車両の後部構造
【課題】
リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバの左右振動及びリヤサイドメンバの左右振動を低減できる車両の後部構造を提供する。
【解決手段】
車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ10,20間にリヤフロアクロスメンバ30を連結し、リヤフロアクロスメンバ30に対して、Vブレース50の中央部を取付けし、Vブレース50の中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材40に連結する。Vブレース50の重心はリヤフロアクロスメンバ30の重心から前方にオフセット配置されている。Vブレース50の前後共振周波数はリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くする。
リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバの左右振動及びリヤサイドメンバの左右振動を低減できる車両の後部構造を提供する。
【解決手段】
車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ10,20間にリヤフロアクロスメンバ30を連結し、リヤフロアクロスメンバ30に対して、Vブレース50の中央部を取付けし、Vブレース50の中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材40に連結する。Vブレース50の重心はリヤフロアクロスメンバ30の重心から前方にオフセット配置されている。Vブレース50の前後共振周波数はリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部構造に関し、特にVブレースを有する車両の後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
Vブレースを備える車両の後部構造を図1を参照して説明する。同図に示すように、車両の前後方向に延びる一対のリヤサイドメンバ10,20間には断面がハット状をなすリヤフロアクロスメンバ30が連結されている。又、リヤフロアクロスメンバ30間には、車室とトランク間に介在して配置されたボデー構成部材40が一体に連結されている。ボデー構成部材40は、リヤフロアクロスメンバ30の左右両端にそれぞれ連結された支持脚42,44と支持脚42,44の上端間を連結する梁部46により正面視横コ字状の形成されている。梁部46の左右の両端は、図示しないリヤサスペンションのストラット上部を支持するサスペンションハウジング(図示しない)の上面に連結されている。
【0003】
リヤフロアクロスメンバ30の左右方向の中央部には、Vブレース50の中央部52がボルトにより締め付け固定されている。Vブレース50は、前記中央部52から右斜め上方に延びる右アーム54と、左斜め上方に延びる左アーム56とを備え、全体が、正面視略V字状に形成されている。又、Vブレース50は、図2に示すように断面ハット状をなす金属製の部材から形成されている。
【0004】
Vブレース50の右アーム54と左アーム56の各上端は、ボデー構成部材40の支持脚42,44の上端に対してボルトにより締め付け固定されている。リヤフロアクロスメンバ30、ボデー構成部材40、及びVブレース50により剛性が高いトラス構造となっている。リヤフロアクロスメンバ30とボデー構成部材40の間は、開口部40aとなっている。この開口部40aにおいて、右アーム54,左アーム56、梁部46で囲まれる空間は、Vブレース50の前方にある車室とトランクを通過するためのトランクスルーのための空間となる。又、上記のように構成された車両の後部構造では、一般的に、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方にオフセットされていることが多い。
【0005】
Vブレース50が設けられている理由は、仮にVブレース50が設けられていない場合、リヤサイドメンバ10,20に上下方向の振動が加わると、ボデー構成部材40の開口部40aにおいて、上下せん断変形が大きく発生する。このボデー構成部材40の開口部40aの上下せん断変形を防止するために、Vブレース50が設けられている。
【0006】
なお、上記のようなVブレースを備えた車両の後部構造は、特許文献1において公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−312546号公報、図1〜図3、段落0029
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来は、上記のようにVブレース50を備えていても、図10に示すように、リヤサイドメンバ10,20に左右方向の振動が加わると、注目周波数帯域ではリヤサイドメンバ10,20の左右共振に起因して開口部40aに左右せん断変形が大きく発生し、高い車内音が発生する。なお、注目周波数帯域は、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも若干高い周波数から前記左右共振周波数よりも低い周波数までを含む所定の周波数帯域のことである。
【0009】
このように、リヤサイドメンバ10,20に左右方向の振動が加わった場合、前記注目周波数帯域においては、従来のVブレース50による本来のトラス構造では、上記のような骨格振動を抑制する効果が小さいものであった。
【0010】
