説明

身体装着具

【課題】留め具を構成する永久磁石が外部に露出しないよう構成することにより、永久磁石の破損や永久磁石による皮膚表面の損傷を防止する。
【解決手段】ブレスレット1は、手首の周長さに応じた長さを有する帯材より成る装着具本体2と、装着具本体2の両端部の内部にそれぞれ閉じ込められた状態で配備される2個の永久磁石3A,3Bとから成るものである。各永久磁石3A,3Bは、装着具本体2の両端部が突き合わせ状態で重ねられたときに互いに磁気吸着するように、N,Sの各磁極の向きが装着具本体2の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ブレスレット、ベルト、鉢巻き、サポーターなどのように、手首、腕、足首、脚、頭、首、胴などの身体適所に巻き付けるようにして装着される身体装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ブレスレットは、線状体または帯状体を手首に巻き付けて両端部を留め具により連結するようになっている。従来の留め具による連結構造では、リングサイズ(直径)が固定されて自由度を欠くという問題があり、この問題を解決するために、先般、所謂フリーサイズのブレスレットが提案された(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3042173号公報
【0004】
特許文献1に記載されたブレスレットは、コイル状に保形された弾性線材に全長にわたって永久磁石より成る複数個の吸着体と非磁性体よる成る複数個のスペーサとを交互に挿通して成るものである。各吸着体は留め具として機能するもので、ブレスレットを手首に巻き付けたとき、線材の軸方向に沿って並ぶ吸着体同士が磁力により吸着し合って所望の直径に定まった螺旋状の輪を形づくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した構成のブレスレットでは、吸着体およびスペーサが外部に露出しており、それらが衝突したり擦り合ったりすると、破損したり表面のメッキが剥がれたりして見栄えが低下する。また、吸着体やスペーサによって皮膚の表面が傷付けられるおそれもある。
しかも、多数個の吸着体やスペーサを等間隔かつ全長にわたって配置するため、部品点数が増してコスト高となり、全体の重量も嵩むという問題もある。さらに加えて、リングサイズ(直径)の調整は、吸着体の配列間隔に相当する長さ単位で段階的にしか行えず、微調整が困難であり、手首の周面に密接した状態で装着するのが困難である。
【0006】
この発明は、留め具を構成する永久磁石が外部に露出しないよう構成することにより、永久磁石の破損や永久磁石による皮膚表面の損傷を防止した身体装着具を提供することを目的とする。
また、この発明が他に目的とするところは、少ない数の永久磁石をもって、連続的なサイズ調整を可能とした軽量かつ安価な身体装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による身体装着具は、身体の装着部位の周長さに応じた長さを有する帯材または紐材より成る装着具本体と、装着具本体の両端部の内部にそれぞれ閉じ込められた状態で配備される2個の永久磁石とから成る。各永久磁石は、装着具本体の両端部が突き合わせ状態で重ねられたときに互いに磁気吸着するように、N,Sの各磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられて成るか、または、揃えることが可能に構成されて成る。
【0008】
上記した身体装着具を装着するには、身体の装着部位に装着具本体を巻き付けた後、装着具本体の両端部を突き合わせ状態で重ねる。この場合に、両端部の永久磁石のN,Sの各磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられて成るものでは、装着具本体の両端部を突き合わせ状態で重ねることによって、永久磁石が互いに磁気吸着してリング形状が保持される。一方、両端部の永久磁石のN,Sの各磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えることが可能に構成されたものでは、両端部の永久磁石のN,Sの各磁極の向きを装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えて突き合わせ状態で重ねることによって、永久磁石が互いに磁気吸着してリング形状が保持される。いずれの態様のものでも、各永久磁石は装着具本体の両端部の内部に閉じ込められて外部に露出しないから、永久磁石同士が衝突したり擦り合ったりすることによって永久磁石が破損したり、着用者の皮膚を損傷したりするおそれがない。
【0009】
