説明

車両の制御装置

【課題】この発明は、異常燃焼が発生した場合でも、ロックアップ油圧を適切に制御し、車両の加速度変動を許容範囲内に保持することを目的とする。
【解決手段】本発明の車両は、エンジン10と、ロックアップクラッチ56が搭載された自動変速機40とを備える。ロックアップクラッチ56は、ロックアップ油圧により制御され、自動変速機40のポンプインペラ46とタービンランナ48との締結及び締結解除を実行する。ECU80は、エンジン10の異常燃焼を検出した場合に、車両の加速度変動を許容範囲内に収めることが可能な目標ロックアップ油圧を算出し、ロックアップ油圧を目標ロックアップ油圧と一致させる。これにより、異常燃焼の発生時にエンジン10の回転上昇や車両の加速度変動を抑制することができ、エンジン10の負荷を軽減しつつ、運転性を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に用いられる車両の制御装置に関し、特に、自動変速機にロックアップクラッチが搭載された車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば特許文献1(特開2011−112115号公報)に開示されているように、摩擦締結要素(ロックアップクラッチ)を有する自動変速機を搭載したシステムが知られている。従来技術では、異常燃焼が発生した場合に、ロックアップクラッチに供給される油圧(ロックアップ油圧)を締結維持に必要な油圧よりも減少させ、ロックアップクラッチを意図的にスリップさせる構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−112115号公報
【特許文献2】特開平7−25269号公報
【特許文献3】特開2010−151021号公報
【特許文献4】特開2005−330847号公報
【特許文献5】特開平11−059232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、異常燃焼が発生した場合に、ロックアップクラッチを意図的にスリップさせる構成としている。しかし、この構成では、ロックアップ油圧を適切に制御しないと、エンジン回転数が過剰に上昇し、車両の加速度変動が増加する虞れがあり、運転性が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、異常燃焼が発生した場合でも、ロックアップ油圧を適切に制御し、車両の加速度変動を許容範囲内に保持することが可能な車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、筒内で燃料を燃焼させることにより出力軸を回転させる内燃機関と、
内燃機関の出力軸に連結された入力部材と車両の駆動軸に連結された出力部材とを有し、これらの入力部材及び出力部材を経由して前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達する自動変速機と、
前記自動変速機の入力部材と出力部材との間に介在し、外部から入力されるロックアップ油圧に応じて前記入力部材と前記出力部材との締結及び締結解除を実行すると共に締結時のスリップ率を調整することが可能なロックアップクラッチと、
内燃機関の筒内で発生する異常燃焼を検出する異常燃焼検出手段と、
前記異常燃焼の発生時に生じる車両の加速度変動を許容範囲内に収めることが可能な目標ロックアップ油圧を算出する目標ロックアップ油圧算出手段と、
前記異常燃焼検出手段により異常燃焼を検出した場合に、前記ロックアップ油圧を前記目標ロックアップ油圧と一致させる異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、車両の運転時に許容される加速度変動の上限値である許容加速度変化量を、車両の速度及び加速度に基いて算出する許容加速度変化量算出手段を備え、
前記目標ロックアップ油圧算出手段は、少なくとも前記許容加速度変化量に基いて前記目標ロックアップ油圧を算出する構成としている。
【0008】
第3の発明は、前記異常燃焼を表す指標及び/又は前記異常燃焼の発生頻度に基いて前記許容加速度変化量を補正する燃焼対応補正手段を備える構成としている。
【0009】
第4の発明は、車両の速度と前記許容加速度変化量とに基いて車両の目標加速度を算出する目標加速度算出手段と、
既知である車両の慣性、前記自動変速機により設定された変速比及び前記目標加速度に基いて、前記自動変速機の出力部材側で得られるべき目標トルクを算出し、当該目標トルクに基いて前記出力部材の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、を備え、
前記目標ロックアップ油圧算出手段は、前記出力部材の目標回転数と内燃機関の機関回転数との差分に基いて前記目標ロックアップ油圧を算出する構成としている。
【0010】
