車両の前部車体構造
【課題】衝突時にボンネット前部の後退を抑制し、衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができ、また、既存の部材を有効に活用して、重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止する車両の前部車体構造を提供する。
【解決手段】ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、フロントノーズ部2の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4と、フロントサイドフレーム4の上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレーム5とを備え、衝突時、ボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部23a,23c,19bを設けたことを特徴とする。
【解決手段】ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、フロントノーズ部2の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4と、フロントサイドフレーム4の上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレーム5とを備え、衝突時、ボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部23a,23c,19bを設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、このフロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、これらフロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて車両の前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えたような車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の前面衝突時に、衝突対象物(いわゆるハニカムバリア)に対する接触面積を増加させると、衝突対象物内部への侵入量が低減し、安全性が向上することが知られている。
【0003】
図9は従来の車両の前部車体構造を示し、ボンネット91によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部92と、このフロントノーズ部92の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム93とを備え、フロントサイドフレーム93の前部には、クラッシュカン94を取付けると共に、車両前部には合成樹脂製のフロントバンパ95が設けられている。
【0004】
図9に示す従来の車両の衝突性能を検証するために、衝撃により潰れることが可能なアルミニウムまたはアルミ合金などの金属製のハニカム構造の衝突対象物96(いわゆるハニカムバリア)を設け、この衝突対象物96を定位置に固定すると共に、該衝突対象物96に対して所定距離離れた離間位置から所定速度で車両を上記衝突対象物96に衝突させた。
この結果、図9に側面図で示すように、衝突対象物96のクラッシュ深さL2が深く、また図10に正面図で示すように、衝突対象物96のクラッシュエリア(図10において実線βで囲んだ範囲内のエリア)が狭小となった。
【0005】
すなわち、ボンネット91は衝突抗力がなく、衝突時に吹き飛んでクラッシュエリア拡大に何等寄与しておらず、衝突耐力が高いフロントサイドフレーム93,93が衝突対象物96内に侵入し、応力の集中により衝突対象物96が側面視で深くクラッシュしている。このことは、乗員に対する衝撃値(いわゆるG)が高いことを示しており、特に、図9に示すように、車高の低い車両においては、斯る問題点が顕著となり、車両のスタイリング、デザインを変更することなく、クラッシュ面の拡大を図ることが要請されている。
【0006】
一方、特許文献1には、図11に示すような車両の前部車体構造が開示されている。
つまり、ボンネット91の裏面にボンネットインナパネル97を設ける一方、シュラウドアッパ98には複数のボルト、ナットを用いて支持ブラケット99を固定し、ボンネットインナパネル97と支持ブラケット99との対向面間に、合成ゴム材などから成る緩衝材100を介設したものである。
【0007】
上述のボンネットインナパネル97と、支持ブラケット99とは車両正面視において上下方向に重複しているが、この従来構造においては、ボンネット91上に歩行者が倒伏し、その頭部がボンネット91に衝合した時、上述の緩衝材100および支持ブラケット99を斜め下方かつ後方に変形させて、歩行者を保護するものであって、車両衝突時において、ボンネットインナパネル97の後退を支持ブラケット99で支持する構成については開示されていない。
【0008】
また、特許文献1に記載の従来構造においては、ボンネットインナパネル97の前低後高状のテーパ部97aと、支持ブラケット99の前低後高状のテーパ99aとが、前後方向に略対向しているが、車両の前面衝突時には、ボンネットインナパネル97のテーパ部97aで、支持ブラケット99を変形させながら、該テーパ部97aが後方に滑るものであって、支持ブラケット99により車両衝突時においてボンネットインナパネル97の後退を抑制するものではない。
【0009】
特許文献2には、図12に示すような車両の前部車体構造が開示されている。
すなわち、ボンネット91の前部裏面にボンネットレインフォースメント101を設ける一方、このボンネットレインフォースメント101と近接するように、その下方にはシュラウドアッパパネル102が設けられたものである。
上述のボンネットレインフォースメント101とシュラウドアッパパネル102とは車両正面視において上下方向に極僅か重複しているが、車両の前面衝突時において、シュラウドアッパパネル102によりボンネットレインフォースメント101の後退を抑制することはできず、これら両者102,101の当接時には、ボンネット91が上方へ変形しながら後退するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−96282号公報
【特許文献2】特開2003−261067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、この発明は、車両の衝突時、ボンネットに前方からの荷重が入った際、ボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けることにより、車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、これにより衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができ、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明による車両の前部車体構造は、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部が設けられたものである。
上記構成によれば、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入力されると、上記係合部がボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合するので、車両衝突時にボンネット前部の後退を抑制することができる。
【0013】
この結果、衝突対象物に対しては、左右一対のフロントサイドフレームに加えて、ボンネット前部が耐力を有して接触することになり、衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができる。
