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車両の制御装置
説明

車両の制御装置

【課題】ハイブリッド車のエネルギ効率を良好にする。
【解決手段】外部の電源から供給された電力を蓄えるバッテリが搭載され、エンジンおよび電動モータのうちの少なくともいずれか一方を駆動源として用いて走行するハイブリッド車の制御装置は、走行パワー、および車速をパラメータとして有し、少なくともエンジンの効率を考慮して定めたマップに従って、エンジンを駆動する走行モードと、エンジンを停止する走行モードとを切り替える。エンジンを停止した場合よりも運転した場合の方がハイブリッド車の総合的な効率がよい走行状態では、エンジンが運転される。逆に、エンジンを運転した場合よりも停止した場合の方がハイブリッド車の総合的な効率がよい走行状態では、エンジンが停止される。エンジンが運転される結果、電動モータへ供給される電力の増大量が抑制され、バッテリの残存容量の低下が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置に関し、特に、外部の電源から供給された電力を蓄えるバッテリが搭載され、エンジンおよび電動モータのうちの少なくともいずれか一方を駆動源として用いて走行する車両を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンおよび電動モータを駆動源として搭載したハイブリッド車が知られている。ハイブリッド車には、電動モータに供給する電力を蓄えるバッテリなどの蓄電装置が搭載されている。バッテリには、エンジンによって駆動される発電機が発電した電力および車両の減速時に電動モータを用いて回生された電力などが充電される。プラグインハイブリッド車とも呼ばれるハイブリッド車では、車両の外部の電源から供給されたバッテリを充電可能である。
【0003】
プラグインハイブリッド車においては、バッテリを満充電状態にすることが可能である。したがって、比較的長い時間、電動モータのみを用いて走行することが可能である。このような特性を利用した方法の1つとして、特開2011−915号公報(特許文献1)に記載されているように、電力コストと燃料コストに応じて、電動モータのみで走行するEV走行領域を増減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電動モータのみで走行可能な距離には限りがあり、バッテリの残存容量が低下すると、エンジンを駆動しなければならない。したがって、たとえば長距離を走行する必要がある場合には、バッテリの残存容量が低下した状態でエンジンを駆動することは避けられない。バッテリの残存容量が低下した状態では、エンジンを電動モータでアシストするために十分な電力を電動モータに供給できないこともあり得る。この場合、エンジンの効率が悪い運転状態においてもエンジンを駆動しなければならない。したがって、総合的なエネルギ効率が悪化し得る。
【0006】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両のエネルギ効率を良好にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
外部の電源から供給された電力を蓄えるバッテリが搭載され、エンジンおよび電動モータのうちの少なくともいずれか一方を駆動源として用いて走行する車両の制御装置は、走行パワー、および車速をパラメータとして有し、少なくともエンジンの効率を考慮して定めたマップに従って、前記エンジンを駆動する走行モードと、前記エンジンを停止する走行モードとを切り替える制御手段とを備える。
【0008】
この構成によれば、エンジンの効率を考慮して、たとえばエンジンの効率がよい走行状態ではエンジンを駆動して、バッテリの残存容量の低下速度を遅くすることができる。そのため、比較的長い距離において、電動モータを用いて車両を走行させるのに必要な電力をバッテリに残すことができる。そのため、エンジンの効率が悪い運転状態ではエンジンを停止させ、電動モータを用いて車両を走行させることが可能な走行距離を長くすることができる。その結果、総合的な車両のエネルギ効率を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プラグインハイブリッド車を示す概略構成図である。
【図2】動力分割機構の共線図を示す図である。
【図3】プラグインハイブリッド車の電気システムを示す図(その1)である。
【図4】プラグインハイブリッド車の電気システムを示す図(その2)である。
【図5】CSモードが選択される領域およびCDモードが選択される領域を示す図である。
【図6】エンジンが駆動する期間を示す図である。
【図7】エンジンの動作点を定める燃費最適ラインを示す図である。
【図8】長距離運転モードにおけるバッテリのSOCを示す図である。
【図9】走行可能距離と走行予定距離とを示す図である。
【図10】バッテリのパワーを増大するために用いられるマップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、プラグインハイブリッド車には、エンジン100と、第1モータジェネレータ110と、第2モータジェネレータ120と、動力分割機構130と、減速機140と、バッテリ150とが搭載される。