この発明の上記した構成において、「身体の装着部位」とは、例えばブレスレットであれば手首、ベルトであれば胴、鉢巻きであれば頭、サポーターであれば手首、腕、足首、脚などである。「2個の永久磁石」はその形態は問わないが、例えば、板状の永久磁石であれば、表裏にN,Sの各磁極が現れるように着磁し、2個の永久磁石を磁極の向きが身体装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられた状態で装着具本体の内部に組み込むことができる。例えば、短軸状の永久磁石であれば、一側面と他側面とにN,Sの各磁極が現れるように着磁し、2個の永久磁石を磁極の向きが身体装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えることが可能なように装着具本体の内部に組み込むことができる。
【0010】
この発明の好ましい実施態様においては、少なくとも一方の永久磁石は、装着具本体の端部の内部に長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められている。
この実施態様によると、装着具本体の一方または両方の端部において、永久磁石を長さ方向へ移動させることにより、リングサイズ(直径)を調整することができる。
【0011】
この発明の好ましい一実施態様においては、前記装着具本体は、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質のうちから選ばれた材料の粉末が付着した繊維により形成されている。
【0012】
この実施態様によると、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質が身体に所定の物理的作用を及ぼして健康の増進に有効に機能する。永久磁石の粉末としてネオジムやフェライトが用いられ、マイナスイオン発生物質の粉末としては電気石と呼ばれるトルマリンが一般的である。
これらの材料粉末を繊維に付着させるには、例えば合成繊維などの繊維原料に材料粉末を練り込んで紡糸するなど、種々の方法を採用できる。合成繊維としてポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロンなどを用いることができるが、合成繊維以外にレーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維を用いることもできる。
【0013】
この発明の好ましい実施態様においては、前記装着具本体は、長さ方向へ伸縮可能な生地により形成されている。
この実施態様によると、装着具本体は長さ方向へ伸縮するので、身体の装着部位に適当な締付力が付与され、保持力が高められて位置ずれが防止される。特に、この発明をサポーターに適用した場合、骨格筋や腱を引き締めることができる。
【0014】
この発明による他の身体装着具は、さらに、装着具本体の長さ方向の中間部分の内部に2個の第2の永久磁石がそれぞれ長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められており、第2の永久磁石は、磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交しかつ前記の両端位置の永久磁石の磁極の向きに揃えられて成るか、または、揃えることが可能に構成されて成るものである。
【0015】
上記した身体装着具を身体の装着部位に装着する場合、一端部の永久磁石に一方の第2の永久磁石を、異なる磁極同士を磁気吸着させることでリング状とし、さらに、他端部の永久磁石を他方の第2の永久磁石に、異なる磁極同士を磁気吸着させることで渦巻状または螺旋状とする。この場合に、一端部の永久磁石に磁気吸着させる第2の永久磁石を装着具本体に沿って移動させて所望のリングサイズ(直径)に調整した後、他端部の永久磁石を磁気吸着させる第2の永久磁石を装着具本体に沿って移動させて前記のリングサイズ(直径)に合わせた渦巻または螺旋を生成する。
【0016】
この発明の好ましい実施態様においては、装着具本体の長さ方向の中間部分の内部に、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質のうちから選ばれた材料のチップまたは温熱発生部材が出し入れ可能な状態または出し入れ不能な状態で閉じ込められている。
【0017】
この実施態様によると、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質のうちから選ばれた材料のチップが身体に所定の物理的作用を及ぼし、或いは、温熱発生部材が身体に温熱作用を及ぼして、健康の増進に有効に機能する。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、留め具を構成する永久磁石は装着具本体の内部に閉じ込められた状態で外部に露出しないから、永久磁石の破損や永久磁石による皮膚表面の損傷を防止することができる。
また、好ましい実施態様においては、いずれかの永久磁石を装着具本体の内部に長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められているので、永久磁石を移動させることで、リングサイズを連続的に調整することができる。しかも、少ない数の永久磁石をもってサイズ調整が可能であるから、部品点数が少なくて済み、コストが低減され、全体の重量が嵩むこともない。また、連続的なサイズ調整が可能であるから、身体適所にぴったり合わせて装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例を長さ中央部を省略して示した平面図である。