また、既存の部材(ホイールエプロンフレーム)を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退抑止と、乗員の安全性向上との両立を図ることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットは、ボンネットアッパパネルと、該ボンネットアッパパネルの裏面に設けられたボンネットレインフォースメントとから成り、上記ボンネットレインフォースメントが上記ホイールエプロンフレームに係合可能な形状に形成されたものである。
上記構成によれば、ボンネットレインフォースメントは強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネットの後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記ホイールエプロンフレームの前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメントが設けられ、該ホイールエプロンレインフォースメントが上記ボンネットに係合可能な形状に形成されたものである。
上記構成によれば、ホイールエプロンレインフォースメントは強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネットの後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットレインフォースメントと上記ホイールエプロンレインフォースメントは、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメントおよびホイールエプロンレインフォースメントの相互が係合されるように形成された係合面を備えているものである。
上記構成によれば、ボンネットレインフォースメントとホイールエプロンレインフォースメントとは、双方ともに強度部材であって、これら強度部材の面(係合面)により衝突荷重を受けるので、全体的な荷重分散を図って、より一層耐力が大きくなり、ボンネット後退量のさらなる低減を図ることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記係合面は、少なくとも車幅方向に連続して形成されたものである。
上記構成によれば、上述の係合面が車幅方向に連続しているので、連続係合面により衝突荷重を受けることができ、より一層荷重分散を図ることができて、ボンネット後退量をさらに低減させることができる。
【0018】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットレインフォースメントの前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部が設けられると共に、上記ボンネットレインフォースメントの後部には、上記ボンネットアッパパネルに沿って後方に連続して延びるボンネット補強部が設けられたものである。
上記構成によれば、上記ボンネット補強部を設けたので、ボンネットの全体で衝突荷重を受けることができ、強い衝撃力に対しても確実に耐力の向上を図ることができ、ボンネットの後退をさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、車両の衝突時、ボンネットに前方からの荷重が入った際、ボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けたので、車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、これにより衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができ、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の車両の前部車体構造を示す側面図
【図2】図1のA−A線に沿う平面図
【図3】図2のB−B線矢視断面図
【図4】図2のC−C線矢視断面図
【図5】車両衝突時の説明図
【図6】衝突対象物の変形状態を示す側面図
【図7】衝突対象物の変形状態を示す正面図
【図8】車両の前部車体構造の他の実施例を示す側面図
【図9】従来構造における車両の衝突対象物の変形状態を示す側面図
【図10】図9の衝突対象物の変形状態を示す正面図
【図11】従来の車両の前部車体構造を示す側面図
【図12】従来の車両の前部車体構造を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上し、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止するという目的を、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造において、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けるという構成にて実現した。
【実施例】
【0022】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、側面図で示す図1、および、平面図(図1のA−A線に沿う図面)で示す図2において、この車両の前部車体構造は、ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、このフロントノーズ部2の下方で、かつ、エンジンルーム3の左右両サイドに設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4,4と、これら左右の各フロントサイドフレーム4,4の車外側上方を所定間隔を置いて車両の前後方向に延びる強度部材としての左右一対のホイールエプロンフレーム5,5とを備えている。上述のボンネット1はその後端枢支部を支点として前方遊端側が開閉するものである。
【0023】
図1、図2に示すように、車体剛性部材としての上述の各フロントサイドフレーム4,4の前端部には、フロントサイドフレーム4側のフランジ部6と、クラッシュカン側のフランジ部7とを介して、衝突エネルギ吸収部材としてのクラッシュカン8,8を、それぞれ取付けている。
そして、左右の各クラッシュカン8,8相互間には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント9を横架している。
【0024】
上述のフロントサイドフレーム4は、エンジンルーム3と車室とを前後方向に仕切る図示しないダッシュロアパネル(ダッシュパネル)から車両前方に延びる閉断面構造体(車体剛性部材)であって、これら左右のフロントサイドフレーム4,4間には、閉断面10構造のフロントクロスメンバ11(いわゆる、No.1.5クロスメンバ)を車幅方向に向けて張架している。
また、上述のフロントクロスメンバ11の直後において、左右のフロントサイドフレーム4,4の下部には、サブフレーム12が取付けられている。
【0025】
一方、車両前部には合成樹脂製のフロントバンパ13(いわゆる、バンパフェイス)を設け、このフロントバンパ13でエンジンルーム3の前方を覆っている。このフロントバンパ13の車幅方向中央部における正面部には、走行風導入用の開口14,15を形成すると共に、クラッシュカン8と上下方向に略対応する左右両側の上部ラウンド部には、ヘッドランプ開口16,16をそれぞれ形成している。
【0026】
また、図1、図2に示すように、フロントサイドフレーム4とホイールエプロンフレーム5との間には、ホイールハウス17を設けると共に、このホイールハウス17の前後方向中間部には、フロントサスペンションを支持するサスペンションタワー部18(いわゆる、サスタワー)を配設している。
上述のホイールエプロンフレーム5は、ホイールハウス17の上部およびサスペンションタワー部18の上部に接合固定された強度部材であって、このホイールエプロンフレーム5の前部には、車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメント19が設けられている。
【0027】
図1に示すように、該ホイールエプロンレインフォースメント19は、ハット形断面形状の強度部材であって、該ホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向中央部のみには、その前片から下方に延びる取付け延長部19aが一体形成されており、この取付け延長部19aの前面側には、ボンネットロック20のラッチ21が取付けられている。