【0012】
エンジン100、第1モータジェネレータ110、第2モータジェネレータ120、バッテリ150は、ECU(Electronic Control Unit)170により制御される。ECU170は複数のECUに分割するようにしてもよい。
【0013】
この車両は、エンジン100および第2モータジェネレータ120のうちの少なくともいずれか一方からの駆動力により走行する。すなわち、エンジン100および第2モータジェネレータ120のうちのいずれか一方もしくは両方が、運転状態に応じて駆動源として自動的に選択される。
【0014】
たとえばアクセル開度が小さい場合および車速が低い場合などには、第2モータジェネレータ120のみを駆動源としてプラグインハイブリッド車が走行する。この場合、エンジン100が停止される。ただし、発電などのためにエンジン100が駆動する場合がある。
【0015】
また、アクセル開度が大きい場合、車速が高い場合、バッテリ150の残存容量(SOC:State Of Charge)が小さい場合などには、エンジン100が駆動される。この場合、エンジン100のみ、もしくはエンジン100および第2モータジェネレータ120の両方を駆動源としてプラグインハイブリッド車が走行する。
【0016】
さらに、この車両は、CS(Charge Sustaining)モードとCD(Charge Depleting)モードと、長距離運転モードとのうちのいずれかの制御モードで制御される。たとえば、運転者がスイッチ172をオンにすると、長距離運転モードが選択される。スイッチ172がオフであると、CSモードとCDモードとが自動で切替えられる。
【0017】
CSモードでは、バッテリ150に蓄えられた電力を所定の目標値に維持しながら、プラグインハイブリッド車が走行する。
【0018】
CDモードでは、走行用としてバッテリ150に蓄えられた電力を維持せず、電力を用いて、主に第2モータジェネレータ120の駆動力のみでプラグインハイブリッド車が走行する。ただし、CDモードでは、アクセル開度が高い場合および車速が高い場合などには、駆動力を補うためにエンジン100が駆動され得る。
【0019】
長距離運転モードでは、第2モータジェネレータ120を駆動して走行しつつ、エンジン100の効率が良い走行状態ではエンジン100を駆動し、効率が悪い走行状態ではエンジン100を停止する。
【0020】
CSモードは、HVモードと記載される場合もある。同様に、CDモードは、EVモードと記載される場合もある。なお、CSモード、CDモードおよび長距離運転モードについては後でさらに説明する。
【0021】
エンジン100は、内燃機関である。燃料と空気の混合気が燃焼室内で燃焼することよって、出力軸であるクランクシャフトが回転する。エンジン100から排出される排気ガスは、触媒102によって浄化された後、車外に排出される。触媒102は、温度が所定の活性温度まで増大されることによって浄化作用を発揮する。触媒102の暖機は、排気ガスの熱を利用して行なわれる。触媒102は、たとえば三元触媒である。
【0022】
排気ガスから、エンジン100の空燃比が空燃比センサ104により検出される。また、エンジン100の冷却水の温度は、温度センサ106により検出される。空燃比センサ104の出力および温度センサ106の出力は、ECU170に入力される。
【0023】
エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120は、動力分割機構130を介して接続されている。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構130により、2経路に分割される。一方は減速機140を介して前輪160を駆動する経路である。もう一方は、第1モータジェネレータ110を駆動させて発電する経路である。
【0024】
第1モータジェネレータ110は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第1モータジェネレータ110は、動力分割機構130により分割されたエンジン100の動力により発電する。第1モータジェネレータ110により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ150の残存容量の状態に応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時では、第1モータジェネレータ110により発電された電力はそのまま第2モータジェネレータ120を駆動させる電力となる。一方、バッテリ150のSOCが予め定められた値よりも低い場合、第1モータジェネレータ110により発電された電力は、後述するインバータにより交流から直流に変換される。その後、後述するコンバータにより電圧が調整されてバッテリ150に蓄えられる。
【0025】
