説明

車両のリレーボックス

【課題】車室空間内を占有することなく配置されるとともに、雨水や土埃等が入り込むのを防止できる車両のリレーボックスを提供することを目的とスメ。
【解決手段】リレー24を収納するために車体に設けられた車両10のリレーボックス32において、リレーボックス32は、車体の床下に配置され、リレー24をメンテナンスするために、リレーボックス32の上部にボックス側リッド54が設けられるとともに車体の床パネル46にリレーボックス32の上方に位置する開口46b及びこの開口46bを着脱自在に塞ぐメンテナンスリッド56が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載電装品等により構成される電気回路の一部に設けられるリレーを収納する車両のリレーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
バス等の大型車両では、エンジンの始動、灯火器や室内照明のために容量の大きなバッテリ、リレー類が搭載されている。これらのバッテリ、リレー類は、エンジン、変速機等と共に車体後部に配置されている。特にリレー類は、その機能上、防水・防塵に留意する必要があるため、雨水、土埃等が被らないようにリレーボックスに収納され、リレーボックスの設置場所も限られている。
このような従来の車両のリレーボックスとして、油圧ショベル等の作業機械のキャブ内に設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の図1、図4によれば、作業機械のキャブ10内におけるシート後部に電装品のリレーを内蔵する電装ボックス1が設けられている。
電装ボックス1は、ボックス本体1aと、このボックス本体1aの前部に開閉自在に設けられたドア部1bとからなり、ドア部1bの前方がカバー部材2で覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−95860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、電装ボックス1は、キャブ10内に配置されているため、キャブ10内の空間を占有するので、キャブ10内の空間が狭くなり、キャブ10内の使い勝手が悪くなる。
また、電装ボックス1の上方は開放されているので、例えば、風と共にキャブ10内へ入り込んだ塵や、土埃や、雨天での作業中にキャブ10内へ乗り込んだ作業者の雨具に付着した雨水が電装ボックス1内に入って、リレー類の故障の原因になるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、車室空間内を占有することなく配置されるとともに、雨水や土埃等が入り込むのを防止できる車両のリレーボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するため、リレーを収納するために車体に設けられた車両のリレーボックスにおいて、前記リレーボックスは、車体の床下に配置され、前記リレーをメンテナンスするために、前記リレーボックスの上部にボックス側リッドが設けられるとともに前記車体の床に前記リレーボックスの上方に位置する開口及びこの開口を着脱自在に塞ぐ床側リッドが設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、リレーボックスが床下に配置されているため、リレーボックスで車室内空間を占有することがなく、車室内空間に影響を与えることなく設置できる。
【0009】
また、車室内で床に水などの液体をこぼした場合に、開口と床側リッドとの間から液体が床下に漏れ出たとしても、ボックス側リッドによってリレーボックス内に液体が浸入することを防止することができる。従って、リレーの故障を回避することができ、信頼性を向上させることができる。
【0010】
更に、車体の床から床側リッドを取り外し、ボックス側リッドを取り外すことで、車室内からリレーをメンテナンスすることができ、メンテナンス性を向上させることができるとともに、車外からメンテナンスするのに比べて、メンテナンス中にリレーボックス内へ雨水や土埃等が入り込むのを防止することができる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、前記リレーは主電源回路に用いられ、前記車体の床下であって前記リレーボックスの近傍に、主電源となるバッテリを収納するバッテリボックスが配置されているとよい。
【0012】
かかる構成によれば、リレーボックスの近傍にバッテリボックスを配置することで、バッテリとリレーとの間を接続する配線をより短くすることができる。
