説明

車両のフロントサスペンション

【課題】車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させる。
【解決手段】フロントサスペンション本体1のトランスバースリンク2の後端部は、左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12を用いてボルト13により固定されている。そして、略台形形状の板部材で形成した補剛カバー14が、前側をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bの下側にボルト15にて固定され、後側を左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共にボルト13により固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルピボット方式、或いは、ダブルピボット方式で車輪に車体を懸架する車両のフロントサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車輪に車体を懸架するフロントサスペンションとしては、剛性を適切に設定し意図する操縦安定性が得られるように、様々なタイプのものが開発され、実用化されている。また、近年においては、車両の衝突安全性を高めるため、車体の剛性を低下させる傾向があり、衝突安全性と操縦安定性とを高い次元で両立することが求められている。
【0003】
ところで、車体前方下面のパワーユニット下部には、アンダーカバーが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−233252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されるようなアンダーカバーは、あくまでも車体下部を飛び石等から保護するものにすぎず、車体の剛性を向上させるものではない。このため、衝突安全性を確保しつつ剛性を補剛して操縦安定性を高め、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることができる技術が求められている。そこで、サスペンションを構成する各部品個々の剛性を高めるために、パイプ等を架設して補剛することも考えられるが、形状が複雑となり、また、狭いサスペンションの空間でこれら補剛のためのパイプを複数設けることは困難で、却って重量増加、コスト増加を招いてしまう虞もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることが可能な車両のフロントサスペンションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フロントサスペンション本体の車幅方向に設けたクロスメンバと、上記フロントサスペンション本体の左右それぞれの側から後方に向けて延出し、それぞれの後端部を車体の左右の固定部と連結する左右のリンクと、前側を上記クロスメンバに固定する一方、後側を上記車体の左右の固定部に上記左右のリンクと共に固定する板状の補剛カバーとを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による車両のフロントサスペンションによれば、車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図8は本発明の実施の第1形態を示し、図1はフロントサスペンションの斜視図、図2は補剛カバーの取り付けの概略図、図3はフロントサイドフレーム後端部への補剛カバー固定の一例を示す説明図、図4は補剛カバーが後方にずれる方向の力が作用した際に屈曲する補剛カバーの一例を示す説明図、図5はクロスメンバに車幅方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図、図6はクロスメンバの後側フランジ部分に前後方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図、図7はクロスメンバにZ軸回りの回転力が作用した際の補剛の状況の説明図、図8はフロントサイドフレームを開く力が作用した際の補剛の状況の説明図である。
【0009】
図1において、符号1は車両のフロントサスペンション本体を示し、このフロントサスペンション本体1は、本第1形態ではシングルピボット方式のフロントサスペンションの例であり、L形状のトランスバースリンク2を有して構成されている。
【0010】
トランスバースリンク2の前端の上部には、左右それぞれのフロントドライブシャフト3にて回転される図示しない車輪を回転自在に支持するフロントハウジング4が設けられており、このフロントハウジング4の上部には、コイルスプリング5を備えたストラット6が上方に向けて立設されている。
【0011】
また、トランスバースリンク2の略中央からは、車体中央に向けてリンク7が延出されており、このリンク7の端部は、車体に固定されるクロスメンバ8の左右端の下部と連結されている。
【0012】
トランスバースリンク2の前端とリンク7との間には、スタビライザリンク9の一端が連結されており、このスタビライザリンク9の他端は、左右間を連通するフロントスタビライザ10の端部と連結されている。
【0013】
クロスメンバ8の前縁部分は、下方に向けて延出するフランジ形状の前側フランジ部分8aが形成され、後縁部分は、下方に向けて延出するフランジ形状の後側フランジ部分8bが形成されている。