【図2】図1の実施例を手首に装着した状態を示す一部を破断した正面図である。
【図3】図1の実施例を締め付けた状態を示す一部を破断した正面図である。
【図4】他の実施例を長さ中央部を省略して示した平面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図4の実施例の変形例を長さ中央部を省略して示した正面図である。
【図7】他の実施例を長さ中央部を省略して示した平面図である。
【図8】他の実施例を長さ中央部を省略しかつ一部を破断して示した平面図である。
【図9】他の実施例を長さ中央部を省略して示した平面図である。
【図10】図9の実施例を手首に装着した状態を示す正面図である。
【図11】他の実施例を長さ中央部を省略して示した断面図である。
【図12】図11の実施例を手首に装着した状態を示す斜視図である。
【図13】図12のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および図2は、この発明の一実施例であるブレスレット1の外観および構成を示している。図示例のブレスレット1は、手首9に巻かれる帯状の装着具本体2と、装着具本体2の両端部にそれぞれ配置され装着具本体2が手首9に巻かれた状態を保持するための2個の円盤状の永久磁石3A,3Bとで構成されている。装着具本体2は、手首9の外周に余裕をもって巻き付けた状態で両端部が突き合わせ状態で重なるように長さが設定されている。
【0021】
この実施例の装着具本体2は、ゲルマニウム粉末を付着させた合成繊維より成る可撓性と伸縮性とを有する柔軟な布地を用いて形成されている。全長にわたり一定幅の1枚の長尺の布地を長さ中央部で折り返して重ね、内部に密閉された間隙4が形成されるように上下の布地の両側縁および先端縁をそれぞれ糸で逢い付けている。なお、図1において、21〜23は糸で縫い付けられた縫着部、26は布地の折り返し部である。この合成繊維の布地はポリエステルなどの合成繊維材料にゲルマニウム粉末を練り込んで紡糸することにより得られる。なお、繊維に付着させる健康増進のための材料として、ゲルマニウム粉末に代えて、シリコンその他の半導体物質の粉末、永久磁石やマイナスイオン発生物質の粉末などを用いることができる。
【0022】
装着具本体2の両端部の内部には、永久磁石3A,3Bがそれぞれ長さ方向へ一定距離La,Lbだけ間隙4中を移動可能な状態で閉じ込められている。各永久磁石3A,3Bの長さ方向への移動可能な距離、すなわち、通路長さは上下の布地を糸で縫い付けた縫着部24,25により設定される。
内部の間隙4は永久磁石3A,3Bの移動通路4a,4bを構成し、その通路幅Dは永久磁石3A,3Bの直径よりわずかに大きな値に設定されている。各永久磁石3A,3Bは移動通路4a,4bを移動するが、通路内で容易に上下反転できないので、後述するN,Sの各磁極31,32の向きは変わらない。
【0023】
各永久磁石3A,3Bは、薄板状の円盤であり、表裏の各面がN,Sの各磁極31,32となるように着磁されている。装着具本体2の両端部が突き合わせ状態で重ねられたとき、互いに磁気吸着するように、各永久磁石3A,3BのN,Sの各磁極31,32の向きが装着具本体2の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられている。各永久磁石3A,3Bが磁気吸着した状態において、重ねられた装着具本体2の両端部のうち上側の端部を持って、図3に示す矢印方向へ引っ張ったとき、上側の永久磁石3Aは下側の永久磁石3Bと磁気吸着した状態のまま移動通路4aを移動するように各磁極31,32の磁気の強さが設定されている。図3に示す状態では、リングサイズは小さくなり、ブレスレット1は手首9の外周面に密接して手首9を適度に締め付けている。
【0024】
図4および図5は、ブレスレット1の他の実施例を示している。図示例のものは、全長にわたり一定幅の1枚の長尺の布地の両端部をそれぞれ折り返して重ね、各折り返した部分の両端縁および先端縁を糸で縫い付けて、内部に密閉された間隙4を形成したものである。なお、図中、21,22,24,25は上下の布地を糸で縫い付けた縫着部である。
この装着具本体2の両端部の内部に、永久磁石3A,3Bがそれぞれ長さ方向へ一定距離La,Lbだけ間隙4中を移動可能な状態で閉じ込められている。内部の間隙4は、各永久磁石3A,3Bの移動通路4a,4bを構成しており、各移動通路4a,4bの通路長さ、すなわち、各永久磁石3A,3Bの移動可能な距離は折り返し部26,27と縫着部24,25とで設定されている。
【0025】
図6は、図4,5の上記した実施例において、装着具本体2の長さ中央部の内面に複数個の円盤状のチップ5を取り付けたものである。各チップ5は、ゲルマニウム粉末を焼き固めたものであるが、シリコンなどのその他の半導体物質、永久磁石、またはマイナスイオン発生物質により構成されたチップを用いてもよい。
【0026】