【0028】
図3は図2のB−B線矢視断面図、図4は図2のC−C線矢視断面図で、図1〜図4に示すように、上述のボンネット1はボンネットアッパパネル22と、このボンネットアッパパネル22の裏面に設けられたボンネットレインフォースメント23とから構成されている。この実施例では、該ボンネットレインフォースメント23はボンネットアッパパネル22の裏面ほぼ全体に設けられている。
【0029】
このボンネットレインフォースメント23の前端部は、ボンネットアッパパネル22の前端部にヘミング加工によりヘミング接合されており、また、ボンネットレインフォースメント23の前部には、下方に向かって突出した逆ハット形状の係合突出部23aが設けられると共に、このボンネットレインフォースメント23の後部には、上述のボンネットアッパパネル22の裏面に沿って後方に連続して延びるボンネット補強部23bが一体に設けられている。
【0030】
ここで、上述のボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aは、図3、図4に示すように、その係合突出部23a下片部後端から上方に直角に延びる係合面23cを有する一方、このボンネットレインフォースメント23の直後に配設されるホイールエプロンレインフォースメント19は、同図に示すように、断面ハット形状の上片部19t前端から下方に直角に延びる係合面19bを有しており、ノーマル状態下においては、これらの両係合面23c,19bが前後方向に離間して平行に対向配設されていて、車両の衝突時に、上述のボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cが、両係合面23c,19bのクリアランスに相当する距離だけ後退して、該ボンネットレインフォースメント23の係合面23cとホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bとが互に係合して、ボンネット1の後退を抑制するように構成している。
【0031】
因に、上記一方の係合面23cを前低後高状のテーパ面と成し、他の係合面19bを同様に、前低後高状のテーパ面と成した場合には、車両の前面衝突時に両テーパ面により、これら両者23c,19bの適切な係合が得られなくなる。そこで、係合突出部23aを断面逆ハット形状かつ矩形に構成し、ホイールエプロンレインフォースメント19の断面形状をハット形状かつ矩形に構成して、両係合面23c,19bが確実に係合するように構成したものである。
【0032】
要するに、車両の衝突時、ボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)を設けたものであり、ボンネットレインフォースメント23は、ホイールエプロンレインフォースメント19を介して、ホイールエプロンフレーム5に係合可能な形状に形成されたものであり、また、ホイールエプロンレインフォースメント19は、係合突出部23aを介して、上述のボンネット1に係合可能な形状に形成されたものである。
【0033】
上記ボンネットレインフォースメント23の前部に下方に向けて突出形成された係合突出部23aは、図2に平面図で示すように、フロントノーズ部2の形状に対応すると共に、車幅方向の中央部のみならず、フロントサイドフレーム4と上下方向に対応する位置から、さらに、車両正面視においてサスペンションタワー部18とオーバラップする位置まで車幅方向に連続して延長形成しており、この係合突出部23aの直後に、ボンネット1の開閉に要するクリアランスを隔てて、ホイールエプロンレインフォースメント19を配設し、上述の係合突出部23aの車幅方向の長さと、該ホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向の長さとを、略同等に設定している。
【0034】
つまり、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cと、ホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bとの両者は、ボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aの車幅方向の長さ、およびホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向の長さの全長にわたって連続して形成したものである。
【0035】
なお、上述の各係合面23c,19bの車幅方向の長さは、車幅方向中央部において所定の長さを有すると、これら両者23c,19bの係合により、衝突時にボンネット1の後退を最も効果的に抑制することができるが、図2で示したように、各係合面23c,19bを車両正面視において左右のサスペンションタワー部18,18とオーバラップする位置まで車幅方向に連続して形成すると、衝突時により一層確実にボンネット1の後退を抑制することができる。
【0036】
ところで、上述のボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aにおける車幅方向中央の下片部には、ラッチ21に係合されるストライカ24を取付けて、このストライカ24と上述のラッチ21とでボンネットロック20を構成している。
【0037】
また、上述のボンネットレインフォースメント23の後部に一体形成されたボンネット補強部23bには、車両前後方向および車幅方向に所定の間隔を隔てて複数のディンプル23d(dimple、小さなへこみ)を一体形成している。
これら複数の各ディンプル23dは、ボンネットアウタパネル22の裏面に向かって窪んだ略円錐台形状の窪みで、これらの各ディンプル23dは接着剤を用いて、ボンネットアウタパネル22の裏面に接合固定されていて、上述のボンネット補強部23bによりボンネット1全体の剛性向上を図っている。
【0038】
このように構成した車両の前部車体構造において、車両の衝突時(特に、前面衝突時)に、ボンネット1に前方からの荷重が入ると、図3に示すノーマルな状態から図5に示すように、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cが、その直後に位置するホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bに係合するので、ボンネット1の後退を抑制することができる。
【0039】
上記構成の前部車体構造を備えたこの実施例の車両の衝突性能を検証するために、図6に示すように、衝撃により潰れることが可能なアルミニウムまたはアルミ合金などの金属製のハニカム構造の衝突対象物30(いわゆるハニカムバリア)を設け、この衝突対象物30を定位置に固定すると共に、該衝突対象物30に対して所定距離離れた離間位置から所定速度で車両を上記衝突対象物30に衝突させた。
この結果、図6に側面図で示すように、衝突対象物30のクラッシュ深さL1が浅く(L1<L2)、また、図7に正面図で示すように、衝突対象物30のクラッシュエリア(図7において実線αで囲んだ範囲内のエリア)が、図10で示した従来例のエリアに対して大幅に拡大した。
【0040】
すなわち、車両の前面衝突時に、ボンネット1に前方からの荷重が入力されると、上記係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)が係合することで、ボンネット1の後退を抑制するので、衝突耐力が高いフロントサイドフレーム4,4に加えて、ボンネット1で衝突荷重を受けることができ、これにより、該ボンネット1がクラッシュエリア拡大に寄与し、このクラッシュエリアの拡大により、従来のクラッシュ深さL2(図9参照)に対して、図6に示すように、クラッシュ深さL1が浅くなる。このことは、乗員に対する衝撃値(いわゆるG)が低いことを示しており、図6に示すように、車高の低い車両においても、車両のスタイリング、デザインを変更することなく、クラッシュ面を拡大して、乗員の安全性向上を図ることができる。
【0041】
