説明

車両のルーフラック取付構造

【課題】 取付け作業の手間を省き、作業性良好に取付けできるルーフラックの取付構造を提供すること。
【解決手段】車両のルーフ上に設けるルーフラック1の脚端11を、ルーフパネル3がルーフサイドレール2と結合するルーフ側端部4を介してその下面に配したリテーナ5にボルト締め固定するルーフラックの取付構造であって、ルーフ側端部4に形成したボルト貫通穴41に、下方からリテーナ5のボルト挿通部53を挿通せしめ、リテーナ保持手段として、ボルト挿通部53の上端に形成した爪状の突起54を、上記ボルト貫通穴41の上端開口縁に係止させてリテーナ5を配置すると同時に仮止め保持せしめるようになした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフ上に設けるルーフラックの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のルーフには、図5に示すルーフRの前後位置に車幅方向にバー体10が延在するルーフラック1や、下記特許文献1に記載されたように、ルーフの左右の側縁部に沿ってバー体が前後方向に延在するルーフラックを設置することがなされている。これらルーフラック1はバー体10の端末の脚端11をルーフ側端部のルーフサイドレール2とルーフパネル3との境のドリップチャンネル4に締結して取付られている。
【0003】
図6、図7はルーフラック取付構造の従来の代表例を示し、ドリップチャンネル4は、アウタパネル21とインナパネル22およびリィンフォースメント23とで閉断面構造をなすルーフサイドレール2の車内側の側縁フランジと、ルーフパネル3の側縁フランジとを重合結合して、ルーフサイドレール2の上面およびルーフパネル3よりも一段低くした断面凹溝状に形成されている。
【0004】
ドリップチャンネル4のルーフラック取付位置には溝底に、ルーフラック取付用のボルトを貫通せしめるボルト貫通穴41を前後位置に2ヵ所設けている(図6は後方のボルト貫通穴のみを示す)。また上記取付位置の下面には、前後のボルト貫通穴41の中間位置にインナパネル22の側縁フランジに一段低い凹部42を設け、リィンフォースメント23のフランジとの間に間隙を設けている。
【0005】
上記取付位置の下面には、前後の各ボルト貫通穴41を介して上記ボルトを締結するリテーナ5を配置している。リテーナ5は、上記取付位置の下面に対応して前後中間位置に一段低い凹部52を設けた浅い断面逆ハット形の基板51に、その前後端に上記ボルト貫通穴41と対応する円筒状のボルト挿通部53,53と、下面側にナットを一体に組付けたもので、ボルト挿通部53とナットとでネジ穴を構成している。リテーナ5は、前後のボルト挿通部53,53をドリップチャンネル4の各ボルト貫通穴41に下方より挿通せしめ、基板51の凹部52を上記凹部42に重ね合わせて配している。そしてルーフラック1の脚端11をドリップチャンネル4の上面に載置して上からボルト部材でリテーナ5の前後の上記ネジ穴に締結固定している。
【特許文献1】実開平6−51003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ルーフラック1をルーフ上方からボルト締めする際、ルーフ下面側に配した相手方のリテーナ5が脱落しないように、リテーナ5をルーフ下面側に仮止めしておく必要がある。そこで従来構造では、ドリップチャンネル4の下面の凹部42とこれに重ね合わせたリテーナ5の基板51の凹部52とを、リテーナ保持手段たる断面ほぼU字状に湾曲成形された金属板のクリップ7を横方向から嵌合してクリップ7により両凹部42,52を挟持するようにしてリテーナ5を仮止めすることがなされている。
【0007】
