車両の後部車体構造
【課題】掃き出しフロアを形成して、荷室の使い勝手を向上させつつ、リヤサイドフレームよりも下方に設けたリヤエンドメンバと、該リヤエンドメンバの両側部から上方に延びる縦メンバとにより、開口部剛性、捩り剛性を確保する車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】リヤエンドパネル10は、その上端がリヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成され、リヤエンドメンバ30が、一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設けられ、リヤエンドメンバ30の両側部に、一対のリヤサイドフレーム9より上方に延びる縦メンバ32が接続されたことを特徴とする。
【解決手段】リヤエンドパネル10は、その上端がリヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成され、リヤエンドメンバ30が、一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設けられ、リヤエンドメンバ30の両側部に、一対のリヤサイドフレーム9より上方に延びる縦メンバ32が接続されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体後部に荷室にアクセスするための開口部(いわゆる荷室開口)が形成されたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の後部に、荷室にアクセスするための開口部が形成された車両においては、該開口部が形成された分だけ車体の後部の剛性が低下する。
このため、上記開口部の周囲に閉断面構造物を配設して、開口部の剛性を確保することが知られている。
【0003】
一方で、荷室の床面を下方に下げて低床と成した場合、荷物の積載量が増加拡大する利点がある反面、低床になる分だけ開口部との上下方向の段差が大きくなり、荷物の出し入れ時に作業者(乗員)の負担が大きくなるという問題があった。
また、上述段差を解消するために、低床構造に対応して開口部の下縁位置を下方に下げると、該開口部がさらに大きくなり、これにより開口剛性が低下するので、後部車体剛性を充分に確保することができない問題点がある。
【0004】
ところで、特許文献1には、荷室にアクセスするために、車体後部に形成された開口部と、この開口部の口縁を形成するリヤエンドメンバを設け、該リヤエンドメンバを上側のリヤエンドメンバと下側のリヤエンドメンバとに分けて、荷室利用時には、上側のリヤエンドメンバを取外すことにより、開口部と荷室床面との間の上下方向の段差を解消し、荷物の積込み取出し時以外の時には、上記上側のリヤエンドメンバを車体に取付けておくことにより、開口部剛性を確保したものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、上側のリヤエンドメンバが脱着式であるため、この上側のリヤエンドメンバが開口部剛性や後部車体剛性に充分に寄与しているとは云い難く、また該上側のリヤエンドメンバの脱着に手間がかかる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成し、リヤエンドパネルとの間に閉断面を形成するリヤエンドメンバが一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びるように設けられ、該リヤエンドメンバの両側部に一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続することで、掃き出しフロアを形成して、荷室の使い勝手を向上させつつ、リヤサイドフレームよりも下方に設けたリヤエンドメンバと、該リヤエンドメンバの両側部から上方に延びる縦メンバとにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両の後部車体構造は、車両後部に形成された荷室と、該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバが接続されたものである。
【0008】
上記構成によれば、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成したので、掃き出しフロアを形成することができ、この結果、荷室の使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、上述のリヤエンドメンバを、一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設け、かつ、該リヤエンドメンバの両側部に、一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続したので、リヤエンドパネルの上端を可及的リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に設けて掃き出しフロアを形成し、荷室の使い勝手の向上を図ることができると共に、これらのリヤエンドメンバおよび縦メンバにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる。
【0009】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバの上端部が上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を備えたものである。
上記構成によれば、縦メンバの上端部をさらに上方に延設してリヤピラー部を形成し、このリヤピラー部で開口部の側縁を構成すべく成したので、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルの後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカンが設けられ、上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームに接続されるよう該リヤサイドフレームと車幅方向同位置に配設され、上記クラッシュカンが上記縦メンバを介して上記リヤサイドフレームと接続されたものである。
上記構成によれば、リヤサイドフレームとクラッシュカンと縦メンバとの三者が、車両正面視および車両背面視において重複して設けられているので、後突時のクラッシュカンからリヤサイドフレームへの荷重伝達性(いわゆるロードパス性)を維持しつつ、縦メンバを介してリヤピラー部へも荷重伝達を図って、荷重を分散させることができるので、車体後部の変形を抑制することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、その閉断面が上記リヤサイドフレームの後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレームの内部に埋設して配置されたものである。
上記構成によれば、後突時におけるクラッシュカンの圧潰時に、リヤエンドメンバがリヤバンパビームとの接触を受けにくくなり、修理範囲の縮小を図って、リペアビリティ向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルの上端にはシール部材取付け部が形成され、上記リヤエンドメンバの車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバから上方に延びて上記シール部材取付け部に接続される補助メンバを設け、該補助メンバに、上記開口部を開閉するバックドアをロックするストライカが設けられたものである。
上記構成によれば、補助メンバにストライカを設けたので、バックドアをロックするためのストライカ支持剛性を確保することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルには、上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置において上記縦メンバと一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバが設けられたものである。