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、該フロントノーズ部2の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4,4と、該フロントサイドフレーム4の上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレーム5,5とを備えた車両の前部車体構造であって、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入った際、上記ボンネット1の前部と上記ホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部(係合突出部23a,係合面23c,19b参照)が設けられたものである(図1、図2、図3参照)。
この構成によれば、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入力されると、上記係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)がボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合するので、車両衝突時にボンネット1前部の後退を抑制することができる。
【0042】
この結果、衝突対象物30(図6参照)に対しては、左右一対のフロントサイドフレーム4,4に加えて、ボンネット1前部が耐力を有して接触することになり、衝突対象物30への接触面積を増加させて、安全性を向上することができる。
また、既存の部材(ホイールエプロンフレーム5参照)を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット1前部の後退抑止と、乗員の安全性向上との両立を図ることができる。
【0043】
さらに、上記ボンネット1は、ボンネットアッパパネル22と、該ボンネットアッパパネル22の裏面に設けられたボンネットレインフォースメント23とから成り、上記ボンネットレインフォースメント23が上記ホイールエプロンフレーム5に係合可能な形状に形成されたものである(図3参照)。
この構成によれば、ボンネットレインフォースメント23は強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネット1の後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0044】
また、上記ホイールエプロンフレーム5の前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメント19が設けられ、該ホイールエプロンレインフォースメント19が上記ボンネット1に係合可能な形状に形成されたものである(図3参照)。
この構成によれば、ホイールエプロンレインフォースメント19は強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネット1の後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0045】
加えて、上記ボンネットレインフォースメント23と上記ホイールエプロンレインフォースメント19は、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメント23およびホイールエプロンレインフォースメント19の相互が係合されるように形成された係合面23c,19bを備えているものである(図3参照)。
この構成によれば、ボンネットレインフォースメント23とホイールエプロンレインフォースメント19とは、双方ともに強度部材であって、これら強度部材の面(係合面23c,19b)により衝突荷重を受けるので、全体的な荷重分散を図って、より一層耐力が大きくなり、ボンネット1の後退量のさらなる低減を図ることができる。
【0046】
また、上記係合面23c,19bは、少なくとも車幅方向に連続して形成されたものである(図2参照)。
この構成によれば、上述の係合面23c,19bが車幅方向に連続しているので、連続係合面23c,19bにより衝突荷重を受けることができ、より一層荷重分散を図ることができて、ボンネット1の後退量をさらに低減させることができる。
【0047】
さらに、上記ボンネットレインフォースメント23の前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部23aが設けられると共に、上記ボンネットレインフォースメント23の後部には、上記ボンネットアッパパネル22に沿って後方に連続して延びるボンネット補強部23bが設けられたものである(図3参照)。
この構成によれば、上記ボンネット補強部23bを設けたので、ボンネット1の全体で衝突荷重を受けることができ、強い衝撃力に対しても確実に耐力の向上を図ることができ、ボンネット1の後退をさらに抑制することができる。
【0048】
図8は車両の前部車体構造の他の実施例を示し、ホイールエプロンフレーム5の前部に設けられて車幅方向に延びるハット断面形状のホイールエプロンレインフォースメント19の下面に、該ホイールエプロンレインフォースメント19に沿って車幅方向に連続して延びるロアプレート27を、スポット溶接等の手段にて一体的に接合固定し、このロアプレート27とホイールエプロンレインフォースメント19との間に、車幅方向に延びる閉断面28を形成したものである。
このように構成すると、ホイールエプロンレインフォースメント19の剛性がさらに向上するので、車両衝突時におけるボンネット1前部の後退をより一層確実に抑制することができる。
【0049】
この図8で示した実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0050】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の係合部は、実施例の係合突出部23a、係合面23c,19bに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
1…ボンネット
2…フロントノーズ部
4…フロントサイドフレーム
5…ホイールエプロンフレーム
19…ホイールエプロンレインフォースメント
19b,23c…係合面(係合部)
22…ボンネットアッパパネル
23…ボンネットレインフォースメント
23a…係合突出部(係合部)
23b…ボンネット補強部
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、このフロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、これらフロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて車両の前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えたような車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の前面衝突時に、衝突対象物(いわゆるハニカムバリア)に対する接触面積を増加させると、衝突対象物内部への侵入量が低減し、安全性が向上することが知られている。
【0003】
図9は従来の車両の前部車体構造を示し、ボンネット91によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部92と、このフロントノーズ部92の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム93とを備え、フロントサイドフレーム93の前部には、クラッシュカン94を取付けると共に、車両前部には合成樹脂製のフロントバンパ95が設けられている。
【0004】
図9に示す従来の車両の衝突性能を検証するために、衝撃により潰れることが可能なアルミニウムまたはアルミ合金などの金属製のハニカム構造の衝突対象物96(いわゆるハニカムバリア)を設け、この衝突対象物96を定位置に固定すると共に、該衝突対象物96に対して所定距離離れた離間位置から所定速度で車両を上記衝突対象物96に衝突させた。
この結果、図9に側面図で示すように、衝突対象物96のクラッシュ深さL2が深く、また図10に正面図で示すように、衝突対象物96のクラッシュエリア(図10において実線βで囲んだ範囲内のエリア)が狭小となった。
