説明

車両の下部車体構造

【課題】車体の剛性を確保しつつ、乗員用シートを広範囲に移動させてシートアレンジを変化させる。
【解決手段】フロアパネル1上に設置されたシートレール13と、該シートレール13に沿って前後移動可能に支持された乗員用シート3と、上記フロアパネル1に沿って車幅方向に延びるとともに車室内に突出するように設置されたクロスメンバ17とを備え、上記乗員用シート3には、該乗員用シート3を支持しつつ上記クロスメンバ17の前後に跨るように上記シートレール13に沿ってスライド変位するスライド部材31と、上記車室のフロア面21上において乗員用シートを支持するシート支持部材32とが設けられ、乗員用シート3の前後移動時に上記シート支持部材32が変位してクロスメンバ17を乗り越えるように構成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の底部を形成するフロアパネルと、該フロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレールとを有し、該シートレールに沿って乗員用シートが前後移動可能に支持された車両の下部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、座席の配列パターンを多様化することを目的として、車室の底部を形成するフロアパネルと、このフロアパネルの左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びる左右一対のロングレールを有するシートレールと、このシートレールに沿ってスライド可能に支持された乗員用シートとを具備した車両において、上記フロアパネル上に、車幅方向に延びるクロスメンバと、このクロスメンバの壁面に接続されて車体の前後方向に延びるレールブラケットとを設置し、このレールブラケットに上記シートレールを取り付けることが行われている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、乗員用シートを前後移動可能に支持するレール装置の前方に設けたヒンジ装置によりシートクッションを折り畳み可能に支持するとともに、上記シートレール装置とシートクッションフレームとの間に設けたロック装置により乗員用シートをフロアに固定するように構成された車両用シートにおいて、上記ロック装置の個数を増加することなく、乗員用シートの支持剛性を向上させるために、シートクッションフレームの後方両側部に設けられた付勢材の付勢力によりフロアに対して押圧される押圧部材を設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−105508号公報
【特許文献2】特開2000−94991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているように、フロアパネルの左右両側辺部に沿って車体の後端部近傍まで延びる左右一対のロングレールを有するシートレールを配設した場合には、例えば運転席シートおよび助手席シートの後方側に配設された中列シートと、その後方側に配設された後列シートとを、上記ロングレールからなるシートレールに沿ってスライド可能に支持することにより、簡単な構成で上記中列シートおよび後列シートからなる乗員用シートを広範囲に移動させて多彩なシートアレンジを実現できるという利点がある。
【0006】
しかし、上記特許文献1に係る下部車体構造では、車室の底部を形成するフロアパネル上面に車幅方向に延びるようにクロスメンバを設置するとともに、このクロスメンバ上に上記シートレールを固定して乗員用シートの支持剛性および車体剛性を充分に確保するように構成されているため、このシートレールに沿ってスライド可能に支持される乗員用シートの設置位置が高くなることが避けられないとともに、車室のフロア面をフラット化し、あるいは低床化を図ることが困難であるという問題があった。
【0007】
なお、車室のフロア面をフラット化しつつ、上記シートレールの設置高さをできるだけ低くして車室を低床化するために、上記フロアパネル上面に設置されるクロスメンバを省略し、あるいはその上下寸法を小さくすることも考えられる。しかし、このように構成した場合には、上記クロスメンバによる車体剛性の向上効果が充分に得られないことに起因した操安性の低下を防止することができないとともに、側突時に車体の変形を効果的に抑制することができない等の問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に示されるように、乗員用シートを前後移動可能に支持するレール装置と、付勢材の付勢力によりフロアに対して押圧される押圧部材とを備えた車両において、上記フロアパネル上面にクロスメンバを車幅方向に延びるように設置した場合には、上記シートレール装置に沿って乗員用シートを前後移動させる際に、上記押圧部材がクロスメンバに干渉することによって乗員用シートの前後移動範囲が制限されるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車体の剛性を確保しつつ、乗員用シートを広範囲に移動させてシートアレンジを変化させることができる車両の下部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