この問題の解決のために、本願発明者は上記の原因を探求した。この結果、リヤサイドメンバ10,20に左右の方向の振動が加わった場合、Vブレース50は、その重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から、オフセットして配置されているとともに、図12に示すように、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも高く設定されていたため、Vブレース50には、中央部52のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位を通る回転軸Oを中心に下記の回転モーメントが働くことが知見された。
【0011】
すなわち、図11に示すように、リヤフロアクロスメンバ30に右方向Rからの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に後ろ向きの力F1が加わるとともに、左アーム56には前向きの力F2が加わりA矢印で示す回転方向に前記取付部位に回転モーメントが発生する。又、図示はしないが、リヤフロアクロスメンバ30に左方向からの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に前向きの力が加わるとともに、左アーム56には後向きの力が加わり、前記取付部位に反A矢印方向の回転モーメントが発生する。このため、この回転モーメントにより、高い車内音が発生するとともに前記骨格振動を効果的に抑制できない問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解決し、前記発明者による知見結果に基づいて、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバの左右振動及びリヤサイドメンバの左右振動を低減できる車両の後部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記問題点を解決するために、本発明は、車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ間にリヤフロアクロスメンバが連結され、前記リヤフロアクロスメンバに対して、Vブレースの中央部が取付けされ、前記Vブレースの中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材に連結されて、前記Vブレースの重心が前記リヤフロアクロスメンバの重心から前後方向にオフセット配置された車両の後部構造において、前記Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする車両の後部構造を要旨としている。
【0014】
請求項1の発明によれば、Vブレースの前後共振周波数がリヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることにより、Vブレースは、リヤサイドメンバによるリヤフロアクロスメンバの左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバの左右振動も抑制する。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記Vブレースは、マス部材が取り付けられていることにより、前記前後共振周波数が前記左右共振周波数よりも低くされている。
請求項2の発明によれば、Vブレースにマス部材を取付けして、Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くすることにより、請求項1の作用を容易に実現する。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2において、前記マス部材は、前記Vブレースの前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、マス部材を一対のアームにそれぞれ取付けることにより、Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバ及びリヤサイドメンバの左右振動も低減できる車両の後部構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両の後部構造を示す斜視図。
【図2】リヤフロアクロスメンバに対するVブレースの取付箇所の断面図。
【図3】一実施形態のVブレースの前後共振モードの変位コンター図。
【図4】一実施形態のVブレースの前後共振モード時の回転モーメントの説明図。
【図5】一実施形態のリヤサイドメンバの左右共振周波数及びVブレースの前後共振周波数の説明図。
【図6】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後の位相と、振動レベルの特性図。
【図7】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後におけるリヤフロアクロスメンバの左右振動に関する位相と、振動レベルの特性図。
【図8】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後におけるリヤサイドメンバの左右振動に関する位相と、振動レベルの特性図。
【図9】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後における車内音の音圧レベルの特性図。
【図10】従来の車両の後部構造において、リヤサイドメンバに左右方向の振動が加わった場合の説明図。
【図11】従来のVブレースの振動の状態を示す説明図。
【図12】リヤサイドメンバの左右共振周波数及びVブレースの前後共振周波数の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態の車両の後部構造を図1〜図9を参照して説明する。
本実施形態のVブレース、リヤサイドメンバ、リヤフロアクロスメンバ、ボデー構成部材の各組付け構成は、図1で説明した車両の後部構造と同じであるため、Vブレース、リヤサイドメンバ、リヤフロアクロスメンバ、ボデー構成部材に付す符号を既に説明した構成と同じにして、その説明を省略する。
【0020】
このため、本実施形態においても、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方に位置するようにオフセットされている。
【0021】
本実施形態の構成で特徴的なことは、Vブレース50の前後共振周波数が、重量調整によりリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くして共振振動時の位相が、重量調整前の位相とはずらしたものである。Vブレース50の前後共振周波数をリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くするための重量調整は、Vブレース50自体の重量を従来よりも重くするか、或いは、Vブレース50に対してマス(重り)を付加する。マスを付加する方法は限定するものではなく、Vブレース50に対して、マスをボルト等の締結手段により取付けて固定したり、或いはマスを溶接或いは、接着剤により固定する。本実施形態では、図1に示すように、右アーム54及び左アーム56の各中間部位の後面にマスMが取り付けられている。なお、図1では、右アーム54側のマスMのみが図示されている。前記マスMはマス部材に相当する。
【0022】
図3は、Vブレース50の前後共振で振動したときの、変位コンター図であり、変位の大きい部位は、濃淡が濃くしてある。同図に示すように、右アーム54、及び左アーム56の各上下方向の中間部位が、中央部52よりも、前後共振での変位が大きいことが分かる。このため、この中間部位の重量を他の部位よりも増すようにするか、或いは、同中間部位に対して、マスM(重り)を前記の方法により取付けすることが好ましい。
【0023】
このマスMを右アーム54、及び左アーム56の上下方向の中間部位に取付けすることにより、後述する振動の抑制を好適に実現できる。
又、Vブレース50のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位の取付面積は狭くなればなるほど、中央部52から各アーム54,56の長さを長くできるため好ましい。この理由は、アーム54,56の長さを長くすれば、より大きな回転モーメントを得ることができるとともに、取付部位の取付面積は狭くなればなるほど前記回転モーメントをリヤフロアクロスメンバ30に効率的に伝達することができるためである。
【0024】
又、Vブレース50は、左右均等の重さを有するようにするとともに、従来よりも重量を増加させる場合、右アーム54,及び左アーム56をバランスよく均等に増加させることが好ましい。すなわち、右アーム54,及び左アーム56は、それぞれ同等の重量を有するとともに、右アーム54自身,及び左アーム56自身の重心位置が同じ高さとなるようにすることが好ましい。こうすることにより、後部構造における左右の重量のアンバランスを防止できる。
【0025】
(実施形態の作用)
上記のように構成された車両の後部構造の作用を説明する。
図1に示すリヤサイドメンバ10,20に左右の方向の振動が加わった場合、Vブレース50は、その重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から、オフセットして配置されているとともに、図5に示すように、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低く設定されている。
【0026】
このため、Vブレース50には、中央部52のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位を通る回転軸Oを中心に、図4に示すように回転モーメントが働く。図4では、リヤフロアクロスメンバ30に右方向からの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に前向きの力F3が加わるとともに、左アーム56には後向きの力F4が加わりB矢印で示す回転方向に回転モーメントが発生する。なお、リヤフロアクロスメンバ30に左方向からの振動が加わった場合、図4とは逆方向の回転モーメントが働く。
【0027】
このように、Vブレースの前後共振周波数がリヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることにより、Vブレースは従来の振動の位相とはずれた位相の振動が発生し、リヤサイドメンバによるリヤフロアクロスメンバの左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバの左右振動も抑制する。
【0028】
図6〜図9を参照してVブレース50の具体例で説明する。なお、図6〜図8において、各グラフの縦軸は振動レベル(単位はm/s2)及び位相(単位はdeg)、横軸は周波数(単位はHz)を表している。図6〜図8において、実線はVブレースの重量調整前(すなわち、従来例)、破線は重量調整後(すなわち、本実施形態)を示している。
【0029】
図6に示すように、Vブレース50の前後共振周波数は、重量調整前では実線で示すように191Hz付近にあり、重量調整(重量増加)後では130Hzにある。また、図8に示すように、このときのリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数は、Vブレース50の重量調整前では、実線で示すように191Hzよりも低い168Hzにある。
【0030】
又、Vブレース50の重量調整前では、リヤフロアクロスメンバ30は、図7の実線で示す振動レベルの特性を有する。
Vブレースの重量調整した後、すなわち、Vブレース50の前後共振周波数を前記リヤサイドメンバの左右共振周波数168Hzよりも低くして130Hzにすると、Vブレース50の振動時の位相が重量調整前からずらされて、図6の実線から破線で示すように変化している。
【0031】
このとき、図7に示すように、リヤフロアクロスメンバ30の左右振動レベルは、重量調整前の実線で示すグラフから、点線で示す振動レベルのグラフに変化し、振動レベルが150Hz付近〜200HZの領域では減少している。
【0032】
又、リヤサイドメンバ10の左右振動レベルは、重量調整前の実線で示すグラフから、点線で示す振動レベルのグラフに変化し、振動レベルが135Hz付近〜200HZの領域で減少している。
【0033】
図9は、上記のように構成された車両の後部構造において、Vブレース50の重量調整前の車内音の音圧レベル(実線)と、重量調整後の車内音の音圧レベル(点線)を測定した結果が示されている。同図に示すように、Vブレース50の重量調整前と重量調整後では、重量調整後の方が車内音の音圧レベルが低減されていることが分かる。なお、図9において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は音圧レベル(dB)である。
【0034】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態の車両の後部構造は、車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ10,20間にリヤフロアクロスメンバ30が連結され、リヤフロアクロスメンバ30に対して、Vブレース50の中央部が取付けされ、Vブレース50の中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材40に連結されて、Vブレース50の重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から前方にオフセット配置されている。又、Vブレース50の前後共振周波数をリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くされている。この結果、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバ及びリヤサイドメンバの左右振動も低減できるとともに、車内音を低減できる。
【0035】
(2) 本実施形態の車両の後部構造では、Vブレース50は、マスM(マス部材)が取り付けられていることにより、Vブレース50の前後共振周波数を、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることにより、上記(1)の効果を容易に実現できる。
【0036】
(3) 本実施形態の車両の後部構造では、マスMは、Vブレース50の前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることにより、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることができる。
【0037】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 前記実施形態では、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方にオフセットされていたが、重心G2のG1に対するオフセット方向は、逆方向であってもよい。すなわち、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が後方にオフセットされていてもよい。この場合、リヤサイドメンバ10,20の左右方向の振動がリヤフロアクロスメンバ30を介してVブレース50に加わった際、生ずる回転モーメントの働く方向は前記実施形態とは逆方向となる。この場合においても、Vブレース50の自体の重量を重くする、或いは、マスM(重り)を、右アーム54,及び左アーム56にそれぞれ取付けすることによって、Vブレース50の前後共振周波数が、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることにより、Vブレース50の位相をずらした振動が、リヤサイドメンバ10,20によるリヤフロアクロスメンバ30の左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバ10,20の左右振動も抑制する。この結果、車内音を低減できる。
【0038】
・ 前記実施形態では、ボデー構成部材40の梁部46の左右両端は、リヤサスペンションのストラット上部を支持するサスペンションハウジングの上面に連結しているが、限定されるものではなく、リヤサスペンション以外の車両の構造物に固定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
10,20…リヤサイドメンバ、
30…リヤフロアクロスメンバ、
40…ボデー構成部材、
50…Vブレース、52…中央部、54…右アーム、56…左アーム、
M…マス(マス部材)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部構造に関し、特にVブレースを有する車両の後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
Vブレースを備える車両の後部構造を図1を参照して説明する。同図に示すように、車両の前後方向に延びる一対のリヤサイドメンバ10,20間には断面がハット状をなすリヤフロアクロスメンバ30が連結されている。又、リヤフロアクロスメンバ30間には、車室とトランク間に介在して配置されたボデー構成部材40が一体に連結されている。ボデー構成部材40は、リヤフロアクロスメンバ30の左右両端にそれぞれ連結された支持脚42,44と支持脚42,44の上端間を連結する梁部46により正面視横コ字状の形成されている。梁部46の左右の両端は、図示しないリヤサスペンションのストラット上部を支持するサスペンションハウジング(図示しない)の上面に連結されている。
【0003】
リヤフロアクロスメンバ30の左右方向の中央部には、Vブレース50の中央部52がボルトにより締め付け固定されている。Vブレース50は、前記中央部52から右斜め上方に延びる右アーム54と、左斜め上方に延びる左アーム56とを備え、全体が、正面視略V字状に形成されている。又、Vブレース50は、図2に示すように断面ハット状をなす金属製の部材から形成されている。
【0004】
Vブレース50の右アーム54と左アーム56の各上端は、ボデー構成部材40の支持脚42,44の上端に対してボルトにより締め付け固定されている。リヤフロアクロスメンバ30、ボデー構成部材40、及びVブレース50により剛性が高いトラス構造となっている。リヤフロアクロスメンバ30とボデー構成部材40の間は、開口部40aとなっている。この開口部40aにおいて、右アーム54,左アーム56、梁部46で囲まれる空間は、Vブレース50の前方にある車室とトランクを通過するためのトランクスルーのための空間となる。又、上記のように構成された車両の後部構造では、一般的に、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方にオフセットされていることが多い。
【0005】
Vブレース50が設けられている理由は、仮にVブレース50が設けられていない場合、リヤサイドメンバ10,20に上下方向の振動が加わると、ボデー構成部材40の開口部40aにおいて、上下せん断変形が大きく発生する。このボデー構成部材40の開口部40aの上下せん断変形を防止するために、Vブレース50が設けられている。
【0006】
なお、上記のようなVブレースを備えた車両の後部構造は、特許文献1において公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−312546号公報、図1〜図3、段落0029
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来は、上記のようにVブレース50を備えていても、図10に示すように、リヤサイドメンバ10,20に左右方向の振動が加わると、注目周波数帯域ではリヤサイドメンバ10,20の左右共振に起因して開口部40aに左右せん断変形が大きく発生し、高い車内音が発生する。なお、注目周波数帯域は、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも若干高い周波数から前記左右共振周波数よりも低い周波数までを含む所定の周波数帯域のことである。
【0009】
このように、リヤサイドメンバ10,20に左右方向の振動が加わった場合、前記注目周波数帯域においては、従来のVブレース50による本来のトラス構造では、上記のような骨格振動を抑制する効果が小さいものであった。
【0010】
この問題の解決のために、本願発明者は上記の原因を探求した。この結果、リヤサイドメンバ10,20に左右の方向の振動が加わった場合、Vブレース50は、その重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から、オフセットして配置されているとともに、図12に示すように、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも高く設定されていたため、Vブレース50には、中央部52のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位を通る回転軸Oを中心に下記の回転モーメントが働くことが知見された。
【0011】
すなわち、図11に示すように、リヤフロアクロスメンバ30に右方向Rからの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に後ろ向きの力F1が加わるとともに、左アーム56には前向きの力F2が加わりA矢印で示す回転方向に前記取付部位に回転モーメントが発生する。又、図示はしないが、リヤフロアクロスメンバ30に左方向からの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に前向きの力が加わるとともに、左アーム56には後向きの力が加わり、前記取付部位に反A矢印方向の回転モーメントが発生する。このため、この回転モーメントにより、高い車内音が発生するとともに前記骨格振動を効果的に抑制できない問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解決し、前記発明者による知見結果に基づいて、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバの左右振動及びリヤサイドメンバの左右振動を低減できる車両の後部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記問題点を解決するために、本発明は、車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ間にリヤフロアクロスメンバが連結され、前記リヤフロアクロスメンバに対して、Vブレースの中央部が取付けされ、前記Vブレースの中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材に連結されて、前記Vブレースの重心が前記リヤフロアクロスメンバの重心から前後方向にオフセット配置された車両の後部構造において、前記Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする車両の後部構造を要旨としている。
【0014】
請求項1の発明によれば、Vブレースの前後共振周波数がリヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることにより、Vブレースは、リヤサイドメンバによるリヤフロアクロスメンバの左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバの左右振動も抑制する。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記Vブレースは、マス部材が取り付けられていることにより、前記前後共振周波数が前記左右共振周波数よりも低くされている。
請求項2の発明によれば、Vブレースにマス部材を取付けして、Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くすることにより、請求項1の作用を容易に実現する。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2において、前記マス部材は、前記Vブレースの前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、マス部材を一対のアームにそれぞれ取付けることにより、Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバ及びリヤサイドメンバの左右振動も低減できる車両の後部構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両の後部構造を示す斜視図。
【図2】リヤフロアクロスメンバに対するVブレースの取付箇所の断面図。
【図3】一実施形態のVブレースの前後共振モードの変位コンター図。
【図4】一実施形態のVブレースの前後共振モード時の回転モーメントの説明図。
【図5】一実施形態のリヤサイドメンバの左右共振周波数及びVブレースの前後共振周波数の説明図。
【図6】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後の位相と、振動レベルの特性図。
【図7】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後におけるリヤフロアクロスメンバの左右振動に関する位相と、振動レベルの特性図。
【図8】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後におけるリヤサイドメンバの左右振動に関する位相と、振動レベルの特性図。
【図9】本実施形態に係るVブレースの前後共振周波数の変更前と変更後における車内音の音圧レベルの特性図。
【図10】従来の車両の後部構造において、リヤサイドメンバに左右方向の振動が加わった場合の説明図。
【図11】従来のVブレースの振動の状態を示す説明図。
【図12】リヤサイドメンバの左右共振周波数及びVブレースの前後共振周波数の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態の車両の後部構造を図1〜図9を参照して説明する。
本実施形態のVブレース、リヤサイドメンバ、リヤフロアクロスメンバ、ボデー構成部材の各組付け構成は、図1で説明した車両の後部構造と同じであるため、Vブレース、リヤサイドメンバ、リヤフロアクロスメンバ、ボデー構成部材に付す符号を既に説明した構成と同じにして、その説明を省略する。
【0020】
このため、本実施形態においても、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方に位置するようにオフセットされている。
【0021】
本実施形態の構成で特徴的なことは、Vブレース50の前後共振周波数が、重量調整によりリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くして共振振動時の位相が、重量調整前の位相とはずらしたものである。Vブレース50の前後共振周波数をリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くするための重量調整は、Vブレース50自体の重量を従来よりも重くするか、或いは、Vブレース50に対してマス(重り)を付加する。マスを付加する方法は限定するものではなく、Vブレース50に対して、マスをボルト等の締結手段により取付けて固定したり、或いはマスを溶接或いは、接着剤により固定する。本実施形態では、図1に示すように、右アーム54及び左アーム56の各中間部位の後面にマスMが取り付けられている。なお、図1では、右アーム54側のマスMのみが図示されている。前記マスMはマス部材に相当する。
【0022】
図3は、Vブレース50の前後共振で振動したときの、変位コンター図であり、変位の大きい部位は、濃淡が濃くしてある。同図に示すように、右アーム54、及び左アーム56の各上下方向の中間部位が、中央部52よりも、前後共振での変位が大きいことが分かる。このため、この中間部位の重量を他の部位よりも増すようにするか、或いは、同中間部位に対して、マスM(重り)を前記の方法により取付けすることが好ましい。
【0023】
このマスMを右アーム54、及び左アーム56の上下方向の中間部位に取付けすることにより、後述する振動の抑制を好適に実現できる。
