説明

車両のサスペンション装置

【課題】簡単な構造で、衝撃減衰を図ることができ、左右の油圧バランスにも優れたる車両のサスペンション装置を提供する。
【解決手段】第1油圧シリンダ4と第2油圧シリンダ5とを連通接続する第1油路6と第2油路7とが備えられる。第1油路6に上側油圧減衰機構8と下側油圧減衰機構8とアキュムレータ9が設けられ、第2油路7に上側油圧減衰機構8と下側油圧減衰機構8とアキュムレータ10が設けられる。第1油路6と第2油路7が、上側ポート41、51と上側油圧減衰機構8とを接続する上側油路61、71及び上側油圧減衰機構8と下側油圧減衰機構8とを接続する接続油路62、72及び下側油圧減衰機構8と下側ポート42、52とを接続する下側油路63、73を含み、上側油路61、71及び接続油路62、72の油路長さL1,L2は下側油路63、73の油路長さL3より短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の上下動(例えば、バウンスやロール)に応じた減衰力を発生させる車両のサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両のサスペンション装置としては、左車輪と車体との間、及び、右車輪と車体との間にそれぞれショックアブソーバを介在させると共に、ショックアブソーバとは別に、左車輪と車体との間に介在された左油圧シリンダと、右車輪と車体との間に介在された右油圧シリンダと、前記左油圧シリンダの上室と前記右油圧シリンダの下室とを連通接続する第1油路と、前記右油圧シリンダの上室と前記左油圧シリンダの下室とを連通接続する第2油路と、第1油路とリザーバタンクを連通接続する第3油路と、第2油路とリザーバタンクを連通接続する第4油路と、第3油路と第4油路とに夫々設けた可変絞りとを備えた減衰機構を設け、車輪と車体との相対的な上下動の状況に伴って可変絞りの絞り度合を制御して減衰係数を調整する制御機構とを備えたものが、特許文献1に記載されている。
この車両のサスペンション装置によれば、ショックアブソーバと減衰機構との両方を並設してあることから、車輪まわりの構造が複雑になっている問題点がある。また、車輪と車体との相対的な上下動(量や速度等)を検出して、それに伴う減衰機構のコントロールが必要となり、装置としての制御が繁雑になり易い問題点がある。
【0003】
さらに、シリンダ内がピストンによって上部オイル室と下部オイル室とに画成された右車輪側油圧シリンダおよび左車輪側油圧シリンダを、車輪側と車体側のうち一方にシリンダ本体を連結し他方にピストンを連結して車輪側と車体側の間に介装し、右車輪側油圧シリンダの上部オイル室と左車輪側油圧シリンダの下部オイル室とを第1連通路を介して連通させ、かつ右車輪側油圧シリンダの下部オイル室と左車輪側油圧シリンダの上部オイル室とを第2連通路を介して連通させ、これら第1連通路と第2連通路に、減衰発生用絞り部材をそれぞれ介装すると共に、シリンダ内がフリーピストンによって高圧ガス室とオイル室とに画成されオイル室が絞りを介して接続口に連通されたダンパをそれぞれ接続した、四輪車両用サスペンション装置が、特許文献2に記載されている。
このサスペンション装置では、車体がローリングやバウンシングすることによる油圧シリンダの伸縮動作を、作動油が第1第・2連通路中の絞り部材やダンパの絞りを通過するときの通過抵抗によって減衰することで、良好な減衰特性を作り出そうとしている。しかしながら、このサスペンション装置では、ショックアブソーバとしても機能する油圧シリンダの上室の上端にベースバルブ(減衰弁)や油圧ポートなどを追加しているので、通常のサスペンションストロークを確保するためには、従来に比べ取り付け長さが長くなってしまう。また、同相・逆相時の上室への油の戻りがベースバルブにより悪化し負圧となる恐れがあり、キャビテーション発生等により性能悪化につながってしまう。これを避けるためにシステム圧力を挙げると、部品コストが上昇するだけではなく、各部シールの摺動抵抗も大きくなり、乗り心地の悪化を導いてしまう。このサスペンション装置では、左車輪側と右車輪側の油圧シリンダの作動の繰り返しにともなってそれぞれの上室ないしは下室の作動油が内部漏れする。これにより左側と右側の油圧バランスが悪くなり、車両の左右傾斜を導くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−193331号公報(段落番号〔0011−0048〕、図2)
