車両の下部車体構造
【課題】車高が高くなること等を防止しつつ、フロアパネルの下方に形成されたスペースを有効に利用できるようにする。
【解決手段】車室のフロアパネルに突設されたトンネル部８の車幅方向の一方側には、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側には、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０が配設され、かつこの第１フロアパネル側部９が第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設され、少なくとも第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１等からなる車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部９との間に中間クロスメンバ４５等からなる車両用機能部が設けられた。
【解決手段】車室のフロアパネルに突設されたトンネル部８の車幅方向の一方側には、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側には、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０が配設され、かつこの第１フロアパネル側部９が第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設され、少なくとも第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１等からなる車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部９との間に中間クロスメンバ４５等からなる車両用機能部が設けられた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両の下部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、下記特許文献１に示されるように、リヤシート設置用のリヤフロアパネルの後方部を上方へ持ち上げ形成するとともに、後部が前部よりも高い位置にある形状の燃料タンクを上記リヤフロアの下面に沿って取り付けた自動車の後部車体構造において、上記リヤフロアパネルとその後方のラゲッジフロアパネルとの間に縦面部を形成するとともに、フロアパネルの前側に第１クロスメンバを配し、上記縦面部の燃料タンクとスペアタイヤとの間に第２クロスメンバを配するとともに、燃料タンクの下側にサスペンションメンバを配設することが行われている。
【０００３】
また、下記特許文献２には、自動車の車体後部のフロアパネルの下側に配設される燃料タンクにおいて、リヤシートの下方に位置する略水平なタンク前部と、上記フロアの傾斜状のリアキックアップ部の下方に位置するタンク傾斜部と、上記フロアのリヤキックアップフロア部の上端に連なるリヤフロア前部とを一体に形成してなる側面視略クランク形状に形成された燃料タンクが開示されている。
【特許文献１】特開平６−２１１１６９号公報
【特許文献２】特開平５−６２７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記特許文献１，２に開示されているように、後列シート（リヤシート）の設置部に位置するフロアパネルの下方に燃料タンク等からなる車両用補機を配設した場合には、車体の前後寸法をコンパクト化しつつ、上記後列シートの設置部をキックアップさせることによりその下方に形成された空間部を有効に利用して所定の容量を有する上記燃料タンク等を設置できるという利点がある。
【０００５】
しかし、上記後列シートの下方に大容量の車両用補機を設置するためにフロアパネルを上方に位置させると、これに応じて車高が高くなったり、後列シートに高身長者が着座した場合にその頭部とルーフ部との間隔が狭くなったりする等の問題がある。一方、車高が高くなること等を防止するために、上記後列シートの設置部に位置するフロアパネルを下方に位置させた場合には、上記車両用補機を設置するためのスペースを充分に確保することが困難になるという問題があった。
【０００６】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車高が高くなること等を防止しつつ、フロアパネルの下方に形成されたスペースを有効に利用することができる車両の下部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１に係る発明は、車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両において、上記フロアパネルの車幅方向中央部には、車室内側に向けて突出するトンネル部が車両の前後方向に延びるように設置され、このトンネル部の車幅方向の一方側には、第１後列シートの設置部となる第１フロアパネル側部が配設されるとともに、上記トンネル部の車幅方向の他方側には、第２後列シートの設置部となる第２フロアパネル側部が上記第１フロアパネル側部よりも下方に配設され、かつ少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部が設けられたものである。
【０００８】
請求項２に係る発明は、上記請求項１に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車幅方向に延びるクロスメンバからなる車両用機能部が設けられたものである。
【０００９】
請求項３に係る発明は、上記請求項２に記載の車両の下部車体構造において、上記フロアパネルの左右両側部には、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置され、上記クロスメンバがリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置されたものである。
【００１０】
請求項４に係る発明は、上記請求項２または３に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部が形成されたものである。
【００１１】
請求項５に係る発明は、上記請求項１〜４の何れか１項に記載の車両の下部車体構造において、上記第２フロアパネル側部の下方に、上記第１フロアパネル側部下方の車両用補機よりも小型の車両用補機が配設されたものである。
【００１２】
請求項６に係る発明は、上記請求項１〜５の何れか１項に記載の車両の下部車体構造において、上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートが、上記第２後列シートよりも小型に形成されたものである。
【００１３】
請求項７に係る発明は、上記請求項６に記載の車両の下部車体構造において、上記運転席の後方側に第１フロアパネル側部が配設され、上記助手席の後方側に第２フロアパネル側部が配設されたものである。
【００１４】
請求項８に係る発明は、上記請求項１に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部が設けられたものである。
【００１５】
請求項９に係る発明は、上記請求項８に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記走行風案内部を構成する案内溝が形成されたものである。
【発明の効果】
【００１６】
請求項１に係る発明では、上記第１フロアパネル側部を第２フロアパネル側部よりも上方に配設し、少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部を設けたため、上記第２フロアパネル側部の上方に広い空間を確保して上記第２後列シートに着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部の下方に形成された空間部を有効に利用して上記車両用機能部を設置できるという利点がある。
【００１７】
請求項２に係る発明では、強固なシートクッションフレームを配設することにより強度を充分に確保することが困難な第１後列シートの設置部に位置する上記第１フロアパネル側部に、クロスメンバからなる車両用機能部を設けることにより、上記第２フロアパネル側部に比べて上方に位置する第１フロアパネル側部の下方に形成された空間部を有効に利用して第２フロアパネル側部を効果的に補強することができため、上記第１，第２フロアパネル側部が左右非対称に形成されている場合においても、簡単な構成でその剛性を左右均等に設定できるという利点がある。
【００１８】
請求項３に係る発明では、フロアパネルの左右両側部に、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置された車両において、上記クロスメンバをリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置したため、車両の側突時に入力された衝撃荷重を上記クロスメンバにより効果的に支持することにより、簡単な構成で車体の剛性を充分に向上させることができる。
【００１９】
請求項４に係る発明では、第１フロアパネル側部の下方に燃料タンクからなる車両用補機を配設するとともに、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部を形成したため、このクロスメンバが燃料タンクに干渉するのを防止しつつ、この燃料タンクの上面を上記第１フロアパネル側部の下面に近接させることにより、燃料タンクの容量を充分に確保できるという利点がある。
【００２０】
請求項５に係る発明では、上記第２フロアパネル側部の下方に、第１フロアパネル側部下方の上記車両用補機よりも小型の車両用補機を配設したため、上記第２フロアパネル側部の下方部に設けられたスペースを有効に利用できるという利点がある。
【００２１】
請求項６に係る発明では、上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートを、第２後列シートよりも小型に形成し、この第２後列シートを相対的に大型に形成したため、車両のルーフ部を高い位置に設置する等の手段を講じることなく、上記第２後列シートに高身長者が着座することを可能とし、その頭部とルーフ部との間隔を充分に確保して乗員が威圧感を受けるのを防止することにより、車体デザインの自由度を確保しつつ、第２後列シートに着座した乗員の快適性を効果的に確保することができる。また、上記第１フロアパネル側部上には、第２後列シートよりも小型に形成されて子供または小柄の女性等用に使用される第１後列シートを設置したため、そのシートクッションの上面位置を変位可能に構成する等の手段を採用することなく、上記第１後列シートに着座した上記乗員の頭部とルーフ部との間隔を充分に確保して乗員が威圧感を受けるのを防止しつつ、上記車両を四人乗りとすることができる。
【００２２】
請求項７に係る発明では、相対的に小型の第１後列シートが設置される第１フロアパネル側部を運転席の後方側に配設するとともに、通常の大きさを有する第２後列シートが設置される上記第２フロアパネル側部を助手席の後方側に配設したため、上記助手席を運転席よりも前方に位置させることにより、上記第２後列シート上に着座した高身長等からなる乗員の前方に充分なスペースを確保して、その居住性を効果的に向上できるという利点がある。
【００２３】