第5の発明は、前記異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が減少した場合に、前記許容加速度変化量を補正するアクセル対応補正手段を備える構成としている。
【0011】
第6の発明は、前記異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が増加した場合に、前記自動変速機により設定される変速比を増加させる変速比可変手段を備える構成としている。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、異常燃焼の発生時にロックアップクラッチを適度にスリップさせ、異常燃焼時のトルク変動が大きな加速度変動となって車両に作用するのを回避することができる。これにより、内燃機関の回転が過剰に上昇するのを防止しつつ、車両の加速度変動を許容範囲内に収めることができ、運転性を確保することができる。また、異常燃焼により発生した大きなトルクを自動変速機側に逃がすことができるので、内燃機関の部品が過剰な負荷により損傷するのを防止し、内燃機関の負荷を軽減することができる。
【0013】
第2の発明によれば、車両の速度及び加速度に基いて許容加速度変化量を算出することができる。そして、この許容加速度変化量を目標ロックアップ油圧に反映させることにより、車両の加速度変動が許容範囲内に収まるように、ロックアップ油圧を適切に制御することができる。
【0014】
第3の発明によれば、燃焼対応補正手段は、異常燃焼を表す指標及び/又は異常燃焼の発生頻度に基いて許容加速度変化量を補正することができる。これにより、異常燃焼のレベルが大きい場合には、ロックアップクラッチのスリップ率を増加させ、内燃機関側の大きなトルク変動が車両側に伝達し難い状態を実現し、運転性の悪化を最小限に抑えることができる。また、異常燃焼のレベルが小さい場合には、ロックアップクラッチのスリップ率が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
【0015】
第4の発明によれば、車両の速度と、異常燃焼のレベルが反映された許容加速度変化量とに基いて車両の目標加速度を算出することができる。そして、車両の慣性、変速比及び目標加速度に基いて自動変速機の目標トルクを算出し、該目標トルクに基いて出力部材の目標回転数を設定することができる。これにより、目標ロックアップ油圧算出手段は、出力部材の目標回転数と内燃機関の機関回転数との差分に基いて目標ロックアップ油圧を算出することができ、異常燃焼のレベルに応じて目標ロックアップ油圧を適切に設定することができる。
【0016】
第5の発明によれば、異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が減少した場合には、加速度変動が過大であったために運転者がアクセルペダルの踏込みを緩めたと判定し、この判定に基いて許容加速度変化量を補正することができる。これにより、運転者の希望や感性に応じて運転性を適切に変更しつつ、異常燃焼による内燃機関のダメージを軽減することができる。
【0017】
第6の発明によれば、異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が増加した場合には、運転者が加速動作を行ったものと判定し、自動変速機のギア比を加速するように変更(シフトダウン)することができる。これにより、運転者の希望や感性に応じて運転性を適切に変更しつつ、異常燃焼による内燃機関のダメージを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。
【図2】車両の速度及び加速度に基いて許容加速度変化量を算出するための特性線図である。
【図3】本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2において、許容加速度変化量の補正マップを示す特性線図である。
【図5】異常燃焼を表す指標及び異常燃焼の発生頻度に基いて実行される学習制御の実行領域を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3において、許容加速度変化量の補正マップを示す特性線図である。
【図8】本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態5において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。本実施の形態のシステムは、例えば多気筒型の内燃機関としてのエンジン10と、自動変速機40とを備えており、これらは図示しない車両に搭載されている。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が画成されており、ピストン12は、エンジン10の出力軸であるクランク軸16にコンロッド等を介して連結されている。また、エンジン10は、各気筒の燃焼室14内(筒内)に吸入空気を吸込む吸気通路18と、各気筒から排気ガスが排出される排気通路20とを備えている。
