説明

身長検出システムおよびこれを用いた自動改札機

【課題】 人物の身長を正確に検出することのできる身長検出システムおよびこれを用いた自動改札機を提供する。
【解決手段】 少なくとも一対のカメラ2で撮影した画像のフレームの差分を検出し、このフレームの差分から差分輪郭線を抽出するフレーム差分解析部4と、各カメラ2で撮影された画像の静止画像から静止画輪郭線を抽出して、この静止画輪郭線から頭部候補点を検出する頭頂部解析部5と、各カメラ2による画像に基づいて検出された各頭部候補点とカメラ2とを結ぶ直線を決定して真の頭頂部を決定し、この真の頭頂部と各カメラ2aの位置情報に基づいて頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定する身長判定部6と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は身長検出システムおよびこれを用いた自動改札機に係り、特に、自動改札機を通過する人物の身長を正確に検出するための身長検出システムおよびこれを用いた自動改札機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、鉄道関係において、改札業務の省力化を目的として、駅施設の入場口あるいは出場口などに自動改札機が設置されている。
【0003】
この自動改札装置は、入場、出場あるいは乗換の際に利用客により投入された乗車券、または無線交信部に近接提示された乗車券に記録されている磁気情報や無線情報(たとえば、入場駅及び乗車券の有効期問や料金、大人用か小人用かの種別など)を読み取り、この読み取った情報に基づいて利用者の通過の許可あるいは阻止を決定し、その乗車券にたとえば印字処理などの所定処理を施した後、その乗車券を必要により排出するものである。
【0004】
このような自動改札機には、従来、赤外線センサによる人物検知センサが設けられており、赤外線センサの遮光状態により、人物の位置や高さなどを監視するようにしている。そして、この人物の高さが一定値より高いか低いかにより、人物が大人であるか小人であるかを区別するようになっている。
【0005】
しかしながら、前述の赤外線センサを用いて人物の判定を行う技術においては、人物の身長を正確に測定することができず、また、赤外線センサを故意に隠すといった不正が行われるおそれがあるという問題を有している。そのため、赤外線センサの設置数を増やせば、ある程度身長の測定精度の向上や不正への対応を図ることができるが、設置コストの増大を招いてしまうという問題を有している。
【0006】
そのため従来から、自動改札機の通路にビデオカメラを設置し、このビデオカメラにより撮影される画像の動領域を検出することにより、人物の存在を検出し、この動領域の高さ位置を検出することにより、人物の身長を検出するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献参照。)。
【特許文献1】特開平10−105748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明においては、自動改札機の通路の通過位置、すなわち、ビデオカメラに近い位置を通過するか、遠い位置を通過するかにより、身長の検出に誤差が生じるおそれがあり、人物の正確な身長を測定することができないという問題を有している。
【0008】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、人物の身長を正確に検出することのできる身長検出システムおよびこれを用いた自動改札機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る身長検出システムは、人物を撮影する少なくとも一対のカメラと、
前記各カメラで撮影した画像のフレームの差分を検出し、このフレームの差分人物の移動方向と推定される方向に直交する成分を多く含む差分輪郭線を抽出して、この抽出された差分輪郭線の最上部分を頭部候補輪郭線位置として特定するフレーム差分解析部と、
前記各カメラで撮影された画像の静止画像のうち、前記頭部候補輪郭線位置の近傍における画像から水平方向の成分を多く含む静止画輪郭線を抽出して、この静止画輪郭線の最上部を抽出することにより、頭部候補点を検出する頭頂部解析部と、
前記各カメラによる画像に基づいてそれぞれ検出された前記各頭部候補点と前記カメラとを結ぶ直線を決定するとともに、各直線間の距離を計算して真の頭頂部を決定し、この真の頭頂部と前記各カメラの位置情報に基づいて、頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定する身長判定部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記身長判定部は、前記各頭部候補点と前記各カメラとを結ぶ各直線が交差しない場合に、前記各頭部候補点において、各直線に共通な垂線を引き、この垂線の中点をそれぞれの頭頂点に設定するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記身長判定部は、前記頭頂点と各カメラとを結ぶ直線に接するように、あらかじめ設定された推定図形を配置し、この推定図形の頂点を真の頭頂点に設定するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、少なくとも1つのカメラをさらに備え、前記カメラを組み合わせて二対のカメラを設定し、
