説明

車両の位置合わせ方法およびレベリング・ベンチ装置

【課題】容易かつ迅速で安価に行える、車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法、及び、レベリング・ベンチ装置を提供する。
【解決手段】レベリング・ベンチ装置は、レベリング・ベンチ、支持構造3、複数のビーム5および複数の固定器具7を含み、レベリング・ベンチ上に支持構造が配置され、少なくとも幾つかのビームが支持構造に対して固定され、少なくとも幾つかの固定器具がビームに解除可能に取り付けられ、修理または検査する車両がレベリング・ベンチの上方に配置され、取り付けられた固定器具が、ビームおよび支持構造を水平面において連続的に動かすことにより、車両の特定の基準点を固定器具が規定するように車両に対して位置合わせされ、ビームがレベリング・ベンチに解除可能に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、車両およびその部品の、例えば交通事故で破損した車両本体の、位置合わせおよび検査に関する。本発明は詳しくは、車両の位置合わせ方法およびレベリング・ベンチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両仕様との一致を確実にするために、車両部品の所定の位置を決めて画定するための車両修理システムが開示されている。このシステムでは、数多い車両モデルの各々に対して異なる車両部品の位置を検査して確認するために、システムのベース部品を使用できるように、交換可能なヘッドを解除可能に取り付けることができるカラムを含む共通ベース部品を用いる。交換可能なヘッドの各々は、特定の車両モデルと共に使用されて、その特定の車両モデルの部品の位置を決めるように構成される。
【0003】
車両の様々な部品の位置を検査して確認するために、車両は、レベリング・ベンチの長手方向ビームに取り付けられた幾つかの支持装置または保持装置を用いてレベリング・ベンチに取り付けられる。ヘッドの正確な位置決めを保証するために、車両は、修理作業を開始する前に、ヘッドに対して、またはヘッドが解除可能に取り付けられたカラムに対して位置合わせされなければならない。
【特許文献1】米国特許第4,781,045号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周知の技術における問題点の1つは、車両をヘッド/カラムに対して位置合わせすることが比較的難しいという点である。レベリング・ベンチに対して車両を微調整しなければならないか、または車両に対してレベリング・ベンチを微調整しなければならない。いずれの場合も、非常に重い装置の微調整が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の1つの目的は、車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法であって、従来技術による位置合わせ方法に比べて、容易かつ迅速で安価な方法を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、上記目的を実現する位置合わせ方法を可能にするレベリング・ベンチ装置を提供することである。
特にこれらの目的は、添付の特許請求項による方法およびレベリング・ベンチ装置により達成される。
【0007】
本発明の第1の態様においては、車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法が提供され、レベリング・ベンチ装置は、レベリング・ベンチ、長尺状の支持構造、複数のビームおよび複数の固定器具を含む。この方法において、支持構造がレベリング・ベンチの上部に配置され、ビームが少なくとも水平面において支持構造に対して固定され、固定器具がビームに解除可能または着脱可能に取り付けられ、修理または検査する車両がレベリング・ベンチの上方の位置に配置され、固定器具が、ビームと支持構造とを1つの単位として水平面において連続的または無段階的に動かすことにより、車両の特定の基準点を固定器具が規定するように車両に対して位置合わせされ、少なくとも幾つかのビームまたは長尺状の支持構造がレベリング・ベンチに対して取り外し可能に取り付けられ、これにより、位置合わせされた位置においてビームおよび支持構造がレベリング・ベンチに対して固定される。
【0008】