上記構成によれば、荷室の開口部の下縁を、上記開口部メンバで構成することができ、上述のストライカおよびシール部材取付け部に設けられるシール部材の支持剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成し、リヤエンドパネルとの間に閉断面を形成するリヤエンドメンバが一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びるように設けられ、該リヤエンドメンバの両側部に一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続したので、掃き出しフロアを形成することができて、荷室の使い勝手を向上させつつ、リヤサイドフレームよりも下方に設けたリヤエンドメンバと、該リヤエンドメンバの両側部から上方に延びる縦メンバとにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す側面図
【図2】図1の要部の斜視図
【図3】リヤエンドメンバ、縦メンバ、リヤピラー部を一体形成した部材の斜視図
【図4】リヤバンパ、バンパビーム、クラッシュカンを省略した状態で示す図2の背面図
【図5】図4のA−A線矢視断面図
【図6】図4のB−B線矢視断面図
【図7】図4のC−C線矢視断面図
【図8】リヤサイドフレームと縦メンバとの関連構造を示す分解斜視図
【図9】補助メンバを設けた実施例を示す背面図
【図10】図9のD−D線矢視断面図
【図11】図9のE−E線矢視断面図
【図12】車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図
【図13】図12のG−G線矢視断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
掃き出しフロアを形成して、荷室の使い勝手を向上させつつ、開口部剛性および捩り剛性を確保するという目的を、車両後部に形成された荷室と、該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた車両の後部車体構造において、上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続するという構成にて実現した。
【実施例1】
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1、図2において、車室1および車室1後部に形成された荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3(いわゆる、リヤフロア)を設け、このリヤフロアパネル3の車室1と対応する部分には、後席としてのリヤシート4を配設している。
【0018】
このリヤシート4は、後席乗員の着座面を形成するシートクッション5と、後席乗員の背もたれ面を形成するシートバック6と、後席乗員の頭部を支持するヘッドレスト7と、を備えている。なお、上述のリヤシート4はセパレートシートまたはベンチシートにて構成することができる。
【0019】
また、上述のリヤフロアパネル3の荷室2と対応する部位には、下方に段下げ形成されたスペアタイヤパン8を形成している。
さらに、上述のリヤフロアパネル3の下部両サイドには、図1、図2に示すように、左右一対のリヤサイドフレーム9,9を設け、車体強度部材としてのこれら左右のリヤサイドフレーム9と、リヤフロアパネル3との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面を形成している。ここで、上述のリヤサイドフレーム9はハット断面形状に形成されたものである。
【0020】
左右一対のリヤサイドフレーム9の後端にはリヤエンドパネル10が接続されており、車幅方向および上下方向に延びる該リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9のそれぞれの後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続されている。
上述のリヤサイドフレーム9とクラッシュカン11とは、平面視および側面視で車両の前後方向に連続するように直線的に接続されている。
【0021】
また、左右のクラッシュカン11,11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されている。このリヤバンパビーム12は車両前方側が開放した断面コ字状に形成されており、該リヤバンパビーム12のコ字状内部には、左右のクラッシュカン11,11と干渉しない位置まで車幅方向に延びるクロージングプレート13が取付けられている。そして、上述のクラッシュカン11とリヤバンパビーム12とクロージングプレート13とで、リヤバンパレインフォースメントが構成されるものである。
【0022】
上述のリヤサイドフレーム9の後端には、図2に示すように、各一対の接合フランジ部9a,9aが外側に向けて一体に折曲げ形成され、また、クラッシュカン11の前端部には取付けプレート14が一体的に設けられており、図5に示すように、リヤエンドパネル10を挟んでリヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、取付けプレート14とを、ボルト15、ナット16などの複数の取付け部材で締結することにより、リヤサイドフレーム9の後端部にクラッシュカン11を、前後方向に連続させて、連結したものである。
【0023】
また、図2に示すように、クラッシュカン11の後端には上下一対の接合フランジ部11a,11aを内側に向けて一体に折曲げ形成し、これら接合フランジ部11a,11aをリヤバンパビーム12の対応部に溶接固定することで、左右のクラッシュカン11,11間にリヤバンパビーム12を車幅方向に向けて略水平に張架したものである。
【0024】
ところで、図1に示すように、上述のリヤフロアパネル3の前端には、前低後高状に傾斜するキックアップ部17を連続して形成する一方、車室1および荷室2の天井部を形成するルーフパネル18を設け、このルーフパネル18の後端下部には、リヤヘッダ19を接合固定し、このリヤヘッダ19とルーフパネル18との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面20を形成して、上部車体剛性の向上を図るように構成している。
【0025】
車体後部には、荷室2にアクセスするために開口部21(いわゆる荷室開口)を形成すると共に、この開口部21を開閉自在に覆うバックドア22(リフトゲートと同意)を設けている。
このバックドア22は、バックドアアウタパネル23と、バックドアインナパネル24と、バックドアウインド25(バックウインドガラスなど)とを備えており、リヤヘッダ19後部の支点26を中心として開閉するものである。
なお、図1において、27はリヤバンパであり、図2において、28はリヤホイールハウスである。
【0026】
図3はリヤエンドメンバ、縦メンバ、リヤピラー部を一体形成した部材の斜視図、図4はクラッシュカン11、リヤバンパビーム12、クロージングプレート13、取付けプレート14等を省略した状態で示す図2の要部の背面図、図5は図4のA−A線矢視断面図、図6は図4のB−B線矢視断面図、図7は図4のC−C線矢視断面図である。
【0027】
図4、図5、図6に示すように、上述のリヤエンドパネル10は開口部21の下縁を形成するものである、このリヤエンドパネル10は、その上端がリヤフロアパネル10と略同じ高さ位置に形成されており、このリヤエンドパネル10の車両フロント側の面には、リヤサイドフレーム9よりも下側位置において車幅方向に延びるハット断面形状のリヤエンドメンバ30が接合固定されており、リヤエンドパネル10とリヤエンドメンバ30との間には車幅方向に延びる閉断面31が形成されている。
【0028】
図3に斜視図で示すように、上述のリヤエンドメンバ30は、前片30a、上片30bと、下片30cと、上下の接合フランジ片30d,30dと、を一体形成した車体強度部材である。
そして、このリヤエンドメンバ30の上下の接合フランジ片30d,30dを、リヤエンドパネル10の前面側下部に溶接固定して、これら両者10,30間に、車幅方向に延びる閉断面31を形成したものである。
【0029】