車室の底部を形成するフロアパネルと、該フロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレールと、該シートレールに沿って前後移動可能に支持された乗員用シートと、上記フロアパネルに沿って車幅方向に延びるとともに車室内に突出するように設置されたクロスメンバとを備え、上記乗員用シートに、該乗員用シートを支持しつつ、上記シートレールに沿ってクロスメンバの前後に跨るようにスライド変位するスライド部材と、上記車室のフロア面上において乗員用シートを支持するシート支持部材とが設けられるとともに、乗員用シートの前後移動時に上記シート支持部材が変位してクロスメンバを乗り越えるように構成されたものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の下部車体構造において、上記スライド部材とシート支持部材とが乗員用シートの車幅方向に離間した位置に配設されたものである。
【0012】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の下部車体構造において、上記シートレールが、平面視で車室内の前後方向略中央部位から車室の後方部位に至るように設置されたロングレールからなり、車室内の前後に配設された複数列の乗員用シートが上記ロングレールに沿ってスライド可能に支持されたものである。
【0013】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造において、上記乗員用シートが、該乗員用シートに着座する乗員を拘束するシートベルト用のバックルを有し、該バックルが、平面視で上記シートレールと重なる位置に配設されたものである。
【0014】
請求項5に係る発明は、上記請求項4に記載の車両の下部車体構造において、上記乗員用シートが、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートからなり、該乗員用シートの車幅方向中央部側付近に沿って上記シートレールが配設されたものである。
【0015】
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造において、上記フロアパネルの上面左右には車体の前後方向に延びるように剛性部材が設置され、該剛性部材上に上記シート支持部材が配設されたものである。
【0016】
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造において、上記シート支持部材の乗越え変位を許容するアンロック位置と、この乗越え変位を規制するロック位置とに変位可能なロック部材を有し、該ロック部材が、上記乗員用シートの前後移動を規制するロック機構のロック解除操作に連動してアンロック位置に駆動されるように構成されたものである。
【0017】
請求項8に係る発明は、上記請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造において、上記クロスメンバは、車室内側に膨出するように設置された左右のリヤホイールハウス間に配設されたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明では、乗員用シートに設けられたスライド部材をクロスメンバの前後に跨るように設置されたシートレールに沿ってスライド変位させるとともに、乗員用シートの前後移動時に上記クロスメンバを乗り越えるようにシート支持部材が変位することを許容するように構成したため、フロアパネルの上面に設けられた上記クロスメンバの上方突出量を大きく設定した場合においても、このクロスメンバに邪魔されることなく、上記乗員用シートを車両の前後方向に大きく移動させることができる。したがって、上方への突出量が大きいクロスメンバを設置することにより車体剛性を充分に確保しつつ、車室内空間を効率よく利用してシートアレンジを多彩に変化させることができるとともに、通常時には、上記スライド部材およびシート支持部材の両方により乗員用シートを安定して支持できるという利点がある。
【0019】
請求項2に係る発明では、シートレールに沿ってスライド変位する上記スライド部材と、クロスメンバを乗り越えるように変位する上記シート支持部材とを、乗員用シートの車幅方向に離間させた状態で配設したため、簡単な構成で上記乗員用シートの支持強度を、より向上させることができ、車両の走行時に乗員用シートにがたつきが生じること等を効果的に防止して乗員の快適性を確保できるという利点がある。
【0020】
請求項3に係る発明では、上記シートレールを、平面視で車室内の前後方向略中央部位から車体の後端部まで延設されたロングレールにより形成し、車室内の前後に配設された複数列の乗員用シートを上記シートレールに沿ってスライド可能に支持したため、簡単な構成で乗員用シートを車両の前後方向に大きく移動させることにより、車室内空間を効率よく利用することができ、シートアレンジを、より多様に変化させることができる。
【0021】
