説明

身体の部分のジオメトリについての被験体に特有である3次元情報を取得する方法およびシステム

複数の被験体に関する、身体の特定の部分(全身であってもよい)の3次元ジオメトリ情報を保存する方法およびシステムについて記載されている。上記方法および上記システムは、組織化および分析のステップを含み、身体の特定の部分の拡縮可能な特徴要素、および、当該特徴要素の部分集合の組み合わせにより、対応するスケール因子と共に、特定の被験体の身体の特定の部分の近似されたジオメトリを取得し、記憶する。上記方法は、(1)所定の基準にしたがって、前記複数の被験体のそれぞれに関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得するステップと、(2)前記複数の被験体のそれぞれに関する組織化3次元ジオメトリ情報が、前記身体の特定の部分の平均化された3次元ジオメトリ情報に対して、前記身体の特定の部分に関する拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより近似可能であるように、前記複数の被験体の組織化3次元ジオメトリ情報を分析することによって、(a)当該平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)当該拡縮可能な特徴要素とを取得するステップと、(3)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの被験体に関する前記組織化3次元ジオメトリ情報と、前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(b)当該部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定するステップと、前記特徴要素のそれぞれは、対応するスケール因子に合わせて拡縮されており、(4)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの特定の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記特定の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記特定の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の記憶および検索に広く関係するものである。より具体的には、被験体に特有である身体の部分の3次元(3D)ジオメトリに関する情報を記憶し、保存するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間の身体の3次元ジオメトリを十分に理解することは、医学分野(整形外科、歯科、生体医用工学など)、および、その他の分野(考古学、自然人類学、法医学など)の両方における多くの専門分野に必須である。身体の内部および外部の3次元ジオメトリを直接または間接的に取得する多くの技術が存在し、例えば、CT、MRI、超音波検査、テラヘルツ画像法、表面検査などが存在する。
【0003】
3次元データを記憶および検索するシステムは、従来技術(下記の特許文献1、特許文献2)において説明されている。しかし、それらは全て非常に巨大なデータセットを用いるため、記憶装置に対して高度な要求がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0168460号明細書(2005年8月4日公開)
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0031069号明細書(2008年2月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、被験体に特有である(subject-specific)身体の部分の3次元ジオメトリに関する情報の巨大なデータセットを保存(archive)しなければならないという問題を克服することである。身体の該当部分のジオメトリの特徴要素を考慮することによって、本発明は、個々の3Dデータエントリー(すなわち、身体の上記該当部分の特定の被験体のデータ)ごとに記憶される情報の量を減少させる。
【0006】
また、スキャンによって取得される3次元ジオメトリ情報は、画像化装置、スキャンされている解剖学的構造の特性などに由来するある程度のノイズ、アーティファクトを含む。そのようなノイズ/アーティファクトは有意な情報に貢献しない一方で、複雑性を増大させ、スキャンされた身体の部分に関するデータ量を増加させる。さらに、身体の部分の3D表現に必要となる詳細の程度は、上記データが記憶/保存される専門分野/目的の機能によって大幅に変化し得る。例えば、人類学的な目的のために、人間の大腿骨のような長い骨は、全体の形状(長さ、幅、大腿骨頭の真球性の計測値など)に拘束されて特徴付けられていると想像できる。一方、工学的な目的(例えば、インプラントの設計)のために、大腿骨の局所的な特徴(関節丘の局所的な曲率変化など)はより重大な役割を果たすとともに、考慮されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態において、記憶されるデータの量は、最初に取得されたデータからノイズおよび/またはアーティファクトのような無関係な情報を排除することによって減少する。また、記憶される情報は、データの利用目的のコンテキストに要求され、当該利用目的によって決定される詳細の程度に制限される。これにより、不要な情報を記憶することを回避する。
【0008】
本発明は、複数の被験体に関する、身体の特定の部分(全身であってもよい)の3次元ジオメトリ情報を保存する方法およびシステムを提供する。上記方法は、組織化および分析のステップを含み、身体の特定の部分の拡縮可能な特徴要素、および、当該特徴要素の部分集合の組み合わせにより、対応するスケール因子と共に、特定の被験体の身体の特定の部分の近似されたジオメトリを取得し、記憶する。より詳細には、上記方法は、
(1)所定の基準にしたがって、前記複数の被験体のそれぞれに関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得するステップと、