また、図4に示すように、リヤエンドメンバ30の左右両側部には、一対のリヤサイドフレーム9,9よりも上方に延びる縦メンバ32と、この縦メンバ32の上端部からさらに上方に延設されて上述の開口部21の側縁を形成するリヤピラー部33と、が一体に接続されている。左右のリヤピラー部33は、図示しないリヤピラーと接続されるものである。
【0030】
ここで、図3に斜視図で示すように、上述の縦メンバ32は、前片32aと、左右の側片32b,32bと、左右の接合フランジ片32c,32cと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、リヤピラー部33も前片33aと、左右の側片33b,33bと、左右の接合フランジ片33c,33cと、を一体形成した車体剛性部材である。
そして、縦メンバ32,32およびリヤピラー部33,33の各接合フランジ片32c,33cを、リヤエンドパネル10の前面に溶接固定して、該リヤエンドパネル10と縦メンバ32、リヤピラー部33との間には上下方向に連続する閉断面34,35を形成したものである(図6参照)。
【0031】
図3に斜視図で示すように、上述のリヤエンドメンバ30と、このリヤエンドメンバ30の左右両端部から上方に延びる左右の縦メンバ32,32と、これら左右の縦メンバ32,32と、これら左右の縦メンバ32,32からさらに上方に延びるリヤピラー部33,33とが一体形成されて、車両の背面視で凹形状のリヤメンバZが構成されている。
【0032】
図4のC−C線矢視断面図を図7に示すように、リヤエンドパネル10の後部には、衝撃吸収用の一対のクラッシュカン11,11が設けられ、上述の縦メンバ32は、一対のリヤサイドフレーム9に接続されるように該リヤサイドフレームイ9と車幅方向の同位置に配設されており、上述のクラッシュカン11が、取付けプレート14、リヤエンドパネル10、縦メンバ32を介して上述のリヤサイドフレーム9と接続されている。
【0033】
また、図7に示すように、縦メンバ32は、その閉断面34が上述のリヤサイドフレーム9の後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレーム9の内部に埋設して配置されている。
【0034】
このため、図8に示すように、リヤサイドフレーム9の底片における後端部には、車両の前方側に窪む凹部9bを形成すると共に、この凹部9bと上下方向に対応して、リヤフロアパネル3の後端部にも、車両の前方側に窪む凹部3bを形成し、これら各凹部3b,9bの形成位置に上述の縦メンバ32を配設したものである(図7参照)。
【0035】
ところで、図5に示すように、上述のリヤエンドパネル10の上端には、折曲げ部10a,10bを介してシール部材取付け部10cが形成されている。このシール部材取付け部10cは図5の断面位置においては前低後高状にスラント形成されている。
そして、上述の折曲げ部10aにおける車幅方向中央部には、バックドア22をロックするストライカ40がストライカベース41を介して取付けられており、シール部材取付け部10cには、ボディとバックドア22との間をシールするシール部材としてのウエザストリップ42が嵌着されている。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車両の内方を示し、矢印OUTは車両の外方を示す。
【0036】
このように、図1〜図8で示した実施例1の車両の後部車体構造は、車両後部に形成された荷室2と、該荷室2にアクセスするために車体後部に形成された開口部21と、上記荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3と、該リヤフロアパネル3の下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム9と、該リヤサイドフレーム9の後端に接続されて上記開口部21の下縁を形成するリヤエンドパネル10と、上記リヤエンドパネル10に設けられて車幅方向に延びる閉断面31構造のリヤエンドメンバ30と、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネル10は、その上端が上記リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバ30が、上記一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバ30の両側部に、上記一対のリヤサイドフレーム9より上方に延びる縦メンバ32が接続されたものである(図1、図2参照)。
【0037】
この構成によれば、リヤエンドパネル10の上端をリヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成したので、掃き出しフロアを形成することができ、この結果、荷室2の使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、上述のリヤエンドメンバ30を、一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設け、かつ、該リヤエンドメンバ30の両側部には、一対のリヤサイドフレーム9より下方に延びる縦メンバ32を接続したので、これらのリヤエンドメンバ30および縦メンバ32により、開口部21の剛性および捩り剛性を確保することができる。
【0038】
また、上記縦メンバ32の上端部が上方に延設されて上記開口部21の側縁を形成するリヤピラー部33を備えたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、縦メンバ32の上端部をさらに上方に延設してリヤピラー部33を形成し、このリヤピラー部33で開口部21の側縁を構成すべく成したので、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0039】
さらに、上記リヤエンドパネル10の後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカン11が設けられ、上記縦メンバ32は、上記一対のリヤサイドフレーム9に接続されるよう該リヤサイドフレーム9と車幅方向同位置に配設され、上記クラッシュカン11が上記縦メンバ32を介して上記リヤサイドフレーム9と接続されたものである(図2、図7参照)。
この構成によれば、リヤサイドフレーム9とクラッシュカン11と縦メンバ32との三者が、車両正面視および車両背面視において重複して設けられているので、後突時のクラッシュカン11からリヤサイドフレーム9への荷重伝達性(いわゆるロードパス性)を維持しつつ、縦メンバ32を介してリヤピラー部33へも荷重伝達を図って、荷重を分散させることができるので、車体後部の変形を抑制することができる。
【0040】
加えて、上記縦メンバ32は、その閉断面34が上記リヤサイドフレーム9の後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレーム9の内部に埋設して配置されたものである(図7、図8参照)。
この構成によれば、後突時におけるクラッシュカン11の圧潰時に、リヤエンドメンバ30がリヤバンパビーム12との接触を受けにくくなり、修理範囲の縮小を図って、リペアビリティ向上を図ることができる。
【実施例2】
【0041】
図9、図10、図11は車両の後部車体構造の他の実施例を示し、図9は要部の背面図、図10は図9のD−D線矢視断面図、図11は図9のE−E線矢視断面図である。
図9、図10に示すように、リヤエンドメンバ30、リヤエンドパネル10の車幅方向中央部には、リヤエンドメンバ30の配設位置から上方に延びて前述のシール部材取付け部10cに接続される補助メンバ50が設けられている。
【0042】
この実施例では、該補助メンバ50はリヤエンドパネル10のリヤ側の面に接合されている。また、該補助メンバ50はその周囲全周に接合フランジ部50aを一体形成しており、この接合フランジ部50aが上述のリヤエンドパネル10にスポット溶接などの手段にて接合固定されたものである。
【0043】
特に、図10に示すように、補助メンバ50における接合フランジ部50aの上側は、リヤエンドパネル10のシール部材取付け部10cに接合固定されている。