請求項4に係る発明では、上記乗員用シートに、乗員を拘束するシートベルト用のバックルを、平面視で上記内側シートレールと重なる位置に配設したため、上記シートベルトからバックルを介して乗員用シートに入力された荷重を、上記シートレールに伝達して効果的に支持することができる。したがって、車両の衝突時等に大きな荷重が上記シートベルトに作用した場合においても、乗員用シートのシートクッション等が変形したり、乗員の拘束力が低下したりする等の問題を生じることなく、乗員の着座姿勢を安定して保持できるという利点がある。
【0022】
請求項5に係る発明では、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートからなる上記乗員用シートの車幅方向中央部側付近に沿って上記シートレールを配設したため、複数の乗員が着座するように構成された上記ベンチシートタイプの乗員用シートに対し、各乗員を保護するシートベルトから大きな荷重が入力されたとしても、これらの荷重を上記シートレールにそれぞれ伝達して効果的に支持することにより、各乗員の着座姿勢を安定して保持できるという利点がある。
【0023】
請求項6に係る発明では、フロアパネルの上面左右に車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームのアッパ部材からなる剛性部材を設置し、該アッパ部材上に上記シート支持部材を配設したため、上記アッパ部材により車体後部の左右両側辺部を効果的に補強することができるとともに、該アッパ部材上において上記シート支持部材による乗員用シートの支持作用を充分に発揮させることができる。したがって、上記乗員用シートにがたつきが生じるのを効果的に防止して、この乗員用シートに着座した乗員の快適性を良好状態に維持できるという利点がある。
【0024】
請求項7に係る発明では、上記シート支持部材がクロスメンバを乗越えるように変位するのを許容するアンロック位置と、この乗越え変位を規制するロック位置とに変位させるロック部材を設けるとともに、上記乗員用シートの前後移動を規制するロック機構のロック解除操作に連動して上記ロック部材をアンロック位置に駆動するように構成したため、乗員が乗員用シートを前後移動させる操作を行う際に、上記シート支持部材を変位可能な状態へと自動的に移行させることができる。したがって、車室のフロア面よりも上方に突出するように上記クロスメンバが設置されている場合においても、複雑な操作を要することなく、乗員用シートを車体の前後方向にスライド変位させる際に、上記クロスメンバを乗り越えるようにシート支持部材を揺動変位させることにより、上記クロスメンバこの邪魔されることなく、乗員用シートを前後に移動させることができる。
【0025】
請求項8に係る発明では、車室内側に膨出するように設置された左右のリヤホイールハウスを上記クロスメンバにより互いに連結するように構成したため、車両の走行時にリヤサスペンションから上記リヤホイールハウスに入力された荷重や、車両の側突時に入力された側突荷重等を上記クロスメンバにより効果的に支持することができるため、簡単な構成で車体の剛性および車両の繰安性等を効果的に向上できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る車両の下部車体構造の実施形態を示す側面断面図である。
【図2】上記車両の車室内構造を示す平面図である。
【図3】上記下部車体構造の具体的構成を示す平面図である。
【図4】クロスメンバの具体的構成を示す斜視図である。
【図5】後列の乗員用シートの具体的構成を示す正面断面図である。
【図6】クロスメンバの具体的構成を示す正面断面図である。
【図7】クロスメンバの具体的構成を示す平面図である。
【図8】中列の乗員用シートの具体的構成を示す正面断面図である。
【図9】後列の乗員用シートの具体的構成を示す側面断面図である。
【図10】後列の乗員用シートを前方に移動させた状態を示す側面断面図である。
【図11】ロック機構等の具体的構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2は、本発明に係る車両の下部車体構造の実施形態を示している。この車両は、その車室の底部を形成するフロアパネル1上に図示を省略した運転席シートおよび助手席シートを有する前列シートが配設されるとともに、その後方側に中列の乗員用シート2と後列の乗員用シート3とが配設された3列シートの所謂ミニバンタイプである。上記中列の乗員用シート2は、それぞれ左右に独立したシートクッション4およびシートバック5を有する左側シート2aおよび右側シート2bにより構成されている。これに対して上記後列の乗員用シート3は、車幅方向に延びる一体のシートクッション6およびシートバック7を備えたいわゆるベンチシートタイプからなっている。
【0028】
また、上記フロアパネル1の下面には、上面が開口した断面ハット型部材からなるリヤサイドフレームのロア部材8が左右両側辺部に沿って車両の前後方向に延びるように設置されている。図3は、上記乗員用シート2,3等を取り外した状態におけるフロアパネル1を上側から見た状態を示している。この図3に示すように、車体後部の左右両側方には、リヤホイールハウス9が車室内側に膨出するように設けられるとともに、その前方側には、サイドシル10が車体の前後方向に延びるように設置されている。さらに、上記フロアパネル1の上面後方左右には、下面が開口した断面ハット型の剛性部材からなるリヤサイドフレームのアッパ部材11が、上記ロア部材8の設置部に沿って車体の前後方向に延びるように配設されている。