また、リレーボックスとバッテリボックスとを別々に設けることで、従来のようにリレーとバッテリとを同一のボックスに配置するのに比べて、リレー、バッテリにそれぞれ特有の機能による配置の制約がなくなり、つまり、リレー類は防水、防塵に留意する必要があり、一方バッテリは、希硫酸蒸発のため通気性が求められる制約がなくなり、リレー及びバッテリをより簡単に配置することができる。
また、リレーをメンテナンスする際にバッテリを取り外す必要がなくなり、メンテナンス時の作業の簡素化を図ることができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、前記車体は後部にエンジンが搭載されるバス車体であり、前記リレーボックスはエンジンの前方であって前記バッテリボックスの上部に配置されるとともに、前記床側リッドは後部座席の間に設けられているとよい。
【0014】
かかる構成によれば、バスの車体のように、後部にエンジンやバッテリや電装品関係のリレー類が搭載される車体構造に適用することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記リレーボックスは、上部に開放部を備える箱体からなるボックス本体と、このボックス本体の上部縁部に着脱自在に取付けられるとともに前記開放部よりも大きく形成された矩形の前記ボックス側リッドとから構成され、前記床側リッドは、前記ボックス側リッドの前後長より短い前後長と、前記ボックス側リッドの左右長より大きい左右長とを有しているとよい。
【0016】
かかる構成によれば、ボックス側リッドが、ボックス本体の上部の開放部よりも大きく形成された矩形に形成され、床側リッドが、ボックス側リッドの前後長より短い前後長と、ボックス側リッドの左右長より大きい左右長とを有することで、車室内で床に水などの液体をこぼした場合に、開口と床側リッドとの隙間から液体が床下に漏れ出たとしても、開口の周縁とボックス側リッドの大きさの関係によって、リレーボックス内に液体が浸入することをより確実に防止することができ、信頼性をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上記載のごとく本発明によれば、リレーボックスは、車体の床下に配置され、リレーをメンテナンスするために、リレーボックスの上部にボックス側リッドが設けられるとともに車体の床にリレーボックスの上方に位置する開口及びこの開口を着脱自在に塞ぐ床側リッドが設けられているので、リレーボックスが床下に配置されていることで、リレーボックスで車室内空間を占有することがなく、車室を広くすることができため、車室内の使い勝手を向上させることができる。
【0018】
また、車室内で床に水などの液体をこぼした場合に、開口と床側リッドとの隙間から液体が床下に漏れ出たとしても、ボックス側リッドによってリレーボックス内に液体が浸入することを防止することができる。従って、リレーの故障を回避することができ、信頼性を向上させることができる。
【0019】
更に、車体の床から床側リッドを取り外し、ボックス側リッドを取り外すことで、車室内からリレーをメンテナンスすることができ、メンテナンス性を向上させることができるとともに、車外からメンテナンスするのに比べて、メンテナンス中にリレーボックス内へ雨水・土埃等が入り込むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る車両のリレーボックスの配置を示す車体の後部側面図である。
【図2】本発明に係るリレーボックスが配置された車体の後部を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るリレーボックス及びメンテナンスリッドを示す斜視図である。
【図4】本発明に係るリレーボックス及びメンテナンスリッドを示す分解斜視図である。
【図5】本発明に係るメンテナンスリッド及びリレーボックスのリッドを取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るリレーボックス及びメンテナンスリッドによる車両前後方向での作用を示す説明図である。
【図7】本発明に係るリレーボックス及びメンテナンスリッドによる車両左右方向での作用を示す説明図である。
【図8】リレーボックスの配置の比較例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
なお、図中に示す矢印(FRONT)は車両の前方を表している。
【0022】
図1に示すように、車両10は、後輪11の後方に設けられた後部車体12に、エンジン15、変速機(不図示)、各種電装品(バッテリ21〜23、リレー24、ヒューズ26,27)を収納するバッテリボックス31、リレーボックス32、ヒューズボックス33を搭載したバスである。なお、符号35はオルタネータである。
【0023】