又、Vブレース50のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位の取付面積は狭くなればなるほど、中央部52から各アーム54,56の長さを長くできるため好ましい。この理由は、アーム54,56の長さを長くすれば、より大きな回転モーメントを得ることができるとともに、取付部位の取付面積は狭くなればなるほど前記回転モーメントをリヤフロアクロスメンバ30に効率的に伝達することができるためである。
【0024】
又、Vブレース50は、左右均等の重さを有するようにするとともに、従来よりも重量を増加させる場合、右アーム54,及び左アーム56をバランスよく均等に増加させることが好ましい。すなわち、右アーム54,及び左アーム56は、それぞれ同等の重量を有するとともに、右アーム54自身,及び左アーム56自身の重心位置が同じ高さとなるようにすることが好ましい。こうすることにより、後部構造における左右の重量のアンバランスを防止できる。
【0025】
(実施形態の作用)
上記のように構成された車両の後部構造の作用を説明する。
図1に示すリヤサイドメンバ10,20に左右の方向の振動が加わった場合、Vブレース50は、その重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から、オフセットして配置されているとともに、図5に示すように、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低く設定されている。
【0026】
このため、Vブレース50には、中央部52のリヤフロアクロスメンバ30に対する取付部位を通る回転軸Oを中心に、図4に示すように回転モーメントが働く。図4では、リヤフロアクロスメンバ30に右方向からの振動が加わった場合、Vブレース50の右アーム54に前向きの力F3が加わるとともに、左アーム56には後向きの力F4が加わりB矢印で示す回転方向に回転モーメントが発生する。なお、リヤフロアクロスメンバ30に左方向からの振動が加わった場合、図4とは逆方向の回転モーメントが働く。
【0027】
このように、Vブレースの前後共振周波数がリヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることにより、Vブレースは従来の振動の位相とはずれた位相の振動が発生し、リヤサイドメンバによるリヤフロアクロスメンバの左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバの左右振動も抑制する。
【0028】
図6〜図9を参照してVブレース50の具体例で説明する。なお、図6〜図8において、各グラフの縦軸は振動レベル(単位はm/s2)及び位相(単位はdeg)、横軸は周波数(単位はHz)を表している。図6〜図8において、実線はVブレースの重量調整前(すなわち、従来例)、破線は重量調整後(すなわち、本実施形態)を示している。
【0029】
図6に示すように、Vブレース50の前後共振周波数は、重量調整前では実線で示すように191Hz付近にあり、重量調整(重量増加)後では130Hzにある。また、図8に示すように、このときのリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数は、Vブレース50の重量調整前では、実線で示すように191Hzよりも低い168Hzにある。
【0030】
又、Vブレース50の重量調整前では、リヤフロアクロスメンバ30は、図7の実線で示す振動レベルの特性を有する。
Vブレースの重量調整した後、すなわち、Vブレース50の前後共振周波数を前記リヤサイドメンバの左右共振周波数168Hzよりも低くして130Hzにすると、Vブレース50の振動時の位相が重量調整前からずらされて、図6の実線から破線で示すように変化している。
【0031】
このとき、図7に示すように、リヤフロアクロスメンバ30の左右振動レベルは、重量調整前の実線で示すグラフから、点線で示す振動レベルのグラフに変化し、振動レベルが150Hz付近〜200HZの領域では減少している。
【0032】
又、リヤサイドメンバ10の左右振動レベルは、重量調整前の実線で示すグラフから、点線で示す振動レベルのグラフに変化し、振動レベルが135Hz付近〜200HZの領域で減少している。
【0033】
図9は、上記のように構成された車両の後部構造において、Vブレース50の重量調整前の車内音の音圧レベル(実線)と、重量調整後の車内音の音圧レベル(点線)を測定した結果が示されている。同図に示すように、Vブレース50の重量調整前と重量調整後では、重量調整後の方が車内音の音圧レベルが低減されていることが分かる。なお、図9において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は音圧レベル(dB)である。
【0034】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態の車両の後部構造は、車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ10,20間にリヤフロアクロスメンバ30が連結され、リヤフロアクロスメンバ30に対して、Vブレース50の中央部が取付けされ、Vブレース50の中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端がボデー構成部材40に連結されて、Vブレース50の重心G1がリヤフロアクロスメンバ30の重心G2から前方にオフセット配置されている。又、Vブレース50の前後共振周波数をリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くされている。この結果、リヤサイドメンバに左右の振動が加わった場合、リヤフロアクロスメンバ及びリヤサイドメンバの左右振動も低減できるとともに、車内音を低減できる。