【0029】
上記フロアパネル1上には、左右一対の外側シートレール(ショートレール)12,12と、この外側シートレール12,12の間において前後方向に延びる左右一対の内側シートレール13,13(ロングレール)とが設置されている。上記外側シートレール12および内側シートレール13は、図4および図5に示すように、上面が開口した所定の強度および剛性を有する断面C字状の溝型鋼等からなり、これらの外側シートレール12および内側シートレール13に沿って上記乗員用シート2,3がスライド変位することにより、その前後位置が調節されるように構成されている。
【0030】
上記内側シートレール13は、前列シート(図示せず)の設置部に近接した車室内の前後方向略中央部位から車体の後端部、具体的にはリヤバンパーレインフォースメント14の設置部に至るように延設され、上記内側シートレール13の後端部に設けられた取付プレート15が、リヤバンパーレインフォースメント14の上方部に取付ボルト等を介して固定されている(図1および図3参照)。一方、上記外側シートレール12は、前列シートの設置部に近接した位置からリヤホイールハウス9の前後方向中間部近傍まで延設され、その全長が上記内側シートレール13よりも短く設定されている。
【0031】
上記車室内には、断面ハット型状部材からなる複数のクロスメンバ、つまり車体の前方側から数えて3番目〜5番目に位置するNo.3〜No.5クロスメンバ16〜18が、フロアパネル1の上面に沿って車幅方向に延びるとともに車室内(上方)に突出するように設置され、かつ上記No.3〜No.5クロスメンバ16〜18を介して外側シートレール12および内側シートレール13が、それぞれ前下がりの傾斜状態で設置されている。また、上記フロアパネル1の下面には、No.4クロスメンバ17に沿って断面ハット型の下部フレーム20が配設されることにより、この下部フレーム20とフロアパネル1とにより車幅方向に延びる閉断面19が形成されている。
【0032】
上記フロアパネル1の上面には、遮音機能および断熱機能等を有するフェルト材またはグラスウール等からなるインシュレータと、その上面を被覆するカーペット材等からなる表層材とを備えた従来周知のフロアトリム材21が設置されている。そして、上記No.3クロスメンバ16およびNo.5クロスメンバ18は、その上面位置が上記フロアトリム材21の上面からなる車室内のフロア面(図1および図5参照)よりも上記外側シートレール12および内側シートレール13の上下寸法に相当する距離だけ低く設定されている。これにより、上記No.3クロスメンバ16およびNo.5クロスメンバ18上に固定された外側シートレール12および内側シートレール13の上面と、上記フロアトリム材21の上面とが面一となるように構成されている。
【0033】
一方、上記No.4クロスメンバ17は、左右のリヤホイールハウス9,9間において両リヤホイールハウス9,9を連結するように配設され、かつ上記フロアトリム材21の上面(フロア面)よりも上方に、No.4クロスメンバ17の上面が突出するようにその上下寸法が設定されている。そして、上記No.4クロスメンバ17の左右両側方部前面には上記外側シートレール12の後端部が接続され、かつNo.4クロスメンバ17の左右両側方部後面にはリヤサイドレールのアッパ部材11の前端部が接続されることにより、上記No.4クロスメンバ17を介して外側シートレール12とリヤサイドレールのアッパ部材11とが前後に連続するように設置されている(図3参照)。
【0034】
また、図4〜図7に示すように、上記内側シートレール13の設置部に対応したNo.4クロスメンバ17の車幅方向中央部付近には、下方に凹入した凹入部22が形成され、この凹入部22を通って上記No.4クロスメンバ17の前後に跨るように内側シートレール13が設置されている。上記No.4クロスメンバ17の凹入部22は、正面視で上広がりの台形状に形成されるとともに、その車幅方向寸法が上記内側シートレール13の幅寸法よりも大きく設定されることにより、上記凹入部22と内側シートレール13との間に所定の隙間23が形成された状態で内側シートレール13が取り付けられている。さらに、上記内側シートレール13の左右両側壁面に沿って補強部材24が配設されることにより、上記隙間23が補強部材24で覆われるようになっている。
【0035】
上記補強部材24は、平面視で内側シートレール13の側壁面に向けて先広がりに形成された台形状の上面板25と、その斜辺部から下方に向けて突設された前後一対の側面板26とを有している。そして、上記上面板25の外側端部およびが側面板26の下辺部が上記No.4クロスメンバ17の上面および側面に接合されるとともに、上記側面板26の先端部に設けられた接合フランジ27が上記内側シートレール13の側壁面に接合されている。このようにして上記凹入部22と内側シートレール13との間に形成された隙間23が補強部材24により覆われた状態で、この補強部材24を介して上記凹入部22と内側シートレール13との接続部が補強されるように構成されている。
【0036】
