説明

車両の情報出力システム及び情報出力方法

本発明は、車両の車両状態及び/又は環境状態を検出するための収集手段と、少なくとも2つの出力ポートを使用して情報を出力するための出力手段と、検出されたデータを処理して評価するための及びデータ評価に基づき情報を出力するための手段を制御するための評価及び制御装置とを備える車両の情報出力システムに関する。2つ以上の出力ポートの少なくとも1つを選択することができる。本発明はまた、関連の情報出力方法に関する。本発明によれば、評価及び制御装置は、検出されたデータを評価して、前記第1の情報を出力するために選択された出力ポートを介して、第1の情報の出力と第2の情報の出力との間に衝突が生じるかどうかを確かめ、衝突が検出された場合、第1又は第2の情報を出力するために出力ポートを変更する。あるいは、前記装置は、同一の出力ポートを介して第1又は第2の情報を出力するために要する時間を確認して、より短い時間を要する情報の出力に対して、より長い時間を要する情報の出力を遅らせる。必要時間が同一である場合、より高い優先性を有する情報が最初に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の車両の情報出力システム、及び情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の車両では、車両サブシステム、例えばナビゲーションシステムによる情報出力は、メッセージ又は事象、例えばナビゲーションシステムからのルート指示及び着信電話が同時に存在する場合に、重複を回避するためにメッセージの緊急性に従ってメッセージに優先順位が付けられる限りにおいてのみ、例えばオーディオシステム及び/又は通信システムのような他の車両サブシステムによる情報出力と調整される。上述の例では、より高い優先性が電話に与えられる場合、ナビゲーションシステムからの音響的ルート指示を抑制する可能性がある。さらに、運転者がナビゲーションシステムの聴覚的情報出力のみを作動させる場合、ルート指示は失われることがある。このことは、運転者がルート指示を受け取らず、したがって、ナビゲーションシステムによって予め規定されたルートを、気付くことなく離れる場合がある。運転者が、例えば、コンビネーションインストルメントのディスプレイ装置の方向矢印の形態のナビゲーション指示を出力する視覚的ナビゲーション出力を作動させていたとしても、着信電話により注意力が散漫になるため、運転者は視覚的ルート指示を認識することを怠り、予め規定されたルートから逸脱するおそれがある。
【0003】
さらに、様々な車両サブシステムからの情報出力の調整の欠如の結果、混乱状態が生じる可能性がある。例えば、低いエンジンオイルレベルのような車両の操作上の信頼性に直接関係する故障メッセージは高い優先性を有し、通常、運転者に直ちに出力される。運転者には、例えば、信号トーンによってコンビネーションディスプレイの表示に対して注意が喚起される。次に、運転者がこのような故障メッセージを受け取り、その直後にナビゲーションシステムからの聴覚的ルート指示、例えば「300メートル先を右に曲がる」が出力される状態が生じるかもしれない。信号トーンによる要求の後、したがって、運転者は、コンビネーションインストルメントのディスプレイ装置で、車両のエンジンオイルレベルが低すぎることを読み取り、ほぼ同時に右に曲がるべきことを読み取る。このことは、ある状況下では、運転者は、ルート指示が低いエンジンオイルレベルとは何の関係もないにも関わらずに、故障メッセージに関係するものとしてルート指示を解釈するおそれがあり、運転者の混乱を招くだろう。
【0004】
特許文献1は、車両の駆動状態及び/又は周囲状態についてデータを収集して、収集されたデータに応じた音声出力によって、例えば、空調システム、オーディオシステム、ナビゲーションシステム等のような様々な車両サブシステムから情報を出力する車両用の音声ベースの情報出力システムに関する。さらに又は代わりに、情報を出力するための視覚的及び触覚的出力ポートが記載されている。様々な車両サブシステムからの情報出力の調整については、何ら説明がない。
【0005】
特許文献2は、車両用の危険防止システムに関する。危険防止システムに関連し、運転者に対する負荷に応じて、出力プロセスについて適切な出力ポートが選択され、強い音響負荷がある場合、出力プロセスについて視覚的、触覚的、又は嗅覚的出力ポートが選択され、運転者に対する強い視覚的負荷がある場合、聴覚、触覚、又は嗅覚による出力ポートが選択される情報又は警告メッセージの出力について説明されている。さらに、運転者に対する負荷の増加が予想される前に、情報又は警告メッセージを適時に出力するために、情報又は警告メッセージの出力を先行させることが可能であるか、運転者に対する短時間の負荷の増加まで、前記情報又は警告メッセージが出力されないように、出力プロセスを遅らせることができる。運転者に対する負荷を決定するために、収集されたデータの複雑な評価が実施される。
