説明

車両のフロントピラー構造

【課題】アウタモールによる整流作用の確保と車室からの視界の確保とを両立させる。
【解決手段】車両のフロントピラー構造10は、ウィンドシールドガラス16の縦縁部16Aに沿って設けられたフロントピラー14と、フロントピラー14に対して支持されたアウタモール70とを備えている。アウタモール70には、縦縁部16Aの車両幅方向外側から車両幅方向内側へ延びて、縦縁部16Aを車両外側から覆うモール部100が形成されており、このモール部100の先端側には、透明部104が形成されている。この構成によれば、アウタモール70の整流作用を確保するために、モール部100の先端側が車両幅方向内側に延長されていても、透明部104を通じて車室から車両外側を視認することができるので、アウタモール70による整流作用の確保と車室からの視界の確保とを両立させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フロントピラーに支持されたウィンドシールドガラスの縦縁部を車両外側から覆うガーニッシュ(アウタモール)を備えた車両のフロントピラー構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−182079号公報
【特許文献2】特開2006−182092号公報
【特許文献3】特開2006−273057号公報
【特許文献4】実公昭62−39972号公報
【特許文献5】実公昭64−2863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の構造において、車室からの視界を確保するために、アウタモールを小型化すると、アウタモールの整流作用が減少する。このため、ウィンドシールドガラスからフロントピラーを経由してサイドガラスへ流れる風をアウタモールによって十分に整流することができなくなり、乱流の発生による空気抵抗の増加と風切り音の悪化を招くことになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、アウタモールによる整流作用の確保と車室からの視界の確保とを両立させることができる車両のフロントピラー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両のフロントピラー構造は、ウィンドシールドガラスの縦縁部に沿って設けられたフロントピラーと、前記縦縁部の車両幅方向外側から車両幅方向内側へ延びて、前記縦縁部を車両外側から覆うと共に、少なくともその先端側が透明に形成されたモール部を有し、前記フロントピラーに対して支持されたアウタモールと、を備えている。
【0007】
この車両のフロントピラー構造によれば、アウタモールには、縦縁部を車両外側から覆うモール部が形成されており、このモール部の少なくとも先端側(車両幅方向内端側)は、透明に形成されている。従って、アウタモールの整流作用を確保するために、モール部の先端側が車両幅方向内側に延長されていても、このモール部における先端側の透明部分を通じて車室から車両外側を視認することができるので、車室からの視界を確保することができる。
【0008】
請求項2に記載の車両のフロントピラー構造は、請求項1に記載の車両のフロントピラー構造において、前記フロントピラーには、フロントシート側へ延びる一対の側壁部が形成され、前記縦縁部には、前記縦縁部の幅方向に延在する不透明のセラミック部が形成され、前記モール部の先端が、前記一対の側壁部と平行で且つ前記セラミック部の車両幅方向内側端を通過する仮想線よりも車両幅方向内側に位置された構成とされている。
【0009】
この車両のフロントピラー構造によれば、モール部の先端は、一対の側壁部と平行で且つセラミック部の車両幅方向内側端を通過する仮想線よりも車両幅方向内側に位置されているので、車室からの視界を確保しつつ、アウタモールによる整流作用をより確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上詳述したように、本発明によれば、アウタモールによる整流作用の確保と車室からの視界の確保とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー構造が適用された車両におけるフロントピラー周辺部の構成を示す側面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー構造の第一変形例を示す図3に対応する断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー構造の第二変形例を示す図3に対応する断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー構造の第三変形例を示す図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(左側)をそれぞれ示している。また、以下には、一例として、車両のフロントピラー構造が左ハンドル車に適用された例を説明する。