【0005】
すなわち、ボンネット91は衝突抗力がなく、衝突時に吹き飛んでクラッシュエリア拡大に何等寄与しておらず、衝突耐力が高いフロントサイドフレーム93,93が衝突対象物96内に侵入し、応力の集中により衝突対象物96が側面視で深くクラッシュしている。このことは、乗員に対する衝撃値(いわゆるG)が高いことを示しており、特に、図9に示すように、車高の低い車両においては、斯る問題点が顕著となり、車両のスタイリング、デザインを変更することなく、クラッシュ面の拡大を図ることが要請されている。
【0006】
一方、特許文献1には、図11に示すような車両の前部車体構造が開示されている。
つまり、ボンネット91の裏面にボンネットインナパネル97を設ける一方、シュラウドアッパ98には複数のボルト、ナットを用いて支持ブラケット99を固定し、ボンネットインナパネル97と支持ブラケット99との対向面間に、合成ゴム材などから成る緩衝材100を介設したものである。
【0007】
上述のボンネットインナパネル97と、支持ブラケット99とは車両正面視において上下方向に重複しているが、この従来構造においては、ボンネット91上に歩行者が倒伏し、その頭部がボンネット91に衝合した時、上述の緩衝材100および支持ブラケット99を斜め下方かつ後方に変形させて、歩行者を保護するものであって、車両衝突時において、ボンネットインナパネル97の後退を支持ブラケット99で支持する構成については開示されていない。
【0008】
また、特許文献1に記載の従来構造においては、ボンネットインナパネル97の前低後高状のテーパ部97aと、支持ブラケット99の前低後高状のテーパ99aとが、前後方向に略対向しているが、車両の前面衝突時には、ボンネットインナパネル97のテーパ部97aで、支持ブラケット99を変形させながら、該テーパ部97aが後方に滑るものであって、支持ブラケット99により車両衝突時においてボンネットインナパネル97の後退を抑制するものではない。
【0009】
特許文献2には、図12に示すような車両の前部車体構造が開示されている。
すなわち、ボンネット91の前部裏面にボンネットレインフォースメント101を設ける一方、このボンネットレインフォースメント101と近接するように、その下方にはシュラウドアッパパネル102が設けられたものである。
上述のボンネットレインフォースメント101とシュラウドアッパパネル102とは車両正面視において上下方向に極僅か重複しているが、車両の前面衝突時において、シュラウドアッパパネル102によりボンネットレインフォースメント101の後退を抑制することはできず、これら両者102,101の当接時には、ボンネット91が上方へ変形しながら後退するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−96282号公報
【特許文献2】特開2003−261067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、この発明は、車両の衝突時、ボンネットに前方からの荷重が入った際、ボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けることにより、車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、これにより衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができ、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明による車両の前部車体構造は、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部が設けられたものである。
上記構成によれば、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入力されると、上記係合部がボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合するので、車両衝突時にボンネット前部の後退を抑制することができる。
【0013】
この結果、衝突対象物に対しては、左右一対のフロントサイドフレームに加えて、ボンネット前部が耐力を有して接触することになり、衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができる。
また、既存の部材(ホイールエプロンフレーム)を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退抑止と、乗員の安全性向上との両立を図ることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットは、ボンネットアッパパネルと、該ボンネットアッパパネルの裏面に設けられたボンネットレインフォースメントとから成り、上記ボンネットレインフォースメントが上記ホイールエプロンフレームに係合可能な形状に形成されたものである。
上記構成によれば、ボンネットレインフォースメントは強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネットの後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記ホイールエプロンフレームの前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメントが設けられ、該ホイールエプロンレインフォースメントが上記ボンネットに係合可能な形状に形成されたものである。
上記構成によれば、ホイールエプロンレインフォースメントは強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネットの後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットレインフォースメントと上記ホイールエプロンレインフォースメントは、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメントおよびホイールエプロンレインフォースメントの相互が係合されるように形成された係合面を備えているものである。
上記構成によれば、ボンネットレインフォースメントとホイールエプロンレインフォースメントとは、双方ともに強度部材であって、これら強度部材の面(係合面)により衝突荷重を受けるので、全体的な荷重分散を図って、より一層耐力が大きくなり、ボンネット後退量のさらなる低減を図ることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記係合面は、少なくとも車幅方向に連続して形成されたものである。
上記構成によれば、上述の係合面が車幅方向に連続しているので、連続係合面により衝突荷重を受けることができ、より一層荷重分散を図ることができて、ボンネット後退量をさらに低減させることができる。
【0018】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットレインフォースメントの前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部が設けられると共に、上記ボンネットレインフォースメントの後部には、上記ボンネットアッパパネルに沿って後方に連続して延びるボンネット補強部が設けられたものである。
上記構成によれば、上記ボンネット補強部を設けたので、ボンネットの全体で衝突荷重を受けることができ、強い衝撃力に対しても確実に耐力の向上を図ることができ、ボンネットの後退をさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、車両の衝突時、ボンネットに前方からの荷重が入った際、ボンネットの前部とホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けたので、車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、これにより衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上することができ、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の車両の前部車体構造を示す側面図