請求項８に係る発明では、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部を設けたため、上記車両用補機の前部に供給された走行風を、上記走行風案内部によってディファレンシャルの設置部に案内することにより、上記ディファレンシャルの温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【００２４】
請求項９に係る発明では、上記燃料タンクの上面に上記走行風案内部を構成する案内溝を形成したため、簡単な構成で上記車両用補機の前部に供給された走行風を、上記走行風案内部によってディファレンシャルの設置部に案内することにより、上記ディファレンシャルの温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
図１および図２は、本発明の第１実施形態に係るシート装置を備えた車両の概略構成を示している。この車両の車室１内には、そのフロアパネル２上に運転席３および助手席４からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、その後方側に左右一対の後列シート５，６が並設され、かつ上記フロアパネル２の下面左右両側辺部には、車両の前後方向に延びるリヤサイドフレーム７が設置されている。また、上記フロアパネル２の車幅方向中央部には、車室１内側（上方）に向けて突出するトンネル部８が車両の前後方向に延びるように設置されている。
【００２６】
上記トンネル部８の車幅方向の一方側には、図３および図４に示すように、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側には、図３および図５に示すように、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０が配設されている。上記左右のリヤサイドフレーム７間に位置する上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の下方には、燃料タンク１１からなる車両用補機が配設されている。
【００２７】
また、上記トンネル部８の下方には、プロペラシャフト１２、排気管１３およびクランク型の断面形状を有する補強フレーム１４等が車体の前後方向に延びるように設置されている。さらに、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の後方側には、キックアップ部１５を介してリヤフロアパネル１６が接続され、このリヤフロアパネル１６の前部下方には、上記プロペラシャフト１２の駆動力を左右後輪に伝達するディファレンシャル１７および図示を省略した後輪用サスペンション部材等が配設されている。
【００２８】
上記第１フロアパネル側部９は、その前端部に設けられた第１キックアップ部１８を介して前方のフロアパネル２に接続されることにより、第１フロアパネル側部９の底面が前方のフロアパネル２よりも上方で、上記リヤサイドフレーム７の底面７ａよりも上方に位置するように配設されている。一方、上記第２フロアパネル側部１０は、その前端部に設けられた第２キックアップ部１９を介して前方のフロアパネル２に接続されることにより、第２フロアパネル側部１０の底面が、上記フロアパネル２よりも上方で、リヤサイドフレーム７の底面７ａよりも下方に位置するように配設されている。すなわち、上記第１キックアップ部１８のキックアブ量が第２キックアップ部１９よりも大きく形成されることにより、上記第１フロアパネル側部９が第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設されている。
【００２９】
この第１実施形態では、車室１の左側に位置する運転席３の後方側に、第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、車室１の右側に位置する助手席４の後方側に上記第２フロアパネル側部１０が配設されている。また、上記運転席３および助手席４の前方には、図２に示すように、車両の後方側に向けて凹入する中央凹部２０と、左右両端部から車幅方向に外方側に延びる左右一対のダッシュ側部２１，２２とを有するダッシュパネル２３が配設されている。上記両ダッシュ側部２１，２２の一方、具体的には上記助手席４の前方側に位置する右側のダッシュ側部２１が、上記運転席３の前方に位置する左側のダッシュ側部２２よりも車両の前方側にオフセットして配設されることにより、助手席４を運転席３よりも前方に移動させ得るようになっている。
【００３０】
上記運転席３および助手席４は、フロアパネル２上に設置されたスライドレール（図示せず）に沿って車体の前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション２５と、その後端部に立設されたシートバック２６と、このシートバック２６を傾動可能に支持するリクライニング機構２７とを備えている。このリクライニング機構２７は、少なくとも上記シートバック２６を起立させた使用状態と、これを車体の前方側に傾動させた格納状態とに変位可能に支持するように構成されている。
【００３１】
上記運転席３の後方側に位置する上記第１フロアパネル側部９上に配設された第１後列シート５は、子供または小柄の女性等用に使用される比較的に小型のシートであり、そのシートクッション２８は、高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成されるとともに、上記第１フロアパネル側部９上に設置されている。また、上記第１後列シート５のシートバック２９は、通常の乗員用シートと同様に、その下端部に設けられた水平軸からなる第１支持軸３０を支点として揺動可能に支持されている。
【００３２】
一方、上記助手席４の後方側に位置する第２フロアパネル側部１０上に設置された第２後列シート６は、高身長者が着座可能な通常の大きさ、つまり高身長者の上半身を適正に支持し得る程度の上下寸法を有し、そのシートクッション３１は、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成されることにより、上記第１後列シート５のシートクッション２８よりも柔軟に形成されている。
【００３３】
そして、上記第２後列シート６のシートクッション３１は、図３および図５の破線で示すように、その内部に角パイプ材等からなるシートクッションフレーム３２が配設されている。また、上記第２後列シート６のシートクッション３１は、その厚みが、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の高低差に対応する距離だけ、第１後列シート５のシートクッション２８よりも大きく設定されることにより、乗員の非着座状態では、第２後列シート６のシートクッション３１の上面と、上記第１後列シート５のシートクッション２８の上面とが略同一高さとなるように設置されている。
【００３４】
図５および図６に示すように、上記第２後列シート６のシートバック３６は、その上下方向中間部に位置するリクライニング機構３７を介して揺動可能に支持されることにより、その設置角度を好みに応じて変更可能に構成されている。上記リクライニング機構３７は、上記リヤフロアパネル１６の前部上面に設置された上部クロスメンバ３８の上端面に支持される車体側筒状部３９と、この車体側筒状部３９に中央部分が挿入されて保持される水平軸からなる第２支持軸４０と、上記シートバック３６の背面部に固定されるとともに第２支持軸４０の左右両側部分が挿入される左右一対のシートバック側筒状部４１とを有している。
【００３５】
そして、上記第１後列シート５のシートバック２９の下端部に設けられた第１支持軸３０よりも上方、つまり上記シートバック３６の上下方向中間部に配設された上記第２支持軸４０を支点にシートバック側筒状部４１を回動変位させることにより、図５の実線で示すように、上記シートバック３６の下端部をシートクッション３１の後端部近傍に位置させて、その傾斜角度を小さくした標準位置から、図５の仮想線で示すように、シートバック３６の下端部をシートクッション３１の後端部よりもやや前方に位置させて、その傾斜角度を大きくしたリクライニング位置に上記シートバック３６を変位させ得るように構成されている。また、上記第２後列シート６のシートバック３６は、図外のロック機構を介して上記標準位置およびリクライニング位置に係止されるようになっている。
【００３６】
上記燃料タンク１１は、第１フロアパネル側部９の下方に配設された第１タンク部４２と、第２フロアパネル側部１０の下方に配設された第２タンク部４３と、上記トンネル部８内に配設された逆Ｕ字状の連通タンク部４４とにより鞍型形状に形成されている。上記第１タンク部４２は、その厚みが、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の高低差に対応する距離だけ、第２タンク部４３に比べて小さく設定されている。これにより、上記第１，第２タンク部４２，４３の上面を、それぞれ第１，第２フロアパネル側部９，１０の下面に沿って設置した場合に、上記第１，第２タンク部４２，４３の下面が略同一高さとなるように構成されている。
【００３７】
また、図３、図４および図７に示すように、上記第１フロアパネル側部９の下面には、その前後方向中間部に沿ってリヤサイドフレーム７の側壁面から上記トンネル部８に向けて車幅方向に延びる中間クロスメンバ４５からなる車両用機能部が設けられている。また、上記第１タンク部４２の上面には、上記中間クロスメンバ４５に対応した凹部４６が車幅方向に延びるように形成されている。そして、上記キックアップ部１５の背面には、車幅方向に延びる後部クロスメンバ４７が設置されるとともに、上記燃料タンク１１の前方に位置するフロアパネル２の下面には、車幅方向に延びる前部クロスメンバ４８が設置され、かつこの前部クロスメンバ４８に前端部がボルト止めされるとともに、上記後部クロスメンバ４７に後端部がボルト止めされたタンクバンド４９により上記燃料タンク１１が車体に固定されるようになっている。
【００３８】
上記のように車室１のフロアパネル２上に運転席３および助手席４からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シート５，６が並設された車両において、上記フロアパネル２の車幅方向中央部には、車室１内側に向けて突出するトンネル部８を車両の前後方向に延びるように設置し、このトンネル部８の車幅方向の一方側に、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９を配設するとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側に、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０を配設し、かつ上記第１フロアパネル側部９を第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設し、少なくとも上記第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１等からなる車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と上記第１フロアパネル側部９との間に中間クロスメンバ４５等からなる車両用機能部を設けたため、車高が高くなること等を防止しつつ、上記第２フロアパネル側部１０の上方に広い空間を確保して上記第２後列シートに着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部９の下方に形成されたスペースを有効に利用して車体の剛性を充分に確保できるという利点がある。
