説明

身体活動量測定システム

【課題】通信技術(例えば、インターネット)を利用することにより数万規模の回答者から簡易にデータを回収するとともに、回収された膨大なデータを解析して回答者にフィードバックする。
【解決手段】相互に通信可能な第1と第2のコンピュータを含む。第2のコンピュータは、処理部と、記憶部と、情報を入力する入力部と、情報を表示する表示部を有する。第2のコンピュータはまた、表示部に複数の身体活動を表示させる活動表示手段と、表示部に表示された複数の身体活動のいずれかをユーザに選択させる活動選択手段1000i,1000j,1000kと、活動選択手段で選択された身体活動にユーザが費やした活動時間を入力させる時間入力手段1006と、身体活動と活動時間に関連する身体活動情報を第1のコンピュータに送信する送信手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体活動量を測定するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に身体活動量を測定する器具(身体活動量計)が開示されている。この身体活動量計は、複数の方向の加速度を検出するセンサの出力信号に基づいて代表加速度を算出し、代表加速度から単位期間に行われた体動の運動強度を算出するものである。
【0003】
しかしながら、加速度を利用した身体活動測定法では、車・鉄道・自転車を使った移動運動、筋力トレーニングなどの体の一部分を使った局部運動、あるいは水泳・アクアエクササイズなどの水中運動の身体活動量は測定できない又は正確に測定できない。また、立位では安静仰臥位の約2倍のエネルギを消費しているにも拘わらず、上述の身体活動測定法では両者の区別ができない。このような理由から、加速度計を利用した身体活動量の測定法を用いて数万人規模の人を対象とした身体活動調査は非常に難しいと考えられる。一方、質問表による測定法は多人数を対象に適用できるが、回答から得られる情報は必ずしも精度の高いものでないことが指摘されている(非特許文献1参照)。一方、紙の一覧表を使った24時間振り返り法による身体活動量測定法に関しては、エネルギ消費量のゴールドスタンダードとされているDLW法と高い相関(0.88)が認めるという研究結果が報告されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−028312号公報
【0005】
【非特許文献1】Neilson et al., Am J Clin Nutr 2008, pp286-287
【非特許文献2】Koebnick et al., International Journal of Obesity 2005, pp307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、紙を用いた24時間振り返り法は、多人数の身体活動量を測定するうえで優れた方法の一つと考えられる。しかし、行動内容を毎日記録する必要があるために継続性に問題がある。また、文字情報から行動内容を辿る必要があるため、印象の薄い行動は思い出しにくい。さらに、記録用紙による測定では、データ処理に多くの時間を要し、回答者に即時に結果をフィードバックできない。
【0007】
そこで、本発明は、近年発展の目覚ましい通信技術(例えば、インターネット)を利用することにより数万規模の回答者から簡易にデータを回収するとともに、回収された膨大なデータを解析して回答者にフィードバックする身体活動量測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
具体的に、本発明に係る身体活動量測定システムは、第1のコンピュータと、該第1のコンピュータと通信網(例えば、インターネット)を介して相互に通信可能な第2のコンピュータによって構成される。第1のコンピュータは、本発明のシステムの全体を管理するセンタコンピュータである。第2のコンピュータは、調査対象者(回答者)であるユーザが保有するコンピュータである。第2のコンピュータの最も好ましい形態は、表示部と入力部を兼用したタッチパネルを有する携帯端末、例えば、所謂スマートフォン、タブレット端末である。
【0009】
第2のコンピュータは、通常のコンピュータと同様に、処理部(CPU)、記憶部、入力部、表示部を有する。タッチパネルを有する携帯端末の場合、タッチパネルが入力部と表示部を兼ねている。
【0010】
第2のコンピュータはまた、表示部に複数の身体活動(例えば、「家での活動」、「仕事での活動」、「移動による活動」、「スポーツ」、およびそれらの活動の具体的な活動(行動)(例えば、「家での活動」であれば、「食事」、「読書・新聞」、「テレビ鑑賞」))を表示させる活動表示手段と、表示部に表示された身体活動のいずれかをユーザに選択させる活動選択手段と、活動選択手段で選択された身体活動にユーザが費やしたそれぞれの活動時間を入力させる時間入力手段と、身体活動と活動時間に関連する身体活動情報を第1のコンピュータに送信する送信手段を備えている。
【0011】
