車両の台車取り外し設備および方法
【課題】広い敷地を必要とすることなく車体から台車を取り外すことができる車両の台車取り外し設備および方法を提供する。
【解決手段】ゴムタイヤ式車両2または鉄道車両2の車体3から台車4を取り外すための台車取り外し設備1において、上記車両2が走行する走行路5の下方に、上記台車4を取り込むべく設けられたメンテナンス空間Sと、そのメンテナンス空間Sの直上に位置して上記走行路5の一部をなすと共に前後の走行路5から分離可能に形成され、上記車体3との結合が外された上記台車4を載置可能なメンテナンス走行路6と、そのメンテナンス走行路6を、上記走行路5の高さと上記メンテナンス空間S内とで昇降させるための昇降手段7と、その昇降手段7により上記メンテナンス走行路6を下降させる際に上記車体3が下降しないように上記車体3を保持するための保持手段8とを備えたものである。
【解決手段】ゴムタイヤ式車両2または鉄道車両2の車体3から台車4を取り外すための台車取り外し設備1において、上記車両2が走行する走行路5の下方に、上記台車4を取り込むべく設けられたメンテナンス空間Sと、そのメンテナンス空間Sの直上に位置して上記走行路5の一部をなすと共に前後の走行路5から分離可能に形成され、上記車体3との結合が外された上記台車4を載置可能なメンテナンス走行路6と、そのメンテナンス走行路6を、上記走行路5の高さと上記メンテナンス空間S内とで昇降させるための昇降手段7と、その昇降手段7により上記メンテナンス走行路6を下降させる際に上記車体3が下降しないように上記車体3を保持するための保持手段8とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムタイヤ式車両や鉄道車両などの軌道を走行する車両の車体から台車を取り外すための車両の台車取り外し設備および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、レールを走行する鉄道車両や、専用軌道(走行路)をゴムタイヤで走行するゴムタイヤ式車両(新交通システム車両など)では定期的にメンテナンス(点検、整備)が行われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そのようなメンテナンスとして、オーバーホールなど車両の本格的な整備を行う場合には、車両の車体から台車を取り外すようにしている。
【0004】
従来、例えば新交通システム車両において台車を取り外す際には、車体と台車との結合を外し、車体を吊り上げて或いは車体をジャッキアップした状態で、台車を横(水平方向)に引き抜くことで台車を車体から取り外すようにしていた。
【0005】
その車体の取り外しには車両を収容するための車庫が必要となり、車庫(車両基地)を設けて、その車庫を本線にメンテナンス軌道で接続し、車庫内の専用の平坦なスペースで車両を分解することで、初めて台車の本格的な整備が可能となる。
【0006】
図12は、車庫の一例を示したものであり、図12において、111は3日ごとの点検のためのスペース、112は3ヶ月ごとの点検のためのスペース、113は分解整備などのヘビーメンテナンスのための車両分解スペースである。車両分解スペース113には、車体を持ち上げるためのジャッキなどが設けられる(図示せず)。また、車両分解スペース113に隣接して分解部品置き場114が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−030411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の方法により車体を取り外す場合、走行路上にある状態の台車を横に引き抜くことから、その引き抜きのために、走行路面と同じ高さに広くて平坦なメンテナンス空間が必要だった。そのため、車庫の設置に広い敷地が必要となり、小さな路線では敷地を用意することが困難であった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、広い敷地を必要とすることなく車体から台車を取り外すことができる車両の台車取り外し設備および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し設備において、上記車両が走行する走行路の下方に、上記台車を取り込むべく設けられたメンテナンス空間と、そのメンテナンス空間の直上に位置して上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、上記車体との結合が外された上記台車を載置可能なメンテナンス走行路と、そのメンテナンス走行路を、上記走行路の高さと上記メンテナンス空間内とで昇降させるための昇降手段と、その昇降手段により上記メンテナンス走行路を下降させる際に上記車体が下降しないように上記車体を保持するための保持手段とを備えたものである。
【0011】
好ましくは、上記台車が上記メンテナンス走行路上に載置される際に上記メンテナンス走行路上に配置され上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を備えたものである。
【0012】
好ましくは、上記メンテナンス走行路に出没自在に設けられ、上記メンテナンス走行路から前後に突出して上記メンテナンス走行路を上記前後の走行路に係合させるメンテナンス走行路保持手段を備えたものである。
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し方法において、予め、上記車両が走行する走行路の下方に上記台車を取り込むためのメンテナンス空間を設け、そのメンテナンス空間の直上に、上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、かつ上記台車を載置可能なメンテナンス走行路を設け、上記台車を取り外すに際して、上記車両を上記メンテナンス空間の上方に上記台車が上記メンテナンス走行路上に位置するように停車させ、その停車した車両の上記車体と上記台車との結合を外して上記台車を上記メンテナンス走行路上に載置し、上記車体が下降しないように上記車体を保持しつつ、上記台車が載置されたメンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させて上記台車を上記車体から取り外すものである。
【0014】
好ましくは、上記車両を停車させた後、上記車体と上記台車との結合を外す前に、上記車両が下降しないように上記車両を保持しつつ、上記メンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させ、そのメンテナンス走行路上に、上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を配置した後、そのメンテナンス走行路を上記走行路の高さに戻して上記台車受け台により上記台車を受けるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、広い敷地を必要とすることなく車体から台車を取り外すことができるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る車両の台車取り外し設備の側面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る車両の台車取り外し設備の平面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るテーブルリフタ、台車パレット、および台車受け台の斜視図である。
【図5】図5(a)は、本実施形態に係る台車パレットの正面図であり、図5(b)は、側面図である。
【図6】図6(a)は、本実施形態に係るテーブルリフタの正面図であり、図6(b)は、側面図である。
【図7】図7(a)は、本実施形態に係る台車受け台の正面図であり、図7(b)は、側面図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る車両ストッパの正面図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る車両の台車取り外し方法を説明するための図であり、図9(a)は台車パレットが走行路の一部をなす状態を示し、図9(b)は、台車パレットに台車受け台を載せた状態を示し、図9(c)は、台車パレットに台車を載せた状態を示す。