しかしながら、リテーナ5の設置には、ボルト挿通部53をドリップチャンネル4のボルト貫通穴41に下方から挿通せしめるリテーナ配置作業と、その後にリテーナ5を支えつつ、別体のクリップ7を横方向に上記間隙に差し込んでリテーナを仮止めする作業とが必要で、車室内側より作業員が上向きに作業しなければならず作業に手間がかかり、作業員の作業負担が大きいといった問題があった。そこで本発明は上記事情に鑑み、車室内での作業数を減らし、作業手間と作業負担を軽減できる車両のルーフラックの取付構造を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両のルーフ上に設けるルーフラックの脚端を、ルーフパネルがルーフサイドレールと結合するルーフ側端部を介して該側端部の下面に配したリテーナにボルト締め固定するルーフラックの取付構造であって、上記リテーナとして、基板に円筒状のボルト挿通部を設けるとともに、これと同心にナットを設けたリテーナを用い、上記ボルト挿通部を上記ルーフ側端部に形成したボルト貫通穴にその下側から嵌入させ、リテーナ保持部材により上記リテーナを上記ルーフ側端部の下面に仮止め保持せしめて、上記ボルトを上記ナットに締め込み固定するルーフラックの取付構造において、上記リテーナ保持手段として、上記ボルト挿通部の上端に爪状の突起を形成し、上記ボルト貫通穴に嵌入したボルト挿通部の上記突起をボルト貫通穴の上端開口縁に係止させてリテーナを仮止め保持せしめるようになす(請求項1)。リテーナのボルト挿通部を下方からボルト貫通穴に嵌入することで、ボルト挿通部の突起がボルト貫通穴の開口縁に係合してリテーナは仮止め保持され、リテーナの配置作業と仮止め作業とが一度にできるので、従来構造のように別体のクリップを嵌合する作業が不要で作業手間を省くことができる。
【0009】
上記突起を備えた上記ボルト挿通部を、金属の筒体で構成し、該筒体を金属板からなる上記基板に付設する(請求項2)。または上記ボルト挿通部を、合成樹脂の筒体で構成し、該筒体を金属板からなる上記基板に付設する(請求項3)。ボルト挿通部は金属または合成樹脂のいずれの材質でよいが、合成樹脂で構成することで、突起の設計自由度が大きい。
【0010】
車両のルーフ上に設けるルーフラックの脚端を、ルーフパネルがルーフサイドレールと結合するルーフ側端部を介して該側端部の下面に配したリテーナにボルト締め固定するルーフラックの取付構造であって、上記リテーナとして、基板に円筒状のボルト挿通部を設けるとともに、これと同心にナットを設けたリテーナを用い、上記ボルト挿通部を上記ルーフ側端部に形成したボルト貫通穴にその下側から嵌入させ、リテーナ保持部材により上記リテーナを上記ルーフ側端部の下面に仮止め保持せしめて、上記ボルトを上記ナットに締め込み固定するルーフラックの取付構造において、上記基板には少なくとも2か所に上記ボルト挿通部を設け、上記リテーナ保持手段として、上記基板の隣り合う上記ボルト挿通部間に、上端に爪状の突起を有するクリップを立設し、該クリップを上記ルーフ側端部に設けた係止穴に圧入して上記係止穴に上記突起を係止せしめ、上記リテーナを仮止め保持せしめるようになす(請求項4)。予めクリップをリテーナに組付けておき、リテーナのボルト挿通部を下方からボルト貫通穴に嵌入すると同時にクリップをルーフ側の係止穴に係止することができ、作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両のルーフラックの取付構造によれば、リテーナをルーフ側端部の下面への配置と仮止めを同時にでき、もって車室内での作業数を減らし、作業性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図5に示す車両のルーフに車幅方向に延在するルーフラック1の脚端11をルーフ側端部に固定する取付構造に本発明を適用した第1の実施形態を説明する。図1および図2に示すように、ルーフ側端部にはこれに沿って前後方向にルーフサイドレール2が延設してある。
【0013】
ルーフサイドレール2は、アウタパネル21、インナパネル22およびリィンフォースメント23の上縁フランジどうし、および下縁フランジどうしを重ね合わせて溶接した閉断面構造をなす。ルーフサイドレール2の上縁フランジはルーフサイドレール2の上面よりも一段低い位置で車両中央側へ向けて棚状に張り出している。該上縁フランジの上面には、ルーフパネル3の一般面よりも低い位置から車外側へ棚状に張り出した側縁フランジを重ね合わせて溶接してあり、ルーフサイドレール2とルーフパネル3の結合部には断面凹溝状のドリップチャンネル4が形成してある。ルーフサイドレール2の下縁フランジは下向きに張り出して車体側面のドア開口または窓開口の上縁をなす。
【0014】
ドリップチャンネル4の溝底は、ルーフパネル3およびルーフサイドレール2のアウタパネル21、リィンフォースメント23およびインナパネル22の側縁フランジを重ね合わせた4層構造で厚肉となっている。そしてドリップチャンネル4の溝底にはルーフラック1の脚端11の底板12を重ね合わせてボルト締めしてある。