【特許文献1】特開平5−213040号公報(段落番号〔0008−0046〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記実情に鑑み、クロス接続された油圧シリンダ対を有する簡単な構造で、衝撃減衰を図ることができ、左右の油圧バランスにも優れたる車両のサスペンション装置が所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明による車両のサスペンション装置は、上室とピストンを内在させる下室とを有し左右車輪の一方と車体との間に介在する第1油圧シリンダと、上室とピストンを内在させる下室とを有し前記左右車輪の他方と前記車体との間に介在する第2油圧シリンダと、前記第1油圧シリンダの上室に開口する第1上側ポートと前記第2油圧シリンダの下室に開口する第1下側ポートとを連通接続する第1油路と、前記第2油圧シリンダの上室に開口する第2上側ポートと前記第1油圧シリンダの下室に開口する第2下側ポートとを連通接続する第2油路と、前記第1油路の前記第1上側ポート側に設けられた第1上側油圧減衰機構と、前記第1油路の前記第2下側ポート側に設けられた第1下側油圧減衰機構と、前記第2油路の前記第2上側ポート側に設けられた第2上側油圧減衰機構と、前記第2油路の前記第1下側ポート側に設けられた第2下側油圧減衰機構と、前記第1油路に接続された第1アキュムレータ及び前記第2油路に接続された第2アキュムレータとを備え、
前記第1油路は、前記第1上側ポートと前記第1上側油圧減衰機構とを接続する第1上側油路及び前記第1上側油圧減衰機構と前記第1下側油圧減衰機構とを接続する第1接続油路及び前記第1下側油圧減衰機構と前記第1下側ポートとを接続する第1下側油路を含み、前記第1上側油路及び前記第1接続油路の油路長さは前記第1下側油路の油路長さより短く、
前記第2油路は、前記第2上側ポートと前記第2上側油圧減衰機構とを接続する第2上側油路及び前記第2上側油圧減衰機構と前記第2下側油圧減衰機構とを接続する第2接続油路及び前記第2下側油圧減衰機構と前記第2下側ポートとを接続する第2下側油路を含み、前記第2上側油路及び前記第2接続油路の油路長さは前記第2下側油路の油路長さより短くなるように構成されている。
【0007】
この構成では、一方の油圧シリンダの上室に開口した上側ポートと他方の油圧シリンダの下室に開口した下側ポートとを接続する油路には上側ポートからの作動油が流入する上側油圧減衰機構と下側ポート側からの作動油が流入する下側油圧減衰機構とが設けられている。さらに、上側ポートと上側油圧減衰機構との間の油路長さ(上側油路の長さ)及び上側油圧減衰機構と下側油圧減衰機構との間の油路長さ(接続油路の長さ)は、下側油圧減衰機構と下側ポートとの間の油路長さ(下側油路の長さ)より短くなっている。下側ポートに比べ上側ポートから流れ出る作動油量は、ピストンロッドが内在しない分だけ多くなるが、上側ポートからの作動油が流入する上側油路と接続油路の長さを下側油路より短くすることで、トータルの管路抵抗をできるだけ少なくし、圧力損失を小さくしている。これにより、本発明による車両のサスペンション装置は、複雑な構成を採用することなしに、十分な衝撃減衰が可能で、かつ左右の油圧バランスにも優れたものである。また、本発明では、油圧減衰機構が油圧シリンダのポートに接続されるタイプであることから、油圧減衰機構が油圧シリンダの取り付け長さを大きくするという不都合がなくなり、所望のサスペンションストロークを確保することが容易となる。
【0008】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記第1上側油路と前記第1接続油路とを足し合わせた油路長さが前記第1下側油路の油路長さより短く、かつ前記第2上側油路と前記第2接続油路とを足し合わせた油路長さは前記第2下側油路の油路長さより短く設定されている。この油路長さの条件により、上側油圧減衰機構と下側油圧減衰機構を接続する接続油路が、実質的に油圧シリンダの上室から第1油路ないしは第2油路の長さの半分以下の距離だけを隔てて配置されるので、上述した本発明の特徴である油路長さに基づく効果がより確実に得られることになる。
【0009】
上側油圧減衰機構と下側油圧減衰機構との間の油路長さ(接続油路の長さ)を短くするという上述の構成を採用するとともに、前記第1アキュムレータを前記第1接続油路に接続し、前記第2アキュムレータを前記第2接続油路に接続することも好適な実施形態として提案される。ロール時等で第1油路や第2油路において左右の油圧シリンダから流れてくる作動油が衝突することになるが、この構成では、上側油圧減衰機構及び下側油圧減衰機構によってその流速が低下させられた後にそれぞれの作動油が衝突するので衝突による圧損が抑制される。
【0010】
さらに、好適な実施形態として、前記第1上側油圧減衰機構と前記第1下側油圧減衰機構と前記第1接続油路とが第1油圧減衰ユニットとして一体化され、前記第1油圧減衰ユニットは前記第1油路の油路長さに関して前記第1上側ポートに近接して配置され、かつ前記第2上側油圧減衰機構と前記第2下側油圧減衰機構と前記第2接続油路とが第2油圧減衰ユニットとして一体化され、前記第2油圧減衰ユニットは前記第2油路の油路長さに関して前記第2上側ポートに近接して配置される。このように油圧減衰機構をユニット化することにより、その構造がコンパクトとなり、配置スペースの制約が緩和される。また、ユニット化された第1油圧減衰ユニットを上側ポートに近接して配置することで、上側ポートからの作動油が流入する上側油路と接続油路の長さを下側油路より短くすることが容易に実現する。