【0014】
上述のトランスバースリンク2、リンク7、クロスメンバ8の関係を、簡略的に、より分かり易く示した図が、図2であり、トランスバースリンク2の後端部は、左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12を用いてボルト13により固定されている。
【0015】
また、略台形形状の板部材で形成した補剛カバー14が、前側をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bの下側にボルト15にて固定され、後側を左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共にボルト13により固定されている。
【0016】
補剛カバー14の後側のボルト13によりフロントサイドフレーム11に取り付けられる部分、すなわち、図3(a)に示す部分は、例えば、図3(b)に示すように、前方に開口する切り欠き部16が設けられており、衝突等に際して補剛カバー14に対して後方にずれる方向の力が作用した際に、補剛カバー14が後方へとスライドし、ボルト13による固定から離脱できるようになっている。すなわち、この切り欠き部16により離脱部が形成されている。
【0017】
また、図3(b)の他の例として、例えば、図3(c)に示すように、ボルト13の前方にボルト13よりも外径の大きな孔17を穿設し、衝突等に際して補剛カバー14に対して後方にずれる方向の力が作用した際に、補剛カバー14が後方へとスライドし、ボルト13が孔17を通過して、ボルト13による固定から離脱できるように構成しても良い。すなわち、この孔17により離脱部が形成される。
【0018】
補剛カバー14に対して、上述の図3(b)、或いは、図3(c)に示すような、離脱部を形成する場合、取付板12の後縁部を斜め下方に屈曲してガイド部12aを設けることにより、補剛カバー14が後方に移動した際に、補剛カバー14の下方への離脱をより確実、円滑に行わしめることができる。
【0019】
また、上述の図3に示すような離脱部を形成しない場合、図4に示すように、補剛カバー14を略中央で下方に向けて屈曲させた屈曲部14aを形成しても良い。すなわち、衝突等により後側フランジ部分8bが後方に傾き、一定以上の力が補剛カバー14に加わると、図4(b)の1点破線で示すように、屈曲部14aに応力が集中して、補剛カバー14が折れ曲がり、衝突力を吸収できるようにするのである。
【0020】
このように、図3、或いは、図4に示す、離脱部、或いは、屈曲部を設けることにより、補剛カバー14は、車体前部の圧壊を妨害することがない。
【0021】
また、補剛カバー14を設けることにより、以下のように車体の剛性を補剛して操縦安定性を向上する。
例えば、図5に示すように、クロスメンバ8に対して横方向の力(クロスメンバ8を横に移動させる力、クロスメンバ8を横方向に伸縮させる力)が作用した場合を説明する。この場合、ボルト15の左右方向の動きに対して、他方の側のボルト15、及び、他方の側のボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0022】
また、例えば、図6(a)に示すように、クロスメンバ8の後側フランジ部分8bを前後方向に倒すような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー14をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bに固定するボルト15の前後方向の動きに対して、図6(b)に示すように、同じ側のボルト13、及び、反対側のボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0023】
また、例えば、図7に示すように、クロスメンバ8を車体の上下方向を軸として回転させるような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー14をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bに固定するボルト15が回転しようとする動きに対して、反対側のボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0024】
また、例えば、図8に示すように、フロントサイドフレーム11に対して車幅方向に開こうとするような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー14をフロントサイドフレーム11に固定するボルト13の外側への動きに対して、反対側のボルト13及びボルト15がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0025】
このように本実施の第1形態によれば、単純な板部材で形成した補剛カバー14を前側をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bの下側に固定し、後側を左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共に固定することにより、車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることが可能となっている。
【0026】
