説明

車両の運行管理システムおよび運行管理方法、車両端末、ならびに運行管理装置

【課題】あらかじめ定められた経路に沿って運行される交通システムにおいて、適切に運行を管理する。
【解決手段】(a)バスBsに搭載される車両端末200vが、GPSを利用して車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成する。(b)車両端末200vが、車両の搭乗者による音声入力を受け取る。(c)車両端末200vが、運行管理装置100に主位置情報を送信し、工程(b)で入力された情報であって車両の位置に関する情報を、副位置情報として運行管理装置100に送信する。(d)運行管理装置100が、経路網情報108を参照しつつ、主位置情報と副位置情報に基づいて、バスBsの停留所への到達予想時刻を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらかじめ定められた経路に沿って運行される交通システムの運行を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バスや路面電車などの交通システムは、あらかじめ定められた経路をあらかじめ定められた運行計画にしたがって運行される。しかし、これらバスや路面電車は、専用の路線上で運行される電車とは異なり、自動車が走行する道路上で自動車とともに運行される。このため、交通渋滞や交通事故などのために、あらかじめ定められた運行計画から大きく乖離した状態で運行されることがある。また、降雨や積雪などの影響によっても、運行状態は大きく左右される。このように、外乱によって運行状態が大きく左右されるバスの運行を管理するためのシステムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−229496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のシステムは、道路の混雑上状況や交通事故の発生、降雨や積雪などの外乱による運行状態への影響を十分、反映できるものではなかった。また、非常に高価なものでもあった。このような問題は、バスや路面電車に限らず、あらかじめ定められた経路に沿って運行される交通システムであって、外乱によって運行状況が左右され得る交通システムについて、広く存在する。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を取り扱うためになされたものであり、あらかじめ定められた経路に沿って運行される交通システムにおいて、適切に運行を管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
所定の経路に沿って運行される車両の運行管理システムであって、
前記車両に搭載される車両端末と、
前記経路上の所定の位置への前記車両の到達予想時刻を前記車両端末からの情報に基づいて決定する運行管理装置と、を備え、
前記車両端末は、
前記車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成することができる位置取得部と、
前記車両の搭乗者による音声入力を受け取ることができる音声入力部と、
前記運行管理装置に情報を送信できる車両通信部と、
前記車両通信部を制御して、前記主位置情報を運行管理装置に送信させ、前記音声入力部を介して音声によって入力された前記車両の位置に関する情報を、副位置情報として前記運行管理装置に送信させることができる車両端末制御部と、を備え、
前記運行管理装置は、
前記経路と、前記車両が前記経路の移動に要する標準的な時間と、の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
前記車両端末から情報を受信することができる管理通信部と、
前記主位置情報と前記副位置情報との少なくとも一方を前記管理通信部を介して前記車両端末から受けとり、前記経路網情報を参照しつつ、前記主位置情報と前記副位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記所定の位置への前記到達予想時刻を決定することができる管理制御部と、を備える、運行管理システムである。
【0008】
このような態様においては、主位置情報だけでなく、車両の搭乗者から得られる副位置情報をも利用して、車両の経路上の位置や到達予想時刻を決定することができる。このため、車両の搭乗者から実際の状況に応じた補助的な情報を得て、到達予想時刻を決定することができる。よって、上記の態様によれば、主位置情報だけに基づいて到達予想時刻を決定する態様に比べて、後の実際の到達時刻に近い到達予想時刻を決定することができる。その結果、上記態様によれば、外乱による車両の運行状態への影響を反映して、車両の運行を管理することができる。
【0009】
「情報」を格納するデータは、任意の形式のデータとすることができる。たとえば、車両端末制御部は、音声入力部を介して得られた音声データに対して所定の処理を行うことによって得られるデータを送信することで、「副位置情報」を運行管理装置に送信してもよい。また、車両端末制御部は、「音声データ」そのものを送信することで、「副位置情報」を運行管理装置に送信してもよい。