【0011】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記第1油圧減衰ユニットにはさらに、前記第1アキュムレータと前記第1接続油路との間の第1アキュムレータ油路に設けられるアキュムレータ側油圧減衰機構が組み込まれており、前記第2油圧減衰ユニットにはさらに、前記第2アキュムレータと前記第2接続油路との間の第2アキュムレータ油路に設けられるアキュムレータ側油圧減衰機構が含まれている。この構成により、アキュムレータにつながるアキュムレータ油路を流れる作動油が減衰作用を受けるので、当該アキュムレータに達する圧力衝撃が減じられる。これにより、簡素なアキュムレータを利用することができる。、
アキュムレータ側油圧減衰機構の好適な形態は、アキュムレータ側油圧減衰機構をオリフィスで構成することであり、これはアキュムレータ側油圧減衰機構の低コスト化に貢献する。このようにそれぞれのアキュムレータが、オリフィス等の油圧減衰機器を介装したアキュムレータ油路を介してそれぞれの接続油路に接続されることにより、油圧シリンダの作動時における確実な減衰効果が得られるとともに、その際に生じる圧力変動の吸収も適切に行われる。
さらには、前記第1油圧減衰ユニットに前記第1アキュムレータが組み込まれ、かつ前記第2油圧減衰ユニットにはさらに前記第2アキュムレータが組み込まれるように構成されると好都合である。これにより、このサスペンション装置を構成する油圧機器の構成が単純化され、設置スペースや保守点検に関する利点が得られる。
【0012】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記第1上側油圧減衰機構、前記第1下側油圧減衰機構、前記第2上側油圧減衰機構、前記第2下側油圧減衰機構のそれぞれは、互いに並列接続された、オリフィスと圧力制御チェック弁と非制御チェック弁とを含むように構成されている。油圧減衰機構は、簡単にはオリフィス(絞り)だけで実現することも可能であるが、ここでは流れ方向及び圧力に依存をさせている。つまり、通常のチェック弁である非制御チェック弁は、油圧シリンダからの排出方向の作動油は自由に流す。油路の油圧によって開放状態が変わる圧力制御チェック弁は、所定の圧力値以上で流れを開放するとともに、その開放度を変える。オリフィスは常にこの油路に対して減衰を与える。これらを適切に組み合わせることで、各流れ方向での所望の減数特性を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるサスペンション装置の基本構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明によるサスペンション装置の基本構成の変形例を示す模式図である。
【図3】本発明によるサスペンション装置の実施形態の一例を模式的に示す正面図である。
【図4】図3による本発明によるサスペンション装置の実施形態の変形例を模式的に示す正面図である。
【図5】ピストン速度と減衰力との関係を示す説明図である。
【図6】制御チェック弁の圧力と流量との関係を示す説明図である。
【図7】サスペンション装置の作用を示す模式図である。
【図8】サスペンション装置の作用を示す模式図である。
【図9】サスペンション装置の作用を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による車両のサスペンション装置の実施形態を説明する前に、その基本構成を、図1と図2とを用いて以下に説明する。
このサスペンション装置の中核構成要素は、左車輪2Aと車体1との間に介在する第1油圧シリンダ(以後左油圧シリンダまたは単に油圧シリンダと称する)4と、右車輪2Bと車体1との間に介在する第2油圧シリンダ5(以後右油圧シリンダまたは単に油圧シリンダと称する)である。左油圧シリンダ4はピストンによって区分けられる上室4Uと下室4Lとを有し、そのピストンロッドは下室4Lを貫通している。左油圧シリンダ4の周壁には、上室4Uに開口する第1上側ポート(単に上側ポートとも称する)41と、下室4Lに開口する第1下側ポート(単に下側ポートとも称する)42とが設けられている。同様に、右油圧シリンダ5はピストンによって区分けられる上室5Uと下室5Lとを有し、そのピストンロッドは下室5Lを貫通している。右油圧シリンダ5の周壁には、上室5Uに開口する第2上側ポート(単に上側ポートとも称する)51と、下室5Lに開口する第2下側ポート(単に下側ポートとも称する)52とが設けられている。この例では、左車輪2Aと右車輪2Bとは、模式的にしか示されていないサスペンションリンクにより車体に連結されており、両油圧シリンダ4,5のピストンロッドもサスペンションリンクに連結されている。