【図10】図10は、本発明に係る変形例による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図11】図11(a)から図11(d)は、本発明に係る他の実施形態による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図12】図12は、従来の台車取り外し方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
本実施形態の車両の台車取り外し設備および方法は、ゴムタイヤ式車両である新交通システム車両(以下、車両という)を対象とし、例えば、空港内などに設けられる小さな路線の駅(駅舎)に適用される。なお、ここでいう新交通システム車両とは、ガイドレール(案内軌条)にガイドされつつ走行路(専用軌道)をゴムタイヤで無人自動走行する車両であって所謂APM(Automated People Mover)車両も含む。
【0019】
まず、図1から図3に基づき本実施形態の車両および駅の概略構造を説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは、走行路の長手方向(車両の車長方向)をいい、図2の左右方向である。左右方向とは、走行路の長手方向に直交する水平方向(車両の車幅方向)をいい、図2の紙面表裏方向である。また、説明の便宜上、図2の左方を前方と図2の右方を後方とする。
【0020】
図1から図3に示すように、車両2は、走行輪をなすゴムタイヤ41が設けられた複数の台車4と、それら台車4に支持された車体3とで構成される。
【0021】
図2に示すように、車体3は、車両2のほぼ全長に亘り前後に延びる車両フレーム31(台枠)と、その車両フレーム31上に設けられた車両ボディ32(上部構体)とを備える。車両フレーム31には、2つの台車4が取り付けられており(図2では前部のみ示す)、それら台車4は車両フレーム31(車両2)の前部と後部とに各々配置される。各台車4は、例えばボルトなどの結合部材(図示せず)により車両フレーム31の下部に分離可能に結合される。図例の台車4は、左右一対のゴムタイヤ41、41を有する1軸の駆動台車4であり、ゴムタイヤ41を操舵するステアリング機構、そのステアリング機構を作動させるべくガイドレールに係合する案内輪、ゴムタイヤ41を駆動する駆動モータおよび集電装置などをさらに有する(図示せず)。
【0022】
駅11には、車両2が走行する走行路5が設けられており、その走行路5の左右両側には、車両2への乗降車などのためのプラットホーム12が設けられる。図例では、各プラットホーム12の下方にプラットホーム12を支持する支柱13が各々設けられ、それらの支柱13の間に走行路5が設けられる。
【0023】
プラットホーム12には走行路5側に張り出す張出部121が形成され、その張出部121は、車両ボディ32の床とほぼ同じ高さを有する。また、プラットホーム12上にはホームドア122が設けられる。
【0024】
走行路5には、車両2のゴムタイヤ41が通る2本の路面51が設けられる。それら路面51は、上方に突出する凸状に形成され、例えばコンクリートや鋼などからなる。その路面51の側方には、台車4とほぼ同じ高さに位置させて図示しないガイドレールや電車線などが設けられている。
【0025】
図例の路線は、少なくとも駅11の近傍で高架となっており、駅11(プラットホーム12)が建屋(空港のターミナルビルなど)の2階以上のフロアに設置される。その駅11のフロアの1階下には、台車4のメンテナンス(保守点検や整備など)に使用することができるフロア(空間)Sが確保されている。
【0026】
詳しくは後述するが、本実施形態では、その駅11の下のフロアを、台車4を取り込むためのメンテナンス空間Sとして使用することにより、車両2の車体3から台車4を取り外すための台車取り外し設備1が構成される。
【0027】
次に、図1から図8に基づき本実施形態の台車取り外し設備1を説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の台車取り外し設備1は、走行路5の下方に、台車4を取り込むべく設けられたメンテナンス空間(以下、メンテナンスフロアという)Sと、そのメンテナンスフロアSの上方(直上)に位置して走行路5の一部をなすと共に前後の走行路5(図2参照)から分離可能に形成され、かつ車体3との結合が外された台車4を載置可能なメンテナンス走行路をなす台車パレット6と、その台車パレット6を走行路5の高さとメンテナンスフロアS内とで昇降させるための昇降手段をなすテーブルリフタ7と、そのテーブルリフタ7により台車パレット6を下降させる際に車体3が下降しないように車体3を保持する保持手段をなす車両ストッパ8と、台車4を台車パレット6上に載置する際に台車パレット6上に配置される台車受け台9(図4参照)とを備える。
【0029】
メンテナンスフロアSは、プラットホーム12および走行路5の下方に位置する。そのメンテナンスフロアSは、オーバーホールなどの本格的な車両整備が可能な広さと高さを有し、その車両整備の際に分解される部品を保管するための分解部品置場などが設けられる。また、メンテナンスフロアSには、分解部品などを搬送するためのフォークリフト14が乗り入れ可能となっている。
【0030】
詳しくは後述するが、このフォークリフト14によって、車両2のメンテナンス時にメンテナンスフロアSに取り込まれた台車パレット6が搬送される。
【0031】
その台車パレット6は、非メンテナンス時(以下、通常時という)には、メンテナンス空間Sの上方に配置されて走行路5の一部をなす。
【0032】
具体的には、走行路5における所定の台車取り外し位置に、台車パレット6とほぼ同じ(僅かに長い)前後長さのギャップ部G(図9(b)参照)が形成され、そのギャップ部Gに台車パレット6が嵌め込まれる。ここで、ギャップ部G(台車取り外し位置)は、1車両当たりの台車4の数および間隔に対応して設けられており、図例では2つのギャップ部Gが、台車4の間隔とほぼ同じ間隔を隔てて前後に離間して配置される。
【0033】
図3から図5に示すように、台車パレット6は、載置した台車4がはみ出さないような大きさ、形状を有し、図例の台車パレット6は、平面視ほぼ長方形で台車4よりも前後かつ左右に大きい平板状に形成される。台車パレット6の上面には、ゴムタイヤ41が通る路面をなす2本のタイヤルート部61が設けられる。それらタイヤルート部61は、台車パレット6の全長に亘り前後に延び、前後の走行路5の路面51に連続するように左右の間隔および高さが設定される。台車パレット6の下面には、フォークリフト14のフォークを差し込むための2本のフォーク溝62が形成される。それらフォーク溝62は、台車パレット6の前後のほぼ中間に形成され左右に延びる。
【0034】
この台車パレット6には、台車パレット6を前後の走行路5に分離可能に係合させるためのメンテナンス走行路保持手段をなすパレットストッパ63が設けられる。
【0035】
パレットストッパ63は、台車パレット6の前端部における左右の両側面と後端部における左右の両側面とに各々設けられ、合計4つ設けられる。ここで、これらパレットストッパ63は、台車パレット6への固定位置および方向が異なる以外は同じ構造を有する。そこで、前端部のパレットストッパ63のみ説明し他のものは説明を省略する。
【0036】
パレットストッパ63は、前後に伸縮可能なジャッキ装置であり、通常時に台車パレット6から前方に突出して前方の走行路5に係合するキー部材631と、そのキー部材631をメンテナンス時に格納するためのストッパボックス632と、キー部材631を出没させるべく駆動する電動または手動の駆動手段(図示せず)とを備える。
【0037】
ストッパボックス632は、台車パレット6の側面に固定され、そのストッパボックス632に直方体状のキー部材631が前後に出没(伸縮)自在に設けられる。キー部材631は、走行路5の上面に載って所定長さに亘り当接するまでストッパボックス632から前方に伸長可能なよう、かつ走行路5に干渉しない長さまでストッパボックス632内に縮退可能なように構成される。