さらに、上述の補助メンバ50とリヤエンドパネル10との間には、上下方向に延びる閉断面51が形成されており、補助メンバ配設部における剛性向上を図るように構成している。
【0044】
図9〜図11に示すように、上述の補助メンバ50はリヤエンドメンバ30、リヤエンドパネル10の車幅方向中央部に対応する位置にのみ設けられており、可及的車体重量の増加を招くことなく、所定部の強度向上を図るように構成している。
【0045】
また、上述の補助メンバ50が設けられた位置に対応して、リヤエンドパネル10上部の折曲げ部10aには、ストライカ40が取付けられている。つまり、このストライカ40は閉断面51を介して補助メンバ50に設けられたものである。
【0046】
このように、図9、図10、図11で示した実施例2においては、上記リヤエンドパネル10の上端にはシール部材取付け部10cが形成され、上記リヤエンドメンバ30の車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバ30から上方に延びて上記シール部材取付け部10cに接続される補助メンバ50を設け、該補助メンバ50に、上記開口部21を開閉するバックドア22をロックするストライカ40が設けられたものである(図9、図10参照)。
この構成によれば、補助メンバ50にストライカ40を設けたので、バックドア22をロックするためのストライカ支持剛性を可及的車体重量の増加を招くことなく確保することができる。
【0047】
なお、図9〜図11で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1と同様であるから、図9〜図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0048】
図12、図13は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示し、図12は要部の背面図、図13は図12のG−G線矢視断面図である。
この実施例3においては、図12、図13に示すように、上述のリヤエンドパネル10には、リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置において左右の縦メンバ32,32と一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバ60が設けられたものである。
【0049】
図13に断面図で示すように、該開口部メンバ60は、前片60aと、上片60bと、下片60cと、上下の接合片60d,60eとを一体に備えており、上下の接合片60d,60eをリヤエンドパネル10のフロント側の面に接合固定することで、開口部メンバ60とリヤエンドパネル10との間には、車幅方向に延びる閉断面61を形成している。ここで、上述の開口部メンバ60の上側の接合片60dは、リヤエンドパネル10のシール部材取付け部10cに接合固定されており、シール部材としてのウエザストリップ42はこれら両者60d,10cの嵌着するように取付けられている。
そして、この実施例においては、図13に示すように、開口部メンバ60の上片60bにおける車幅方向の中央部にストライカ40を取付けている。また、この実施例においては、図12に背面図で示すように左右の縦メンバ32,32の上下方向の閉断面34,34と、開口部メンバ60の車幅方向の閉断面61とを連通させているが、これら両者34,61を非連通構造と成してもよい。
【0050】
このように、図12、図13で示した実施例3においては、上記リヤエンドパネルに10は、上記リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置において上記縦メンバ32と一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部60メンバが設けられたものである(図12、図13参照)。
この構成によれば、荷室2の開口部21の下縁を、上記開口部メンバ60で構成することができ、上述のストライカ40およびシール部材取付け部10cに設けられるシール部材(ウエザストリップ42参照)の支持剛性を確保することができる。
【0051】
図12、図13で示したこの実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1と同様であるから、図12、図13において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、この実施例3に先の実施例2を組合せてもよいことは勿論である。
【0052】
この発明は、図1〜図8で示した実施例1、図9〜図11で示した実施例2、図12、図13で示した実施例3に限定されるものではない。例えば、上記補助メンバ50はリヤエンドパネル10の車両前方側の面において、リヤエンドメンバ30の車幅方向中央部から上方に立ち上がって延びて上記シール部材取付け部10cに接続される構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
2…荷室
3…リヤフロアパネル
9…リヤサイドフレーム
10…リヤエンドパネル
10c…シール部材取付け部
11…クラッシュカン
21…開口部
22…バックドア
30…リヤエンドメンバ
32…縦メンバ
33…リヤピラー部
34…閉断面
40…ストライカ
50…補助メンバ
60…開口部メンバ
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体後部に荷室にアクセスするための開口部(いわゆる荷室開口)が形成されたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の後部に、荷室にアクセスするための開口部が形成された車両においては、該開口部が形成された分だけ車体の後部の剛性が低下する。
このため、上記開口部の周囲に閉断面構造物を配設して、開口部の剛性を確保することが知られている。
【0003】
一方で、荷室の床面を下方に下げて低床と成した場合、荷物の積載量が増加拡大する利点がある反面、低床になる分だけ開口部との上下方向の段差が大きくなり、荷物の出し入れ時に作業者(乗員)の負担が大きくなるという問題があった。
また、上述段差を解消するために、低床構造に対応して開口部の下縁位置を下方に下げると、該開口部がさらに大きくなり、これにより開口剛性が低下するので、後部車体剛性を充分に確保することができない問題点がある。
【0004】
ところで、特許文献1には、荷室にアクセスするために、車体後部に形成された開口部と、この開口部の口縁を形成するリヤエンドメンバを設け、該リヤエンドメンバを上側のリヤエンドメンバと下側のリヤエンドメンバとに分けて、荷室利用時には、上側のリヤエンドメンバを取外すことにより、開口部と荷室床面との間の上下方向の段差を解消し、荷物の積込み取出し時以外の時には、上記上側のリヤエンドメンバを車体に取付けておくことにより、開口部剛性を確保したものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、上側のリヤエンドメンバが脱着式であるため、この上側のリヤエンドメンバが開口部剛性や後部車体剛性に充分に寄与しているとは云い難く、また該上側のリヤエンドメンバの脱着に手間がかかる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成し、リヤエンドパネルとの間に閉断面を形成するリヤエンドメンバが一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びるように設けられ、該リヤエンドメンバの両側部に一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続することで、掃き出しフロアを形成して、荷室の使い勝手を向上させつつ、リヤサイドフレームよりも下方に設けたリヤエンドメンバと、該リヤエンドメンバの両側部から上方に延びる縦メンバとにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両の後部車体構造は、車両後部に形成された荷室と、該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバが接続されたものである。
【0008】