(2)前記複数の被験体のそれぞれに関する組織化3次元ジオメトリ情報が、前記身体の特定の部分の平均化された3次元ジオメトリ情報に対して、前記身体の特定の部分に関する拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより近似可能であるように、前記複数の被験体の組織化3次元ジオメトリ情報を分析することによって、(a)当該平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)当該拡縮可能な特徴要素とを取得するステップと、
(3)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの被験体に関する前記組織化3次元ジオメトリ情報と、前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(b)当該部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記部分集合に含まれる特徴要素のそれぞれに関し、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定するステップと、前記特徴要素のそれぞれは、対応するスケール因子に合わせて拡縮されており、
(4)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの特定の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記特定の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記特定の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するステップとを含む。
【0009】
上記データは、特定の被験体の上記身体の部分に関して記憶され、それゆえに、制限された数の特徴要素およびそれらの対応するスケール因子のみを含み、さらに、関係する身体の部分の平均化3次元ジオメトリが記憶されるが、これは、被験体ごとに記憶される必要はなく、多くの被験体に関して1度だけである。もし、実行がより精度の低いデータを必要とするならば、対応するスケール因子を備えた特徴要素の数、および、それによる記憶空間は、さらに制限可能である。
【0010】
所定の基準に従う3次元ジオメトリの組織化は、後述するベクトル化手法の適用を含んでもよい。
【0011】
上記組織化3次元ジオメトリ情報の分析は、共分散分析の手段により実行されてもよい。
【0012】
また、本発明は、本発明に従って上記方法を実行するシステムを提供する。上記システムは、3Dデータの取得のためのデータ取得手段、データベース要素、プロセッサ、および、ユーザインターフェースを含む。
【0013】
上記方法は、コンピュータに基づく方法である。本発明は、また、コンピュータシステム、および、コンピュータプログラムがコンピュータ装置において実行されるとき、本発明に従って上記方法の上記ステップを実行する命令を含むコンピュータプログラムのプロダクトを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る、再パッチされ、再メッシュ分割された大腿骨像の図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係る、完全な形状を変形させるグローバルパラメータを描く図を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係る、ジオメトリの1つの側面のみを変形させる局部のパラメータを描いた図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係る、方法およびシステムに利用できるコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔定義〕
本発明は、形状を保存すること(archiving shapes)に関するものである。形状はジオメトリ(geometry)であり、当該ジオメトリは2次元(2D)であってもよいし、3次元(3D)であってもよい。上記ジオメトリは、人間または動物の身体の部分であってもよい。また、ジオメトリの情報は、人間または動物の身体の部分の外表面をも含み、内部構造に関する情報をも含む。
【0016】
また、「身体の部分」という用語には、「身体の全体(全身)」が含まれる。
【0017】
「三角形分割(triangulation)」の用語は、オブジェクトの3D画像の表面をジオメトリの形状によってタイル張り(tiling)することを意味する。当該形状は、例えば三角形であるが、他のタイル(例えば、三角形、四角形、五角形などの多角形のタイルなど)の面の形状を用いてもよい。
【0018】
〔発明の詳細な説明〕
特定の図面を参照しながら、特定の実施形態に基づいて、本発明を説明する。しかし、本発明はそれらに限定されるものではなく、請求項によってのみ限定されるものである。説明される図面は概略的なものに過ぎず、限定的なものではない。説明のために、当該図面においては構成要素のいくつかの大きさが誇張されており、縮尺通りに描かれてはいない。本明細書および請求項において「含む(comprising)」という用語が用いられた場合、当該用語は他の要素またはステップを排除するものではない。単数名詞に言及するとき、不定冠詞または定冠詞が用いられているが(例えば、「a」または「an」、「the」)、特に断りがなされていない限りはその名詞の複数形が含まれる。請求項において用いられる「含む(comprising)」という用語は、以降にリストアップされた手段に制限されると解釈されるべきではない。すなわち、当該用語は、他の要素またはステップを排除しない。したがって、「手段AおよびBを含む装置(a device comprising means A and B)」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみから成る(consisting)装置に限定して解釈されるべきではない。これは、本発明に関して、上記装置に関連する最小の構成要素は、AおよびBであるということを意味する。また、本明細書および請求項における、第1(first)、第2(second)、第3(third)、およびその他同様の用語は、類似する要素を区別するために用いられており、連続する、または、記載順の並びを説明するために用いられるわけでは必ずしもない。そのように用いられた用語は、適切な状況下で置き替え可能であること、および、ここで説明される本発明の実施形態は、ここに説明され、描かれたものと異なる手順で動作可能であることを理解するべきである。さらに、本明細書および請求項における上端(top)、下端(bottom)、上方(over)、下方(under)、およびその他同様の用語は、説明する目的のために用いられ、必ずしも相対的な位置を説明するために用いられていない。そのように用いられた用語は、適切な状況下で置き替え可能であること、および、ここで説明される本発明の実施形態は、ここに説明され、描かれたものと異なる方向で動作可能であるということが理解される。