なお、上記した各実施例および以下に示す各実施例は、この発明をブレスレットに適用して構成された例であるが、装着具本体2の幅や長さを適宜選定することで、ベルト、鉢巻き、サポーターなどを構成することができる。
【0027】
図7に示した実施例は、図1の実施例と同様、全長にわたり一定幅の1枚の長尺の布地を長さ中央部で折り返して重ね、内部に密閉された間隙4が形成されるように上下の布地の両側縁および先端縁をそれぞれ糸で逢い付けて縫着部21,22,23を形成したものである。装着具本体2の一方の端部の内部の間隙4には永久磁石3Aが移動しないように拘束された状態で閉じ込められている。装着具本体2の他方の端部の内部には永久磁石3Bが長さ方向へ一定距離Lbだけ間隙4中を移動可能な状態で閉じ込められている。永久磁石3Aが拘束した状態で閉じ込められた一端部の空間40aは折り返し部26と縫着部24との間に形成されている。他端部の内部の間隙4は、永久磁石3Bの移動通路4bを構成しており、その通路長さは縫着部23,25により設定されている。
【0028】
図8に示した実施例は、装着具本体2の両端部に永久磁石3A,3Bがそれぞれ長さ方向へ一定距離La,Lbだけ移動可能な状態で閉じ込められたもので、両端部の内部の間隙は各永久磁石3A,3Bの移動通路4a,4bを構成し、それぞれの通路長さは折り返し部26と縫着部24との間および縫着部23,25間で設定されている。装着具本体2の長さ中央部には、縫着部24,25によって各永久磁石3A,3Bの移動通路4a,4bと区画された間隙4cが存在しており、装着具本体2にこの間隙4cに通じる開口部8が形成してある。この開口部8から間隙4cに対して、ゲルマニウムやシリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質などより成る円盤状のチップ6や温熱発生部材を出し入れすることが可能となっている。なお、前記のチップ6は必ずしも出し入れ可能に設ける必要はなく、間隙4c内に閉じ込められた状態にしてもよい。
【0029】
図9および図10に示した実施例は、装着具本体2の両端部の内部に第1の永久磁石3A,3Bが移動しないように拘束された状態に閉じ込められるとともに、各永久磁石3A,3Bが閉じ込められた空間40a,40bに隣接して、第2の永久磁石7A,7Bが長さ方向へ一定距離Lc,Ldだけ移動可能な状態で閉じ込められる移動通路41a,41bが形成されたものである。第1の永久磁石3A,3Bを拘束した状態で閉じ込める空間40a,40bは折り返し部26と縫着部24との間および縫着部23,25間に形成され、第2の永久磁石7A,7Bが長さ方向への移動可能な移動通路41a,41bは縫着部24,28間および縫着部25,29に形成されている。
【0030】
第1の永久磁石3A,3Bおよび第2の永久磁石7A,7Bは、いずれも薄板状の円盤であり、表裏の各面がN,Sの各磁極31,32,71,72となるように着磁されている。第1の永久磁石3A,3Bは、N,Sの各磁極31,32の向きが装着具本体2の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられている。第2の永久磁石7A,7Bは、N,Sの各磁極71,72の向きが装着具本体2の長さ方向に対して直交しかつ第1の永久磁石3A,3Bの磁極の向きに揃えられている。
【0031】
なお、上記の各実施例では、装着具本体2は帯状であり、各永久磁石3A,3B,7A,7Bは円盤状であるが、これに限定されるものではなく、図11〜図13に示す実施例のように、装着具本体2が紐状であり、各永久磁石3A,3B,7A,7Bが短軸状や円筒状であってもよい。装着具本体2は、両端を密封した合成樹脂などのチューブを用いて構成されている。
【0032】
この実施例では、装着具本体2の両端部の内部の間隙4に第1の永久磁石3A,3Bが移動しないように拘束された状態に閉じ込められるとともに、各永久磁石3A,3Bが閉じ込められた空間40a,40bに隣接して、第2の永久磁石7A,7Bが長さ方向へ一定距離Lc,Ldだけ間隙4中を移動可能な状態で閉じ込められる移動通路41a,41bが形成されている。第1の永久磁石3A,3Bが閉じ込められた空間40a,40bは両端の密封部分と縫着部24,25との間にそれぞれ形成され、第2の永久磁石7A,7Bの長さ方向への移動可能な移動通路41a,41bは縫着部24,28間および縫着部25,29間にそれぞれ形成される。各永久磁石3A,3B,7A,7Bは、同じ形状、同じ大きさの短軸体であり、一側面の側がN磁極31,71に、他側面の側がS磁極32,72に、それぞれ着磁されている。
【0033】
一端部の第1の永久磁石3Aには一方の第2の永久磁石7Bが、他端部の第1の永久磁石3Bには他方の第2の永久磁石7Aが、それぞれのN,Sの各磁極が同方向に揃った状態で異なる磁極同士が磁気吸着する。装着具本体2の内部の間隙4は、径方向に沿う断面の形状が円形であり、第1、第2の各永久磁石3A,3B,7A,7Bは間隙4内で軸回転が可能であるので、第2の永久磁石7A,7BのN,Sの各磁極71,72の向きと第1の永久磁石3A,3BのN,Sの各磁極31,32の向きとを揃えることが可能である。