【0015】
左油圧シリンダ4の上側ポート41と第2油圧シリンダ5の下側ポート52とは、第1油路6によって連通接続され、右油圧シリンダ5の上側ポート51と第1油圧シリンダ4の下側ポート42とは、第2油路7によって連通接続されている。つまり、左油圧シリンダ4と右油圧シリンダ5はクロス接続されている。
【0016】
第1油路6の第1上側ポート41側に第1上側油圧減衰機構8aが設けられ、第2下側ポート52側に第1下側油圧減衰機構8bが設けられている。第2油路7の第2上側ポート51側に第2上側油圧減衰機構8cが設けられ、第1下側ポート42側に第2下側油圧減衰機構8dが設けられている。その際、第1上側油圧減衰機構8aと第1下側油圧減衰機構8bの両者は、第1油路6の経路に介して第1上側ポート41側つまり左油圧シリンダ4の上室4U側に大きく偏って位置している。同様に、第2上側油圧減衰機構8cと第2下側油圧減衰機構8dの両者は、第2上側ポート51側つまり右油圧シリンダ5の上室5U側に大きく偏って位置している。第1上側油圧減衰機構8a、第1下側油圧減衰機構8b、第2上側油圧減衰機構8c、第2下側油圧減衰機構8dは、実質的に共通した構造を有していることから、ここでは単に油圧減衰機構8という共通的に用いられる語句でも記載される。油圧減衰機構8は、基本的にはその内部油路に絞られた小径部、例えばオリフィスを有し、クロス接続された油圧シリンダ間の作動油の流通速度を緩くすることで減衰作用を作り出す。
【0017】
第1油路6は、第1上側ポート41と第1上側油圧減衰機構8aとを接続する第1上側油路61、第1上側油圧減衰機構8aと第1下側油圧減衰機構8bとを接続する第1接続油路62、第1下側油圧減衰機構8bと第2下側ポート52とを接続する第1下側油路63とを含んでいる。同様に、第2油路7は、第2上側ポート51と第2上側油圧減衰機構8cとを接続する第2上側油路71、第2上側油圧減衰機構8cと第2下側油圧減衰機構8dとを接続する第2接続油路72、第2下側油圧減衰機構8dと第1下側ポート42とを接続する第2下側油路73とを含んでいる。
【0018】
第1油路6の第1接続油路62には第1アキュムレータ9が接続され、第2油路7の第2接続油路72には第2アキュムレータ10が接続されており、それぞれの油路の圧力変動を吸収している。
【0019】
第1油路6を構成する第1上側油路61と第1接続油路62と第1下側油路63の油路長さに関して、及び、第2油路7を構成する第2上側油路71第2と接続油路72と第2下側油路73の油路長さに関して、それぞれ油路長さをL1、L2、L3とすると、次のような条件を有する。
L1<L3かつ
L2<L3。
より厳しい条件として、
(L1+L2)<L3、
を採用してもよい。
ピストンロッドが存在しない上室における作動油の流通量はピストンロッドが存在する下室における作動油の流通量より多いので、それぞれ、下側油路63,73における作動油の流れ抵抗に比べ上側油路61,71や接続油路62,72におけるそれは大きくなる。このため、上記油路長さ条件に基づいて、それぞれ下側油路63,73の長さに比べて上側油路61,71や接続油路62,72の長さを短くすることで、クロス接続された油圧シリンダ間の油路の流れ抵抗のバランスをとることができる。特に、両油圧シリンダからの作動油が流れ込んだ際の接続油路62,72における流れ抵抗を少なくためには、接続油路62,72を短くすることが有効である。
【0020】
また、上記油路長さ条件:L1<L3及びL2<L3を実現することで、第1接続油路62を短くするとともに、第1上側油圧減衰機構8aと第1下側油圧減衰機構8bと第1接続油路62とが、必要に応じて第1アキュムレータ9も加えて、第1油圧減衰ユニットDU1として一体化することが容易となる。その際、上側油路61を短くすることでこの第1油圧減衰ユニットDU1を第1上側ポート51に近接して配置するか、あるいは実質的に上側油路61の長さをゼロに、つまり直接第1上側ポート51に接続してもよい。同様に、第1接続油路72を短くするとともに、第2上側油圧減衰機構8cと第2下側油圧減衰機構8dと第2接続油路72とが、必要に応じて第2アキュムレータ10も加えて、第2油圧減衰ユニットDU2として一体化することができる。そして、上側油路71を短くすれば、第2油圧減衰ユニットDU2を第2上側ポート52に近接配置または直接配置することができる。
【0021】
図2で示された、本発明によるサスペンション装置の基本構成では、図1で示された基本構成と比較してみると、第1アキュムレータ9と第1接続油路62との間の第1アキュムレータ油路64にアキュムレータ側油圧減衰機構13が設けられている。同様に、第2アキュムレータ10と第2接続油路72との間の第2アキュムレータ油路74にアキュムレータ側油圧減衰機構13が設けられている。アキュムレータ側油圧減衰機構13は、基本的にはオリフィス等を用いた、減衰力を付与する構造を有し、第1上側油圧減衰機構8aや第1下側油圧減衰機構8bと実質的に同じものを利用することができる。