後部車体12は、前後方向に延びる左右一対のメインフレーム41,41(一方の符号41のみ示す。)に車幅方向に延びるように取付けられたクロスフレーム42と、メインフレーム41,41よりも一段低く且つ前後方向に延びるように設けられた左右一対の後部フレーム43,43(一方の符号43のみ示す。)と、これらの後部フレーム43,43に車幅方向に延びるように取付けられた枠状フレーム44とを備え、この枠状フレーム44に、床パネル46、床パネル46に設けられる複数のシート47、48などから構成されるアッパボデー45が取付けられている。なお、符号49はリヤバンパを支持するために左右の後部フレーム43,43に取付けられたバンパ支持部材、50はアッパボデー45により形成される車室(バスの車室)である。
【0024】
バッテリボックス31は、後輪11の後方に位置するとともに、クロスフレーム42と枠状フレーム44とに渡された側部フレーム51の上部に取付けられ、複数のバッテリ21〜23が収納されている。
バッテリ21〜23は、内部に注入されている希硫酸中の水分が蒸発するため、バッテリボックス31には通気のための開口31aが設けられている。
【0025】
リレーボックス32は、バッテリボックス31の上方に配置されるとともに、枠状フレーム44の前部に取付けられ、リレー24等が収納されている。
リレーボックス32には、上部にメンテナンスのためのボックス側リッド54が設けられ、更に、ボックス側リッド54の上方の床パネル46には、メンテナンスのために設けられた床開口部46aと、この床開口部46aを塞ぐ着脱自在なメンテナンスリッド56とが設けられている。
床開口部46aは、前後に並んだシート47,48間に設けられている。
【0026】
ヒューズボックス33は、シート48を支持するとともにシート48の下方を覆うアンダカバー58に取付けられ、複数のヒューズ26,27が収納されている。
アンダカバー58は、アッパボデー45を構成する部品であり、床パネル46を介して枠状フレーム44の上部に取付けられている。
【0027】
図2に示すように、後部車体12の右側であってクロスフレーム42と枠状フレーム44とを繋ぐ側部フレーム51,51にバッテリボックス31が取付けられ、このバッテリボックス31の上方に配置されるリレーボックス32が枠状フレーム44の上部前部に取付けられ、このリレーボックス32の後方上方に配置されるヒューズボックス33が枠状フレーム44の上部に固定治具61により仮固定されている。
【0028】
ヒューズボックス33は、バッテリボックス31、リレーボックス32等との配線が完了した後に、固定治具61が取り外され、アッパボデー45(図1参照)が搭載された後に、図1に示したように、アッパボデー45のアンダカバー58に本固定される。
【0029】
図3ではリレーボックス32内に収納された部品の形状の理解を容易にするため、リレーボックス32内の各部品を透けて見えるように描いている。
図3に示すように、リレーボックス32は、ボックス本体71と、このボックス本体71の上部に4本のボルト72で着脱自在に取付けられたボックス側リッド54とからなり、ボックス本体71の後部が枠状フレーム44(図2参照)に設けられた複数のステー65にボルト66で取付けられている。
【0030】
リレーボックス32内には、主電源回路に用いられるリレー24と、スタータ回路の通電を遮断するスタータ回路遮断機器74と、メインサーキットブレーカ75と、これらのリレー24、スタータ回路遮断機器74及びメインサーキットブレーカ75を接続するワイヤハーネス76とが収納されている。なお、符号77はワイヤハーネス用グロメットである。
図中の想像線は、リレーボックス32の上方に配置されるメンテナンスリッド56を示している。
【0031】
図4に示すように、リレーボックス32のボックス本体71は、矩形の底板81と、この底板81の縁部から立ち上げられた4枚の側板82〜85とからなる。
前後の側板82,85は矩形であり、左右の側板83,84は、側板85よりも後方に延びる二股状の後方延出部83a,84aと、上部から左右に屈曲する側方屈曲部83b,84bとが設けられている。
【0032】
後方延出部83a,84aは、複数のステー65(図3参照)にそれぞれ取付けられる後端屈曲部86が設けられている。なお、符号86aはボルト66(図3参照)が挿入されるボルト挿通穴である。
【0033】
側方屈曲部83b,84bは、ボックス側リッド54が取付けられる部分であり、ボルト72(図3参照)がねじ込まれるめねじ83c,84cが形成される、又はボルト72が通されるボルト挿通穴が開けられるとともにボルト72がねじ込まれるナット(不図示)が下面に取付けられている。
【0034】
ボックス側リッド54は、矩形に形成されたプレートであり、ボックス本体71に取付ける際にボルト72を通す複数のボルト挿通穴54aが開けられている。
メンテナンスリッド56は、矩形に形成されたプレートであり、床パネル46(図1参照)側に取付ける際に取付用ボルトを通す複数のボルト挿通穴56aが開けられている。