【0019】
図面において、同様の参照番号は同様の機能を指し、複数の図面に現れる参照番号は同じ要素を参照している。図面および以下の詳細な説明は、3Dデジタル歯内治療学システムおよび方法の具体的な実施形態を示す。
【0020】
本発明によって提供される方法のうち少なくとも1つの方法は、統計ベクトル分析、および、(ベクトルに基づく)微分幾何学を幅広く使用している。形状をデータベース化して使用するためには、形状とベクトルとの一対一の対応付けを行う必要がある。この工程をベクトル化(vectorisation)と称する。
【0021】
実際の分析は、基底となるベクトル(set vector)に基づいて実行される。(共分散)分析において使用されるベクトルの偏差およびその他の特性は、実在する形状で計測される偏差および他の特性に一致しなければならない。そうでなければ、上記形状のデータベースにおいて、分析結果は変動を表さない。
【0022】
(ベクトル化の方法)
本発明の一実施形態によれば、身体の部分のジオメトリに関する3次元情報は、三角形分割された不連続な面の描写(description、例えばSTLファイル)から成る。本実施形態によれば、組織化3次元情報(organized 3D geometry information)を取得するための第1のステップは、所定の(ワールド)座標系に対する面の描写を正しい位置に置くことである。上記ステップは、例えば以下の(1)、(2)のように実行できる。(1)ユーザとの情報のやり取り、もしくは、円柱などの標準的なジオメトリのオブジェクトに対してはコンピュータで自動化された処理(例えば、最小二乗法、チェビシェフ、慣性軸の計算など)によって、ジオメトリ特有の座標系を特定する。(2)面の描写に座標変換を適用することにより、ジオメトリ特有の座標系を所定の(ワールド)座標系と一致させる。本実施形態によれば、第2のステップは、所定のアプローチを用いて、三角形分割された面の描写を面の部分集合(パッチ)に分割することから成る(図1参照)。例えば、上記アプローチは、ウォータシェッドアルゴリズムに基づいて曲率を適用することから成ってもよい。別の方法としては、面の部分集合における分割は、ジオメトリ特有の骨格構造(例えば、射影)を面の描写に適用した結果であってもよい。上記骨格構造は、上記所定の(ワールド)座標系においてあらかじめ定義されており、想定した身体の部分に最適化されている。上記骨格構造は上記パッチの境界を決定し、細かいグリッド状の構造によってパッチをさらに分割する方法を決定する。例えば、骨格構造はそれぞれのパッチを再メッシュ分割する方法を決定する。このとき当該パッチに含まれ、面の描写を構成する三角形の量は特定の量と等しく、当該三角形の分布は特定のパターンにしたがう(図1参照)。
【0023】
ベクトル化の最後のステップは、上記再メッシュ分割による異なる座標の点を1つの大きなベクトルへと連結するステップに過ぎない。骨格構造を用いた再メッシュ分割処理に一貫性があることより、形状と大きなベクトルとが一対一に対応していることが保証される。
【0024】
(分析の方法)
ベクトル化によって、ジオメトリの巨大なデータベースを、古典的な多次元統計技術により分析可能な巨大なベクトルの巨大なデータベースに変換することが可能となる。ここで、古典的な多次元統計技術とは、例えば主成分分析のような線形技術だけでなく、曲線成分分析のような非線形の共分散分析技術、サモンの線形マッピングのような高度な次元削減技術である。
【0025】
既存の方法と、本発明の実施形態に従って説明された方法との間で、以下の2つの主要な違いが存在する。
【0026】
(1)骨格は、処理中の形状を明示的に登録する。このことは、位置における形状の変動のみが分析により調査され、分散については調査されないという利点を有するため、不要な情報が削除された形状の変動が得られる。
【0027】
(2)連結処理は、形状の位置の差分のみを考慮する。このことは、共分散分析により有意な結果(例えば、同じ単位(mmまたはin)において全てのデータが測定される)が得られるため、関連する理論へ変更する必要がないことを示唆する。さらに、局部密度を適用すれば、形状の特定の詳細についての重要性を高めることができる。複雑な計量は不要である。
【0028】
(例示的な実施形態)
本発明の一実施形態によれば、説明を明確にするため、非常に単純なベクトル化が実行される。ベクトル化は多くの形状で実行される。ここで、形状は全て同じ形状のクラスに属する。第1のステップは、取得した形状の(再)三角形分割を実行することである。これにより、例えば、STLファイルなどの面の描写を結果として得る。本実施形態において、1つのクラス内の形状の全ての例で、同じ方法で三角形分割は実行される。これは、たとえどのような形状がベクトル化されたとしても、三角形の量が等しい三角形分割が行われるということを意味する。また、同じ方法で実行されることにより、クラスに属する三角形分割された他のあらゆる形状に関して、各々の三角形は一致する三角形を有し、あらゆる点は一致する点を有するということを意味する。第2のステップは、(再)三角形分割において各々の点の座標を取得し、それら全てを1つの非常に巨大なベクトルに連結することである。
【0029】
各々の形状の(再)三角形分割が常に位相的に同じ(言い換えれば、合同)であることを保証するために骨格を利用する。当該骨格は、少数の必須な構成要素のみを有する(図1参照)。