【0006】
【特許文献1】独国特許発明第10001263C2号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10103401A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、運転者が受ける負荷が小さくなり、情報の損失がほぼ回避されるように、様々な車両サブシステムから出力される情報をより良く調整する車両用の情報出力システムを提供すること、及び関連の情報出力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1の特徴を有する情報出力システムを提供することによって、及び特許請求項10の特徴を有する情報出力方法によってこの目的を達成する。
【0009】
本発明の有利な発展形態が従属請求項に規定されている。
【0010】
本発明は、車両の駆動状態及び/又は周囲状態に関係する収集されたデータが評価されて、第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された出力ポートに生じるかどうかを判断するという構想に基づいている。この評価中に、このような衝突が検出された場合、第1又は第2の情報項目を出力するための出力ポートが切替えられる。あるいは、同一の出力ポートを使用して第1及び第2の情報項目を出力する間、より長い時間を要する情報項目の出力が、より短い時間を要する情報項目の出力と比較して遅らされるように、第1又は第2の情報項目を出力する時間がシフトされる。データの評価及び第1及び第2の情報項目を出力するために要する時間の確認は、評価及び制御装置によって実施される。
【0011】
この結果、異なる車両システムからの情報出力は、ほぼ情報損失なしにより良く調整することができる。情報を出力するための既存の優先性は、より低い優先性を有する情報出力のための出力ポートが変更され、一方、より高い優先性を有する情報出力は、その好ましい出力ポートを使用して出力されるという結果に至るように考慮することができる。
【0012】
第1及び第2の情報項目を出力するために、同一の出力ポートが使用される場合、より低い優先性を有する情報出力が、より高い優先性を有する情報出力よりも短い時間を要するならば、その優先性を無視することができる。
【0013】
情報を出力するための出力ポートの切替は、視覚、聴覚、触覚、及び/又は、嗅覚によって運転者に示されることができる。
【0014】
情報出力システムの一改良形態では、車両サブシステムからの情報を出力するための好ましい出力ポートは、運転者によって及び/又は製造業者によってあらかじめ設定されることができる。
【0015】
評価及び制御装置が、衝突評価中に他の情報出力との衝突を検出しない場合、第1の情報項目を出力するために、評価及び制御装置は、この情報項目を出力するための好ましい出力ポートを選択する。
【0016】
情報出力システムの一発展形態では、評価及び制御装置は、収集されたデータから、少なくとも2つの出力ポートに対する運転者の負荷状態を決定する。決定された負荷に応じて、情報を出力するための少なくとも1つの出力ポートが選択される。この結果、運転者が、好ましい出力ポートによる情報出力によって余りに強く負荷を受ける場合、好ましい出力ポートを車両の又は車両の周囲の現在の状態に適合させることができる。例えば、高い交通密度及び/又は悪い視界が存在する場合、視覚による出力ポートに対する強い負荷が検出される。次に、評価及び制御装置は、例えば、聴覚による出力ポートの情報出力に切り替わる。さらに、評価及び制御装置が他の情報出力との衝突を確認した場合、感知チャネル又は情報出力の時間をもう一度変更することができる。
【0017】
衝突又は負荷が取り除かれた後、評価及び制御装置は、関連の車両サブシステムから将来の情報項目を出力するための好ましい出力ポートを再設定する。
【0018】
情報出力システムの有利な一形態では、出力される第1の情報項目は、ナビゲーションシステムからのものであり、この関連で、これらの第1の情報項目は、他の車両システムによって出力される第2の情報項目と比較して、時間に関して先行させられるか又は遅らされる。