【００３９】
すなわち、上記第１フロアパネル側部９に比べて下方に配設された上記第２フロアパネル側部１０上に設置されることにより厚みを充分に確保することが可能な第２後列シート６のシートクッション３１には、所定の剛性を有するシートクッションフレーム３２を配設することにより、車両の側突時に入力される荷重等に対する上記第２フロアパネル側部１０の強度を充分に確保することができる。これに対して上記第１実施形態に示すように、所定の剛性を有するシートクッションフレームを配設することが困難な第１後列シート５の設置部に位置する上記第１フロアパネル側部９には、上記中間クロスメンバ４５からなる車両用機能部を上記車両用補機（燃料タンク１１）と第１フロアパネル側部９との間に設けることにより、上記第２フロアパネル側部１０に比べて上方に位置する第１フロアパネル側部９の下方に形成された空間部を有効に利用して第２フロアパネル側部１０を効果的に補強することができる。
【００４０】
したがって、上記のように第１フロアパネル側部９を第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設し、少なくとも第１フロアパネル側部９の下方に車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部９との間に燃料タンク１１からなる車両用機能部を設けたため、上記第２フロアパネル側部１０の上方に広い空間を確保して上記第２後列シート６に着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部９の下方に形成された空間部を有効に利用して上記車両用機能部を設置することにより、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０が左右非対称に形成されている場合においても、簡単な構成でその剛性を左右均等に設定できるという利点がある。
【００４１】
また、上記第１実施形態に示すように、フロアパネル２の左右両側部に、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレーム７が設置された車両において、上記中間クロスメンバ４５をリヤサイドフレーム７から上記トンネル部８に向けて設置した場合には、車両の側突時に入力された衝撃荷重を上記中間クロスメンバ４５により効果的に支持することができるため、簡単な構成で車体の剛性を充分に向上させることができる。
【００４２】
特に、上記第１実施形態では、第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１からなる車両用補機を配設するとともに、その上面に上記中間クロスメンバ４５に対応した凹部４６を形成したため、この中間クロスメンバ４５が燃料タンク１１に干渉するのを防止しつつ、この燃料タンク１１の上面を上記第１フロアパネル側部１０の下面に近接させた状態で設置することにより、燃料タンク１１の容量を充分に確保することができるという利点がある。
【００４３】
さらに、上記のように第２フロアパネル側部１０の下方に位置する第１フロアパネル側部９の下方に、第１フロアパネル側部９の下方に設置された車両用補機（第１タンク部４２）よりも小型の車両用補機、例えば燃料タンク１１の第２タンク部４３を配設するように構成した場合には、上記第２フロアパネル側部１０の下方に形成されたスペースの有効利用を図ることができる。
【００４４】
なお、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方に燃料タンク１１の第１，第２タンク部４２，４３を配設してなる上記第１実施形態に代え、上記第１フロアパネル側部９の下方にリチウムイオンバッテリ等からなる車両用補機を配設するとともに、必要に応じて上記第１フロアパネル側部９の下方に配設された車両用補機よりも小型の車両用補機、例えば車両用制御ユニットボックス等を第２フロアパネル側部１０の下方に配設することにより、第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方空間を有効に利用するように構成してもよい。
【００４５】
上記第１フロアパネル側部９の下方に燃料タンク１１の第１タンク部４２を配設するとともに、上記第２フロアパネル側部１０の下方に第２タンク部４３を配設し、この第２タンク部４３を上記第１タンク部４２よりも大きな容量に形成するとともに、上記第１タンク部４２に連通させてなる上記第１実施形態の構成によれば、上記のように底面の高さが異なる位置に設定された第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方空間を有効に利用して充分な容量を有する燃料タンク１１を設置できるとともに、上記第１，第２タンク部４２，４３の下面を略同一高さに設定できるという利点がある。
【００４６】
また、上記第１実施形態では、図３に示すように、第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方に配設された第１，第２タンク部４２，４３と、トンネル部８内に配設された連通タンク部４４とにより、上記燃料タンク１１を鞍型形状に形成したため、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０およびトンネル部８の下方に位置するスペースを有効に利用して上記燃料タンク１１の容量を充分に確保できるという利点がある。特に、上記連通タンク部４４を逆Ｕ字状に形成した場合には、上記トンネル部８内に配設されたプロペラシャフト１２、排気管１３および補強フレーム１４と上記燃料タンク１１とが干渉するのを防止しつつ、この燃料タンク１１の容量を効果的に増大できるという利点がある。
【００４７】
さらに、上記のように第１フロアパネル側部９上に配設された第１後列シート５を、第２フロアパネル側部１０上に配設された第２後列シート６よりも小型に形成し、上記第１フロアパネル側部９よりも相対的に下方に位置させた第２フロアパネル側部１０上に、高身長者が着座可能な通常の大きさを有する第２後列シート６を設置した構造とした場合には、車高を高くすることなく、上記後列シート６を設置するための上下スペース、つまり上記第２フロアパネル側部１０から天井部までの距離を充分に確保することができる。
【００４８】
したがって、上記第１実施形態に係る車両の下部車体構造によれば、第２後列シート６に着座した乗員の頭部とルーフ部との間隔が狭くなりすぎて乗員が威圧感を受けること等を防止しつつ、上記後列シート６に高身長者が安楽姿勢で着座することを可能として乗員の居住環境を効果的に向上させるとともに、車体デザインの自由度を増大させて車体を効果的にコンパクト化できる等の利点がある。また、上記第２フロアパネル側部１０よりも上方に位置する第１フロアパネル側部９上に、第２後列シート６よりも小型に形成されて子供または小柄の女性等用に使用される第１後列シート５を配設したため、その下方に車両用補機を設置するための広いスペースを確保しつつ、上記車両を四人乗りとすることができる。
【００４９】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートクッション３１を、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成するとともに、上記第１後列シート５のシートクッション２８を、例えば高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成することにより、第２後列シート６のシートクッション３１を第１後列シート５のシートクッション２８よりも柔軟な構造としている。これにより乗員の非着座時には、図３に示すように、第１後列シート５のシートクッション２８の上面と略同一高さに設置された上記第２後列シート６のシートクッション３１を、図８に示すように、乗員の着座時にその体重に応じて上記第１後列シート５のシートクッション２８よりも大きく変形させることにより、上記シートクッション３１の上面を、第１後列シート５のシートクッション２８よりも下方へと変位させることができるように構成したため、乗員の非着座時に、図３の仮想線で示すように、略同一高さに設置された上記両シートクッション２８，３１上に長尺の荷物Ｍを水平状態で載置できるという利点がある。
【００５０】
さらに、上記第１実施形態では、相対的に小型の第１後列シート５が設置される上記第１フロアパネル側部９を運転席３の後方側に配設するとともに、通常の大きさを有する第２後列シート６が設置される上記第２フロアパネル側部１０を助手席４の後方側に配設したため、この助手席４を運転席３よりも前方に位置させることにより、上記第２後列シート６上に着座した高身長の乗員の前方に充分なスペースを確保して、その居住性を効果的に向上させることができるという利点がある。
【００５１】
特に、上記第１実施形態に示すように、上記助手席４の前方側に位置する右側のダッシュ側部２１を、上記運転席３の前方に位置する左側のダッシュ側部２２よりも車両の前方側にオフセットさせて配設することにより、上記助手席４を運転席３よりも前方に位置させ得るように構成した場合には、上記第２後列シート６上に着座した乗員の居住性を、より効果的に向上させることができる。
【００５２】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートバック３６を、その上下方向中間部に配設されたリクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点として揺動可能に支持したため、上記後席シート５，６の設置部における美観を悪化させることなく、後列シート５，６に着座した乗員の居住環境を効果的に向上させることができる。
【００５３】
上記第２フロアパネル側部１０等の後方側に配設されたリヤフロアパネル１６は、その前部下方にディファレンシャル１７を設置するために上方へキックアップした状態で設置されているため、通常の乗員用シートのように下端部を支点としてそのシートバックを揺動変位させようとすれば、上記リヤフロアパネル１６の前端部に設けられたキックアップ部１５にシートバック３６の下方部が干渉して、このシートバック３６を大きく後傾させることができない。これに対して上記のようにシートバック３６の上下方向中間に配設されたリクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点としてシートバック３６を揺動可能に支持した構造とした場合には、上記キックアップ部１５にシートバック３６が干渉するのを防止しつつ、その設置角度を大きく後傾させたリクライニング位置に変位させることができる。
【００５４】
したがって、上記第１実施形態に示すようにシートバック３６の上下方向中間に配設された第２支持軸４０を支点としてシートバック３６を揺動可能に支持した構成とすることにより、第１フロアパネル側部９上に設置された小型の第１後列シート５に比べて大型に形成された第２後列シート６に着座した大人の男性等からなる乗員、つまり車室内スペースを狭く感じ易く、上記シートバック３６の傾斜角度を変化させることによりその着座状態を安定させようとする傾向が強い高身長が、上記第２後列シート６に長時間に亘って着座した場合においても疲れを感じないように、上記第２支持軸４０を支点にシートバック３６を大きく揺動変位させることにより、その着座姿勢を必要に応じて適正に変更できるという利点がある。
【００５５】