【0038】
図1に示すように、テーブルリフタ7は、台車パレット6(ギャップ部G)の直下に配置される。そのテーブルリフタ7は、図4および図6に示すように、台車パレット6が載置されるテーブル71と、そのテーブル71の下方に配置されメンテナンスフロアSの床に設置されたベース72と、それらテーブル71とベース72とを連結する2つのアーム73とを備える。各アーム73は、パンタグラフ式のリンク機構からなりX字状に形成される。そのアーム73には、リンク機構を作動させてテーブル71を昇降させるための図示しない駆動手段(例えば、油圧ジャッキや電動ジャッキなど)が設けられる。
【0039】
このテーブルリフタ7は、少なくとも、テーブル71に載せた台車パレット6を走行路5の高さ(すなわち、台車パレット6のタイヤルート部61が走行路5の路面51と一致する高さ)まで、上昇可能なように構成される。
【0040】
以上の台車パレット6とテーブルリフタ7との組が、各台車取り外し位置(ギャップ部G)に対応する前後位置に1組ずつ(合計2組)設けられる。
【0041】
図4および図7に示すように、台車受け台9は、車体3から分離された台車4の転倒を防止すべく台車4を支持するためのものであり、台車パレット6の上に載置される台座部91と、その台座部91に設けられ台車4を下方から支持する複数の突起部92とを有する。台座部91は、複数のフレーム部材を枠体状に組み合わせて形成される。突起部92は、台車4における所定の支持箇所に対応させて各々配置され、図例の突起部92は、ゴムタイヤ41の前後と、ゴムタイヤ41の左右の内側とに各々配置される。
【0042】
その突起部92は、軸状に形成されて台座部91から上方に延びると共に、その上端に台車4を受けるための受け板921が設けられる。突起部92は、受け板921が台車4に当接、支持した際にゴムタイヤ41が接地しないような(ゴムタイヤ41が宙に浮くような)高さに設定される。この台車受け台9と、上述の台車パレット6およびテーブルリフタ7とは例えば鋼製である。
【0043】
図1に示すように、車両ストッパ8は車両2の左右両側のプラットホーム12の下に、かつ各プラットホーム12に前後に離間して2つずつ設けられ、合計4つ設けられる。これら車両ストッパ8は、プラットホーム12への固定位置および方向が異なる以外は同じ構造を有することから、前部のパレットストッパ63のみ説明し他のものは説明を省略する。
【0044】
図8に示すように、車両ストッパ8は、寸法や支持荷重などは異なるが、基本的には上述したパレットストッパ63とほぼ同様の構造のジャッキ装置であり、直方体状のキー部材81と、そのキー部材81を収容するストッパボックス82と、キー部材81を伸縮駆動する油圧または電動の駆動手段(図示せず)とを有する。
【0045】
車両ストッパ8のストッパボックス82が、プラットホーム12の張出部121の下面にブラケット83によって取り付けられ、そのストッパボックス82にキー部材81が左右に伸縮可能に設けられる。より具体的には、ストッパボックス82は、キー部材81の上面が車両フレーム31の下面とほぼ同じ高さとなるように設けられる。そのキー部材81は、ストッパボックス82から走行路5側に、車両フレーム31の下面に当接するまで伸長可能なよう、かつ走行路5を走行する車両2に干渉しない長さまでストッパボックス82内に縮退可能なように構成される。
【0046】
次に、図9(a)から図9(c)に基づき本実施形態の台車取り外し方法を説明する。
【0047】
本実施形態の台車取り外し方法では、予め、駅11における台車取り外し位置の走行路を、台車パレット6とテーブルリフタ7とからなる昇降構造とする。
【0048】
台車4を取り外す際には、車体3を車両ストッパ8(ジャッキ装置)で支え、台車4の下に台車パレット6を挟んだ状態でテーブルリフタ7のテーブル71を駅11の1階層下のメンテナンスフロアSに下降させ、そのメンテナンスフロアSでフォークリフト14により台車パレット6を台車4ごと横に引き抜く。
【0049】
これにより、台車4が車体3から取り外される。さらに、取り外された台車4は、フォークリフト14によりメンテナンスフロアS内の所定のメンテナンス位置に搬送され、その台車4にオーバーホールなどのヘビーメンテナンスが行われる。
【0050】
このように本実施形態によれば、車庫を建設するための十分なスペース(用地)がとれずメンテナンス軌道を設けることができない新交通システムの場合でも、駅舎の下の階層にメンテナンスフロアSを設けることで、車両2のメンテナンスが可能となる。
【0051】
より具体的には、図9(a)に示すように、メンテナンスを行わない通常時(車両走行時など)には、パレットストッパ63のキー部材631が前後に伸長し台車パレット6が走行路5のギャップ部Gに掛け渡される。台車パレット6の下面には、テーブルリフタ7のテーブル71が当接する。
【0052】
このとき、台車パレット6や車両2の荷重は、主にパレットストッパ63により支持される。なお、車両ストッパ8のキー部材81は、車両2に接触しないようにストッパボックス82に収容される。
【0053】
メンテナンス時に台車4を取り外す際には、まず、車両2をメンテナンスフロアSの上方に停車させる。停車は、車両2の前後の台車4が各台車パレット6上に位置するように行う。
【0054】
次に、図9(b)に示すように、台車パレット6上に台車受け台9を配置する。具体的には、車両ストッパ8のキー部材81を伸長させ、車両2が下降しないように車両2を下方から支持(保持)する。その車両2が保持された状態で、パレットストッパ63のキー部材631を縮退させて台車パレット6を前後の走行路5から分離する。その分離された台車パレット6をテーブルリフタ7によりメンテナンスフロアS内の所定高さ(例えば床とほぼ同じ高さ)まで下降させる。その下降させた台車パレット6上に、フォークリフト14などにより台車受け台9を位置決め、載置する。その台車パレット6をテーブルリフタ7により走行路5の高さに戻し、台車受け台9を台車4に下方から当接させる。
【0055】
次に、図9(c)に示すように、車体3(車両フレーム31)と台車4との結合を外し、台車4を台車受け台9により支持しつつ台車パレット6上に載置する。その台車4が載置された台車パレット6をテーブルリフタ7によりメンテナンスフロアS内の上記所定高さまで下降させる。この台車パレット6を下降させる際、車両ストッパ8を伸長状態のままとし車体3が下降しないように車両ストッパ8により車体3を保持する。
【0056】
以上により、車体3を持ち上げる(或いは吊り上げる)ことなく台車4を車体3から取り外すことができる。なお、台車4の取り外しは、前後の台車4で同時に行っても順番に行ってもよい。
【0057】
このように、本実施形態によれば、従来のような車体3の持ち上げ、引き抜き作業を行わないため、その持ち上げ、引き抜き作業を行うための車庫などが不要となる。また、車庫が不要となることから、車両を本線軌道から車庫に引き込むためのメンテナンス軌道も不要となる。その結果、車庫やメンテナンス軌道などを建設するための広い敷地を必要とすることなく車体3から台車4を取り外すことができる。
【0058】
次に、台車4を車体3に取り付ける取付方法について説明する。
【0059】
上述した台車取り外し後に、台車4を車体3に取り付ける際には、まず、メンテナンスが終了した台車4を台車受け台9に支持させて、その台車受け台9をメンテナンスフロアSに下降した台車パレット6上に載置する。
【0060】
次に、台車パレット6をテーブルリフタ7により走行路5の高さに上昇させて、台車パレット6上の台車4を車両フレーム31に結合させる。これにより、車体3に台車4が取り付けられる。
【0061】