【0020】
吸気通路18は、下流側が分岐して各気筒の吸気ポートにそれぞれ接続されている。吸気通路18には、アクセル開度等に基いて筒内への吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22と、各気筒の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁24とが設けられている。また、各気筒には、筒内の混合気に点火する点火プラグ26と、吸気ポートを筒内に対して開,閉する吸気バルブ28と、筒内を排気ポートに対して開,閉する排気バルブ30とが設けられている。
【0021】
次に、エンジン10に連結された自動変速機40について説明する。自動変速機40は、トルクコンバータ42、変速機構50及びロックアップクラッチ56を備えている。トルクコンバータ42は、オイル等の流体を利用して、エンジン10から入力された動力を変速機構50に伝達する公知の機器である。詳しく述べると、トルクコンバータ42は、オイルが充填されたハウジング44と、ハウジング44内に配置された入力部材としてのポンプインペラ46と、ポンプインペラ46と対向配置された出力部材としてのタービンランナ48とを備えている。
【0022】
ポンプインペラ46は、エンジン10のクランク軸16に連結されており、クランク軸16と一体に回転する。タービンランナ48は、変速機構50の入力軸52と連結されており、入力軸52と一体に回転する。ここで、変速機構50は、入力軸52と出力軸54とを有し、入力軸52の回転を変速して出力軸54に伝達するものである。変速機構50(自動変速機40)の出力軸54は、図示しないディファレンシャルギアおよびドライブシャフトを介して車両の駆動軸に連結されており、車両の駆動輪に動力を伝達する。
【0023】
ロックアップクラッチ56は、トルクコンバータ42のポンプインペラ46とタービンランナ48との間に介在し、両者の締結状態を制御する公知の機構である。詳しく述べると、ロックアップクラッチ56は、例えば油圧回路に接続された電磁式のロックアップ制御弁58により制御されるもので、その作動状態は、ロックアップ制御弁58に供給される油圧(ロックアップ油圧)に応じて締結状態、締結解除状態及びスリップ状態に切換えられる。締結状態では、ポンプインペラ46とタービンランナ48(クランク軸16と入力軸52)が直結された状態で一体に回転する。締結解除状態では、ポンプインペラ46の回転がオイルを介してタービンランナ48に伝達される。スリップ状態では、ポンプインペラ46とタービンランナ48とがスリップしながら一緒に回転し、このときのスリップの度合い(スリップ率)は、ロックアップ油圧に応じて調整される。
【0024】
次に、本実施の形態のシステムの制御系統について説明する。本実施の形態の車両に搭載されたセンサ系統には、クランク角センサ60、スロットルセンサ62、アクセルセンサ64、タービン回転数センサ68及びギア位置センサ70が含まれている。ここで、クランク角センサ60は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、スロットルセンサ62は、スロットルバルブ22の開度(スロットル開度)を検出し、アクセルセンサ64は、アクセルペダル66の操作量(アクセル開度)を検出する。また、タービン回転数センサ68は、自動変速機40のタービンランナ48の回転数であるタービン回転数を検出するもので、ギア位置センサ70は、変速機構50のギア位置を検出する。
【0025】
また、センサ系統には、エンジン水温センサ72、トランスミッション油温センサ(TM油温センサ)74、筒内圧センサ76、車速センサ78等が含まれている。エンジン水温センサ72は、エンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出するもので、TM油温センサ74は、変速機構50の潤滑油の温度(TM油温)を検出する。また、筒内圧センサ76は、エンジン10の各気筒にそれぞれ設けられ、各気筒の筒内圧を検出する。車速センサ78は、車両の速度(車速)を検出する。センサ系統には、この他にも、吸入空気量を検出するエアフローセンサ等が含まれている。
【0026】
