説明

車両のケーブル配設構造及び車両の組立方法

【課題】車室外の電動機と車室内の制御装置とを接続するケーブル配設構造の最適化を図ることで、高電圧がかかるケーブルに対する車室内の乗員の安全を確保でき、車室内のスペースを有効活用できると共に、車両の組立工程の効率化を図る。
【解決手段】エンジンルーム(2)内に配置された車両駆動用のモータ(3b)を含むパワーユニット(3)と、車室(7)内に配置されたモータ用の制御装置(20)と、モータ(3b)と制御装置(20)を接続してなる高電圧のケーブル(15)とを備えた車両のケーブル配設構造であって、ケーブル(15)は、ダッシュボード部(21)に設けたシフトワイヤ(65)用の貫通穴(13)を通してエンジンルーム(2)から車室(7)内に導入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室外に配置された車両駆動用の電動機と、車室内に配置された電動機用の制御装置とを接続してなるケーブルを配設するための車両のケーブル配設構造、及び該ケーブルの配設工程を有する車両の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータを併用して走行する自動車(以下、「ハイブリッド自動車」と称す。)、又はモータのみを用いて走行する自動車(以下、「電気自動車」と称す。)には、モータに電力を供給可能な車両駆動用のバッテリ(バッテリモジュール)が搭載されている。このバッテリは、ケースに収容されてインバータ装置など当該バッテリによるモータの駆動を制御するための制御装置と共にユニット化されている場合が多い。
【0003】
上記のバッテリ及び制御装置を車室内に設置する場合は、乗員に必要なスペースの確保のために、デッドスペースである座席シートの下部などに設置する必要がある。特許文献1には、車室内のシート下にバッテリ及び制御装置を設置した構造が開示されている。そして、このような車両では、エンジンルームに設置された車両駆動用のモータと、車室内に設置されたバッテリ及び制御装置とを接続する三相線などからなるケーブル(高電圧ケーブル)がエンジンルームから車室内にかけて配設されている。
【0004】
ところが、車室内の乗員のスペースを広く確保するには、上記のケーブルは、乗員用のスペースにかからない位置に効率的に配設する必要がある。また、モータと制御装置を接続する上記のケーブルには高電圧がかかるため、当該ケーブルが車室内を通る経路は、車両の衝突時などの衝撃が加わり難い位置であって、かつ、運転席及び助手席に着席している乗員から離れた位置とすることで、万一の場合でも車室内の乗員に高電圧の影響が及ばないようにする必要がある。なお、特許文献2には、車両の衝突時にケーブルに過大な衝撃が加わることを防止するための構造として、ケーブルをプロテクタで覆った保護構造が開示されている。しかしながら、当該構造を採用するとケーブル及びその周辺の部品点数の増加や構成の複雑化につながるという問題がある。
【0005】
また、上記のようなモータと制御装置を接続するケーブルを備えた車両の組立においては、当該ケーブルを配設するための工程として、車両駆動用のモータを備えずエンジンのみを駆動源とする車両の組立工程と比較して、ケーブルを配設するための人員と専用の工程を余計に設定する必要がある。また、エンジンルームと車室を隔てている車体のダッシュボード部には、ケーブルを挿通するための貫通穴などを有する経路を別途に設定する必要がある。これらによって、駆動源としてのモータを備えた電動車両の組立工程は、モータを備えない通常の車両の組立工程よりも工程数が多く手間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−354039号公報
【特許文献2】特開2007−131237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室外の電動機と車室内の制御装置とを接続するケーブルの配設構造の最適化を図ることで、高電圧がかかるケーブルに対する車室内の乗員の安全を確保でき、車室内のスペースを有効活用できると共に、車両の組立工程の効率化を図ることができる車両のケーブル配設構造及び車両の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、車両(1)の前方の車室(7)外に配置された車両駆動用の電動機(3b)を含む駆動装置(3)と、車室(7)内に配置された電動機用の制御装置(20)と、電動機(3b)と制御装置(20)とを接続してなるケーブル(15)と、を備えた車両のケーブル配設構造であって、車室(7)内に設置されて運転者が選択した走行レンジ位置を出力するシフト操作装置(60)を備え、車両(1)の車体(10)は、このシフト操作装置(60)として、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した第1のシフト操作装置(60−1)と、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤの機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフト操作装置(60−2)とのいずれかを選択的に搭載可能な構造であって、車両(1)には、第1のシフト操作装置(60−1)が搭載されており、ケーブル(15)は、車両(1)に搭載されるシフト操作装置(60)が第2のシフト操作装置(60−2)である場合に電動機(3b)と第2のシフト操作装置(60−2)とを接続するシフトワイヤ(65)が配設される経路に対して、少なくとも一部の経路を共通にして配設されていることを特徴とする。