【0030】
(1)基準点:基準点は、1種類の形状の集合(population)の各々の要素において(手動でまたは自動で)特定できる点である。基準点は、以下の2つの重要な目的を有する。まず第1に、基準点は、各々の形状を基準の位置に登録するために用いることができる。第2に、基準点は、(各々の)形状のトポロジを定義するために用いることができる。
【0031】
(2)トポロジ:トポロジは基準点間の関係を定義する。トポロジは少なくとも、上記関係がどのようなものであるかを定義する。当該トポロジを定義するための複数の方法がある。1つの方法は、基準点によってパッチの位置が決定されるようなパッチのリストとして定義する方法である。もう1つの方法は、互いの(典型的には2Dの)相対的な位置に基準点を与えることにより定義する方法である。
【0032】
(3)三角形分割の方法:目的は、三角形分割を行うことである。骨格は、定義されたトポロジに従って形状を三角形分割するための厳密な処理を定義する。上記集合に含まれる形状に三角形分割の方法を適用する場合、常に、合同な三角形分割が得られることが好ましい。
【0033】
三角形分割は常に成功する(work)ということが重要な点である。すなわち、三角形分割は、集合の各々の形状に対して正確に行われる。三角形分割の方法が失敗した場合、分析時に要素を考慮することができない。上記失敗は、例えば、トポロジの根本的な違いのために生じる。
【0034】
共分散分析を促進するために、追加的な情報を骨格(および各々の形状)に付随させることが常に可能である。
【0035】
本発明が利用可能となる応用は、歯科模型を定義する情報を保存することに関係する。これは、歯科矯正学において法的必要条件であって、患者の追跡診断のために有用であり得る。
【0036】
不完全なデータを保存する必要がある場合、組織化3次元ジオメトリの分析は、完全なデータが利用可能な被験体のデータに対してのみ実行される。不完全なデータは、後に、分析によって取得した平均と比較され、不完全なデータに関連する被験体のために記憶されるスケール因子(scale factor)を特定する。例えば、一実施形態において、本発明は、複数の被験体の3次元ジオメトリ情報を保存する方法を提供する。複数の被験体の上記3次元ジオメトリの被験体に特有な情報とは、上記被験体の身体の特定の部分の3次元(3D)ジオメトリ情報である。上記方法は、所定の基準に従い、各々の上記複数の被験体の上記3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得することを含む。上記基準は、例えば、形状のデジタルな表現を提供するために利用される三角形分割を定義する、形状の全ての例において標準的な、または、共通の方法である。複数の被験体の組織化3次元ジオメトリ情報は、分析され、身体の特定の部分の平均化3次元ジオメトリ情報(averaged 3D geometry information)を取得する。これは、人間または動物の身体の部分の形状の1つのクラスの全ての例から、平均の形状が決定されるということを意味する。各々の形状を定義するために、上記身体の特定の部分の拡縮可能な特徴要素(scalable characteristic components)が生成される。これは、例えば、主成分分析によって行われる。その結果、上記複数の被験体の各々について、上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより、上記平均化3次元ジオメトリ情報に対して上記組織化3次元ジオメトリ情報を近似できる。平均化3次元ジオメトリ情報を用いて、拡縮可能な特徴要素の少なくともいくつかを組み合わせることによって、元の形状の近似を取得できる。これは、上記複数の被験体のうち少なくとも1つの上記組織化3次元ジオメトリ情報を上記平均化3次元ジオメトリ情報と比較し、それにより、上記拡縮可能な特徴要素の部分集合を決定することによって達成できる。図2は、グローバルなパラメータを利用することで、完全な形状を変形させられることを示している。図3は、ローカルなパラメータによりジオメトリの一側面のみを変形させる方法を示している。上記変形を用いて、上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより、適合(match)を近似できる。上記部分集合のうち特徴要素の各々において、上記特徴要素に対応するスケール因子が決定される。ここで、上記部分集合のうち上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより、上記平均化3次元ジオメトリ情報に対して上記組織化3次元ジオメトリ情報が与えられた精度に近似される。また、拡縮される各々の特徴要素は対応するスケール因子を有する。
【0037】
そして、上記複数の被験体のうち少なくとも1つの特定の被験体において、平均化3次元ジオメトリ情報、上記特定の被験体の上記拡縮可能な特徴要素の部分集合、および、上記特定の被験体のスケール因子であって上記部分集合に含まれる上記特徴要素に対応するスケール因子を記憶することにより、上記近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶する。
【0038】
所定の基準にしたがう上記3次元情報の組織化は、クラスの形状の各々に利用可能な骨格の定義による該形状の三角形分割の提供を含む。このことは、例えば、基準点、トポロジ、および、三角形分割の方法を定義することに関係している。その結果、形状の標準的な三角形分割が得られる。骨格は、定義されたトポロジにしたがって形状を三角形分割するための厳密な処理を定義する。三角形分割の方法を上記集合に含まれる形状に適用する際、常に合同な三角形分割を与えることが好ましい。
【0039】
3次元ジオメトリ情報の生成は、あらゆる適切な画像化装置(例えばコンピュータ断層撮影(CT、Computerized Tomography)装置、マイクロCT装置、磁気共鳴映像法装置(MRI、Magnetic Resonance Imaging)、光学式走査装置、および、超音波走査装置のグループから選択される)を用いた、上記3次元ジオメトリ情報の取得を含む。3次元ジオメトリ情報の取得は、上記身体の特定の部分から取得するようなデータの直接的な取得、または、上記身体の特定の部分の影響(impression)から取得するようなデータの間接的な取得を含む。