【0015】
ドリップチャンネル4の溝底にはルーフラック取付位置に、ルーフラック取付用のボルトBを貫通せしめる2つのボルト貫通穴41が前後位置に所定の間隔をおいて形成してある。上記溝底の下面には、前後のボルト貫通穴41中間位置に上記下面を構成するルーフサイドレール2のインナパネル22を一段低く形成した凹部42が形成してあり、該凹部42と他のパネル3、21、23との結合部との間に間隙が形成してある。
【0016】
ドリップチャンネル4の下面には、上記ルーフラック取付用のボルトBを締結せしめるリテーナ5が設けてある。リテーナ5はドリップチャンネル4の下面に沿う金属の基板51を備え、基板51は前後中間位置に上記凹部42に対応する凹部52を設けた浅い逆ハット形に形成してある。基板51には、凹部52の前後両側位置で、ドリップチャンネル4の各ボルト貫通穴41に対応する位置に、各ボルト貫通穴41に下方より挿入可能な円筒状のボルト挿通部53,53が立設してある。
【0017】
各ボルト挿通部53,53は合成樹脂製で、下端外周を基板51の前後位置に形成した貫通穴に圧入して立設してある。各ボルト挿通部53,53は比較的に厚肉の円筒体で、その外径は各ボルト貫通穴41の径に合わせてある。内径は上記ボルトBに合わせてこれを挿通可能としてある。各ボルト挿通部53,53の起立寸法は、基板51をドリップチャンネル4の下面に重ね合わせたときに、各ボルト挿通部53,53の上端が若干ドリップチャンネル4の溝底よりも突出するように溝底の厚みよりも高くしてある。そして、溝底よりも突出する各ボルト挿通部53,53の上端外周には、前後の対象位置にそれぞれリテーナ保持手段たる突起54,54が外側へ突設してある。各突起54,54は外面を傾斜面とし、下面を外周側面に対して直交する縦断面略直角三角形の爪状に形成してあり、また各突起54,54は両脇に縦にスリットを設けて弾性を持たせてある。
【0018】
リテーナ5にはその下面側に、各ボルト挿通部53,53に対応して、ボルト挿通部53,53と同心をなすナット55,55が固着してあり、各ナット55,55により上記ボルトBを締結するネジ穴を構成している。
【0019】
ルーフラック1を取付けるには、まず、ドリップチャンネル4の下面にリテーナ5を設ける。この場合、ドリップチャンネル4の各ボルト貫通穴41,41に下方からリテーナ5の各ボルト挿通部53,53を各突起54,54を撓ませつつ圧入し、基板51およびその凹部52をドリップチャンネル4の下面およびその凹部42に重ね合わせる。これにより、各ボルト挿通部53,53の上端が各ボルト貫通穴41,41を貫通して上方に突出し、上端外周の各突起54,54が各ボルト貫通穴41,41の上端開口縁に係合するのでリテーナ5は脱落しない。
【0020】
その後、ドリップチャンネル4の溝底に上方からルーフラック1の脚端11のベース板12を重ね合わせ、ベース板12の貫通穴と各ボルト挿通部53,53とを位置合わせする。この場合、ベース板12はその板厚が、ボルト貫通穴41から突出するボルト挿通部53の上端の突出量よりも大きくしてあり、上記ベース板12の貫通穴は各ボルト挿通部53,53の突起54,54を含む外周径よりも大径にしてあり、突起54,54と干渉しない。そして、ベース板12の上方から取付ボルトB,Bを各ボルト挿通部53,53に挿入し、ナット55,55に締結して取付固定する。
【0021】
本実施形態によれば、リテーナ5をドリップチャンネル4の下面に配置すれば、即時にリテーナ5は脱落しないように仮止めされた状態となり、従来構造のように、リテーナ5を支えつつ別体のクリップ7を係合するといった仮止め作業が要らないので作業手間がかからず作業員の作業負担を軽減することができる。
【0022】
本実施形態では、リテーナ保持手段として各ボルト挿通部53,53の上端外周に弾性を有する突起54,54を設けたが、これに限らず、ボルト挿通部53の外径をボルト貫通穴41よりも若干小径として両者間に寸法の余裕を持たせ、突起54,54を弾性突起としなくても、ボルト貫通穴41に圧入できるようにてもよい。
【0023】