上記中列の乗員用シート2を構成する左側シート2aは、そのシートクッション4の底面に設けられた左右一対のスライド部材29が、図8に示すように、車体左側に配設された外側シートレール12および内側シートレール13に沿ってスライド変位することにより、上記外側シートレール12の設置範囲において前後移動可能に支持されている。一方、上記乗員用シート2の右側シート2bは、そのシートクッション6の底部に設けられた左右一対のスライド部材29が、車体右側に配設された外側シートレール12および内側シートレール13に沿ってスライド変位することにより、上記外側シートレール12の設置範囲において前後移動可能に支持されている。
【0037】
さらに、上記乗員用シート2のスライド部材29には、その上面にシートクッション4を車幅方向にスライド可能に支持する横スライドレール30が設けられている。この横スライドレール30に沿って上記乗員用シート2のシートクッション6が車幅方向にスライド変位することにより、上記左側シート2aおよび右側シート2bの左右方向における設置位置が調節されるとともに、両シート2a,2bの設置間隔が調節されるようになっている。
【0038】
後列の乗員用シート3には、図5および図9等に示すように、上記内側シートレール13,13に沿ってスライド変位する左右一対のスライド部材31が、シートクッション6の下面中央部近傍に所定間隔を置いて配設されている。さらに、後列の乗員用シート3には、上記リヤサイドフレームのアッパ部材11からなる剛性部材の上面等により形成された車室内のフロア面上において、上記乗員用シート3を支持するシート支持部材32が、シートクッション6の下面前部に設けられることにより、上記シート支持部材32とスライド部材31とが、車幅方向に離間した状態でシートクッション6の下面左右にそれぞれ配設されている。
【0039】
上記シート支持部材32は、シートクッション6の下面に取り付けられた支持ブラケット33と、この支持ブラケット33に連結ピン34を介して揺動可能に連結された支持脚体35と、この支持脚体35の下端部に枢支されたローラ36とを有している。また、上記支持ブラケット33の下方部には、支持脚体35の揺動変位を規制して、この支持脚体35を起立状態に保持するロックピン等からなるロック部材37が設けられている。
【0040】
すなわち、図示を省略した圧縮コイルばね等からなる付勢部材の付勢力に応じて上記ロック部材37の先端部が支持脚体35に向けて付勢され、この支持脚体35に形成された係合孔(図示せず)にロック部材37の先端部が嵌入されることにより、通常時には、上記支持脚体35が起立状態に保持されるようになっている。このようにして上記ローラ36の底面がリヤサイドフレームのアッパ部材11等に当接した状態で、上記支持脚体35が起立した状態に保持されることにより、乗員用シート3をフロア面上において支持するシート支持部材32が構成されている。
【0041】
図11に示すように、上記乗員用シート3のスライド部材31には、その前後移動を規制するロックアーム40を備えたロック機構が設けられるとともに、その先端部に設けられた係止片41が、図外の付勢部材の付勢力に応じて上記内側シートレール13に形成された係合孔に嵌入されることにより、上記シートクッション6のスライド変位が規制されている。このシートクッション6の下面前方には、ワイヤ43を介して上記ロックアーム40を揺動変位させることにより、上記係止片41を内側シートレール13の係合孔から離脱させるように操作する操作用取手44が設けられている。そして、乗員が、この操作用取手44を把持してロック解除操作を行うと、上記ロックアーム40による乗員用シート3のスライド規制状態が解除され、乗員用シート3の前後移動が許容されるように構成されている。
【0042】
また、上記操作用取手44には、その操作に連動して上記シート支持部材32のロック部材37を駆動することにより、上記支持脚体35を起立状態に保持したロック位置からその揺動変位を許容するアンロック位置に変位させるためのワイヤ45が接続されている。そして、車室内の乗員が上記操作用取手44を操作してロックアーム40を駆動することにより、上記乗員用シート3のスライド規制状態を解除する操作を行うと、これに連動して上記ロック部材37をアンロック位置に駆動する駆動力が、上記ワイヤ45介して付与されることにより、上記支持脚体35の揺動変位が許容されるようになっている。
【0043】
このように乗員が上記操作用取手44を操作してロックアーム40による乗員用シート3の規制を解除した状態で、この乗員用シート3を上記内側シートレール13に沿って車両の前後方向に移動させる際には、上記ロック部材37がアンロック位置に駆動されて上記支持脚体35の揺動変位が許容されることにより、乗員用シート3の前後移動時に上記シート支持部材32がNo.4クロスメンバ17の設置部に到達した時点で、このNo.4クロスメンバ17を乗り越えるように上記シート支持部材32が変位することになる。
【0044】
そして、上記後列の乗員用シート3を前後移動させた後、上記ロックアーム40の係止片41を内側シートレール13の係合孔に係合して上記乗員用シート3を移動規制状態とする操作を行うと、自重または図外の捩りコイルばね等からなる付勢手段の付勢力に応じて起立状態となった上記支持脚体35の係合孔に、圧縮コイルばね等からなる付勢部材の付勢力に応じて上記ロック部材37の先端部が嵌入されることにより、上記支持脚体35が起立状態に保持される。この結果、上記乗員用シート3がシート支持部材32によってリヤサイドフレームのアッパ部材11または外側レール11の上面からなるフロア面上に支持されることになる。