また、本実施の形態のシステムは、車両及びエンジンの運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)80を備えている。ECU80は、記憶回路を備えた演算処理装置により構成され、その入力側には、センサ系統の各センサが接続されている。また、ECU80の出力側には、スロットルバルブ22、燃料噴射弁24、点火プラグ26、ロックアップ制御弁58等のアクチュエータが接続されている。そして、ECU80は、エンジンの運転情報をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動し、運転制御を実行する。具体的には、クランク角センサ60の出力に基いてエンジン回転数(機関回転数)とクランク角とを検出し、エアフローセンサの出力に基いて吸入空気量を算出する。また、吸入空気量、エンジン回転数等に基いてエンジンの負荷(負荷率)を算出する。そして、クランク角に基いて燃料噴射時期や点火時期を決定し、これらの時期が到来したときには、燃料噴射弁24や点火プラグ26を駆動する。これにより、筒内で混合気を燃焼させ、エンジンを運転することができる。
【0027】
また、エンジンの運転時には、クランク軸16により自動変速機40のポンプインペラ46が回転されると、この回転がオイルを介してタービンランナ48に伝達される。これにより、クランク軸エンジン10の回転は、トルクコンバータ42を介して変速機構50に伝達され、変速機構50のギア位置に応じて変速される。そして、この回転は、車両の駆動軸を介して駆動輪に伝達され、車両を走行させる。このとき、車両に搭載されたAT用ECU(図示せず)は、運転者のギアシフト操作、アクセル操作、車両の走行状態等に応じて変速機構50のギア位置を変化させる自動変速制御を実行する。また、AT用ECUは、必要に応じてロックアップクラッチ56の締結状態を変化させることにより、ポンプインペラ46とタービンランナ48との締結及び締結解除を行ったり、両者のスリップ率を調整するロックアップ制御を実行する。なお、これらの制御は、ECU80により実行してもよい。
【0028】
[実施の形態1の特徴]
エンジンで異常燃焼が生じた場合には、燃焼圧(筒内圧)のピークが通常の燃焼時よりも増加するので、コンロッド等を含むエンジンの部品が損傷したり、エンジンのトルク変動により車両の加速度変動が生じて運転性が悪化する虞れがある。一方、異常燃焼の発生時には、エンジンの負荷を軽減し、また運転性を確保するために、ロックアップクラッチ56を解除することも考えられる。しかし、単にロックアップクラッチ56を解除した場合には、エンジンから自動変速機への動力伝達が急激に変化して運転性が悪化し易い。このため、本実施の形態では、例えば筒内圧センサ76の出力(筒内圧の最大値であるPmax等)に基いて、筒内での異常燃焼の発生を検出する。そして、異常燃焼を検出した場合には、自動変速機40のロックアップ油圧を通常の燃焼時よりも低下させ、ロックアップクラッチ56を必要最小限だけスリップさせる。これにより、異常燃焼によるトルク変動を逃がしつつ、運転性を確保する構成としている。具体的に述べると、異常燃焼時には、車両の加速度変動を許容範囲内に収めることが可能な目標ロックアップ油圧を算出し、ロックアップ油圧が目標ロックアップ油圧と一致させる異常燃焼時ロックアップ油圧制御を実行する。以下、この制御について説明する。
【0029】
(異常燃焼時ロックアップ油圧制御)
図2は、車両の速度及び加速度に基いて許容加速度変化量を算出するための特性線図である。この図に示すデータマップは、許容量マップとしてECU80に予め記憶されている。許容加速度変化量とは、車両の運転性を確保する上で許容される加速度変動の上限値(許容限度)に対応している。図2に示すように、車速が増加するほど、また、車両の加速度が増加するほど、許容加速度変化量は小さくなる特性がある。ECU80は、車速センサ78の出力に基いて車両の速度及び加速度を算出し、その算出結果に基いて許容量マップを参照することにより、許容加速度変化量を算出する。そして、下記(1)式に示すように、現在の加速度と許容加速度変化量とを加算して、目標加速度を算出する。
【0030】
目標加速度=現在の加速度+許容加速度変化量 ・・・(1)
【0031】
次に、ECU80は、下記(2)式に示すように、上記目標加速度と、既知である車両の慣性と、変速機構50により現在設定されているギア比(ギア位置)とに基いて、自動変速機40のタービンランナ48の位置で得られるべきトルクの目標値(タービン側目標トルク)を算出する。
【0032】
タービン側目標トルク=目標加速度×車両の慣性×ギア比 ・・・(2)
【0033】
そして、ECU80に予め記憶されたトルコン特性マップ(図示せず)を用いることにより、上記タービン側目標トルクと、エンジン回転数と、TM油温とに基いてタービンランナ48の目標回転数(目標タービン回転数)を設定する。ここで、トルコン特性マップは、現在のエンジン回転数と油温の状態において、タービン側目標トルクが実現されるような目標タービン回転数を設定する公知のデータマップである。即ち、トルコン特性マップを関数Fとすれば、目標タービン回転数は下記(3)式により与えられる。
【0034】
目標タービン回転数=
F(タービン側目標トルク、エンジン回転数、TM油温) ・・・(3)