次に、図9〜図16は本発明の実施の第2形態を示し、図9はフロントサスペンションの斜視図、図10は補剛カバーの取り付けの概略図、図11は補剛カバー固定の一例を示す説明図、図12はクロスメンバに車幅方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図、図13はクロスメンバの前側及び後側フランジ部分に前後方向に倒れる力が作用した際の補剛の状況の説明図、図14はクロスメンバの前側及び後側フランジ部分に拡開及び閉じる方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図、図15はクロスメンバにZ軸回りの回転力が作用した際の補剛の状況の説明図、図16はフロントサイドフレームを開く力が作用した際の補剛の状況の説明図である。尚、本実施の第2形態は、補剛カバーを、クロスメンバの後側フランジ部分のみならず、前側フランジ部分にまで固定するように変更した点が前記第1形態とは異なり、他の構成部分は第1形態と同様であるので同じ符号を記し、説明は省略する。
【0027】
すなわち、図9及び図10に示すように、フロントサスペンション本体1の下部には、前側を、クロスメンバ8の前側フランジ部分8aとボルト21で固定され、クロスメンバ8の後側フランジ部分8bとボルト15で固定される一方、後側を、左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共にボルト13により固定された、略台形形状の板部材で形成した補剛カバー22が取り付けられている。
【0028】
補剛カバー22は、例えば、図11に示すように、前側フランジ部分8aと後側フランジ部分8bとの間には、略中央で下方に向けて屈曲させた前側屈曲部22aが形成されており、衝突等により前側フランジ部分8aが後方に傾き、一定以上の力が補剛カバー22に加わると、図11(b)の1点破線で示すように、前側屈曲部22aに応力が集中して、補剛カバー22が折れ曲がり、衝突力を吸収できるようになっている。
【0029】
また、補剛カバー22の後側のボルト13によりフロントサイドフレーム11に取り付けられる部分は、前述の第1形態で説明したように、図3に示すような離脱部、或いは、この離脱部ではなく、図4に示すような屈曲部が形成されており、クロスメンバ8の圧壊を妨害しない構造となっている。
【0030】
このように、図11、図3、或いは、図4に示す、前側屈曲部22a、離脱部、或いは、屈曲部を設けることにより、補剛カバー22は、車体前部の圧壊を妨害することがない。
【0031】
また、補剛カバー22を設けることにより、以下のように車体の剛性を補剛して操縦安定性を向上する。
例えば、図12に示すように、クロスメンバ8に対して横方向の力(クロスメンバ8を横に移動させる力、クロスメンバ8を横方向に伸縮させる力)が作用した場合を説明する。この場合、左右どちらか一方の側の、補剛カバー22をクロスメンバ8の前側フランジ部分8a或いは後側フランジ部分8bに固定するボルト21,15の左右方向の動きに対して、他方の側の、ボルト21、ボルト15、ボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0032】
また、例えば、図13(a)に示すように、クロスメンバ8の前側フランジ部分8a及び後側フランジ部分8bを前後方向に倒すような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー22をクロスメンバ8の前側及び後側フランジ部分8a,8bに固定するボルト21,15の前後方向の動きに対して、図13(b)に示すように、同じ側のボルト13、及び、反対側のボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0033】
また、例えば、図14に示すように、クロスメンバ8の前側フランジ部分8aと後側フランジ部分8bとが開く方向、或いは、閉じる方向の力が作用した場合を説明する。この場合、ボルト21の前後方向の動きに対しては両側のボルト15がその動きを抑制する方向に作用し、また、ボルト15の前後方向の動きに対しては両側のボルト21がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0034】
また、例えば、図15に示すように、クロスメンバ8を車体の上下方向を軸として回転させるような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー22をクロスメンバ8の前側フランジ部分8aに固定するボルト21、及び、補剛カバー22をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bに固定するボルト15が回転しようとする動きに対して、反対側のボルト13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0035】
また、例えば、図16に示すように、フロントサイドフレーム11に対して車幅方向に開こうとするような力が作用した場合を説明する。この場合、補剛カバー22をフロントサイドフレーム11に固定するボルト13の外側への動きに対して、反対側のボルト21,15,13がその動きを抑制する方向に作用するため、剛性が高められる。
【0036】