【0019】
ナビゲーションシステムによる情報出力は、その出力時間を変更することに特に適切であるが、この理由は、ナビゲーション指示が、例えば次の交差点から300mの距離のように、一般に非常に早く行われ、運転者に提供される情報に悪影響を及ぼすことなく、ナビゲーション指示を時間に関して先行させるか又は遅らすことができるからである。
【0020】
例えば、通常非常に短い持続時間及び非常に高い優先性を有する故障メッセージと、ナビゲーション指示とが同時に行われる場合、ナビゲーション指示の出力は、故障メッセージの出力と比較して遅らされる。
【0021】
通常比較的長い持続時間を必要としかつ比較的高い優先性を有する着信電話と、ナビゲーション指示とが同時に行われる場合、ナビゲーション指示は先行させられる。
【0022】
ナビゲーションシステムによって出力される情報を時間変化に適合させるために、評価及び制御装置は、ナビゲーションシステムからの情報を連続的に評価する。
【0023】
車両の本発明による情報出力方法は、車両の駆動状態及び/又は周囲状態に関係するデータを収集し、処理し、評価する。データ評価に応じて、情報を出力するための少なくとも1つの出力ポートが選択される。さらに、収集されたデータが評価されて、第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された出力ポートに生じるかどうかを判断する。このような衝突が検出された場合、第1又は第2の情報項目を出力するための出力ポートが変更されるか、あるいは同一の出力ポートを使用して第1及び第2の情報項目を出力する間、第1及び第2の情報項目を出力するために要する時間が確認され、より長い時間を要する情報が、より短い時間を要する前記情報項目の出力と比較して遅らされる。
【0024】
本発明の有利な実施形態を図面に示し、以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図から明らかなように、車両の情報出力システム1は、車両の駆動状態及び/又は周囲状態に関係するデータを収集するための収集手段3と、情報を出力するための出力手段4と、評価及び制御装置2とを備える。
【0026】
ここで、車両状態データは、例えば、車両の速度に関係するデータ、ヨー加速度、縦方向加速度及び横方向加速度、ブレーキペダルの位置及びアクセルペダルの位置、かじ取り角、操作者制御要素の状態、及びセンサと制御装置の状態であると理解される。
【0027】
周囲に関係するデータは、周囲用センサ、テレマティックスシステムによって、並びに他の車両と通信する車両搭載の通信システム及び/又は固定通信システムによって提供されるデータを指す。周囲に関係するデータの例は、例えば走行中の道路の範囲が住宅地域、森の端又は橋の上に位置するかどうかを示す現在位置に関係する情報、例えば接近中の交通の有無にかかわらず、走行中の道路がフリーウェー、二級道路、単一車線道路、多車線道路であるかどうかを示す道路のカテゴリに関係する情報、及び、運転者の車両が移動している車線に関係する情報である。周囲に関する別のデータは、道路状態、温度、天候、光の状態、周囲の騒音、空気質及び風の状態、速度、距離、移動方向、車両のタイプ及び状態、あるいは前方に、隣接して移動しつつある、後方に移動しつつある、又は接近しつつある他の道路使用者を含む。
【0028】
ナビゲーションシステム3.1のような車両サブシステム、通信システム3.2、周囲に関するセンサ3.3及び制御装置3.4は、一例として、このようなデータを収集するための収集手段3として示されている。
【0029】
評価及び制御装置2は、このようなデータを処理して評価する。評価に応じて、評価及び制御装置2は、情報を出力するための出力手段4を制御し、情報項目を出力するために、情報を出力するための出力手段4の内の少なくとも1つの出力ポートを選択する。車両サブシステムの1つから情報項目を出力するために、運転者によって又は製造業者によって関連情報について又はそれぞれの車両サブシステムについてあらかじめ設定される好ましい出力ポートが選択される。
【0030】