一方、小型の第１後列シート５に着座する子供または小柄の女性等は、上記シートバック２９の傾斜角度を変化させることによりその着座状態を安定させようとする要求が大柄の乗員に比べて弱いため、上記第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０の後方側に設けられたキックアップ部１５にシートバック３６が干渉するのを回避するために、その傾動範囲が規制されたとしても特に問題はない。したがって、通常の乗員用シートと同様に、その下端部に設けられた水平軸からなる第１支持軸３０を支点として上記第１後列シート５のシートバック２９を揺動可能に支持することにより、その構造を簡略化できるという利点がある。
【００５６】
なお、上記リクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点として第２後列シート５のシートバック３６を一体的に揺動可能に支持してなる上記第１実施形態に代え、図９に示す第２実施形態のように、上記シートバック３６を上部シートバック３６ａと、下部シートバック３６ｂとに分割し、この上部シートバック３６ａおよび下部シートバック３６ｂの両方、またはその何れか一方を、上記上部シートバック３６ａおよび下部シートバック３６ｂの間に設置された第２支持軸４０を支点として揺動可能に支持した構造としてもよい。
【００５７】
例えば、上記後列シート５の下部シートバック３６ｂをキックアップ部１５の前面に沿わせて固定的に設置するとともに、上記上部クロスメンバ３８に設けられた左右一対の支持ブラケット５０に、水平軸からなる第２支持軸４０を保持させるともに、この第２支持軸４０を支点として上部シートバック３６ａだけを揺動可能に支持した構造としてもよく、この第２実施形態では、上記第２後列シート６に着座した大人の男性等からなる高身長の乗員が、上記第２後列シート５上に長時間に亘って着座した場合においても疲れを感じないように、上記第２支持軸４０を支点に上部シートバック３６ａを前後に揺動変位させることにより、その着座姿勢を必要に応じて適正に変更できるという利点がある。
【００５８】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートクッション３１を、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成するとともに、上記第１後列シート５のシートクッション２８を、例えば高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成してその厚みを上記第２後列シート６のシートクッション３１よりも小さくすることにより、第１後列シート５を、第２後列シート６に比べて相対的に小型化した例について説明したが、この構成に限らず、種々の変更が可能である。
【００５９】
例えば、第１フロアパネル側部９よりも相対的に下方に位置させた上記第２フロアパネル側部１０上に設置された第２後列シート６のシートクッション３１を、図１０および図１１に示す第３実施形態のように、上部クッション３１ａと、下部クッション３１ｂとに分割し、上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂに対して着脱可能に構成するとともに、この上部クッション３１ａを上記下部クッション３１ｂ上に取り付けた状態でその上面が、上記第１フロアパネル側部９上に設置された第１後列シート５のシートクッション２８と同一高さとなるように、上記両シートクッション２８，３１の厚みを設定してもよい。
【００６０】
上記第３実施形態のように第２後列シート６のシートクッション３１の一部、つまり上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂに対して着脱可能に構成した場合には、この上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂ上に取り付けて、その上面を上記第１後列シート５のシートクッション２８と同一高さとすることにより、上記後列シート５，６を長尺物Ｍの載置部として利用することができる。そして、上記第２後列シート６に高身長者が着座する際には、図１１に示すように、上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂから取り外して上記シートクッション３１の上面高さを低くすることにより、上記高身長者の頭部と天井部との間隔が狭くなるのを防止できるという利点がある。
【００６１】
特に、上記第２後列シート６から取り外された上部クッション３１ａを、図１１に示すように第１後列シート５のシートクッション２８上に取り付けられるように構成し場合には、上記上部クッション３１ａを格納するための特別なスペースを設けることなく、上記シートクッション２８上に上記上部クッション３１ａを保持させることが可能であるため、車両の構造が複雑化するのを防止しつつ、上記上部クッション３１ａの格納作業を容易化できるという利点がある。
【００６２】
また、図１２に示す第４実施形態のように、第２後列シート６のシートクッション３１の全体を上記第２フロアパネル側部１０に対して着脱可能に構成し、このシートクッション３１を第２フロアパネル側部１０上に取り付けた状態では、図１２の仮想線で示すように、その上面と、第１後列シート５のシートクッション２８とが同一高となるように構成してもよい。このように構成した場合には、上記シートクッション３１の取付状態で、第２後列シート６上に乗員が着座することができるとともに、第１，第２後列シート５，６のシートクッション２８，３１上に長尺の荷物を載置することも可能である。そして、上記シートクッション３１を第２フロアパネル側部１０から取り外すことにより、上記第２後列シート６の設置部を、背の高い荷物Ｎの載置部として利用できるという利点がある。
【００６３】
なお、上記燃料タンク１１からなる車両用補機と、第１フロアパネル側部９との間に、車幅方向に延びる中間クロスメンバ４５を設けてなる上記実施形態に代え、図１３〜図１５に示す第５実施形態のように、燃料タンク１１からなる車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャル１７に向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部を、上記車両用補機（燃料タンク１１）と第１フロアパネル側部１０との間に設けた構造としてもよい。すなわち、上記第５実施形態では、第１タンク部４２の前面および上面に、後端部が上記ディファレンシャル１７の設置部を指向するように斜め中央寄りに傾斜した案内溝５１からなる車両用機能部を設けている。
【００６４】
上記のように構成した場合には、第１キックアップ部１８の前方部下面に設けられたトンネル形状の導風板５２を介して上記第１タンク部４２の前部に供給された走行風Ｓを、上記案内溝５１によりディファレンシャル１７の設置部に案内することができるため、簡単な構成でディファレンシャル１７の温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。特に、図１５に示すように、上記プロペラシャフト１２を囲繞する筒型の補強フレーム１４ａを備えた車両では、この補強フレーム１４ａを介して高温の空気が上記ディファレンシャル１７の設置部に供給されることにより、このディファレンシャル１７が加熱され易い傾向があるため、上記構成を採用することにより効果が顕著に得られるという利点がある。
【００６５】
また、上記導風板５２の後端部に走行風案内ダクトを連設し、この走行風案内ダクトを上記燃料タンク１１の案内溝５１に沿って設置するとともに、上記第１キックアップ部１８の後面および第１フロアパネル側部９の下面に固定した構造としてもよい。このように構成した場合には、上記第１タンク部５２の前部に供給されて上記走行風案内ダクト内に導入された走行風を、外部に漏出させることなくディファレンシャル１７の設置部に効率よく供給することができるため、このディファレンシャル１７の温度上昇を効果的に抑制できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【００６６】
【図１】本発明に係る車両の下部車体構造の第１実施形態を示す側面図である。
【図２】上記下部車体構造の実施形態を示す平面図である。
【図３】後列シートの設置状態を示す正面断面図である。
【図４】第１後列シートの具体的構成を示す側面断面図である。
【図５】第２後列シートの具体的構成を示す側面断面図である。
【図６】リクライニング機構の具体的構成を示す分解斜視図である。
【図７】燃料タンクの設置部を上面から見た状態を示す説明図ある。
【図８】後列シートに乗員が着座した状態を示す説明図である。
【図９】本発明に係る車両の下部車体構造の第２実施形態を示す図５相当図である。
【図１０】本発明に係る車両の下部車体構造の第３実施形態を示す図３相当図である。
【図１１】上部クッションを第１後列シート上に設置した状態を示す説明図である。
【図１２】本発明に係る車両の下部車体構造の第４実施形態を示す図３相当図である。
【図１３】本発明に係る車両の下部車体構造の第５実施形態を示す図５相当図である。
【図１４】上記下部車体構造の第５実施形態を示す図７相当図である。
【図１５】上記下部車体構造の第５実施形態を示す図３相当図である。
【符号の説明】
【００６７】
１ 車室
２ フロアパネル
３ 運転席
４ 助手席
５ 第１後列シート
６ 第２後列シート
８ トンネル部
９ 第１フロアパネル側部
１０ 第２フロアパネル側部
１１ 燃料タンク
４５ 中間クロスメンバ
５１ 案内溝
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両の下部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、下記特許文献１に示されるように、リヤシート設置用のリヤフロアパネルの後方部を上方へ持ち上げ形成するとともに、後部が前部よりも高い位置にある形状の燃料タンクを上記リヤフロアの下面に沿って取り付けた自動車の後部車体構造において、上記リヤフロアパネルとその後方のラゲッジフロアパネルとの間に縦面部を形成するとともに、フロアパネルの前側に第１クロスメンバを配し、上記縦面部の燃料タンクとスペアタイヤとの間に第２クロスメンバを配するとともに、燃料タンクの下側にサスペンションメンバを配設することが行われている。
【０００３】
また、下記特許文献２には、自動車の車体後部のフロアパネルの下側に配設される燃料タンクにおいて、リヤシートの下方に位置する略水平なタンク前部と、上記フロアの傾斜状のリアキックアップ部の下方に位置するタンク傾斜部と、上記フロアのリヤキックアップフロア部の上端に連なるリヤフロア前部とを一体に形成してなる側面視略クランク形状に形成された燃料タンクが開示されている。
【特許文献１】特開平６−２１１１６９号公報
【特許文献２】特開平５−６２７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記特許文献１，２に開示されているように、後列シート（リヤシート）の設置部に位置するフロアパネルの下方に燃料タンク等からなる車両用補機を配設した場合には、車体の前後寸法をコンパクト化しつつ、上記後列シートの設置部をキックアップさせることによりその下方に形成された空間部を有効に利用して所定の容量を有する上記燃料タンク等を設置できるという利点がある。
【０００５】
