説明

路面冷却道路構造

【課題】ヒートアイランド現象に関連した路面の温度上昇を抑制する効果を持続させることができ、集中豪雨の際にも、道路の冠水を緩和させることができる路面冷却道路構造を提供する。
【解決手段】道路は、路床1と、路床上に設置される貯水槽2と、貯水槽2に支持される多数の貫通孔6を形成した舗装層4とより構成され、貯水槽2は舗装層4の幅方向両端部を支持する側壁8a、8bと、雨水を貯水する複数の貯水桝10と排水通路26からなり、路面に降った雨水を貫通孔6を通して貯水桝10に貯水する。各貯水桝10は、棚田状に形成され、高位の貯水桝より溢れ出た雨水が順次下位の貯水桝に流出し、側溝12に流れ込むようにされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等が走行する一般道や歩道、あるいは商店街、ビル街、建造物周辺の生活道路等の道路構造に関し、特にヒートアイランド現象更には集中豪雨に対する対策を図った路面冷却道路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等が走行する一般道の道路には、アスファルト舗装や、セメントコンクリート舗装があり、前者のアスファルト舗装では、路床上に路盤を敷設し、更にその上にアスファルト混合物を、表層にアスファルトを敷設した構造をなし、また後者のセメントコンクリート舗装では、路盤上にコンクリート盤を形成した構造をなしている。そして道路脇には、路面に降ったり、路面を流れる雨水を排水するための側溝が設けられている。
【0003】
一方、一般道以外の道路、例えば歩道では、路床或いは路床上の路盤に、雨水が浸透しやすい透水性コンクリートブロックを敷設したものが知られ、こうした歩道では、雨水は側溝を介さずに直接地下に浸透するようになっている。また道路や歩道等の路面に対しては、古くからの慣習で清涼感をもたらすために、或いは砂埃が立つのを抑制するために、打ち水や散水することも行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、温暖化、特にヒートアイランド現象の顕著化に伴い、路面の温度上昇を抑制する技術が求められている。側溝を備えた道路構造では、雨水は素早く側溝に流入するため、路面の水はけは良好であるものの、路面の水分が蒸発することによる昇温抑制効果が期待できるのは降雨時のみである。打ち水や散水時においても同様である。また、雨水或いは打ち水、散水等(打ち水や散水等を含めた雨水を以下、単に雨水等ということがある)が地下に浸透するタイプの道路構造では、路床や路盤がある程度貯水機能を発揮するため、ある程度の昇温抑制効果は期待できるものの、昇温抑制効果が持続しにくい。
【0005】
また近年、集中豪雨による冠水がしばしば生じている。降雨時には、前者のタイプの道路構造では、雨水は上述するように路面から側溝に流れ込んで排水されるが、側溝からの排水には限度があり、集中豪雨があると、排水しきれない雨水が溢れ出て道路が冠水するようになる。また、後者のタイプの道路構造でも、雨水が徐々に浸透するものであるため、雨水がなかなか地下に浸透できず、長期間にわたって冠水状態が持続するという事態を生ずることがある。
【0006】
本発明の目的は、路面の温度上昇を抑制する効果を長期間持続させることができ、しかも集中豪雨の際にも、雨水を素早く透過し、側溝以外の箇所に貯水できるようにして路面の冠水を生じにくくした路面冷却道路構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、路床と、路面から雨水等が透過する透水性のある舗装層或いは雨水等が通過する貫通孔を有する舗装層と、前記路床上に設置されるか、或いは舗装層の中間部に設置され、舗装層を透過した雨水等を受けて貯水する貯水槽とを有する路面冷却道路構造である。
【0008】
本発明において、路床には、従来の路床と同様の地面を均して固めたものを用いることができ、その上には必要に応じて防水シートを敷設してもよい。以下の発明の路床においても同様である。
【0009】
