長さを有する裾延長部を持つ衣服のズボンにおいて、前記裾延長部に足先から腰部までを覆う部分を設け、前記裾延長部の足先から腰部まで連続する全開閉自在なファスナーを取り付け、ズボンの前面部分が全開し、ズボンなど衣類が脱着しやすい構造であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、パジャマなど寝具として着用する衣服の裾は、足先まで覆う構造となり睡眠時布団の中でパジャマなど寝具がめくれ上がり足を冷やして眠れないことが改善され、就寝中、靴下を履いて足を温めて寝る必要が無くなり、靴下により足首部から足先部を必要以上に締め付けることも無くなる。
【0012】
また、ファスナーは前記ファスナーをふくらはぎ付近までスライダーで開放し折り返した裾延長部は、角部が弧状を形成する付近で前記スライダーによって係止されてずれ落ちを止める止め具として用いれば、前記裾延長部は止まり垂れ下がりを防止する効果がある。
【0013】
そして、前記裾延長部は歩行時など足先を覆う必要の無い時は裾を折り返し歩行に支障のない長さに設定され、リバーシブルとする生地を使用するとファッション性、見栄えなどよくなり部屋着としても活用でき、前記裾延長部は保温性を保つパイル地やボアなど生地を用いると、足先を覆うときは保温効果にすぐれ、足先端部を覆う必要の無い時は折り返し裾をまげると足首からふくらはぎ付近の折り返し部がズボンの裾部と二重に重なることにより、足首からふくらはぎ付近の保温効果が高まり、第二の心臓といわれるふくらはぎ付近の血流を促進するため、冷え性の改善にもつながる。
【0014】
また、前記裾延長部の機能を備える裾部を既存のパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部にホック、面状ファスナー、縫合などの手段により取り付け可能にすることにより、簡単に既存のパジャマを保温機能性衣類に改良する。
【0015】
それから、パジャマなど寝具として着用する衣服は、前記裾延長部の足先から腰部まで覆う部分を設け、前記裾延長部の足先から腰部まで全開閉自在なファスナーを取り付けることにより、病気のため介護される人や下半身を自力で動かすことに支障がある人などにも、脱ぎ着しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を実施例となる図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1に示すように本発明に係る足部分保温機能性衣類は、パジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部1において、足先まで覆う程度の長さを有する裾延長部4aと、保温のため前記裾延長部4aが閉鎖されるファスナー2と、前記ファスナー2は前記裾延長部4aの先端部から前記裾延長部4aの折り返し部3まで角部が弧状を形成される様に取り付けられる。
【0018】
ズボンの裾部1はパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの長さであり、裾延長部4aは足指先端部までをゆったり覆う長さとし、通常衣服のズボンの長さの20cm前後は必要とし、裾延長部4aを開閉するためのファスナー2の長さは先端部と折り返し部3までの長さで、40cm前後必要とし、ファスナー2は金属ファスナーや樹脂ファスナーなどを用いることも可能で、ファスナー用スライダー9は前記ファスナーを開閉するもので、裾延長部4a側と裾延長部4b側と表裏状態時どちらからでも開閉が容易にできるようにリバーシブルスライダーを用いるものであってもよい。
【0019】
図2は本発明に係る足部分保温機能性衣類の使用例を示し、前記裾延長部4aが足先端部を覆う必要の無い時はファスナー2を開放し折り返し部3付近で前記裾延長部4aは折り返され、角部が弧状を形成するふくらはぎ付近でファスナー用スライダー9を閉めることにより、折り返した裾延長部は垂れ下がらずとまり、前記裾延長部4bをリバーシブルの生地とした場合は、折り返した裾は見苦しくなくファッション性や見栄えよい部屋着となり、前記裾延長部4bにリバーシブルの生地として使用できる素材は、表裏と絵柄の違うものであってもよい。
【0020】
前記延長部4bは折り返したとき足首からふくらはぎ付近をズボンの裾部と二重に重なり、保温効果が高まり、冷え性の改善にもつながたるめ、使用する裾部の生地は、保温性にすぐれたパイル、ボアなどを用い、遠赤外線効果のある繊維など使用することも可能である。
【0021】
図3は本発明に係る足部分保温機能性衣類の取り付け可能な手段の一例を示し、図1及び図2に示す機能を備え、後づけ裾延長部5を用い既存のパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部7にテープなどに取り付けたボタン、面状ファスナーなどの手段を用いて上部接続部6aと、下部接続部6bを設けて取り外し可能にする事もでき、また既存のパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部7に上下接続部6a、6bを設けず、縫合し固定することもできる。
【0022】
図4は本発明に係る足部分保温機能性衣類の変形例を示し、図1及び図2に示す機能を備え、裾延長部の足先から腰部までを覆う部分を設け、前記裾延長部の先端部から腰部を覆う位置まで取り外し可能な全開閉自在なファスナー8を取り付け、足部分の前面が開閉でき、脱ぎ着しやすい構造にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例となる足部分保温機能性衣類の裾部の側面図である。
【図2】実施例となる足部分保温機能性衣類の裾部の使用例である。
【図3】実施例となる足部分保温機能性衣類の裾部の一例である。
【図4】実施例となる足部分保温機能性衣類の変形例である。
【符号の説明】
【0024】
1 裾部
2 ファスナー
3 折り返し部
4a 裾延長部
4b 裾延長部
5 後つけ裾延長部
6 接続部
7 既存の衣類
8 全開閉自在なファスナー
9 ファスナー用スライダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部において、足先まで覆う程度
の長さを有する裾延長部と、前記裾延長部の先端部から角部が弧状を形成される様に前記裾延長部の折り返し部付近までつながる開閉可能なファスナーが取り付けられたことを特徴とする足部分保温機能性衣類。
【請求項2】
請求項1に記載の足部分保温機能性衣類において、前記裾延長部はリバーシブルに使える生地を用いるとともに、前記裾延長部は保温性を保つ生地などを用い、前記裾延長部
を折り返したとき、足首からふくらはぎ付近までを覆うことを特徴とする足部分保温機能性衣類。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の足部分保温機能性衣類において、前記裾延長部の機能を備える裾部を、既存のパジャマなど寝具として着用する衣服のズボンの裾部に取り付け可能な手段用いてを設けたことを特徴とする足部分保温機能性衣類。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の足部分保温機能性衣類において、前記裾延長部に足先から腰部までを覆う部分を設け、前記裾延長部の足先から腰部まで連続するファスナーを取り付けたことを特徴とする足部分保温機能性衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−224440(P2007−224440A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44714(P2006−44714)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【特許番号】特許第3848359号(P3848359)
【特許公報発行日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(300007279)
【Fターム(参考)】