選択された出力ポートを使用して情報が出力される前に、本発明によれば、評価及び制御装置は、収集されたデータを評価して、第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された感知チャネルに生じるかどうかを判断する。例えば対応する出力ポートがすでに他のシステムによって使用されているので、このような衝突が検出された場合、第1又は第2の情報項目を出力するために選択された出力ポートが変更されるか、あるいは同一の出力ポートを使用して第1及び第2の情報項目を出力する間、より長い時間を要する情報項目の出力が、より短い時間を要する情報項目の出力と比較して遅らされるように、第1又は第2の情報項目の出力が時間に関してシフトされる。第1及び第2の情報項目を出力するために要する時間の確認も、評価及び制御装置2によって実施される。
【0031】
当然、情報項目を出力するために、複数の出力ポートも使用することができ、例えば視覚による及び聴覚による出力ポートを使用することができ、この場合、本発明に従って衝突がないか点検される。
【0032】
情報を出力するための出力手段4は、運転者の聴覚による出力ポートを使用するための聴覚的出力装置4.1と、運転者の視覚による出力ポートを使用するための視覚的出力装置4.2と、運転者の触覚による出力ポートを使用するための触覚的出力装置4.3と、運転者の嗅覚による出力ポートを使用するための嗅覚的出力装置4.4とを備え、出力装置4.1は、例えば、音声出力装置及び1つ以上のラウドスピーカを使用して様々なトーンを発生して出力するための装置を備え、出力装置4.2は、例えば、画面表示及び/又は多機能ディスプレイを備えている。
【0033】
情報を出力するための出力ポートの変更は、情報を出力するための出力手段4を使用して、視覚的に及び/又は聴覚的に及び/又は触覚的に及び/又は嗅覚的に運転者に示され、この車両サブシステムのためにあらかじめ設定された出力ポートを使用して、この変更を示すことが好ましい。
【0034】
聴覚による出力ポートから視覚による出力ポートへの変更が必要な場合、変更は、例えば、視覚的出力装置4.2を見るように運転者に要求する音による指示によって実施される。同時に、例えば、ナビゲーションシステム3.2によって出力される方向情報は、方向矢印及び距離指示を有するディスプレイ表示で現れる。
【0035】
視覚による出力ポートから聴覚による出力ポートへの変更は、例えば、変更について運転者に知らせる聴覚出力装置4.1からの音声出力「ナビゲーション指示のモダリティ変更」によって実施されることができる。
【0036】
さらに、評価及び制御装置2は、収集されたデータから、選択可能な出力ポートに対する運転者の負荷状態を決定する。決定された負荷は、衝突の点検に加えて、情報を出力するための出力ポートの選択の際に含まれる。
【0037】
このように、例えば、悪い視界又は大きな交通量により運転者に対し強い視覚的負荷がある場合、例えばあらかじめ設定された好ましい視覚による出力ポートは、聴覚、触覚、及び/又は、嗅覚による出力ポートに変更される。
【0038】
衝突又は負荷の除去後、評価及び制御装置2は、それぞれの車両サブシステムから将来の情報項目を出力するための好ましい出力ポートを再設定する。
【0039】
特に、ナビゲーションシステムによって出力される情報項目は、その出力時間をシフトするために適切であるが、この理由は、ナビゲーション指示が、例えば次の交差点から300mの距離のように一般に非常に早く行われ、運転者に提供される情報に悪影響を及ぼすことなく、ナビゲーション指示を時間に関して先行させるか又は遅らすことができるからである。
【0040】
情報出力システムの操作方法について、実施例を用いて以下に説明する。
【0041】
運転者は、ナビゲーションシステム3.1を作動しており、運転者は、右に曲がるべき交差点の500m前に位置している。この時に、通信システム3.2を介して電話が受信される。評価及び制御装置2は、データを評価することによって、運転者が交差点に接近しつつあり、そこで右折しなければならないことを検出し、電話が受け入れられるならば、ナビゲーションシステム3.1からの情報項目のあらかじめ設定された対応する聴覚による出力は、電話と衝突するであろう。情報出力の予期される持続時間の確認後、評価及び制御装置2は、第1の情報項目の出力、ここではナビゲーションシステム3.1からのコース指示が、第2の情報項目の出力、ここでは受け入れた電話による聴覚による出力ポートの使用よりも短いことを検出する。この理由で、評価及び制御装置は、第1の情報項目を出力する程度に十分なある量の時間だけ、例えば5秒だけ、車両で受信された電話を抑制する。同時に、ナビゲーションシステムからの方向指示は、時間に関して先行させられ、運転者は、聴覚的な要求「500メートルで右に曲がる」を受信する。この後になって初めて、電話がつながる。電話を受け入れた後、例えばナビゲーション情報項目を出力するためにあらかじめ設定された好ましい聴覚による出力ポートは、視覚による出力ポートに変更される。このことは、音による指示によって運転者に連絡される。