前記身長判定部は、一対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部と、他の対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部とを比較し、頭頂部の位置が低い方を真の頭頂点位置に設定するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明に係る自動改札機は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の身長検出システムを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、フレーム差分解析部により、一対のカメラで撮影した画像のフレームの差分を検出し、このフレームの差分から差分輪郭線を抽出して、この抽出された差分輪郭線の最上部分を頭部候補輪郭線位置として特定し、頭頂部解析部により、各カメラで撮影された画像の静止画像のうち、頭部候補輪郭線位置の近傍における画像から静止画輪郭線を抽出して、この静止画輪郭線の最上部を抽出することにより、頭部候補点を検出し、身長判定部により、各カメラによる画像に基づいてそれぞれ検出された各頭部候補点とカメラとを結ぶ直線を決定するとともに、各直線間の距離を計算して真の頭頂部を決定し、この真の頭頂部と各カメラの位置情報に基づいて、頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定するようにしているので、人物の身長を正確に検出することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、身長判定部により、各頭部候補点と各カメラとを結ぶ各直線が交差しない場合に、各頭部候補点において、各直線に対して垂線を引き、この垂線の中点をそれぞれの頭頂点に設定するようにしているので、人物の頭部候補点に基づいて確実に頭頂点を設定することができ、身長の検出を正確に行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、身長判定部により、頭頂点と各カメラとを結ぶ直線に接するように、あらかじめ設定された推定図形を配置し、この推定図形の頂点を真の頭頂点に設定するようにしているので、人物の頭頂点を正確に設定することができ、身長の検出を正確に行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、身長判定部により、一対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部と、他の対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部とを比較し、頭頂部の位置が低い方を真の頭頂点位置に設定するようにしているので、1つのカメラで人物の頭部を撮影することができなかった場合でも、正確に身長を検出することができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の身長検出システムを搭載しているので、自動改札機を通過する人物の身長を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1および図2は本発明に係る身長検出システムを適用した自動改札機の実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態においては、少なくとも一対の自動改札機1を備えており、各自動改札機1により構成される通路に対向する位置には、それぞれ2つずつカメラ2a,2b,2c,2dが設置されている。これら各カメラ2は、互いに通路に向けて指向されており、通路を通行する人物の上半身が撮影できるように上方に指向されている。これら各カメラ2は、自動改札機1の通路の全域を撮影できるように広角撮影が可能なカメラ2が用いられる。
【0021】
また、本実施形態においては、自動改札機1の通路の入口側に設置されたカメラ2が第1カメラ2a、第2カメラ2bとされており、出口側に設置されたカメラ2が第3カメラ2c、第4カメラ2dとされている。そして、第1カメラ2aと第2カメラ2bとが対のカメラ2とされており、第3カメラ2cと第4カメラ2dとが別の対のカメラ2とされている。なお、第1カメラ2aと第4カメラ2dとで対のカメラ2とするとともに、第2カメラ2bと第3カメラ2cとで対のカメラ2としてもよく、これら各カメラ2の対の組合せは、任意に設定することが可能である。以下においては、第1カメラ2aと第2カメラ2bとを用いた場合について説明する。
【0022】
また、図2に示すように、自動改札機1は身長検出システム3を備えており、この身長検出システム3は、フレーム差分解析部4、頭頂部解析部5および身長判定部6をそれぞれ備えている。
【0023】
フレーム差分解析部4は、図3に示すように、カメラ2a,2bで撮影した画像において、時系列的に連続するフレームを比較することにより、各フレームの差分を検出してフレーム差分画像を求め、このフレーム差分画像から差分輪郭線を抽出するように構成されている。フレームの差分検出は、カメラ2a,2bで撮影した画像の各フレームの全画素を比較し、変化のある画素を差分として検出するものである。変化のある画素というのは、カメラ2a,2bで撮影された画像の中で動きのある部分であり、このフレーム差分を検出することにより、改札通路を人物が移動しているものと判断することができるものである。なお、図3中、斜線で示す部分は、本来、動きのない背景部分であり、通常の差分検出では、変化がないものとして黒色で表されることになる。本説明では、便宜上、斜線で示すこととする。
【0024】
