説明

路面排水性測定装置および路面排水性測定車

【課題】本発明は、路面の排水性を測定する路面排水性測定装置、および路面排水性測定装置が搭載され路面上を走行して路面の排水性を測定する路面排水性測定車に関し、小型でかつ良好なS/Nの測定を行なう。
【解決手段】一面が開口し内壁面が吸音材12で覆われてなる遮音箱10、パルス音を、開口11に向けて遮音箱内に放つスピーカ13、遮音箱内の、スピーカと開口との途中位置に配備され、スピーカから発せられた、路面に到達する前の直接音と、スピーカから発せられて開口から出射し路面で反射して開口から入射した反射音との双方のパルス音を検出するマイクロホン14、および直接音と反射音それぞれの、5kHz以上40kHz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部の周波数帯域の信号に基づいて、路面の排水性の指標となる値を求める。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水性舗装の性能を測定する路面排水性測定装置、および路面排水性測定装置が搭載され路面上を走行して排水性舗装の性能を測定する路面排水性測定車に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、道路舗装において排水性舗装が積極的に採用されている。排水性舗装は空隙(すきま)が多く、高い排水性を持つ舗装である。雨天時の水はけが良く、良好な視界を確保できるため走行時の安全性が高く、低騒音効果もあるという優れた特徴を持っている。
【0003】しかしながら交通荷重による空隙つぶれや、空隙にごみが堆積して詰まりが発生する。つぶれや詰まりが発生すると水はけが悪くなり、スリップ事故や視界不良による事故発生の可能性が増大し、騒音の面では道路周辺住民に対する環境騒音の上昇を招く。
【0004】排水性舗装の排水性能の検査は対象区間を交通規制した上で、専用の試験器具を路面に固定・設置し、一定量の水を流し、その流下時間で機能を評価するのが一般的である。検査する地点が限定される上に時間を要し、さらに安全性や円滑な交通確保の点で課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記から、適切な時期に適切な箇所の補修を行えるよう、連続的に長区間にわたって排水性舗装の性能劣化の有無と発生箇所を測定する装置が必要とされている。排水性舗装は空隙が多いため良好な排水性と走行騒音の低減効果を持っている。走行騒音の低減は音が空隙の内部に入り込み吸音されること、タイヤの窪み部分での空気の圧縮・膨張の程度が低減されることなどによるものであることが知られている。また、良好な排水性は空隙を伝わって排水される能力が高いことである。これらのことから空隙の状態と関係する排水性と騒音の相互の関係に着目し、路面の各部分の局所的な吸音率を測定することにより排水性の劣化を検出する試みがなされている。
【0006】例えば特許第2559658号公報には、5kHz以下の可聴周波数の音と拡散音場を用いて路面の吸音率を測定する技術が開示されている。しかしながら、この場合、拡散音場内で5kHz以下の音の音圧分布を均一にする必要があるため反射性の壁を持った大容量の箱体を必要とし、その箱体を含めたセンサが極めて大きくなり、自動車への搭載が大変であり、搭載しようとする自動車の改造や補強等にも多額の費用がかかることになる。
【0007】また、そのようなセンサを搭載した自動車を走行させて路面の排水性を測定する場合、自分のタイヤの走行音等が雑音として混入することになるが、その雑音に打ち勝って良好なS/Nの測定結果を得ようとすると例えば100dB程度の大音量の音を発生させる必要がある。その場合、周囲に大騒音を与えながら走行する結果となり好ましくない。また、路面の排水性を測定するに当っては、路面上の、タイヤにより押しつぶされる機会の激しいわだち部とそのような機会の少ない中央部とに分けて測定することが好ましいが、上記公報に提案された技術の場合、箱体を含めたセンサがきわめて大型にならざるを得ないことから、その公報にはわだち部と中央部とに分けて測定する別の手段、すなわち、それらわだち部と中央部の路面の凹凸をレーザ光を用いて測定する手段も開示されている。
【0008】ここで、上記の欠点を解決する可能性のある技術が特開2000−046803号公報に開示されている。この公報には、スピーカでパルス音を発生し路面に到達する前の直接音と、路面で反射して戻ってきた反射音をマイクロホンで検出し、それら直接音と反射音の、比較的に高周波の成分に基づいて排水性の情報を得る技術が提案されている。