【図2】図1のA−A線に沿う平面図
【図3】図2のB−B線矢視断面図
【図4】図2のC−C線矢視断面図
【図5】車両衝突時の説明図
【図6】衝突対象物の変形状態を示す側面図
【図7】衝突対象物の変形状態を示す正面図
【図8】車両の前部車体構造の他の実施例を示す側面図
【図9】従来構造における車両の衝突対象物の変形状態を示す側面図
【図10】図9の衝突対象物の変形状態を示す正面図
【図11】従来の車両の前部車体構造を示す側面図
【図12】従来の車両の前部車体構造を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
車両衝突時においてボンネット前部の後退を抑制することができ、衝突対象物への接触面積を増加させて、安全性を向上し、また、既存の部材を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット前部の後退を抑止するという目的を、ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造において、車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部を設けるという構成にて実現した。
【実施例】
【0022】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、側面図で示す図1、および、平面図(図1のA−A線に沿う図面)で示す図2において、この車両の前部車体構造は、ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、このフロントノーズ部2の下方で、かつ、エンジンルーム3の左右両サイドに設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4,4と、これら左右の各フロントサイドフレーム4,4の車外側上方を所定間隔を置いて車両の前後方向に延びる強度部材としての左右一対のホイールエプロンフレーム5,5とを備えている。上述のボンネット1はその後端枢支部を支点として前方遊端側が開閉するものである。
【0023】
図1、図2に示すように、車体剛性部材としての上述の各フロントサイドフレーム4,4の前端部には、フロントサイドフレーム4側のフランジ部6と、クラッシュカン側のフランジ部7とを介して、衝突エネルギ吸収部材としてのクラッシュカン8,8を、それぞれ取付けている。
そして、左右の各クラッシュカン8,8相互間には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント9を横架している。
【0024】
上述のフロントサイドフレーム4は、エンジンルーム3と車室とを前後方向に仕切る図示しないダッシュロアパネル(ダッシュパネル)から車両前方に延びる閉断面構造体(車体剛性部材)であって、これら左右のフロントサイドフレーム4,4間には、閉断面10構造のフロントクロスメンバ11(いわゆる、No.1.5クロスメンバ)を車幅方向に向けて張架している。
また、上述のフロントクロスメンバ11の直後において、左右のフロントサイドフレーム4,4の下部には、サブフレーム12が取付けられている。
【0025】
一方、車両前部には合成樹脂製のフロントバンパ13(いわゆる、バンパフェイス)を設け、このフロントバンパ13でエンジンルーム3の前方を覆っている。このフロントバンパ13の車幅方向中央部における正面部には、走行風導入用の開口14,15を形成すると共に、クラッシュカン8と上下方向に略対応する左右両側の上部ラウンド部には、ヘッドランプ開口16,16をそれぞれ形成している。
【0026】
また、図1、図2に示すように、フロントサイドフレーム4とホイールエプロンフレーム5との間には、ホイールハウス17を設けると共に、このホイールハウス17の前後方向中間部には、フロントサスペンションを支持するサスペンションタワー部18(いわゆる、サスタワー)を配設している。
上述のホイールエプロンフレーム5は、ホイールハウス17の上部およびサスペンションタワー部18の上部に接合固定された強度部材であって、このホイールエプロンフレーム5の前部には、車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメント19が設けられている。
【0027】
図1に示すように、該ホイールエプロンレインフォースメント19は、ハット形断面形状の強度部材であって、該ホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向中央部のみには、その前片から下方に延びる取付け延長部19aが一体形成されており、この取付け延長部19aの前面側には、ボンネットロック20のラッチ21が取付けられている。
【0028】
図3は図2のB−B線矢視断面図、図4は図2のC−C線矢視断面図で、図1〜図4に示すように、上述のボンネット1はボンネットアッパパネル22と、このボンネットアッパパネル22の裏面に設けられたボンネットレインフォースメント23とから構成されている。この実施例では、該ボンネットレインフォースメント23はボンネットアッパパネル22の裏面ほぼ全体に設けられている。
【0029】
このボンネットレインフォースメント23の前端部は、ボンネットアッパパネル22の前端部にヘミング加工によりヘミング接合されており、また、ボンネットレインフォースメント23の前部には、下方に向かって突出した逆ハット形状の係合突出部23aが設けられると共に、このボンネットレインフォースメント23の後部には、上述のボンネットアッパパネル22の裏面に沿って後方に連続して延びるボンネット補強部23bが一体に設けられている。
【0030】
ここで、上述のボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aは、図3、図4に示すように、その係合突出部23a下片部後端から上方に直角に延びる係合面23cを有する一方、このボンネットレインフォースメント23の直後に配設されるホイールエプロンレインフォースメント19は、同図に示すように、断面ハット形状の上片部19t前端から下方に直角に延びる係合面19bを有しており、ノーマル状態下においては、これらの両係合面23c,19bが前後方向に離間して平行に対向配設されていて、車両の衝突時に、上述のボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cが、両係合面23c,19bのクリアランスに相当する距離だけ後退して、該ボンネットレインフォースメント23の係合面23cとホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bとが互に係合して、ボンネット1の後退を抑制するように構成している。
【0031】
因に、上記一方の係合面23cを前低後高状のテーパ面と成し、他の係合面19bを同様に、前低後高状のテーパ面と成した場合には、車両の前面衝突時に両テーパ面により、これら両者23c,19bの適切な係合が得られなくなる。そこで、係合突出部23aを断面逆ハット形状かつ矩形に構成し、ホイールエプロンレインフォースメント19の断面形状をハット形状かつ矩形に構成して、両係合面23c,19bが確実に係合するように構成したものである。
【0032】
要するに、車両の衝突時、ボンネット1に前方からの荷重が入った際、ボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)を設けたものであり、ボンネットレインフォースメント23は、ホイールエプロンレインフォースメント19を介して、ホイールエプロンフレーム5に係合可能な形状に形成されたものであり、また、ホイールエプロンレインフォースメント19は、係合突出部23aを介して、上述のボンネット1に係合可能な形状に形成されたものである。
【0033】