またリテーナ保持手段たる突起を各ボルト挿通部の上端外周の全周に設け、かつ複数の縦のスリットにより突起を含むボルト挿通部の上端を複数カ所に分割する構造としてもよい。これらのように、各ボルト挿通部53,53を合成樹脂で構成したので突起の設計自由度が大きい。
【0024】
次に図3に基づいて本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の基本構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、以下、相違点を中心に説明し、図において同一部材は同一符号で表し、それらの説明を省略する。本実施形態は、リテーナ5の各ボルト挿通部53,53が薄肉の金属円筒体で構成してあり、各ボルト挿通部53,53下端外周を基板51の各貫通穴に圧入して立設してある。
【0025】
基板51をドリップチャンネル4の下面に重ね合わせたときに、ドリップチャンネル4の溝底よりも若干上方へ突出する各ボルト挿通部53,53の上端には、外周の前後対称位置に、上記円筒体から切り起こして上端から斜め下方かつ外側へ突出する舌片状の突起54,54が形成してあり、各突起54,54は可撓性を有する。
【0026】
本実施形態によれば、リテーナ5の各ボルト挿通部53,53をドリップチャンネル4の各ボルト貫通穴41,41に下方から各突起54,54を撓ませつつ圧入し、基板51をドリップチャンネル4の下面に重ね合わせることで、各ボルト挿通部53,53の各突起54,54が各ボルト貫通穴41,41の上端開口縁に係合するので、第1の実施形態と同様に、リテーナ5の配置と同時に仮止めができ、作業性が良好である。また、各ボルト挿通部53,53を金属製としたので、基板51へ溶接することができ、基板51との結合力を強化できる。
【0027】
更に図4に基づいて本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の基本構造は第1および第2の実施形態とほぼ同じで、以下、相違点を中心に説明する。本実施形態は、リテーナ5をドリップチャンネル4の下面に仮止め保持する保持手段として、第1および第2の実施形態のように、各ボルト挿通部53,53に爪状の突起を設けることなく、リテーナ5の凹部52をドリップチャンネル4の下面の凹部42に係合する合成樹脂のクリップ6を用いた構造である。リテーナ5の各ボルト挿通部53,53は、金属製の円筒体または合成樹脂の円筒体のいずれでもよい(図例は金属製の筒体を用いている)。
【0028】
保持手段たるクリップ6は上から凹部52に取付ける構造で、凹部52に重ね合わせる平板状のベース部60と、ベース部60の下面から凹部52の取付穴を貫通して下方へ突出する脚部61、およびベース部60の上面から上方へ突出する係止頭部62とを備えた一体成形品で構成してある。係止頭部62には上端外周の前後の対称位置に弾性を有する爪状の突起63,63が形成してある。
【0029】
クリップ6は、凹部52の中央の上記取付穴に上記脚部61を上方から嵌入し、ベース板60を凹部52上面に重ね合わせた状態で、凹部52の下面側へ突出する脚部61の脚端を熱溶着により潰して基板と一体に組付けてある。クリップ6の係止頭部62は凹部52の中央から上方へ起立している。
【0030】
リテーナ5は、各ボルト挿通部53,53をドリップチャンネル4の各ボルト貫通穴41,41に下方から挿入するとともに、該挿入方向に沿ってクリップ6の係止頭部62をドリップチャンネル4の下面の凹部42に形成した係止穴に圧入しつつドリップチャンネル4の下面に重ね合わせることで、係止頭部62の突起63,63が上記係止穴の外周上面に係合し、リテーナ5を仮止めする。
【0031】
本実施形態によれば、各ボルト挿通部53,53の各ボルト貫通穴41,41への挿入方向と、クリップ6の係止頭部62の上記係止穴への圧入方向を同方向にしたので、第1および第2の実施形態と同様、リテーナ5のドリップチャンネル4下面への配置作業と同時に仮止め作業ができ、作業手間を省くことができる。
【0032】
また、ドリップチャンネル4の溝底の各ボルト貫通穴41,41は、車体の建付け精度の関係上、一方の貫通穴を偏平な長穴または大径穴とする場合があり、この場合、ボルト挿通部53上端にリテーナ保持手段たる突起を設けた構造では仮止めに不具合が生じる可能性があるが、クリップ6を用いることにより好適に仮止めすることができる。またクリップ6は脚部61を熱溶着によりリテーナ5に組付けたが、これに限らず、リテーナ5をドリップチャンネル4下面へ配置する前に、リテーナ5側へ組付ける係止手段を有するものを用いてもよい。
