説明

跳躍体

【課題】高速かつ確実な作動が可能で、しかも構造が簡易な跳躍体を提供する。
【解決手段】上半体1と、当該上半体1に対し接近方向および離間方向へ相対移動可能に配設された下半体2と、両半体1,2を互いに離間させるように付勢するコイルバネ4と、上半体1に設けられて案内孔32が形成されたカム体3と、当該カム体3を回転駆動するモータ12と、下体2に設けられてカム体3の案内孔32により案内されて、当該カム体3の回転に伴ってコイルバネ4の付勢力に抗して上半体1と下半体2を接近方向へ移動させた後、コイルバネ4の付勢力によって上半体1と下半体2を離間方向へ移動させる操作部材5とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は跳躍体に関し、特に、跳躍型玩具等に適用できる跳躍体の構造改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の跳躍体として例えば特許文献に示すものが知られている。この玩具では、欠歯状の回転カム(歯車)がラックに噛合しており、歯車を回転させてバネの伸張力に抗して身体外殻を脚体に対し押し下げておく。そして、跳躍時にはストッパと連携部端縁の係合状態を解消することによって、上記バネの伸張力で身体外殻を引き上げて跳躍動作をさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3066294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の跳躍体では、バネ伸張力に抗して身体外殻を押し下げるのに歯車とラックの噛合によっていることから、速やかな作動が困難であるとともに、衝撃力が作用する跳躍体で、歯車とラックの噛合状態を確実に維持することも難しい。また、歯車とラックの噛合に加えて、跳躍時にストッパと連携部端縁の係合状態を解消する機構を設ける必要があるため、構造が複雑であるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、高速かつ確実な作動が可能で、しかも構造が簡易な跳躍体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本第1発明では、第1半体(1)と、当該第1半体(1)に対し接近方向および離間方向へ相対移動可能に配設された第2半体(2)と、両半体(1,2)を互いに離間させるように付勢する付勢部材(4)と、第1半体(1)ないし第2半体(2)の一方に設けられて案内部(32)が形成されたカム体(3)と、当該カム体(3)を回転駆動する駆動部材(12)と、第1半体(1)ないし第2半体(2)の他方に設けられ、その一部(51)がカム体(3)の案内部(32)により案内されて、当該カム体(3)の回転に伴って付勢部材(4)の付勢力に抗して第1半体(1)と第2半体(2)を接近方向へ移動させた後、付勢部材(4)の付勢力によって第1半体(1)と第2半体(2)を離間方向へ移動させる操作部材(5)とを具備している。
【0007】
本第1発明において、カム体の回転によって、操作部材を介して付勢部材の付勢力に抗して第1半体と第2半体を接近方向へ移動させた後、付勢部材の付勢力によって第1半体と第2半体を離間方向へ移動させると、この際の慣性力によって跳躍体が跳ね上がる。本第1発明においては、案内部材に案内される操作部材によって付勢部材の付勢力蓄積とその後の付勢力解放による跳躍を行なっているから、従来の歯車とラックの噛合を利用した構造に比して、速やかかつ確実な作動が可能であり、構造も簡易である。なお、この場合のカム体の回転は、付勢部材の付勢力蓄積とその後の付勢力解放の全行程で常時正転させてもよいし、正転によって付勢部材の付勢力を蓄積させ、逆転によって付勢部材の付勢力を解放させるようにしても良い。
【0008】
本第2発明では、回転カム体(3)の案内部は当該カム体(3)に形成された長孔状の案内孔(32)であり、操作部材(5)の先端(51)が案内孔(32)内に位置している。
【0009】
本第2発明においては操作部材の案内を簡易な構造で実現することができる。
【0010】
本第3発明では、案内孔(32)の端部ないし中間部に当該案内孔(32)の延伸方向と交差する方向へ屈曲する係止用切欠き(323,324)が形成されており、操作部材(5)は、カム体(3)が一方向へ回転する途中で切欠き(323,324)に係止されて付勢部材(4)の付勢力に抗して第1半体(1)と第2半体(2)を接近方向へ移動させるとともに、カム体(3)のさらに一方向への回転、ないしカム体(3)の他方向への回転によって切欠き(323,324)との係止状態を解消して付勢部材(4)の付勢力によって第1半体(1)と第2半体(2)を離間方向へ移動させるものである。