【0035】
ボックス本体71の前後方向の内寸法をA1、左右方向の内寸法をB1とし、ボックス側リッド54の前後方向の長さ(奥行)をA2、左右方向の長さ(幅)をB2とし、メンテナンスリッド56の前後方向の長さ(奥行)をA3、左右方向の長さ(幅)をB3とする。
【0036】
A2>A1、B2>B1である、即ち、ボックス側リッド54は、ボックス本体71の開口部71aより大きいため、開口部71aの全体を覆うことができる。
また、A3<A2、B3>B2となる、即ち、メンテナンスリッド56は、ボックス側リッド54に対して前後方向に短く、左右方向に長い。
【0037】
メンテナンスリッド56は、図1に示したように、前後に並んだシート47とシート48との間に配置されるため、前後方向の長さを大きく確保することは難しいが、左右方向の長さを大きく確保することは比較的簡単であり、上記のようなメンテナンスリッド56の大きさを前後に短く、左右に長い形状にすることで、シート47,48間のスペースをより効果的に利用することができるとともに、メンテナンスリッド56の着脱も容易に行える。
更に、ボックス本体71、ボックス側リッド54及びメンテナンスリッド56の各寸法による作用効果については、図6及び図7で説明する。
【0038】
図5は、車体後部の床パネル46に設けられた床開口部46aからメンテナンスリッド56(図1参照)が取り外されるとともに、床開口部46aの下方に配置されたリレーボックス32のボックス側リッド54(図1参照)も取り外された状態を車室内から見たものである。
【0039】
床開口部46aは、矩形の開口46bと、この開口46bの縁に床パネル46の他の上面よりも一段低く形成された段部46cとからなる部分であり、段部46cにメンテナンスリッド56が載置され、床パネル46の上面とメンテナンスリッド56の上面とがほぼ同じ高さにされている(図1参照)。
【0040】
開口46bの4つの隅部近傍には、床パネル46の下面側からそれぞれステー88が延び、各ステー88の先端部に形成されためねじ88aにメンテナンスリッド56を取付けるための取付用ボルトがねじ込まれる。
【0041】
以上のように、リレーボックス32内のリレー24(図3参照)をメンテナンスするためのメンテナンスリッド56を床パネル46に設け、車室50内からメンテナンスできるようにすることで、より容易にリレー24のメンテナンスを行うことができる。
また、例えば、リレーを車外からメンテナンスする場合に対して、本実施形態のように車室50内からメンテナンスすることで、メンテナンス中にリレーボックス32内へ雨水・土埃等が入り込むのを防止することができる。
【0042】
以上に述べたメンテナンスリッド56及びボックス側リッド54の作用を次に説明する。
図6に示すように、床パネル46は、車両前部側が車両後部側より低くなるように傾斜している。図中のθは水平線90に対する床パネル46の傾斜角度である。
【0043】
従って、例えば、床パネル46に水などの液体91をこぼした場合、床パネル46上に溜まった液体91は、メンテナンスリッド56と床開口部46aとの前後の隙間から床パネル46の下方に漏れ出し、リレーボックス32のボックス側リッド54の上に滴下する。
ボックス側リッド54も床パネル46と平行になるように傾斜しているため、ボックス側リッド54上の液体91は、車両前方へ流れ、ボックス側リッド54の前端から垂れる。
【0044】
このように、メンテナンスリッド56の前後方向の長さA3(又は、開口46bの前後方向の長さA4)がボックス側リッド54の前後方向の長さA2より短く、また、ボックス側リッド54が前後方向に傾斜しているため、液体91はボックス側リッド54上に落ち、ボックス側リッド54から落下するため、リレーボックス32内に液体91が浸入する心配はない。
【0045】
図7に示すように、床パネル46は車幅方向には水平である。
例えば、床パネル46に液体91をこぼした場合、床パネル46上に溜まった液体91は、メンテナンスリッド56と床開口部46aとの左右の隙間から床パネル46の下方に漏れ出し、落下するので、リレーボックス32のボックス側リッド54の上に滴下することはない。
【0046】
このように、メンテナンスリッド56の左右方向の長さB3(又は、開口46bの左右方向の長さB4)がボックス側リッド54の左右方向の長さB2より長いため、液体91はボックス側リッド54上に落ちることがないため、リレーボックス32内に液体91が浸入する心配はない。
【0047】
図8に示す比較例は、バスの車体後部にバッテリボックス100が配置され、このバッテリボックス100に、複数のバッテリ101,102に加えて、バッテリ101の上方に配置されたリレー103,104が収納されている。なお、符号106はボデー107の側面に形成された開口部である。
【0048】