しかし、上記後列シートの下方に大容量の車両用補機を設置するためにフロアパネルを上方に位置させると、これに応じて車高が高くなったり、後列シートに高身長者が着座した場合にその頭部とルーフ部との間隔が狭くなったりする等の問題がある。一方、車高が高くなること等を防止するために、上記後列シートの設置部に位置するフロアパネルを下方に位置させた場合には、上記車両用補機を設置するためのスペースを充分に確保することが困難になるという問題があった。
【０００６】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車高が高くなること等を防止しつつ、フロアパネルの下方に形成されたスペースを有効に利用することができる車両の下部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１に係る発明は、車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両において、上記フロアパネルの車幅方向中央部には、車室内側に向けて突出するトンネル部が車両の前後方向に延びるように設置され、このトンネル部の車幅方向の一方側には、第１後列シートの設置部となる第１フロアパネル側部が配設されるとともに、上記トンネル部の車幅方向の他方側には、第２後列シートの設置部となる第２フロアパネル側部が上記第１フロアパネル側部よりも下方に配設され、かつ少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部が設けられたものである。
【０００８】
請求項２に係る発明は、上記請求項１に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車幅方向に延びるクロスメンバからなる車両用機能部が設けられたものである。
【０００９】
請求項３に係る発明は、上記請求項２に記載の車両の下部車体構造において、上記フロアパネルの左右両側部には、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置され、上記クロスメンバがリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置されたものである。
【００１０】
請求項４に係る発明は、上記請求項２または３に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部が形成されたものである。
【００１１】
請求項５に係る発明は、上記請求項１〜４の何れか１項に記載の車両の下部車体構造において、上記第２フロアパネル側部の下方に、上記第１フロアパネル側部下方の車両用補機よりも小型の車両用補機が配設されたものである。
【００１２】
請求項６に係る発明は、上記請求項１〜５の何れか１項に記載の車両の下部車体構造において、上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートが、上記第２後列シートよりも小型に形成されたものである。
【００１３】
請求項７に係る発明は、上記請求項６に記載の車両の下部車体構造において、上記運転席の後方側に第１フロアパネル側部が配設され、上記助手席の後方側に第２フロアパネル側部が配設されたものである。
【００１４】
請求項８に係る発明は、上記請求項１に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部が設けられたものである。
【００１５】
請求項９に係る発明は、上記請求項８に記載の車両の下部車体構造において、上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記走行風案内部を構成する案内溝が形成されたものである。
【発明の効果】
【００１６】
請求項１に係る発明では、上記第１フロアパネル側部を第２フロアパネル側部よりも上方に配設し、少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部を設けたため、上記第２フロアパネル側部の上方に広い空間を確保して上記第２後列シートに着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部の下方に形成された空間部を有効に利用して上記車両用機能部を設置できるという利点がある。
【００１７】
請求項２に係る発明では、強固なシートクッションフレームを配設することにより強度を充分に確保することが困難な第１後列シートの設置部に位置する上記第１フロアパネル側部に、クロスメンバからなる車両用機能部を設けることにより、上記第２フロアパネル側部に比べて上方に位置する第１フロアパネル側部の下方に形成された空間部を有効に利用して第２フロアパネル側部を効果的に補強することができため、上記第１，第２フロアパネル側部が左右非対称に形成されている場合においても、簡単な構成でその剛性を左右均等に設定できるという利点がある。
【００１８】
請求項３に係る発明では、フロアパネルの左右両側部に、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置された車両において、上記クロスメンバをリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置したため、車両の側突時に入力された衝撃荷重を上記クロスメンバにより効果的に支持することにより、簡単な構成で車体の剛性を充分に向上させることができる。
【００１９】
請求項４に係る発明では、第１フロアパネル側部の下方に燃料タンクからなる車両用補機を配設するとともに、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部を形成したため、このクロスメンバが燃料タンクに干渉するのを防止しつつ、この燃料タンクの上面を上記第１フロアパネル側部の下面に近接させることにより、燃料タンクの容量を充分に確保できるという利点がある。
【００２０】
請求項５に係る発明では、上記第２フロアパネル側部の下方に、第１フロアパネル側部下方の上記車両用補機よりも小型の車両用補機を配設したため、上記第２フロアパネル側部の下方部に設けられたスペースを有効に利用できるという利点がある。
【００２１】
請求項６に係る発明では、上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートを、第２後列シートよりも小型に形成し、この第２後列シートを相対的に大型に形成したため、車両のルーフ部を高い位置に設置する等の手段を講じることなく、上記第２後列シートに高身長者が着座することを可能とし、その頭部とルーフ部との間隔を充分に確保して乗員が威圧感を受けるのを防止することにより、車体デザインの自由度を確保しつつ、第２後列シートに着座した乗員の快適性を効果的に確保することができる。また、上記第１フロアパネル側部上には、第２後列シートよりも小型に形成されて子供または小柄の女性等用に使用される第１後列シートを設置したため、そのシートクッションの上面位置を変位可能に構成する等の手段を採用することなく、上記第１後列シートに着座した上記乗員の頭部とルーフ部との間隔を充分に確保して乗員が威圧感を受けるのを防止しつつ、上記車両を四人乗りとすることができる。
【００２２】
請求項７に係る発明では、相対的に小型の第１後列シートが設置される第１フロアパネル側部を運転席の後方側に配設するとともに、通常の大きさを有する第２後列シートが設置される上記第２フロアパネル側部を助手席の後方側に配設したため、上記助手席を運転席よりも前方に位置させることにより、上記第２後列シート上に着座した高身長等からなる乗員の前方に充分なスペースを確保して、その居住性を効果的に向上できるという利点がある。
【００２３】
請求項８に係る発明では、上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部を設けたため、上記車両用補機の前部に供給された走行風を、上記走行風案内部によってディファレンシャルの設置部に案内することにより、上記ディファレンシャルの温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【００２４】
請求項９に係る発明では、上記燃料タンクの上面に上記走行風案内部を構成する案内溝を形成したため、簡単な構成で上記車両用補機の前部に供給された走行風を、上記走行風案内部によってディファレンシャルの設置部に案内することにより、上記ディファレンシャルの温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
図１および図２は、本発明の第１実施形態に係るシート装置を備えた車両の概略構成を示している。この車両の車室１内には、そのフロアパネル２上に運転席３および助手席４からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、その後方側に左右一対の後列シート５，６が並設され、かつ上記フロアパネル２の下面左右両側辺部には、車両の前後方向に延びるリヤサイドフレーム７が設置されている。また、上記フロアパネル２の車幅方向中央部には、車室１内側（上方）に向けて突出するトンネル部８が車両の前後方向に延びるように設置されている。
【００２６】
上記トンネル部８の車幅方向の一方側には、図３および図４に示すように、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側には、図３および図５に示すように、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０が配設されている。上記左右のリヤサイドフレーム７間に位置する上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の下方には、燃料タンク１１からなる車両用補機が配設されている。
【００２７】
また、上記トンネル部８の下方には、プロペラシャフト１２、排気管１３およびクランク型の断面形状を有する補強フレーム１４等が車体の前後方向に延びるように設置されている。さらに、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の後方側には、キックアップ部１５を介してリヤフロアパネル１６が接続され、このリヤフロアパネル１６の前部下方には、上記プロペラシャフト１２の駆動力を左右後輪に伝達するディファレンシャル１７および図示を省略した後輪用サスペンション部材等が配設されている。
【００２８】
上記第１フロアパネル側部９は、その前端部に設けられた第１キックアップ部１８を介して前方のフロアパネル２に接続されることにより、第１フロアパネル側部９の底面が前方のフロアパネル２よりも上方で、上記リヤサイドフレーム７の底面７ａよりも上方に位置するように配設されている。一方、上記第２フロアパネル側部１０は、その前端部に設けられた第２キックアップ部１９を介して前方のフロアパネル２に接続されることにより、第２フロアパネル側部１０の底面が、上記フロアパネル２よりも上方で、リヤサイドフレーム７の底面７ａよりも下方に位置するように配設されている。すなわち、上記第１キックアップ部１８のキックアブ量が第２キックアップ部１９よりも大きく形成されることにより、上記第１フロアパネル側部９が第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設されている。
【００２９】