本発明の第2の態様においては、車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法が提供され、レベリング・ベンチ装置は、レベリング・ベンチ、支持構造および複数の固定器具を含む。この方法において、支持構造がレベリング・ベンチの上部に配置され、固定器具が支持構造に解除可能に取り付けられ、修理または検査する車両がレベリング・ベンチの上方の第1の位置に配置され、固定器具が取り付けられた支持構造を水平面において連続的に動かすことにより、車両の特定の基準点を規定するように固定器具が車両に対して位置合わせされ、支持構造がレベリング・ベンチに対して解除可能に取り付けられ、これにより、位置合わせされた位置において支持構造がレベリング・ベンチに対して固定される。
【0009】
本発明のさらなる態様においては、本発明の第1および第2の態様による位置合わせ方法を実施するために、レベリング・ベンチ装置が提供される。
本発明の1つの利点は、公知技術による場合には複雑で時間も費用もかかる車両とレベリング・ベンチ装置との相互の位置合わせを、まったく行わずに済むことである。重い車両も比較的重いレベリング・ベンチも動かす必要はなく、支持構造、少数のビームおよび幾つかの固定器具を含むかなり軽い装置のみが、位置合わせ作業の際に動かされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、図1〜7を参照して以下にさらに開示されるが、これらの図は、本発明を説明するためにのみ示されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0011】
図1に示されたレベリング・ベンチ装置は、レベリング・ベンチ1、長尺状の支持構造3、数本のビーム5および複数の固定器具7を含む。
レベリング・ベンチ1は、シザー・リフトまたは別の吊り上げ装置の上部に配置され、このような装置は、レベリング・ベンチの支持部として、修理される車両を吊り上げるために部分的に用いられる。
【0012】
長尺状の支持構造は複数の溝穴3aまたは同等物を含んでおり、これらの溝穴がビームのタップ5aまたは同等物と係合できるため、支持構造の延長線(Y方向)に対して直交する(X方向)ように長尺状の支持構造3上にビーム5を配置し、ビーム5を水平面(XY平面)において長尺状の支持構造3に固定できる。ビーム5は、長尺状の支持構造3の溝穴3aから上に持ち上げることにより容易に取り外される。これに代えて、取り外し可能な取り付けまたは固定するための他の手段も利用できる。さらに、これらのビーム5は、垂直方向(Z方向)において長尺状の支持構造3に対して固定するための固定器具を含むことも可能である。
【0013】
長尺状の支持構造は平板として例示されているが、例えば、溝穴、溝または同等物を有し同様に機能する枠組構造等の、異なる構造であってもよい。
溝穴3aは、長尺状の支持構造の延長方向において所望のピッチで配置されることが好ましい。これにより支持部は、有限数の選択可能な定位置で長尺状の支持構造に対して固定することができる。
【0014】
ビーム5は、ねじもしくはボルト、締め付け手段または同等の手段(明確には図示されていない)を用いてレベリング・ベンチ1に解除可能に取り付けることができる。さらに、ビーム5の各々は、図2に示されるように、ビームに沿って配置された4つのねじ穴23からなる複数のグループを含み、固定器具7の1つがビーム5の1つに取り付けられている。4つのねじ穴23からなる1つのグループは、固定器具7の4つのねじ22を受け止めると同時に、固定器具7をビーム5に取り付ける。4つのねじ穴23からなる複数のグループは、ビームの長手方向において所望のピッチで配置されることが好ましい。このことにより、固定器具7は、有限数の選択可能な定位置でビーム5に沿って取り付けることができる。
【0015】
さらに、各固定器具7が、互いに90度の角度をもって隔てられた4つの決まった回転位置において、ビーム5に対して解除可能に取り付けられるように、4つのねじ穴23からなる各グループは、仮想正方形の角に配置されてもよい。
【0016】
各固定器具7は、本発明の一態様において、図2に示されているように、カラム21、アダプタ24およびヘッド27を含む。各カラム21は、ねじ22を含み、ビーム5に対して解除可能に取り付けることができる。さらに、各カラムは、各アダプタ24を挿入できる穴部、および、所望の位置において各アダプタ24を固定するための固定機構25を含む。各カラムの穴部は、水平面においてカラムの回転に対して対称的または非対称的に配置されてもよい。
【0017】