このように本実施の第2形態によれば、単純な板部材で形成した補剛カバー22を、前側を、クロスメンバ8の前側フランジ部分8aと後側フランジ部分8bの下側に固定し、後側を左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共に固定することにより、車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることが可能となっている。
【0037】
次に、図17〜図19は本発明の実施の第3形態を示し、図17はフロントサスペンションの斜視図、図18は補剛カバーの取り付けの概略図、図19は前側カバーに対するガイド部の説明図である。尚、本実施の第2形態は、補剛カバーを、クロスメンバの下部を覆う前側カバーと、クロスメンバの下部からフロントサイドフレーム後端にかけて覆う後側カバーとに分けて形成したことが前記第2形態と異なり、他の構成部分は第2形態と同様であるので同じ符号を記し、説明は省略する。
【0038】
すなわち、図17及び図18に示すように、フロントサスペンション本体1の下部には、前側カバー31と後側カバー32の2部品で構成する補剛カバー30が取り付けられている。
【0039】
補剛カバー30の前側カバー31は、略台形形状の板部材で形成されており、前側をクロスメンバ8の前側フランジ部分8aの下側にボルト21にて固定され、後側をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bの下側に、後側カバー32の前側を介してボルト15にて固定されている。
【0040】
補剛カバー30の後側カバー32も、略台形形状の板部材で形成されており、前側をクロスメンバ8の後側フランジ部分8bの下側に、前側カバー31の後側と共にボルト15にて固定され、後側を左右のフロントサイドフレーム11の後端部分に取付板12と共にボルト13により固定されている。
【0041】
前側カバー31の後側のボルト15によりクロスメンバ8の後側フランジ部分8bに取り付けられる部分は、例えば、図19に示すように、ボルト15の前方にボルト15よりも外径の大きな孔33が穿設されており、衝突等に際して前側カバー31に対して後方にずれる方向の力が作用した際に、前側カバー31が後方へとスライドし、ボルト15が孔33を通過して、ボルト15による固定から離脱できるように構成されている。すなわち、これは、前述の第1形態の図3(c)と同様の構成となっている。尚、この離脱部の構成は、もちろん図3(b)と同様の切り欠き部を設けることによって、離脱部を構成するものであっても良い。
【0042】
そして、前側カバー31の後方への移動で、前側カバー31の落下を円滑に行えるように、後側カバー32には、ボルト15の後方に当たる部分に、斜め下方へ突出させたガイド部34が形成されている。この構成も、前述の第1形態の図3(d)に対応する構成である。
【0043】
尚、図19に示すような、離脱部を設けない場合は、前述の第2形態で説明したような前側屈曲部を、前側カバー31の前側フランジ部分8aと後側フランジ部分8bとの間に設け、衝突力を吸収できるようにしても良い。
【0044】
また、後側カバー32の後側のボルト13によりフロントサイドフレーム11に取り付けられる部分は、前述の第1形態で説明したように、図3に示すような離脱部、或いは、この離脱部ではなく、図4に示すような屈曲部が形成されており、クロスメンバ8の圧壊を妨害しない構造となっている。
【0045】
このように、前側カバー31に離脱部、或いは、屈曲部を設ける一方、後側カバー32に離脱部、或いは、屈曲部を設けることにより、補剛カバー30は、車体前部の圧壊を妨害することがない。
【0046】
また、補剛カバー30を設けることにより、前述の第2形態で説明したように、車体の剛性を補剛して操縦安定性を向上することができるようになっている。
【0047】
このように本実施の第3形態によれば、単純な板部材で形成した2分割の補剛カバー30を、車体の下側に取り付けることにより、車体下部への飛び石等を防止し、重量増加、コスト増加も最低限に抑えつつ、衝突安全性と操縦安定性をより高い次元で両立させることが可能となっている。
【0048】
また、補剛カバー30は2分割で構成されるため、前側カバー31の形状と、後側カバー32の形状とに自由度があり、クロスメンバ8の形状(前側フランジ部分8aと後側フランジ部分8bとの幅)が変わっても、また、後側フランジ部分8bとフロントサイドフレーム11との幅が変わっても、それぞれ柔軟に適用しやすい。例えば、前側カバー31のみ共通部品とし、後側カバー32のみ車種毎に変更する等がし易い。
【0049】
尚、本実施の各形態は、シングルピボット方式フロントサスペンションのトランスバースリンク(ロアアーム)を用いている例で説明しているが、他のダブルピボット方式フロントサスペンションのリンクにおいても適用できることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の第1形態による、フロントサスペンションの斜視図
【図2】同上、補剛カバーの取り付けの概略図
【図3】同上、フロントサイドフレーム後端部への補剛カバー固定の一例を示す説明図
【図4】同上、補剛カバーが後方にずれる方向の力が作用した際に屈曲する補剛カバーの一例を示す説明図
【図5】同上、クロスメンバに車幅方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図6】同上、クロスメンバの後側フランジ部分に前後方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図7】同上、クロスメンバにZ軸回りの回転力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図8】同上、フロントサイドフレームを開く力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図9】本発明の実施の第2形態による、フロントサスペンションの斜視図