【0035】
このようにして得られた目標タービン回転数を実現するために、ECU80は、予め記憶された公知の目標油圧マップに基いて目標ロックアップ油圧を算出する。ここで、目標油圧マップは、目標タービン回転数とエンジン回転数との差分に基いて、目標タービン回転数が実現されるようなロックアップ油圧を算出するデータマップである。即ち、目標油圧マップを関数Gとすれば、目標ロックアップ油圧は下記(4)式により与えられる。そして、ECU80は、ロックアップ制御弁58に供給されるロックアップ油圧が目標ロックアップ油圧と一致するように油圧制御を実行する。
【0036】
目標ロックアップ油圧=
G(目標タービン回転数とエンジン回転数との差分) ・・・(4)
【0037】
このように算出された異常燃焼時の目標ロックアップ油圧は、通常燃焼時のロックアップ油圧よりも小さな値に設定される。従って、異常燃焼時ロックアップ油圧制御によれば、異常燃焼の発生時にロックアップクラッチ56を適度にスリップさせ、異常燃焼時のトルク変動が大きな加速度変動となって車両に作用するのを回避するこができる。これにより、エンジンの回転が過剰に上昇するのを防止しつつ、車両の加速度変動を許容加速度変化量以下に抑制し、運転性を確保することができる。また、この制御によれば、異常燃焼により発生した大きなトルクを自動変速機40側に逃がすことができるので、コンロッド等を含むエンジンの部品が過剰な負荷により損傷するのを防止し、エンジンの負荷を軽減することができる。
【0038】
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図3を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。図3に示すルーチンにおいて、まず、ステップ100では、筒内圧センサ76の出力(Pmax等)に基いて異常燃焼が発生したか否かを判定し、この判定が不成立の場合には、そのまま制御を終了する。より詳しく述べると、ステップ100では、例えばPmaxが通常燃焼時の上限値を超えて増加した場合に、異常燃焼が発生したものと判定する。
【0039】
また、異常燃焼が発生した場合には、ステップ102において、車速センサ78の出力に基いて現在の車速を検出し、車速に基いて車両の加速度を算出する。次に、ステップ104では、車速及び加速度に基いて許容量マップを参照し、許容加速度変化量を算出する。また、ステップ106では、エンジン10及び自動変速機40の運転状態(エンジン回転数、タービン回転数、TM油温、ギア位置等)を取得し、ステップ108では、少なくとも許容加速度変化量に基いて、前記(1)〜(4)式により目標ロックアップ油圧を算出する。そして、ステップ110では、ロックアップ油圧が目標ロックアップ油圧と一致するように制御する。
【0040】
なお、前記実施の形態1では、図3中のステップ100が請求項1における異常燃焼検出手段の具体例を示し、ステップ108が目標ロックアップ油圧算出手段の具体例を示している。また、ステップ110は、異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の具体例を示し、ステップ104は、請求項2における許容加速度変化量算出手段の具体例を示している。さらに、前記(1)式は目標加速度算出手段の具体例を示し、前記(2),(3)式は目標回転数設定手段の具体例を示している。
【0041】
また、実施の形態1では、複数のギア位置を有する自動変速機40を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、自動変速機構として、プライマリプーリとセンカンダリプーリとの間にベルトが巻装され、ベルトにより無段変速を行うCVTに適用してもよい。
【0042】
実施の形態2.
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成(図1)及び制御に加えて、許容加速度変化量の補正や学習を実行することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0043】
[実施の形態2の特徴]
図4は、本発明の実施の形態2において、許容加速度変化量の補正マップを示す特性線図である。異常燃焼のレベル(強度)が大きい場合には、これに対応して目標ロックアップの低下量を増加させ、エンジン側のトルク変動が車両側に伝達され難くするのが好ましい。このため、図4に示す補正マップは、異常燃焼を表す指標(Pmax等)が基準値よりも大きくなるにつれて、許容加速度変化量を基準値に対応する値よりも増加させる。また、この補正マップは、前記指標が基準値よりも小さくなるにつれて、許容加速度変化量を基準値に対応する値よりも減少させるように設定されている。そして、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、車速及び加速度に基いて許容加速度変化量を算出した後に、異常燃焼を表す指標に基いて図4の補正マップを参照し、許容加速度変化量を補正する。