次に、台車パレット6をメンテナンスフロアSに下降させて、その台車パレット6上から台車受け台9を取り除き、その空荷の台車パレット6を再び走行路5の高さに上昇させる。パレットストッパ63のキー部材631を伸長させて台車パレット6を前後の走行路5に係合させた後、車両ストッパ8のキー部材81を縮退させて車両2を開放する。これにより、走行路5と車両2とが走行可能な状態となる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、台車4を取り外すのみならず、車体3に台車4を取り付ける場合にも、車体3を持ち上げる必要がない。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、新交通システム車両を対象としたが、これに限定されず、他のゴムタイヤ式車両やレールを走行する鉄道車両などでもよい。
【0065】
台車は、1軸台車に限定されず、2軸以上のものでもよく、また駆動モータなどの駆動手段を有さない従台車でもよい。
【0066】
上述の実施形態では、駅が2階以上のフロアに設けられたものを対象としたが、これに限定されない。例えば、路線が地下や平地に設けられ駅が地下階または1階に設けられたものでもよく、その場合、メンテナンスフロアSは地下階に設けられる。また、台車取り外し設備を、駅以外の場所(例えば駅と駅の間の本線軌道)に設けてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、パレットストッパ63により台車パレット6を走行路5に係合させたが、これに限定されない。例えば、パレットストッパ63と同様の構造のシリンダ装置を前後の走行路5に設け、そのシリンダ装置のキー部材の上に台車パレット6を載せて支持することが考えられる。この場合、台車パレット6の下面にシリンダ装置のキー部材を差し込むための溝を形成することが好ましい。これによれば、シリンダ装置が走行路に固定されることからシリンダ装置を動力源(電源や油圧源など)に容易に接続できる。
【0068】
また、パレットストッパ63を省略してテーブルリフタ7により台車パレット6を走行路5の高さに保持することも考えられる。例えば、テーブルリフタ7のアーム73に、パンタグラフ式リンク機構の作動(すなわちテーブルの昇降)を規制するロック手段を設けることが考えられる。
【0069】
上述の実施形態では、台車パレット6によりメンテナンス走行路を構成したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、台車パレット6を省略して、テーブルリフタ7のテーブル71をメンテナンス走行路6としてもよい。この場合、テーブル71の上面にタイヤルート部が設けられる。また、図10の例では、フォークリフト14による搬送のための溝を台車受け台9に形成する、或いは台車4の搬送を省略してメンテナンスフロアSに下降させたテーブル71の上で台車4のメンテナンスを行うことが考えられる。
【0070】
また、車体に台車を取り付ける際に、予めメンテナンス済みの台車4をメンテナンスフロアSに用意しておき、車体3から取り外された台車4を載せた台車パレット6がメンテナンスフロアSに下降したときに、その台車パレット6上の台車4をメンテナンス済みの台車4に取り替えて、そのメンテナンス済みの台車4に車体3に取り付けるようにしてもよい。このようにメンテナンスが必要な台車4をメンテナンス済みの台車4に交換する場合、走行路5および車両2を素早く走行可能な状態に復帰させることができる。
【0071】
この他に、フォークリフト14を使わずテーブルリフタ7をメンテナンスフロアSに下ろしたままの状態で、台車パレット6上で台車4をメンテナンスすることも考えられる。この場合、テーブルリフタ7と台車パレット6とを作業台として使用するので、メンテナンスフロアS内に作業台を設ける必要がなく、メンテナンスフロアSが狭い場合でもメンテナンスが可能となる。なお、メンテナンス期間中、車両の移動は行われない。
【0072】
また、上述の実施形態では、ギャップ部Gと台車パレット6とテーブルリフタ7とを、1車両当たりの台車4の数(2つ)と同数設けたが、これに限定されず、図11に示すように、ギャップ部Gと台車パレット6とテーブルリフタ7とは1つずつでもよい。
【0073】
図11に係る実施形態による台車4の交換方法を説明する。なお、図11では、メンテナンスが必要な被メンテナンス台車に符号4Aを付すと共にゴムタイヤを太線で示し、新しい台車に符号4Bを付す。また、図1から図9と同様の部材には同じ符号を付し説明を省略する。説明の便宜上、図11の左方を前方とする。
【0074】
この交換方法では、まず、図11(a)に示すように、車両2の前側の被メンテナンス台車4Aが台車パレット6上に位置するように車両2を停車させ、その停車した車両2から前側の被メンテナンス台車4Aを取り外す。また、メンテナンス空間Sには新しい台車4Bを用意する。
【0075】
次に、図11(b)に示すように、取り外した台車4Aの代わりに新しい台車4Bを車両2の前部に取り付ける。また、取り外した被メンテナンス台車4Aを搬出してメンテナンスする。
【0076】
次に、図11(c)に示すように、車両2を移動させ、後側の被メンテナンス台車4Aが台車パレット6上に位置するように停車させる。さらに、図11(d)に示すように、停車した車両2から後側の被メンテナンス台車4Aを取り外して、その取り外した被メンテナンス台車4Aの代わりに新しい台車4Bを車両2の後部に取り付ける。
【0077】
以上により、車両2の前後の被メンテナンス台車4Aが新しい台車4Bに交換される。この図11の実施形態では、台車パレット6とテーブルリフタ7とを1つずつしか設けないため、メンテナンス空間Sの省スペース化を図ることができ、台車取り外し設備の設置コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 台車取り外し設備
2 車両
3 車体
4 台車
5 走行路
6 台車パレット(メンテナンス走行路)
7 テーブルリフタ(昇降手段)
8 車両ストッパ(保持手段)
9 台車受け台
41 パレットストッパ(メンテナンス走行路保持手段)
S メンテナンスフロア(メンテナンス空間)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムタイヤ式車両や鉄道車両などの軌道を走行する車両の車体から台車を取り外すための車両の台車取り外し設備および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、レールを走行する鉄道車両や、専用軌道(走行路)をゴムタイヤで走行するゴムタイヤ式車両(新交通システム車両など)では定期的にメンテナンス(点検、整備)が行われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そのようなメンテナンスとして、オーバーホールなど車両の本格的な整備を行う場合には、車両の車体から台車を取り外すようにしている。
【0004】
従来、例えば新交通システム車両において台車を取り外す際には、車体と台車との結合を外し、車体を吊り上げて或いは車体をジャッキアップした状態で、台車を横(水平方向)に引き抜くことで台車を車体から取り外すようにしていた。
【0005】
その車体の取り外しには車両を収容するための車庫が必要となり、車庫(車両基地)を設けて、その車庫を本線にメンテナンス軌道で接続し、車庫内の専用の平坦なスペースで車両を分解することで、初めて台車の本格的な整備が可能となる。
【0006】