このように構成された身体活動量測定システムによれば、ユーザは、表示部に表示された身体活動を選択するとともにその身体活動に費やした活動時間を第2のコンピュータに入力する。入力された身体活動情報(身体活動、活動時間)は、第2のコンピュータから第1のコンピュータに送信される。第1のコンピュータ又は第2のコンピュータは、身体活動情報を用いて一日の又は一週間の若しくは両方の消費エネルギ量を計算する。また、第2のコンピュータで計算した結果は、第2のコンピュータから第1のコンピュータに適宜送信できる。さらに、身体活動情報、消費エネルギ量に関する情報は第2のコンピュータに保存され、生活習慣病などの評価に利用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る身体活動量測定システムによれば、一日の又は一週間の消費エネルギが簡単に計算できるだけでなく、身体活動の内容とそれに費やした活動時間が得られる。特に、身体活動の具体的内容の情報が得られる。そのため、回収された身体活動情報をもとに、生活習慣病などの危険性を予知し、ユーザに知らせることができる。
【0013】
なお、身体活動情報をもとにユーザの消費エネルギを計算する機能は、第1のコンピュータ又は第2のコンピュータの少なくともいずれか一方に設ければよい。すなわち、第2のコンピュータであるユーザの端末で消費エネルギを計算し、その計算結果を第1のコンピュータであるセンタコンピュータに送信するようにしてもよい。または、第2のコンピュータは身体活動量情報を第1のコンピュータに送信し、第1のコンピュータで消費エネルギを計算してもよい。
【0014】
また、表示部に一日24時間のタイムテーブルの少なくとも一部を表示させるタイムテーブル表示手段と、活動時間と該活動時間に対応する身体活動をタイムテーブルに表示させる時間・活動表示手段を設けることが好ましい。この形態によれば、ユーザは、それぞれの身体活動とそれに費やした活動時間を視覚的に確認できるため、記録された結果の正確度が高まる。
【0015】
さらに、24時間のすべてに亘って活動時間が入力されているか否かを判断する判断手段を設けることが好ましい。この形態によれば、24時間の中に未記入の時間帯があれば、表示部を介してユーザに知らせることができるので、完全なデータの回収ができる。
【0016】
さらにまた、第2のコンピュータは、身体活動情報を記憶する記憶部を備えていることが好ましい。この形態によれば、膨大な回答を記憶し、所定のプログラムで処理することが簡単に行える。
【0017】
そして、第2のコンピュータの入力部と表示部がタッチパネルで構成されていることが好ましい。この形態によれば、身体活動情報の入力が簡単に行える。
【0018】
特に、表示部に表示された身体活動の表示が活動選択手段に対応していることが好ましい。例えば、身体活動がイラスト表示されている場合、このイラストに触れることで身体活動を入力するように設計することで、ユーザは入力が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る身体活動量測定システムの概略構成を示す図。
【図2】図1のシステムを構成するセンタコンピュータとユーザコンピュータの概略構成を示す図。
【図3】センタコンピュータとユーザコンピュータとの間で行われる処理を時系列で表示した図。
【図4】ユーザコンピュータの表示部に表示される登録データ入力画面の示す図。
【図5】ユーザコンピュータの処理部で行われる処理(プログラムフロー)を示す図。
【図6】図5のプログラムフローに含まれる初期画面表示処理のフローチャート。
【図7】図5のプログラムフローに含まれる活動選択処理のフローチャート。
【図8】図5のプログラムフローに含まれる行動選択処理のフローチャート。
【図9】図5のプログラムフローに含まれる開始・終了時刻設定処理のフローチャート。
【図10】図5のプログラムフローに含まれる24時間終了確認処理のフローチャート。
【図11】図5のプログラムフローに含まれる計算処理(日)のフローチャート。
【図12】図5のプログラムフローに含まれる計算処理(週)のフローチャート。
【図13】図5のプログラムフローに含まれる表示処理(日)のフローチャート。
【図14】図5のプログラムフローに含まれる表示処理(週)のフローチャート。
【図15】図5のプログラムフローに含まれる送信処理のフローチャート。
【図16】ユーザコンピュータの表示部に表示される初期画面の示す図。
【図17】ユーザコンピュータの表示部に表示される「家での活動」画面の示す図。
【図18】ユーザコンピュータの表示部に表示される「仕事での活動」画面の示す図。
【図19】ユーザコンピュータの表示部に表示される「移動による活動」画面の示す図。
【図20】ユーザコンピュータの表示部に表示される「スポーツ」画面の示す図。
【図21】図10の24時間終了確認処理で表示される画面を示す図。
【図22】図13の表示処理(日)で表示される画面を示す図。
【図23】図14の表示処理(週)で表示される画面を示す図。
【図24】センタコンピュータの記憶部に記憶される日データの一例を示す図。
【図25】センタコンピュータの記憶部に記憶される週間データの一例を示す図。
【図26】センタコンピュータの記憶部に記憶されるデータ(活動内容と運動強度の対応表)の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明に係る身体活動量測定システムについて説明する。
【0021】
1.システムの概要:
本発明の身体活動量測定システム(以下、単に「システム」という。)は、最新の通信技術を利用して数万〜数十万の個人(以下、「ユーザ」という。)から身体活動量データを簡易に収集するとともに、収集したデータをもとに身体活動量と生活習慣病との関連性等を評価できる環境を提供するものである。そのために、物理的構成について見ると、図1に示すように、システム10は、このシステム10の運営主体が所有するセンタコンピュータ11と、システムユーザが所有するそれぞれのユーザコンピュータ(例えば、スマートフォン)12と、これらセンタコンピュータ11とユーザコンピュータ12を通信可能に接続する通信網(例えば、インターネット)13で構成される。