さらに、複数種類の情報の送信は、個別に行われてもよいし、複数種類の情報を格納する一つのデータを生成してその一つのデータを送信することによって行われてもよい。
【0010】
また、本明細書において、「車両」とは、車輪を有する移動物に限られない。すなわち、「車両」には、船舶や航空機、さらにはリニアモーターカーなど地面から浮き上がって移動するものなど含む。すなわち、車両は、人を乗せて動くことができる物であればよい。
なお、「経路上の所定の位置」は、乗客の乗降のために車両が停止すべき地点であることが好ましい。
また、情報の送受信は、通信回線を介して行うことができる。この通信回線は、携帯電話回線やインターネットとすることが好ましい。
【0011】
[適用例2]
適用例1の運行管理システムであって、
前記車両端末制御部は、前記車両通信部を制御して、前記音声入力部を介して入力された情報であって、前記車両が移動している経路の状態と前記車両の状態との少なくとも一方に関する情報を、音声状態情報として前記運行管理装置に送信させ、
前記管理制御部は、前記音声状態情報を前記車両端末から受信した場合に、さらに、前記音声状態情報に基づいて前記到達予想時刻を決定する、運行管理システムである。
【0012】
このような態様においては、車両端末の位置に関する主位置情報および副位置情報だけでなく、経路や車両の状態に関する音声状態情報をも利用して、到達予想時刻を決定することができる。このため、音声状態情報に基づいて、外乱による運行状態への影響を考慮して、到達予想時刻を決定することができる。よって、車両端末の現在位置を表す主位置情報や副位置情報だけに基づいて到達予想時刻を決定する態様に比べて、実際の到達時刻により近い到達予想時刻を決定することができる。
【0013】
[適用例3]
適用例1または2の運行管理システムであって、
前記車両端末は、さらに、前記車両の搭乗者の注意を促すことができる出力部を備え、
前記車両端末制御部は、所定の第1の時間以上、前記主位置情報を取得できない場合に、前記音声入力部を介した前記車両の位置に関する情報の入力を、前記出力部を介して前記車両の搭乗者に促す、運行管理システムである。
【0014】
このような態様とすれば、車両端末から主位置情報が得られない場合にも、車両端末から送信される副位置情報に基づいて、車両の現在位置を推測することができる。
【0015】
音声入力を促す処理は、たとえば、車両端末自身が備える時計としての機能を奏する部分に基づいて、車両端末自身が「所定の第1の時間以上、主位置情報を取得することができなかった」ことを判定して行ってもよい。また、音声入力を促す処理は、「所定の時間以上、車両端末から主位置情報を受けとっていない」ことに起因する運行管理装置からの通知を車両端末が受信したことに応じて、車両端末制御部が行ってもよい。
【0016】
[適用例4]
適用例3の運行管理システムであって、
前記車両端末制御部は、所定の第2の時間以上、前記主位置情報を取得できない場合に、前記車両が移動している経路の状態と前記車両の状態との少なくとも一方に関する情報の前記音声入力部を介した入力を、前記出力部を介して前記車両の搭乗者に促す、運行管理システムである。
【0017】
このような態様とすれば、車両端末から主位置情報が得られない場合にも、車両端末から送信される副位置情報および音声状態情報に基づいて、車両の現在位置、および経路上の地点への到達予想時刻を推測することができる。
【0018】
音声入力を促す処理は、たとえば、車両端末自身が備える時計としての機能を奏する部分に基づいて、車両端末自身が「所定の第2の時間以上、主位置情報を取得することができなかった」ことを判定して行ってもよい。また、音声入力を促す処理は、「所定の時間以上、車両端末から主位置情報を受けとっていない」ことに起因する運行管理装置からの通知を車両端末が受信したことに応じて、車両端末制御部が行ってもよい。
また、第1の時間と第2の時間は、どのような関係であってもよい。すなわち、第1の時間と第2の時間のいずれが他方よりも大きくてもよく、また、両者は一致していてもよい。
【0019】
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれかの運行管理システムであって、
前記車両端末は、さらに、前記車両端末の外部を撮影して画像データを生成することができる画像取得部を備え、
前記車両端末制御部は、前記車両通信部を制御して、前記画像データに基づいて得られる情報を、画像起因情報として前記運行管理装置に送信させ、
前記管理制御部は、前記画像起因情報を前記車両端末から受信した場合に、さらに、前記画像起因情報に基づいて前記到達予想時刻を決定する、運行管理システムである。
【0020】
このような態様においては、車両端末の位置に関する主位置情報および副位置情報、ならびに経路や車両の状態に関する音声状態情報だけでなく、車両端末の外部の状態を反映した画像起因情報をも利用して、到達予想時刻を決定することができる。このため、外乱による運行状態への影響をより考慮して、到達予想時刻を決定することができる。よって、画像起因情報を利用せずに到達予想時刻を決定する態様に比べて、実際の到達時刻により近い到達予想時刻を決定することができる。
【0021】
画像データは、静止画を表すデータでもよいし、動画を表すデータでもよい。