【0040】
上記身体の特定の部分の3次元ジオメトリ情報の決定は、複数の被験体に対して実行される。上記被験体の3次元ジオメトリ情報は、所定の基準にしたがって組織化され、それにより、全ての被験体の組織化3次元ジオメトリ情報が取得される。
【0041】
各々の被験体について、該被験体の組織化3次元ジオメトリ情報は平均化3次元ジオメトリ情報と比較され、上記拡縮可能な特徴要素の部分集合が追加として決定される。各々の部分集合のうち各々の特徴要素に対して、上記特徴要素に対応するスケール因子が決定される。これは、上記部分集合のうち上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより、上記平均化3次元ジオメトリ情報に対して上記被験体の組織化3次元ジオメトリ情報を与えられた精度に近似するために行われる。拡縮された各々の特徴要素は、対応するスケール因子を有する。
【0042】
そして、全ての被験体について、近似された組織化3次元ジオメトリ情報が記憶される。すなわち、下記(a)〜(c)が記憶される。
【0043】
(a)上記平均化3次元ジオメトリ情報。
【0044】
(b)上記他の被験体の上記拡縮可能な特徴要素の部分集合。
【0045】
(c)上記他の被験体のスケール因子であって上記部分集合のうち上記特徴要素に対応するスケール因子。
【0046】
図4は、本発明に係る方法およびシステムに利用できるコンピュータシステムの概略図である。ビデオディスプレイ端末14、キーボード16などのデータ入力手段、マウス18などの手段を示すグラフィックユーザインターフェースを含んでもよいコンピュータ10が描かれている。コンピュータ10は、例えばUNIX(登録商標)ワークステーションなどの汎用目的のコンピュータとして実行されていもよい。
【0047】
コンピュータ10は、一例としてはインテル(登録商標)USA(Intel Corp. USA)によって提供されるペンティアム(登録商標)プロセッサなどの慣用的なマイクロプロセッサのようなCPU(Central Processing Unit)15、および、システムバス22を介して内部接続された多くの他のユニットを含む。コンピュータ10は、少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)、ハードディスクなどの当業者に周知の不揮発性の読み書きメモリなど、当業者に周知のあらゆる種類のデータ記憶装置を含んでもよい。例えば、コンピュータ10は、さらに、RAM24、ROM26、並びに、任意のビデオディスプレイ端末14にシステムバス22を接続する任意のディスプレイアダプタ27およびシステムバス22に周辺装置(例えば、ディスクおよびテープ装置23)を接続する任意の入出力(I/O、input/output)アダプタ29を含んでもよい。ビデオディスプレイ端末14は、コンピュータ10の表示出力であって、CRTによるビデオディスプレイなど、コンピュータハードウェアの技術分野において周知のあらゆる適切なディスプレイ装置であってもよい。しかしながら、携帯用またはノート型のコンピュータを用いる場合、ビデオディスプレイ端末14はLCDまたはガスプラズマに基づくフラットパネルのディスプレイに交換可能である。コンピュータ10は、さらに、キーボード16、マウス18、任意のスピーカ36を接続するためのユーザインターフェースアダプタ19であって、外部画像化システム20の画像化装置40などの画像取得装置から任意の画像データの入力を可能にするユーザインターフェースアダプタ19を含む。上記装置40は、身体の部分などの対象画像を取得する、あらゆる適切な画像化装置であってもよい。これらの装置は、MRI、CTスキャン、光学装置、X線、PETスキャン装置、または、同様の装置を含んでもよい。また、コンピュータ10をインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN、Local Area network)またはワイドエリアネットワーク(WAN、Wide Area network)またはCANなどのデータネットワークに接続するための通信アダプタ39を介して、記録システム21はバス22に接続されていてもよい。これは、本発明の3Dに関する結果を遠隔で記憶することを可能にする。言い換えれば、下記(a)〜(c)が記憶可能である。
【0048】
(a)平均化3次元ジオメトリ情報。
【0049】
(b)上記他の被験体の上記拡縮可能な特徴要素の部分集合。
【0050】
(c)上記他の被験体のスケール因子であって上記部分集合のうち上記特徴要素に対応するスケール因子。
【0051】
その代わりに、上記情報は、適切なデジタル記憶装置を用いて、コンピュータ10にローカルに記憶してもよい。コンピュータ10へ入力される身体の部分などのオブジェクトの画像などは、記憶装置23などを用いてコンピュータへ直接的に入力されてもよい。
【0052】
コンピュータ10は、コンピュータ10の動作を指示する機械読み取り可能なメディアの内部に備えられたグラフィカルユーザインターフェースを含んでもよい。ランダムアクセスメモリ(RAM)24、リードオンリーメモリ(ROM)26、磁気ディスケット、磁気テープ、または、光ディスク(最後の3つは、ディスクおよびテープドライブ23に存在する)などの、あらゆる適切な機械読み取り可能なメディアが、グラフィカルユーザインターフェースを保持してもよい。あらゆる適切なオペレーティングシステムおよび関連するグラフィカルユーザインターフェース(例えば、マイクロソフト(登録商標)のウィンドウズ(登録商標))が、CPU15を指示してもよい。さらに、コンピュータ10は、コンピュータメモリ記憶装置52の内部に備えられた制御プログラム51を含む。制御プログラム51は、CPU15において実行されたとき、本発明のあらゆる上記方法に関連する動作を実行する、記述された命令を含んでいる。
【0053】
コンピュータ10および任意のネットワーク要素を含む、図4のコンピュータシステムは以下のように適合されている。すなわち、コンピュータシステムは、複数の被験体の3次元ジオメトリ情報を取得するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有し、被験体に特有である複数の被験体の上記3次元ジオメトリ情報は、上記被験体の身体の特定の部分の3次元(3D)ジオメトリ情報である。