図12は、車庫の一例を示したものであり、図12において、111は3日ごとの点検のためのスペース、112は3ヶ月ごとの点検のためのスペース、113は分解整備などのヘビーメンテナンスのための車両分解スペースである。車両分解スペース113には、車体を持ち上げるためのジャッキなどが設けられる(図示せず)。また、車両分解スペース113に隣接して分解部品置き場114が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−030411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の方法により車体を取り外す場合、走行路上にある状態の台車を横に引き抜くことから、その引き抜きのために、走行路面と同じ高さに広くて平坦なメンテナンス空間が必要だった。そのため、車庫の設置に広い敷地が必要となり、小さな路線では敷地を用意することが困難であった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、広い敷地を必要とすることなく車体から台車を取り外すことができる車両の台車取り外し設備および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し設備において、上記車両が走行する走行路の下方に、上記台車を取り込むべく設けられたメンテナンス空間と、そのメンテナンス空間の直上に位置して上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、上記車体との結合が外された上記台車を載置可能なメンテナンス走行路と、そのメンテナンス走行路を、上記走行路の高さと上記メンテナンス空間内とで昇降させるための昇降手段と、その昇降手段により上記メンテナンス走行路を下降させる際に上記車体が下降しないように上記車体を保持するための保持手段とを備えたものである。
【0011】
好ましくは、上記台車が上記メンテナンス走行路上に載置される際に上記メンテナンス走行路上に配置され上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を備えたものである。
【0012】
好ましくは、上記メンテナンス走行路に出没自在に設けられ、上記メンテナンス走行路から前後に突出して上記メンテナンス走行路を上記前後の走行路に係合させるメンテナンス走行路保持手段を備えたものである。
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し方法において、予め、上記車両が走行する走行路の下方に上記台車を取り込むためのメンテナンス空間を設け、そのメンテナンス空間の直上に、上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、かつ上記台車を載置可能なメンテナンス走行路を設け、上記台車を取り外すに際して、上記車両を上記メンテナンス空間の上方に上記台車が上記メンテナンス走行路上に位置するように停車させ、その停車した車両の上記車体と上記台車との結合を外して上記台車を上記メンテナンス走行路上に載置し、上記車体が下降しないように上記車体を保持しつつ、上記台車が載置されたメンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させて上記台車を上記車体から取り外すものである。
【0014】
好ましくは、上記車両を停車させた後、上記車体と上記台車との結合を外す前に、上記車両が下降しないように上記車両を保持しつつ、上記メンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させ、そのメンテナンス走行路上に、上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を配置した後、そのメンテナンス走行路を上記走行路の高さに戻して上記台車受け台により上記台車を受けるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、広い敷地を必要とすることなく車体から台車を取り外すことができるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る車両の台車取り外し設備の側面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る車両の台車取り外し設備の平面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るテーブルリフタ、台車パレット、および台車受け台の斜視図である。
【図5】図5(a)は、本実施形態に係る台車パレットの正面図であり、図5(b)は、側面図である。
【図6】図6(a)は、本実施形態に係るテーブルリフタの正面図であり、図6(b)は、側面図である。
【図7】図7(a)は、本実施形態に係る台車受け台の正面図であり、図7(b)は、側面図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る車両ストッパの正面図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る車両の台車取り外し方法を説明するための図であり、図9(a)は台車パレットが走行路の一部をなす状態を示し、図9(b)は、台車パレットに台車受け台を載せた状態を示し、図9(c)は、台車パレットに台車を載せた状態を示す。
【図10】図10は、本発明に係る変形例による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図11】図11(a)から図11(d)は、本発明に係る他の実施形態による車両の台車取り外し設備の正面図である。
【図12】図12は、従来の台車取り外し方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
本実施形態の車両の台車取り外し設備および方法は、ゴムタイヤ式車両である新交通システム車両(以下、車両という)を対象とし、例えば、空港内などに設けられる小さな路線の駅(駅舎)に適用される。なお、ここでいう新交通システム車両とは、ガイドレール(案内軌条)にガイドされつつ走行路(専用軌道)をゴムタイヤで無人自動走行する車両であって所謂APM(Automated People Mover)車両も含む。
【0019】
まず、図1から図3に基づき本実施形態の車両および駅の概略構造を説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは、走行路の長手方向(車両の車長方向)をいい、図2の左右方向である。左右方向とは、走行路の長手方向に直交する水平方向(車両の車幅方向)をいい、図2の紙面表裏方向である。また、説明の便宜上、図2の左方を前方と図2の右方を後方とする。
【0020】
図1から図3に示すように、車両2は、走行輪をなすゴムタイヤ41が設けられた複数の台車4と、それら台車4に支持された車体3とで構成される。
【0021】
図2に示すように、車体3は、車両2のほぼ全長に亘り前後に延びる車両フレーム31(台枠)と、その車両フレーム31上に設けられた車両ボディ32(上部構体)とを備える。車両フレーム31には、2つの台車4が取り付けられており(図2では前部のみ示す)、それら台車4は車両フレーム31(車両2)の前部と後部とに各々配置される。各台車4は、例えばボルトなどの結合部材(図示せず)により車両フレーム31の下部に分離可能に結合される。図例の台車4は、左右一対のゴムタイヤ41、41を有する1軸の駆動台車4であり、ゴムタイヤ41を操舵するステアリング機構、そのステアリング機構を作動させるべくガイドレールに係合する案内輪、ゴムタイヤ41を駆動する駆動モータおよび集電装置などをさらに有する(図示せず)。
【0022】
駅11には、車両2が走行する走行路5が設けられており、その走行路5の左右両側には、車両2への乗降車などのためのプラットホーム12が設けられる。図例では、各プラットホーム12の下方にプラットホーム12を支持する支柱13が各々設けられ、それらの支柱13の間に走行路5が設けられる。
【0023】
プラットホーム12には走行路5側に張り出す張出部121が形成され、その張出部121は、車両ボディ32の床とほぼ同じ高さを有する。また、プラットホーム12上にはホームドア122が設けられる。
【0024】
走行路5には、車両2のゴムタイヤ41が通る2本の路面51が設けられる。それら路面51は、上方に突出する凸状に形成され、例えばコンクリートや鋼などからなる。その路面51の側方には、台車4とほぼ同じ高さに位置させて図示しないガイドレールや電車線などが設けられている。
【0025】
図例の路線は、少なくとも駅11の近傍で高架となっており、駅11(プラットホーム12)が建屋(空港のターミナルビルなど)の2階以上のフロアに設置される。その駅11のフロアの1階下には、台車4のメンテナンス(保守点検や整備など)に使用することができるフロア(空間)Sが確保されている。
【0026】