各アダプタ24は、その下部に複数の歯、溝、溝穴またはこれらの同等物を含み、取り付けの際に各カラム21に挿入される。通常、アダプタは、1つの決まった回転位置においてのみ、カラムに挿入することができる。各アダプタ24の歯、溝、溝穴または同等物の1つを各カラムと係合させることにより、カラム21内を段階的に上下移動させて、所望の位置にアダプタ24を固定することができる。これにより、固定器具を有限数の選択可能な所定の高さに取り付けられるように、有限数の選択可能な垂直位置においてカラム21に対して、アダプタ24を解除可能に取り付けることができる。
【0018】
さらに、各アダプタ24は、各ヘッド27が挿入可能な凹部、および、所望の位置において各ヘッド27を固定するための固定機構28を含む。
図3には、アダプタ24および複数の異なるヘッド27が示されている。ヘッドは、2つの異なる回転位置において各アダプタの凹部に収まる下部31を有し、かかる回転位置は、水平面において互いに180度を向く。よって、ヘッド27は、有限数の選択可能な決まった方向にアダプタ24に対して解除可能に取り付けることができる。
【0019】
当然のことながら、固定器具の部品、すなわちカラム、アダプタおよびヘッドは、互いに解除可能に取り付けることのできるこれら3つの部品を固定器具が含む限り、かつ、取り付けられた固定器具の高さを調整するために少なくとも1つの部品を複数の異なる位置に取り付けることができる場合に、上記と異なる外観、係合状態および固定機構を有することができる。
【0020】
図4aおよび4bは、他の実施例であるアダプタ24’を示したものである。その上部には、本実施の形態におけるアダプタ向けに意図されたヘッドを取り付けることのできる4つの異なる位置41a〜41dが存在する。2つの位置41a,41bにおいて、ヘッドは、各位置の両側の2つのクランピング・ワッシャー42の間に固定され、かかるクランピング・ワッシャー42は、ねじ43を用いてアダプタ24’に取り付けられる。他の2つの位置41c,41dにおいて、ヘッドは、ねじによりねじ穴44に固定される。
【0021】
このアダプタの変形物は、第3の位置41cに別のクランピング・ワッシャーを有し、このクランピング・ワッシャーは、ねじによりアダプタに固定される。このことにより、ヘッドを取り付けることができる4つの位置が形成され、それらの位置は、互いに90度の角度をもって隔たっている。
【0022】
カラム21およびアダプタ24は汎用型で、修理または検査するすべての車両に使用できることが好ましい。カラム21は異なる高さで設けることができる。一例としてレベリング・ベンチは、例えば、6通りの異なる高さの、20〜25個のカラムを必要とする場合がある。また、アダプタ24も異なる高さまたは長さで設けることができ、例えば、レベリング・ベンチは、3通りの異なる高さの約20個のアダプタを必要とする場合がある。カラム21とアダプタ24からなるこの一式は、多数の車両モデルに使用できる。アダプタは、2つの変形物、例えば、図4に示された変形物および上記の変形物において提供される。
【0023】
ヘッド27は、取り付けられると修理または検査する車両の特定の基準点を規定するように、特定の車両モデルに合わせて作られる。類似したヘッド27が、2つ以上のモデルに使用される場合もあるが、通常、ヘッド27は、特定の車両モデル向けにセットで製造され販売される。セットは、例えば、約20〜30個のヘッドからなる。このようなセットには、ヘッドと共に使用されるカラムおよびアダプタの他に、車両モデルに対してカラム、アダプタおよびヘッドをどこにどのように取り付けるべきかを記した説明書が提供される。
【0024】
例えば、変形した車両本体部品等の、車両製造者により示された仕様に従って配置および方向付けられていないものは、修理の際に、歪み取り装置(図示せず)を用いて歪みを矯正され、これにより本体部品は、ヘッド27により指定されたものと基準点が一致するように成形され配向させられる。
【0025】
通常、修理店は、市場に出される全ての車両モデルに合わせてヘッド・セットを備えることはなく、これには大変な費用がかかる。通常の場合、修理店は、最も一般的なモデル向けに少数のセットを備えるか、または、セットをまったく備えていない可能性もある。その代わりに、必要な時にセットを注文する。通常、セットは、限られた時間貸し出され、その間に車両の修理が行われる。したがって、ヘッドの輸送が相当な範囲において行われる。
【0026】