上記ボンネットレインフォースメント23の前部に下方に向けて突出形成された係合突出部23aは、図2に平面図で示すように、フロントノーズ部2の形状に対応すると共に、車幅方向の中央部のみならず、フロントサイドフレーム4と上下方向に対応する位置から、さらに、車両正面視においてサスペンションタワー部18とオーバラップする位置まで車幅方向に連続して延長形成しており、この係合突出部23aの直後に、ボンネット1の開閉に要するクリアランスを隔てて、ホイールエプロンレインフォースメント19を配設し、上述の係合突出部23aの車幅方向の長さと、該ホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向の長さとを、略同等に設定している。
【0034】
つまり、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cと、ホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bとの両者は、ボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aの車幅方向の長さ、およびホイールエプロンレインフォースメント19の車幅方向の長さの全長にわたって連続して形成したものである。
【0035】
なお、上述の各係合面23c,19bの車幅方向の長さは、車幅方向中央部において所定の長さを有すると、これら両者23c,19bの係合により、衝突時にボンネット1の後退を最も効果的に抑制することができるが、図2で示したように、各係合面23c,19bを車両正面視において左右のサスペンションタワー部18,18とオーバラップする位置まで車幅方向に連続して形成すると、衝突時により一層確実にボンネット1の後退を抑制することができる。
【0036】
ところで、上述のボンネットレインフォースメント23の係合突出部23aにおける車幅方向中央の下片部には、ラッチ21に係合されるストライカ24を取付けて、このストライカ24と上述のラッチ21とでボンネットロック20を構成している。
【0037】
また、上述のボンネットレインフォースメント23の後部に一体形成されたボンネット補強部23bには、車両前後方向および車幅方向に所定の間隔を隔てて複数のディンプル23d(dimple、小さなへこみ)を一体形成している。
これら複数の各ディンプル23dは、ボンネットアウタパネル22の裏面に向かって窪んだ略円錐台形状の窪みで、これらの各ディンプル23dは接着剤を用いて、ボンネットアウタパネル22の裏面に接合固定されていて、上述のボンネット補強部23bによりボンネット1全体の剛性向上を図っている。
【0038】
このように構成した車両の前部車体構造において、車両の衝突時(特に、前面衝突時)に、ボンネット1に前方からの荷重が入ると、図3に示すノーマルな状態から図5に示すように、ボンネットレインフォースメント23の係合面23cが、その直後に位置するホイールエプロンレインフォースメント19の係合面19bに係合するので、ボンネット1の後退を抑制することができる。
【0039】
上記構成の前部車体構造を備えたこの実施例の車両の衝突性能を検証するために、図6に示すように、衝撃により潰れることが可能なアルミニウムまたはアルミ合金などの金属製のハニカム構造の衝突対象物30(いわゆるハニカムバリア)を設け、この衝突対象物30を定位置に固定すると共に、該衝突対象物30に対して所定距離離れた離間位置から所定速度で車両を上記衝突対象物30に衝突させた。
この結果、図6に側面図で示すように、衝突対象物30のクラッシュ深さL1が浅く(L1<L2)、また、図7に正面図で示すように、衝突対象物30のクラッシュエリア(図7において実線αで囲んだ範囲内のエリア)が、図10で示した従来例のエリアに対して大幅に拡大した。
【0040】
すなわち、車両の前面衝突時に、ボンネット1に前方からの荷重が入力されると、上記係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)が係合することで、ボンネット1の後退を抑制するので、衝突耐力が高いフロントサイドフレーム4,4に加えて、ボンネット1で衝突荷重を受けることができ、これにより、該ボンネット1がクラッシュエリア拡大に寄与し、このクラッシュエリアの拡大により、従来のクラッシュ深さL2(図9参照)に対して、図6に示すように、クラッシュ深さL1が浅くなる。このことは、乗員に対する衝撃値(いわゆるG)が低いことを示しており、図6に示すように、車高の低い車両においても、車両のスタイリング、デザインを変更することなく、クラッシュ面を拡大して、乗員の安全性向上を図ることができる。
【0041】
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、ボンネット1によって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部2と、該フロントノーズ部2の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム4,4と、該フロントサイドフレーム4の上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレーム5,5とを備えた車両の前部車体構造であって、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入った際、上記ボンネット1の前部と上記ホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合する係合部(係合突出部23a,係合面23c,19b参照)が設けられたものである(図1、図2、図3参照)。
この構成によれば、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入力されると、上記係合部(係合突出部23a、係合面23c,19b参照)がボンネット1の前部とホイールエプロンフレーム5との間を前後方向に係合するので、車両衝突時にボンネット1前部の後退を抑制することができる。
【0042】
この結果、衝突対象物30(図6参照)に対しては、左右一対のフロントサイドフレーム4,4に加えて、ボンネット1前部が耐力を有して接触することになり、衝突対象物30への接触面積を増加させて、安全性を向上することができる。
また、既存の部材(ホイールエプロンフレーム5参照)を有効に活用して、部品点数および重量増加を招くことなく、ボンネット1前部の後退抑止と、乗員の安全性向上との両立を図ることができる。
【0043】
さらに、上記ボンネット1は、ボンネットアッパパネル22と、該ボンネットアッパパネル22の裏面に設けられたボンネットレインフォースメント23とから成り、上記ボンネットレインフォースメント23が上記ホイールエプロンフレーム5に係合可能な形状に形成されたものである(図3参照)。
この構成によれば、ボンネットレインフォースメント23は強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネット1の後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0044】
また、上記ホイールエプロンフレーム5の前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメント19が設けられ、該ホイールエプロンレインフォースメント19が上記ボンネット1に係合可能な形状に形成されたものである(図3参照)。
この構成によれば、ホイールエプロンレインフォースメント19は強度部材であって、その強度が高いので、衝突荷重を受ける耐力が大きく、ボンネット1の後退をより一層抑制し、その後退量の低減を図ることができる。
【0045】
加えて、上記ボンネットレインフォースメント23と上記ホイールエプロンレインフォースメント19は、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、車両の衝突時、上記ボンネット1に前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメント23およびホイールエプロンレインフォースメント19の相互が係合されるように形成された係合面23c,19bを備えているものである(図3参照)。