【0022】
つまり、図2による基本構成では、第1油圧減衰ユニットDU1は、第1上側油圧減衰機構8a、第1下側油圧減衰機構8b、第1接続油路62、第1アキュムレータ油路11、アキュムレータ側油圧減衰機構13が、必要に応じて第1アキュムレータ9も加えて、ユニット化されている。同様に、第2油圧減衰ユニットDU2は、第2上側油圧減衰機構8c、第2下側油圧減衰機構8d、第2接続油路72、第1アキュムレータ油路12、アキュムレータ側油圧減衰機構13が、必要に応じて第2アキュムレータ10も加えて、ユニット化されている。
【0023】
以下に本発明に係る車両のサスペンション装置の具体的な実施形態の1つが図3に示され、他の1つが図4に示されている。図3によるサスペンション装置は、図2を用いて説明した本発明の基本構成に基づく車両のサスペンション装置を示すもので、一対の前輪(又は後輪)部分を模式的に示す正面図である。図4によるサスペンション装置は、第1油路6と第2油路7がブリッジ油路BPで接続されていることで、図3によるサスペンション装置と異なっている。
以下の説明では、図4によるサスペンション装置を例にとって説明することにする。
【0024】
このサスペンション装置を搭載した車両では、左車輪2A、右車輪2Bは、それぞれ回転軸芯周りに回転自在な状態で、車体1に取り付けられている。左車輪2Aと右車輪2Bは、共通的には車輪2と記載される。
車体1への車輪2の取り付けは、左油圧シリンダ4、及び、右油圧シリンダ5を介して上下に移動可能な状態に取り付けられている。
具体的には、車輪2は、車体1の下端部1aから側方に延びた上下揺動自在なサスペンションリンク3を介して車体1に取り付けられている。
また、左油圧シリンダ4、及び、右油圧シリンダ5は、その上端部は、車体1の支持部1bに取り付けられ、下端部は、サスペンションリンク3の中間部3aに取り付けられ、車体1と車輪2との上下相対移動に対して伸縮して減衰を図れるように構成されている。
【0025】
サスペンション装置は、車体1の左右の各支持部1bと左右の各サスペンションリンク3の中間部3aとにわたって取り付けられた左油圧シリンダ4と右油圧シリンダ5、及び左油圧シリンダ4の上室4Uと右油圧シリンダ5の下室5Lとを連通接続する第1油路6と右油圧シリンダ5の上室5Uと左油圧シリンダ4の下室4Lとを連通接続する第2油路7とを備えている。第1油路6と第2油路7には、それぞれ、各上・下室4U,4L,5U,5Lのポートである第1上側ポート41、第1下側ポート42、第2上側ポート51、第2下側ポート52に対応させて、作動油の圧力ないしは流れ速度に差をつける油圧減衰機構8と、第1・第2アキュムレータ9,10とが設けられている。
尚、第1・第2アキュムレータ9,10は、主に車両のロール剛性を付与するために設けられている。第1・第2アキュムレータ9,10の容器の中には気体が充填されており、作動油の体積により、その気体の体積が変化することで気体のバネとして作用する。すなわち、第1・第2アキュムレータ9,10に作動油が流入すると、気体が圧縮され、気体のバネ力による反発力が作動油に付加され、車両のロール剛性(スタビライザ機能)を付与する。
【0026】
第1油路6と第1アキュムレータ9とは、第1アキュムレータ油路11によって連通接続してある一方、第2油路7と第2アキュムレータ10とは、第2アキュムレータ油路12によって連通接続してある。第1アキュムレータ油路11、及び、第2アキュムレータ油路12には、第1・第2アキュムレータ9,10に作動油が進入する際に負荷を与えるアキュムレータ側油圧減衰機構13がそれぞれ設けてある。また、第1アキュムレータ油路11と第2アキュムレータ油路12とにわたっては、互いの油路どうしの作動油体積が増減し、差が生じることによる車両傾き等に対して作動油の移動をブリッジ油路BP通じて許容してバランスをとる油圧バランス機構14が設けられている。
【0027】
なお、両油圧シリンダ4,5は、それぞれピストンによって各上下室が分割されており、ピストンロッドは、下室4L,5Lをそれぞれ貫通する状態に設けられている。
【0028】
各油圧減衰機構8は、対応する上・下室への作動油の進入のみを許容する非制御チェック弁81と、対応する上・下室からの作動油の排出のみを許容すると共に差圧が所定の圧力値以上で開弁しつつ差圧に基づいて流量を調整する制御チェック弁82と、作動油の流れに抵抗を付与する為のオリフィス83とを設けて構成してある。
制御チェック弁82の差圧と流量との関係は、図6に示すとおりである。
非制御チェック弁81、制御チェック弁82には、弁体に閉じ付勢力を与えるスプリング15が備えられており、このスプリング15の付勢力が大きいと、作動油の流動抵抗も大きくなり、逆に、付勢力が小さいと、作動油の流動抵抗も小さくなるように構成されていても良く、リーフ弁構造でもよい。但し、この非制御チェック弁81は、流入時は作動油が流入し易いようにする為に、高い流動抵抗には設定しない。