【0009】しかしながら、この公報には、原理的な提案があるだけであって、具体的にどのように構成すれば、小型であって、しかもS/Nの良好な測定を行なうことができるか、という点については示されていない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑み、小型でかつ良好なS/Nの測定を行なうことができる路面排水性測定装置、およびそのような路面排水性測定装置が搭載された路面排水性測定車を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の路面排水性測定装置は、一面が開口し内壁面が吸音材で覆われてなる遮音箱、所定のパルス信号を生成する信号発生器、上記信号発生器で生成されたパルス信号をパルス音に変換して、パルス音を、上記開口に向けて上記遮音箱内に放つスピーカ、上記遮音箱内の、上記スピーカと上記開口との途中位置に配備され、スピーカから発せられた、路面に到達する前の直接音と、スピーカから発せられて開口から出射し路面で反射して開口から入射した反射音との双方のパルス音を検出する音センサ、および音センサで検出された直接音と反射音とを別々に抽出しこれら直接音と反射音の、それぞれ5kHz以上40kHz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部の周波数帯域の信号に基づいて、路面の排水性の指標となる値を求める信号分析器とを備えたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の路面排水性測定車は、路面上を走行して路面の排水性を測定する路面排水性測定車において、一面が開口し内壁面が吸音材で覆われてなる遮音箱、所定のパルス信号を生成する信号発生器、上記信号発生器で生成されたパルス信号をパルス音に変換して、そのパルス音を、上記開口に向けて遮音箱内に放つスピーカ、上記遮音箱内の、上記スピーカと上記開口との途中位置に配備され、スピーカから発せられた、路面に到達する前の直接音と、スピーカから発せられて開口から出射し路面で反射して開口から入射した反射音との双方のパルス音を検出する音センサ、および音センサで検出された直接音と反射音とを別々に抽出しこれら直接音と反射音の、それぞれ5kHz以上40kHz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部の周波数帯域の信号に基づいて、路面の排水性の指標となる値を求める信号分析器とを備えた路面排水性測定装置が搭載され、上記遮音箱が、その開口を路面に向けて固定されてなることを特徴とする。
【0013】本発明の路面排水性測定装置および路面排水性測定車は、5kHz以上40kHz以下の音を用いるため、自由音場を形成するために遮音箱内壁に張る吸音材の厚みを薄くする事ができる。また、センサ内壁とマイクロホン間の距離も狭めることができるため、小型の遮音箱で済み遮音箱を含むセンサを小型化することができる。またその遮音箱の内壁面を吸音材で覆っており、しかもパルス音を用いているため周囲への騒音が防止されるとともに周囲の雑音の影響も大きく低減される。しかもパルス音であることから周囲への騒音を防止しつつ音圧を上げることができ、内壁面が吸音材で覆われた遮音箱を採用したことと相まって、高いS/Nの信号を得ることができる。また、遮音箱を含むセンサが小型で済むため、路面の、わだち部と中央部を別々に分けて測定することも可能である。
【0014】ここで、上記本発明の路面排水性測定車において、遮音箱内壁面を覆う吸音材は、5kHz以上の周波数の音に対する吸音率が0.8以上のものであることが好ましく、その吸音率が0.9以上であることがさらに好ましい。
【0015】吸音率が0.8以上であれば自由音場を形成してセンサ内壁からの余計な反射音の影響が無視できるようになり、良好な測定精度を得ることができ、その吸音率が0.9以上であればさらにその測定精度の向上を期待することができる。
【0016】また上記本発明の路面排水性測定車において、上記スピーカは、そのスピーカから発せられ上記音センサで検出される直接音のピーク音圧が90dB以上となる音圧レベルのパルス音を放つものであることが好ましく、そのピーク音圧が100dB以上であることがさらに好ましい。
【0017】ピーク音圧が90dB以上であれば周囲に雑音があってもほぼ良好な測定を行なうことができ、100dB以上であればさらにそのS/Nを向上させることができる。
【0018】さらに、上記本発明の路面排水性測定車において、上記遮音箱は、水平方向の寸法が600mm以下のものであることが好ましい。
【0019】本発明では、5kHz以上の周波数の音を採用しており、遮音箱の水平方向の寸法を600mm以下にまで小型化することができ、この程度の寸法とすることにより、自動車の、路面排水性測定装置搭載のための改造も容易となり、また、わだち部と中央部とに分けて測定することも可能となる。
【0020】さらに、上記本発明の路面排水性測定車において、上記音センサは、遮音箱内であって、かつ、停車時における路面との距離が800mm以下となる位置に配備されたものであることが好ましい。
【0021】本発明では、高さ方向についても音センサをこの程度以下にまで路面に近づけ、遮音箱を小型化することが可能である。