本発明で用いる透水性のある舗装層としては、雨水等を透過させることができるものであればよく、その種類を問わないが、敢えて例示すれば、車両等が走行する一般道の場合、路盤、例えば砂利、鉄鋼スラグ、砂等の下層路盤と、砕石等の上層路盤よりなる路盤、又は溝蓋等として用いられるグレーチング(このグレーチングには、上述する路盤の構成材を詰め込んでもよい)と、該路盤又はグレーチング上に敷設されるアスファルト混合物よりなる基層及びアスファルト表層を含む透水性のアスファルト層より構成されるか、或いは上記路盤又はグレーチングと、該路盤又はグレーチング上に形成される透水性のコンクリート層、例えば発泡コンクリート盤より構成されたものを挙げることができ、車両等の重量物が走行しない道路、例えば歩道では、透水性のアスファルト層、コンクリート層、コンクリートブロック等を挙げることができる。
【0010】
貫通孔を有する舗装層は、例えば鋼板、不透水性のコンクリート、アスファルト等で構成され、通常、例えば歩道のように車両等が走行する一般道以外の道路に用いられるが、一般道に用いることもできる。
貯水槽は、コンクリートで形成されるが、鋼板で形成してもよい。また有底であっても、無底であってもよいが、無底である場合には、路床上に防水シートが敷設される。
【0011】
貯水槽はまた、一ないし複数の貯水桝より構成されていてもよい。貯水槽を複数の貯水桝で構成する場合、各貯水桝の配置の仕方は特に限定されず、例えば、箱型の貯水桝を道路の長さ方向及び幅方向に並設してもよいし、道路の幅と略一致する幅ないし長さを有する貯水桝を道路の長さ方向に一列に並設してもよく、また貯水槽を仕切りにより仕切って複数の貯水桝を形成するようにしてもよい。
【0012】
第2の発明は、第1の発明の路面冷却道路構造において、前記舗装層に沿って延設される側溝を有し、前記貯水槽には、該貯水槽内の水を前記側溝に徐々に排出する排水孔が、好ましくは貯水槽下部端に形成される路面冷却道路構造である。
【0013】
本発明において、水を徐々に排出する排出孔としては、例えば径を小さくした排水孔、絞り弁やスクリーンを備えた排水孔を例示することができる。
【0014】
貯水槽が複数の貯水桝により構成され、各貯水桝に排水孔を設ける場合には、各排水孔は、高さを一定にし、各貯水桝での水位が一定となるようにしてもよいし、また排水孔の高さを貯水桝間で段階的に変化させ、貯水桝の水位が段階的に異なるようにしてもよい(図4参照)。なお、側溝は、道路の片側のみに設けてもよいし、道路の両側に設けてもよい。
【0015】
第3の発明は、第1の発明の路面冷却道路構造において、前記舗装層に沿って延設される側溝を有し、前記貯水槽が複数の貯水桝より構成されると共に、各貯水桝が前記側溝に向かって高さが順に低くなる棚田状に設けられ、上位の貯水桝から溢れ出た水が、順次、下位の貯水桝に流出し、最下位の貯水桝から溢れ出た水が前記側溝に流れ込むように構成された路面冷却道路構造である。
【0016】
本発明において、貯水桝は、道路の幅方向一端に設けた側溝に向けて段階的に高さが低くなるように構成してもよいし(図2参照)、例えば幅方向中央の貯水桝を最も高くし、幅方向両端の側溝に近づくほど貯水桝の高さが低くなるような構成としてもよい(図5参照)。貯水桝の高さを棚田状に変化させる場合には、各貯水桝の容量が等しくなるように貯水桝の深さを段階的に変化させてもよい。すなわち、高さが低くなる貯水桝ほど深さを深くしてもよい。
【0017】
第4の発明は、路床と、路面から雨水等が透過する透水性のある舗装層或いは雨水等が通過する貫通孔を有する舗装層と、該舗装層に沿って延設される側溝と、前記路床上に設置されるか、或いは舗装層の中間に設置され、該舗装層を透過した雨水等を受け、該雨水等が前記側溝に達するまで、蛇行ないしジグザグ状に流す排水溝とを有する路面冷却道路構造である。
本発明の路床や舗装層には、第1の発明における路床や舗装層と同様のものを用いることができる。
【0018】
本発明の排水溝は、段差のない連続した流路であってもよいが、途中の1ないし数箇所に段差を設けるのが好ましい、雨水等が段差を落下する際、空気との接触面積が増えて、雨水等の気化が促進され、これにより冷却効果がより向上するようになる。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によると、貯水槽内に水がある限り、水が蒸発し、蒸発に際して奪われる気化熱によって貯水槽上の舗装層の昇温を抑制する効果を挙げることができること、集中豪雨時には路面から雨水が上記貯水槽内に流入するから、路面での冠水を緩和させることができること等の効果を有し、また貫通孔を形成した舗装層にあっては、路面から貯水槽への水の移動速度を早めることができ、このため路面の水はけがよくなると共に、集中豪雨の際には、短時間のうちに雨水を貯水槽に導くことが可能となり、冠水を短時間で解消することができる。