制御チェック弁82は、流量、差圧に応じて開弁量が変わり、相応した減衰力を発生させるため、例えば、板バネ等による弾性付勢力を流路閉弁方向に作用させるように構成されたものを採用することができる。
【0029】
また、制御チェック弁82と、オリフィス83によって、ピストン速度と流動抵抗(減衰力に相当)との関係は、図5に示すように、ピストン速度の小さい時には、オリフィス83による流動抵抗の立ち上がりが支配的に表れ、ピストン速度が大きくなると、制御チェック弁82による流動抵抗の変化が支配的に表れる。
この図から見られるように、ピストン速度に対して所望する適切な減衰を得ることができる。
【0030】
アキュムレータ側油圧減衰機構13も、図4に示すように、第1・第2アキュムレータ9,10への作動油の進入のみを許容すると共にその圧力が所定の圧力値以上で開弁しつつ圧力値に基づいて流量を調整する制御チェック弁13aと、第1・第2アキュムレータ9,10からの作動油の排出のみを許容する非制御チェック弁13bと、オリフィス13cとを設けて構成している。制御チェック弁13aと非制御チェック弁13bには、弁体に閉じ付勢力を与えるスプリングが備えられており、このスプリングの付勢力が大きいと、作動油の流動抵抗も大きくなり、逆に、付勢力が小さいと、作動油の流動抵抗も小さくなるように構成されていても良く、リーフ弁構造でもよい。非制御チェック弁13bは、第1・第2アキュムレータ9,10から作動油がスムーズに流出するように低い流動抵抗に設定され、制御チェック弁13aは、適切な減衰力が発生するように構成されている。
また、オリフィス13cは、オリフィス83と同様、ピストン速度が小さい領域での減衰力を調整できる。なお、このオリフィス13cは必ずしも必要ではなく、サスペンション装置に要求される性能によっては無くてもよい。
【0031】
次に、車輪2の動きに対するサスペンション装置の作動状況について説明する。
車輪2の動きとしては、図7に示すような、左油圧シリンダ4,右油圧シリンダ5が共に伸びる「伸びバウンス」と、図8に示すような、左油圧シリンダ4,右油圧シリンダ5が共に縮む「縮みバウンス」と、図9に示すような、左油圧シリンダ4,右油圧シリンダ5の一方が伸び他方が縮む「ロール」とについて説明する。
【0032】
「伸びバウンス」は、両車輪2がリバウンドした場合に生じ、作動油は、図7に示すように、両下室4L,5Lから排出されて、対応する油圧減衰機構8を経由して、反対側シリンダの上室5U,4Uに流入する。この時、一方の下室4L(5L)と他方の上室5U(4U)との間においては、伸び縮の量の絶対値は等しいから、下室4L(5L)から排出されるピストンロッドの容積分の作動油が、アキュムレータ10(9)から非制御チェック弁13aを経由して上室5U(4U)にスムーズに流れる。以上の作動油の流れにおいては、主に、下室4L,5Lに対応した油圧減衰機構8を経由して作動油が排出されることで、減衰力が発生する。
尚、この時、上室4U,5Uに対応した第1第2上側下側油圧減衰機構8は、対応する上・下室の油圧を充分に確保するため、スムーズに作動油が流入するような特性に非制御チェック弁81が設定されている。
【0033】
「縮みバウンス」は、両車輪2がバウンドした場合に生じ、作動油は、図8に示すように、両上室4U,5Uから排出されて、対応する油圧減衰機構8を経由して、反対側シリンダの下室5L,4Lに流入する。この時、一方の上室4U(5U)と他方の下室5L(4L)との間においては、伸び縮みの量の絶対値は等しいから、上室4U(5U)に進入するピストンロッドの容積分の作動油が、アキュムレータ側油圧減衰機構13を経由してアキュムレータ9(10)に流入する。以上の作動油の流れにおいては、上室4U,5Uに対応した第1第2上側下側油圧減衰機構8を経由して作動油が排出されることで、減衰力が発生する。
尚、この時、アキュムレータ側油圧減衰機構13を通過するロッド容積分の作動油の流量は小さく、アキュムレータ側油圧減衰機構13により発生する減衰力は小さい。また、下室4L,5Lに対応した油圧減衰機構8は、対応する上・下室の油圧を充分確保するため、スムーズに作動油が流入するような特性に非制御チェック弁81が設定されている。
【0034】
「ロール」は、車両が右又は左に旋回した時に生じ、ここでは、左旋回した場合を説明する。
左車輪2A(旋回内輪)は、相対的にリバウンド方向に動き、作動油は、図9に示すように、下室4Lから排出されて、対応する油圧減衰機構8、及び、アキュムレータ側油圧減衰機構13を経由して、アキュムレータ10に流入する。右車輪2B(旋回外輪)は、相対的にバウンド方向に動き、作動油は、図9に示すように、上室5Uから排出されて、対応する油圧減衰機構8、及び、アキュムレータ側油圧減衰機構13を経由して、アキュムレータ10に流入する。この時、左油圧シリンダ4の下室4Lに対応した油圧減衰機構8と、右油圧シリンダ5の上室5Uに対応した油圧減衰機構8と、アキュムレータ10に対応したアキュムレータ側油圧減衰機構13とによって、大きな減衰効果を発揮できる。