上記構成によれば、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成したので、掃き出しフロアを形成することができ、この結果、荷室の使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、上述のリヤエンドメンバを、一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設け、かつ、該リヤエンドメンバの両側部に、一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続したので、リヤエンドパネルの上端を可及的リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に設けて掃き出しフロアを形成し、荷室の使い勝手の向上を図ることができると共に、これらのリヤエンドメンバおよび縦メンバにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる。
【0009】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバの上端部が上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を備えたものである。
上記構成によれば、縦メンバの上端部をさらに上方に延設してリヤピラー部を形成し、このリヤピラー部で開口部の側縁を構成すべく成したので、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルの後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカンが設けられ、上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームに接続されるよう該リヤサイドフレームと車幅方向同位置に配設され、上記クラッシュカンが上記縦メンバを介して上記リヤサイドフレームと接続されたものである。
上記構成によれば、リヤサイドフレームとクラッシュカンと縦メンバとの三者が、車両正面視および車両背面視において重複して設けられているので、後突時のクラッシュカンからリヤサイドフレームへの荷重伝達性(いわゆるロードパス性)を維持しつつ、縦メンバを介してリヤピラー部へも荷重伝達を図って、荷重を分散させることができるので、車体後部の変形を抑制することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、その閉断面が上記リヤサイドフレームの後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレームの内部に埋設して配置されたものである。
上記構成によれば、後突時におけるクラッシュカンの圧潰時に、リヤエンドメンバがリヤバンパビームとの接触を受けにくくなり、修理範囲の縮小を図って、リペアビリティ向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルの上端にはシール部材取付け部が形成され、上記リヤエンドメンバの車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバから上方に延びて上記シール部材取付け部に接続される補助メンバを設け、該補助メンバに、上記開口部を開閉するバックドアをロックするストライカが設けられたものである。
上記構成によれば、補助メンバにストライカを設けたので、バックドアをロックするためのストライカ支持剛性を確保することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルには、上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置において上記縦メンバと一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバが設けられたものである。
上記構成によれば、荷室の開口部の下縁を、上記開口部メンバで構成することができ、上述のストライカおよびシール部材取付け部に設けられるシール部材の支持剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、リヤエンドパネルの上端をリヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成し、リヤエンドパネルとの間に閉断面を形成するリヤエンドメンバが一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びるように設けられ、該リヤエンドメンバの両側部に一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続したので、掃き出しフロアを形成することができて、荷室の使い勝手を向上させつつ、リヤサイドフレームよりも下方に設けたリヤエンドメンバと、該リヤエンドメンバの両側部から上方に延びる縦メンバとにより、開口部剛性および捩り剛性を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す側面図
【図2】図1の要部の斜視図
【図3】リヤエンドメンバ、縦メンバ、リヤピラー部を一体形成した部材の斜視図
【図4】リヤバンパ、バンパビーム、クラッシュカンを省略した状態で示す図2の背面図
【図5】図4のA−A線矢視断面図
【図6】図4のB−B線矢視断面図
【図7】図4のC−C線矢視断面図
【図8】リヤサイドフレームと縦メンバとの関連構造を示す分解斜視図
【図9】補助メンバを設けた実施例を示す背面図
【図10】図9のD−D線矢視断面図
【図11】図9のE−E線矢視断面図
【図12】車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図
【図13】図12のG−G線矢視断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
掃き出しフロアを形成して、荷室の使い勝手を向上させつつ、開口部剛性および捩り剛性を確保するという目的を、車両後部に形成された荷室と、該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた車両の後部車体構造において、上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバを接続するという構成にて実現した。
【実施例1】
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1、図2において、車室1および車室1後部に形成された荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3(いわゆる、リヤフロア)を設け、このリヤフロアパネル3の車室1と対応する部分には、後席としてのリヤシート4を配設している。
【0018】
このリヤシート4は、後席乗員の着座面を形成するシートクッション5と、後席乗員の背もたれ面を形成するシートバック6と、後席乗員の頭部を支持するヘッドレスト7と、を備えている。なお、上述のリヤシート4はセパレートシートまたはベンチシートにて構成することができる。
【0019】
また、上述のリヤフロアパネル3の荷室2と対応する部位には、下方に段下げ形成されたスペアタイヤパン8を形成している。
さらに、上述のリヤフロアパネル3の下部両サイドには、図1、図2に示すように、左右一対のリヤサイドフレーム9,9を設け、車体強度部材としてのこれら左右のリヤサイドフレーム9と、リヤフロアパネル3との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面を形成している。ここで、上述のリヤサイドフレーム9はハット断面形状に形成されたものである。
【0020】
左右一対のリヤサイドフレーム9の後端にはリヤエンドパネル10が接続されており、車幅方向および上下方向に延びる該リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9のそれぞれの後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続されている。