【0020】
第2の発明によると、排水孔から水が少しずつでも排出されるから、貯水槽に常時空き容量がある状態にすることができ、空き容量があることにより、集中豪雨の際にも、雨水が一気に側溝に流れ込むのではなく、相当量の雨水を一旦貯水槽に貯えることができ、側溝に急激に多量の雨水が流れ込むことに起因した側溝のオーバーフローを防止する一端を担うことができる。特に、道路の片側のみに側溝を設ける場合は、道路の両側に側溝を設ける場合に比べると、一つの側溝に流れ込む雨水の量が多くなるので、本発明を適用してオーバーフローを防止するのに有効である。また、貯水槽に貯まった水は、少しずつでも排出され、貯水槽の水が長期間溜められることによる腐食を防止することができ衛生的である。
【0021】
第3の発明によると、貯水槽を構成する貯水桝が棚田状をなして段差を有することにより貯水桝と一定厚みの舗装層との間には通常、空間が形成されるようになるが、この空間は日の当らない暗室空間となるため、温度上昇が少なくなり、しかも暗室空間の断熱効果により舗装層が太陽熱等を吸収する際にも貯水槽内の水温が上昇しにくく、貯水槽内の比較的低温の水や水が蒸発する際に奪われる気化熱によって上記空間が低温に保たれるから、該空間を介して貯水槽上の舗装層を裏面側から冷やすことができ、このため、路面の水はけを確保しながらも、貯水槽上の舗装層の温度上昇を抑制することができること、集中豪雨を生じたときには、相当量の雨水が上記空間に流入し、貯水槽に貯水されて道路上の冠水を緩和させることができること、貯水桝が棚田状をなすことにより、各貯水桝から溢れ出た雨水は順次下位の貯水桝に流出し、側溝に排水されるが、貯水桝間を流れ渡る水の流れが形成されるから、水の流れが形成されない場合に比べると、水の流れにより気化が促進されて上記暗室空間の冷却効果を高め、舗装層の昇温抑制効果を高めることができること等の効果を奏する。
【0022】
第4の発明によると、舗装層を透過した雨水等は側溝に流れ落ち、側溝を蛇行ないしジグザグ状に流れて排水溝に達し排水されるようになり、雨水等に流れを生じさせることにより気化が促進され、舗装層の昇温抑制効果を高めることができる。とくに排水溝に段差を設けて水を落下させるようにすれば、気化がより一層促進され、舗装層の昇温抑制効果をより一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態による路面冷却道路構造を模式的に示した概略図である。地面をつき固めた路床1上には、図示しない防水シートを介してコンクリート製の貯水槽2が設置され、貯水槽2上に、歩道を構成するコンクリート製の舗装層4が敷設されている。舗装層4には、全体に多数の貫通孔6が均一に分布して形成されている。貯水槽2は、舗装層4の貫通孔6から流入する雨水等を貯水する複数の貯水桝10と後述の排水通路26からなり、貯水槽2を構成する側壁8a及び8bが舗装層4の幅方向両側端部を支持している。
【0024】
歩道の幅方向一端側(図1の右端側)には、歩道に沿って延在する側溝12が設けられ、側溝12は上部開口が、溝蓋14により閉塞されて暗渠となっている。なお、歩道の幅方向他端側(図1の左端側)には、境界ブロック16を挟んで歩道と平行に車道18が設けられている。
【0025】
上記各貯水桝10は、貯水槽2を歩道の幅方向及び長さ方向に仕切る仕切り20、22、24及び11によって仕切られ、それぞれ平面視において矩形状をなしている。そして歩道の長さ方向に連接する各貯水桝10は、高さは等しいが、歩道の幅方向に関しては、貯水桝10が棚田状をなすように、歩道の幅方向一端側(図1の左端側)から他端側(図1の右端側)に向かって、貯水桝10の高さが階段状に低くなっている。
【0026】
詳細には、一端側の第1の仕切壁20の高さは側壁8aの高さよりも低く、中央の第2の仕切壁22の高さは第1の仕切壁20の高さよりも低く、他端側の第3の仕切壁24の高さは第2の仕切壁22の高さよりも低くなっている。
【0027】
貯水槽2の幅方向他端の側壁8bは第3の仕切壁24と共に排水通路26を構成し、この排水通路26は、下方に傾斜した排水路28によって上記側溝に通じている。なお、図1には、一つの排水路28のみを示すが、同様の排水路が、歩道の長さ方向に適宜間隔をあけて複数設けられている。