この第１実施形態では、車室１の左側に位置する運転席３の後方側に、第１フロアパネル側部９が配設されるとともに、車室１の右側に位置する助手席４の後方側に上記第２フロアパネル側部１０が配設されている。また、上記運転席３および助手席４の前方には、図２に示すように、車両の後方側に向けて凹入する中央凹部２０と、左右両端部から車幅方向に外方側に延びる左右一対のダッシュ側部２１，２２とを有するダッシュパネル２３が配設されている。上記両ダッシュ側部２１，２２の一方、具体的には上記助手席４の前方側に位置する右側のダッシュ側部２１が、上記運転席３の前方に位置する左側のダッシュ側部２２よりも車両の前方側にオフセットして配設されることにより、助手席４を運転席３よりも前方に移動させ得るようになっている。
【００３０】
上記運転席３および助手席４は、フロアパネル２上に設置されたスライドレール（図示せず）に沿って車体の前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション２５と、その後端部に立設されたシートバック２６と、このシートバック２６を傾動可能に支持するリクライニング機構２７とを備えている。このリクライニング機構２７は、少なくとも上記シートバック２６を起立させた使用状態と、これを車体の前方側に傾動させた格納状態とに変位可能に支持するように構成されている。
【００３１】
上記運転席３の後方側に位置する上記第１フロアパネル側部９上に配設された第１後列シート５は、子供または小柄の女性等用に使用される比較的に小型のシートであり、そのシートクッション２８は、高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成されるとともに、上記第１フロアパネル側部９上に設置されている。また、上記第１後列シート５のシートバック２９は、通常の乗員用シートと同様に、その下端部に設けられた水平軸からなる第１支持軸３０を支点として揺動可能に支持されている。
【００３２】
一方、上記助手席４の後方側に位置する第２フロアパネル側部１０上に設置された第２後列シート６は、高身長者が着座可能な通常の大きさ、つまり高身長者の上半身を適正に支持し得る程度の上下寸法を有し、そのシートクッション３１は、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成されることにより、上記第１後列シート５のシートクッション２８よりも柔軟に形成されている。
【００３３】
そして、上記第２後列シート６のシートクッション３１は、図３および図５の破線で示すように、その内部に角パイプ材等からなるシートクッションフレーム３２が配設されている。また、上記第２後列シート６のシートクッション３１は、その厚みが、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の高低差に対応する距離だけ、第１後列シート５のシートクッション２８よりも大きく設定されることにより、乗員の非着座状態では、第２後列シート６のシートクッション３１の上面と、上記第１後列シート５のシートクッション２８の上面とが略同一高さとなるように設置されている。
【００３４】
図５および図６に示すように、上記第２後列シート６のシートバック３６は、その上下方向中間部に位置するリクライニング機構３７を介して揺動可能に支持されることにより、その設置角度を好みに応じて変更可能に構成されている。上記リクライニング機構３７は、上記リヤフロアパネル１６の前部上面に設置された上部クロスメンバ３８の上端面に支持される車体側筒状部３９と、この車体側筒状部３９に中央部分が挿入されて保持される水平軸からなる第２支持軸４０と、上記シートバック３６の背面部に固定されるとともに第２支持軸４０の左右両側部分が挿入される左右一対のシートバック側筒状部４１とを有している。
【００３５】
そして、上記第１後列シート５のシートバック２９の下端部に設けられた第１支持軸３０よりも上方、つまり上記シートバック３６の上下方向中間部に配設された上記第２支持軸４０を支点にシートバック側筒状部４１を回動変位させることにより、図５の実線で示すように、上記シートバック３６の下端部をシートクッション３１の後端部近傍に位置させて、その傾斜角度を小さくした標準位置から、図５の仮想線で示すように、シートバック３６の下端部をシートクッション３１の後端部よりもやや前方に位置させて、その傾斜角度を大きくしたリクライニング位置に上記シートバック３６を変位させ得るように構成されている。また、上記第２後列シート６のシートバック３６は、図外のロック機構を介して上記標準位置およびリクライニング位置に係止されるようになっている。
【００３６】
上記燃料タンク１１は、第１フロアパネル側部９の下方に配設された第１タンク部４２と、第２フロアパネル側部１０の下方に配設された第２タンク部４３と、上記トンネル部８内に配設された逆Ｕ字状の連通タンク部４４とにより鞍型形状に形成されている。上記第１タンク部４２は、その厚みが、上記第１フロアパネル側部９および第２フロアパネル側部１０の高低差に対応する距離だけ、第２タンク部４３に比べて小さく設定されている。これにより、上記第１，第２タンク部４２，４３の上面を、それぞれ第１，第２フロアパネル側部９，１０の下面に沿って設置した場合に、上記第１，第２タンク部４２，４３の下面が略同一高さとなるように構成されている。
【００３７】
また、図３、図４および図７に示すように、上記第１フロアパネル側部９の下面には、その前後方向中間部に沿ってリヤサイドフレーム７の側壁面から上記トンネル部８に向けて車幅方向に延びる中間クロスメンバ４５からなる車両用機能部が設けられている。また、上記第１タンク部４２の上面には、上記中間クロスメンバ４５に対応した凹部４６が車幅方向に延びるように形成されている。そして、上記キックアップ部１５の背面には、車幅方向に延びる後部クロスメンバ４７が設置されるとともに、上記燃料タンク１１の前方に位置するフロアパネル２の下面には、車幅方向に延びる前部クロスメンバ４８が設置され、かつこの前部クロスメンバ４８に前端部がボルト止めされるとともに、上記後部クロスメンバ４７に後端部がボルト止めされたタンクバンド４９により上記燃料タンク１１が車体に固定されるようになっている。
【００３８】
上記のように車室１のフロアパネル２上に運転席３および助手席４からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シート５，６が並設された車両において、上記フロアパネル２の車幅方向中央部には、車室１内側に向けて突出するトンネル部８を車両の前後方向に延びるように設置し、このトンネル部８の車幅方向の一方側に、第１後列シート５の設置部となる第１フロアパネル側部９を配設するとともに、上記トンネル部８の車幅方向の他方側に、第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０を配設し、かつ上記第１フロアパネル側部９を第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設し、少なくとも上記第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１等からなる車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と上記第１フロアパネル側部９との間に中間クロスメンバ４５等からなる車両用機能部を設けたため、車高が高くなること等を防止しつつ、上記第２フロアパネル側部１０の上方に広い空間を確保して上記第２後列シートに着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部９の下方に形成されたスペースを有効に利用して車体の剛性を充分に確保できるという利点がある。
【００３９】
すなわち、上記第１フロアパネル側部９に比べて下方に配設された上記第２フロアパネル側部１０上に設置されることにより厚みを充分に確保することが可能な第２後列シート６のシートクッション３１には、所定の剛性を有するシートクッションフレーム３２を配設することにより、車両の側突時に入力される荷重等に対する上記第２フロアパネル側部１０の強度を充分に確保することができる。これに対して上記第１実施形態に示すように、所定の剛性を有するシートクッションフレームを配設することが困難な第１後列シート５の設置部に位置する上記第１フロアパネル側部９には、上記中間クロスメンバ４５からなる車両用機能部を上記車両用補機（燃料タンク１１）と第１フロアパネル側部９との間に設けることにより、上記第２フロアパネル側部１０に比べて上方に位置する第１フロアパネル側部９の下方に形成された空間部を有効に利用して第２フロアパネル側部１０を効果的に補強することができる。
【００４０】
したがって、上記のように第１フロアパネル側部９を第２フロアパネル側部１０よりも上方に配設し、少なくとも第１フロアパネル側部９の下方に車両用補機を配設するとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部９との間に燃料タンク１１からなる車両用機能部を設けたため、上記第２フロアパネル側部１０の上方に広い空間を確保して上記第２後列シート６に着座した乗員の居住環境を効果的に向上できるとともに、上記第１フロアパネル側部９の下方に形成された空間部を有効に利用して上記車両用機能部を設置することにより、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０が左右非対称に形成されている場合においても、簡単な構成でその剛性を左右均等に設定できるという利点がある。
【００４１】
また、上記第１実施形態に示すように、フロアパネル２の左右両側部に、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレーム７が設置された車両において、上記中間クロスメンバ４５をリヤサイドフレーム７から上記トンネル部８に向けて設置した場合には、車両の側突時に入力された衝撃荷重を上記中間クロスメンバ４５により効果的に支持することができるため、簡単な構成で車体の剛性を充分に向上させることができる。
【００４２】
特に、上記第１実施形態では、第１フロアパネル側部１０の下方に燃料タンク１１からなる車両用補機を配設するとともに、その上面に上記中間クロスメンバ４５に対応した凹部４６を形成したため、この中間クロスメンバ４５が燃料タンク１１に干渉するのを防止しつつ、この燃料タンク１１の上面を上記第１フロアパネル側部１０の下面に近接させた状態で設置することにより、燃料タンク１１の容量を充分に確保することができるという利点がある。
【００４３】
さらに、上記のように第２フロアパネル側部１０の下方に位置する第１フロアパネル側部９の下方に、第１フロアパネル側部９の下方に設置された車両用補機（第１タンク部４２）よりも小型の車両用補機、例えば燃料タンク１１の第２タンク部４３を配設するように構成した場合には、上記第２フロアパネル側部１０の下方に形成されたスペースの有効利用を図ることができる。
【００４４】
なお、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方に燃料タンク１１の第１，第２タンク部４２，４３を配設してなる上記第１実施形態に代え、上記第１フロアパネル側部９の下方にリチウムイオンバッテリ等からなる車両用補機を配設するとともに、必要に応じて上記第１フロアパネル側部９の下方に配設された車両用補機よりも小型の車両用補機、例えば車両用制御ユニットボックス等を第２フロアパネル側部１０の下方に配設することにより、第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方空間を有効に利用するように構成してもよい。
【００４５】