【0009】
走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した(シフトバイワイヤ方式の)第1のシフト操作装置と、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤの機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフト操作装置とのいずれかを選択的に搭載可能な構造の車体を備えた車両では、第1のシフト操作装置を搭載する場合には、シフト操作装置から延びるシフトワイヤが不要となる。そのため、本来シフトワイヤが配設されるべき経路がデッドスペースとなる。そこで、当該シフトワイヤが配設されるべき経路の少なくとも一部に電動機と制御装置を接続するケーブルを配設するようにすれば、車両におけるデッドスペースを有用に活用して当該ケーブルを配設することができる。
【0010】
また、シフトワイヤが配設されるべき経路を利用して電動機と制御装置を接続するケーブルを配設することで、当該ケーブルのための専用経路を設ける必要がなくなる。これにより、車室内のスペースの有効利用を図ることができると共に、車両の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0011】
また、上記のケーブル配設構造では、車体(1)おける車室(7)内と車室(7)外とを隔てた部分(12)には、シフトワイヤ(65)を貫通させるための貫通穴(13)が設けられており、ケーブル(15)は、この貫通穴(13)を通って車室(7)外から車室(7)内に導入されているとよい。
【0012】
また、上記のケーブル配設構造では、駆動装置(3)とシフト操作装置(60)とを接続し、該シフト操作装置(60)による走行レンジ位置の情報を電気信号にて駆動装置(3)へ出力するための配線(62)を備え、シフト操作装置(60)は、車室(7)内で制御装置(20)の近傍に配置されており、ケーブル(15)と配線(62)は、少なくともそれらの一部が共通の経路に配設されているとよい。
【0013】
また、上記のケーブル配設構造では、車両(1)には、第1のシフト操作装置(60−1)に代えて第2のシフト操作装置(60−2)が搭載されており、ケーブル(15)と第2のシフト操作装置(60−2)に繋がるシフトワイヤ(65)とは、少なくとも一部の経路を共通にして配設されているとよい。
【0014】
走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した第1のシフト操作装置を搭載した場合だけでなく、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤの機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフト操作装置を搭載した場合にも、高電圧がかかるケーブルの一部をシフトワイヤと共通の経路で配設することで、車室内のスペースの有効利用を図ることができる。また、車両の組立工程の効率化を図ることもできる。この場合の具体例としては、シフトワイヤを貫通させている車体の貫通穴にケーブルも一緒に貫通させることが挙げられる。
【0015】
また、上記のケーブル配設構造では、車室(7)内に設置されて、車幅方向に並べて設置された複数の前方座席シート(5a,5b)を備え、シフト操作装置(60)は、複数の前方座席シート(5a,5b)の間に配置されており、制御装置(20)は、シフト操作装置(60)の真下位置に設置されているとよい。
【0016】
前方座席シートの間にシフト操作装置を配置し、その真下位置に電動機用の制御装置を配置することで、ケーブルとシフト配線の配設経路の共通部分を長くすることができるので、ケーブル用の専用経路が少なくて済む。また、前方座席シートの間における制御装置の真上位置にシフト操作装置を配置することで、運転席の乗員が操作し易い位置にシフト操作装置を配置することができる。
【0017】
またこの場合、制御装置(20)は、車幅方向における前方座席シート(5a,5b)の間に設けたセンターコンソール部(21)に配置されているとよい。これによれば、車室内のデットスペースを有効に利用して電動機用の制御装置を配置することが可能となる。
【0018】