【0042】
聴覚によるナビゲーション出力を先行させることによって、300mは500mになり、状態に関する運転者の認識が相当改善されるが、この理由は、運転者はまもなく曲がらなければならないことを今や知っており、同様に電話の受け入れによって別の聴覚によるナビゲーション情報が出力されない場合、運転者は、より大きな注意をナビゲーション情報項目の視覚による出力に向けることができるからである。
【0043】
故障メッセージとナビゲーション出力とが同時に行われる場合、評価及び制御装置2は、それぞれの情報出力の持続時間を確認し、これらがほぼ等しい長さであり、かつ故障メッセージがより高い優先性を有するので、故障メッセージが直ちに出力される。このメッセージを認識して、処理する程度に十分な時間を運転者に与えるために、ナビゲーション情報の出力が遅らされる。「300m先を右に曲がる」は、例えば、「150m先を右に曲がる」になる。このことにより、なお十分な時間が残され、運転者がその時点に故障メッセージに専心することを可能にする。
【0044】
さらに、ナビゲーション情報項目の出力と他の車両サブシステムからの情報の出力との調整を改善するために、評価及び制御装置2は、出力のために、ナビゲーションシステムからの情報を時間変化により良く適合させることができるように、例えば現在の距離を音声出力のテキストに含めるために、ナビゲーションシステムからの情報を連続的に評価する。
【0045】
情報出力方法は、車両の駆動状態及び/又は周囲状態を感知するステップと、収集されたデータを処理及び評価するステップと、データ評価に応じて少なくとも1つの出力ポートを選択するステップと、選択された出力ポートを使用して情報を出力するステップとを含む。収集されたデータは評価されて、第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された出力ポートに生じるかどうかを判断する。このような衝突が検出された場合、第1又は第2の情報項目を出力するための出力ポートが変更されるか、あるいは同一の出力ポートを使用して第1及び第2の情報項目を出力する間、第1又は第2の情報項目の出力のために要する時間が確認され、より長い時間を要する情報は、より短い時間を要する情報項目の出力と比較して遅れて出力され、この場合、必要時間が同一である場合、より高い優先性を有する情報が出力される。
【0046】
異なる車両システムから出力される情報は、衝突が生じる場合に調整され、すなわちその時間はシフトされるか、あるいは異なる出力ポートを使用して出力されるので、情報の損失を常にほぼ回避でき、運転者の仕事をより良く補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】車両用の情報出力システムの概略ブロック回路図を示している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
−車両の駆動状態及び/又は周囲状態を感知するための収集手段(3)と、
−少なくとも2つの出力ポートを使用して情報を出力するための出力手段(4)と、
−収集されたデータを処理して評価し、前記データ評価に応じて情報を出力する出力手段(4)を作動させるための評価及び制御装置(2)を有し、
前記少なくとも2つの出力ポートの少なくとも一方が、情報を出力するために選択される車両の情報出力システムにおいて、
−前記評価及び制御装置(2)が、前記収集されたデータを評価して、
・第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された前記出力ポートに生じるかどうかを判断し、
・衝突が検出された場合、前記出力ポートが前記第1又は第2の情報項目を出力するために切替えられ、あるいは、
・同一の出力ポートを使用して前記第1及び第2の情報項目が出力されるときに、前記第1及び第2の情報項目を出力するために必要とされる時間が確認され、より長い時間を要する前記情報項目の出力が、より短い時間を要する前記情報項目の出力と比較して遅らされ、前記必要時間が同じである場合、より高い優先性を有する前記情報項目が先に出力されることを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
情報を出力するための前記出力ポートの切替が、視覚、聴覚、触覚、及び/又は、嗅覚によって運転者に示されることを特徴とする請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