【0033】
尚、本発明はルーフの幅方向に延設するルーフラックに限らず、ルーフの側端部に沿って前後方向に延びるルーフラックにも好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の取付構造の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う位置でのルーフラックの取付状態を示す断面図である。
【図3】図2に対応して、本発明の取付構造の第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】図2に対応して、本発明の取付構造の第3の実施形態を示す断面図である。
【図5】ルーフラックを取付けた車両のルーフを示す斜視図である。
【図6】従来の取付構造の分解斜視図である。
【図7】図6のVII −VII 線に沿う位置でリテーナを取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ルーフラック
11 脚端
2 ルーフサイドレール
3 ルーフパネル
4 ドリップチャンネル(ルーフの側端部)
41 ボルト貫通穴
5 リテーナ
51 基板
53 ボルト挿通部
54 突起(リテーナ保持手段)
55 ナット
6 クリップ(リテーナ保持手段)
63 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフ上に設けるルーフラックの脚端を、ルーフパネルがルーフサイドレールと結合するルーフ側端部を介して該側端部の下面に配したリテーナにボルト締め固定するルーフラックの取付構造であって、
上記リテーナとして、基板に円筒状のボルト挿通部を設けるとともに、これと同心にナットを設けたリテーナを用い、上記ボルト挿通部を上記ルーフ側端部に形成したボルト貫通穴にその下側から嵌入させ、リテーナ保持部材により上記リテーナを上記ルーフ側端部の下面に仮止め保持せしめて、上記ボルトを上記ナットに締め込み固定するルーフラックの取付構造において、
上記リテーナ保持手段として、上記ボルト挿通部の上端に爪状の突起を形成し、上記ボルト貫通穴に嵌入したボルト挿通部の上記突起をボルト貫通穴の上端開口縁に係止させてリテーナを仮止め保持せしめるようになした車両のルーフラック取付構造。
【請求項2】
上記突起を備えた上記ボルト挿通部を、金属の筒体で構成し、該筒体を金属板からなる上記基板に付設した請求項1に記載の車両のルーフラック取付構造。
【請求項3】
上記突起を備えた上記ボルト挿通部を、合成樹脂の筒体で構成し、該筒体を金属板からなる上記基板に付設した請求項1に記載の車両のルーフラック取付構造。
【請求項4】
車両のルーフ上に設けるルーフラックの脚端を、ルーフパネルがルーフサイドレールと結合するルーフ側端部を介して該側端部の下面に配したリテーナにボルト締め固定するルーフラックの取付構造であって、
上記リテーナとして、基板に円筒状のボルト挿通部を設けるとともに、これと同心にナットを設けたリテーナを用い、上記ボルト挿通部を上記ルーフ側端部に形成したボルト貫通穴にその下側から嵌入させ、リテーナ保持部材により上記リテーナを上記ルーフ側端部の下面に仮止め保持せしめて、上記ボルトを上記ナットに締め込み固定するルーフラックの取付構造において、
上記基板には少なくとも2か所に上記ボルト挿通部を設け、上記リテーナ保持手段として、上記基板の隣り合う上記ボルト挿通部間に、上端に爪状の突起を有するクリップを立設し、該クリップを上記ルーフ側端部に設けた係止穴に圧入して上記係止穴に上記突起を係止せしめ、上記リテーナを仮止め保持せしめるようになした車両のルーフラック取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−186043(P2007−186043A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4887(P2006−4887)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】