【0044】
これにより、異常燃焼のレベルは許容加速度変化量に反映され、最終的に目標ロックアップ油圧に反映される。より詳しく述べると、異常燃焼を表す指標が基準値よりも大きい場合には、目標ロックアップ油圧が基準値に対応する値よりも小さく補正される。また、異常燃焼を表す指標が基準値よりも小さい場合には、目標ロックアップ油圧が基準値に対応する値よりも大きく補正される。この構成によれば、異常燃焼のレベルが大きい場合には、ロックアップクラッチ56のスリップ率を増加させ、エンジン側の大きなトルク変動が車両側に伝達し難い状態を実現することができる。これにより、運転性の悪化を最小限に抑えることができる。また、異常燃焼のレベルが小さい場合には、ロックアップクラッチ56のスリップ率が必要以上に大きくなるのを防止することができる。従って、異常燃焼のレベルに応じて目標ロックアップ油圧を適切に設定することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、異常燃焼を表す指標(Pmax等)及び異常燃焼の発生頻度に基いて、前記補正マップによる許容加速度変化量の補正量の過不足を学習する学習制御を実行する。以下、この学習制御の一例について説明する。図5は、異常燃焼を表す指標及び異常燃焼の発生頻度に基いて実行される学習制御の実行領域を示す説明図(学習領域マップ)である。学習制御では、一定の期間にわたって異常燃焼の発生頻度を計測し、計測した発生頻度が所定の許容範囲から外れている場合に、そのずれを学習して前記補正マップに反映させる。ここで、発生頻度の許容範囲は、図5に示すように、例えばPmaxに基いて算出される上限値H及び下限値Lにより設定される。
【0046】
即ち、学習制御では、異常燃焼の発生頻度が上限値Hを超えるか、または下限値L未満である場合に、補正マップを補正する。具体例を挙げると、例えば異常燃焼の発生頻度が上限値Hよりも大きい場合には、異常燃焼(エンジンの加速度変動)が発生し易く、車両の運転性が悪化し易い状態と考えられる。この場合には、最終的に算出される目標ロックアップ油圧が非学習時の状態と比較して減少するように、許容加速度変化量の補正マップを更新し、加速度変動が車両側に伝達されるのを抑制する。ここで、非学習時の状態とは、異常燃焼の発生頻度が上限値H以下で、かつ、下限値L以上となる状態である。また、異常燃焼の発生頻度が下限値L未満の場合には、エンジンの挙動が安定しており、加速度変動が生じ難い状態と考えられる。そこで、この場合には、最終的に算出される目標ロックアップ油圧が非学習時の状態と比較して増加するように、許容加速度変化量の補正マップを更新し、エンジンから車両への動力伝達の効率を確保する。
【0047】
上記学習制御によれば、エンジンの燃焼状態に応じて許容加速度変化量を補正し、目標ロックアップ油圧に燃焼状態を適切に反映させることができる。即ち、異常燃焼が発生したとしても、その発生頻度が小さい場合には、ロックアップ油圧が必定以上に低減されるのを回避することができる。また、異常燃焼の発生頻度が大きい場合には、ロックアップ油圧をより大きく減少させて運転性を確保することができる。従って、車両や自動変速機、エンジン等の経時変化を学習し、その学習結果をロックアップ制御に適切に反映させることができる。
【0048】
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
次に、図6を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンでは、まず、ステップ200,202,204において、実施の形態1(図3)のステップ100〜104と同様の処理を実行する。次に、ステップ206では、Pmaxに基いて前記補正マップを参照することにより、許容加速度変化量を補正する。また、ステップ208,210,212では、実施の形態1のステップ106〜110と同様の制御を実行する。
【0049】
次に、ステップ214では、今回の燃焼サイクルにおけるPmaxの値を過去の値と共に記憶する。そして、ステップ216では、一定期間内の異常燃焼の発生頻度が学習範囲内であるか否か、即ち、異常燃焼の発生頻度が上限値Hを超えているか、または下限値L未満であるか否かを判定する。この判定が成立した場合には、ステップ218において、前述の学習制御を実行し、許容加速度変化量の補正マップを更新(学習補正)する。また、ステップ216の判定が不成立の場合には、学習制御を実行せずに終了する。
【0050】
なお、前記実施の形態2では、前記実施の形態1(図3等)で説明した具体例の他に、図6中のステップ206,216,218が請求項3における燃焼対応補正手段の具体例を示している。
【0051】
実施の形態3.