【図10】同上、補剛カバーの取り付けの概略図
【図11】同上、補剛カバー固定の一例を示す説明図
【図12】同上、クロスメンバに車幅方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図13】同上、クロスメンバの前側及び後側フランジ部分に前後方向に倒れる力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図14】同上、クロスメンバの前側及び後側フランジ部分に拡開及び閉じる方向の力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図15】同上、クロスメンバにZ軸回りの回転力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図16】同上、フロントサイドフレームを開く力が作用した際の補剛の状況の説明図
【図17】本発明の実施の第3形態による、フロントサスペンションの斜視図
【図18】同上、補剛カバーの取り付けの概略図
【図19】同上、前側カバーに対するガイド部の説明図
【符号の説明】
【0051】
1 フロントサスペンション本体
2 トランスバースリンク
4 フロントハウジング
7 リンク
8 クロスメンバ
8a 前側フランジ部分
8b 後側フランジ部分
11 フロントサイドフレーム
12 取付板
12a ガイド部
13 ボルト
14 補剛カバー
14a 屈曲部
15 ボルト
16 切り欠き部(離脱部)
17 孔(離脱部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサスペンション本体の車幅方向に設けたクロスメンバと、
上記フロントサスペンション本体の左右それぞれの側から後方に向けて延出し、それぞれの後端部を車体の左右の固定部と連結する左右のリンクと、
前側を上記クロスメンバに固定する一方、後側を上記車体の左右の固定部に上記左右のリンクと共に固定する板状の補剛カバーと、
を備えたことを特徴とする車両のフロントサスペンション。
【請求項2】
上記クロスメンバは、少なくとも後縁部分に下方に向けて延出するフランジ形状の後側フランジ部分を形成したものであって、
上記補剛カバーは、前側を上記後側フランジ部分に固定する一方、後側を上記車体の左右の固定部に上記左右のリンクと共に固定することを特徴とする請求項1記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項3】
上記クロスメンバは、少なくとも前縁部分に下方に向けて延出するフランジ形状の前側フランジ部分を形成し、後縁部分に下方に向けて延出するフランジ形状の後側フランジ部分を形成したものであって、
上記補剛カバーは、前側を上記前側フランジ部分と上記後側フランジ部分とに固定する一方、後側を上記車体の左右の固定部に上記左右のリンクと共に固定することを特徴とする請求項1記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項4】
上記クロスメンバは、少なくとも前縁部分に下方に向けて延出するフランジ形状の前側フランジ部分を形成し、後縁部分に下方に向けて延出するフランジ形状の後側フランジ部分を形成したものであって、
上記補剛カバーを、上記前側フランジ部分と上記後側フランジ部分とに固定する前側カバーと、前側を上記後側フランジ部分に固定する一方、後側を上記車体の左右の固定部に上記左右のリンクと共に固定する後側カバーとで形成したことを特徴とする請求項1記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項5】
上記車体の左右の固定部は、左右のフロントサイドフレームの後端部分であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項6】
上記補剛カバーは、該補剛カバーが後方にずれる方向の力が作用した際に、上記車両の左右の固定部から離脱自在な離脱部と、上記作用力により屈曲する屈曲部のどちらかを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項7】
上記補剛カバーは、該補剛カバーが後方にずれる方向の力が作用した際に、上記前側フランジ部分と上記後側フランジ部分との間で屈曲する前側屈曲部を備えたことを特徴とする請求項3記載の車両のフロントサスペンション。
【請求項8】
上記前側カバーは、該前側カバーが後方にずれる方向の力が作用した際に、上記後側フランジ部分から離脱自在な前側離脱部と、上記前側フランジ部分と上記後側フランジ部分との間で屈曲する前側屈曲部のどちらかを備えたことを特徴とする請求項4記載の車両のフロントサスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−118664(P2007−118664A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310274(P2005−310274)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】