説明

車両の緊急通報装置および車両の緊急通報システム

【課題】 本発明は、車両の緊急通報装置および車両の緊急通報システムに関し、車両に緊急事態が生じた時に、運転者が修理店情報を容易に取得可能にすることを目的とする。
【解決手段】 車両の現在位置を検出する位置検出手段と、前記車両の緊急事態を入力する入力手段と、前記入力手段に前記車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および前記車両の位置情報をサーバに送信する出力手段と、前記サーバから出力された修理店情報を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された修理店情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の緊急通報装置および車両の緊急通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS装置により車両の現在位置を検出し、車両の現在位置等をネットワークを介して情報端末機に出力して車両の管理を行う車両の管理装置が知られている。
【特許文献1】特開2000−184431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来、車両に緊急事態が生じた場合には、運転者が電話等を用いて管理者に緊急事態の状況を連絡し、最寄りの販社(ディーラ)情報を得た後に、運転者が販社に連絡をして対応しているため、緊急事態への対応に手間がかかるという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、車両に緊急事態が生じた時に、運転者が修理店情報を容易に得ることができる車両の緊急通報装置および車両の緊急通報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の車両の緊急通報装置は、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、前記車両の緊急事態を入力する入力手段と、前記入力手段に前記車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および前記車両の位置情報をサーバに送信する出力手段と、前記サーバから出力された修理店情報を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された修理店情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0005】
請求項2の車両の緊急通報装置は、請求項1記載の車両の緊急通報装置において、前記修理店情報は、修理店の名前、電話番号、住所、前記車両の現在位置からの距離を含むことを特徴とする。
請求項3の車両の緊急通報装置は、請求項1または請求項2記載の車両の緊急通報装置において、前記修理店情報は、前記車両の現在位置に近い順に複数の修理店を含むことを特徴とする。
【0006】
請求項4の車両の緊急通報システムは、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、前記車両の緊急事態を入力する入力手段と、前記入力手段に前記車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および前記車両の位置情報を送信する出力手段と、前記出力手段から送信された前記緊急信号および前記車両の位置情報に基づいて、前記位置情報に応じた修理店情報を出力するサーバと、前記サーバから出力された修理店情報を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された修理店情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項5の車両の緊急通報システムは、請求項4記載の車両の緊急通報システムにおいて、前記サーバは、前記修理店情報として、修理店の名前、電話番号、住所、前記車両の現在位置からの距離を出力することを特徴とする。
請求項6の車両の緊急通報システムは、請求項4または請求項5記載の車両の緊急通報システムにおいて、前記サーバは、前記修理店情報として、前記車両の現在位置に近い順に複数の修理店を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項7の車両の緊急通報システムは、請求項4ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の緊急通報システムにおいて、前記サーバは、前記修理店情報を、前記車両の管理者側のパソコンに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の車両の緊急通報装置では、入力手段に車両の緊急事態を入力すると、サーバから出力された修理店情報が表示手段に表示されるため、車両に緊急事態が生じた時に、運転者が修理店情報を容易に得ることができる。
請求項2の車両の緊急通報装置では、修理店情報が、修理店の名前、電話番号、住所を有するため、修理店に容易,確実に連絡することができる。また、車両の現在位置からの距離を有するため、修理店の対応時間を推測することができる。
【0010】
請求項3の車両の緊急通報装置では、車両の現在位置に近い順に複数の修理店の情報を得ることができるため、交通状況等に応じて最適な修理店を選択することができる。
請求項4の車両の緊急通報システムでは、入力手段に車両の緊急事態を入力すると、サーバから出力された修理店情報が表示手段に表示されるため、車両に緊急事態が生じた時に、運転者が修理店情報を容易に得ることができる。
【0011】
請求項5の車両の緊急通報システムでは、サーバが、修理店情報として、修理店の名前、電話番号、住所を出力するため、修理店に容易,確実に連絡することができる。また、サーバが、車両の現在位置からの距離を出力するため、修理店の対応時間を推測することができる。
請求項6の車両の緊急通報システムでは、サーバが、修理店情報として、車両の現在位置に近い順に複数の修理店を出力するため、交通状況等に応じて最適な修理店を選択することができる。
【0012】
請求項7の車両の緊急通報システムでは、サーバが、修理店情報を、車両の管理者側のパソコンに送信するため、運転者が修理店に連絡できない場合等には、管理者が修理店に連絡することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の車両の緊急通報装置および車両の緊急通報システムの一実施形態を示すブロック図である。
車両の緊急通報装置11は、トラック等の車両に配置され、外部と通信可能なテレマティクス車載器として構成されている。
【0014】
車両の緊急通報装置11は、CPU13、受信装置15、位置検出装置17、入力装置19、出力装置21、表示装置23、カードインタフェース25、データバス27を有している。データバス27には、CPU13、受信装置15、位置検出装置17、入力装置19、出力装置21、表示装置23、カードインタフェース25が接続されている。
CPU13は、受信装置15、位置検出装置17、入力装置19、出力装置21、表示装置23、カードインタフェース25を制御する。
【0015】
受信装置15は、GPS衛星29から送られて来る位置信号を入力する。また、データベースサーバ31からパケット通信網を介して送られて来る情報信号を入力する。
位置検出装置17は、受信装置15に入力されたGPS衛星29からの位置信号により車両の現在位置を特定する。
入力装置19は、車両に緊急事態が生じた時に、運転者の操作により車両が緊急事態である旨を入力する。この実施形態では、入力装置19は、モード釦の操作により各種情報を入力可能とされている。そして、モード釦の操作により緊急事態を選択することにより緊急事態が入力される。緊急事態とは、例えば、車両が動かなくなった状態をいう。なお、入力装置19に緊急事態用の操作部材を別途設けても良い。
【0016】
出力装置21は、位置検出装置17からの信号を入力して車両の位置情報(現在位置)を定期的に出力する。また、入力装置19に車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および車両の位置情報をパケット通信網を介してデータベースサーバ31に送信する。
表示装置23は、運転者に必要な各種表示を行う。この実施形態では、入力装置19のモード釦の操作に対応する画面表示も行う。
【0017】
カードインタフェース25には、記録媒体であるメモリカード33が挿脱される。
データベースサーバ31には、車両の運行管理に必要な各種情報が記憶されている。この実施形態では、修理店情報として、修理店の名前、電話番号、住所、位置が記憶されている。修理店とは、販社(ディーラ)あるいは特約店等をいう。
データベースサーバ31は、出力装置21から送信された緊急信号および車両の位置情報を受信すると、車両の現在位置に近い順に、例えば3箇所の修理店を選択する。そして、選択された修理店の位置と車両の現在位置との間の距離を演算する。
【0018】
データベースサーバ31は、修理店情報として、上述した3箇所の修理店を、修理店の名前、電話番号、住所、車両の現在位置からの距離とともに送信する。送信された修理店情報は、受信装置15により受信され、表示装置23の画面に表示される。また、インターネット網を介して車両の管理者のパソコン35に送信される。また、パソコン35からの情報が、インターネット網を介してデータベースサーバ31に送信される。
【0019】
図2は、上述した車両の緊急通報装置11の動作を説明するフローチャートである。
ステップS1:入力装置19から緊急事態が入力されたか否かを判断する。
ステップS2:緊急事態が入力された場合には、出力装置21から緊急信号および車両の位置情報をデータベースサーバ31に送信する。
ステップS3:データベースサーバ31からの修理店情報を受信したか否かを判断する。
【0020】
ステップS4:データベースサーバ31からの修理店情報を受信した場合には、修理店情報を表示装置23に表示する。図3は、表示装置23に表示された修理店情報を示すもので、3箇所の修理店が、修理店の名前、電話番号、住所、車両の現在位置からの距離とともに表示されている。なお、3箇所の修理店の位置を、車両の現在位置とともに地図上にプロットして表示するようにしても良い。
【0021】
表示装置23に修理店情報が表示されると、運転者は、表示を見て最適と思われる修理店に電話等により連絡する。この場合、修理店と車両の現在位置との間の距離から、修理店の対応時間を推測することができる。また、交通状況等に応じて最適な修理店を選択することができる。
上述した車両の緊急通報装置11では、入力装置19に車両の緊急事態を入力すると、データベースサーバ31から送信された修理店情報が表示装置23に表示されるため、車両に緊急事態が生じた時に、運転者が修理店情報を容易に得ることができる。
【0022】
また、修理店情報が、修理店の名前、電話番号、住所を有するため、修理店に容易,確実に連絡することができる。また、車両の現在位置からの距離を有するため、修理店の対応時間を推測することができる。
さらに、車両の現在位置に近い順に複数の修理店の情報を得ることができるため、交通状況等に応じて最適な修理店を選択することができる。
【0023】
そして、データベースサーバ31が、修理店情報を、車両の管理者側のパソコン35に送信するため、運転者が修理店に連絡できない場合等には、管理者が修理店に連絡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の車両の緊急通報システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の車両の緊急通報装置の動作を示す説明図である。
【図3】図1の表示装置に表示される修理店情報を示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
13…CPU
15…受信装置
17…位置検出装置
19…入力装置
21 出力装置
23…表示装置
29…GPS衛星
31…データベースサーバ
35…パソコン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記車両の緊急事態を入力する入力手段と、
前記入力手段に前記車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および前記車両の位置情報をサーバに送信する出力手段と、
前記サーバから出力された修理店情報を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された修理店情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする車両の緊急通報装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の緊急通報装置において、
前記修理店情報は、修理店の名前、電話番号、住所、前記車両の現在位置からの距離を含むことを特徴とする車両の緊急通報装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の車両の緊急通報装置において、
前記修理店情報は、前記車両の現在位置に近い順に複数の修理店を含むことを特徴とする車両の緊急通報装置。
【請求項4】
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記車両の緊急事態を入力する入力手段と、
前記入力手段に前記車両の緊急事態が入力された時に、緊急信号および前記車両の位置情報を送信する出力手段と、
前記出力手段から送信された前記緊急信号および前記車両の位置情報に基づいて、前記位置情報に応じた修理店情報を出力するサーバと、
前記サーバから出力された修理店情報を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された修理店情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする車両の緊急通報システム。
【請求項5】
請求項4記載の車両の緊急通報システムにおいて、
前記サーバは、前記修理店情報として、修理店の名前、電話番号、住所、前記車両の現在位置からの距離を出力することを特徴とする車両の緊急通報システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の車両の緊急通報システムにおいて、
前記サーバは、前記修理店情報として、前記車両の現在位置に近い順に複数の修理店を出力することを特徴とする車両の緊急通報システム。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の緊急通報システムにおいて、
前記サーバは、前記修理店情報を、前記車両の管理者側のパソコンに送信することを特徴とする車両の緊急通報システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−197945(P2008−197945A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32915(P2007−32915)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】