【0022】
センタコンピュータ11とユーザコンピュータ12の機能(役割)をそれぞれ簡単に説明する。まず、センタコンピュータ11は、身体活動量測定用プログラム(アプリケーション)を格納した記憶部を備えている。システムユーザは、ユーザコンピュータ12により通信網13(インターネット)を通じてセンタコンピュータ11にアクセスし、アプリケーション等の必要な情報をダウンロードする。ダウンロードされ情報は、ユーザコンピュータ12の記憶部に記憶され、ユーザの要求に応じてユーザコンピュータ12のディスプレイ(例えば、タッチパネル)に必要な情報を表示する。
【0023】
例えば、図16に示すように、ユーザコンピュータ12のタッチパネル32には、日付入力欄21、活動選択欄22、タイムテーブル(活動記録欄)23を含む24時間行動記録調査画面が表示される。日付欄21は、ユーザが調査の日付を入力する部分である。日付入力欄21は、例えば、該日付入力欄21にタッチされたときポップアップするカレンダ(図示せず)を用いて入力できる。活動選択欄22は、タイムテーブル23に記録すべき活動を選択する部分である。タイムテーブル23は、活動選択欄22で選択された活動をその活動に費やした時間(時間枠24i、24j、24k等)と共に表示する部分である。ここでの時間は、所定時間単位、例えば15分単位で記録される。
【0024】
実施例では、活動は4種類−「家での活動または余暇活動」1000、「仕事での活動」2000、「移動による活動」3000、「スポーツ・運動」4000−に分類されている。各活動は、図17〜図20に示すように細かく分類されている。図16に表示された活動と図17〜図20に表示された行動の表示はそれぞれスイッチを構成している。したがって、実際には、図17〜図20に表示された行動の表示(イラスト)にユーザがタッチすることで、活動を選択する。以下、選択される活動又は選択された活動を適宜「行動」という。
【0025】
選択された行動は、タイムテーブル23に表示される。例えば、既に午前8時までの行動が記載(選択)されている状態で新たな行動が選択されると、午前8時00分(開始時刻)〜午前8時15分(終了時刻)までの単位時間枠が新たにタイムテーブル23に追加表示される。追加された行動と活動時間(この時点では「単位時間」)は記憶部31に記憶される。
【0026】
時間枠は、15分単位で拡大、縮小できる。したがって、実際の活動時間が30分(開始時刻が午前8時00分で、終了時刻が午前8時30分)であれば、例えば、タイムテーブル23に表示された時間枠の下端にタッチした状態がそのタッチ位置を下方に動かせば、活動時間を30分に変更できる。変更後の活動時間は、記憶部31に記憶される。同様に、時間枠の上端にタッチしてそのタッチ位置を上方又は下方に動かすことで開始時刻も変更できる。
【0027】
以上の活動選択と活動時間の変更を繰り返すことによって、タイムテーブル23に24時間の身体活動とそれに費やした活動時間を記録できる。また、記録された24時間の身体活動と活動時間は、活動日と関連づけて、記憶部31に記憶される。
【0028】
具体的には、タイムテーブル23には、細分類された行動をもって、例えば、午前6時:起床、午前6時〜6時30分:新聞・TV鑑賞、午前6時30分〜7時15分:朝食、午前7時15分〜7時間45分:歯磨き・化粧、午前7時45〜8時45分:通勤(自転車(普通速度)7時45分〜8時、電車8時から8時30分、普通歩行8時30分〜8時45分)、仕事(デスクワーク)8時45分〜12時・・・・のように記録される。
【0029】
このようにして24時間の活動が記録されると、ユーザコンピュータ12は、記録された活動に基づいて、一日の総消費エネルギ、一週間の総消費エネルギ等を計算する。消費エネルギを計算するために、ユーザコンピュータ12の記憶部31には、ユーザの体重と、各行動の単位時間当たりの運動強度が記憶されている。行動ごとの運動強度は、アプリケーションと共にセンタコンピュータ11からユーザコンピュータ12に送信される。
【0030】
計算された総消費エネルギは、ユーザコンピュータ12からセンタコンピュータ11に送信される。このとき、記録された各行動がその時間(開始時刻と終了時刻)と共にセンタコンピュータ11に送信される。このようにしてセンタコンピュータ11に収集された身体活動量のデータは記憶部に保存され、例えば、運動強度と生活習慣病との関係の研究に利用される。
【0031】
2.システムの詳細な説明
以下、上述したシステムの構成と動作を更に詳細に説明する。
【0032】
2.1:構成:
図2に示すように、システム1の全体を管理するセンタコンピュータ(第1のコンピュータ)11は、処理装置(CPU)25、記憶装置26、入力部(キーボード)27、出力部(LCDディスプレイ)28、通信制御部29を備えている。同様に、ユーザコンピュータ12も、処理装置(CPU)30、記憶部31、入力部(タッチパネル)32a、出力部(タッチパネル)32b、通信制御部33を備えている。実施例では、入力部32aと出力部32bが一つのタッチパネル32によって構成されている。通信網13は、インターネットが好適に利用できるが、例えば、複数のコンピュータを通信可能に接続するすべての通信回線が含まれる。
【0033】