また、「情報」を格納するデータは、任意の形式のデータとすることができる。たとえば、車両端末制御部は、画像取得部を介して得られた画像データに対して所定の処理を行うことによって得られるデータを送信することで、「画像起因情報」を運行管理装置に送信してもよい。また、車両端末制御部は、「画像データ」そのものを送信することで、「画像起因情報」を運行管理装置に送信してもよい。
【0022】
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれかの運行管理システムであって、
前記車両端末は、携帯電話であり、
前記位置取得部は、さらに、携帯電話の基地局から受け取る情報に基づいて前記主位置情報を生成する、運行管理システム。
【0023】
このような態様とすれば、既存のハードウェアである携帯電話、および既存の通信ネットワークである携帯電話網を利用して、安価に車両端末、および車両端末を含む車両の運行管理システムを実現することができる。
また、携帯電話の基地局から受け取る情報に基づいて、より高精度な主位置情報を生成することができる。
【0024】
なお、運行管理システムは、さらに、前記運行管理システムの利用者が携帯する利用者端末を備え、
前記利用者端末は、前記所定の位置への前記到達予想時刻を出力することができることが好ましい。
【0025】
なお、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することも可能である。
【0026】
[適用例7]
所定の経路に沿って運行される車両の運行を管理する方法であって、
(a)前記車両に搭載される車両端末が、前記車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成する工程と、
(b)前記車両端末が、前記車両の搭乗者による音声入力を受け取る工程と、
(c)前記車両端末が、前記経路上の所定の位置への前記車両の到達予想時刻を決定する運行管理装置に前記主位置情報を送信し、前記工程(b)で入力された情報であって前記車両の位置に関する情報を、副位置情報として前記運行管理装置に送信する工程と、
(d)前記運行管理装置が、前記経路と、前記車両が前記経路の移動に要する標準的な時間と、の集合を表す経路網情報を参照しつつ、前記主位置情報と前記副位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記所定の位置への前記到達予想時刻を決定する工程と、を備える方法。
【0027】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、車両端末、運行管理装置、運行管理システム、および情報処理方法、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、情報提供装置、情報提供システム、および情報提供方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施例の運行管理システムの構成を示す図。
【図2】車両端末としての携帯電話200vと、運行管理サーバ100と、ユーザ端末としての携帯電話200uと、の第1実施例における動作を示すフローチャート。
【図3】車両端末としての携帯電話200vと、運行管理サーバ100と、の第2実施例における動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本実施例の運行管理システムの構成を示す図である。第1実施例の運行管理システムは、運行管理サーバ100と、バス会社が運行するバスBsに搭載される車両端末としての携帯電話200vと、バスBsの利用者Usが携帯するユーザ端末としての携帯電話200uと、を含む。携帯電話200vは、同じバス会社が運行する複数のバスBsにそれぞれ搭載される。携帯電話200uは、上記のバス会社のバスBsを利用する利用者であって、本実施例の運行管理システムによるサービスの提供を受ける利用者Usが携帯する携帯電話である。
【0030】
各バスに搭載される携帯電話200vは、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、カメラ部242と、マイク部244と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0031】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200vの現在位置を表す主位置情報を生成することができる。なお、本実施例では、GPSを利用する態様について説明するが、主位置情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、GalileoなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)によってもよい。なお、本実施例において、主位置情報には、主位置情報が表す現在位置の精度の情報が含まれる。
【0032】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、携帯電話200vの使用者へのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動で携帯電話200vの使用者の注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0033】