【0011】
本第3発明においては、操作部材を切欠きに係止するようにしたから、付勢部材における付勢力蓄積の行程と、その後の付勢力解放による跳躍の行程を明確に分離して、常に安定した跳躍動作を実現することができる。
【0012】
本第4発明では、カム体(3)は少なくとも一部の外形がその回転中心から偏心しており、跳躍以外の機能を実現する他の操作部材(17)の一端がカム体(3)の外周に当接している。
【0013】
本第4発明においては、他の操作部材を介して跳躍以外の機能がカム体の回転に伴って発揮される。ここで「機能」とは、例えば跳躍体転倒時の復原補助や、手を設けた場合のその動作である。
【0014】
本第5発明では、跳躍前の跳躍体の傾斜姿勢を調整する姿勢調整機構(61,62)を設ける。
【0015】
本第5発明においては、跳躍体の傾斜姿勢を所望の方向へ調整しておくことにより、当該所望の方向へ跳躍体を跳躍させることができる。
【0016】
本第6発明では、転倒時の跳躍体の復原を助けるリング状の復原補助体(15)を地上に接していない側の半体(1)の周囲に設ける。
【0017】
本第6発明においては、転倒した跳躍体は復原補助体の外周と、接地している側の半体とで傾斜姿勢で支持される。そこで、カム体を回転させて、接地していない側の半体を接地している側の半体に接近させると、この時の接地していない側の半体の重心移動とこれと一体に移動する復原補助体の押し上げ力とによって跳躍体は起立姿勢に戻される。
【0018】
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の跳躍体は、高速かつ確実な作動が可能であるとともに構造が簡易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態における跳躍体の側面図である。
【図2】跳躍体の正面図である。
【図3】高跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図4】高跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図5】高跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図6】低跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図7】低跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図8】低跳躍時の跳躍体の作動行程を示す側面図である。
【図9】転倒時の跳躍体の側面図である。
【図10】カム体の他の例を示す正面図である。
【図11】カム体の他の例を示す正面図である。
【図12】カム体の他の例を示す正面図である。
【図13】カム体の他の例を示す正面図である。
【図14】カム体の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1、図2には本発明の跳躍体を跳躍玩具に適用した例を示し、図1はその側面図、図2はその正面図である。跳躍体は上方に位置する第1半体としての上半体1と、下方に位置する第2半体としての下半体2とを備えている。なお、上半体1の重量を下半体2の重量よりも大きくしておくと、効果的な跳躍動作を実現することができる。
【0022】
上半体1は略円形の基枠11を備えており、基枠11上には駆動部材たるモータ12が設置されるとともに、通信回路13が設けられている。水平に突出するモータ回転軸121には板状のカム体3が取着されている。カム体3は略円形で、外周の一部は外方へ三角状に突出する突出部31となっている。カム体3は円形の中心がモータ回転軸121に固定されるとともに、その板面には係止部としての長孔状の案内孔32が形成されている。
【0023】
案内孔32は円形板面の半部を横切るように直線状に形成されており、その一端321と中間位置には案内孔32の延伸方向に対して交差する略直角に、同方向へ屈曲する係止用切欠き323,324が形成されている。なお、切欠き324は案内孔32の他端322と斜辺325によって連続させられている。
【0024】