本発明によるヘッドの1つの利点は、それらが小型で軽量なことである。ヘッドのセットは、かさばることもなければ、特に重くもなく、周知の技術によって用いられるヘッドと異なり、容易かつ低コストで輸送することができる。例えば、上記の特許文献1で開示されたヘッドは、本発明によるヘッドとアダプタの両方に相当するものであり、このため、固定器具の高さを調整する機能も有する。したがって、そのようなヘッドは、遥かにかさばり重いものになる。
【0027】
また、本発明によるヘッドは、容易かつ安価に製造することができる。
本発明によるアダプタのセットが、修理または検査する全ての車種に使用されるため、取り扱う新しい車種ごとにアダプタを注文する必要がない。
本発明による3つの部分に分けられた固定器具のさらなる利点は、固定器具の所望の高さを得るために、カラムとアダプタを2つ以上の方法で組み合わせることができることである。中間の高さのカラムと中間の高さのアダプタとにより、一定の高さが得られるが、この高さは、より低いカラムとより高いアダプタ、または、より高いカラムとより低いアダプタとにより得ることができる。これにより、より大きな自由度が得られ、一定数の車両モデルに必要とされるカラムの数は、周知の技術による解決法により必要とされる数よりも少なくなる。
【0028】
さらに、当然のことながら、本発明のレベリング・ベンチ装置は、それに代わって可変調整または連続調整向けの構成にすることができる。よって、ビームは、連続的に調整可能な位置で長尺状の支持構造3に対して固定可能であり、固定器具7は、連続的に調整可能な位置でビームに取り付け可能であり、アダプタ24は、固定器具を連続的に調整可能な高さに取り付けられるように、カラム21に解除可能に取り付けることができ、および/または、ヘッド27は、連続かつ調整可能に回転してアダプタ24に解除可能に取り付けることができる。このような場合、他の部品の異なる目盛りが、レベリング・ベンチ装置の取り付けおよび調整を容易にする。
【0029】
次に、図5〜7において、車両に対するカラム、アダプタおよびヘッドの位置合わせの方法の異なる段階における、図1のレベリング・ベンチ装置の斜視図を示し、本発明のこの態様をさらに詳しく説明する。
【0030】
この方法は、図5に示された空の枠組またはレベリング・ベンチ1において行われる。レベリング・ベンチ1は、シザー・リフトまたはその他の吊り上げ装置に取り付けることができる。修理または検査する車両は、レベリング・ベンチ1上で一定の高さに(例えば、吊り上げ装置および幾つかの保持装置を用いて)配置されるため、容易にレベリング・ベンチ装置を取り付けることができる。その後、長尺状の支持構造3がレベリング・ベンチ1上に大まかに配置される。なお、吊り上げ装置や車両は図示されていない。長尺状の支持構造3は、車両の長手方向(Y方向)に対してほぼ平行な方向(Y方向)に配置される。
【0031】
その後、幾つかのビーム5が、少なくとも水平面(XY平面)において長尺状の支持構造3に固定されるが、垂直方向(Z方向)に固定することも可能である。ビーム5の数は、少なくとも2本でなければならず、最大で、使用される数と同数であってもよい。2〜3本または2〜4本のピームが使用されることが好ましい。その結果が図6に示される。
【0032】
次に、固定器具7が、ビーム5に解除可能に取り付けられる。位置合わせに使用される固定器具7の数は、少なくとも2個であることが望ましい。通常、4〜6個の固定器具が使用される。その結果を図7に示す。
【0033】
ビーム5は、長尺状の支持構造3に固定され、固定器具7は、対象となる車両モデルに対応する位置でビーム5に取り付けられる。
その後、車両は、修理または検査の際に置かれる位置まで下げられ、ビーム5と長尺状の支持構造3とを1つの単位として水平面において連続して動かすことにより、固定器具7が車両に対して位置合わせされ、少なくとも2本のビーム5がレベリング・ベンチ1に解除可能に取り付けられ、これにより、ビーム5および長尺状の支持構造3がレベリング・ベンチ1に固定される。図示された例では、2本のビームのみが示されており、これらのビームがレベリング・ベンチ1に取り付けられる。あるいは、車両の位置を下げる代わりに、吊り上げ装置を用いてレベリング・ベンチの位置を上げることもできる。
【0034】
車両が垂直方向においてレベリング・ベンチ装置に対して近ければ近いほど、レベリング・ベンチ装置に対する車両の垂直移動、および、ビーム5と長尺状の支持構造3の1つの単位としての水平移動(位置合わせ)は、ビーム5と長尺状の支持構造3とを徐々に微調整することにより段階的に行うことができる。