通信部205は、インターネットINTを介して、運行管理サーバ100と通信を行い、情報を送受信することができる。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。携帯電話200vの使用者は、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200vに情報を入力する。
【0034】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。カメラ部242は、携帯電話200vの外部を撮影して画像データを生成することができる。マイク部244は、携帯電話200vの使用者から音声を入力されて、音声データを生成することができる。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。なお、カメラ部242は、携帯電話200vにおいて表示パネル202とは逆の側にあるため、図1において、破線で示されている。
【0035】
主制御部210は、携帯電話200vの各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア230を実行することによって携帯電話200vの各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した主位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して運行管理サーバ100に送信することができる。また、主制御部210は、マイク部244が生成した音声データ、およびカメラ部242が生成した画像データにそれぞれ所定の処理を行って生成したデータを、通信部205を介して運行管理サーバ100に送信することができる。また、主制御部210は、通信部205を介して運行管理サーバ100から受け取ったデータに基づいて、出力部(表示パネル202、音声出力部203、振動機構204)を制御する。
【0036】
携帯電話200vは、各バスBsにおいて、音声出力部203を介して発する音声をバスの運転手に伝えることができ、かつ、バスの運転手の声や車内放送の声をマイク部244で取得できる位置に、配置される。さらに、その位置において、携帯電話200vは、バスBsの外の歩道側(停留所側)の方向についてカメラ部242でバスの経路の状態の写真を撮影することができる。携帯電話200vは、以上のような条件を満たす位置および角度で、各バスBsに設置される。
【0037】
バスの利用者Usが携帯する携帯電話200uは、携帯電話200vと同じ構成を有する。ただし、携帯電話200uは、上述の各機能を奏する各構成を備える態様であれば、携帯電話200vとは、機種やメーカの異なる携帯電話であってもよい。なお、携帯電話200v同士についても、上述の各機能を奏する各構成を備えるものであれば、それぞれ機種やメーカの異なる携帯電話であってもよい。なお、図1の右下側において、携帯電話200vの構成を示す。また、図1の左側において、携帯電話200uの構成をより簡略化して示す。携帯電話200uにおいて携帯電話200vの各構成と対応する構成は、同じ符号で示す。
【0038】
運行管理サーバ100は、管理通信部102と、管理制御部104と、記憶部106とを有している。運行管理サーバ100は、管理通信部102およびインターネットINTを介して携帯電話200v,200uと通信を行うことができる。
【0039】
記憶部106は、経路ネットワークデータ108と運行データ110とを格納している。経路ネットワークデータ108は、ノード情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、道路の交差点や、カーブの開始点および終了点、バス路線の停留所などの地点を表すデータである。ノード情報は、各地点の緯度および経度の情報を含む。アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。経路ネットワークデータ108は、さらに、バスの路線の情報を含む。バスの路線の情報は、その路線を構成する停留所のノードの情報、および停留所を結ぶ道路のアークの情報である。バスの路線の情報には、バスがその路線の各停留所間を移動するのに要する標準的な時間の情報が含まれる。運行データ110については、後に説明する。
【0040】
運行管理サーバ100の管理制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータ108を参照して、携帯電話200vから受け取った主位置情報などの情報に基づいて、各バスの現在位置、および各バス停への到達予想時刻を決定する。そして、運行データ110を更新して、各バスの現在位置、および各バス停への到達予想時刻を反映させる。
【0041】
また、運行管理サーバ100は、携帯電話200vからの要求に応じて、管理通信部102を介して携帯電話200vに、ユーザがいるバス停への到達予想時刻、および次にそのバス停に来るバスの現在位置の情報を提供する。ユーザがいるバス停への到達予想時刻、および次にそのバス停に来るバスの現在位置の情報は、記憶部106内の運行データ110を参照することにより得られる。