上述のリヤサイドフレーム9とクラッシュカン11とは、平面視および側面視で車両の前後方向に連続するように直線的に接続されている。
【0021】
また、左右のクラッシュカン11,11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されている。このリヤバンパビーム12は車両前方側が開放した断面コ字状に形成されており、該リヤバンパビーム12のコ字状内部には、左右のクラッシュカン11,11と干渉しない位置まで車幅方向に延びるクロージングプレート13が取付けられている。そして、上述のクラッシュカン11とリヤバンパビーム12とクロージングプレート13とで、リヤバンパレインフォースメントが構成されるものである。
【0022】
上述のリヤサイドフレーム9の後端には、図2に示すように、各一対の接合フランジ部9a,9aが外側に向けて一体に折曲げ形成され、また、クラッシュカン11の前端部には取付けプレート14が一体的に設けられており、図5に示すように、リヤエンドパネル10を挟んでリヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、取付けプレート14とを、ボルト15、ナット16などの複数の取付け部材で締結することにより、リヤサイドフレーム9の後端部にクラッシュカン11を、前後方向に連続させて、連結したものである。
【0023】
また、図2に示すように、クラッシュカン11の後端には上下一対の接合フランジ部11a,11aを内側に向けて一体に折曲げ形成し、これら接合フランジ部11a,11aをリヤバンパビーム12の対応部に溶接固定することで、左右のクラッシュカン11,11間にリヤバンパビーム12を車幅方向に向けて略水平に張架したものである。
【0024】
ところで、図1に示すように、上述のリヤフロアパネル3の前端には、前低後高状に傾斜するキックアップ部17を連続して形成する一方、車室1および荷室2の天井部を形成するルーフパネル18を設け、このルーフパネル18の後端下部には、リヤヘッダ19を接合固定し、このリヤヘッダ19とルーフパネル18との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面20を形成して、上部車体剛性の向上を図るように構成している。
【0025】
車体後部には、荷室2にアクセスするために開口部21(いわゆる荷室開口)を形成すると共に、この開口部21を開閉自在に覆うバックドア22(リフトゲートと同意)を設けている。
このバックドア22は、バックドアアウタパネル23と、バックドアインナパネル24と、バックドアウインド25(バックウインドガラスなど)とを備えており、リヤヘッダ19後部の支点26を中心として開閉するものである。
なお、図1において、27はリヤバンパであり、図2において、28はリヤホイールハウスである。
【0026】
図3はリヤエンドメンバ、縦メンバ、リヤピラー部を一体形成した部材の斜視図、図4はクラッシュカン11、リヤバンパビーム12、クロージングプレート13、取付けプレート14等を省略した状態で示す図2の要部の背面図、図5は図4のA−A線矢視断面図、図6は図4のB−B線矢視断面図、図7は図4のC−C線矢視断面図である。
【0027】
図4、図5、図6に示すように、上述のリヤエンドパネル10は開口部21の下縁を形成するものである、このリヤエンドパネル10は、その上端がリヤフロアパネル10と略同じ高さ位置に形成されており、このリヤエンドパネル10の車両フロント側の面には、リヤサイドフレーム9よりも下側位置において車幅方向に延びるハット断面形状のリヤエンドメンバ30が接合固定されており、リヤエンドパネル10とリヤエンドメンバ30との間には車幅方向に延びる閉断面31が形成されている。
【0028】
図3に斜視図で示すように、上述のリヤエンドメンバ30は、前片30a、上片30bと、下片30cと、上下の接合フランジ片30d,30dと、を一体形成した車体強度部材である。
そして、このリヤエンドメンバ30の上下の接合フランジ片30d,30dを、リヤエンドパネル10の前面側下部に溶接固定して、これら両者10,30間に、車幅方向に延びる閉断面31を形成したものである。
【0029】
また、図4に示すように、リヤエンドメンバ30の左右両側部には、一対のリヤサイドフレーム9,9よりも上方に延びる縦メンバ32と、この縦メンバ32の上端部からさらに上方に延設されて上述の開口部21の側縁を形成するリヤピラー部33と、が一体に接続されている。左右のリヤピラー部33は、図示しないリヤピラーと接続されるものである。
【0030】
ここで、図3に斜視図で示すように、上述の縦メンバ32は、前片32aと、左右の側片32b,32bと、左右の接合フランジ片32c,32cと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、リヤピラー部33も前片33aと、左右の側片33b,33bと、左右の接合フランジ片33c,33cと、を一体形成した車体剛性部材である。
そして、縦メンバ32,32およびリヤピラー部33,33の各接合フランジ片32c,33cを、リヤエンドパネル10の前面に溶接固定して、該リヤエンドパネル10と縦メンバ32、リヤピラー部33との間には上下方向に連続する閉断面34,35を形成したものである(図6参照)。
【0031】
図3に斜視図で示すように、上述のリヤエンドメンバ30と、このリヤエンドメンバ30の左右両端部から上方に延びる左右の縦メンバ32,32と、これら左右の縦メンバ32,32と、これら左右の縦メンバ32,32からさらに上方に延びるリヤピラー部33,33とが一体形成されて、車両の背面視で凹形状のリヤメンバZが構成されている。
【0032】
図4のC−C線矢視断面図を図7に示すように、リヤエンドパネル10の後部には、衝撃吸収用の一対のクラッシュカン11,11が設けられ、上述の縦メンバ32は、一対のリヤサイドフレーム9に接続されるように該リヤサイドフレームイ9と車幅方向の同位置に配設されており、上述のクラッシュカン11が、取付けプレート14、リヤエンドパネル10、縦メンバ32を介して上述のリヤサイドフレーム9と接続されている。
【0033】
また、図7に示すように、縦メンバ32は、その閉断面34が上述のリヤサイドフレーム9の後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレーム9の内部に埋設して配置されている。
【0034】
このため、図8に示すように、リヤサイドフレーム9の底片における後端部には、車両の前方側に窪む凹部9bを形成すると共に、この凹部9bと上下方向に対応して、リヤフロアパネル3の後端部にも、車両の前方側に窪む凹部3bを形成し、これら各凹部3b,9bの形成位置に上述の縦メンバ32を配設したものである(図7参照)。
【0035】
ところで、図5に示すように、上述のリヤエンドパネル10の上端には、折曲げ部10a,10bを介してシール部材取付け部10cが形成されている。このシール部材取付け部10cは図5の断面位置においては前低後高状にスラント形成されている。
そして、上述の折曲げ部10aにおける車幅方向中央部には、バックドア22をロックするストライカ40がストライカベース41を介して取付けられており、シール部材取付け部10cには、ボディとバックドア22との間をシールするシール部材としてのウエザストリップ42が嵌着されている。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車両の内方を示し、矢印OUTは車両の外方を示す。
【0036】
このように、図1〜図8で示した実施例1の車両の後部車体構造は、車両後部に形成された荷室2と、該荷室2にアクセスするために車体後部に形成された開口部21と、上記荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3と、該リヤフロアパネル3の下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム9と、該リヤサイドフレーム9の後端に接続されて上記開口部21の下縁を形成するリヤエンドパネル10と、上記リヤエンドパネル10に設けられて車幅方向に延びる閉断面31構造のリヤエンドメンバ30と、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネル10は、その上端が上記リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成されると共に、上記リヤエンドメンバ30が、上記一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、該リヤエンドメンバ30の両側部に、上記一対のリヤサイドフレーム9より上方に延びる縦メンバ32が接続されたものである(図1、図2参照)。