ユーザコンピュータ12は、携帯型の通信手段が好適に利用される。最も好ましいユーザコンピュータ12としては、タッチ入力方式の入出力部であるタッチパネルを備えたスマートフォン14やタブレット端末15である。テンキーなどの複数の操作キーをディスプレイ(液晶、有機EL等)とは別に備えた通常の携帯電話16も利用可能である。独立したキーボードを備えたデスクトップコンピュータ(図示せず)やラップトップコンピュータ17も利用可能である。要するに、ユーザコンピュータ12には、インターネットなどの通信網13を介してセンタコンピュータ11と通信可能であれば何でもよい。
【0034】
2.2:動作
図3は、センタコンピュータ11とユーザコンピュータ12の間の通信内容を時系列に沿って概略示す図である。この図にしたがってセンタコンピュータ11とユーザコンピュータ12の間の処理を説明する。まず、本システムの参加にあたって、ユーザは、ユーザコンピュータ12を通じて、センタコンピュータ11が提供しているウェブサイトにアクセスし、登録データ入力画面を要求する(ステップS1)。センタコンピュータ11は、登録画面要求を受信すると(ステップS2)、ユーザコンピュータに登録データ入力画面を送信する(ステップS3)。
【0035】
登録データ入力画面の一例を図4に示す。図示する例では、登録データ入力画面は、必要な登録データ(メールアドレス、パスワード、性別、年齢、体重、体重、既往症など)の記入欄を含む。
【0036】
ユーザは、ユーザコンピュータ12が登録データ入力画面を受信すると(ステップS4)、ユーザコンピュータ12を通じて登録データ入力画面に必要な登録データを記入する。記入された登録データは、センタコンピュータ11に送信される(ステップS5)。センタコンピュータ11は、登録データを受信すると、該登録データを記憶部26(図1参照)に記憶し(ステップS6)、身体活動量測定用アプリケーションを送信する(ステップS7)。次に、ユーザコンピュータ12は、センタコンピュータ11から送信されたアプリケーションを受信する。受信したアプリケーションは、記憶部31に記憶される(ステップS8)。これにより、身体活動量測定の準備が完了する。
【0037】
上述の準備が完了した後、ユーザコンピュータ12において、身体活動量測定用アプリケーションを用いて身体活動量を測定する場合、以下に説明する手順に従って、ユーザがユーザコンピュータ12を操作して活動(行動)、各活動(行動)に費やした時間を入力する(ステップS9)。ユーザコンピュータ12は、入力された活動(行動)と時間を、それらの情報をもとに計算された消費エネルギとともに、活動データとしてセンタコンピュータ11に送信する(ステップS10)。センタコンピュータ11は、活動データを受信する。受信した活動データは記憶部26に記憶される(ステップS11)。記憶部26に記憶された活動データは、その後、適当な処理プログラムに基づいて解析される(ステップS12)。解析結果は、必要に応じて、データを提供したユーザのユーザコンピュータ12に送信(フィードバック)される(ステップS13)。そして、ユーザコンピュータ12は、センタコンピュータ11から送信された解析結果を受信する(ステップS14)。
【0038】
3.ユーザコンピュータの処理
ユーザコンピュータ12における、活動データの入力処理(ステップS9)を具体的に説明する。以下の説明では、ユーザコンピュータ12はスマートフォンであり、入力部(データ入力部)と出力部(ディスプレイ)が一つのタッチパネルで構成されているものとする。
【0039】
3.1:メインプログラム(図5):
ユーザコンピュータ12において身体活動量測定用アプリケーションが起動すると、ユーザコンピュータ12、具体的にはユーザコンピュータ12の処理装置30では図5に示すプログラムが一定時間ごとに実行され、初期画面表示処理(ステップS101)、活動選択処理(ステップS102)、行動選択処理(ステップS103)、開始・終了時間設定処理(ステップS104)、終了確認処理(ステップS105)、計算(日)処理(ステップS106)、計算(週)処理(ステップS107)、表示(日)処理(ステップS108)、表示(週)処理(ステップS109)、送信処理(ステップS110)が順次実行される。
【0040】
3.2:初期画面表示処理(図6、ステップS101):
メインプログラムで最初に行われる処理は初期画面表示処理(ステップS101)である。図6に示すように、初期画面表示処理(ステップS101)において、ユーザコンピュータ12は、身体活動量測定用アプリケーションを起動する指示が入力されたか否(起動タイミングか否か)か判断し、アプリケーションの起動直後に、ユーザコンピュータ12の記憶部31に記憶されている初期画面表示データを読み出す(ステップS112)。次に、ユーザコンピュータ12は、読み出された初期画面表示データに基づいてタッチパネル32に初期画面(図16)を表示する(タイムテーブル表示手段;ステップS113)。そして、ステップS113が終了すると、後に説明する(日)表示フラグと(週)表示フラグをそれぞれ「0」にリセットし(ステップS114,S115)、初期画面表示処理を終了する。
【0041】
図16に示すように、タッチパネル32に表示される内容は、日付入力欄21、活動選択欄22、タイムテーブル(活動記録欄)23を含む24時間行動記録調査画面である。日付欄21は、ユーザが調査の日付を入力する部分である。活動選択欄22は、タイムテーブル23に記録すべき活動を選択する部分である。タイムテーブル23は、活動選択欄22で選択された活動をその活動に費やした時間(例えば、時間枠24i、24j、24k)と共に表示する部分である。ここでの時間は、例えば、15分単位で記録される。
【0042】