また、差分輪郭線の抽出は、フレーム差分画像に基づいて、エッジ検出点を求めるように構成されている。このとき、本実施形態においては、このエッジ検出は、画像の濃度勾配を応用したエッジ検出フィルタを用いるようになっており、このようなエッジ検出フィルタを用いることにより、図4に示すように、人物の移動方向に対してほぼ垂直に近い方向に並んだエッジ検出点を発生させるものである。これは、フレーム差分検出を行う場合、頭頂点付近の水平に近い部分は頭部と背景の影響を受け不安定になり易いため、この部分を使用せず、人物が移動する方向に対してほぼ垂直に近い方向に並んだエッジ検出点を発生させることにより、安定したエッジ検出を行うためである。
【0025】
また、本実施形態においては、フレーム差分解析部4は、求められたエッジ検出点を連結することにより、人物の移動方向と推定される方向に直交する成分を多く含む差分輪郭線を抽出するように構成されている。このとき、本実施形態においては、エッジ検出点を連結して差分輪郭線を抽出する場合に、差分輪郭線を構成する線分は、各エッジ検出点間の距離を測定し、この距離が一定値以上となる場合には、エッジ検出点の連結を行わず、エッジ検出点の距離が一定値以下となるエッジ検出点のみを連結して線分を構成するようになっている。これにより、エッジ検出点の孤立点や短い線分を排除することができるようになっている。
【0026】
そして、フレーム差分解析部4は、抽出された差分輪郭線に基づいて、差分輪郭線の最上部分を頭部候補輪郭線位置として特定するように構成されている。
【0027】
また、頭頂部解析部5は、図3および図5に示すように、カメラ2a,2bにより撮影された画像の静止画像のうち、頭部候補輪郭線位置の近傍における画像から、水平方向の成分を多く含む静止画輪郭線を抽出する。このように頭部候補輪郭線位置の近傍において、水平方向の成分を多く含む静止画輪郭線を抽出することにより、余分な垂直成分を除去してノイズの少ない静止画輪郭線を抽出することができるものである。そして、この静止画輪郭線の最上部を抽出することにより、頭部候補点を検出するように構成されている。
【0028】
身長判定部6は、各カメラ2a,2bによる画像に基づいてそれぞれ検出された頭頂部解析部5により解析された頭部候補点とカメラ2a,2bとを結ぶ直線(エピポーラ線)を決定し、各直線間の距離を計算するように構成されている。そして、各直線間の距離が所定の基準値以上である場合は、該当する頭部候補点は、候補から外される。これは、例えば、カメラ2a,2bによる撮影画像に複数の人物が撮影されていた場合に、各人物の頭部候補点を結ぶ直線が大きくずれてしまうと正確な身長の測定ができなくなるためである。
【0029】
また、身長判定部6は、各直線が頭部候補点で交差する場合には、該当する頭部候補点を頭頂点に設定する。一方、各直線が交差しない場合は、図6に示すように、頭部候補点において、各直線に共通な垂線を引き、この垂線の中点をそれぞれの頭頂点に設定するように構成されている。
【0030】
また、本実施形態においては、身長判定部6は、図7に示すように、設定された各頭頂点と各カメラ2a,2bとを結ぶ直線に接するように、あらかじめ設定された推定図形を配置し、この推定図形の頂点を真の頭頂点に設定するように構成されている。これは、本実施形態においては、カメラ2a,2bを自動改札機1にカメラ2a,2bを人物の下方から撮影するように設置するようにしていることから、実際の頭頂部に対して直線の交点が高く検出されてしまうためである。
【0031】
また、身長判定部6は、真の頭頂部を基準点と2台のカメラ2a,2bの位置とにより形成される三角形に基づいて、頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定するように構成されている。すなわち、頭頂点の位置がわかれば、2台のカメラ2a,2bの位置はあらかじめわかっていることから、頭頂点と各カメラ2a,2bにより形成される三角形により身長を判定することができるものである。
【0032】
さらに、本実施形態においては、身長検出システム3により判定された身長情報を入力して自動改札機1の制御を行う改札機制御部7を備えている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、自動改札機1を通る人物をカメラ2a,2bで撮影し(ST1)、この撮影した画像情報をフレーム差分解析部4に送る。そして、フレーム差分解析部4により、カメラ2a,2bで撮影した画像のフレームの差分を検出し(ST2)、このフレームの差分から差分輪郭線を抽出する(ST3)。続いて、この抽出された差分輪郭線に基づいて、頭部候補輪郭線位置として特定する(ST4)。
【0035】
次に、頭頂部解析部5により、カメラ2a,2b撮影された画像の静止画像のうち、頭部候補輪郭線位置の近傍における画像から、水平方向において最上部に位置する静止画輪郭線を抽出して、この静止画輪郭線の最上部を抽出することにより、頭部候補点を検出する(ST5)。
【0036】
続いて、身長判定部6により、各カメラ2a,2bによる画像に基づいてそれぞれ検出された頭頂部解析部5により解析された頭部候補点とカメラ2a,2bとを結ぶ直線を決定した後、各直線間の距離を計算する(ST6)。そして、各直線間の距離が所定の基準値であるか否か判断し(ST7)、各直線間の距離が所定の基準値より大きい場合は、該当する頭部候補点は、候補から外される(ST12)。
【0037】
また、各直線が頭部候補点で交差する場合には、該当する頭部候補点を頭頂点に設定するとともに、各直線が交差しない場合は、頭部候補点において、各直線に対して垂線を引き、この垂線の中点をそれぞれの頭頂点に設定する(ST8)。
【0038】
そして、身長判定部6により、この設定された頭頂部に基づいて、設定された各頭頂点と各カメラ2a,2bとを結ぶ直線に接するように、あらかじめ設定された推定図形を配置して、この推定図形の頂点を真の頭頂点に設定する。そして、真の頭頂部を基準点と2台のカメラ2a,2bの位置とにより形成される三角形に基づいて、頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定する(ST10)。