【0022】また、上記本発明の路面排水性測定車において、上記路面排水性装置は、上記信号分析器で得られた、路面の排水性の指標となる値を記憶する記憶部を備えたものであることが好ましく、その場合に、この路面排水性測定車に備えた上記路面排水性測定装置が、所定距離間隔あるいは所定時間間隔で繰り返し測定が行なわれるように制御する測定タイミング制御手段を備え、上記記憶部は、順次繰り返し測定することにより得られた、複数の、路面の排水性を指標する値を記憶するものであることが好ましい。
【0023】こうすることにより、走行しながら測定を行ない、後になって路面の各部分の排水性を分析することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。
【0025】図1は、本発明の路面排水性測定装置の一実施形態が搭載された路面排水性測定車の一実施形態を示す模式図である。
【0026】この路面排水性測定車100の後輪101のさらに後部に、路面排水性測定装置を構成する遮音箱10が固定されている。この遮音箱10は、詳細は後述するが、その下面に、路面200に対向する開口11を有する。さらに、この路面排水性測定車100の前輪103のさらに前側にエンジン104が備えられており、そのエンジン104からの排気ガスは、マフラ105を経由し、横向きの排気管106から排気されるようになっている。排気管106を横向きにしたのは、遮音箱10の内部に配備された音センサに雑音が混入するのを避けるためである。
【0027】図2は、図1に示す路面排水性測定車100の後部に固定された遮音箱10の断面図である。
【0028】遮音箱10の、路面に対面する下面には、開口11が形成されており、その遮音箱10の内壁面には吸音材12が貼り付けられている。ここでは吸音材12として40mm厚の連続発泡ウレタンが採用されており、5kHz以上の周波数の音に対しては0.9以上の吸音率を有する。
【0029】この遮音箱10の水平方向の寸法は600mmである。すなわち、遮音箱10は上から見たときに正方形を有しており、その正方形の一辺の長さが600mmである。このほか、上から見たときに直径600mm以下の円形の遮音箱を採用してもよい。
【0030】また、この遮音箱10の上面にはスピーカ13が下向きに嵌め込まれている。このスピーカ13は5kHz〜40kHzの周波数の音を発生することのできるトゥイータスピーカである。このスピーカ13から音が発せられると、その音は遮音箱10の内部を通り、開口11を通って路面200に至る。
【0031】図2に示す遮音箱10内の、スピーカ13の下部には、路面排水性測定車100が停止している状態で路面200から570mmの高さ位置にマイクロホン14が取付具15により固定されている。
【0032】スピーカ13からは、後述するようにしてパルス音が発せられるが、このスピーカ13から発せられたパルス音は、先ず直接にマイクロホン14により直接音として検出され、その後開口11を通って路面200に至り、その路面200で反射して開口11から再び遮音箱10内に入った反射音がマイクロホン14で検出される。
【0033】図3は、図1,図2に示す路面排水性測定車に搭載された路面排水性測定装置のブロック図である。
【0034】路面排水性測定車の距離計から、例えば走行距離1mにつき1パルスの同期信号をもらい、インパルススピーカドライバ21ではその同期信号に同期させて、スピーカ13を、インパルス的に駆動する。このインパルススピーカドライバ21は5kHz以上の必要な周波数帯域だけの駆動インパルスを発生させるものであり、スピーカ1からは必要な帯域のみのパルス音が出力さる。このパルス音は、可聴周波数以内であってもかなりの高周波であり、あるいは可聴周波数を越えた高周波であり、外部への音公害は、ほとんど気にならない程度にまで低減されている。
【0035】スピーカ13から発せられたパルス音は、先ず直接に(これを直接音と称する)、さらに路面で反射して(これを反射音と称する)、マイクロホン14により検出される。このパルス音は、マイクロホン14で検出される直接音が、110dB程度のピーク音圧を有し、このため混入する雑音を抑え良好なS/Nの信号検出を可能としている。マイクロホン14での検出により得られた直接音および反射音を表す信号はマイクアンプ22で増幅され前置フィルタ23により必要な周波数帯域成分のみ抽出されて信号処理ユニット24に入力される。同期信号はこの信号処理ユニット24にも入力され、この信号処理ユニット24では、FFT(Fast Fourier Transform)等の演算が行なわれ、直接音を基準としたときの反射音の減衰率が求められ、この減衰率自体からなる、あるいはこの減衰率から求めた路面の排水性を指標する値がコンピュータ40に送信される。
【0036】コンピュータ40では、信号処理ユニット24から送られてきた、排水性を指標する値と、距離計の位置情報とを対応づけてメモリ41に履歴情報として記録する。
【0037】以上の処理は、同期信号に同期して、例えば走行距離1mごとに行なわれ、メモリ41には多数のデータが蓄積される。このメモリ41に蓄積されたデータは、後で、路面の排水性の不良箇所の検出に用いられる。
【0038】図4は、マイクロホン14で検出される直接音と反射音の模式図である。