【0054】
コンピュータシステムは以下のように適合されている。すなわち、コンピュータシステムは、所定の基準にしたがって、各々の上記複数の被験体の上記3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0055】
コンピュータシステムは以下のように適合されている。すなわち、コンピュータシステムは、上記複数の被験体の上記組織化3次元ジオメトリ情報を分析するために、プロセッサと強調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有し、下記(a)〜(c)の結果を得る。
【0056】
(a)上記身体の特定の部分の平均化3次元ジオメトリ情報。
【0057】
(b)上記身体の特定の部分の拡縮可能な特徴要素。
【0058】
(c)ここで、各々の上記複数の被験体の上記組織化3次元ジオメトリ情報は、上記平均化3次元ジオメトリ情報に対して、上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより近似することができる。
【0059】
コンピュータシステムは以下のように適合されている。すなわち、コンピュータシステムは、上記複数の被験体のうち少なくとも1つの上記組織化3次元ジオメトリ情報を上記平均化3次元ジオメトリ情報と比較し、上記拡縮可能な特徴要素の部分集合、および、上記部分集合に含まれる各々の特徴要素において、上記特徴要素に対応するスケール因子を決定する。各々の特徴要素は、対応するスケール因子を用いて拡縮される。また、コンピュータシステムは、上記部分集合のうち上記拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより、上記平均化3次元ジオメトリ情報に対して上記組織化3次元ジオメトリ情報を与えられた精度に近似するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0060】
コンピュータシステムは以下のように適合されている。すなわち、コンピュータシステムは、下記(1)〜(3)を記憶することによって、上記複数の被験体のうち少なくとも1つの特定の被験体において、ローカルにまたは遠隔地に上記近似され、組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するためにプロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0061】
(1)上記平均化3次元ジオメトリ情報。
【0062】
(2)上記特定の被験体の上記拡縮可能な特徴要素の上記部分集合。
【0063】
(3)上記特定の被験体のスケール因子であって上記部分集合のうち上記特徴要素に対応する上記スケール因子。
【0064】
コンピュータシステムは以下のように適合されていることが望ましい。すなわち、コンピュータシステムは、ベクトル化を含む所定の基準に従って上記3次元情報を組織化するためにプロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0065】
コンピュータシステムは以下のように適合されていることが望ましい。すなわち、コンピュータシステムは、画像化システム20で装置40などの画像化装置を用いて上記3次元ジオメトリ情報を取得することによって上記3次元ジオメトリ情報を生成するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。画像化装置40は、コンピュータ断層撮影(CT)装置、マイクロCT装置、磁気共鳴映像法(MRI)装置、光学式走査装置、および、超音波走査装置のグループから選択できる。
【0066】
コンピュータシステムは以下のように適合されていることが望ましい。すなわち、コンピュータシステムは、上記身体の特定の部分からのようにデータを直接的に取得することによって上記3次元ジオメトリ情報を取得するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0067】
コンピュータシステムは以下のように適合されていることが望ましい。すなわち、コンピュータシステムは、上記身体の特定の部分の影響(impression)からのようにデータを間接的に取得することによって上記3次元ジオメトリ情報を取得するために、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有する。
【0068】
コンピュータシステムは以下のように適合されていることが望ましい。すなわち、コンピュータシステムは、プロセッサと協調してコンピュータで実行されるソフトウェアを有し、
(5)他の被験体の身体の特定の部分に関する前記3次元ジオメトリ情報を生成するステップと、
(6)前記所定の基準にしたがって、前記他の被験体に関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、当該他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を取得するステップと、
(7)前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報と前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の他の部分集合と、(b)当該他の部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定するステップと、
(8)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記他の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記他の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記他の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するステップと、を実行する。