バッテリ101,102は、内部に注入されている希硫酸中の水分が蒸発するため、バッテリボックス100に通気性を確保するための開口111が形成されている。
リレー103,104は、その機能上、電気的な接点に雨水や塵・土埃等が付着して通電が阻害されないように防水・防塵に留意する必要があるため、バッテリボックス100内の上部の空間がカバー112で囲われて密閉空間が形成され、その内部にリレー103,104が配置されている。
【0049】
このように、比較例では、バッテリボックス100内に、機能の異なるバッテリ101,102とリレー103,104とを配置することで、それぞれに適する配置場所や配置方向を考慮する必要がある。
【0050】
また、バッテリボックス100にバッテリ101,102を搭載した後に、バッテリボックス100にリレー103,104を配置する場合、リレー103,104の取付位置が高く、配置スペースも狭く、更にリレー103,104の周囲を防水・防塵のために覆う作業も発生するため、組付けやメンテナンスがしにくく、改善が望まれていた。
【0051】
そこで、バッテリボックス100からバッテリ101,102を取り外し、バッテリボックス100を車体から降ろせば、リレー103,104のメンテナンスは比較的楽に行えるが、メンテナンスまでの作業が煩雑になる。
【0052】
これに対して本実施形態では、図1、図2に示したように、バッテリボックス31とリレーボックス32とを別体にすることで、予めリレーボックス32にリレー24を組み込んでおき、そのリレーボックス32を車体側に取り付けることで、組付け性を向上させることができる。
また、リレー24のメンテナンスは、車室50内から容易にできるため、バッテリ21,22,23を取り外す必要がなく、メンテナンス性を向上させることができる。
【0053】
尚、本実施形態では、図1、図5に示したように、メンテナンスリッド56を床パネル46に着脱自在に設けたが、これに限らず、メンテナンスリッド56を床パネル46にヒンジ等を介して開閉自在に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、床下に容易にスペースを確保できるバス等の車両に好適である。
【符号の説明】
【0055】
10 車両
21,22,23 バッテリ
24 リレー
31 バッテリボックス
32 リレーボックス
46 床(床パネル)
46b 開口
54 ボックス側リッド
56 床側リッド(メンテナンスリッド)
71 ボックス本体
71a 開放部(開口部)
A2 ボックス側リッドの前後長(ボックス側リッドの前後方向の長さ)
A3 床側リッドの前後長(メンテナンスリッドの前後方向の長さ)
B2 ボックス側リッドの左右長(ボックス側リッドの左右方向の長さ)
B3 床側リッドの左右長(メンテナンスリッドの左右方向の長さ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーを収納するために車体に設けられた車両のリレーボックスにおいて、
前記リレーボックスは、車体の床下に配置され、
前記リレーをメンテナンスするために、前記リレーボックスの上部にボックス側リッドが設けられるとともに前記車体の床に前記リレーボックスの上方に位置する開口及びこの開口を着脱自在に塞ぐ床側リッドが設けられていることを特徴とする車両のリレーボックス。
【請求項2】
前記リレーは主電源回路に用いられ、前記車体の床下であって前記リレーボックスの近傍に、主電源となるバッテリを収納するバッテリボックスが配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両のリレーボックス。
【請求項3】
前記車体は後部にエンジンが搭載されるバス車体であり、前記リレーボックスはエンジンの前方であって前記バッテリボックスの上部に配置されるとともに、前記床側リッドは後部座席の間に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車両のリレーボックス。
【請求項4】
前記リレーボックスは、上部に開放部を備える箱体からなるボックス本体と、このボックス本体の上部縁部に着脱自在に取付けられるとともに前記開放部よりも大きく形成された矩形の前記ボックス側リッドとから構成され、
前記床側リッドは、前記ボックス側リッドの前後長より短い前後長と、前記ボックス側リッドの左右長より大きい左右長とを有していることを特徴とする請求項1記載の車両のリレーボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71701(P2013−71701A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213832(P2011−213832)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland