説明

車両の床構造

【課題】気密性を有しながら、異常な昇圧は防止でき、かつ内部の塵埃などは自動的に外部へ排出できる車両の床構造を提供する。
【解決手段】油圧ショベルのオペレータが座る運転席を設置したフロアプレート21に、長円状に穿孔された床開口部22を設け、この床開口部22に弁装置としてのダストバルブ23を設ける。このダストバルブ23は、運転室18内の圧が一定圧以下のときは閉じ状態にあり、一定圧を超えるときは開き状態に変形可能な可撓性材料により成形する。ダストバルブ23は、V字形断面に形成した弁本体24と、この弁本体24の上部に設けた定形の排出物受入口部25と、弁本体24の下部に開口変形可能に設けた排出物出口スリット部26と、弁本体24の上部外側に一体に設けた凹形断面の取付フランジ部27とを、ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂により一体成形した一種の逆止弁である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出物取出用の弁装置を備えた車両の床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械は不整地で稼働するため、オペレータの出入りの度に泥・砂などが運転室内に持ち込まれる。また、作業環境そのものも塵埃の多い場合が多く、運転室内は非常に汚れ易い。
【0003】
そのため、図7に示されるように、建設機械のオペレータが座る運転席1が設置された運転室内の床2には、水洗いができるようなマット3が設置されている。
【0004】
このマット3は、通常、運転室の前半分に設置されているに過ぎず、それ以外の場所では、前半分に設置されたマット3の後壁部4が邪魔になり、逆に、運転室の後半分に泥・砂などが溜まりやすい。
【0005】
また、運転席1の下側または後方には、通常、空調装置の本体ユニットすなわちエアコンユニット5が搭載されており、このエアコンユニット5の側面には、運転室内空気を循環させるために内気フィルタを通して運転室内の空気を吸い込む内気取入口6があり、この内気取入口6の回りに溜まった塵埃を吸い込んで運転室内に撒き散らすことになる。内気フィルタの目詰まりも起し易い。
【0006】
これに対して、運転室内の清掃の容易化を図ったものがある。これは、少なくともフロアの前部に排出口を設け、この排出口より土砂や塵埃などを外部へ排出することで清掃性を改善しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、フロアプレートのカバーに、泥水や埃などを外部へ排出する小さな排出孔のほかに、運転室内の気圧調整用の逃がし弁を設けることで、キャブのドアを勢いよく閉めてキャブ内の気圧が一時的に上昇したような場合でも、この逃がし弁から上昇した気圧を外部に逃がすようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−245871号公報(第4頁、図5、7)
【特許文献2】特開2003−211942号公報(第3頁、図2、5、6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の運転室の前半分にマット3を敷くものは、後半分の清掃が容易でなく、逆に泥・砂が溜まってしまう。さらに、エアコンユニット5の内気取入口6から塵埃を吸込みやすい。また、エアコンユニット5の内気フィルタも目詰まりしやすい問題がある。
【0009】
また、特許文献1に記載されたものは、フロアに排出口が開いているため、運転室内の気密性が保てず、逆に外部の塵埃が運転室内に侵入することになる。また、外部騒音も、排出口から入り込み、遮音性の劣る運転室になってしまう問題がある。
【0010】
特許文献2に記載されたものは、フロアプレートのカバーに、泥水などの排出孔だけでなく、気圧の逃がし弁も別個に設置する必要があり、構造が複雑で高価なカバーを設置せざるを得ない問題がある。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、気密性を有しながら、異常な昇圧は防止でき、かつ内部の塵埃などは自動的に外部へ排出できる車両の床構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された発明は、ドアを有する車両の室に設けられた床部材と、この床部材に設けられた床開口部と、この床開口部に設けられ、室内の圧が一定圧以下のときは閉じ状態にあり一定圧を超えるときは開き状態に変形可能な可撓性材料により成形された弁装置とを具備した車両の床構造である。
【0013】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の車両の床構造における弁装置が、V字形断面に形成された弁本体と、弁本体の上部に設けられた定形の排出物受入口部と、弁本体の下部に開口変形可能に設けられた排出物出口スリット部とを具備したものである。
【0014】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の車両の床構造において、床部材上に設置された、室内の圧を外部の圧より高く維持することが可能な空調装置を備え、床開口部および弁装置は、この空調装置の内気循環用の内気取入口の前側に設置されたものである。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の車両の床構造において、弁本体の上部外側に一体に設けられ、床部材に面一に嵌着された凹形断面の取付フランジ部を具備したものである。
【0016】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の車両の床構造において、床部材の下側に設けられた底板部材と、この底板部材の弁装置下側に設けられた底板開口部と、床部材の弁装置から底板部材の底板開口部にわたって設けられた排出物導出管とを具備したものである。
【0017】
請求項6に記載された発明は、請求項5記載の車両の床構造において、排出物導出管を介して、弁装置が複数段に設けられたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載された発明によれば、床開口部に設けられた弁装置は、室内の圧が一定圧以下のときは閉じ状態にあり一定圧を超えるときは開き状態に変形可能な可撓性材料により成形されたので、室内の圧が一定圧以下のときは、閉じ状態により室内の気密性を保持して、塵埃や外部騒音の室内への侵入を防止でき、かつ、ドアを閉めたときの室内が一定圧を超えたときは、開き状態への変形により、室内の異常な昇圧を防止できるとともに、このとき外部へ強制的に排出される内気と共に室内に溜まっている塵埃などを外部へ自動的に排出できる。
【0019】
請求項2に記載された発明によれば、V字形断面の弁本体の上部に定形の排出物受入口部を設け、下部に排出物出口スリット部を開口変形可能に設けたので、内圧保持機能と逆止機能とを有する弁装置をシンプルな構造で安価に一体成形できるとともに、室内の圧が一定圧以下のときは、室の床部材上で移動する塵埃などを排出物受入口部から弁本体内に落し込んで、床部材上に散乱することを防止できるとともに、室内が一定圧を超えたときは、弁本体内に溜め込まれた塵埃などを効率よく外部へ排出できる。
【0020】
請求項3に記載された発明によれば、室内の圧を外部の圧より高く維持することが可能な空調装置の機能を弁装置により維持できるとともに、床開口部および弁装置は、この空調装置の内気循環用の内気取入口の前側に設置されたので、空調装置の内気取入口に吸引された室内の塵埃を、内気取入口の前側に設置された床開口部から弁装置内に自動的に集め、高圧時に外部へ排出する自動集塵・排出システムを構成できる。
【0021】
請求項4に記載された発明によれば、弁本体の上部外側に一体に設けられた凹形断面の取付フランジ部を床部材に嵌着したので、弁装置の取り付けを容易にできるとともに、取付フランジ部を床部材に面一に嵌着したので、床部材上の塵埃を弁本体内に円滑に落し込むことができる。
【0022】
請求項5に記載された発明によれば、床部材の下側に底板部材が設けられている場合でも、床部材の弁装置から底板部材の底板開口部にわたって設けられた排出物導出管により、室内の塵埃、排水などを直接かつ確実に車外へ排出できるとともに、排出物導出管により底板部材の底板開口部を塞ぐので、床部材と底板部材との間に配置された機器、配線または配管に、床部材上からの排出物および底板開口部からの外部侵入物が付着して汚れることを防止できる。
【0023】
請求項6に記載された発明によれば、排出物導出管を介して複数段に設けられた弁装置により、室内の気密性保持性能を向上できるとともに、排出物導出管を通って下側から入ろうとする外部塵埃や騒音の侵入を確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を、図1乃至図4に示された一実施の形態、図5に示された他の実施の形態、図6に示されたさらに別の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図3に示されるように、車両としての建設機械11は、下部走行体12に上部旋回体13が旋回可能に設けられ、この上部旋回体13に動力装置14、キャブ15および作業装置16が搭載された油圧ショベルである。キャブ15は、ドア17を有する室としての運転室18を形成している。
【0026】
図4は、運転室18内の床構造を示し、油圧ショベルのオペレータが座る運転席20が設置されたキャブ内の床部材としてのフロアプレート(キャブフロア)21に、長円状に穿孔された床開口部22が設けられ、この床開口部22に弁装置としてのダストバルブ23が設けられている。
【0027】
このダストバルブ23は、運転室18内の圧が一定圧以下のときは図1に実線で示されるように閉じ状態にあり、一定圧を超えるときは図1に2点鎖線で示されるように開き状態に変形可能な可撓性材料により成形されたものである。
【0028】
図1および図2に示されるように、ダストバルブ23は、V字形断面に形成された弁本体24と、この弁本体24の上部に設けられた定形の排出物受入口部25と、弁本体24の下部に開口変形可能に設けられた排出物出口スリット部26と、弁本体24の上部外側に一体に設けられ、フロアプレート21に面一に嵌着された凹形断面の取付フランジ部27とを、ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂により一体成形した一種の逆止弁である。
【0029】
フロアプレート21の下側には、スイングフレーム底板またはボトムガードなどの底板部材28が設けられているので、この底板部材28にてダストバルブ23の下側に対向する部分には、底板開口部29が穿設されている。
【0030】
図4に示されるように、フロアプレート21上の前半分には、ダストバルブ23上に重ならないようにフロアマット30が設置され、また、フロアプレート21上であって運転席20の下側には、運転室18内の圧を外部の圧より高く維持することが可能な空調装置としてのエアコンユニット31が設置されている。
【0031】
そして、床開口部22およびダストバルブ23は、このエアコンユニット31の内気循環用の内気取入口32の前側に設置されている。運転室18内の塵埃は、この内気取入口32の近辺に吸い寄せられるので、この内気取入口32の前側にダストバルブ23を設置することが望ましい。なお、プレッシャライズ用の外気を取り込むための外気取入口32aは、後方に開口され、キャブ15の背面開口部に接続される。
【0032】
次に、この実施の形態の作用効果を説明する。
【0033】
建設機械11は塵埃の多い劣悪環境化で稼働されることが多いので、外部の塵埃が運転室18内に侵入しないように、運転室18内の内気圧を外気圧よりやや高く維持するプレッシャライズ機能を有する加圧式のキャブ15が採用されている。
【0034】
この加圧式のキャブ15では気密性を高く保持する必要があり、圧力を安易に抜かないようにするために、通常は、ダストバルブ23の底部の排出物出口スリット部26が、その成形材料が有する弾性により、図1に実線で示されるように閉じているので、運転室18の気密は保たれ、外部の塵埃や騒音が運転室18内に入ってくることは無い。
【0035】
その一方で、キャブ15内の密閉度を高めているため、ドア17を閉める際に内圧が高くなり、ドア17が閉まりにくいので、ドア17を閉めたときの圧抜きは必要である。
【0036】
このため、ダストバルブ23の底部の排出物出口スリット部26は通常閉じた状態であるが、運転室18のドア17を閉める際に、運転室18内の気圧が上がると、その上昇した気圧によって、ダストバルブ23の排出物出口スリット部26が、閉じ方向の弾性に抗して、図1に2点鎖線で示されるように開き、運転室18内の圧が外部へ抜かれるので、ドア17を容易に閉めることが可能となる。
【0037】
この圧抜き時に、ダストバルブ23内に溜まった排出物としての塵埃、砂または排水などは、自動的に床下に排出される。すなわち、掃除しにくい場所の塵埃なども自動的に外部へ排出される。
【0038】
また、その際に、ダストバルブ23の回りの砂・塵埃もダストバルブ23内に吸込まれ、エアコンの内気取入口32の前側の床面は自動的に綺麗になる。
【0039】
このように、床開口部22に取り付けられたダストバルブ23は、運転室18内の圧が一定圧以下(例えば50Pa以下)のときは閉じ状態にあり一定圧を超えるときは開き状態に変形可能な可撓性材料により成形されたので、運転室18内の圧が一定圧以下のときは、閉じ状態により運転室18内の気密性を保持して、塵埃や外部騒音の運転室18内への侵入を防止でき、かつ、ドア17を閉めたときの運転室18内が一定圧を超えたときは、開き状態への変形により、運転室18内の異常な昇圧を防止できるとともに、このとき外部へ強制的に排出される内気と共に、ダストバルブ23内および運転室18内に溜まっている塵埃などを外部へ自動的に排出できる。
【0040】
また、V字形断面の弁本体24の上部に定形の排出物受入口部25を設け、下部に排出物出口スリット部26を開口変形可能に設けたので、内圧保持機能と逆止機能とを有するダストバルブ23をシンプルな構造で安価に一体成形できるとともに、運転室18内の圧が一定圧以下のときは、運転室18のフロアプレート21上で移動する塵埃などを排出物受入口部25から弁本体24内に落し込んで、フロアプレート21上に散乱することを防止できるとともに、運転室18内が一定圧を超えたときは、弁本体24内に溜め込まれた塵埃などを効率よく外部へ排出できる。
【0041】
さらに、運転室18内の圧を外部の圧より高く維持することが可能な空調装置の機能をダストバルブ23により維持できるとともに、床開口部22およびダストバルブ23は、この空調装置の内気循環用の内気取入口32の前側に設置されたので、空調装置の内気取入口32に吸引された運転室18内の塵埃を、内気取入口32の前側に設置された床開口部22からダストバルブ23内に自動的に集め、高圧時に外部へ排出する自動集塵・排出システムを構成できる。
【0042】
また、弁本体24の上部外側に一体に設けられた凹形断面の取付フランジ部27をフロアプレート21に嵌着したので、ダストバルブ23の取り付けを容易にできるとともに、取付フランジ部27をフロアプレート21に面一に嵌着したので、フロアプレート21上の塵埃を弁本体24内に円滑に落し込むことができる。
【0043】
次に、図5に示された他の実施の形態を説明する。
【0044】
前記の運転室18の床構造に加えて、床部材としてのフロアプレート21の下側に、スイングフレーム底板またはボトムガードなどの底板部材28が設けられ、この底板部材28の弁装置下側に底板開口部29が設けられ、フロアプレート21の弁装置としてのダストバルブ23から底板部材28の底板開口部29にわたって排出物導出管33が設けられたものである。
【0045】
この排出物導出管33は、底板部材28の底板開口部29に密着させて嵌合し、場合によってはシール部材で塞ぐと良い。
【0046】
また、この排出物導出管33は、ダストバルブ23と一体成形しても良いし、あるいは、別部材で成形したものを、後で接着剤などで一体化させるようにしても良い。
【0047】
そして、この排出物導出管33によりダストバルブ23を延長して、フロアプレート21の下側に設けられたスイングフレーム底板またはボトムガードなどの底板部材28の底板開口部29から、排出物としての塵埃、排水などを外部へ直接排出する。
【0048】
この図5に示された実施の形態によれば、前記実施の形態の作用効果に加えて、フロアプレート21の下側に底板部材28が設けられている場合でも、フロアプレート21のダストバルブ23から底板部材28の底板開口部29にわたって設けられた排出物導出管33により、運転室18内の塵埃、排水などを直接かつ確実に車外へ排出できるとともに、排出物導出管33により底板部材28の底板開口部29を塞ぐので、フロアプレート21の下面に取り付けられた電装品などの電気・電子機器、油圧バルブなどの油圧機器、ハーネスなどの電気配線または油圧ホースなどの油圧配管に、フロアプレート21上からの排出物および底板開口部29からの外部侵入物が付着して汚れることを防止できる。さらには、これらの機器、配線または配管の交換時に、付着している埃がこれらの中にコンタミネーションとして混入するおそれも低減でき、信頼性の向上およびメンテナンスの容易化につながる。
【0049】
次に、図6に示されたさらに別の実施の形態を説明する。
【0050】
前記の運転室18の床構造に加えて、弁装置としてのダストバルブ23a,23bが、排出物導出管33を介して複数段に設けられたものである。
【0051】
上側のダストバルブ23aは、前記ダストバルブ23と同一構造の逆止弁であり、また、下側のダストバルブ23bは、前記ダストバルブ23と同様に、V字形断面に形成された弁本体24と、この弁本体24の上部に設けられた定形の排出物受入口部25と、弁本体24の下部に開口変形可能に設けられた排出物出口スリット部26とを、ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂により一体成形した逆止弁である。
【0052】
この下側のダストバルブ23bは、排出物導出管33と一体成形しても良いし、あるいは、別部材で成形したものを、後で接着剤などで一体化させるようにしても良い。
【0053】
この図6に示された実施の形態によれば、前記実施の形態の作用効果に加えて、排出物導出管33を介して複数段に設けられたダストバルブ23a,23bにより、運転室18内の気密性保持性能を向上できるとともに、排出物導出管33を通って下側から入ろうとする外部塵埃や騒音の侵入を確実に防止できる。
【0054】
図5および図6に示された排出物導出管33、図6に示された下側のダストバルブ23bは、建設機械11の下部走行体12に対し上部旋回体13が旋回する際に、下部走行体12の履帯などの上に堆積した土砂などとの接触による破損を防止するために、スイングフレーム底板またはボトムガードなどの底板部材28の下面から排出物導出管33やダストバルブ23bの先端が突出しない長さおよび形状が望ましい。
【0055】
なお、本発明は、建設機械11の加圧式キャブ15に適用することが望ましいが、必ずしも加圧式キャブ15に限定されるものではなく、例えば、自動車の室内あるいはトランクルームにも適用可能である。
【0056】
また、本発明に係るダストバルブ23,23a,23bは、エアコンユニット31の内気循環用の内気取入口32の前側に設置することが望ましいが、必ずしもこの場所に限定されるものではなく、例えば、フロアプレート21の隅などの塵埃が溜まりやすい他の場所に設置しても良い。
【0057】
また、床部材をフロアプレート21としたが、床部材をフロアマットとしても良い。すなわち、本発明に係る床開口部22をフロアマットに設け、さらに、弁装置としてのダストバルブ23を、フロアマットと一体化しても良い。
【0058】
本発明は、建設機械11、自動車などの車両の室の床構造として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る車両の床構造の一実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】同上床構造の弁装置を示す斜視図である。
【図3】同上床構造のキャブを搭載した建設機械の斜視図である。
【図4】同上床構造のキャブ内構成を示す斜視図である。
【図5】同上床構造の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】同上床構造のさらに別の実施の形態を示す断面図である。
【図7】従来の床構造のキャブ内構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
11 車両としての建設機械
17 ドア
18 室としての運転室
21 床部材としてのフロアプレート
22 床開口部
23,23a,23b 弁装置としてのダストバルブ
24 弁本体
25 排出物受入口部
26 排出物出口スリット部
27 取付フランジ部
28 底板部材
29 底板開口部
31 空調装置としてのエアコンユニット
32 内気取入口
33 排出物導出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを有する車両の室に設けられた床部材と、
この床部材に設けられた床開口部と、
この床開口部に設けられ、室内の圧が一定圧以下のときは閉じ状態にあり一定圧を超えるときは開き状態に変形可能な可撓性材料により成形された弁装置と
を具備したことを特徴とする車両の床構造。
【請求項2】
弁装置は、
V字形断面に形成された弁本体と、
弁本体の上部に設けられた定形の排出物受入口部と、
弁本体の下部に開口変形可能に設けられた排出物出口スリット部と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の車両の床構造。
【請求項3】
床部材上に設置された、室内の圧を外部の圧より高く維持することが可能な空調装置を備え、
床開口部および弁装置は、この空調装置の内気循環用の内気取入口の前側に設置された
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両の床構造。
【請求項4】
弁本体の上部外側に一体に設けられ、床部材に面一に嵌着された凹形断面の取付フランジ部
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の車両の床構造。
【請求項5】
床部材の下側に設けられた底板部材と、
この底板部材の弁装置下側に設けられた底板開口部と、
床部材の弁装置から底板部材の底板開口部にわたって設けられた排出物導出管と
を具備したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の車両の床構造。
【請求項6】
排出物導出管を介して、弁装置が複数段に設けられた
ことを特徴とする請求項5記載の車両の床構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−120046(P2009−120046A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296629(P2007−296629)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】