【0034】
上記した図1〜図8に示したブレスレット1を装着するには、手首9に装着具本体2を巻き付けた後、装着具本体2の両端部を突き合わせ状態で重ねる。この場合に、両端部の永久磁石3A,3BのN,Sの各磁極31,32の向きが装着具本体2の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられているので、装着具本体2の両端部を突き合わせ状態で重ねることによって、永久磁石3A,3Bが互いに磁気吸着してリング形状が保持される。
【0035】
いずれの実施例について、永久磁石3A,3Bの少なくとも一方は、装着具本体2の端部の内部に長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められているので、一方または両方の端部において、永久磁石を移動通路4a,4bを長さ方向へ移動させることにより、リングサイズ(直径)を調整することができる。
各永久磁石3A,3Bは装着具本体2の両端部の内部に閉じ込められて外部に露出しないから、永久磁石3A,3B同士が衝突したり擦り合ったりすることによって永久磁石3A,3Bが破損したり、着用者の皮膚を損傷したりするおそれがない。
【0036】
図9〜図12に示したブレスレット1を装着するには、一端部の第1の永久磁石3Aに一方の第2の永久磁石7Bを、異なる磁極同士を磁気吸着させることでリング状とし、さらに、他端部の第1の永久磁石3Bを他方の第2の永久磁石7Aに、異なる磁極同士を磁気吸着させることで渦巻または螺旋とする。この場合に、一端部の第1の永久磁石3Aに磁気吸着させる第2の永久磁石7Bを装着具本体2に沿って移動通路41bを移動させて所望のリングサイズ(直径)に調整した後、他端部の第1の永久磁石3Bに磁気吸着させる第2の永久磁石7Aを装着具本体2に沿って移動通路41aを移動させて前記のリングサイズ(直径)に合わせた渦巻または螺旋を生成する。
第1,第2の各永久磁石3A,3B,7A,7Bは装着具本体2の内部に閉じ込められて外部に露出しないから、永久磁石3A,3B,7A,7B同士が衝突したり擦り合ったりすることによって永久磁石3A,3B,7A,7Bが破損したり、着用者の皮膚を損傷したりするおそれがない。
【符号の説明】
【0037】
1 ブレスレット
2 装着具本体
3A,3B 永久磁石
7A,7B 第2の永久磁石
31,71 N磁極
32,72 S磁極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の装着部位の周長さに応じた長さを有する帯材または紐材より成る装着具本体と、装着具本体の両端部の内部にそれぞれ閉じ込められた状態で配備される2個の永久磁石とから成り、各永久磁石は、装着具本体の両端部が突き合わせ状態で重ねられたときに互いに磁気吸着するように、N,Sの各磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交する同方向に揃えられて成るか、または、揃えることが可能に構成されて成る身体装着具。
【請求項2】
少なくとも一方の永久磁石は、装着具本体の端部の内部に長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められている請求項1に記載された身体装着具。
【請求項3】
前記装着具本体は、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質のうちから選ばれた材料の粉末が付着した繊維により形成されている請求項1または2に記載された身体装着具。
【請求項4】
前記装着具本体は、長さ方向へ伸縮可能な生地により形成されている請求項1〜3のいずれかに記載された身体装着具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載された身体装着具であって、装着具本体の長さ方向の中間部分の内部に2個の第2の永久磁石がそれぞれ長さ方向へ移動可能な状態で閉じ込められており、第2の永久磁石は、磁極の向きが装着具本体の長さ方向に対して直交しかつ前記の両端位置の永久磁石の磁極の向きに揃えられて成るか、または揃えることが可能に構成されて成る身体装着具。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載された身体装着具であって、装着具本体の長さ方向の中間部分の内部に、ゲルマニウム、シリコンなどの半導体物質、永久磁石、マイナスイオン発生物質のうちから選ばれた材料のチップまたは温熱発生部材が出し入れ可能な状態または出し入れ不能な状態で閉じ込められて成る身体装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−78524(P2011−78524A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232431(P2009−232431)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(502434918)
【Fターム(参考)】