実施例では、タッチパネル32に、4つの活動−「家での活動または余暇活動」、「仕事での活動」、「移動による活動」、「スポーツ・運動」―に対応した4つの活動選択ボタン又はスイッチ(活動選択手段)1000,2000,3000,4000が表示される。これら4つの活動選択ボタン1000,2000,3000,4000はそれぞれ選択スイッチ(タッチスイッチ)を構成しており、タッチされたボタンに対応する信号(情報)が処理装置に送信されるようになっている。
【0043】
タイムテーブル23は、一日の活動(行動)を記入する表示欄で、活動選択ボタン1000,2000,3000,4000で選択された活動(具体的には、後に説明する行動選択スイッチで選択された行動)が表示される。例えば、図示するように、午前7時:起床、午前7時〜8時30分:移動による活動、午前8時30分〜午後5時:仕事での活動、午後6時〜6時30分:移動による活動、午後6時30〜午後7時30分:スポーツ・運動、午後7時30分〜7時45分:移動による活動、午後7時45分〜午前0時30分:家での活動、午前0時30分:就寝の場合、それぞれの活動時間帯が対応する色で表示される。当然、タイムテーブル23に活動名を記載してもよい。
【0044】
図16には、午前6時から午前2時までのタイムテーブルだけを表示しているが、24時間の時間枠を表示してもよいし、例えば、タイムテーブルの横に領域選択バー(スイッチ)を設け、その選択バーを上下することによって24時間のうちの任意の時間帯を選択表示するようにしてもよい。
【0045】
3.3:活動選択処理(図7,ステップS102):
活動選択処理(ステップS102)では、ユーザコンピュータ12は、図16に示す4つの活動選択ボタン1000,2000,3000,4000のいずれにタッチされたかを判断し(ステップS121〜S124)、タッチされたボタン(スイッチ)1000,2000,3000,4000に応じて対応する画面を表示する。具体的に、「家での活動または余暇活動」選択ボタン1000が選択(タッチ)されたときは図17に示す画面が表示され(活動表示手段:ステップS125)、「仕事での活動」選択ボタン2000が選択(タッチ)されたときは図18に示す画面が表示され(活動表示手段:ステップS126)、「移動による活動」選択ボタン3000が選択(タッチ)されたときは図19に示す画面が表示され(活動表示手段:ステップS127)、「運動による活動」選択ボタン4000が選択(タッチ)されたときは図20に示す画面が表示される(活動表示手段:ステップS128)。いずれの活動選択スイッチもタッチされていない場合、図16の初期画面が継続して表示される(ステップS129)。
【0046】
以下の説明では、タッチパネル32に設定されている各種スイッチにタッチしてこれをオンすることを単に「オン」という。
【0047】
なお、図17〜図20に示す画面の下段には、選択されている活動以外の活動の選択ボタン(スイッチ)1001〜1003,2001〜2003,3001〜3003,4001〜4003が設定されており、ユーザがいずれかのボタンをオンすると、オンされたボタンに対応する活動画面にタッチパネル32の表示が変更される。
【0048】
図17〜図20に示す画面の下段には「最初の画面に戻る」ボタン(スイッチ)1004,2004,3004,4004が設定されており、ユーザがこのボタンをオンすると、図16に示す初期画面が表示されるようにしてある。
【0049】
図17〜図20に示す画面の右下には「次の時間帯へ」ボタン(スイッチ)1005,2005,3005,4005が設定されており、ユーザがこのボタンをオンすると、現在表示されている時間帯に続く数時間(図示する例では6時間)のタイムテーブルが表示される。
【0050】
3.4:行動選択処理(図8,ステップS103):
行動選択処理(ステップS103)では、ユーザコンピュータ12は、活動選択処理のステップS125〜S128で表示された画面に表示されている複数の行動選択ボタン(活動選択手段)1000i、1000j,1000k・・・、2000i、2000j,2000k・・・、3000i、3000j,3000k・・・、4000i、4000j,4000k・・・、のいずれかがオンされたか否か判断する(ステップS131)。
【0051】
例えば、図16の「家での活動または余暇活動」の選択ボタン1000をユーザがオンした場合、図17に示す画面(家での活動または余暇活動)が表示される。図示するように、実施例では、家での活動または余暇活動は、大きく7つの項目(座位中心、立位中心、軽い家事、食料品買い物、中程度の活動、日曜大工、高強度の活動)1000i〜1000j〜1000k・・・に分類されている。また、各項目には複数の行動が含まれており、それぞれの行動の表示(イラスト)が選択スイッチを構成している。例えば、座位中心の項目には、食事、読書・新聞、テレビの行動イラストが含まれており、それぞれが行動選択スイッチを構成している。実施例では、それぞれの行動がイラストで表示されているため、ユーザはいずれの行動を選択すべきか容易に判断できる。
【0052】
例えば、ユーザが座位中心の項目の中の食事の行動を選択した場合(食事の行動スイッチをオンした場合)、ユーザコンピュータ12の処理装置は、いずれの行動選択スイッチをオンしたかを判断し(ステップS131)、各行動選択スイッチに対応する行動コードを記憶部31から読み出して記憶部31の別の記憶領域に記憶する(ステップS132)。したがって、記憶部31は、図17〜図20に表示された多数の行動選択スイッチとそれに対応する行動コードを組み合わせたテーブルを記憶している。そして、ユーザコンピュータ12は、オンされた行動選択スイッチから得られる信号に基づいて対応する行動コードを該テーブルから読み出す。