【0014】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー構造10が適用された車両12は、フロントピラー14を備えている。このフロントピラー14は、ウィンドシールドガラス16の縦縁部16A、及び、後述するサイドドア42に備えられたサイドガラス46の前縁部46Aに沿って長手状に設けられている。
【0015】
このフロントピラー14は、図2に示されるように、アウタパネル18及びインナパネル20を有して構成されている。このアウタパネル18及びインナパネル20には、図示しないフロントシート側(矢印A側)へ延びると共に互いに略平行に形成された一対の側壁部22,24がそれぞれ形成されており、一方の側壁部22におけるフロントシート側の端部には、サイドガラス46と略平行に延びるフランジ26が形成されている。
【0016】
一方、他方の側壁部24におけるフロントシート側には、フロントシート側に凸を成す車内側壁部28が形成されており、この車内側壁部28における側壁部22側の端部には、フランジ26に沿って延びるフランジ30が形成されている。このフランジ30は、フランジ26と互いに重ね合わされた状態で溶接されている。
【0017】
また、一方の側壁部22におけるフランジ26と反対側(車両外側)には、ウィンドシールドガラス16側へ延びる当て壁部32が形成されており、この当て壁部32におけるウィンドシールドガラス16側の端部には、車両幅方向外側に延出されたフランジ34が形成されている。
【0018】
一方、他方の側壁部24におけるウィンドシールドガラス16側には、車両幅方向外側に延出された対向壁部36が形成されている。この対向壁部36は、縦縁部16Aの裏側に縦縁部16Aと対向して設けられている。そして、縦縁部16Aは、この対向壁部36に接着剤37によって接着されており、これにより、ウィンドシールドガラス16は、フロントピラー14に支持されている。
【0019】
また、この対向壁部36における車両幅方向外側の端部には、フランジ34に沿って延びるフランジ38が形成されており、このフランジ38は、フランジ34と互いに重ね合われた状態で溶接されている。このフランジ38は、このフランジ34とで、後述するアウタモール70を取り付けるための被嵌合部40を構成している。この被嵌合部40は、車両幅方向外側に延出されると共に、縦縁部16Aに対して車両幅方向外側に突出されている。
【0020】
また、このフロントピラー14では、上述の一対の側壁部22,24、車内側壁部28、当て壁部32、対向壁部36によって閉断面部39が構成されている。この閉断面部39は、一対の側壁部22,24が延びる方向に沿った縦幅W1よりも該延びる方向から見た横幅W2の方が狭く形成されている。つまり、このフロントピラー14は、全体的には、横幅が狭く縦長の細幅化された構成とされている。
【0021】
サイドドア42は、図示しないヒンジを介してフロントピラー14にスイング可能に連結されており、ドアフレーム44とサイドガラス46とを有して構成されている。ドアフレーム44には、その長手方向に沿ってガラスラン48が設けられており、サイドガラス46は、このガラスラン48を介してドアフレーム44に昇降可能に支持されている。
【0022】
また、ドアフレーム44には、フランジ26側に突出する突出部50が形成されており、フランジ26には、ウェザストリップ52(オープニングウェザストリップ)が取り付けられている。ウェザストリップ52は、サイドガラス46側に膨出するシール部54と、このシール部54と反対側に延出するリップ部56とを有している。シール部54は、サイドドア42が閉状態とされたときには、上述の突出部50に弾性圧縮された状態で密着される構成とされており、リップ部56は、後述するインナガーニッシュ64の端末部64Aに密着されている。
【0023】
一方、ドアフレーム44におけるガラスラン48と反対側には、ウェザストリップ58(ドアウェザストリップ)が取り付けられている。ウェザストリップ58は、当て壁部32、及び、後述するアウタモール70に形成された当て部98に向けて膨出するシール部60と、当て部98に向けて延びるリップ部62とを有して構成されている。シール部60は、サイドドア42が閉状態とされたときには、弾性圧縮された状態で当て壁部32及び当て部98に密着される構成とされており、リップ部62は、サイドドア42が閉状態とされたときには、当て部98に押し当てられて弾性変形される構成とされている。