また、シフト操作装置及び電動機用の制御装置を前方座席シートの間のセンターコンソール部に配置することで、車両前方に設置した電動機から車室内のシフト操作装置に繋がるシフト配線と制御装置へ繋がるケーブルとを車室内の車幅方向の中央で前後方向に延びる直線上に配設することが可能となる。したがって、シフト配線及びケーブルを車室内の乗員に影響を及ぼさない安全な位置に省スペースで配設できると共に、簡単な構成で安価に配設することが可能となる。
【0019】
また、上記のケーブル配設構造では、制御装置(20)は、電動機(3b)に電力を供給するためのバッテリ(50)と制御機器(56)とがケース(30)に収容されてなる高電圧制御機器ユニット(20)であって、高電圧制御機器ユニット(20)は、その一部が複数の前方座席シート(5a,5b)の間に配置されており、シフト操作装置(60)は、複数の前方座席シート(5a,5b)の間で高電圧制御機器ユニット(20)の真上に配置されているとよい。
【0020】
この構成によれば、車室内のデッドスペースである前方シートの間のセンターコンソール部に車両駆動用のバッテリを含む外形寸法が比較的に大きな高電圧制御機器ユニットを効率的に配置することができる。また、高電圧制御機器ユニットの真上位置にシフト操作装置を配置することで、前方シートに着席した運転者が操作し易い高さ位置にシフト操作装置を配置することができる。
【0021】
この場合、シフト操作装置(60)は、高電圧制御機器ユニット(20)のケース(31)上に載置されているとよい。この構成によれば、高電圧制御機器ユニットのケースを用いてシフト装置を載置(支持)できるので、シフト操作装置を載置するための専用部品が不要となる。したがって、部品点数の削減、車両の組立工程の簡素化を図ることができる。
【0022】
また、上記のケーブル配設構造では、ケーブル(15)は、少なくともその一部分がコルゲートチューブ(15a)で被覆された可撓性を有する部分であることが望ましい。また、ケーブル(15)は、少なくともその一部分が剛性を有する筒部材(15b)で覆われた可撓性を有しない部分であることが望ましい。
【0023】
この構成によれば、ケーブルの一部分が可撓性を有する部分であることで、ケーブル配設の自由度が向上し、ケーブルを所望の経路に容易に配設することができる。また、ケーブルの少なくとも一部が剛性を有する筒部材で覆われていることで、当該部分を配線の組付時(配設時)に作業者が把持するための部分とすることができる。これにより、作業者がケーブルを手で持って車室外の電動機から車室内の制御装置まで配設する作業を容易かつ迅速に行えるようになるので、車両の組立作業の効率化を図ることができる。さらに、剛性を有する筒部材で覆われている部分のケーブルは、近傍にある他の部品や部材と擦れ合うことで磨耗することを防止できる。
【0024】
また、本発明にかかる車両の組立方法は、車両(1)の前方のエンジンルーム(2)内に配置された車両駆動用の電動機(3b)を含む駆動装置(3)と、車室(7)内に配置された電動機(3b)用の制御装置(20)と、電動機(3b)と制御装置(20)とを接続するケーブル(15)と、運転者が選択した走行レンジ位置を示す信号を出力するシフト操作装置(60)と、駆動装置(3)とシフト操作装置(60)とを接続し、該シフト操作装置(60)による走行レンジ位置の信号を駆動装置(3)へ出力するための配線(62)と、を備えた車両の組立方法であって、駆動装置(3)を車両(1)の下側からエンジンルーム(2)内に挿入して設置する工程と、駆動装置(3)に接続されたケーブル(15)と配線(62)の少なくとも一部分を一体に纏めた状態で、車体(10)に設けた貫通穴(13)を通して車室(7)内に導入する工程と、ケーブル(15)の端部を車室(7)内で制御装置(20)に繋ぐ工程と、配線(62)の端部を車室(7)内でシフト操作装置(60)に繋ぐ工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
またこの場合、ケーブル(15)と配線(62)とを車室(7)内に導入する工程は、駆動装置(3)を車両(1)の下側からエンジンルーム(2)内に挿入して設置する工程と同時に行われる工程であるとよい。このように、ケーブルと配線を車室内に導入する工程を駆動装置の設置工程と同時に行えば、ケーブルを配設するための専用工程を省略できるので、車両の組立の効率化を図ることができる。また、車両駆動用の電動機を備える車両と備えない車両との組立工程の偏差を減らすことが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、車室外の電動機と車室内の制御装置とを接続するケーブルの配設構造の最適化を図ることで、高電圧がかかるケーブルに対する車室内の乗員の安全を確保でき、車室内のスペースの有効活用できると共に、車両の組立工程の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるケーブル配設構造を備えたハイブリッド自動車の車両を示す概略図である。
【図2】高電圧制御機器ユニットを車両の後方から見た概略の側断面図である。
【図3】高電圧制御機器ユニット及びケーブルの配置構成を示す概略の平面図である。
【図4】車体の一部とケーブルの配置関係を示す車両の概略部分側面図である。