【0053】
次に、ユーザコンピュータ12は、図17〜図20の画面の右側に表示されているタイムテーブル(時間入力手段)1006,2006,3006,4006に、単位時間の時間枠1007,2007,3007,4007を設定する。例えば、午前7時まで睡眠をとった情報が既に入力されている状況で食事の選択スイッチがオンされた場合、ユーザコンピュータ12は、午前7時〜7時15分までの単位時間の時間枠1007,2007,3007又は4007を現在表示されているタイムテーブル1006,2006,3006又は4006に自動的に表示する(時間・活動表示手段;ステップS133)。設定された時間枠1007,2007,3007,4007の大きさ(時間)とそれに対応する行動コードは記憶装置に記憶される。実施例では、単位時間が15分に設定されており、ユーザコンピュータ12は、食事の選択スイッチがオンされた場合、15分の時間枠を設定する。単位時間は15分に限るものでなく、30分でも、一時間でもよい。
【0054】
3.5:開始・終了時刻設定処理(図9,ステップS104):
開始・終了時刻設定処理(時間入力手段)(ステップS104)では、ユーザコンピュータ12は、上述の行動選択処理のステップS133で設定された時間枠1007,2007,3007,4007の大きさが変更されたか否か判断し(ステップS141)、変更されていれば開始・終了時刻を変更後の値に設定する(ステップS142)。
【0055】
具体的に説明すると、タッチパネル32は、図17のスケジュール1006に上下方向の矢印記号1008で示すように、ユーザがタイムテーブル1006に表示された時間枠1007の上端又は下端にタッチしたままそのタッチ位置を上下に移動させることにより時間枠の大きさを変更できるように設計されており、タッチ位置の移動量に応じて、単位時間(15分)に設定された時間枠の大きさを15分単位で大きく又は小さくする。つまり、ユーザコンピュータ12では、タッチパネル32のスケジュール1006が表示された領域はタッチ位置の移動量(時間軸方向、実施例では上下方向の移動量)を検出する手段として機能し、該検出手段が検出した移動量に応じてユーザコンピュータ12はタッチパネルに表示する時間枠の大きさを変更するように設計されている。
【0056】
以上のように時間枠が変更されると、変更後の時間枠の大きさ(時間)と、それに対応する行動コードが記憶部31に送信されて記憶データが更新される。
【0057】
なお、新たに時間枠を設定するときに限らず、タイムテーブルに記入された行動と時間枠の大きさは適宜変更できる。例えば、該当する時間枠にタッチして該時間枠をアクティブにした状態で、所定時間内に、新たな行動(行動選択スイッチ)に触れることで行動を変更できる。また、同様にして、時間枠の上端又は下端にタッチした状態でそのタッチ位置を上下に移動させることで、時間枠の大きさを変更できる。当然、変更後の行動、時間枠(開始時刻、終了時刻)をもって、記憶部31に記憶されている情報が更新される。
【0058】
3.6:終了確認処理(図10、ステップS105):
終了確認処理(ステップS105)では、ユーザコンピュータ12は、一日(24時間)の行動がすべてタイムテーブルにもれなく記入されたか否か判断する。具体的には、図示するように、「最初に戻る」ボタン1004,2004,3004又は4004をユーザがオンしたか否か判断する(ステップS151)。ユーザが「最初に戻る」ボタンをオンすると、タッチパネル32の表示は初期画面(図16)に戻る。次に、初期画面に設定された「確定」ボタン(スイッチ)35をユーザがオンしたか否か判断する(ステップS152)。ユーザが「確定」ボタン35をオンすると、24時間のすべてに亘ってタイムテーブルに行動が記入されているか否か判断する(判断手段;ステップS153)。
【0059】
このように、「最初に戻る」ボタンがオンされていない場合、終了確認処理は終了する。「最初に戻る」ボタンがオンされたにも拘わらず「確定」ボタンがオンされていない場合、「(日)計算開始フラグ」を“0”に設定する(ステップS159)。「最初に戻る」ボタンをオンした後に「確定」ボタンがオンされると、24時間のすべてに亘ってタイムテーブルに行動が記入されているか否か判断し、未記入であれば確認画面2(図21(a)参照)をタッチパネル32に表示し(ステップS157)、「(日)計算開始フラグ」を“0”に設定する(ステップS159)。確認画面2で表示される内容は、「24時間すべてが埋まっていません。最初の画面に戻り、未入力の時間を確認して活動内容を選択して下さい。」である。
【0060】
24時間のすべてに亘ってタイムテーブルに行動が記入されている場合、タッチパネル32に確認画面1(図21(b))を表示する。確認画面1で表示される内容は、「本日の回答に自信が持てますか?」であり、この質問に対してユーザは「はい」又は「いいえ」ボタンのいずれかのボタン(スイッチ)をオンして回答する。ここで、「いいえ」が選択されると、処理装置はタッチパネル32に確認画面3「最初の画面に戻り、活動内容を再選択して下さい。」(図21(c))を表示し(ステップS158)、「(日)計算開始フラグ」を“0”に設定する(ステップS159)。一方、「はい」ボタンが選択されると、処理装置は「(日)計算開始フラグ」を“1”に設定する(ステップS156)。
【0061】
3.7:計算(日)処理(ステップS106):