【0035】
ビーム5および長尺状の支持構造3は、レベリング・ベンチ1上に配置され、さらに、ビーム5および長尺状の支持構造3を1つの単位として、レベリング・ベンチ1/ビーム5と長尺状の支持構造3との間の摩擦力よりも大きい力で、レベリング・ベンチ1の全域にわたって押すおよび/または引くことにより動かすことが望ましい。
【0036】
このことにより、水平面では車両もレベリング・ベンチ/吊り上げ装置も動かす必要はないが、支持構造、少数のビームおよび幾つかの固定器具を含む極めて軽い装置だけは、位置合わせの際に動かされなければならない。したがって、このような軽い装置は、レベリング・ベンチ/吊り上げ装置の上部に「浮いている」状態になる。
【0037】
さらに、位置合わせが完了すると、少なくとも幾つかの固定器具7に車両の重量の一部を支持させることも可能である。また、図示されていないが、他の保持装置または締結装置を設けることも可能である。
【0038】
次に、この方法においては、車両の位置を変更することなく、車両に必要な他のビームを長尺状の支持構造3に固定し、車両に必要な他の固定器具7をビーム5に取り付ける。図1のレベリング・ベンチと類似する、複数の固定器具を取り付けられた位置合わせ済みのレベリング・ベンチが得られる。
【0039】
上記の位置合わせ方法は、図2〜4に示された固定器具以外の固定器具にも用いることができる。例えば、この方法は、2つの部分からなる固定器具にも用いることができ、その各部分は、上記の特許文献1で開示されているような、支持部に解除可能に取り付けることのできるカラム、およびカラムに解除可能に取り付けることのできるヘッドを含む。また、この方法は、旧来技術において一体に形成された固定器具と共に用いることも可能である。
【0040】
さらに、長尺状の支持構造3およびビーム5は、厚みのある支持構造、枠組構造または構造に置き換えられてもよく、固定器具がこの構造に直接取り付けられる。このような構造は、一体からなってもよく、あるいは、組み立てられてもよい。上記の位置合わせ方法が適用される場合には、この厚みのある支持構造、枠組構造または構造が、その上に少なくとも少数の固定器具を取り付けられて、位置合わせの際に、レベリング・ベンチ1の上方の水平面において動かされる。
【0041】
本明細書に説明されている発明は、図面に示された上記の実施例だけに限定されるものではなく、添付の特許請求項の範囲内において変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明によるレベリング・ベンチ装置示す斜視図。
【図2】本発明によるクロス・バーに取り付けられたカラム、アダプタおよびヘッドを示す斜視図。
【図3】図1のレベリング・ベンチと共に使用するように意図されたアダプタおよび幾つかの異なるヘッドを示す斜視図。
【図4a】図3のカラムと共に使用するように意図された他の実施例のアダプタを示す斜視図。
【図4b】図3のカラムと共に使用するように意図された他の実施例のアダプタを示す斜視図。
【図5】車両に対してカラム、アダプタおよびヘッドを位置合わせする方法の異なる段階における図1のレベリング・ベンチ装置を示す斜視図。
【図6】車両に対してカラム、アダプタおよびヘッドを位置合わせする方法の異なる段階における図1のレベリング・ベンチ装置を示す他の斜視図。
【図7】車両に対してカラム、アダプタおよびヘッドを位置合わせする方法の異なる段階における図1のレベリング・ベンチ装置を示す他の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法であって、該レベリング・ベンチ装置がレベリング・ベンチ(1)、支持構造(3)、複数のビーム(5)および複数の固定器具(7)を備え、該方法が、
該レベリング・ベンチ上に該支持構造を配置する工程と、
少なくとも水平面において該支持構造に対して該ビームを固定する工程と、
該ビームに該固定器具を解除可能に取り付ける工程と、
該レベリング・ベンチ上方の第1の位置に、修理または検査する車両を配置する工程と、
該固定器具が該車両の特定の基準点を規定するように、該ビームと該支持構造を1つの単位として水平面において連続的に動かすことにより、該固定器具を該車両に対して位置合わせする工程と、
該ビームまたは該支持構造の少なくとも幾つかを該レベリング・ベンチに対して解除可能に固定し、これにより、位置合わせした位置において該ビームおよび該支持構造を該レベリング・ベンチに対して固定する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ビームに前記固定器具が取り付けられる前に、前記レベリング・ベンチの上方の第2の位置に、修理または検査する前記車両が配置され、該第2の位置が前記第1の位置よりも高いことと、