詳しくは後述するが、本実施形態では、その駅11の下のフロアを、台車4を取り込むためのメンテナンス空間Sとして使用することにより、車両2の車体3から台車4を取り外すための台車取り外し設備1が構成される。
【0027】
次に、図1から図8に基づき本実施形態の台車取り外し設備1を説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の台車取り外し設備1は、走行路5の下方に、台車4を取り込むべく設けられたメンテナンス空間(以下、メンテナンスフロアという)Sと、そのメンテナンスフロアSの上方(直上)に位置して走行路5の一部をなすと共に前後の走行路5(図2参照)から分離可能に形成され、かつ車体3との結合が外された台車4を載置可能なメンテナンス走行路をなす台車パレット6と、その台車パレット6を走行路5の高さとメンテナンスフロアS内とで昇降させるための昇降手段をなすテーブルリフタ7と、そのテーブルリフタ7により台車パレット6を下降させる際に車体3が下降しないように車体3を保持する保持手段をなす車両ストッパ8と、台車4を台車パレット6上に載置する際に台車パレット6上に配置される台車受け台9(図4参照)とを備える。
【0029】
メンテナンスフロアSは、プラットホーム12および走行路5の下方に位置する。そのメンテナンスフロアSは、オーバーホールなどの本格的な車両整備が可能な広さと高さを有し、その車両整備の際に分解される部品を保管するための分解部品置場などが設けられる。また、メンテナンスフロアSには、分解部品などを搬送するためのフォークリフト14が乗り入れ可能となっている。
【0030】
詳しくは後述するが、このフォークリフト14によって、車両2のメンテナンス時にメンテナンスフロアSに取り込まれた台車パレット6が搬送される。
【0031】
その台車パレット6は、非メンテナンス時(以下、通常時という)には、メンテナンス空間Sの上方に配置されて走行路5の一部をなす。
【0032】
具体的には、走行路5における所定の台車取り外し位置に、台車パレット6とほぼ同じ(僅かに長い)前後長さのギャップ部G(図9(b)参照)が形成され、そのギャップ部Gに台車パレット6が嵌め込まれる。ここで、ギャップ部G(台車取り外し位置)は、1車両当たりの台車4の数および間隔に対応して設けられており、図例では2つのギャップ部Gが、台車4の間隔とほぼ同じ間隔を隔てて前後に離間して配置される。
【0033】
図3から図5に示すように、台車パレット6は、載置した台車4がはみ出さないような大きさ、形状を有し、図例の台車パレット6は、平面視ほぼ長方形で台車4よりも前後かつ左右に大きい平板状に形成される。台車パレット6の上面には、ゴムタイヤ41が通る路面をなす2本のタイヤルート部61が設けられる。それらタイヤルート部61は、台車パレット6の全長に亘り前後に延び、前後の走行路5の路面51に連続するように左右の間隔および高さが設定される。台車パレット6の下面には、フォークリフト14のフォークを差し込むための2本のフォーク溝62が形成される。それらフォーク溝62は、台車パレット6の前後のほぼ中間に形成され左右に延びる。
【0034】
この台車パレット6には、台車パレット6を前後の走行路5に分離可能に係合させるためのメンテナンス走行路保持手段をなすパレットストッパ63が設けられる。
【0035】
パレットストッパ63は、台車パレット6の前端部における左右の両側面と後端部における左右の両側面とに各々設けられ、合計4つ設けられる。ここで、これらパレットストッパ63は、台車パレット6への固定位置および方向が異なる以外は同じ構造を有する。そこで、前端部のパレットストッパ63のみ説明し他のものは説明を省略する。
【0036】
パレットストッパ63は、前後に伸縮可能なジャッキ装置であり、通常時に台車パレット6から前方に突出して前方の走行路5に係合するキー部材631と、そのキー部材631をメンテナンス時に格納するためのストッパボックス632と、キー部材631を出没させるべく駆動する電動または手動の駆動手段(図示せず)とを備える。
【0037】
ストッパボックス632は、台車パレット6の側面に固定され、そのストッパボックス632に直方体状のキー部材631が前後に出没(伸縮)自在に設けられる。キー部材631は、走行路5の上面に載って所定長さに亘り当接するまでストッパボックス632から前方に伸長可能なよう、かつ走行路5に干渉しない長さまでストッパボックス632内に縮退可能なように構成される。
【0038】
図1に示すように、テーブルリフタ7は、台車パレット6(ギャップ部G)の直下に配置される。そのテーブルリフタ7は、図4および図6に示すように、台車パレット6が載置されるテーブル71と、そのテーブル71の下方に配置されメンテナンスフロアSの床に設置されたベース72と、それらテーブル71とベース72とを連結する2つのアーム73とを備える。各アーム73は、パンタグラフ式のリンク機構からなりX字状に形成される。そのアーム73には、リンク機構を作動させてテーブル71を昇降させるための図示しない駆動手段(例えば、油圧ジャッキや電動ジャッキなど)が設けられる。
【0039】
このテーブルリフタ7は、少なくとも、テーブル71に載せた台車パレット6を走行路5の高さ(すなわち、台車パレット6のタイヤルート部61が走行路5の路面51と一致する高さ)まで、上昇可能なように構成される。
【0040】
以上の台車パレット6とテーブルリフタ7との組が、各台車取り外し位置(ギャップ部G)に対応する前後位置に1組ずつ(合計2組)設けられる。
【0041】
図4および図7に示すように、台車受け台9は、車体3から分離された台車4の転倒を防止すべく台車4を支持するためのものであり、台車パレット6の上に載置される台座部91と、その台座部91に設けられ台車4を下方から支持する複数の突起部92とを有する。台座部91は、複数のフレーム部材を枠体状に組み合わせて形成される。突起部92は、台車4における所定の支持箇所に対応させて各々配置され、図例の突起部92は、ゴムタイヤ41の前後と、ゴムタイヤ41の左右の内側とに各々配置される。
【0042】
その突起部92は、軸状に形成されて台座部91から上方に延びると共に、その上端に台車4を受けるための受け板921が設けられる。突起部92は、受け板921が台車4に当接、支持した際にゴムタイヤ41が接地しないような(ゴムタイヤ41が宙に浮くような)高さに設定される。この台車受け台9と、上述の台車パレット6およびテーブルリフタ7とは例えば鋼製である。
【0043】
図1に示すように、車両ストッパ8は車両2の左右両側のプラットホーム12の下に、かつ各プラットホーム12に前後に離間して2つずつ設けられ、合計4つ設けられる。これら車両ストッパ8は、プラットホーム12への固定位置および方向が異なる以外は同じ構造を有することから、前部のパレットストッパ63のみ説明し他のものは説明を省略する。
【0044】
図8に示すように、車両ストッパ8は、寸法や支持荷重などは異なるが、基本的には上述したパレットストッパ63とほぼ同様の構造のジャッキ装置であり、直方体状のキー部材81と、そのキー部材81を収容するストッパボックス82と、キー部材81を伸縮駆動する油圧または電動の駆動手段(図示せず)とを有する。
【0045】
車両ストッパ8のストッパボックス82が、プラットホーム12の張出部121の下面にブラケット83によって取り付けられ、そのストッパボックス82にキー部材81が左右に伸縮可能に設けられる。より具体的には、ストッパボックス82は、キー部材81の上面が車両フレーム31の下面とほぼ同じ高さとなるように設けられる。そのキー部材81は、ストッパボックス82から走行路5側に、車両フレーム31の下面に当接するまで伸長可能なよう、かつ走行路5を走行する車両2に干渉しない長さまでストッパボックス82内に縮退可能なように構成される。
【0046】
次に、図9(a)から図9(c)に基づき本実施形態の台車取り外し方法を説明する。
【0047】
本実施形態の台車取り外し方法では、予め、駅11における台車取り外し位置の走行路を、台車パレット6とテーブルリフタ7とからなる昇降構造とする。
【0048】