計算(日)処理は、一日の総消費エネルギと活動強度別エクササイズを計算する処理である。具体的には、図11に示すように、24時間終了確認処理のステップS156で(日)計算開始フラグが“1”に設定されたか否か判断する(ステップS160)。(日)計算開始フラグが“1”に設定されている場合、一日の総消費エネルギ−(日)を計算し、その計算結果を記憶部31に記憶する(計算手段;ステップS161)。一日の総消費エネルギ−は、運動強度(METs)と運動時間(時間)と体重(kg)の積によって得られる。運動強度は、図26に示す「活動内容(行動コード)と運動強度の対応表」として、アプリケーションと共にセンタコンピュータからユーザコンピュータに送信され、ユーザコンピュータの記憶部31に記憶されている。
【0062】
具体的に、ユーザコンピュータ12は、24時間のタイムテーブルに記入された活動(行動コード)に対応する運動強度と、その行動コードに対応付けられた活動時間(時間枠の大きさ)と、ユーザの体重を記憶装置から読み出し、各行動・時間枠に対応した消費エネルギを計算したのち、計算したすべての消費エネルギを累計して、一日の総消費エネルギ−(日)を計算する(ステップS61)。また、運動強度ごとの累計時間を計算し、各METsごとエクササイズ(METs・h)を計算する(ステップS163)。これらの計算が終了すると、処理装置は、(日)表示フラグを“1”に設定し(ステップS163)、(日)計算フラグ“0”に設定する(ステップS164)。
【0063】
3.8:計算(週)処理(図12,ステップS107):
計算(週)処理は、一週間の総消費エネルギと活動強度別エクササイズを計算する処理で、まず、図12に示すように、一週間のデータが蓄積されたか否か判断する(ステップS171)。具体的には、連続する7日間(一週間)のそれぞれの日について、ステップS163で(日)表示フラグが“1”に設定されているか否か判断する。そして、一週間のデータが蓄積されたと判断された場合、7日間の総消費エネルギを累計して総消費エネルギ(累計値と平均値)を計算して記憶部31に記憶する(計算手段;ステップS171)。次に、各METsごとエクササイズ(METs・h)の7日間(一週間)の累計(エクササイズ(週))を計算する(ステップS172)。以上の計算が終了すると、(週)表示フラグを“1”に設定する(ステップS173)。
【0064】
3.9:表示(日)処理(図13,ステップS108):
図13に示すように、表示(日)処理(ステップS108)では、計算(日)処理で一日の総消費エネルギ(日)、エクササイズ(日)が計算されて(日)表示フラグが“1”に設定されているか否か判断し(ステップS181)、(日)表示フラグが“1”に設定されていれば、計算(日)処理(ステップS106)で計算した一日の総消費エネルギ、エクササイズ(METs・h)を記憶部から読み出し、図22に示すように、これら一日の総消費エネルギ、エクササイズ(METs・h)を表示するとともに、3METs以上のエクササイズを累計した値を計算して表示する(ステップS182)。
【0065】
3.10:表示(週)処理(図14,ステップS109):
表示(週)処理(ステップS109)では、図22に示すタッチパネル32の表示の中に設定されている「7日間の結果を見る」ボタン(スイッチ)5001がオンされたか否か判断する(ステップS191)。いま「7日間の結果を見る」ボタン(スイッチ)5001がオンされた場合、連続する7日間の総消費エネルギ(週)、エクササイズ(週)が計算(週)処理で計算されて(週)表示フラグが“1”に設定されているか否か判断し(ステップS192)、(週)表示フラグが“1”に設定されていれば、計算(週)処理(ステップS106)で計算した一週間の総消費エネルギ、エクササイズ(METs・h)を記憶装置から読み出し、図23に示すように、これら一週間の総消費エネルギ、エクササイズ(METs・h)を表示するとともに、3METs以上のエクササイズを累計した値、活動ごとのエクササイズ(METs・h)を計算して表示する(ステップS193)。
【0066】
3.11:送信処理(図15,ステップS110)
送信処理(ステップS110)では、図15に示すように、送信フラグが“1”に設定されているか否か判断する(ステップS2001)。いま、送信フラグが“1”に設定に設定されている場合、ユーザコンピュータ12は、記憶部31に記憶されているデータ(行動データ、消費エネルギ、エクササイズ等)をユーザの情報(例えば、体重、年齢)と共に、センタコンピュータ11に送信する(ステップS2002)。
【0067】
送信フラグを“1”に設定する処理は、例えば、計算(週)処理(図12)におけるステップS171の処理(総消費エネルギ(週/平均)を計算・記憶)が完了した時点で自動的に設定してもよい。または、例えば図16の初期画面又は図17〜図20の画面に送信ボタン(スイッチ)を設定し、その送信ボタンがオンされときに送信フラグを“1”に設定してもよい。
【0068】
4.1:センタコンピュータの処理
センタコンピュータ11は、上述のようにして各ユーザコンピュータ12から送信されたデータを受信すると、それらのデータを記憶部26に記憶する。記憶された情報の一部を図24、図25に示す。これらの図に示すように、センタコンピュータ11には、図24に示すように、各ユーザの個人情報(ID、データ収集開始日、性別、年齢、身長、体重)、時間帯ごとの運動強度、消費エネルギ、エクササイズ(METs・h)が記憶される。また、センタコンピュータ11には、図25に示すように、一週間の活動強度、活動強度別のMETs・h、3METs未満の活動内容別METs・h、3METs以上の活動内容別METs・h、一週間の平均活動量、一週間の合計活動量等が記憶される。図示しないが、センタコンピュータには、各ユーザの行動コードとそれに費やした時間が基礎データとして記憶されている。