【0042】
本実施例における携帯電話200vが「車両端末」に相当する。運行管理サーバ100が「運行管理装置」に相当する。携帯電話200vのマイク部244が「音声入力部」に相当する。携帯電話200vの通信部205が「車両通信部」に相当する。携帯電話200vの主制御部210が、「車両端末制御部」に相当する。携帯電話200vのカメラ部242が「画像取得部」に相当する。携帯電話200vの表示パネル202、音声出力部203、振動機構204が「出力部」に相当する。
【0043】
A2.運行管理システムの動作:
図2は、バスBsに搭載される車両端末としての携帯電話200vと、運行管理サーバ100と、バスBsの利用者Usが携帯するユーザ端末としての携帯電話200uと、の第1実施例における動作を示すフローチャートである。
【0044】
バスBsに搭載される車両端末としての携帯電話200vの主制御部210は、一定時間ごとに、図2の左側に示したステップS110〜S150を繰り返し実行する。ステップS110では、主制御部210は、GPSユニット201を介して現在位置を表す主位置情報を取得する。ステップS120以下の処理は、ステップS110で得られた現在位置があらかじめ定められた範囲内の位置にあるときに、実行される。現在位置があらかじめ定められた範囲内にあるか否かは、携帯電話200v内部で主制御部210が判断してもよいし、運行管理サーバ100に問い合わせて判定結果を受け取ってもよい。なお、ステップS110の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において位置取得部231として示す。
【0045】
ステップS120では、主制御部210は、そのバスBsが次に停車する停留所の情報を、マイク部244を介して音声データとして取得する。具体的には、バスBsの運転手が車内にアナウンスする「次は○○(停留所名)です。」というアナウンスの音声を取得する。なお、バスBsが次に停車する停留所のアナウンスは、あらかじめ用意され自動的に流される音声であってもよい。
【0046】
ステップS120では、さらに、主制御部210は、マイク部244を介して得られた音声データに所定の処理を行って、よりデータ量の小さいデータを生成する。ただし、このデータは、運行管理サーバ100において音声認識処理をして停留所の名前を取得するために必要な情報は保持している。この音声認識処理によって停留所の名前を取得するのに必要な情報を、「副位置情報」と呼ぶ。なお、音声データの取得は、停留所名を案内するアナウンスのONとともに行われてもよいし、常に行われていてもよい。なお、ステップS120の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1において音声取得部232として示す。
【0047】
ステップS130では、主制御部210は、カメラ部242によってバスから歩道側の経路の風景を撮影して、画像データを取得する。撮影は、停留所の名前が書かれた看板を携帯電話200v(カメラ部242)が撮影できる位置にバスBsがいるときに行われる。すなわち、そのような位置にバスがいるときに、ステップS130の処理は行われる。
【0048】
主制御部210は、さらに、カメラ部242によって得られた画像データに所定の処理を行って、よりデータ量の小さいデータを生成する。ただし、このデータは、運行管理サーバ100において画像認識処理をして停留所近辺の状態に関する情報を取得するのに必要な情報は保持している。この画像認識処理によって停留所近辺の状態に関する情報を取得するのに必要な情報を、「画像起因情報」と呼ぶ。
【0049】
ステップS140では、主制御部210は、ステップS110〜S130で得た情報やデータに基づいて、主位置情報、副位置情報、画像起因情報、ならびに主位置情報が取得された時刻の情報を含むデータを生成し、運行管理サーバ100に送信する。なお、ステップS140の機能を実現する主制御部210の機能部を、図1においてデータ送信部233として示す。
【0050】
ステップS150では、主制御部210は、ステップS110で得た主位置情報に基づいて、バスBsが、そのバスの路線の終点にいるか否かの判定を行う。なお、具体的な処理については、主位置情報によって特定されるバスの現在位置が終点と一致するか否かは、携帯電話200v内部で主制御部210が判断してもよいし、主制御部210が運行管理サーバ100に問い合わせて結果を得てもよい。バスBsがそのバスの路線の終点にいる場合には、処理は終了する。バスBsが終点にいない場合には、前回ステップS110の処理が行われてから一定時間が経過した後に、処理は再びステップS110に戻る。
【0051】
図2の中央には、運行管理サーバ100の管理制御部104によって実行される処理を示す。運行管理サーバ100の管理制御部104は、定常状態において、各バスBsの携帯電話200vからのデータの送信を待っている。管理制御部104は、ステップS210において、バスBsの携帯電話200vから主位置情報、副位置情報、画像起因情報を含むデータを受信すると、ステップS220で、主位置情報、副位置情報、画像起因情報に基づいて、そのバスBsの位置を特定する。なお、ステップS210の機能を実現する管理制御部104の機能部を、図1においてデータ受信部104aとして示す。