【0039】ここでは、スピーカ13からパルス音が発せられるため、マイクロホン14を図2に示すように路面から570mmに近づけても、直接音(A)と反射音(B)とを十分に分離することができる。
【0040】この直接音(A)と反射音(B)は、上述したように、図3の信号処理ユニット24に入力され、その信号処理ユニット24でFFT解析等が行なわれ、所定の周波数領域での減衰率が求められる。
【0041】次に、スピーカとマイクロホンの配置関係について説明する。
【0042】図5〜図8は、スピーカとマイクロホンの配置を示した平面図である。
【0043】上下方向に関しては、いずれの場合も、図2R>2に示す例と同様に、スピーカは図2に示す遮音箱10の上部にあり、マイクロホンは、遮音箱10の内部の、スピーカよりも下部の位置かつ路面から570mm上がった位置に配備されており、したがってここでは上から見たときのスピーカとマイクロホンの位置関係について説明する。
【0044】図5は、図2にも示す基本的な例であり、遮音箱10の中央にスピーカ13が配置されるとともに上から見たときのスピーカ13の中央にマイクロホン14が配備されている。
【0045】図6は、4個のスピーカ13a,13b,13c,13dを均等に配置し、上から見たときの中央にマイクロホン14を配備した例である。こうすることによりパルス音の音圧を上げることができ、S/Nのさらなる改善に役立つ。
【0046】図6は、遮音箱10の中央に1個のスピーカ13を配置するとともに、上から見たときのスピーカ13の中央に4つのマイクロホン14a,14b,14c,14dをまとめて配置した例であり、図7は、遮音箱の中央に1個のスピーカ13を配置するとともに上から見たときのスピーカ13の中央に1つのマイクロホン14aを配置するとともに、上から見たときの遮音箱10の4隅に近い位置に1つずつのマイクロホン14a,14b,14c,14dを配置した例である。
【0047】複数のマイクロホンを配置したときはそれら複数のマイクロホンで検出された直接音、反射音が、直接音どうし、反射音どうしで加算(平均化)される。こうすることにより、データをより安定させることができる。
【0048】図9,図10は、路面排水性測定車に対する路面排水性測定装置の遮音箱の配置例を示す図である。前後方向については、ここでは問題としておらず、例えば図1に示すように後輪のさらに後部に配置されている。
【0049】図9は路面排水性測定車100の左右方向に関し中央部に1つの遮音箱10を固定した例、図10は路面排水性測定車100の左右方向に関し、中央部に1つの遮音箱10aが固定するとともに、その左右の、路面排水性測定車100で路面を走行したときのわだち部に相当する位置に1つずつの遮音箱10b,10cが固定した例である。
【0050】ここでは、最低周波数であっても5kHzの音を採用しており、したがって寸法の小さな遮音箱で済み、図10に示すようにわだち部と中央部とに分けて同時に測定することも可能である。
【0051】
【表1】


【0052】表1は、同一路面上のわだち部と中央部における5kHz−8kHz,10kHz−16kHz,および20kHz−31.5kHzの各周波数帯域の、直接音に対する反射音の減衰率、およびわだち部と中央部の、減衰率どうしの変化率を示した表である。この減衰率は、値が小さいほど大きく減衰していることを表わし、変化率は、値が1.00から離れるにしたがって中央部の減衰率に対しわだち部の減衰率が大きく変化していることをあらわしている。
【0053】この表1は、中央部よりもわだち部の方が値が大きく、減衰が少ないことをあらわしている。これは、わだち部は中央部と比べ細かい空隙がつぶれており排水性が悪いことを意味している。また、周波数が高い方が中央部に比べわだち部の変化が大きくあらわれている。これは、タイヤ走行によるセルフクリーニングが行われにくい中央部が、わだち部と比較し、ほこり・ゴムかすなどが空隙に詰まったままになり、より高い周波数の音を吸収していることによる。このように周波数帯域により、路面の複合した情報を得ることも可能であり、その点も考慮し周波数帯域を決定することが好ましい。
【0054】ところで、実際に音響センサから得られる値は、車両速度の変化にはごく微妙に、車両高の変化には多少の影響を受ける。平均化を行うことによりこの影響を取り除き十分な精度を確保することができるが、本システムに車両の速度を検知するセンサならびにセンサ部の対路面からの距離を測る車高計を追加し、その信号を解析装置に取りこみ、車両速度ならびに車両高さによる補正を音響センサによって得られた値に加えることにより、さらに測定精度を向上する事が可能である。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明により、空隙つぶれや詰まりによる排水性舗装の性能低下の有無を他の交通を妨げずに走行しながら則定することができるようになり、排水性舗装の効率的な性能回復を支援することができる。このため、道路ユーザや周辺住民へ快適で安全な道路交通環境を提供・保全することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面排水性測定装置の一実施形態が搭載された路面排水性測定車の一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1に示す路面排水性測定車の後部に固定された遮音箱の断面図である。