【0069】
したがって、研究者は、センタコンピュータに蓄積された膨大な情報を適宜統計処理することにより、活動・行動と生活習慣病等の関連性を見いだすことできる。
【0070】
5.他の実施例
本発明は上述した実施例に限定されるものでない。
【0071】
例えば、ユーザコンピュータの表示部に表示される画面は単なる一例であって、表示された項目の形、大きさ、色等は種々変更可能である。
【0072】
一日又は一週間の消費エネルギは、ユーザコンピュータで計算してセンタコンピュータに送信してもよいし、ユーザコンピュータから送信された身体活動情報とユーザ情報(体重)に基づいてセンタコンピュータで計算してもよい。
【0073】
ユーザコンピュータは、入力部と表示部を兼用したタッチパネルを備えていることが好ましい。しかし、ユーザコンピュータには、テンキーやキーボードを入力部とする携帯電話やデスクトップやラップトップコンピュータも利用できる。このことは、各々がすでに持つIT端末を利用できることを意味する。従来にみられた単純に総消費エネルギをフィードバックするだけではなく、個々の活動内容と活動時間が解るためライフスタイルを含めた総合的な評価が可能である。大規模な身体活動データを集められることから、医療分野では、投薬による効果と身体活動量およびライフスタイルの関係について応用可能である。さらに、疾病からの治療過程において、ライフスタイルや身体活動の評価に基づくリハビリテーション計画の作成やアドバイスが可能となる。地域や職域におけるヘルスプロモーション分野では、低コストで数万人規模の多人数が用いることが可能である。そして、収集されたデータベースよりデータマイニングを行い、運動習慣、通勤形態(交通行動)、居住地域、睡眠時間、不活動時間などと身体活動量、体型などを多変量解析し、行動パターンを分類して、行動変容のためのアドバイスをインタラクティブに配信することが可能となる。
【符号の説明】
【0074】
10:身体活動量測定システム
11:センタコンピュータ(第1のコンピュータ)
12:ユーザコンピュータ(第2のコンピュータ)
30:処理部
31:記憶部
32:タッチパネル
32a:入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な第1と第2のコンピュータ(11、12)を含む身体活動量測定システム(10)であって、
前記第2のコンピュータ(12)は、
処理部(30)と、
記憶部(31)と、
情報を入力する入力部(32a)と、
情報を表示する表示部(32b)と、
前記表示部(32b)に複数の身体活動を表示させる活動表示手段(S125〜S128)と、
前記表示部(32b)に表示された前記複数の身体活動のいずれかをユーザに選択させる活動選択手段(1000i,1000j,1000k・・・)と、
前記活動選択手段で選択された身体活動に前記ユーザが費やした活動時間を入力させる時間入力手段(1006,2006,3006,4006)と、
前記身体活動と前記活動時間に関連する身体活動情報を前記第1のコンピュータに送信する送信手段(34,S110)を備えていることを特徴とする身体活動量測定システム。
【請求項2】
前記第1のコンピュータ又は第2のコンピュータの少なくともいずれか一方は、前記身体活動情報をもとに前記ユーザの消費エネルギを計算する計算手段(S161,S171)を備えていることを特徴とする身体活動量測定システム。
【請求項3】
前記表示部(32b)に一日24時間のタイムテーブル(23)の少なくとも一部を表示させるタイムテーブル表示手段(S113,S125〜S128)と、
前記活動時間と前記活動時間に対応する前記身体活動を前記タイムテーブル(23)に表示させる時間・活動表示手段(S133,S142)を有する請求項1又は2に記載の身体活動量測定システム。
【請求項4】
24時間のすべてに亘って前記活動時間が入力されているか否かを判断する判断手段(S153)を有する請求項1〜3のいずれかに記載の身体活動量測定システム。
【請求項5】
前記第2のコンピュータは、身体活動情報を記憶する記憶部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の身体活動量測定システム。
【請求項6】
前記第2のコンピュータの入力部と表示部がタッチパネルで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の身体活動量測定システム。
【請求項7】
前記表示部に表示された身体活動の表示が前記活動選択手段に対応していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の身体活動量測定システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図21】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図1】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−85611(P2013−85611A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227032(P2011−227032)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(598015084)学校法人福岡大学 (114)
【出願人】(509349141)京都府公立大学法人 (19)
【Fターム(参考)】