また、左油圧シリンダ4の上室4U、及び、右油圧シリンダ5の下室5Lには、アキュムレータ9から作動油が供給されるが、それぞれに対応した油圧減衰機構8は、対応する上・下室4U,5Lの油圧を充分確保するため、スムーズに作動油が流入するように上室4Uと下室5Lの非制御チェック弁は設定されている。
【0035】
以上の「伸びバウンス」、「縮みバウンス」、「ロール」に対する衝撃減衰力の特性は、図5のように表すことができる。破線は、「伸びバウンス」、「縮みバウンス」を示し、実線は「ロール」を示しており、横軸がピストン速度であり、縦軸は減衰力を示している。ピストン速度の変化に伴って、線形が屈曲しており、初期の急勾配のエリアは、主に油圧減衰機構8のオリフィスによる減衰効果が現れている。緩やかな勾配のエリアは、各油圧減衰機構8、アキュムレータ側油圧減衰機構13による減衰効果が現れている。
【0036】
本実施形態のサスペンション装置によれば、車輪2の上下の動きに応じた油圧減衰機構8やアキュムレータ側油圧減衰機構13の作用によって、複雑な機械機構や制御機構を設けなくても、「伸びバウンス」や「縮みバウンス」や「ロール」に対して良好な衝撃減衰を図ることができ、走行安定性の確保と、良好な乗り心地の確保とを両立することが可能となる。
また、本実施形態のサスペンション装置によれば、アブソーバー機能とスタビライザ機能を兼ねることができ、スタビライザバーを省略することも可能となって、車輪2まわりの構造の簡単化を図ることができる。
【0037】
なお、第1油圧減衰ユニットDU1では、ロール時の作動油の流れが、第1上側ポート41から流れ込んでくる作動油の流速が第1上側油圧減衰機構8aによって低下し、第1下側ポート42から流れ込んでくる作動油の流速が第1下側油圧減衰機構8bによって低下するように油路形成されている。そして、第1上側油圧減衰機構8aによって減速した第1上側ポート41からの作動油と、第1下側油圧減衰機構8bによって減速した低下第1下側ポート42からの作動油とが、その減速状態のままで衝突(合流)するように第1接続油路62を十分に短くすると、その衝突による圧力損失を低減することができる。このため、第1接続油路62の長さはできるだけ短く設定されている。また、合流した作動油に圧力変動が生じた場合には、その圧力変動は、合流した作動油が第1アキュムレータ油路12を通じて第1アキュムレータ9に流れ込むことによって吸収される。従って、第1アキュムレータ油路12と第1接続油路62の油路形成も第1接続油路62で合流した作動油がスムーズに第1アキュムレータ油路12に流れ込むことができるように形成されている。つまり、上述したように相反する方向ベクトル成分を有する作動油が第1接続油路で合流した後の作動油がスムーズに第1アキュムレータ油路12へ流れ込む方向ベクトル成分を十分にもつように第1接続油路62の油路内部の幾何形状を決定すると好都合である。
このような第1油圧減衰ユニットDU1の油路構成はもちろん第2油圧減衰ユニットDU2にも適用されている。
【0038】
また、油圧減衰機構8や、アキュムレータ側油圧減衰機構13は、上述した実施形態で説明したような具体構成に限るものではなく、開弁状態を電気的に制御する構成を組み込むものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、前輪、後輪における車両のサスペンション装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 車体
2A 左車輪
2B 右車輪
4 左油圧シリンダ(第1油圧シリンダ)
4U 上室
4L 下室
41 上側ポート(第1上側ポート)
42 下側ポート(第1下側ポート)
5 右油圧シリンダ(第2油圧シリンダ)
5U 上室
5L 下室
51 上側ポート(第2上側ポート)
52 下側ポート(第2下側ポート)
6 第1油路
61 上側油路(第1上側油路)
62 接続油路(第1接続油路)
63 下側油路(第1下側油路)
11 アキュムレータ油路(第1アキュムレータ油路)
7 第2油路
71 上側油路(第2上側油路)
72 接続油路(第2接続油路)
73 下側油路(第2下側油路)
12 アキュムレータ油路(第2アキュムレータ油路)
8 油圧減衰機構
8a 第1上側油圧減衰機構
8b 第1下側油圧減衰機構
8c 第2上側油圧減衰機構
8d 第2下側油圧減衰機構
81 非制御チェック弁
82 制御チェック弁
83 オリフィス
9 第1アキュムレータ
10 第2アキュムレータ
13 アキュムレータ側油圧減衰機構
14 油圧バランス機構
DU1 第1油圧減衰ユニット
DU2 第2油圧減衰ユニット