基枠11には図の鎖線で示すように、モータ12や通信回路13を覆うようにドーム状のカバー体14が覆着されている。なお、カバー体14はドーム状である必要はなく、例えばキャラクターの上半身の外形に似せた形状とすることができる。基枠11の周囲には全周にリング状の復原補助体15が設けられている。当該復原補助体15は跳躍体が横倒しになった時に、後述のように起立姿勢への復原を補助するものである。
【0025】
下半体2は円形の基枠21を備えており、その左右位置には走行輪22が設けられている。各走行輪22はそれぞれ減速ギア23を介してモータ24によって正逆回転させられる。基枠21の前後位置にはそれぞれガイドポスト25が平行に立設されており、上半体1の基枠11の前後位置に設けたガイド部材16がガイドポスト25に摺動可能に装着されている。これにより、上半体1の基枠11は下半体2の基枠21に対して平行姿勢を維持したまま接近および離間方向へ相対移動可能である。また、基枠11,21間には付勢部材としてのコイルバネ4が圧縮状態で配設してあり、これによって基枠11,21は相対的に離間する方向へ付勢されている。
【0026】
基枠21に下端を回動可能に連結されて棒状の操作部材5が設けられており、その先端たる上端51は屈曲して、上半体1に設けたカム体3の案内孔32内に進入している。図1に示す状態では操作部材5の上端51は上下方向へ延びる案内孔32の、下方に位置する他端322に位置し、これによって基枠21に対する基枠11のそれ以上の離間が規制されている。
【0027】
基枠21の前後位置には姿勢調整機構を構成する脚体61,62が設けられている。脚体61,62は電磁ソレノイド等によって突出駆動されるものであり、図1では前側の脚体61が突出させられることにより、跳躍体はその重心位置の移動によって走行輪22を支点に後側脚体62が接地して全体が後方(図の右方)へ傾斜させられている。なお、後側の脚体62を突出作動させると、跳躍体はその重心位置の移動によって走行輪22を支点に前側脚体61が接地するまで全体が前方へ傾斜させられる。また、他の操作部材たる復原補助用の操作棒17が設けられて(図1の鎖線)、これはカバー体14の頂部を貫通して上方へ突出するとともに、当該操作棒17の基端はカム体3の外周に当接している。
【0028】
上記各モータ12,24の正逆転や脚体61,62の突出制御のための信号、あるいは上半体1に設置されることがある各種センサからの検出信号やスピーカ等への出力信号は、上半体1に設けた通信回路13を介して外部の制御器RC(図2)との間で送受される。もちろん、跳躍体側に人工頭脳を持たせて、自律的に作動させるようにしても良い。なお、モータ12,24や脚体61,62を突出させる電磁ソレノイド等の駆動源は、上半体1上に載置されるバッテリあるいは通信回路13を経て制御器RCから供給される。
【0029】
上記構造の跳躍体の作動を以下に説明する。左右の走行輪22を適宜正逆回転させることによって跳躍体は前後進、旋回、方向転換等を自在に行なって、所望の位置に移動することができる。そして、本実施形態では跳躍高さの異なる高、中、低の三種の跳躍が可能となっている。高跳躍をさせる場合には、カム体3を図1の状態から時計方向(図中実線矢印)へ回転させる。カム体3の回転に伴って操作部材5の上端が案内孔32内を他端322から一端321方向へ移動し(図3)、さらにカム体3が回転すると操作部材5の上端51は案内孔32の一端321に形成された切欠き323内に進入し係合する(図4)。
【0030】
カム体3がさらに回転すると、案内孔32の切欠き323内に上端51が進入係合している操作部材5は大きく引き上げられ(図5)、これに伴って、上半体1は下半体2に接近するように下降移動させられるとともにコイルバネ4が圧縮させられる。この状態からさらにカム体3が回転すると、上記切欠き323が斜め下方を向くことによって、コイルバネ4の付勢力を受けた操作部材5の上端51は切欠き323内から脱出して案内孔32内を他端322に向けて一気に移動する(図1)。これに伴いコイルバネ4が伸張して上半体1を上方へ移動させる結果、上方への大きな慣性力が働いて跳躍体全体が初期傾斜方向の後上方へ向けて高く跳び上がる。
【0031】