【0039】
身長判定部6により判定された身長に基づいて、改札機制御部7により、人物が大人である小人であるかを判断し(ST11)、改札機の制御を行う。
【0040】
なお、前記実施形態においては、第1カメラ2aと第2カメラ2bとを用いて人物の身長を判定する場合について説明したが、第3カメラ2cと第4カメラ2dとを用いて人物の身長を判定するようにしてもよい。また、第1カメラ2aと第2カメラ2bとによる身長判定および第3カメラ2cと第4カメラ2dとによる身長判定を同時に行い、両身長に基づいて改札機制御部7による制御を行うようにしてもよい。
【0041】
したがって、本実施形態においては、2台のカメラ2a,2bにより撮影された画像に基づいて人物の頭頂部を設定し、この頭頂部の位置と2台のカメラ2a,2bの位置とから人物の身長を判定するようにしているので、自動改札機1の通路のいずれの位置を通過した場合でも、人物の身長を正確に検出することができる。
【0042】
なお、図9に示すように、例えば、1台のカメラ2で撮影した画像においては、人物の肩などが邪魔となり、頭部が撮影されないことが生じるおそれがある。この場合には、肩部分を延長した直線状に頭頂部が設定されることになってしまい、設定された身長が実際の身長より高くなってしまうことがある。そのため、第1カメラ2aと第2カメラ2bとで撮影された画像から検出された頭頂部と、第3カメラ2cと第4カメラ2dとで撮影された画像から検出された頭頂部とを比較し、頭頂部の位置が低い方を真の頭頂点位置に設定するようにすればよい。
【0043】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る身長検出システムを適用した自動改札機の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る身長検出システムを適用した自動改札機の実施形態を示すブロックである。
【図3】本実施形態における画像解析手順を示す説明図である。
【図4】本実施形態におけるエッジ検出点を求める手段を示す説明図である。
【図5】本実施形態における静止画輪郭線を抽出する手段を示す説明図である。
【図6】本実施形態における頭部候補点と直線とが交差しない場合の補正手段を示す説明図である。
【図7】本実施形態における真の頭頂部を設定する手段を示す説明図である。
【図8】本実施形態における身長検出動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明における真の頭頂部を設定する他の手段を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 自動改札機
2 カメラ
3 身長検出システム
4 フレーム差分解析部
5 頭頂部解析部
6 身長判定部
7 改札機制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物を撮影する少なくとも一対のカメラと、
前記各カメラで撮影した画像のフレームの差分を検出し、このフレームの差分から人物の移動方向と推定される方向に直交する成分を多く含む差分輪郭線を抽出して、この抽出された差分輪郭線の最上部分を頭部候補輪郭線位置として特定するフレーム差分解析部と、
前記各カメラで撮影された画像の静止画像のうち、前記頭部候補輪郭線位置の近傍における画像から水平方向の成分を多く含む静止画輪郭線を抽出して、この静止画輪郭線の最上部を抽出することにより、頭部候補点を検出する頭頂部解析部と、
前記各カメラによる画像に基づいてそれぞれ検出された前記各頭部候補点と前記カメラとを結ぶ直線を決定するとともに、各直線間の距離を計算して真の頭頂部を決定し、この真の頭頂部と前記各カメラの位置情報に基づいて、頭頂点の三次元位置を特定し、この三次元位置から人物の身長を判定する身長判定部と、
を備えていることを特徴とする身長検出システム。
【請求項2】
前記身長判定部は、前記各頭部候補点と前記各カメラとを結ぶ各直線が交差しない場合に、前記各頭部候補点において、各直線に共通な垂線を引き、この垂線の中点をそれぞれの頭頂点に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の身長検出システム。
【請求項3】
前記身長判定部は、前記頭頂点と各カメラとを結ぶ直線に接するように、あらかじめ設定された推定図形を配置し、この推定図形の頂点を真の頭頂点に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の身長検出システム。
【請求項4】
少なくとも1つのカメラをさらに備え、前記カメラを組み合わせて二対のカメラを設定し、
前記身長判定部は、一対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部と、他の対のカメラにより撮影された画像から検出された頭頂部とを比較し、頭頂部の位置が低い方を真の頭頂点位置に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の身長検出システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の身長検出システムを搭載したことを特徴とする自動改札機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−122078(P2010−122078A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296234(P2008−296234)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】