【図5】車両の組立工程を説明するための概略部分側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるケーブル配設構造を示す図で、車体の一部とケーブルなどの配置関係を示す車両の概略部分側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態にかかるケーブル配設構造を示す図で、車体の一部とケーブルなどの配置関係を示す車両の概略部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下及び前後左右などの向きを示す場合はいずれも、後述する車両1における向きを示すものとする。また、図中の矢印FRは、車両1の前側(前進方向)の向きを示す。
【0029】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかるケーブル配設構造を備えたハイブリッド自動車の車両を示す概略図である。同図に示す車両1は、板金製の車体10を備え、該車体10の前部に配置されたエンジンルーム2には、エンジン3a及びモータジェネレータ(以下、「モータ」と記す。)3bが直列に設置されたパワーユニット(駆動装置)3が搭載されている。モータ3bは、例えば三相交流モータである。この車両1は、内燃機関であるエンジン3aをモータ3bにより駆動補助すると共に、車両減速時などには、モータ3bからの電力を回収可能なハイブリッド自動車の車両である。
【0030】
すなわち、車両1では、モータ3b及びエンジン3aの駆動力が駆動輪である前輪16に伝達される。また、車両1の減速時などに前輪16からモータ3bに駆動力が伝達されると、モータ3bが発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車両1の運動エネルギーが電気エネルギーとして回収される。回収された電気エネルギーは、後述する高電圧デバイス56に含まれるインバータなどの電力変換器を介してバッテリモジュール50のバッテリ(蓄電池)に充電される。
【0031】
エンジンルーム2の後方には、フロントシート5とリアシート6とが配置された車室7が設けられている。また、車室7の後方(後輪17の上方)には、車室7とリアシート6のシートバックなどを介して仕切られた荷室(トランク)8が設けられている。
【0032】
そして、車室7内には、三相線からなるケーブル15を介してパワーユニット3と接続された高電圧制御機器ユニット(制御装置)20が設置されている。図2は、高電圧制御機器ユニット20を車両1の後方から見た概略の側断面図である。また、図3は、高電圧制御機器ユニット20及びケーブル15の配置構成を示す概略の平面図である。また、図4は、車体10の一部とケーブル15の配置関係を示す車両1の概略部分側面図である。なお、各図では、高電圧制御機器ユニット20の内部の構成部品(バッテリモジュール50、高電圧デバイス56、高電圧配電部品57など)は、図示を簡略化している。
【0033】
高電圧制御機器ユニット20は、図2に示すように、車室7内のフロアパネル9と運転席5a及び助手席5bとの間に設置されている。高電圧制御機器ユニット20は、横方向の全体が運転席5a及び助手席5bの下側に設置されている。そして、横方向の中央部には、上方へ突出する突起状のセンターコンソール部21が設けられている。センターコンソール部21は、車幅方向における運転席5aと助手席5bの間に配置されている。
【0034】
高電圧制御機器ユニット20は、下ケース31及び上カバー41からなるケース30と、ケース30内に収容されたバッテリモジュール50とを備えると共に、高電圧デバイス(制御機器)56、高電圧配電部品57などを備えている。ケース30は、例えば鋼板製の容器である。下ケース31は、車両1の上側を向く開口部32を有する有底容器型である。一方、上カバー(蓋体)41は、下ケース31の開口部32を塞ぐ略板状の部材である。なお、高電圧デバイス56及び高電圧配電部品57は、センターコンソール部21内に配置されている。これら高電圧デバイス56及び高電圧配電部品57には、前後方向から見た断面が略台形状の補強部材59が被せられている。下ケース31は有底容器状で、その内部がバッテリモジュール50などを収容するための収容部31cになっている。
【0035】
バッテリモジュール50は、詳細な図示は省略するが、多数の電池セルが一体に束ねられた状態で設置されている。また、高電圧デバイス56は、詳細な内部構成の図示は省略するが、インバータ、DC/DCコンバータ(DCコンバータ)、及びECUなどが一体に構成されてなる電子機器である。高電圧デバイス56の機能によって、バッテリモジュール50から直流電流を得ると共に該直流電流を三相交流電流に変換し、この電流をモータ3bに供給してこれを駆動させると共に、モータ3bからの回生電流を直流電流に変換することで、バッテリモジュール50への充電を可能としている。
【0036】