台車4を取り外す際には、車体3を車両ストッパ8(ジャッキ装置)で支え、台車4の下に台車パレット6を挟んだ状態でテーブルリフタ7のテーブル71を駅11の1階層下のメンテナンスフロアSに下降させ、そのメンテナンスフロアSでフォークリフト14により台車パレット6を台車4ごと横に引き抜く。
【0049】
これにより、台車4が車体3から取り外される。さらに、取り外された台車4は、フォークリフト14によりメンテナンスフロアS内の所定のメンテナンス位置に搬送され、その台車4にオーバーホールなどのヘビーメンテナンスが行われる。
【0050】
このように本実施形態によれば、車庫を建設するための十分なスペース(用地)がとれずメンテナンス軌道を設けることができない新交通システムの場合でも、駅舎の下の階層にメンテナンスフロアSを設けることで、車両2のメンテナンスが可能となる。
【0051】
より具体的には、図9(a)に示すように、メンテナンスを行わない通常時(車両走行時など)には、パレットストッパ63のキー部材631が前後に伸長し台車パレット6が走行路5のギャップ部Gに掛け渡される。台車パレット6の下面には、テーブルリフタ7のテーブル71が当接する。
【0052】
このとき、台車パレット6や車両2の荷重は、主にパレットストッパ63により支持される。なお、車両ストッパ8のキー部材81は、車両2に接触しないようにストッパボックス82に収容される。
【0053】
メンテナンス時に台車4を取り外す際には、まず、車両2をメンテナンスフロアSの上方に停車させる。停車は、車両2の前後の台車4が各台車パレット6上に位置するように行う。
【0054】
次に、図9(b)に示すように、台車パレット6上に台車受け台9を配置する。具体的には、車両ストッパ8のキー部材81を伸長させ、車両2が下降しないように車両2を下方から支持(保持)する。その車両2が保持された状態で、パレットストッパ63のキー部材631を縮退させて台車パレット6を前後の走行路5から分離する。その分離された台車パレット6をテーブルリフタ7によりメンテナンスフロアS内の所定高さ(例えば床とほぼ同じ高さ)まで下降させる。その下降させた台車パレット6上に、フォークリフト14などにより台車受け台9を位置決め、載置する。その台車パレット6をテーブルリフタ7により走行路5の高さに戻し、台車受け台9を台車4に下方から当接させる。
【0055】
次に、図9(c)に示すように、車体3(車両フレーム31)と台車4との結合を外し、台車4を台車受け台9により支持しつつ台車パレット6上に載置する。その台車4が載置された台車パレット6をテーブルリフタ7によりメンテナンスフロアS内の上記所定高さまで下降させる。この台車パレット6を下降させる際、車両ストッパ8を伸長状態のままとし車体3が下降しないように車両ストッパ8により車体3を保持する。
【0056】
以上により、車体3を持ち上げる(或いは吊り上げる)ことなく台車4を車体3から取り外すことができる。なお、台車4の取り外しは、前後の台車4で同時に行っても順番に行ってもよい。
【0057】
このように、本実施形態によれば、従来のような車体3の持ち上げ、引き抜き作業を行わないため、その持ち上げ、引き抜き作業を行うための車庫などが不要となる。また、車庫が不要となることから、車両を本線軌道から車庫に引き込むためのメンテナンス軌道も不要となる。その結果、車庫やメンテナンス軌道などを建設するための広い敷地を必要とすることなく車体3から台車4を取り外すことができる。
【0058】
次に、台車4を車体3に取り付ける取付方法について説明する。
【0059】
上述した台車取り外し後に、台車4を車体3に取り付ける際には、まず、メンテナンスが終了した台車4を台車受け台9に支持させて、その台車受け台9をメンテナンスフロアSに下降した台車パレット6上に載置する。
【0060】
次に、台車パレット6をテーブルリフタ7により走行路5の高さに上昇させて、台車パレット6上の台車4を車両フレーム31に結合させる。これにより、車体3に台車4が取り付けられる。
【0061】
次に、台車パレット6をメンテナンスフロアSに下降させて、その台車パレット6上から台車受け台9を取り除き、その空荷の台車パレット6を再び走行路5の高さに上昇させる。パレットストッパ63のキー部材631を伸長させて台車パレット6を前後の走行路5に係合させた後、車両ストッパ8のキー部材81を縮退させて車両2を開放する。これにより、走行路5と車両2とが走行可能な状態となる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、台車4を取り外すのみならず、車体3に台車4を取り付ける場合にも、車体3を持ち上げる必要がない。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、新交通システム車両を対象としたが、これに限定されず、他のゴムタイヤ式車両やレールを走行する鉄道車両などでもよい。
【0065】
台車は、1軸台車に限定されず、2軸以上のものでもよく、また駆動モータなどの駆動手段を有さない従台車でもよい。
【0066】
上述の実施形態では、駅が2階以上のフロアに設けられたものを対象としたが、これに限定されない。例えば、路線が地下や平地に設けられ駅が地下階または1階に設けられたものでもよく、その場合、メンテナンスフロアSは地下階に設けられる。また、台車取り外し設備を、駅以外の場所(例えば駅と駅の間の本線軌道)に設けてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、パレットストッパ63により台車パレット6を走行路5に係合させたが、これに限定されない。例えば、パレットストッパ63と同様の構造のシリンダ装置を前後の走行路5に設け、そのシリンダ装置のキー部材の上に台車パレット6を載せて支持することが考えられる。この場合、台車パレット6の下面にシリンダ装置のキー部材を差し込むための溝を形成することが好ましい。これによれば、シリンダ装置が走行路に固定されることからシリンダ装置を動力源(電源や油圧源など)に容易に接続できる。
【0068】
また、パレットストッパ63を省略してテーブルリフタ7により台車パレット6を走行路5の高さに保持することも考えられる。例えば、テーブルリフタ7のアーム73に、パンタグラフ式リンク機構の作動(すなわちテーブルの昇降)を規制するロック手段を設けることが考えられる。
【0069】
上述の実施形態では、台車パレット6によりメンテナンス走行路を構成したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、台車パレット6を省略して、テーブルリフタ7のテーブル71をメンテナンス走行路6としてもよい。この場合、テーブル71の上面にタイヤルート部が設けられる。また、図10の例では、フォークリフト14による搬送のための溝を台車受け台9に形成する、或いは台車4の搬送を省略してメンテナンスフロアSに下降させたテーブル71の上で台車4のメンテナンスを行うことが考えられる。
【0070】
また、車体に台車を取り付ける際に、予めメンテナンス済みの台車4をメンテナンスフロアSに用意しておき、車体3から取り外された台車4を載せた台車パレット6がメンテナンスフロアSに下降したときに、その台車パレット6上の台車4をメンテナンス済みの台車4に取り替えて、そのメンテナンス済みの台車4に車体3に取り付けるようにしてもよい。このようにメンテナンスが必要な台車4をメンテナンス済みの台車4に交換する場合、走行路5および車両2を素早く走行可能な状態に復帰させることができる。
【0071】
この他に、フォークリフト14を使わずテーブルリフタ7をメンテナンスフロアSに下ろしたままの状態で、台車パレット6上で台車4をメンテナンスすることも考えられる。この場合、テーブルリフタ7と台車パレット6とを作業台として使用するので、メンテナンスフロアS内に作業台を設ける必要がなく、メンテナンスフロアSが狭い場合でもメンテナンスが可能となる。なお、メンテナンス期間中、車両の移動は行われない。
【0072】
また、上述の実施形態では、ギャップ部Gと台車パレット6とテーブルリフタ7とを、1車両当たりの台車4の数(2つ)と同数設けたが、これに限定されず、図11に示すように、ギャップ部Gと台車パレット6とテーブルリフタ7とは1つずつでもよい。
【0073】