【0045】
また、上記乗員用シート3のシートクッション6には、図2および図5等に示すように、該乗員用シート3に着座した乗員を拘束するシートベルト用のバックル47〜49が平面視で上記内側シートレール13と重なる位置、つまり上記乗員用シート3の車幅方向中央側付近に配設されている。そして、上記乗員用シート3の左右に着座した乗員が車体の側部に配設されたリトラクタから引き出したシートベルト(図示せず)に設けられた係止金具を左右のバックル47,49に係合し、かつ上記乗員用シート3の中央部に備えられたシートベルト(図示せず)の係止金具を上記バックル48に係止することにより、上記乗員用シート3に着座した乗員がそれぞれ拘束されて保護されるようになっている。
【0046】
上記のように車室の底部を形成するフロアパネル1と、該フロアパネル1に沿って車体の前後方向に延びるように設置された外側シートレール12および内側シートレール13と、該シートレール12,13に沿って前後移動可能に支持された乗員用シート2,3と、上記フロアパネル1に沿って車幅方向に延びるとともに車室のフロア面よりも上方に突出するように設置されたNo.4クロスメンバ17とを備え、上記乗員用シート3に、No.4クロスメンバ17の前後に跨るようにシートレール13に沿ってスライド変位するスライド部材31と、フロアトリム材21等により形成された車室のフロア面上において上記乗員用シート3を支持するシート支持部材32とを設けるとともに、乗員用シート3の前後移動時に上記シート支持部材32を変位させてNo.4クロスメンバ17を乗り越えさせるように構成したため、上記No.4クロスメンバ17を設けることによる車体の補強機能を充分に確保できるとともに、乗員用シートを広範囲に移動させて多彩なシートアレンジが得られるという利点がある。
【0047】
すなわち、上記実施形態では、後列の乗員用シート3に設けられたスライド部材31を、No.4クロスメンバ17の前後に跨るように設置された内側シートレール13に沿ってスライド変位させるとともに、上記シート支持部材32に設けられたロック部材37による支持脚体35のロック状態を解除して、乗員用シート3の前後移動時に上記支持脚体35を揺動変位させることによりNo.4クロスメンバ17を乗り越えさせるように構成したため、フロアパネル1の上面に設けられた上記No.4クロスメンバ17の上方突出量を大きく設定した場合においても、このNo.4クロスメンバ17に邪魔されることなく、乗員用シート2,3を車両の前後方向に大きく移動させることができる。したがって、上方への突出量が大きい上記No.4クロスメンバ17により車体を補強して車体の剛性を充分に確保しつつ、車室内空間を効率よく利用してシートアレンジを多彩に変化させることができるとともに、通常時には、上記スライド部材31およびシート支持部材32の両方により乗員用シート3を安定して支持できるという利点がある。
【0048】
特に、上記実施形態に示すように、内側シートレール13に沿ってスライド変位する上記スライド部材31と、No.4クロスメンバ17を乗り越えるように変位可能な上記シート支持部材32とを、乗員用シート3の車幅方向に離間させた状態で配設した場合には、簡単な構成で上記乗員用シート3の支持強度を、より向上させることができるため、車両の走行時に乗員用シート3にがたつきが生じること等を効果的に防止して乗員の快適性を充分に確保できるという利点がある。
【0049】
なお、上記実施形態では、シート支持部材32の支持脚体35を揺動変位させることにより、上記No.4クロスメンバ17を乗り越えさせるように構成した例について説明したが、例えば上記支持脚体35を昇降変位させることにより、No.4クロスメンバ17を乗り越えさせるように構成してもよい。また、上記支持脚体35の下端部に必ずしも上記ローラ36を設けた構造とする必要はなく、これを省略した構造としてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、内側シートレール13を、前列シートの近接位置から車体の後端部に至るように設置されたロングレールにより形成し、車室内の前後に配設された複数列の乗員用シート2,3を上記内側シートレール13に沿ってスライド可能に支持したため、簡単な構成で乗員用シート2,3を車両の前後方向に大きく移動させることにより、車室内空間を効率よく利用することができ、シートアレンジを、より多様に変化させることができる。
【0051】
なお、本発明は、上記運転席シートおよび助手席シートからなる前列シートの後方側に中列の乗員用シート2と後列の乗員用シート3とが配設された3列シートタイプの車両に限られず、前列シートとその後方の後列シートとからなる2列シートタイプ、または前列シートの後方に三列以上の後列シートが配設された多列シートタイプの車両にも適用可能である。
【0052】
また、上記実施形態に示すように、乗員用シート3に着座する乗員を拘束するシートベルト用のバックル47〜49を、平面視で上記シートレール13と重なる位置に配設した場合には、上記シートベルトからバックル47〜49を介して乗員用シート3に入力された荷重を、上記シートレール13に伝達して効果的に支持することができる。したがって、車両の衝突時等に大きな荷重が上記シートベルトに作用した場合においても、乗員用シート3のシートクッション6等が変形したり、乗員の拘束力が低下したりする等の問題を生じることなく、乗員の着座姿勢を安定して保持できるという利点がある。