【図3】路面排水性測定車に搭載された路面排水性測定装置のブロック図である。
【図4】マイクロホンで検出される直接音と反射音の模式図である。
【図5】スピーカとマイクロホンの配置を示した平面図である。
【図6】スピーカとマイクロホンの配置を示した平面図である。
【図7】スピーカとマイクロホンの配置を示した平面図である。
【図8】スピーカとマイクロホンの配置を示した平面図である。
【図9】路面排水性測定車に対する路面排水性測定装置の遮音箱の配置例を示す図である。
【図10】路面排水性測定車に対する路面排水性測定装置の遮音箱の配置例を示す図である。
【符号の説明】
10 遮音箱
11 開口
12 吸音材
13a,13b,13c,13d スピーカ
14a,14b,14c,14d マイクロホン
15 取付具
21 インパルススピーカドライバ
22 マイクアンプ
23 前置フィルタ
24 信号処理ユニット
40 コンピュータ
41 メモリ
100 路面排水性測定車
101 後輪
102 ルーフ
103 前車
104 エンジン
105 マフラ
106 排気管
200 路面

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一面が開口し内壁面が吸音材で覆われてなる遮音箱、所定のパルス信号を生成する信号発生器、前記信号発生器で生成されたパルス信号をパルス音に変換して、該パルス音を、前記開口に向けて前記遮音箱内に放つスピーカ、前記遮音箱内の、前記スピーカと前記開口との途中位置に配備され、前記スピーカから発せられた、路面に到達する前の直接音と、前記スピーカから発せられて前記開口から出射し路面で反射して前記開口から入射した反射音との双方のパルス音を検出する音センサ、および前記音センサで検出された直接音と反射音とを別々に抽出しこれら直接音と反射音の、それぞれ5kHz以上40kHz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部の周波数帯域の信号に基づいて、路面の排水性の指標となる値を求める信号分析器とを備えたことを特徴とする路面排水性測定装置。
【請求項2】 路面上を走行して該路面の排水性を測定する路面排水性測定車において、一面が開口し内壁面が吸音材で覆われてなる遮音箱、所定のパルス信号を生成する信号発生器、前記信号発生器で生成されたパルス信号をパルス音に変換して、該パルス音を、前記開口に向けて前記遮音箱内に放つスピーカ、前記遮音箱内の、前記スピーカと前記開口との途中位置に配備され、前記スピーカから発せられた、路面に到達する前の直接音と、前記スピーカから発せられて前記開口から出射し路面で反射して前記開口から入射した反射音との双方のパルス音を検出する音センサ、および前記音センサで検出された直接音と反射音とを別々に抽出しこれら直接音と反射音の、それぞれ5kHz以上40kHz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部の周波数帯域の信号に基づいて、路面の排水性の指標となる値を求める信号分析器とを備えた路面排水性測定装置が搭載され、前記遮音箱が、前記開口を路面に向けて固定されてなることを特徴とする路面排水性測定車。
【請求項3】 前記遮音箱内壁面を覆う吸音材は、5kHz以上の周波数の音に対する吸音率が0.8以上のものであることを特徴とする請求項2記載の路面排水性測定車。
【請求項4】 前記スピーカは、該スピーカから発せられ前記音センサで検出される直接音のピーク音圧が90dB以上となる音圧レベルのパルス音を放つものであることを特徴とする請求項2記載の路面排水性測定車。
【請求項5】 前記遮音箱は、水平方向の寸法が600mm以下のものであることを特徴とする請求項2記載の路面排水性測定車。
【請求項6】 前記音センサは、前記遮音箱内であって、かつ、停車時における路面との距離が800mm以下となる位置に配備されたものであることを特徴とする請求項2記載の路面排水性測定車。
【請求項7】 前記路面排水性装置は、前記信号分析器で得られた、路面の排水性の指標となる値を記憶する記憶部を備えたものであることを特徴とする請求項2記載の路面排水性測定車。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2002−243709(P2002−243709A)
【公開日】平成14年8月28日(2002.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−44485(P2001−44485)
【出願日】平成13年2月21日(2001.2.21)
【出願人】(000135771)株式会社パスコ (102)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)
【Fターム(参考)】