図11に係る実施形態による台車4の交換方法を説明する。なお、図11では、メンテナンスが必要な被メンテナンス台車に符号4Aを付すと共にゴムタイヤを太線で示し、新しい台車に符号4Bを付す。また、図1から図9と同様の部材には同じ符号を付し説明を省略する。説明の便宜上、図11の左方を前方とする。
【0074】
この交換方法では、まず、図11(a)に示すように、車両2の前側の被メンテナンス台車4Aが台車パレット6上に位置するように車両2を停車させ、その停車した車両2から前側の被メンテナンス台車4Aを取り外す。また、メンテナンス空間Sには新しい台車4Bを用意する。
【0075】
次に、図11(b)に示すように、取り外した台車4Aの代わりに新しい台車4Bを車両2の前部に取り付ける。また、取り外した被メンテナンス台車4Aを搬出してメンテナンスする。
【0076】
次に、図11(c)に示すように、車両2を移動させ、後側の被メンテナンス台車4Aが台車パレット6上に位置するように停車させる。さらに、図11(d)に示すように、停車した車両2から後側の被メンテナンス台車4Aを取り外して、その取り外した被メンテナンス台車4Aの代わりに新しい台車4Bを車両2の後部に取り付ける。
【0077】
以上により、車両2の前後の被メンテナンス台車4Aが新しい台車4Bに交換される。この図11の実施形態では、台車パレット6とテーブルリフタ7とを1つずつしか設けないため、メンテナンス空間Sの省スペース化を図ることができ、台車取り外し設備の設置コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 台車取り外し設備
2 車両
3 車体
4 台車
5 走行路
6 台車パレット(メンテナンス走行路)
7 テーブルリフタ(昇降手段)
8 車両ストッパ(保持手段)
9 台車受け台
41 パレットストッパ(メンテナンス走行路保持手段)
S メンテナンスフロア(メンテナンス空間)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し設備において、
上記車両が走行する走行路の下方に、上記台車を取り込むべく設けられたメンテナンス空間と、
そのメンテナンス空間の直上に位置して上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、上記車体との結合が外された上記台車を載置可能なメンテナンス走行路と、
そのメンテナンス走行路を、上記走行路の高さと上記メンテナンス空間内とで昇降させるための昇降手段と、
その昇降手段により上記メンテナンス走行路を下降させる際に上記車体が下降しないように上記車体を保持するための保持手段とを備えたことを特徴とする車両の台車取り外し設備。
【請求項2】
上記台車が上記メンテナンス走行路上に載置される際に上記メンテナンス走行路上に配置され上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を備えた請求項1記載の車両の台車取り外し設備。
【請求項3】
上記メンテナンス走行路に出没自在に設けられ、上記メンテナンス走行路から前後に突出して上記メンテナンス走行路を上記前後の走行路に係合させるメンテナンス走行路保持手段を備えた請求項1または2記載の車両の台車取り外し設備。
【請求項4】
ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し方法において、
予め、上記車両が走行する走行路の下方に上記台車を取り込むためのメンテナンス空間を設け、そのメンテナンス空間の直上に、上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、かつ上記台車を載置可能なメンテナンス走行路を設け、
上記台車を取り外すに際して、上記車両を上記メンテナンス空間の上方に上記台車が上記メンテナンス走行路上に位置するように停車させ、
その停車した車両の上記車体と上記台車との結合を外して上記台車を上記メンテナンス走行路上に載置し、
上記車体が下降しないように上記車体を保持しつつ、上記台車が載置されたメンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させて上記台車を上記車体から取り外すことを特徴とする車両の台車取り外し方法。
【請求項5】
上記車両を停車させた後、上記車体と上記台車との結合を外す前に、
上記車両が下降しないように上記車両を保持しつつ、上記メンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させ、そのメンテナンス走行路上に、上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を配置した後、そのメンテナンス走行路を上記走行路の高さに戻して、上記台車受け台により上記台車を受ける請求項4記載の車両の台車取り外し方法。
【請求項1】
ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し設備において、
上記車両が走行する走行路の下方に、上記台車を取り込むべく設けられたメンテナンス空間と、
そのメンテナンス空間の直上に位置して上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、上記車体との結合が外された上記台車を載置可能なメンテナンス走行路と、
そのメンテナンス走行路を、上記走行路の高さと上記メンテナンス空間内とで昇降させるための昇降手段と、
その昇降手段により上記メンテナンス走行路を下降させる際に上記車体が下降しないように上記車体を保持するための保持手段とを備えたことを特徴とする車両の台車取り外し設備。
【請求項2】
上記台車が上記メンテナンス走行路上に載置される際に上記メンテナンス走行路上に配置され上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を備えた請求項1記載の車両の台車取り外し設備。
【請求項3】
上記メンテナンス走行路に出没自在に設けられ、上記メンテナンス走行路から前後に突出して上記メンテナンス走行路を上記前後の走行路に係合させるメンテナンス走行路保持手段を備えた請求項1または2記載の車両の台車取り外し設備。
【請求項4】
ゴムタイヤ式車両または鉄道車両の車体から台車を取り外すための台車取り外し方法において、
予め、上記車両が走行する走行路の下方に上記台車を取り込むためのメンテナンス空間を設け、そのメンテナンス空間の直上に、上記走行路の一部をなすと共に前後の走行路から分離可能に形成され、かつ上記台車を載置可能なメンテナンス走行路を設け、
上記台車を取り外すに際して、上記車両を上記メンテナンス空間の上方に上記台車が上記メンテナンス走行路上に位置するように停車させ、
その停車した車両の上記車体と上記台車との結合を外して上記台車を上記メンテナンス走行路上に載置し、
上記車体が下降しないように上記車体を保持しつつ、上記台車が載置されたメンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させて上記台車を上記車体から取り外すことを特徴とする車両の台車取り外し方法。
【請求項5】
上記車両を停車させた後、上記車体と上記台車との結合を外す前に、
上記車両が下降しないように上記車両を保持しつつ、上記メンテナンス走行路を上記メンテナンス空間内に下降させ、そのメンテナンス走行路上に、上記台車の転倒を防止すべく上記台車を支持する台車受け台を配置した後、そのメンテナンス走行路を上記走行路の高さに戻して、上記台車受け台により上記台車を受ける請求項4記載の車両の台車取り外し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−241304(P2010−241304A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93286(P2009−93286)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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