【0037】
この構成によれば、リヤエンドパネル10の上端をリヤフロアパネル3と略同じ高さ位置に形成したので、掃き出しフロアを形成することができ、この結果、荷室2の使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、上述のリヤエンドメンバ30を、一対のリヤサイドフレーム9よりも下方位置で車幅方向に延びて設け、かつ、該リヤエンドメンバ30の両側部には、一対のリヤサイドフレーム9より下方に延びる縦メンバ32を接続したので、これらのリヤエンドメンバ30および縦メンバ32により、開口部21の剛性および捩り剛性を確保することができる。
【0038】
また、上記縦メンバ32の上端部が上方に延設されて上記開口部21の側縁を形成するリヤピラー部33を備えたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、縦メンバ32の上端部をさらに上方に延設してリヤピラー部33を形成し、このリヤピラー部33で開口部21の側縁を構成すべく成したので、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0039】
さらに、上記リヤエンドパネル10の後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカン11が設けられ、上記縦メンバ32は、上記一対のリヤサイドフレーム9に接続されるよう該リヤサイドフレーム9と車幅方向同位置に配設され、上記クラッシュカン11が上記縦メンバ32を介して上記リヤサイドフレーム9と接続されたものである(図2、図7参照)。
この構成によれば、リヤサイドフレーム9とクラッシュカン11と縦メンバ32との三者が、車両正面視および車両背面視において重複して設けられているので、後突時のクラッシュカン11からリヤサイドフレーム9への荷重伝達性(いわゆるロードパス性)を維持しつつ、縦メンバ32を介してリヤピラー部33へも荷重伝達を図って、荷重を分散させることができるので、車体後部の変形を抑制することができる。
【0040】
加えて、上記縦メンバ32は、その閉断面34が上記リヤサイドフレーム9の後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレーム9の内部に埋設して配置されたものである(図7、図8参照)。
この構成によれば、後突時におけるクラッシュカン11の圧潰時に、リヤエンドメンバ30がリヤバンパビーム12との接触を受けにくくなり、修理範囲の縮小を図って、リペアビリティ向上を図ることができる。
【実施例2】
【0041】
図9、図10、図11は車両の後部車体構造の他の実施例を示し、図9は要部の背面図、図10は図9のD−D線矢視断面図、図11は図9のE−E線矢視断面図である。
図9、図10に示すように、リヤエンドメンバ30、リヤエンドパネル10の車幅方向中央部には、リヤエンドメンバ30の配設位置から上方に延びて前述のシール部材取付け部10cに接続される補助メンバ50が設けられている。
【0042】
この実施例では、該補助メンバ50はリヤエンドパネル10のリヤ側の面に接合されている。また、該補助メンバ50はその周囲全周に接合フランジ部50aを一体形成しており、この接合フランジ部50aが上述のリヤエンドパネル10にスポット溶接などの手段にて接合固定されたものである。
【0043】
特に、図10に示すように、補助メンバ50における接合フランジ部50aの上側は、リヤエンドパネル10のシール部材取付け部10cに接合固定されている。
さらに、上述の補助メンバ50とリヤエンドパネル10との間には、上下方向に延びる閉断面51が形成されており、補助メンバ配設部における剛性向上を図るように構成している。
【0044】
図9〜図11に示すように、上述の補助メンバ50はリヤエンドメンバ30、リヤエンドパネル10の車幅方向中央部に対応する位置にのみ設けられており、可及的車体重量の増加を招くことなく、所定部の強度向上を図るように構成している。
【0045】
また、上述の補助メンバ50が設けられた位置に対応して、リヤエンドパネル10上部の折曲げ部10aには、ストライカ40が取付けられている。つまり、このストライカ40は閉断面51を介して補助メンバ50に設けられたものである。
【0046】
このように、図9、図10、図11で示した実施例2においては、上記リヤエンドパネル10の上端にはシール部材取付け部10cが形成され、上記リヤエンドメンバ30の車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバ30から上方に延びて上記シール部材取付け部10cに接続される補助メンバ50を設け、該補助メンバ50に、上記開口部21を開閉するバックドア22をロックするストライカ40が設けられたものである(図9、図10参照)。
この構成によれば、補助メンバ50にストライカ40を設けたので、バックドア22をロックするためのストライカ支持剛性を可及的車体重量の増加を招くことなく確保することができる。
【0047】
なお、図9〜図11で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1と同様であるから、図9〜図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0048】
図12、図13は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示し、図12は要部の背面図、図13は図12のG−G線矢視断面図である。
この実施例3においては、図12、図13に示すように、上述のリヤエンドパネル10には、リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置において左右の縦メンバ32,32と一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバ60が設けられたものである。
【0049】
図13に断面図で示すように、該開口部メンバ60は、前片60aと、上片60bと、下片60cと、上下の接合片60d,60eとを一体に備えており、上下の接合片60d,60eをリヤエンドパネル10のフロント側の面に接合固定することで、開口部メンバ60とリヤエンドパネル10との間には、車幅方向に延びる閉断面61を形成している。ここで、上述の開口部メンバ60の上側の接合片60dは、リヤエンドパネル10のシール部材取付け部10cに接合固定されており、シール部材としてのウエザストリップ42はこれら両者60d,10cの嵌着するように取付けられている。
そして、この実施例においては、図13に示すように、開口部メンバ60の上片60bにおける車幅方向の中央部にストライカ40を取付けている。また、この実施例においては、図12に背面図で示すように左右の縦メンバ32,32の上下方向の閉断面34,34と、開口部メンバ60の車幅方向の閉断面61とを連通させているが、これら両者34,61を非連通構造と成してもよい。
【0050】
このように、図12、図13で示した実施例3においては、上記リヤエンドパネルに10は、上記リヤフロアパネル3と略同じ高さ位置において上記縦メンバ32と一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部60メンバが設けられたものである(図12、図13参照)。
この構成によれば、荷室2の開口部21の下縁を、上記開口部メンバ60で構成することができ、上述のストライカ40およびシール部材取付け部10cに設けられるシール部材(ウエザストリップ42参照)の支持剛性を確保することができる。
【0051】