そして、高電圧制御機器ユニット20の上部(真上位置)には、本発明にかかるシフト操作装置であるシフトレバー(セレクトレバー)60が搭載されている。シフトレバー60は、高電圧制御機器ユニット20のケース30上に設置されており、運転者が選択した走行レンジ位置を出力する装置である。すなわち、シフトレバー60は、車両1のシフトポジションとして、パーキングポジション、ニュートラルポジション、走行ポジションなどを選択するために運転者により操作される操作手段である。シフトレバー60で行われることは、少なくともP,D,N,Rのシフトポジションの選択である。このシフトレバー60は、電気通信方式(シフトバイワイヤ方式)のシフト操作装置であって、図示は省略するが、走行レンジ位置を出力する信号線は車室7内のハーネスに繋がれている。このように本実施形態では、車両1に搭載されたシフトレバー60がシフトバイワイヤ方式のシフト操作装置であるため、当該シフトレバー60に繋がる走行レンジ位置の出力用のシフトワイヤは不要である。
【0037】
本実施形態の車両1は、シフトレバー60として、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した第1のシフトレバー60−1と、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤ65の機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフトレバー60−2(後述する第3実施形態の図7参照)とのいずれかを選択的に搭載可能な構造の車体10を備えた車両である。この構造を具体的に説明すると、図3及び図4に示すように、エンジンルーム2と車室7とを隔てているダッシュボード部12に貫通穴13が設けられており、この貫通穴13は、第2のシフトレバー60−2を搭載する場合に、エンジンルーム2内のパワーユニット3とシフトレバー60とを接続するためのシフトワイヤ65を通すための貫通穴13である。
【0038】
そして、本実施形態では、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した(シフトバイワイヤ方式の)第1のシフトレバー60を搭載している。この第1のシフトレバー60にはシフトワイヤ65が不要であるため、第2のシフトレバー60を搭載した場合にシフトワイヤ65が配設される貫通穴13及びそれに通じる経路がデッドスペースとなる。そこで、シフトワイヤ65の代わりに、この貫通穴13に、エンジンルーム2内のモータ3bと車室7内の高電圧制御機器ユニット20とを接続してなる高電圧のケーブル15を通すことで、該ケーブル15をエンジンルーム2から車室7内に導入している。すなわち、シフトワイヤ65を配設するための貫通穴13にモータ3bと高電圧制御機器ユニット20を接続するケーブル15を配設している。これにより、車両1におけるデッドスペースを有用に活用してケーブル15を配設している。
【0039】
また、シフトワイヤ65用の貫通穴13を利用してモータ3bと高電圧制御機器ユニット20とを接続するケーブル15を配設していることで、ケーブル15のための専用経路を設ける必要がなくなる。これにより、車室7内のスペースの有効利用を図ることができると共に、車両1の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0040】
また、図3に示すように、シフトワイヤ65用の貫通穴13は、ダッシュボード部12における車幅方向の略中央部に設けられており、貫通穴13を出て車室7内に配設されたケーブル15は、運転席5aと助手席5bの足元間を前後方向に延びて、センターコンソール部21の高電圧制御機器ユニット20に接続されている。なお、実際のケーブル15は、運転席5a及び助手席5bの足元にある床板の下に配設されているため、上方から見た状態では露出していない。
【0041】
このように、高電圧制御機器ユニット20をセンターコンソール部21に配置することで、車室7内のデットスペースを有効に利用して高電圧制御機器ユニット20を配置している。また、モータ3bと高電圧制御機器ユニット20とを接続するケーブル15には高電圧がかかるため、当該ケーブル15が車室7内を通る経路は、運転席5a及び助手席5bに着席している乗員から離れた位置とすることで、乗員に高電圧の影響が及び難くなるようにする必要がある。この点、本実施形態の配置構成によれば、シフトレバー60及び高電圧制御機器ユニット20を運転席5aと助手席5bの間のセンターコンソール部21に配置したことで、エンジンルーム2内のモータ3bから車室7内のシフトレバー60へ延びるケーブル15を車両1の幅方向の中央で前後方向に延びる直線上に配設することができる。したがって、ケーブル15を車室7内の乗員に影響を及ぼさない安全な位置に省スペースで配設できると共に、簡単な構成で安価に配設することが可能となる。
【0042】
また、高電圧制御機器ユニット20を運転席5aと助手席5bの間に配置したことで、車室7内のデッドスペースであるセンターコンソール部21の下側に、外形寸法が比較的に大きな高電圧制御機器ユニット20を効率的に配置している。また、高電圧制御機器ユニット20の真上にシフトレバー60を配置したことで、運転席5aから操作し易い位置にシフトレバー60を配置している。