この構成によれば、ボンネットレインフォースメント23とホイールエプロンレインフォースメント19とは、双方ともに強度部材であって、これら強度部材の面(係合面23c,19b)により衝突荷重を受けるので、全体的な荷重分散を図って、より一層耐力が大きくなり、ボンネット1の後退量のさらなる低減を図ることができる。
【0046】
また、上記係合面23c,19bは、少なくとも車幅方向に連続して形成されたものである(図2参照)。
この構成によれば、上述の係合面23c,19bが車幅方向に連続しているので、連続係合面23c,19bにより衝突荷重を受けることができ、より一層荷重分散を図ることができて、ボンネット1の後退量をさらに低減させることができる。
【0047】
さらに、上記ボンネットレインフォースメント23の前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部23aが設けられると共に、上記ボンネットレインフォースメント23の後部には、上記ボンネットアッパパネル22に沿って後方に連続して延びるボンネット補強部23bが設けられたものである(図3参照)。
この構成によれば、上記ボンネット補強部23bを設けたので、ボンネット1の全体で衝突荷重を受けることができ、強い衝撃力に対しても確実に耐力の向上を図ることができ、ボンネット1の後退をさらに抑制することができる。
【0048】
図8は車両の前部車体構造の他の実施例を示し、ホイールエプロンフレーム5の前部に設けられて車幅方向に延びるハット断面形状のホイールエプロンレインフォースメント19の下面に、該ホイールエプロンレインフォースメント19に沿って車幅方向に連続して延びるロアプレート27を、スポット溶接等の手段にて一体的に接合固定し、このロアプレート27とホイールエプロンレインフォースメント19との間に、車幅方向に延びる閉断面28を形成したものである。
このように構成すると、ホイールエプロンレインフォースメント19の剛性がさらに向上するので、車両衝突時におけるボンネット1前部の後退をより一層確実に抑制することができる。
【0049】
この図8で示した実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と同様であるから、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0050】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の係合部は、実施例の係合突出部23a、係合面23c,19bに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
1…ボンネット
2…フロントノーズ部
4…フロントサイドフレーム
5…ホイールエプロンフレーム
19…ホイールエプロンレインフォースメント
19b,23c…係合面(係合部)
22…ボンネットアッパパネル
23…ボンネットレインフォースメント
23a…係合突出部(係合部)
23b…ボンネット補強部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、
該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、
該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、
車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部が設けられた
車両の前部車体構造。
【請求項2】
上記ボンネットは、ボンネットアッパパネルと、該ボンネットアッパパネルの裏面に設けられたボンネットレインフォースメントとから成り、
上記ボンネットレインフォースメントが上記ホイールエプロンフレームに係合可能な形状に形成された
請求項1記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
上記ホイールエプロンフレームの前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメントが設けられ、
該ホイールエプロンレインフォースメントが上記ボンネットに係合可能な形状に形成された
請求項1または2記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
上記ボンネットレインフォースメントと上記ホイールエプロンレインフォースメントは、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、
車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメントおよびホイールエプロンレインフォースメントの相互が係合されるように形成された係合面を備えている
請求項2または3記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
上記係合面は、少なくとも車幅方向に連続して形成された
請求項4記載の車両の前部車体構造。
【請求項6】
上記ボンネットレインフォースメントの前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部が設けられると共に、
上記ボンネットレインフォースメントの後部には、上記ボンネットアッパパネルに沿って後方に連続して延びるボンネット補強部が設けられた
請求項4または5記載の車両の前部車体構造。
【請求項1】
ボンネットによって上方が開閉可能に覆われたフロントノーズ部と、
該フロントノーズ部の下方に設けられた左右一対のフロントサイドフレームと、
該フロントサイドフレームの上方を所定間隔を置いて前後方向に延びる左右一対のホイールエプロンフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、
車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットの前部と上記ホイールエプロンフレームとの間を前後方向に係合する係合部が設けられた
車両の前部車体構造。
【請求項2】
上記ボンネットは、ボンネットアッパパネルと、該ボンネットアッパパネルの裏面に設けられたボンネットレインフォースメントとから成り、
上記ボンネットレインフォースメントが上記ホイールエプロンフレームに係合可能な形状に形成された
請求項1記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
上記ホイールエプロンフレームの前部には車幅方向に延びるホイールエプロンレインフォースメントが設けられ、
該ホイールエプロンレインフォースメントが上記ボンネットに係合可能な形状に形成された
請求項1または2記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
上記ボンネットレインフォースメントと上記ホイールエプロンレインフォースメントは、少なくとも一部が前後方向に対向して配設され、
車両の衝突時、上記ボンネットに前方からの荷重が入った際、上記ボンネットレインフォースメントおよびホイールエプロンレインフォースメントの相互が係合されるように形成された係合面を備えている
請求項2または3記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
上記係合面は、少なくとも車幅方向に連続して形成された
請求項4記載の車両の前部車体構造。
【請求項6】
上記ボンネットレインフォースメントの前部には、下方に向かって突出した形状の係合突出部が設けられると共に、
上記ボンネットレインフォースメントの後部には、上記ボンネットアッパパネルに沿って後方に連続して延びるボンネット補強部が設けられた
請求項4または5記載の車両の前部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−184558(P2010−184558A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29247(P2009−29247)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]