第1モータジェネレータ110が発電機として作用している場合、第1モータジェネレータ110は負のトルクを発生している。ここで、負のトルクとは、エンジン100の負荷となるようなトルクをいう。第1モータジェネレータ110が電力の供給を受けてモータとして作用している場合、第1モータジェネレータ110は正のトルクを発生する。ここで、正のトルクとは、エンジン100の負荷とならないようなトルク、すなわち、エンジン100の回転をアシストするようなトルクをいう。なお、第2モータジェネレータ120についても同様である。
【0026】
第2モータジェネレータ120は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第2モータジェネレータ120は、バッテリ150に蓄えられた電力および第1モータジェネレータ110により発電された電力のうちの少なくともいずれかの電力により駆動する。
【0027】
第2モータジェネレータ120の駆動力は、減速機140を介して前輪160に伝えられる。これにより、第2モータジェネレータ120はエンジン100をアシストしたり、第2モータジェネレータ120からの駆動力により車両を走行させたりする。なお、前輪160の代わりにもしくは加えて後輪を駆動するようにしてもよい。
【0028】
プラグインハイブリッド車の回生制動時には、減速機140を介して前輪160により第2モータジェネレータ120が駆動され、第2モータジェネレータ120が発電機として作動する。これにより第2モータジェネレータ120は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。第2モータジェネレータ120により発電された電力は、バッテリ150に蓄えられる。
【0029】
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から構成される。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤが自転可能であるように支持する。サンギヤは第1モータジェネレータ110の回転軸に連結される。キャリアはエンジン100のクランクシャフトに連結される。リングギヤは第2モータジェネレータ120の回転軸および減速機140に連結される。
【0030】
エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が、遊星歯車からなる動力分割機構130を介して連結されることで、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の回転数は、図2で示すように、共線図において直線で結ばれる関係になる。
【0031】
図1に戻って、バッテリ150は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリ150の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ150には、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の他、車両の外部の電源から供給される電力が充電される。なお、バッテリ150の代わりにもしくは加えてキャパシタを用いるようにしてもよい。
【0032】
図3を参照して、プラグインハイブリッド車の電気システムについてさらに説明する。プラグインハイブリッド車には、コンバータ200と、第1インバータ210と、第2インバータ220と、SMR(System Main Relay)230と、充電器240と、インレット250とが設けられる。
【0033】
コンバータ200は、リアクトルと、二つのnpn型トランジスタと、二つダイオードとを含む。リアクトルは、各バッテリの正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続点に他端が接続される。
【0034】
2つのnpn型トランジスタは、直列に接続される。npn型トランジスタは、ECU170により制御される。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードがそれぞれ接続される。
【0035】
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
【0036】
バッテリ150から放電された電力を第1モータジェネレータ110もしくは第2モータジェネレータ120に供給する際、電圧がコンバータ200により昇圧される。逆に、第1モータジェネレータ110もしくは第2モータジェネレータ120により発電された電力をバッテリ150に充電する際、電圧がコンバータ200により降圧される。
【0037】
コンバータ200と、各インバータとの間のシステム電圧VHは、電圧センサ180により検出される。電圧センサ180の検出結果は、ECU170に送信される。
【0038】
第1インバータ210は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、第1モータジェネレータ110の各コイルの中性点112とは異なる端部にそれぞれ接続される。
【0039】
第1インバータ210は、バッテリ150から供給される直流電流を交流電流に変換し、第1モータジェネレータ110に供給する。また、第1インバータ210は、第1モータジェネレータ110により発電された交流電流を直流電流に変換する。
【0040】