【0043】
また、シフトレバー60は、高電圧制御機器ユニット20のケース30上に直接載置されている。これにより、高電圧制御機器ユニット20のケース30を用いてシフトレバー60を載置(支持)することができるので、シフトレバー60を載置するための専用部品が不要となる。したがって、部品点数の削減、車両の組立工程の簡素化を図ることができる。
【0044】
また、図3及び図4に示すように、本実施形態のケーブル15は、コルゲートチューブ15aで被覆されていて、湾曲変形が可能な可撓性を有する線材となっている。その一方で、ケーブル15の一部には、ステンレス製のパイプや樹脂製のケーブルホルダーなどからなる剛性を有する筒部材15bが取り付けられている。この筒部材15bが取り付けられた部分は、撓み変形が生じない硬質の部分になっている。したがって、ケーブル15は、その一部分が可撓性を有する部分であって、他の一部分が可撓性を有しない部分である。
【0045】
このように、ケーブル15の一部分が可撓性を有する部分であることで、後述するケーブル配設工程において配設の自由度が向上するので、ケーブル15を所望の経路に容易に配設できるようになる。また、ケーブル15の一部分が剛性を有する筒部材15bで覆われていることで、ケーブル15の組付時(配設時)に作業者がその部分を把持して組み付けを行うことができる。これにより、作業者がケーブル15を手で持ってエンジンルーム2内のモータ3bから車室7内の高電圧制御機器ユニット20まで配設する作業を容易かつ迅速に行えるようになる。さらに、ケーブル15の筒部材15bで覆われている部分は、配設後に他の部品や部材と擦れ合うことで磨耗することが防止される。
【0046】
次に、本実施形態の車両1の組立において、上記のパワーユニット3及びケーブル15を車体10に組み付ける工程について説明する。図5は、車両1の組立工程を説明するための概略部分側面図である。同図に示すように、この工程では、パワーユニット3を車両1の下側からエンジンルーム2内に挿入して設置する工程と、パワーユニット3(モータ3b)に接続されたケーブル15をダッシュボード部12の貫通穴13に挿通させることでケーブル15を車室7内に導入する工程と、車室7内に導入したケーブル15の先端部を予め車室7に設置されている高電圧制御機器ユニット20に繋ぐ工程とをこの順番で行うようになっている。
【0047】
この場合、パワーユニット3に接続されたケーブル15を貫通穴13に通して車室7内に導入する工程は、パワーユニット3を車両1の下側からエンジンルーム2内に挿入して設置する工程と同一工程で行うことも可能である。
【0048】
本実施形態では、車体10のダッシュボード部12に設けたシフトワイヤ65用の貫通穴13を高電圧制御機器ユニット20用のケーブル15の配設に用いるように構成している。これにより、パワーユニット3をエンジンルーム2内に搭載する工程と同一工程でケーブル15の配設(組み付け)を行うことが可能となるので、ケーブル15を配設するための専用工程を省略できる。
【0049】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、他の実施形態においても同様である。
【0050】
図6は、本発明の第2実施形態にかかるケーブル配設構造を示す図で、車体10の一部とケーブル15などとの配置関係を示す車両1の概略部分側面図である。第1実施形態では、シフトレバー60に繋がる配線は、貫通穴13を通らずに、車室7内の図示しないハーネスに接続されていたのに対して、本実施形態では、シフトレバー60に繋がる配線62がケーブル15と共に貫通穴13を通ってエンジンルーム2内のパワーユニット3に接続されている。なお、本実施形態では、図示は省略するが、パワーユニット3には、配線62を介して伝達されたシフトレバー60の操作信号に応じて変速動作を行うための変速機構が含まれている。
【0051】
すなわち、本実施形態では、モータ3bと高電圧制御機器ユニット20とを接続するケーブル15と、シフトレバー60に繋がれた配線62とが、いずれもダッシュボード部12の貫通穴13を貫通していることで、ケーブル15と配線62がそれらの経路の一部を共通にして配設されている。
【0052】
上記のパワーユニット3及びケーブル15を車体10に組み付ける作業の工程について説明する。この工程では、パワーユニット3を車両1の下側からエンジンルーム2内に挿入して設置する工程と、パワーユニット3に接続されたケーブル15と配線62との一部分を一体に纏めた状態でダッシュボード部12の貫通穴13に挿通させることで、ケーブル15及び配線62を車室7内に導入する工程と、車室7内に導入したケーブル15の先端部を高電圧制御機器ユニット20に繋ぐと共に配線62の先端部をシフトレバー60に繋ぐ工程とを行うようになっている。
【0053】
この場合、パワーユニット3に接続されたケーブル15及び配線62を貫通穴13に挿通させて車室7内に導入する工程は、パワーユニット3を車両1の下側からエンジンルーム2内に挿入して設置する工程と同一の工程で行うようにすることも可能である。