【0035】
(2) 本実施形態の車両の後部構造では、Vブレース50は、マスM(マス部材)が取り付けられていることにより、Vブレース50の前後共振周波数を、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることにより、上記(1)の効果を容易に実現できる。
【0036】
(3) 本実施形態の車両の後部構造では、マスMは、Vブレース50の前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることにより、Vブレース50の前後共振周波数がリヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることができる。
【0037】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 前記実施形態では、図2に示すように、Vブレース50は、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が前方にオフセットされていたが、重心G2のG1に対するオフセット方向は、逆方向であってもよい。すなわち、リヤフロアクロスメンバ30の重心G2よりもその重心G1が後方にオフセットされていてもよい。この場合、リヤサイドメンバ10,20の左右方向の振動がリヤフロアクロスメンバ30を介してVブレース50に加わった際、生ずる回転モーメントの働く方向は前記実施形態とは逆方向となる。この場合においても、Vブレース50の自体の重量を重くする、或いは、マスM(重り)を、右アーム54,及び左アーム56にそれぞれ取付けすることによって、Vブレース50の前後共振周波数が、リヤサイドメンバ10,20の左右共振周波数よりも低くすることにより、Vブレース50の位相をずらした振動が、リヤサイドメンバ10,20によるリヤフロアクロスメンバ30の左右振動を抑制するとともにリヤサイドメンバ10,20の左右振動も抑制する。この結果、車内音を低減できる。
【0038】
・ 前記実施形態では、ボデー構成部材40の梁部46の左右両端は、リヤサスペンションのストラット上部を支持するサスペンションハウジングの上面に連結しているが、限定されるものではなく、リヤサスペンション以外の車両の構造物に固定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
10,20…リヤサイドメンバ、
30…リヤフロアクロスメンバ、
40…ボデー構成部材、
50…Vブレース、52…中央部、54…右アーム、56…左アーム、
M…マス(マス部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ間にリヤフロアクロスメンバが連結され、前記リヤフロアクロスメンバに対して、Vブレースの中央部が取付けされ、前記Vブレースの中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端が車室とトランク間に介在して配置されたボデー構成部材に連結されて、前記Vブレースの重心が前記リヤフロアクロスメンバの重心から前後方向にオフセット配置された車両の後部構造において、
前記Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする車両の後部構造。
【請求項2】
前記Vブレースは、マス部材が取り付けられていることにより、前記前後共振周波数が前記左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする請求項1に記載の車両の後部構造。
【請求項3】
前記マス部材は、前記Vブレースの前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両の後部構造。
【請求項1】
車両の前後方向に延出された一対のリヤサイドメンバ間にリヤフロアクロスメンバが連結され、前記リヤフロアクロスメンバに対して、Vブレースの中央部が取付けされ、前記Vブレースの中央部から左右の各上方に延びる一対のアームの両端が車室とトランク間に介在して配置されたボデー構成部材に連結されて、前記Vブレースの重心が前記リヤフロアクロスメンバの重心から前後方向にオフセット配置された車両の後部構造において、
前記Vブレースの前後共振周波数が前記リヤサイドメンバの左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする車両の後部構造。
【請求項2】
前記Vブレースは、マス部材が取り付けられていることにより、前記前後共振周波数が前記左右共振周波数よりも低くされていることを特徴とする請求項1に記載の車両の後部構造。
【請求項3】
前記マス部材は、前記Vブレースの前記一対のアームに対してそれぞれ取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両の後部構造。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【公開番号】特開2012−232709(P2012−232709A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104208(P2011−104208)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】
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