上記第１フロアパネル側部９の下方に燃料タンク１１の第１タンク部４２を配設するとともに、上記第２フロアパネル側部１０の下方に第２タンク部４３を配設し、この第２タンク部４３を上記第１タンク部４２よりも大きな容量に形成するとともに、上記第１タンク部４２に連通させてなる上記第１実施形態の構成によれば、上記のように底面の高さが異なる位置に設定された第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方空間を有効に利用して充分な容量を有する燃料タンク１１を設置できるとともに、上記第１，第２タンク部４２，４３の下面を略同一高さに設定できるという利点がある。
【００４６】
また、上記第１実施形態では、図３に示すように、第１，第２フロアパネル側部９，１０の下方に配設された第１，第２タンク部４２，４３と、トンネル部８内に配設された連通タンク部４４とにより、上記燃料タンク１１を鞍型形状に形成したため、上記第１，第２フロアパネル側部９，１０およびトンネル部８の下方に位置するスペースを有効に利用して上記燃料タンク１１の容量を充分に確保できるという利点がある。特に、上記連通タンク部４４を逆Ｕ字状に形成した場合には、上記トンネル部８内に配設されたプロペラシャフト１２、排気管１３および補強フレーム１４と上記燃料タンク１１とが干渉するのを防止しつつ、この燃料タンク１１の容量を効果的に増大できるという利点がある。
【００４７】
さらに、上記のように第１フロアパネル側部９上に配設された第１後列シート５を、第２フロアパネル側部１０上に配設された第２後列シート６よりも小型に形成し、上記第１フロアパネル側部９よりも相対的に下方に位置させた第２フロアパネル側部１０上に、高身長者が着座可能な通常の大きさを有する第２後列シート６を設置した構造とした場合には、車高を高くすることなく、上記後列シート６を設置するための上下スペース、つまり上記第２フロアパネル側部１０から天井部までの距離を充分に確保することができる。
【００４８】
したがって、上記第１実施形態に係る車両の下部車体構造によれば、第２後列シート６に着座した乗員の頭部とルーフ部との間隔が狭くなりすぎて乗員が威圧感を受けること等を防止しつつ、上記後列シート６に高身長者が安楽姿勢で着座することを可能として乗員の居住環境を効果的に向上させるとともに、車体デザインの自由度を増大させて車体を効果的にコンパクト化できる等の利点がある。また、上記第２フロアパネル側部１０よりも上方に位置する第１フロアパネル側部９上に、第２後列シート６よりも小型に形成されて子供または小柄の女性等用に使用される第１後列シート５を配設したため、その下方に車両用補機を設置するための広いスペースを確保しつつ、上記車両を四人乗りとすることができる。
【００４９】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートクッション３１を、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成するとともに、上記第１後列シート５のシートクッション２８を、例えば高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成することにより、第２後列シート６のシートクッション３１を第１後列シート５のシートクッション２８よりも柔軟な構造としている。これにより乗員の非着座時には、図３に示すように、第１後列シート５のシートクッション２８の上面と略同一高さに設置された上記第２後列シート６のシートクッション３１を、図８に示すように、乗員の着座時にその体重に応じて上記第１後列シート５のシートクッション２８よりも大きく変形させることにより、上記シートクッション３１の上面を、第１後列シート５のシートクッション２８よりも下方へと変位させることができるように構成したため、乗員の非着座時に、図３の仮想線で示すように、略同一高さに設置された上記両シートクッション２８，３１上に長尺の荷物Ｍを水平状態で載置できるという利点がある。
【００５０】
さらに、上記第１実施形態では、相対的に小型の第１後列シート５が設置される上記第１フロアパネル側部９を運転席３の後方側に配設するとともに、通常の大きさを有する第２後列シート６が設置される上記第２フロアパネル側部１０を助手席４の後方側に配設したため、この助手席４を運転席３よりも前方に位置させることにより、上記第２後列シート６上に着座した高身長の乗員の前方に充分なスペースを確保して、その居住性を効果的に向上させることができるという利点がある。
【００５１】
特に、上記第１実施形態に示すように、上記助手席４の前方側に位置する右側のダッシュ側部２１を、上記運転席３の前方に位置する左側のダッシュ側部２２よりも車両の前方側にオフセットさせて配設することにより、上記助手席４を運転席３よりも前方に位置させ得るように構成した場合には、上記第２後列シート６上に着座した乗員の居住性を、より効果的に向上させることができる。
【００５２】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートバック３６を、その上下方向中間部に配設されたリクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点として揺動可能に支持したため、上記後席シート５，６の設置部における美観を悪化させることなく、後列シート５，６に着座した乗員の居住環境を効果的に向上させることができる。
【００５３】
上記第２フロアパネル側部１０等の後方側に配設されたリヤフロアパネル１６は、その前部下方にディファレンシャル１７を設置するために上方へキックアップした状態で設置されているため、通常の乗員用シートのように下端部を支点としてそのシートバックを揺動変位させようとすれば、上記リヤフロアパネル１６の前端部に設けられたキックアップ部１５にシートバック３６の下方部が干渉して、このシートバック３６を大きく後傾させることができない。これに対して上記のようにシートバック３６の上下方向中間に配設されたリクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点としてシートバック３６を揺動可能に支持した構造とした場合には、上記キックアップ部１５にシートバック３６が干渉するのを防止しつつ、その設置角度を大きく後傾させたリクライニング位置に変位させることができる。
【００５４】
したがって、上記第１実施形態に示すようにシートバック３６の上下方向中間に配設された第２支持軸４０を支点としてシートバック３６を揺動可能に支持した構成とすることにより、第１フロアパネル側部９上に設置された小型の第１後列シート５に比べて大型に形成された第２後列シート６に着座した大人の男性等からなる乗員、つまり車室内スペースを狭く感じ易く、上記シートバック３６の傾斜角度を変化させることによりその着座状態を安定させようとする傾向が強い高身長が、上記第２後列シート６に長時間に亘って着座した場合においても疲れを感じないように、上記第２支持軸４０を支点にシートバック３６を大きく揺動変位させることにより、その着座姿勢を必要に応じて適正に変更できるという利点がある。
【００５５】
一方、小型の第１後列シート５に着座する子供または小柄の女性等は、上記シートバック２９の傾斜角度を変化させることによりその着座状態を安定させようとする要求が大柄の乗員に比べて弱いため、上記第２後列シート６の設置部となる第２フロアパネル側部１０の後方側に設けられたキックアップ部１５にシートバック３６が干渉するのを回避するために、その傾動範囲が規制されたとしても特に問題はない。したがって、通常の乗員用シートと同様に、その下端部に設けられた水平軸からなる第１支持軸３０を支点として上記第１後列シート５のシートバック２９を揺動可能に支持することにより、その構造を簡略化できるという利点がある。
【００５６】
なお、上記リクライニング機構３７の第２支持軸４０を支点として第２後列シート５のシートバック３６を一体的に揺動可能に支持してなる上記第１実施形態に代え、図９に示す第２実施形態のように、上記シートバック３６を上部シートバック３６ａと、下部シートバック３６ｂとに分割し、この上部シートバック３６ａおよび下部シートバック３６ｂの両方、またはその何れか一方を、上記上部シートバック３６ａおよび下部シートバック３６ｂの間に設置された第２支持軸４０を支点として揺動可能に支持した構造としてもよい。
【００５７】
例えば、上記後列シート５の下部シートバック３６ｂをキックアップ部１５の前面に沿わせて固定的に設置するとともに、上記上部クロスメンバ３８に設けられた左右一対の支持ブラケット５０に、水平軸からなる第２支持軸４０を保持させるともに、この第２支持軸４０を支点として上部シートバック３６ａだけを揺動可能に支持した構造としてもよく、この第２実施形態では、上記第２後列シート６に着座した大人の男性等からなる高身長の乗員が、上記第２後列シート５上に長時間に亘って着座した場合においても疲れを感じないように、上記第２支持軸４０を支点に上部シートバック３６ａを前後に揺動変位させることにより、その着座姿勢を必要に応じて適正に変更できるという利点がある。
【００５８】
また、上記第１実施形態では、第２後列シート６のシートクッション３１を、例えば低反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に軟質な素材を主体に構成するとともに、上記第１後列シート５のシートクッション２８を、例えば高反発ウレタンフォーム材等からなる比較的に硬質な素材を主体に構成してその厚みを上記第２後列シート６のシートクッション３１よりも小さくすることにより、第１後列シート５を、第２後列シート６に比べて相対的に小型化した例について説明したが、この構成に限らず、種々の変更が可能である。
【００５９】
例えば、第１フロアパネル側部９よりも相対的に下方に位置させた上記第２フロアパネル側部１０上に設置された第２後列シート６のシートクッション３１を、図１０および図１１に示す第３実施形態のように、上部クッション３１ａと、下部クッション３１ｂとに分割し、上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂに対して着脱可能に構成するとともに、この上部クッション３１ａを上記下部クッション３１ｂ上に取り付けた状態でその上面が、上記第１フロアパネル側部９上に設置された第１後列シート５のシートクッション２８と同一高さとなるように、上記両シートクッション２８，３１の厚みを設定してもよい。
【００６０】
上記第３実施形態のように第２後列シート６のシートクッション３１の一部、つまり上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂに対して着脱可能に構成した場合には、この上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂ上に取り付けて、その上面を上記第１後列シート５のシートクッション２８と同一高さとすることにより、上記後列シート５，６を長尺物Ｍの載置部として利用することができる。そして、上記第２後列シート６に高身長者が着座する際には、図１１に示すように、上記上部クッション３１ａを下部クッション３１ｂから取り外して上記シートクッション３１の上面高さを低くすることにより、上記高身長者の頭部と天井部との間隔が狭くなるのを防止できるという利点がある。
【００６１】
特に、上記第２後列シート６から取り外された上部クッション３１ａを、図１１に示すように第１後列シート５のシートクッション２８上に取り付けられるように構成し場合には、上記上部クッション３１ａを格納するための特別なスペースを設けることなく、上記シートクッション２８上に上記上部クッション３１ａを保持させることが可能であるため、車両の構造が複雑化するのを防止しつつ、上記上部クッション３１ａの格納作業を容易化できるという利点がある。