【0028】
図2は、上記舗装層4及び貯水槽2の断面図である。路面に降った雨水、或いは路面にまかれた打ち水や散水等の雨水等は、舗装層4の貫通孔6から流入して貯水槽2の各貯水桝10に貯水される。貯水槽2の階段状をなす貯水桝10と舗装層4との間には暗室空間Sよりなる断熱空間が確保されているので、舗装層4が日中に太陽熱を吸収する際にも各貯水桝10内の水の温度は上昇しにくく、貯水桝10に貯まった水が気化することに加え、各貯水桝10内の水が溢れて流れ出すことにより、気化がより一層促進され、この際気化熱を奪うことにより暗室空間Sが低温に保たれる。このため、路面の水はけを良好なものとしながら、舗装層4が冷却され、この結果、日中における舗装層4の蓄熱を抑えることができ、舗装層4が日中に蓄積した熱を夜間に放出することに起因するヒートアイランド現象を緩和することができる。なお、各貯水桝10に水が貯えられている限り、舗装層4の温度上昇を抑える効果を持続させることができる。
【0029】
降雨時、ことに集中豪雨のような大雨のときには、各貯水桝10が満杯になることがあるが、貯水桝10は棚田状をなすように構成されていることから、各貯水桝10の容量を超える雨水等が流れ込むと、一つの貯水桝10から溢れ出た水は、側溝12に向かう流れを生ずる。
【0030】
即ち、図2の矢印で示すように、幅方向一端側の貯水桝10から溢れた水は第1の仕切壁20の上端面を伝って幅方向中央の貯水桝10に流れ落ち、幅方向中央の貯水桝10から溢れた水は第2の仕切壁22の上端面を伝って幅方向他端側の貯水桝10に流れ落ちる。最下段、即ち幅方向他端側の貯水桝10から溢れた水は、排水通路26及び排水路28を通って、側溝12(図1参照)に排水される。
【0031】
このように、貯水桝10が棚田状をなした構成とすることにより、各貯水桝10から溢れた水をスムーズに側溝12側に排水することができるが、集中豪雨の時のように、雨水が多量に流入したときには、暗室空間Sまで水が満たされるようになり、路面上の多量の雨水を吸収して道路上の冠水を緩和させることができる。
【0032】
また、貯水桝10に空き容量がない状態で降雨があるときには、貯水桝10間を流れる水の流れが形成されるから、その流れによって気化が従進され、これにより暗室空間Sの冷却効果を高め、舗装層4の温度上昇を抑制することができる。
【0033】
図3は、舗装層4及び貯水槽2の別の例の断面図である。第1〜第3の仕切壁20、22、及び24には、それぞれ底面近くに第1〜第3の小径の貫通孔30、32、及び34が形成されている。このため、各貯水桝10に貯まる水が、排水通路26及び排水路28を通して、図1に示す側溝12に徐々に排水され、各貯水桝10には常に空き容量がある状態となるようにしている。
【0034】
以上のように各貯水桝10に、第1〜第3の貫通孔30、32及び34を形成したことにより、各貯水桝10に貯水される水が流れて排水されるので、貯水桝内の水が澱んで腐食するのを防止することができる。
【0035】
本実施形態によると、各貯水桝10に空き容量がある状態では、例え集中豪雨があっても舗装層4の貫通孔6より流入した雨水は一旦各貯水桝10の空き領域に貯えられるようになり、図1に示す側溝12に急激に多量の雨水が流れ込むことに起因した側溝のオーバーフローを防止することができる。特に、図1に示したように、側溝12を歩道の片側のみに設ける場合は、歩道の両側に側溝を設ける場合に比べて、一つの側溝12に流れ込む雨水の量が多くなりやすいので、貯水桝10によって、側溝12への急激な雨水の流れを緩和することができる。
【0036】
なお、集中豪雨により多量の雨水が流入したり、梅雨時のように降雨が続き、貫通孔30、32、又は34からの排水量よりも、貯水桝10への流入量が多い状態が継続すると、図2に示したように、各貯水桝10から溢れ出る水の流れが形成されるようになる。
【0037】
図4は、舗装層4及び貯水槽2の更に別の例の断面図で、第1〜第3の貫通孔30、32、及び34の高さを、排水通路26に向かって順に低くしてある。これにより、各貯水桝10の水位レベルも排水通路26に向かって順に低くなる。
【0038】