前記車両の位置を下げることにより、該車両が該第1の位置に配置されることとを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レベリング・ベンチ装置がさらに複数のビームを備え、該複数のビームまたは前記支持構造の少なくとも1つが該レベリング・ベンチに対して固定された後、該複数のビームが少なくとも水平面において該支持構造に固定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記レベリング・ベンチ装置がさらに複数の固定器具を備え、該固定器具が前記複数のビームに対して取り付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記支持構造が、長尺状をなし、かつ、前記車両の長手方向(Y)に対してほぼ平行な方向(Y)において、前記レベリング・ベンチに対して固定される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ビームが、前記長尺状の支持構造に対して、該支持構造の延長線(Y)に対して垂直(X)方向に固定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ビームが、前記支持構造の延長に沿った有限数の選択可能な位置から選択された位置において、該支持構造に対して固定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記固定器具が、前記ビームの延長線に沿って、有限数の選択可能な位置(23)から選択された位置において前記ビームに取り付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記固定器具の各々が、前記ビームに解除可能に取り付けることのできるカラム、および該カラムに解除可能に取り付けることのできるヘッドを有し、前記ビームに固定器具を取り付ける工程が、前記ビームにカラムを取り付ける工程、および前記カラムにヘッドを取り付ける工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記固定器具を有限数の選択可能な高さから選択された高さに取り付けるために、前記ヘッドが、有限数の選択可能な垂直位置から選択された垂直位置で前記カラムに取り付けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記固定器具の各々が、前記ビームに解除可能に取り付けることのできるカラム(21)、該カラムに解除可能に取り付けることのできるアダプタ(24)、および該アダプタに解除可能に取り付けることのできるヘッド(27)を有し、前記ビームに固定器具を取り付ける工程が、前記ビームにカラムを取り付ける工程、前記カラムにアダプタを取り付ける工程、および前記アダプタにヘッドを取り付ける工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記固定器具を有限数の選択可能な高さから選択された高さに取り付けるために、前記アダプタが、有限数の選択可能な垂直位置から選択された垂直位置で前記カラムに取り付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヘッドが、有限数の選択可能な方向から選択された方向において前記アダプタに取り付けられる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
レベリング・ベンチ(1)、支持構造(3)、複数のビーム(5)および該ビームに解除可能に取り付けることのできる複数の固定器具(7)を含むレベリング・ベンチ装置であって、
該ビームが、少なくとも水平面において該支持構造に対して固定可能であることと、
該ビームと該支持構造が1つの単位として、該レベリング・ベンチ上の水平面を連続的に移動することができ、これにより、修理または検査され、かつ、前記レベリング・ベンチの上方に配置される車両に対して該固定器具の位置合わせが可能となり、該固定器具が、位置合わせされた位置において該車両の特定の基準点を規定することと、