中跳躍をさせる場合には、カム体3を図1の状態から反時計方向(図中破線矢印)へ回転させる。カム体3の回転に伴って操作部材5の上端51は案内孔32内を斜辺325に沿って移動し、中間位置の切欠き324に至ってこれと係合する(図6)。カム体3がさらに回転すると、切欠き324に上端51が係合している操作部材5は比較的大きく引き上げられ(図7)、これに伴って、上半体1が下半体2に接近するように下降移動させられるとともにコイルバネ4が圧縮させられる。この状態からさらにカム体3が回転すると、上記切欠き324が斜め下方を向くことによって、コイルバネ4の付勢力を受けた操作部材5の上端51が切欠き324内から脱出して案内孔32内を一端321に向けて一気に移動する(図8)。これに伴いコイルバネ4が伸張して上半体1を上方へ移動させる結果、上方への比較的大きな慣性力が働いて跳躍体全体が後上方へ比較的高く跳び上がる。
【0032】
低跳躍をさせる場合には、図1に示す状態からカム体3を反時計方向へ回転させて操作部材5の上端51を案内孔32の斜辺325を経て中間位置の切欠き324まで移動させる。この時の操作部材の移動によって上半体1が下半体2に接近するようにやや下降移動させられ、これに伴ってコイルバネ4がやや圧縮させられる。この状態からカム体3を時計方向へ逆転させると、コイルバネ4の付勢力を受けた操作部材5の上端51は再び斜辺325を経て案内孔32の他端322へ移動する。これに伴いコイルバネ4がやや伸張して上半体1を上方へ移動させる結果、上方への慣性力が働いて跳躍体全体が後上方へ低く跳び上がる。なお、以上のような跳躍体の高中低の各跳躍動作は全行程を1秒以内で終えることが可能である。
【0033】
跳躍後に跳躍体が横倒しになった場合は、跳躍体は復原補助体15の外周と、これに近い走行輪22および支持脚体62が接地して傾斜姿勢で支持される。この場合にはカム体3を回転させて上半体1を下半体2に接近させると、下半体2に接近していく上半体1の重心移動とこれと一体に移動する復原補助体15の押し上げ力とで跳躍体は起立姿勢に戻される。跳躍後の跳躍体が上下反転したような場合には、突出部31の外周が操作棒17に当接するようにカム体3を回転させると操作棒17が押し出され(図9の実線矢印)、跳躍体は横倒し状態を経て起立姿勢に戻される。
【0034】
(その他の実施形態)
カム体の外形およびカム体に形成される案内孔の形状は以下に説明するような種々のものが考えられる。図10(1)に示すものでは、カム体3の板面に直線的な案内孔71が形成されており、案内孔71には上記第1実施形態における切欠きは形成されていない。カム体3の回転に伴って操作部材5の上端51は案内孔71内を移動し、これに伴ってコイルバネ4の圧縮とその後の伸張がなされて跳躍体が跳び上がる。
【0035】
図10(2)に示すものでは、カム体3の板面に直線的な案内孔72が形成され、案内孔72の一端に上記第1実施形態における切欠きと同様の切欠き721が形成されている。このような構造によってもカム体3の回転に伴ってコイルバネ4の圧縮とその後の伸張がなされて跳躍体が跳び上がる。
【0036】
図10(3)に示すものでは、カム体3の板面に直線的な案内孔73が形成され、案内孔73の両端に上記第1実施形態における切欠きと同様の切欠き731が対称形に形成されている。このような形状ではカム体3を正逆いずれの方向へ回転させても、同じ量のコイルバネ4の圧縮とその後の伸張がなされて跳躍体が跳び上がる。
【0037】
図10(4)に示すものでは、カム体3の板面に直線的な案内孔74が形成され、案内孔74の両端に上記第1実施形態における切欠きと同様の切欠き741が互いに反対方向へ形成されている。このような形状ではカム体3の一回転のうちに二回コイルバネ4の圧縮とその後の伸張がなされて跳躍体が跳び上がる。したがって、図10(2)に示すカム体形状の場合よりも二倍の速さで跳躍動作を繰り返すことができる。
【0038】
図10(5)に示すものでは、両端の切欠き751に加えて案内孔75の途中にも切欠き752が形成されているから、第1実施形態と同様に高中低の三種類の跳躍が可能である。
【0039】
図11(1)に示すものでは、案内孔76には両端とその途中に上記第1実施形態における切欠きと同様の切欠き761,762が複数形成されている。このような形状ではカム体3を正逆方向へ回転させて適宜の切欠き761,762に操作部材5の上端51を移動させることによって、コイルバネ4の圧縮とその後の伸張を種々選択して、種々の跳躍動作を行なわせることができる。
【0040】
図11(2)に示すものでは、図11(1)に示す案内孔76をカム体3の中心を通るように形成してある。
【0041】
図11(3)に示すものでは、案内孔77を、インボリュート曲線を描くように形成してあるから、操作部材上端55の案内孔77内の移動が容易になり、カム体3を回転させるモータ12の必要トルクが軽減される。