【0024】
また、フロントピラー14の車両内側には、側壁部24及び車内側壁部28を車両内側から覆う樹脂製のインナガーニッシュ64がフロントピラー14の長手方向に沿って設けられている。また、このインナガーニッシュ64とフロントピラー14との間には、空間部66が形成されており、この空間部66には、例えば、ワイヤーハーネス、アンテナケーブル、排水ホースなどの配索部材68が収容されている。この配索部材68は、フロントピラー14の長手方向に沿って配索されている。
【0025】
一方、縦縁部16Aの車両幅方向外側には、アウタモール70が設けられている。このアウタモール70は、フロントピラー14の長手方向に沿って設けられている。
【0026】
このアウタモール70には、図3に示されるように、嵌合部72が形成されている。嵌合部72は、車両幅方向内側へ延びる一対の挟持部74,76を有して構成されており、この一対の挟持部74,76のうち車両後側に設けられた挟持部76の先端部には、挟持部74側へ凸を成す凸部78が形成されている。
【0027】
そして、嵌合部72が車両幅方向外側から被嵌合部40に嵌合されることにより、すなわち、一対の挟持部74,76が被嵌合部40を挟持すると共に、この被嵌合部40の基端側に形成された凹部80に凸部78が係合されることにより、アウタモール70は、フロントピラー14に取り付けられている。
【0028】
また、車両前側に設けられた挟持部74における車両幅方向内側の端部には、被嵌合部40側と反対側に延びる立壁部82が形成されている。この立壁部82の先端部には、車両幅方向内側に延出されると共に縦縁部16Aの表側に設けられた腕部84が形成されており、この腕部84の先端部には、縦縁部16A側に突出する爪部86が形成されている。また、立壁部82の基端部には、車両幅方向内側に突出する介在部88が形成されており、この介在部88には、対向壁部36側に突出するリブ90が形成されている。
【0029】
そして、上述のように嵌合部72が被嵌合部40と嵌合された状態では、立壁部82がウィンドシールドガラス16における車両幅方向外側の端面16Bに当接されると共に、爪部86が縦縁部16Aの表面16A1に形成された係合凹部92と係合される。また、介在部88は、縦縁部16Aと対向壁部36との間に介在され、リブ90は、対向壁部36に形成された凹部94と係合される。
【0030】
なお、立壁部82及び腕部84は、フロントピラー14の長手方向に沿って連続して形成されていても良く、また、フロントピラー14の長手方向に間隔を空けて複数形成されていても良い。
【0031】
また、このアウタモール70には、当て部98と、モール部100とが形成されている。当て部98は、嵌合部72の車両後側に嵌合部72と離間して設けられており、この当て部98と嵌合部72との間には、支持部102が形成されている。支持部102は、当て部98と挟持部76とに連結されており、挟持部76に対して当て部98を支持している。
【0032】
モール部100は、挟持部74における車両幅方向外側の端部から車両幅方向内側へ延びており、縦縁部16Aを車両外側から覆っている。このモール部100の先端側には、透明部104が形成されており、この透明部104を除くモール部100の本体部105は、不透明に形成されている。
【0033】
なお、透明部104は、透明であれば、半透明、着色透明でも良い。また、透明部104は、透過視界の歪を極力少なくするために、可能な限り一定の曲率で形成されるか、又は、大きな曲率半径を有していることが望ましい。また、透明部104は、アウタモール70が二色成形されることによって透明に形成されても良く、また、アウタモール70全体が透明に形成されると共に透明部104を除く部分が塗装等されることにより透明に形成されても良い。
【0034】
また、縦縁部16Aの裏面16A2には、この縦縁部16の幅方向(矢印W方向)に延在する不透明(黒色)のセラミック部106が形成されている。そして、透明部104の先端104Aは、縦縁部16Aの幅方向におけるセラミック部106の車両内側端106Aよりも車両内側(つまり、車両内側端106Aを通過する縦縁部16Aの法線L1よりも車両幅方向内側(矢印B側))に位置されている。
【0035】