該ビームまたは支持構造の少なくとも幾つかが、該レベリング・ベンチに対して解除可能に固定され、これにより、該車両に対して位置合わせした位置において、該ビームおよび該支持構造を該レベリング・ベンチに対して固定することとを特徴とするレベリング・ベンチ装置。
【請求項15】
前記支持構造が、長尺状をなし、かつ、前記レベリング・ベンチに対して固定されている時に、前記車両の長手方向(Y)に対してほぼ平行な方向(Y)において配置される、請求項14に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項16】
前記ビームが、該支持構造の延長線(Y)に対して垂直(X)方向において、前記長尺状の支持構造に対して固定可能である、請求項15に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項17】
前記ビームが、前記支持構造の延長線に沿って有限数の選択可能な位置において、該支持構造に対して固定可能である、請求項14〜16のいずれか一項に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項18】
前記固定器具が、前記ビームの延長線に沿って有限数の選択可能な位置(23)から選択された位置において、該ビームに対して解除可能に取り付けられる、請求項14〜17のいずれか一項に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項19】
前記固定器具の各々が、前記ビームに対して解除可能に取り付けることのできるカラム、および該カラムに対して解除可能に取り付けることのできるヘッドを含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項20】
前記固定器具の各々が、前記ビームに対して解除可能に取り付けることのできるカラム(21)、該カラムに対して解除可能に取り付けることのできるアダプタ(24)、および該アダプタに対して解除可能に取り付けられことのできるヘッド(27)を含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項21】
前記固定器具を有限数の選択可能な高さに取り付けるために、前記アダプタが、有限数の選択可能な垂直位置において前記カラムに対して解除可能に取り付けられる、請求項20に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項22】
前記ヘッドが、有限数の選択可能な方向において、前記アダプタに対して解除可能に取り付けられる、請求項20または21に記載のレベリング・ベンチ装置。
【請求項23】
車両とレベリング・ベンチ装置とを相互に位置合わせする方法であって、該レベリング・ベンチ装置が、レベリング・ベンチ(1)、支持構造(3)、好ましくは一体型の支持構造、および複数の固定器具(7)を備え、該方法が、
該レベリング・ベンチ上に該支持構造を配置する工程と、
該支持構造に対して該固定器具を解除可能に取り付ける工程と、
該レベリング・ベンチ上方の第1の位置に、修理または検査する車両を配置する工程と、
該固定器具が該車両の特定の基準点を規定するように、該支持構造を水平面において連続的に移動することにより、該固定器具を該車両に対して位置合わせする工程と、
該レベリング・ベンチに対して該支持構造を解除可能に固定して、これにより、位置合わせした位置において該レベリング・ベンチに該支持構造を固定する工程とを含む方法。
【請求項24】
レベリング・ベンチ(1)、支持構造(3)、好ましくは一体型の支持構造、および複数の固定器具(7)を含むレベリング・ベンチ装置であって、該レベリング・ベンチ装置が、
該複数の固定器具を該支持構造に対して解除可能に取り付けることができることと、
該支持構造が、該レベリング・ベンチ上の水平面を連続的に移動することができ、これにより、修理または検査されかつ該レベリング・ベンチ上方に配置される車両に対して、該固定器具の位置合わせが可能となり、該固定器具が、位置合わせされた位置において該車両の特定の基準点を規定することと、
該支持構造を該レベリング・ベンチに対して解除可能に固定することができ、これにより、該車両に対して位置合わせされた位置において、該支持構造を該レベリング・ベンチに対して固定することが可能となることとを特徴とするレベリング・ベンチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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