車両サブシステム(3.1、3.2、3.3、3.4)からの情報を出力するための前記出力ポートが、運転者によって及び/又は製造業者によってあらかじめ設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記第1の情報項目を出力するために、前記衝突評価中に他方の情報出力との衝突が検出されない場合、前記評価及び制御装置(2)が、前記情報項目を出力するための好ましい前記出力ポートを選択することを特徴とする請求項3に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記評価及び制御装置(2)が、前記収集されたデータから、前記少なくとも2つの出力ポートに対応する運転者の負荷状態を決定して、前記決定された負荷に応じて、情報を出力するための少なくとも1つの出力ポートを選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記衝突又は負荷が除去された後に、前記評価及び制御装置(2)が、前記車両サブシステム(3.1、3.2、3.3、3.4)から将来の情報を出力するための好ましい前記出力ポートを再設定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項7】
出力される前記第1の情報項目が、ナビゲーションシステム(3.1)からのものであり、前記情報項目が、情報出力のタイミングが前方に移動されるか、あるいは他の車両システム(3.2、3.3、3.4)によって出力される第2の情報項目と比較して遅らされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項8】
前記ナビゲーションシステムの情報のタイミングに関し、故障メッセージと比較して遅れて出力され、着信する電話と比較して先行して出力されることを特徴とする請求項7に記載の情報出力システム。
【請求項9】
前記評価及び制御装置(2)が、前記ナビゲーションシステムからの情報を出力プロセスのタイミングの変化に適合させるために、前記ナビゲーションシステムからの情報を連続的に評価することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報出力システム。
【請求項10】
−車両の駆動状態及び/又は周囲状態を感知するステップと、
−収集されたデータを処理及び評価するステップと、
−前記データの評価に応じて少なくとも1つの出力ポートを選択するステップと、
−前記選択された出力ポートに関する情報を出力するステップと、
を含む車両の情報出力システムにおける出力方法おいて、
−第2の情報項目の出力との衝突が、第1の情報項目を出力するために選択された前記出力ポートに生じるかどうかを判断するために、前記収集されたデータが評価され、
−衝突が検出された場合、前記出力ポートが前記第1又は第2の情報項目を出力することに切替えられ、あるいは、
−同一の出力ポートを使用して前記第1及び第2の情報項目が出力されるときに、前記第1及び第2の情報項目を出力するために必要とされる時間が確認され、より長い時間を要する前記情報項目の出力が、より短い時間を要する前記情報項目の出力と比較して遅らされ、前記必要時間が同じである場合はより高い優先性を有する前記情報項目が最初に出力されることを特徴とする情報出力システムにおける出力方法。
【請求項11】
前記収集されたデータから情報を出力するための前記出力ポートを選択するために、前記出力ポートに対する前記車両の負荷状態が確認され、情報を出力するために、最も小さい負荷状態を有する前記出力ポートが選択されることを特徴とする請求項10に記載の情報出力システムにおける出力方法。
【請求項12】
情報を出力するための前記出力ポートの変更によって、視覚、聴覚、触覚、及び/又は、嗅覚によって運転者に示されることを特徴とする請求項10又は11に記載の情報出力システムにおける出力方法。

【公表番号】特表2007−503344(P2007−503344A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523581(P2006−523581)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009027
【国際公開番号】WO2005/022481
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】