【0053】
特に、上記実施形態では、車幅方向に延びる一体のシートクッション6を備えたベンチシートからなる乗員用シート3の車幅方向中央部側付近に沿って上記内側シートレール13を配設したため、複数の乗員が着座するように構成された上記ベンチシートタイプの乗員用シート3に対し、各乗員を保護するシートベルトから大きな荷重が入力されたとしても、これらの荷重を上記シートレール13にそれぞれ伝達して効果的に支持することにより、各乗員の着座姿勢を安定して保持できるという利点がある。
【0054】
また、上記実施形態に示すように、フロアパネル1の上面左右に車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームのアッパ部材11からなる剛性部材を設置し、このアッパ部材11上に上記シート支持部材32を配設した場合には、上記剛性部材からなるアッパ部材11により車体後部の左右両側辺部を効果的に補強することができるとともに、このアッパ部材11上において上記シート支持部材32による乗員用シート3の支持作用を充分に発揮させることができる。このため、上記乗員用シート3にがたつきが生じるのを効果的に防止して、この乗員用シート3に着座した乗員の快適性を良好状態に維持できるという利点がある。
【0055】
さらに、上記実施形態では、シート支持部材32の支持脚体35がNo.4クロスメンバ17を乗越えるように変位するのを許容するアンロック位置と、この乗越え変位を規制するロック位置とに変位可能なロック部材37を設けるとともに、上記乗員用シート3の前後移動を規制するロックアーム40からなるロック機構のロック解除操作に連動して上記ロック部材37をアンロック位置に駆動するように構成したため、乗員が乗員用シート3を前後移動させる操作を行う際に、上記支持脚体35を自動的に変位可能な状態へと移行させることができる。したがって、上記のように車室のフロア面よりも上方に突出するようにNo.4クロスメンバ17が設置されている場合においても、複雑な操作を要することなく、乗員用シート3を車体の前後方向にスライド変位させる際に、No.4クロスメンバ17を乗り越えるように上記シート支持部材32の支持脚体35を揺動変位させることにより、上記No.4クロスメンバ17に邪魔されることなく、乗員用シート3を車両の前後方向に移動させることができる。
【0056】
また、上記実施形態に示すように、No.4クロスメンバ17を、車室内側に膨出するように設置された左右のリヤホイールハウス9,9間を互いに連結するように配設した場合には、車両の走行時にリヤサスペンションから上記リヤホイールハウス9に入力された荷重や、車両の側突時に入力された側突荷重等を上記No.4クロスメンバ17により効果的に支持することができるため、簡単な構成で車体の剛性および車両の繰安性等を効果的に向上できるという利点がある。
【0057】
上記実施形態では、車幅方向に延びる一体のシートクッション6を備えたベンチシートからなる後列の乗員用シート3を支持する一対の内側シートレール13,13の設置部となる凹入部22を、上記No.4クロスメンバ17に形成したため、図1の仮想線で示すように、No.4クロスメンバ17の上面に内側シートレール13を設置した場合のように上記内側シートレール13,13の設置高さおよび乗員用シート3の上端部3aが上方に位置した状態となるのを防止しつつ、上方への突出量が大きい上記No.4クロスメンバ17によって車体を効果的に補強することができる。
【0058】
なお、上記No.4クロスメンバ17の車幅方向外方側に凹入部22を形成することも考えられるが、このように構成した場合には、リヤサスペンションからリヤホイールハウス9に入力された走行の振動荷重等が集中して作用する部位の強度が低下して上記No.4クロスメンバ17による車体の補強作用を充分に得られない傾向がある。これに対して上記実施形態に示すように、凹入部22をNo.4クロスメンバ17の車幅方向中央部付近に形成した場合には、上記No.4クロスメンバ17による車体の補強作用が充分に得られるため、上記凹入部22を設けることにより内側シートレール13の設置高さをできるだけ低くして車室を低床化しつつ、車体剛性を充分に確保して車両の操安性を効果的に向上できるとともに、側突時に車体の変形を効果的に抑制できる等の利点がある。
【0059】
また、上記実施形態に示すように、シートレール設置用の凹入部22が形成された上記No.4クロスメンバ17の下方に、フロアパネル1の下面に沿って車幅方向に延びる閉断面19を形成する下部フレーム20を設けた構造とした場合は、上記凹入部22が形成されることによるNo.4クロスメンバ17の強度低下を上記下部フレーム20により充分に補うことができるため、車体の剛性を確保しつつ、上記内側シートレール13を低い位置に設置して車室を低床化できるという利点がある。
【0060】