【0069】
当業者は、図4に示されるハードウェアが、特定の実行のために変形してもよいということを十分に理解しているだろう。例えば、光ディスクメディア、オーディオアンプ、または、PALまたはEPROMのプログラミング装置などのチッププログラミング装置、技術的に周知なコンピュータハードウェアなど他の周辺装置が、既に説明されたハードウェアに加えて用いられてもよく、既に説明されたハードウェアの代わりに用いられてもよい。
【0070】
図4に示される例において、コンピュータプログラムのプロダクト(すなわち、制御プログラム51)がコンピュータ記憶装置52に記憶されていてもよい。しかしながら、本発明が上記構成である一方で、本発明の構成は多様な形式のプログラムのプロダクトとして配布することができることを当業者は十分に理解しており、また、実際に配布するために使用される特定の種類の信号ベアリングメディア(signal bearing media)に関わらず、同様に、本発明は適用されるということを当業者は十分に理解しているということが重要である。コンピュータ読み取り可能な信号ベアリングメディアの例としては、フロッピー(登録商標)ディスクおよびCDROMなどの記録可能な種類のメディア、並びに、デジタルおよびアナログ通信接続などの送信型のメディアがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の身体の特定の部分に関する情報であって、複数の被験体のそれぞれに特有となる3次元の情報である3次元ジオメトリ情報を保存するためのコンピュータが実行する方法であって、
(1)所定の基準にしたがって、前記複数の被験体のそれぞれに関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得するステップと、
(2)前記複数の被験体のそれぞれに関する組織化3次元ジオメトリ情報が、前記身体の特定の部分の平均化された3次元ジオメトリ情報に対して、前記身体の特定の部分に関する拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより近似可能であるように、前記複数の被験体の組織化3次元ジオメトリ情報を分析することによって、(a)平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)当該拡縮可能な特徴要素とを取得するステップと、
(3)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの被験体に関する前記組織化3次元ジオメトリ情報と、前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(b)当該部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定するステップと、前記特徴要素のそれぞれは、対応するスケール因子に合わせて拡縮されており、
(4)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの特定の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記特定の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記特定の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するステップとを含むことを特徴とするコンピュータが実行する方法。
【請求項2】
所定の基準にしたがう3次元情報の組織化は、ベクトル化を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項3】
前記3次元ジオメトリ情報の生成は、画像化装置を用いて前記3次元ジオメトリ情報を取得するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項4】
前記画像化装置は、コンピュータ断層撮影(CT)装置、マイクロCT装置、磁気共鳴映像法(MRI)装置、光学式走査装置、および、超音波走査装置のグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項5】
前記3次元ジオメトリ情報を取得するステップは、前記身体の特定の部分からデータを直接的に取得することを含むことを特徴とする請求項3または4に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項6】
前記3次元ジオメトリ情報を取得するステップは、前記身体の特定の部分の影響からデータを間接的に取得することを含むことを特徴とする請求項3または4に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項7】
(5)他の被験体の身体の特定の部分に関する前記3次元ジオメトリ情報を生成するステップと、
(6)前記所定の基準にしたがって、前記他の被験体に関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、当該他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を取得するステップと、
(7)前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報と前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の他の部分集合と、(b)当該他の部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定するステップと、
(8)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記他の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記他の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記他の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項8】