第2インバータ220は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、第2モータジェネレータ120の各コイルの中性点122とは異なる端部にそれぞれ接続される。
【0041】
第2インバータ220は、バッテリ150から供給される直流電流を交流電流に変換し、第2モータジェネレータ120に供給する。また、第2インバータ220は、第2モータジェネレータ120により発電された交流電流を直流電流に変換する。
【0042】
コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220は、ECU170により制御される。
【0043】
SMR230は、バッテリ150と充電器240との間に設けられる。SMR230は、バッテリ150と電気システムとを接続した状態および遮断した状態を切換えるリレーである。SMR230が開いた状態であると、バッテリ150が電気システムから遮断される。SMR230が閉じた状態であると、バッテリ150が電気システムに接続される。
【0044】
すなわち、SMR230が開いた状態であると、バッテリ150が、コンバータ200および充電器240などから電気的に遮断される。SMR230が閉じた状態であると、バッテリ150が、コンバータ200および充電器240などと電気的に接続される。
【0045】
SMR230の状態は、ECU170により制御される。たとえば、ECU170が起動すると、SMR230が閉じられる。ECU170が停止する際、SMR230が開かれる。
【0046】
充電器240は、バッテリ150とコンバータ200との間に接続される。図4に示すように、充電器240は、AC/DC変換回路242と、DC/AC変換回路244と、絶縁トランス246と、整流回路248とを含む。
【0047】
AC/DC変換回路242は、単相ブリッジ回路から成る。AC/DC変換回路242は、ECU170からの駆動信号に基づいて、交流電力を直流電力に変換する。また、AC/DC変換回路242は、コイルをリアクトルとして用いることにより電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路としても機能する。
【0048】
DC/AC変換回路244は、単相ブリッジ回路から成る。DC/AC変換回路244は、ECU170からの駆動信号に基づいて、直流電力を高周波の交流電力に変換して絶縁トランス246へ出力する。
【0049】
絶縁トランス246は、磁性材から成るコアと、コアに巻回された一次コイルおよび二次コイルを含む。一次コイルおよび二次コイルは、電気的に絶縁されており、それぞれDC/AC変換回路244および整流回路248に接続される。絶縁トランス246は、DC/AC変換回路244から受ける高周波の交流電力を一次コイルおよび二次コイルの巻数比に応じた電圧レベルに変換して整流回路248へ出力する。整流回路248は、絶縁トランス246から出力される交流電力を直流電力に整流する。
【0050】
AC/DC変換回路242とDC/AC変換回路244との間の電圧(平滑コンデンサの端子間電圧)は、電圧センサ182により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。また、充電器240の出力電流は、電流センサ184により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。さらに、充電器240の温度は、温度センサ186により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。
【0051】
インレット250は、たとえばプラグインハイブリッド車の側部に設けられる。インレット250には、プラグインハイブリッド車と外部の電源402とを連結する充電ケーブル300のコネクタ310が接続される。
【0052】
充電ケーブル300のプラグ320は、家屋に設けられたコンセント400に接続される。コンセント400には、プラグインハイブリッド車の外部の電源402から交流電力が供給される。
【0053】
充電ケーブル300によりプラグインハイブリッド車と外部の電源402とが連結された状態において、外部の電源402から供給された電力がバッテリ150に充電される。バッテリ150の充電時には、SMR230が閉じられる。
【0054】
以下、CSモード、CDモードおよび長距離運転モードについてさらに説明する。たとえば、長距離運転モードが選択されていなければ、図5に示すように、バッテリ150のSOCがしきい値以下である場合、CSモードが選択される。バッテリ150のSOCがしきい値よりも大きい場合、CDモードが選択される。CSモードおよびCDモードの選択方法は、これに限定されない。
【0055】
CSモードおよびCDモードでは、エンジン100および第2モータジェネレータ120のうちの少なくともいずれか一方からの駆動力によりプラグインハイブリッド車が走行する。
【0056】
図6に示すように、プラグインハイブリッド車の走行パワーがエンジン始動しきい値より小さいと、第2モータジェネレータ120の駆動力のみを用いてプラグインハイブリッド車が走行する。したがって、エンジン始動しきい値以上であった走行パワーが、エンジン始動しきい値まで低下すると、エンジン100を停止すべく、点火およびエンジン100への燃料供給(燃料噴射)が停止される。