次に、図7及び図8を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態2と同様の制御を実行するものの、実施の形態2と異なる補正マップを用いることを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1,2と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0052】
[実施の形態3の特徴]
図7は、本発明の実施の形態3において、許容加速度変化量の補正マップを示す特性線図である。この図に示すように、本実施の形態では、異常燃焼の実績回数(例えば、その時点までの異常燃焼の発生回数を積算した積算回数)に基いて、許容加速度変化量を補正する。具体的には、異常燃焼の実績回数が増加するにつれて、許容加速度変化量を増加させる。ここで、異常燃焼の実績回数が増加すると、それに伴ってエンジンのダメージが大きくなる傾向がある。このため、本実施の形態では、エンジンのダメージが大きくなるにつれて、許容加速度変化量を増加側に補正し、ダメージの蓄積を軽減する。上記制御によれば、異常燃焼の過去の履歴に基いて許容加速度変化量を補正することにより、エンジンのダメージに応じたロックアップ制御が可能となり、運転性を確保しつつ、エンジンの寿命を延ばすことができる。
【0053】
[実施の形態3を実現するための具体的な処理]
次に、図8を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンでは、ステップ300〜318において、実施の形態2(図6)のステップ200〜218とほぼ同様の処理を実行する。但し、ステップ306では、異常燃焼の実績回数に基いて図7に示す補正マップを参照することにより、許容加速度変化量を補正する。
【0054】
実施の形態4.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態2と同様の制御を実行するものの、実施の形態2と異なる補正マップを用いることを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1,2と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0055】
[実施の形態4の特徴]
本実施の形態では、筒内圧に基いて公知の方法により算出したトルクを、異常燃焼を表す指標として採用している。従って、本実施の形態では、実施の形態2の図4及び図5の横軸をトルクに変換した補正マップ及び学習領域マップが用いられる。この構成によれば、筒内圧の波形により異なるエンジンのダメージを詳細に把握することができ、より高精度にロックアップ制御を実行することができる。
【0056】
[実施の形態4を実現するための具体的な処理]
次に、図9を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンでは、ステップ400〜418において、実施の形態2(図6)のステップ200〜218とほぼ同様の処理を実行する。但し、ステップ406では、筒内圧から算出したトルクに基いて補正マップを参照することにより、許容加速度変化量を補正する。また、ステップ414では、今回の燃焼サイクルにおけるトルクの値を過去の値と共に記憶する。そして、ステップ416では、一定期間内の異常燃焼(異常トルク)の発生頻度が学習範囲内であるか否かを判定する。
【0057】
実施の形態5.
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1と同様の構成及び制御に加えて、アクセル開度に応じて制御を変更することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0058】
[実施の形態5の特徴]
異常燃焼時ロックアップ油圧制御の実行中には、主としてロックアップ油圧を減少させるが、この状態で車両の運転者が加速を行いたい場合もある。そこで、本実施の形態では、異常燃焼時ロックアップ油圧制御の実行中にアクセル開度が増加した場合には、運転者が加速動作を行ったものと判定し、変速機構50のギア比を加速するように変更(シフトダウン)する。一方、異常燃焼時ロックアップ油圧制御の実行中にアクセル開度が減少した場合には、加速度変動が過大であったために運転者がアクセルペダル66の踏込みを緩めたと判定する。そして、許容加速度変化量が小さくなるように、許容加速度変化量(例えば、図2に示す許容量マップ)を補正する。上記制御によれば、運転者の希望や感性に応じて運転性を適切に変更しつつ、異常燃焼によるエンジンのダメージを軽減することができる。
【0059】
[実施の形態5を実現するための具体的な処理]
次に、図10を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図10は、本発明の実施の形態5において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。図10に示すルーチンでは、まず、ステップ500において、異常燃焼時ロックアップ油圧制御の実行中であるか否かを判定し、当該制御中でない場合には、そのままルーチンを終了する。また、ステップ500の判定が成立した場合において、ステップ502では、アクセル開度が増加したか否かを判定する。
【0060】
そして、ステップ502の判定が成立した場合には、ステップ504において、ECU80に予め記憶したデータマップ等を参照することにより、アクセル開度に基いて変速機構50の変速比(ギア比)を変更する。このとき、基本的には、アクセル開度が大きくなるにつれて、変速比を増加側(=加速側、シフトダウン側)に変更する。一方、ステップ502の判定が不成立の場合には、ステップ506において、アクセル開度が減少したか否かを判定する。そして、この判定が成立した場合には、ステップ508において、許容加速度変化量が減少するように、例えば許容量マップ(図2)を変更する。