コンピュータプログラムが実行されたとき、請求項1から7のいずれか1項に記載のコンピュータが実行する方法に含まれるステップを実行する命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムを記憶する機械読み取り可能な信号記録装置。
【請求項10】
被験体の身体の特定の部分に関する情報であって、複数の被験体のそれぞれに特有となる3次元の情報である3次元ジオメトリ情報を保存するためのコンピュータシステムであって、
(1)所定の基準にしたがって、前記複数の被験体のそれぞれに関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、組織化3次元ジオメトリ情報を取得する手段と、
(2)前記複数の被験体のそれぞれに関する組織化3次元ジオメトリ情報が、前記身体の特定の部分の平均化された3次元ジオメトリ情報に対して、前記身体の特定の部分に関する拡縮可能な特徴要素の組み合わせにより近似可能であるように、前記複数の被験体の組織化3次元ジオメトリ情報を分析することによって、(a)平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)当該拡縮可能な特徴要素とを取得する手段と、
(3)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの被験体に関する前記組織化3次元ジオメトリ情報と、前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(b)当該部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定する手段と、前記特徴要素のそれぞれは、対応するスケール因子に合わせて拡縮されており、
(4)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記複数の被験体に含まれる少なくとも1つの特定の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記特定の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記特定の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶する手段とを含むことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項11】
所定の基準にしたがって3次元情報を組織化する手段は、ベクトル化する手段を含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記3次元ジオメトリ情報を生成する手段は、画像化装置を用いて前記3次元ジオメトリ情報を取得する手段を含むことを特徴とする請求項10または11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記画像化装置は、コンピュータ断層撮影(CT)装置、マイクロCT装置、磁気共鳴映像法(MRI)装置、光学式走査装置、および、超音波走査装置のグループから選択されることを特徴とする請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記3次元ジオメトリ情報を取得する手段は、前記身体の特定の部分からデータを直接的に取得する手段を含むことを特徴とする請求項12または13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記3次元ジオメトリ情報を取得する手段は、前記身体の特定の部分の影響からデータを間接的に取得する手段を含むことを特徴とする請求項12または13に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
(5)他の被験体の身体の特定の部分に関する前記3次元ジオメトリ情報を生成する手段と、
(6)前記所定の基準にしたがって、前記他の被験体に関する3次元ジオメトリ情報を組織化し、当該他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を取得する手段と、
(7)前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報と前記平均化3次元ジオメトリ情報とを比較し、(a)前記拡縮可能な特徴要素の他の部分集合と、(b)当該他の部分集合に含まれる特徴要素の組み合わせによって、前記平均化3次元ジオメトリ情報に対する前記他の被験体に関する組織化3次元ジオメトリ情報を所定の精度で近似するために、前記特徴要素に対応するスケール因子とを決定する手段と、
(8)(a)前記平均化3次元ジオメトリ情報と、(b)前記他の被験体に関する拡縮可能な特徴要素の部分集合と、(c)前記部分集合に含まれる特徴要素に対応する前記他の被験体に関するスケール因子とを記憶することによって、前記他の被験体に関する近似された組織化3次元ジオメトリ情報を記憶する手段とをさらに含むことを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519480(P2013−519480A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553343(P2012−553343)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052536
【国際公開番号】WO2011/101474
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(506422065)マテリアライズ・デンタル・ナムローゼ・フエンノートシャップ (10)
【氏名又は名称原語表記】MATERIALISE DENTAL N.V.
【出願人】(510102122)マテリアライズ・ナムローゼ・フエンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】MATERIALISE NV
【住所又は居所原語表記】Technologielaan 15,B−3001 Leuven,Belgium
【Fターム(参考)】