【0054】
このように、ケーブル15及び配線62を貫通穴13に挿通させて車室7内に導入する工程をパワーユニット3の設置工程と同時に行えば、車両駆動用のモータ3bを備えた車両1の組立において、ケーブル15を配設するための専用工程を省略できる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態にかかるケーブル配設構造を示す図で、車体10の一部とケーブル15などとの配置関係を示す車両1の概略部分側面図である。本実施形態では、第1実施形態と比較して、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した第1のシフトレバー60に代えて、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤ65の機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフトレバー60−2が搭載されている。そして、モータ3bと高電圧制御機器ユニット20を接続しているケーブル15と、パワーユニット3から第2のシフトレバー60−2に繋がっているシフトワイヤ65とが一部の経路を共通にして配設されている。具体的には、ダッシュボード部12に設けたシフトワイヤ用の貫通穴13をシフトワイヤ65とケーブル15が共に貫通している。なお、本実施形態では、図示は省略するが、パワーユニット3には、シフトワイヤ65の機械的な動作に連動して変速動作を行うための変速機構が含まれている。
【0056】
第1実施形態の車両1のように、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達される第1のシフトレバー60−1を設置した場合だけでなく、本実施形態の車両1のように、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤ65の機械的な動作で伝達される第2のシフトレバー60−2を設置した場合にも、シフトワイヤ65とケーブル15を共通の貫通穴13に貫通させることで、ケーブル15とシフトワイヤ65の配設経路の一部を共通にして配設することが可能となる。
【0057】
また本実施形態では、運転席5aと助手席5bとの間にシフトレバー60を配置し、その真下位置に高電圧制御機器ユニット20を配置していることで、ケーブル15とシフトワイヤ65の配設経路の大部分を共通経路とすることができる。したがって、ケーブル15の専用経路が少なくて済み、ケーブル15を省スペースで効率的に配設することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明にかかるケーブル配設構造を備えた車両として、ハイブリッド自動車の車両を例に挙げて説明したが、本発明にかかるケーブル配設構造は、車室外に配置された車両駆動用の電動機(モータ)を含む駆動装置と、車室内に配置された電動機用の制御装置と、電動機と制御装置とを接続してなるケーブルとを備えた車両であれば、上記のようなハイブリッド自動車の車両には限定されず、電機自動車など他の種類の自動車の車両にも適用が可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、モータ3bと高電圧制御機器ユニット20とを接続しているケーブル15をダッシュボード部12に設けたシフトワイヤ65用の貫通穴13に貫通させた場合を説明したが、これは、本発明にかかるケーブルが配設される経路の少なくとも一部をシフトワイヤ用の経路と共通にする態様の一例である。そのため、これ以外の態様でケーブルが配設される経路をシフトワイヤ用の経路と共通にすることも可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 車両
2 エンジンルーム
3 パワーユニット(駆動装置)
3a エンジン
3b モータ
5 フロントシート
5a 運転席
5b 助手席
6 リアシート
7 車室
9 フロアパネル
10 車体
12 ダッシュボード部
13 貫通穴
15 ケーブル
15a コルゲートチューブ
15b 筒部材
16 前輪
17 後輪
20 高電圧制御機器ユニット(制御装置)
21 センターコンソール部
30 ケース
31 下ケース
31c 収容部
32 開口部
41 上カバー
50 バッテリモジュール
56 高電圧デバイス(制御機器)
57 高電圧配電部品
59 補強部材
60 シフトレバー(シフト操作装置)
62 配線
65 シフトワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方の車室外に配置された車両駆動用の電動機を含む駆動装置と、
前記車室内に配置された前記電動機用の制御装置と、
前記電動機と前記制御装置とを接続してなるケーブルと、を備えた車両のケーブル配設構造であって、
前記車室内に設置されて運転者が選択した走行レンジ位置を出力するシフト操作装置を備え、