【0057】
一方、プラグインハイブリッド車の走行パワーがエンジン始動しきい値以上になると、エンジン100が駆動される。これにより、第2モータジェネレータ120の駆動力に加えて、もしくは代わりに、エンジン100の駆動力を用いてプラグインハイブリッド車が走行する。また、エンジン100の駆動力を用いて第1モータジェネレータ110が発電した電力が第2モータジェネレータ120に直接供給される。
【0058】
図6から明らかなように、CSモードでプラグインハイブリッド車が制御される領域は、エンジン100が停止される領域と、エンジン100が駆動される領域とを含む。同様に、CDモードでプラグインハイブリッド車が制御される領域は、エンジン100が停止される領域と、エンジン100が駆動される領域とを含む。
【0059】
走行パワーは、たとえば、ドライバにより操作されるアクセルペダルの開度(アクセル開度)および車速などをパラメータに有するマップに従ってECU170により算出される。なお、走行パワーを算出する方法はこれに限らない。
【0060】
CDモードにおけるエンジン始動しきい値は、CSモードにおけるエンジン始動しきい値よりも大きい。すなわち、CDモードにおいてエンジン100が停止し、第2モータジェネレータ120の駆動力のみでプラグインハイブリッド車が走行する領域は、CSモードにおいてエンジン100が停止し、第2モータジェネレータ120の駆動力のみでプラグインハイブリッド車が走行する領域よりも大きい。よって、CDモードでは、エンジン100を停止し、主に第2モータジェネレータ120の駆動力のみでプラグインハイブリッド車が走行するように制御される。一方、CSモードにおいてエンジン100が駆動する頻度は、CDモードにおいてエンジン100が駆動する頻度よりも高い。そのため、CSモードでは、エンジン100および第2モータジェネレータ120の両方を用いて効率よくプラグインハイブリッド車が走行するように制御される。
【0061】
以下、CSモードにおけるエンジン始動しきい値を第1エンジン始動パワーとも記載する。CDモードにおけるエンジン始動しきい値を第2エンジン始動パワーとも記載する。図6に示すように、第2エンジン始動パワーは、第1エンジン始動パワーよりも大きい。
【0062】
CDモードにおいてバッテリ150に充電される電力は、CSモードにおいてバッテリ150に充電される電力に比べて小さくされる。具体的には、CSモードでは、バッテリ150の充電電力がバッテリ150のSOCに応じて定められる。エンジン100は、定められた充電電力に相当する電力を、第1モータジェネレータ110を用いて発電できるように駆動される。一方、CDモードでは、通常、バッテリ150の充電電力が零に定められる。すなわち、CDモードでは、回生制動により得られた電力はバッテリ150に充電されるが、バッテリ150を充電することを目的としたエンジン100の駆動は行なわれない。
【0063】
したがって、CDモードでは、バッテリ150に蓄えられた電力、特に、プラグインハイブリッド車の外部の電源402から供給された電力が積極的に消費される。その結果、CDモードでは、CSモードに比べて、エンジン100を停止すべく、点火およびエンジン100への燃料供給(燃料噴射)が頻繁に停止され得る。すなわち、CDモードでは、CSモードに比べて、エンジン100の運転の機会が制限される。
【0064】
図7に示すように、エンジン100の動作点、すなわちエンジン回転数NEおよび出力トルクTEは、出力パワーと最適燃費ラインとの交点により定まる。出力パワーは、等パワー線によって示される。最適燃費ラインは、エンジン100の効率がよい動作点を結ぶ曲線である。最適燃費ラインは、実験およびシミュレーションの結果に基づいて、開発者により予め定められる。
【0065】
長距離運転モードが選択された場合、走行パワーおよび車速をパラメータとして有する最適効率動作点マップを用いて、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。
【0066】
最適効率動作点マップは、エンジン100の効率、種々の損失等を考慮して、ハイブリッド車の総合的な効率が最も良くなる動作点として、実験およびシミュレーション等の結果に基づいて開発者により予め作成される。
【0067】
長距離運転モードにおいては、最適効率動作点マップに従って、エンジン100の動作点(たとえば出力パワーおよび回転数)と、バッテリ150の動作点(たとえばパワー)すなわち第2モータジェネレータ120の動作点(たとえばパワー)が決定される。ただし、上述したCDモードとは異なり、走行パワーが正の場合、バッテリ150のパワーは正となる。したがって、バッテリ150から電力が放電され、第2モータジェネレータ120が駆動する。
【0068】
最適効率動作点マップに従ってエンジン100の動作点を定めた結果、長距離運転モードにおいては、エンジン100を停止した場合よりも運転した場合の方がハイブリッド車の総合的な効率がよい走行状態(走行パワーと車速との組合せ)では、エンジン100が運転される。逆に、エンジン100を運転した場合よりも停止した場合の方がハイブリッド車の総合的な効率がよい走行状態では、エンジン100が停止される。