図5は、更に別の例の断面図で、幅方向中央部の貯水桝10の貯水レベルを最も高くし、その両側の貯水桝10の貯水レベルを中央の貯水桝10の貯水レベルよりも低くなるように形成することにより、棚田を構成したものである。この例では、貯水桝10から溢れた水が歩道の幅方向両側に流れるので、側溝12が歩道の両側に配置されるものに適用される。
【0039】
図6(a)及び(b)に示す舗装層は、上記舗装層4の別の態様を示すもので、コンクリート製の基盤50に矩形状の貫通孔52を縦横に一定間隔で形成し、各貫通孔52の開口四隅に矩形のタイル54を取付けてタイル間に貫通孔52の十字形の開口を形成し、タイル上を歩行できるようにしたものである。タイル54を取付けたことにより、各貫通孔52の開口サイズを制限して安全性を確保するとともに、意匠的効果の向上を図ることができる。
【0040】
図7は、上述の貯水槽2に代えて設けられる排出溝40について示すもので、流路41をジグザグに形成して図8に示すように高低差を設け、舗装層4より流入する雨水等を流路41にジグザグに流して側溝12に排出するようにしている。
【0041】
本実施形態によると、舗装層4から流入した雨水は、滞ることなく、ジグザグに下流側に流れるため、水の貯水による腐食を生ずることがないし、水の流れにより気化が促進され、舗装層4との間の暗室空間の冷却効果を促進させることができる。気化をより一層促進させるために流路41には1ないし複数か所に段差を設けておくのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施形態による路面冷却道路構造の模式図。
【図2】上記路面冷却道路構造の断面図。
【図3】同路面冷却道路構造の断面図。
【図4】同路面冷却道路構造の断面図。
【図5】同路面冷却道路構造の概略図。
【図6】(a)は路盤体の平面図、(b)は(a)のA−A線断面図。
【図7】排水溝の概略平面図。
【図8】同断面図。
【符号の説明】
【0043】
1・・路床
2・・貯水槽
4・・舗装層
6・・貫通孔
8a,8b・・側壁
10・・貯水桝
12・・側溝
14・・溝蓋
16・・境界ブロック
18・・車道
20・・第1の仕切壁
22・・第2の仕切壁
24・・第3の仕切壁
26・・排水通路
28・・排水路
30・・第1の貫通孔
32・・第2の貫通孔
34・・第3の貫通孔
40・・排出溝
41・・流路
50・・基盤
52・・貫通孔
54・・タイル
S・・暗室空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路床と、路面から雨水等が透過する透水性のある舗装層或いは雨水等が通過する貫通孔を有する舗装層と、前記路床上に設置されるか、或いは舗装層の中間に設置され、舗装層を透過した雨水等を受けて貯水する貯水槽とを有する路面冷却道路構造。
【請求項2】
前記舗装層に沿って延設される側溝を有し、前記貯水槽には、該貯水槽内の水を前記側溝に徐々に排出する排水孔が形成される請求項1記載の路面冷却道路構造。
【請求項3】
前記舗装層に沿って延設される側溝を有し、前記貯水槽が複数の貯水桝より構成されると共に、各貯水桝が前記側溝に向かって高さが順に低くなる棚田状に設けられ、上位の貯水桝から溢れ出た水が、順次、下位の貯水桝に流出し、最下位の貯水桝から溢れ出た水が前記側溝に流れ込むように構成された請求項1記載の路面冷却道路構造。
【請求項4】
路床と、路面から雨水等が透過する透水性のある舗装層或いは雨水等が通過する貫通孔を有する舗装層と、該舗装層に沿って延設される側溝と、前記路床上に設置されるか、或いは舗装層の中間に設置され、該舗装層を透過した雨水等を受け、該雨水等が前記側溝に達するまで、蛇行ないしジグザグ状に流す排水溝とを有する路面冷却道路構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−51462(P2007−51462A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237053(P2005−237053)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000133294)株式会社ダイクレ (65)
【出願人】(505312338)株式会社カムイネット (6)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】