また、不透明とされた本体部105における先端105Aは、側壁部24と平行で且つセラミック部106の車両内側端106A(車両幅方向内側端)を通過する仮想線L2に対して車両幅方向外側に位置されており、透明部104の先端104Aは、上述の仮想線L2に対して車両幅方向内側に位置されている。
【0036】
なお、上述の縦縁部16Aの幅方向(矢印W方向)とは、縦縁部16Aが湾曲している場合には、その湾曲面の接線方向に相当する。
【0037】
また、このモール部100の先端側(透明部104)は、縦縁部16Aの表側に縦縁部16Aと離間して設けられている。そして、このアウタモール70では、立壁部82、挟持部74、及び、モール部100によって、車両幅方向内側に開口する断面略U字状の排水溝108が形成されている。この排水溝108は、フロントピラー14の長手方向に沿って形成されている。また、排水溝108の底部108Aは、挟持部74によって構成されており、縦縁部16Aの裏面16A2の車両幅方向外側への延長線L3よりも被嵌合部40(矢印C側)に位置されている。
【0038】
なお、この排水溝108は、立壁部82、挟持部74、及び、モール部100の肉厚や形状を適宜設定することにより、その断面積を変更可能である。
【0039】
また、本実施形態では、排水溝108による排水性を満足するように、縦縁部16Aに対する透明部104の先端104Aの高さHが設定されている。さらに、サイドガラス46(図2参照)へ流れる風に乱流が生じないように、モール部100における車両幅方向の幅W3が設定されると共に、縦縁部16Aの表面16A1の車両幅方向外側への延長線L4と透明部104の先端部の接線L5との成す角度θが設定されている。
【0040】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0041】
図2に示されるように、この車両のフロントピラー構造10によれば、フロントピラー14の閉断面部39は、縦幅W1よりも横幅W2の方が狭く形成されており、これにより、フロントピラー14は、全体的に横幅が狭く縦長の細幅化された構成とされている。従って、このフロントピラー14及びその周辺部によって構成されたフロントピラー部110の幅、すなわち、この場合、上述の線L2と、この線L2と平行でガラスラン48の先端を通る線L6との成す幅W4を狭めることができるので、車室からの視界を向上させることができる(特に、運転席に対する視界の妨害角を狭めることができる)。
【0042】
また、アウタモール70には、縦縁部16Aを車両外側から覆うモール部100が形成されており、このモール部100の先端側(車両幅方向内端側)には、透明部104が形成されている。従って、アウタモール70の整流作用を確保するために、モール部100の先端側が車両幅方向内側に延長されていても、透明部104を通じて車室から車両外側を視認することができるので、車室からの視界を確保することができる。これにより、フロントピラー14が細幅化されていても、アウタモール70による整流作用の確保と車室からの視界の確保とを両立させることができる。
【0043】
しかも、図3に示されるように、モール部100の先端、つまり、透明部104の先端104Aは、縦縁部16Aの幅方向(矢印W方向)におけるセラミック部106の車両内側端106Aよりも車両内側(矢印B側)に位置されているので、車室からの視界を確保しつつ、アウタモール70による整流作用をより確保することができる。
【0044】
また、アウタモール70に形成された立壁部82、挟持部74、及び、モール部100によって、車両幅方向内側に開口する排水溝108がフロントピラー14の長手方向に沿って形成されている。従って、ウィンドシールドガラス16の外面から流れるウォッシャ液や雨水を、この排水溝108によって処理することができるので、フロントピラー14が細幅化されていても、ウィンドシールドガラス16の排水性能を確保することができる。
【0045】
しかも、この排水溝108の底部108Aは、挟持部74によって構成されており、縦縁部16Aの裏面16A2の車両幅方向外側への延長線L3よりも被嵌合部40(矢印C側)に位置されている。これにより、排水溝108の断面積を拡大させることができるので、ウィンドシールドガラス16の排水性能をより確保することができる。
【0046】
次に、本発明の一実施形態に係る車両用ドア構造の変形例について説明する。
【0047】
つまり、図4に示されるように、透明部104は、透明のガラス板や樹脂板等によって構成されると共に本体部105に対して別体に構成されていても良い。そして、この透明部104は、例えば、アウトサート成形によって本体部105と一体化されても良い。
【0048】