【0069】
したがって、図8に示すように、走行パワーが増大すると、CDモードでは第2モータジェネレータ120へ供給される電力が増大することに起因してバッテリ150のSOCが急減する一方で、長距離運転モードではエンジン100が運転される結果、第2モータジェネレータ120へ供給される電力の増大量が抑制され、CDモードに比べてSOCの低下速度が抑制される。
【0070】
そのため、より長距離にわたって、第2モータジェネレータ120のみで車両を走行させるのに必要な電力をバッテリ150に蓄えておくことができる。よって、エンジン100の効率が悪い運転状態ではエンジン100を停止し、第2モータジェネレータ120を用いて車両を走行させることが可能な走行距離を長くすることができる。したがって、総合的な車両のエネルギ効率を良好にすることができる。
【0071】
なお、CDモードでの航続距離と、長距離運転モードでの航続距離との関係は、各モードでの航続距離を記憶することにより把握できるため、CDモードでの航続距離に加えて、長距離運転モードでの航続距離をメータ等に表示するようにしてもよい。さらに、長距離運転モードでの走行可能距離を実態に応じて学習するようにしてもよい。
【0072】
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図9に示すように、長距離運転モードでの走行可能距離が、ユーザが入力した走行予定距離よりも長い場合は、走行可能距離と走行予定距離との差に応じて、バッテリ150から放電される電力(パワー)を増大するとともに、エンジン100の出力パワーを低減する点で、前述の第1の実施の形態と相違する。
【0073】
走行可能距離は、バッテリ150のSOC、SOCの低下率、車速、アクセル開度などをパラメータとして有し、予め開発者により作成されたマップに基づいてECU170が算出する。走行可能距離を算出する方法はこれに限定されない。ユーザの使用状況を考慮して走行可能距離を学習するようにしてもよい。
【0074】
走行予定距離は、入力インターフェースなどを利用してユーザが手動で入力する。携帯電話等を利用することにより走行予定距離を入力するようにしてもよい。ナビゲーションシステムに登録された目的地までの距離を走行予定距離として用いてもよい。
【0075】
バッテリ150から放電される電力(すなわち第2モータジェネレータ120のパワー)は、たとえば図10に示すマップに従って定められる定数を、第1の実施の形態において説明した最適効率動作点マップに従って決定されたバッテリ150のパワーに乗算することにより増大される。なお、定数は図10に示すものに限定されない。
【0076】
図10に示すように、定数を定めたマップは、少なくとも、走行可能距離と走行予定距離との差と、SOCとをパラメータとして有する。所定の定数を最適効率動作点マップに従って決定されたバッテリ150のパワーに加算するようにしてもよい。
【0077】
バッテリ150のパワーを増大した分だけ、エンジン100の出力パワーが低減される。エンジン100の出力パワーが低減されることに起因して、エンジン100の動作点は、燃費最適ラインに沿って変化する。
【0078】
このようにすれば、目的地に到着した際にバッテリ150に残っている、車両の外部の電源402によって充電された電力を低減することができる。そのため、外部の電源402によって充電された電力を無駄なく消費できる。
【0079】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
100 エンジン、102 触媒、110 第1モータジェネレータ、120 第2モータジェネレータ、130 動力分割機構、140 減速機、150 バッテリ、160 前輪、170 ECU、172 スイッチ、200 コンバータ、210 第1インバータ、220 第2インバータ、240 充電器、242 AC/DC変換回路、244 DC/AC変換回路、246 絶縁トランス、248 整流回路、250 インレット、300 充電ケーブル、310 コネクタ、320 プラグ、400 コンセント、402 電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の電源から供給された電力を蓄えるバッテリが搭載され、エンジンおよび電動モータのうちの少なくともいずれか一方を駆動源として用いて走行する車両の制御装置であって、
走行パワー、および車速をパラメータとして有し、少なくともエンジンの効率を考慮して定めたマップに従って、前記エンジンを駆動する走行モードと、前記エンジンを停止する走行モードとを切り替える制御手段とを備える、車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−254763(P2012−254763A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130142(P2011−130142)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】