【0061】
なお、前記実施の形態5では、図10中のステップ502,504が請求項6における変速比可変手段の具体例を示し、ステップ506,508がアクセル対応補正手段の具体例を示している。また、実施の形態5では、変速比可変手段とアクセル対応補正手段とを組合わせた場合の構成を例示したが、本発明はこれに限らず、変速比可変手段とアクセル対応補正手段のうち、何れかの手段のみを用いる構成としてもよい。また、実施の形態5では、実施の形態1で述べた異常燃焼時ロックアップ油圧制御の実行中を前提としたが、本発明はこれに限らず、実施の形態1乃至4で述べた何れかの異常燃焼時ロックアップ油圧制御制の実行中に、実施の形態5の制御を実行する構成としてもよい。
【0062】
また、前記実施の形態1乃至5では、ロックアップクラッチ56を備えた自動変速機40を例に挙げて説明したが、本発明は、通常の自動変速機(AT)だけでなく、CVTにも適用することができる。なお、通常のATにおいて、エンジンのダメージの蓄積が大きくなり、許容加速度変化量を増加させる必要が生じた場合には、前記実施の形態5のようにアクセル開度を参照せず、アクセル開度についてはF/F制御(フィードフォワード制御)として実施の形態1,5の制御を組合わせるのが好ましい。
【符号の説明】
【0063】
10 エンジン(内燃機関)
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸(出力軸)
18 吸気通路
20 排気通路
22 スロットルバルブ
24 燃料噴射弁
26 点火プラグ
28 吸気バルブ
30 排気バルブ
40 自動変速機
42 トルクコンバータ
44 ハウジング
46 ポンプインペラ(入力部材)
48 タービンランナ(出力部材)
50 変速機構
52 入力軸
54 出力軸
56 ロックアップクラッチ
58 ロックアップ制御弁
60 クランク角センサ
62 スロットルセンサ
64 アクセルセンサ
66 アクセルペダル
68 タービン回転数センサ
70 ギア位置センサ
72 エンジン水温センサ
74 トランスミッション油温センサ
76 筒内圧センサ
78 車速センサ
80 ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒内で燃料を燃焼させることにより出力軸を回転させる内燃機関と、
内燃機関の出力軸に連結された入力部材と車両の駆動軸に連結された出力部材とを有し、これらの入力部材及び出力部材を経由して前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達する自動変速機と、
前記自動変速機の入力部材と出力部材との間に介在し、外部から入力されるロックアップ油圧に応じて前記入力部材と前記出力部材との締結及び締結解除を実行すると共に締結時のスリップ率を調整することが可能なロックアップクラッチと、
内燃機関の筒内で発生する異常燃焼を検出する異常燃焼検出手段と、
前記異常燃焼の発生時に生じる車両の加速度変動を許容範囲内に収めることが可能な目標ロックアップ油圧を算出する目標ロックアップ油圧算出手段と、
前記異常燃焼検出手段により異常燃焼を検出した場合に、前記ロックアップ油圧を前記目標ロックアップ油圧と一致させる異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段と、
を備えることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
車両の運転時に許容される加速度変動の上限値である許容加速度変化量を、車両の速度及び加速度に基いて算出する許容加速度変化量算出手段を備え、
前記目標ロックアップ油圧算出手段は、少なくとも前記許容加速度変化量に基いて前記目標ロックアップ油圧を算出する構成としてなる請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記異常燃焼を表す指標及び/又は前記異常燃焼の発生頻度に基いて前記許容加速度変化量を補正する燃焼対応補正手段を備えてなる請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
車両の速度と前記許容加速度変化量とに基いて車両の目標加速度を算出する目標加速度算出手段と、
既知である車両の慣性、前記自動変速機により設定された変速比及び前記目標加速度に基いて、前記自動変速機の出力部材側で得られるべき目標トルクを算出し、当該目標トルクに基いて前記出力部材の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、を備え、
前記目標ロックアップ油圧算出手段は、前記出力部材の目標回転数と内燃機関の機関回転数との差分に基いて前記目標ロックアップ油圧を算出する構成としてなる請求項2または3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が減少した場合に、前記許容加速度変化量を補正するアクセル対応補正手段を備えてなる請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記異常燃焼時ロックアップ油圧制御手段の作動時に内燃機関のアクセル開度が増加した場合に、前記自動変速機により設定される変速比を増加させる変速比可変手段を備えてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−96475(P2013−96475A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238672(P2011−238672)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】