図12、図13で示したこの実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1と同様であるから、図12、図13において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、この実施例3に先の実施例2を組合せてもよいことは勿論である。
【0052】
この発明は、図1〜図8で示した実施例1、図9〜図11で示した実施例2、図12、図13で示した実施例3に限定されるものではない。例えば、上記補助メンバ50はリヤエンドパネル10の車両前方側の面において、リヤエンドメンバ30の車幅方向中央部から上方に立ち上がって延びて上記シール部材取付け部10cに接続される構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
2…荷室
3…リヤフロアパネル
9…リヤサイドフレーム
10…リヤエンドパネル
10c…シール部材取付け部
11…クラッシュカン
21…開口部
22…バックドア
30…リヤエンドメンバ
32…縦メンバ
33…リヤピラー部
34…閉断面
40…ストライカ
50…補助メンバ
60…開口部メンバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両後部に形成された荷室と、
該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、
上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、
該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、
該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、
上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた
車両の後部車体構造であって、
上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、
上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、
該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバが接続されたことを特徴とする
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記縦メンバの上端部が上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を備えた
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記リヤエンドパネルの後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカンが設けられ、
上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームに接続されるよう該リヤサイドフレームと車幅方向同位置に配設され、
上記クラッシュカンが上記縦メンバを介して上記リヤサイドフレームと接続された
請求項1または2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記縦メンバは、その閉断面が上記リヤサイドフレームの後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレームの内部に埋設して配置された
請求項1〜3の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記リヤエンドパネルの上端にはシール部材取付け部が形成され、
上記リヤエンドメンバの車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバから上方に延びて上記シール部材取付け部に接続される補助メンバを設け、
該補助メンバに、上記開口部を開閉するバックドアをロックするストライカが設けられた
請求項1〜4の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記リヤエンドパネルには、上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置において上記縦メンバと一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバが設けられた
請求項1〜5の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項1】
車両後部に形成された荷室と、
該荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部と、
上記荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、
該リヤフロアパネルの下部に接合されて前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームと、
該リヤサイドフレームの後端に接続されて上記開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、
上記リヤエンドパネルに設けられて車幅方向に延びる閉断面構造のリヤエンドメンバと、を備えた
車両の後部車体構造であって、
上記リヤエンドパネルは、その上端が上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置に形成されると共に、
上記リヤエンドメンバが、上記一対のリヤサイドフレームよりも下方位置で車幅方向に延びて設けられており、
該リヤエンドメンバの両側部に、上記一対のリヤサイドフレームより上方に延びる縦メンバが接続されたことを特徴とする
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記縦メンバの上端部が上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を備えた
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記リヤエンドパネルの後部には衝撃吸収用の一対のクラッシュカンが設けられ、
上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームに接続されるよう該リヤサイドフレームと車幅方向同位置に配設され、
上記クラッシュカンが上記縦メンバを介して上記リヤサイドフレームと接続された
請求項1または2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記縦メンバは、その閉断面が上記リヤサイドフレームの後端よりも車両前後方向の前方に位置するように該リヤサイドフレームの内部に埋設して配置された
請求項1〜3の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記リヤエンドパネルの上端にはシール部材取付け部が形成され、
上記リヤエンドメンバの車幅方向中央部には、該リヤエンドメンバから上方に延びて上記シール部材取付け部に接続される補助メンバを設け、
該補助メンバに、上記開口部を開閉するバックドアをロックするストライカが設けられた
請求項1〜4の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記リヤエンドパネルには、上記リヤフロアパネルと略同じ高さ位置において上記縦メンバと一体的に形成されて車幅方向に延びる開口部メンバが設けられた
請求項1〜5の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−131695(P2011−131695A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292247(P2009−292247)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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