【0042】
図11(4)に示すものでは、案内孔78の一方の側縁を円弧状に膨出湾曲させている。これによっても、操作部材上端55の案内孔78内移動が容易になり、カム体3を回転させるモータ12の必要トルクを軽減することができる。
【0043】
カム体3の外形は図12(1)〜(4)に示すように目的に応じた種々の形状とすることができる。この場合、カム体3の外周には例えば復原補助用の操作棒17に代えて、例えば跳躍体に設けられる腕その他の機能部材を作動させるための操作棒を当接させるようにできる。
【0044】
図13(1)、(2)に示すように、外形の異なるカム体3A,3Bを複数設けて、案内孔76,79内に操作部材上端55を位置させるとともに、復原補助用の操作棒17と他の機能部材を作動させる操作棒を各カム体3A,3Bの外周にそれぞれ当接させるようにしても良い。
【0045】
図14(1)、(2)に示すものでは、カム体3の板面上に点対称あるいは線対称にリング状の案内孔81,82を形成してある。この場合には、第1実施形態における上半体1の上方にさらにコイルスプリング4と同様のコイルスプリングと、下半体2と同様の構造の半体、および操作部材5と同様の操作部材等を設ける。そして、上下の操作部材の上端および下端をそれぞれ案内孔81,82内に位置させておく。これによれば、跳躍体が転倒反転した場合にも、なんら原位置に反転復原させること無くそのまま移動や跳躍作動をさせることができる。
【0046】
なお、上記各実施形態において、カム体に設けられる係止部は必ずしも案内孔である必要は無い。下半体の走行輪は必ずしも設ける必要は無く、この場合は、跳躍前の傾斜姿勢を前後方向のみならず左右方向へも調整可能な姿勢調整機構を設けて、跳躍方向を任意に設定できるようにすると良い。
【符号の説明】
【0047】
1…上体(第1半体)、12…モータ(駆動部材)、15…復原補助体、17…操作棒(他の操作部材)、2…下体(第2半体)、3…カム体、32…案内孔(案内部)、323,324…切欠き、4…コイルバネ(付勢部材)、5…操作部材、51…上端(先端)、61,62…脚体(姿勢調整機構)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半体と、当該第1半体に対し接近方向および離間方向へ相対移動可能に配設された第2半体と、両半体を互いに離間させるように付勢する付勢部材と、前記第1半体ないし前記第2半体の一方に設けられて案内部が形成されたカム体と、当該カム体を回転駆動する駆動部材と、前記第1半体ないし前記第2半体の他方に設けられ、その一部が前記カム体の案内部により案内されて、当該カム体の回転に伴って前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1半体と前記第2半体を接近方向へ移動させた後、前記付勢部材の付勢力によって前記第1半体と前記第2半体を離間方向へ移動させる操作部材とを具備する跳躍体。
【請求項2】
前記回転カム体の案内部は当該カム体に形成された長孔状の案内孔であり、前記操作部材の先端が前記案内孔内に位置している請求項1に記載の跳躍体。
【請求項3】
前記案内孔の端部ないし中間部に当該案内孔の延伸方向と交差する方向へ屈曲する係止用切欠きが形成されており、前記操作部材は、前記カム体が一方向へ回転する途中で前記切欠きに係止されて前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1半体と前記第2半体を接近方向へ移動させるとともに、前記カム体のさらに一方向への回転、ないし前記カム体の他方向への回転によって前記切欠きとの係止状態を解消して前記付勢部材の付勢力によって前記第1半体と前記第2半体を離間方向へ移動させるものである請求項2に記載の跳躍体。
【請求項4】
前記カム体は外形がその回転中心から偏心しており、跳躍以外の機能を実現する他の操作部材の一端が前記カム体の外周に当接している請求項1ないし3のいずれかに記載の跳躍体。
【請求項5】
跳躍前の前記跳躍体の傾斜姿勢を調整する姿勢調整機構を設けた請求項1ないし4に記載の跳躍体。
【請求項6】
転倒時の前記跳躍体の復原を助けるリング状の復原補助体を地上に接していない側の半体の周囲に設けた請求項1ないし5に記載の跳躍体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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