さらに、上記実施形態では、No.4クロスメンバ17に形成された凹入部22と、この凹入部22に設置される内側シートレール13との間に隙間23を形成したため、上記No.4クロスメンバ17の上面に形成される凹入部22を下窄まり形状とすることにより、この凹入部22をプレス加工等の手段で容易に形成することができる。そして、上記隙間23を覆うように補強部材24を設置することにより、この隙間23が形成されることに起因した強度低下を効果的に補うように構成したため、車体の剛性を確保しつつ、上記内側シートレール13を低い位置に設置して車室を低床化できるという利点がある。
【0061】
特に、上記実施形態に示すように、内側シートレール13の側壁面に接合される接合フランジ27からなる接合部を上記補強部材24に設けた構造とした場合には、この補強部材24と内側シートレール13とを強固に結合することができる。したがって、車両の側突時に上記内側シートレール13に入力された荷重を上記補強部材24からNo.4クロスメンバ17に伝達して支持することができるため、車体剛性を簡単な構成で効果的に向上できるという利点がある。
【0062】
なお、上記実施形態では、車両重量および製造コストを極力、低減化できるようにするため、シートクッション6の下面前部のみにシート支持部材32を設けた構成とした例について説明したが、この構成に代え、上記シートクッション6の下面左右両側方部においてその前後両側にシート支持部材32をそれぞれ設けた構造としてもよい。このように構成した場合には、上記シート支持部材32により乗員用シート3を安定して支持することにより、乗員用シート3に着座した乗員の快適性を効果的に維持することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 フロアパネル
2 中列の乗員用シート
3 後列の乗員用シート
6 シートクッション
9 ホイールハウス
11 リヤサイドフレームのアッパ部材
13 シートレール
17 No.4クロスメンバ
20 下部フレーム
21 フロアトリム材(フロア面)
31 スライド部材
32 シート支持部材
35 支持脚体
37 ロック部材(乗越え変位手段)
40 ロックアーム(ロック機構)
44 操作用取手(乗越え変位手段)
45 ワイヤ(乗越え変位手段)
47〜49 バックル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の底部を形成するフロアパネルと、該フロアパネルに沿って車体の前後方向に延びるように設置されたシートレールと、該シートレールに沿って前後移動可能に支持された乗員用シートと、上記フロアパネルに沿って車幅方向に延びるとともに車室内に突出するように設置されたクロスメンバとを備え、上記乗員用シートに、該乗員用シートを支持しつつ、上記シートレールに沿ってクロスメンバの前後に跨るようにスライド変位するスライド部材と、上記車室のフロア面上において乗員用シートを支持するシート支持部材とが設けられるとともに、乗員用シートの前後移動時に上記シート支持部材が変位してクロスメンバを乗り越えるように構成されたことを特徴とする車両の下部車体構造。
【請求項2】
上記スライド部材とシート支持部材とが乗員用シートの車幅方向に離間した位置に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部車体構造。
【請求項3】
上記シートレールは、平面視で車室内の前後方向略中央部位から車室の後方部位に至るように設置されたロングレールからなり、車室内の前後に配設された複数列の乗員用シートが上記ロングレールに沿ってスライド可能に支持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の下部車体構造。
【請求項4】
上記乗員用シートは、該乗員用シートに着座する乗員を拘束するシートベルト用のバックルを有し、該バックルは、平面視で上記シートレールと重なる位置に配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項5】
上記乗員用シートは、車幅方向に延びる一体のシートクッションを備えたベンチシートからなり、該乗員用シートの車幅方向中央部側付近に沿って上記シートレールが配設されたことを特徴とする請求項4に記載の車両の下部車体構造。
【請求項6】
上記フロアパネルの上面左右には車体の前後方向に延びるように剛性部材が設置され、該剛性部材上に上記シート支持部材が配設されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項7】
上記シート支持部材の乗越え変位を許容するアンロック位置と、この乗越え変位を規制するロック位置とに変位可能なロック部材を有し、該ロック部材が、上記乗員用シートの前後移動を規制するロック機構のロック解除操作に連動してアンロック位置に駆動されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造。
【請求項8】
上記クロスメンバは、車室内側に膨出するように設置された左右のリヤホイールハウス間に配設されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−11613(P2011−11613A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156751(P2009−156751)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】