BP ブリッジ油路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上室とピストンを内在させる下室とを有し左右車輪の一方と車体との間に介在する第1油圧シリンダと、
上室とピストンを内在させる下室とを有し前記左右車輪の他方と前記車体との間に介在する第2油圧シリンダと、
前記第1油圧シリンダの上室に開口する第1上側ポートと前記第2油圧シリンダの下室に開口する第1下側ポートとを連通接続する第1油路と、
前記第2油圧シリンダの上室に開口する第2上側ポートと前記第1油圧シリンダの下室に開口する第2下側ポートとを連通接続する第2油路と、
前記第1油路の前記第1上側ポート側に設けられた第1上側油圧減衰機構と、
前記第1油路の前記第2下側ポート側に設けられた第1下側油圧減衰機構と、
前記第2油路の前記第2上側ポート側に設けられた第2上側油圧減衰機構と、
前記第2油路の前記第1下側ポート側に設けられた第2下側油圧減衰機構と、
前記第1油路に接続された第1アキュムレータ及び前記第2油路に接続された第2アキュムレータと、
を備え、
前記第1油路は、前記第1上側ポートと前記第1上側油圧減衰機構とを接続する第1上側油路及び前記第1上側油圧減衰機構と前記第1下側油圧減衰機構とを接続する第1接続油路及び前記第1下側油圧減衰機構と前記第1下側ポートとを接続する第1下側油路を含み、前記第1上側油路及び前記第1接続油路の油路長さは前記第1下側油路の油路長さより短く、
前記第2油路は、前記第2上側ポートと前記第2上側油圧減衰機構とを接続する第2上側油路及び前記第2上側油圧減衰機構と前記第2下側油圧減衰機構とを接続する第2接続油路及び前記第2下側油圧減衰機構と前記第2下側ポートとを接続する第2下側油路を含み、前記第2上側油路及び前記第2接続油路の油路長さは前記第2下側油路の油路長さより短い、車両のサスペンション装置。
【請求項2】
前記第1上側油路と前記第1接続油路とを足し合わせた油路長さが前記第1下側油路の油路長さより短く、かつ前記第2上側油路と前記第2接続油路とを足し合わせた油路長さは前記第2下側油路の油路長さより短い請求項1に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項3】
前記第1アキュムレータは前記第1接続油路に接続され、前記第2アキュムレータは前記第2接続油路に接続されている請求項1または2に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項4】
前記第1上側油圧減衰機構と前記第1下側油圧減衰機構と前記第1接続油路とが第1油圧減衰ユニットとして一体化されており、前記第1油圧減衰ユニットは前記第1油路の油路長さに関して前記第1上側ポートに近接して配置されており、かつ
前記第2上側油圧減衰機構と前記第2下側油圧減衰機構と前記第2接続油路とが第2油圧減衰ユニットとして一体化されており、前記第2油圧減衰ユニットは前記第2油路の油路長さに関して前記第2上側ポートに近接して配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項5】
前記第1油圧減衰ユニットにはさらに、前記第1アキュムレータと前記第1接続油路との間の第1アキュムレータ油路に設けられるアキュムレータ側油圧減衰機構が組み込まれており、前記第2油圧減衰ユニットにはさらに、前記第2アキュムレータと前記第2接続油路との間の第2アキュムレータ油路に設けられるアキュムレータ側油圧減衰機構が含まれている請求項4に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項6】
前記第1油圧減衰ユニットにはさらに前記第1アキュムレータが組み込まれており、かつ前記第2油圧減衰ユニットにはさらに前記第2アキュムレータが組み込まれている請求項5に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項7】
前記アキュムレータ側油圧減衰機構にはオリフィスが含まれている請求項5または6に記載の車両のサスペンション装置。
【請求項8】
前記第1上側油圧減衰機構、前記第1下側油圧減衰機構、前記第2上側油圧減衰機構、前記第2下側油圧減衰機構のそれぞれは、互いに並列接続された、オリフィスと圧力制御チェック弁と非制御チェック弁とを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の車両のサスペンション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−100058(P2013−100058A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245826(P2011−245826)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】