【００６２】
また、図１２に示す第４実施形態のように、第２後列シート６のシートクッション３１の全体を上記第２フロアパネル側部１０に対して着脱可能に構成し、このシートクッション３１を第２フロアパネル側部１０上に取り付けた状態では、図１２の仮想線で示すように、その上面と、第１後列シート５のシートクッション２８とが同一高となるように構成してもよい。このように構成した場合には、上記シートクッション３１の取付状態で、第２後列シート６上に乗員が着座することができるとともに、第１，第２後列シート５，６のシートクッション２８，３１上に長尺の荷物を載置することも可能である。そして、上記シートクッション３１を第２フロアパネル側部１０から取り外すことにより、上記第２後列シート６の設置部を、背の高い荷物Ｎの載置部として利用できるという利点がある。
【００６３】
なお、上記燃料タンク１１からなる車両用補機と、第１フロアパネル側部９との間に、車幅方向に延びる中間クロスメンバ４５を設けてなる上記実施形態に代え、図１３〜図１５に示す第５実施形態のように、燃料タンク１１からなる車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャル１７に向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部を、上記車両用補機（燃料タンク１１）と第１フロアパネル側部１０との間に設けた構造としてもよい。すなわち、上記第５実施形態では、第１タンク部４２の前面および上面に、後端部が上記ディファレンシャル１７の設置部を指向するように斜め中央寄りに傾斜した案内溝５１からなる車両用機能部を設けている。
【００６４】
上記のように構成した場合には、第１キックアップ部１８の前方部下面に設けられたトンネル形状の導風板５２を介して上記第１タンク部４２の前部に供給された走行風Ｓを、上記案内溝５１によりディファレンシャル１７の設置部に案内することができるため、簡単な構成でディファレンシャル１７の温度上昇を抑制してその熱害の発生を効果的に防止できるという利点がある。特に、図１５に示すように、上記プロペラシャフト１２を囲繞する筒型の補強フレーム１４ａを備えた車両では、この補強フレーム１４ａを介して高温の空気が上記ディファレンシャル１７の設置部に供給されることにより、このディファレンシャル１７が加熱され易い傾向があるため、上記構成を採用することにより効果が顕著に得られるという利点がある。
【００６５】
また、上記導風板５２の後端部に走行風案内ダクトを連設し、この走行風案内ダクトを上記燃料タンク１１の案内溝５１に沿って設置するとともに、上記第１キックアップ部１８の後面および第１フロアパネル側部９の下面に固定した構造としてもよい。このように構成した場合には、上記第１タンク部５２の前部に供給されて上記走行風案内ダクト内に導入された走行風を、外部に漏出させることなくディファレンシャル１７の設置部に効率よく供給することができるため、このディファレンシャル１７の温度上昇を効果的に抑制できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【００６６】
【図１】本発明に係る車両の下部車体構造の第１実施形態を示す側面図である。
【図２】上記下部車体構造の実施形態を示す平面図である。
【図３】後列シートの設置状態を示す正面断面図である。
【図４】第１後列シートの具体的構成を示す側面断面図である。
【図５】第２後列シートの具体的構成を示す側面断面図である。
【図６】リクライニング機構の具体的構成を示す分解斜視図である。
【図７】燃料タンクの設置部を上面から見た状態を示す説明図ある。
【図８】後列シートに乗員が着座した状態を示す説明図である。
【図９】本発明に係る車両の下部車体構造の第２実施形態を示す図５相当図である。
【図１０】本発明に係る車両の下部車体構造の第３実施形態を示す図３相当図である。
【図１１】上部クッションを第１後列シート上に設置した状態を示す説明図である。
【図１２】本発明に係る車両の下部車体構造の第４実施形態を示す図３相当図である。
【図１３】本発明に係る車両の下部車体構造の第５実施形態を示す図５相当図である。
【図１４】上記下部車体構造の第５実施形態を示す図７相当図である。
【図１５】上記下部車体構造の第５実施形態を示す図３相当図である。
【符号の説明】
【００６７】
１ 車室
２ フロアパネル
３ 運転席
４ 助手席
５ 第１後列シート
６ 第２後列シート
８ トンネル部
９ 第１フロアパネル側部
１０ 第２フロアパネル側部
１１ 燃料タンク
４５ 中間クロスメンバ
５１ 案内溝
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両において、上記フロアパネルの車幅方向中央部には、車室内側に向けて突出するトンネル部が車両の前後方向に延びるように設置され、このトンネル部の車幅方向の一方側には、第１後列シートの設置部となる第１フロアパネル側部が配設されるとともに、上記トンネル部の車幅方向の他方側には、第２後列シートの設置部となる第２フロアパネル側部が上記第１フロアパネル側部よりも下方に配設され、かつ少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部が設けられたことを特徴とする車両の下部車体構造。
【請求項２】
上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車幅方向に延びるクロスメンバからなる車両用機能部が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の車両の下部車体構造。
【請求項３】
上記フロアパネルの左右両側部には、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置され、上記クロスメンバがリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置されたことを特徴とする請求項２に記載の車両の下部車体構造。
【請求項４】
上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部が形成されたことを特徴とする請求項２または３に記載の車両の下部車体構造。
【請求項５】
上記第２フロアパネル側部の下方に、上記第１フロアパネル側部下方の車両用補機よりも小型の車両用補機が配設されたことを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項６】
上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートが、上記第２後列シートよりも小型に形成されたことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項７】
上記運転席の後方側に第１フロアパネル側部が配設され、上記助手席の後方側に第２フロアパネル側部が配設されたことを特徴とする請求項６に記載の車両の下部車体構造。
【請求項８】
上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の車両の下部車体構造。
【請求項９】
上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記走行風案内部を構成する案内溝が形成されたことを特徴とする請求項８に記載の車両の下部車体構造。
【請求項１】
車室のフロアパネル上に運転席および助手席からなる左右一対の前列シートが並設されるとともに、この前列シートの後方に左右一対の後列シートが並設された車両において、上記フロアパネルの車幅方向中央部には、車室内側に向けて突出するトンネル部が車両の前後方向に延びるように設置され、このトンネル部の車幅方向の一方側には、第１後列シートの設置部となる第１フロアパネル側部が配設されるとともに、上記トンネル部の車幅方向の他方側には、第２後列シートの設置部となる第２フロアパネル側部が上記第１フロアパネル側部よりも下方に配設され、かつ少なくとも第１フロアパネル側部の下方に車両用補機が配設されるとともに、この車両用補機と第１フロアパネル側部との間に車両用機能部が設けられたことを特徴とする車両の下部車体構造。
【請求項２】
上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車幅方向に延びるクロスメンバからなる車両用機能部が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の車両の下部車体構造。
【請求項３】
上記フロアパネルの左右両側部には、車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームが設置され、上記クロスメンバがリヤサイドフレームから上記トンネル部に向けて設置されたことを特徴とする請求項２に記載の車両の下部車体構造。
【請求項４】
上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記クロスメンバに対応した凹部が形成されたことを特徴とする請求項２または３に記載の車両の下部車体構造。
【請求項５】
上記第２フロアパネル側部の下方に、上記第１フロアパネル側部下方の車両用補機よりも小型の車両用補機が配設されたことを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項６】
上記第１フロアパネル側部上に配設された第１後列シートが、上記第２後列シートよりも小型に形成されたことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項７】
上記運転席の後方側に第１フロアパネル側部が配設され、上記助手席の後方側に第２フロアパネル側部が配設されたことを特徴とする請求項６に記載の車両の下部車体構造。
【請求項８】
上記車両用補機と第１フロアパネル側部との間に、車両用補機の後方側に配設されたディファレンシャルに向けて走行風を案内する走行風案内部からなる車両用機能部が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の車両の下部車体構造。
【請求項９】
上記車両用補機が燃料タンクであり、その上面に上記走行風案内部を構成する案内溝が形成されたことを特徴とする請求項８に記載の車両の下部車体構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２０１０−８３１６５（Ｐ２０１０−８３１６５Ａ）
【公開日】平成２２年４月１５日（２０１０．４．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２５１０７８（Ｐ２００８−２５１０７８）
【出願日】平成２０年９月２９日（２００８．９．２９）
【出願人】（０００００３１３７）マツダ株式会社 (6,115)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月１５日（２０１０．４．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月２９日（２００８．９．２９）
【出願人】（０００００３１３７）マツダ株式会社 (6,115)
【Ｆターム（参考）】
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