前記車両の車体は、前記シフト操作装置として、走行レンジ位置の出力が電気信号を介して伝達されるように構成した第1のシフト操作装置と、走行レンジ位置の出力がシフトワイヤの機械的な動作で伝達されるように構成した第2のシフト操作装置とのいずれかを選択的に搭載可能な構造であって、
前記車両には、前記第1のシフト操作装置が搭載されており、
前記ケーブルは、前記車両に搭載されるシフト操作装置が前記第2のシフト操作装置である場合に前記電動機と前記第2のシフト操作装置とを接続するシフトワイヤが配設される経路に対して、少なくとも一部の経路を共通にして配設されている
ことを特徴とする車両のケーブル配設構造。
【請求項2】
前記車体における前記車室内と前記車室外とを隔てた部分には、前記シフトワイヤを貫通させるための貫通穴が設けられており、
前記ケーブルは、前記貫通穴を通って前記車室外から前記車室内に導入されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項3】
前記駆動装置と前記シフト操作装置とを接続し、該シフト操作装置による走行レンジ位置の情報を電気信号にて前記駆動装置へ出力するための配線を備え、
前記シフト操作装置は、前記車室内で前記制御装置の近傍に配置されており、
前記ケーブルと前記配線は、それらの少なくとも一部が共通の経路に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項4】
前記車両には、前記第1のシフト操作装置に代えて前記第2のシフト操作装置が搭載されており、
前記ケーブルと前記第2のシフト操作装置に繋がるシフトワイヤとは、少なくとも一部の経路を共通にして配設されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項5】
前記車室内に設置されて、車幅方向に並べて設置された複数の前方座席シートを備え、
前記シフト操作装置は、前方複数の前方座席シートの間に配置されており、
前記制御装置は、前記シフト操作装置の真下位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項6】
前記制御装置は、車幅方向における前方座席シートの間に設けたセンターコンソール部に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項7】
前記制御装置は、前記電動機に電力を供給するためのバッテリと制御機器とがケースに収容されてなる高電圧制御機器ユニットであって、
前記高電圧制御機器ユニットは、その一部が前記複数の前方座席シートの間に配置されており、
前記シフト操作装置は、前記複数の前方座席シートの間で前記高電圧制御機器ユニットの真上に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項8】
前記シフト操作装置は、前記高電圧制御機器ユニットの前記ケース上に載置されている
ことを特徴とする請求項7に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項9】
前記ケーブルは、少なくともその一部分がコルゲートチューブで被覆された可撓性を有する部分である
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項10】
前記ケーブルは、少なくともその一部分が剛性を有する筒部材で覆われた可撓性を有しない部分である
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両のケーブル配設構造。
【請求項11】
車両の前方のエンジンルーム内に配置された車両駆動用の電動機を含む駆動装置と、
車室内に配置された前記電動機用の制御装置と、
前記電動機と前記制御装置とを接続するケーブルと、
運転者が選択した走行レンジ位置を出力するシフト操作装置と、
前記駆動装置と前記シフト操作装置とを接続し、該シフト操作装置による走行レンジ位置の信号を前記駆動装置へ出力するための配線と、を備えた車両の組立方法であって、
前記駆動装置を前記車両の下側から前記エンジンルーム内に挿入して設置する工程と、
前記駆動装置に接続された前記ケーブルと前記配線の少なくとも一部分を一体に纏めた状態で、前記車体に設けた貫通穴を通して前記車室内に導入する工程と、
前記ケーブルの端部を前記車室内で前記制御装置に繋ぐ工程と、
前記配線の端部を前記車室内で前記シフト操作装置に繋ぐ工程と、を有する
ことを特徴とする車両の組立方法。
【請求項12】
前記ケーブルと前記配線とを前記車室内に導入する工程は、
前記駆動装置を前記車両の下側から前記エンジンルーム内に挿入して設置する工程と同時に行われる工程である
ことを特徴とする請求項11に記載の車両の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−112137(P2013−112137A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259655(P2011−259655)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】