また、この場合に、透明部104における本体部105側の部分に穴や切欠きなどの貫通部112が形成され、アウトサート成形時に、この貫通部112に本体部105の一部が入り込むことにより、透明部104が本体部105に強固に固定されるように構成されていても良い。
【0049】
また、透明部104は、本体部105に対して別体に構成されると共に、例えば接着や溶着等により本体部105に固定されていても良い。
【0050】
また、図5に示されるように、腕部84の先端が車両幅方向内側に延長されると共に、この腕部84に対して本体部105の先端部を支持する補強リブ114が形成されていても良い。この補強リブ114は、アウタモール70の長手方向の全長に亘って形成されていても良く、また、排水溝108の断面積を確保するために、アウタモール70の長手方向に間隔を空けて複数形成されていても良い。
【0051】
また、補強リブ114をアウタモール70の長手方向の全長に亘って形成した後に、この補強リブ114をアウタモール70の長手方向に間隔を空けた所定の位置で切断して複数の補強リブに分割しても良い。また、補強リブ114は、アウタモール70と別体に構成され、例えば接着や溶着等により腕部84及び本体部105に連結されていても良い。
【0052】
また、図6に示されるように、モール部100は、その全体がガラスや樹脂等の透明の部材によって構成されていても良い。このように構成されていると、フロントピラー部110の意匠性を向上させることができる。
【0053】
また、この場合に、モール部100は、当て部98、支持部102、嵌合部72、腕部84、介在部88、補強リブ114からなる樹脂製の取付部116と別体に構成されると共に、例えば接着や溶着等により取付部116に固定されていても良い。
【0054】
また、この変形例において、本体部105は、その表面や裏面が塗装等されることにより不透明とされていても良い。さらに、この変形例において、本体部105は、透明とされて、取付部116における本体部105との密着面116Aが着色されていても良い。
【0055】
また、透明部104の先端104Aは、セラミック部106の車両内側端106Aを通過する縦縁部16Aの法線L1に対して車両幅方向内側(矢印B側)に位置されていたが、上述の仮想線L2に対して車両幅方向内側に位置されていれば、上述の法線L1に対して車両幅方向外側に位置されていても良い。
【0056】
なお、上記各変形例のうち組み合わせ可能な実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0058】
次に、特許請求の範囲に記載された発明以外に、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0059】
つまり、前記フロントピラーは、フロントシート側へ延びると共に該延びる方向に沿った縦幅よりも該延びる方向から見た横幅の方が狭く形成された閉断面部を有している請求項1又は請求項2に記載の車両のフロントピラー構造である。
【0060】
この構成によれば、フロントピラーは、横幅が狭く縦長の細幅化された構成とされるので、車室からの視界を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
10 車両のフロントピラー構造
14 フロントピラー
16 ウィンドシールドガラス
16A 縦縁部
70 アウタモール
100 モール部
104 透明部
104A 先端
106 セラミック部
106A 車両内側端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドシールドガラスの縦縁部に沿って設けられたフロントピラーと、
前記縦縁部の車両幅方向外側から車両幅方向内側へ延びて、前記縦縁部を車両外側から覆うと共に、少なくともその先端側が透明に形成されたモール部を有し、前記フロントピラーに対して支持されたアウタモールと、
を備えた車両のフロントピラー構造。
【請求項2】
前記フロントピラーには、フロントシート側へ延びる一対の側壁部が形成され、
前記縦縁部には、前記縦縁部の幅方向に延在する不透明のセラミック部が形成され、
前記モール部の先端は、前記一対の側壁部と平行で且つ前記セラミック部の車両幅方向内側端を通過する仮想線よりも車両幅方向内側に位置されている、
請求項1に記載の車両のフロントピラー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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