【0052】
管理制御部104は、ステップS220において、携帯電話200vから受信したデータのうち、副位置情報を含む部分について音声認識処理を行い、副位置情報を取得する。その結果、バスが次に停車する停留所の名前が分かる。なお、あるバスが停車すべき停留所は路線ごとにあらかじめ定められている。このため、音声認識による停留所の名前の特定は、比較的高精度に行うことができる。バスが次に停車する停留所の名前が分かると、そのバスが、バス路線上のどの停留所とどの停留所の間の位置にいるのかが分かる。
【0053】
管理制御部104は、さらに、ステップS220において、携帯電話200vから受信したデータのうち、画像起因情報を含む部分について画像認識処理を行い、画像起因情報を取得する。画像起因情報としては、たとえば、そのバスが停車した停留所の名前が書かれた看板から得られる停留所名がある。このため、画像認識処理によって、バスが停車している(または直前に停車した)停留所の名前が分かる。なお、あるバスが停車すべき停留所は路線ごとにあらかじめ定められている。また、撮影される風景は、時間帯や季節は異なるものの、あらかじめ決まった風景である。このため、画像認識による停留所の名前の特定は、比較的高精度に行うことができる。バスが直前に停車した停留所の名前が分かると、そのバスが、バス路線上のどの停留所とどの停留所の間の位置にいるのかが分かる。
【0054】
管理制御部104は、ステップS220において、以上のような情報、すなわち、主位置情報、副位置情報、画像起因情報に基づいて、そのバスBsの位置を特定する。本実施例では、主位置情報に加えて、副位置情報、画像起因情報に基づいてバスの位置を特定することができる。よって、いずれかの情報がエラーを含んでいる場合や、いずれかの情報からバスの路線上の位置を特定できない場合にも、バスの路線上の位置を特定することができる。
【0055】
ステップS230では、管理制御部104は、主位置情報、副位置情報、画像起因情報に基づいて、そのバスBsの、その後の各停留所における停車予測時刻を決定する。管理制御部104は、運行データ110を参照して、そのバスBsの過去における複数の位置およびそのときの時刻の情報を取得する。そして、決定された最新の位置の情報および携帯電話200vから得られたデータ中の時刻の情報に基づいて、今回の運行におけるバスの過去の進行速度を決定する。
【0056】
また、管理制御部104は、ステップS230において、携帯電話200vから受信したデータのうち、画像起因情報を含む部分について画像認識処理を行い、雨が降っているか否か、雪が降っているか否か、路上に積雪があるか否かを判定する。雨が降っている場合には、雨が降っていない場合に比べて、バスの移動速度は遅くなる。雪が降っている場合には、雪が降っていない場合に比べて、バスの移動速度は遅くなる。積雪がある場合には、積雪があるない場合に比べて、バスの移動速度は遅くなる。なお、あるバスが停車すべき停留所は路線ごとにあらかじめ定められている。また、撮影される風景は、時間帯や季節は異なるものの、あらかじめ決まった風景である。このため、画像認識による上記の降雨、降雪、積雪などの判定は、比較的高精度に行うことができる。
【0057】
これらの情報に基づいて、管理制御部104は、その後の経路におけるバスの進行のペースを決定する。そして、管理制御部104は、経路ネットワークデータ108を参照して、標準的な区間の移動所要時間を得て、さらに、上記のバスの過去の進行速度、および天候に左右される進行のペースを反映させて、そのバスBsの、その後の各停留所における到達予想時刻を決定する。そして、バスの運行データ110を更新し、そのバスの最新に位置情報、および各停留所における到達予想時刻を反映させる。なお、運行データ110においては、バスごとに、そのバスが移動すべき経路(路線)、停車すべき停留所、過去の位置の情報および各位置における時刻、各停留所の到達予想時刻が格納されている。なお、ステップS220,230の機能を実現する管理制御部104の機能部を、図1においてデータ更新部104bとして示す。
【0058】
本実施例では、ステップS220,S230の処理を行うため、運行管理サーバ100が保持するバスの運行データ110の各バス停への到達予想時刻およびバスの位置情報は、常に現実の状態を反映した精度の高いものとなる。
【0059】
図2の右側には、バスBsの利用者Usが携帯するユーザ端末としての携帯電話200uにおける処理を示す。バスの停留所でバスを待っているユーザ(図1の左下参照)は、ステップS310で、携帯電話200uのコマンド入力部206を操作して、運行管理サーバ100に対してバスの予測情報を要求する。具体的には、ユーザの指示受けて、まず、携帯電話200uの主制御部210は、GPSユニット201を介して携帯電話200uの現在位置の情報を取得する。また、携帯電話200uの主制御部210は、時計部209から現在時刻の情報を取得する。そして、携帯電話200uの主制御部210は、それら現在位置の情報および現在時刻の情報とともに、予測データの要求を、通信部205を介して運行管理サーバ100に送信する。
【0060】
運行管理サーバ100の管理制御部104は、ステップS230の処理後、所定時間内に、ステップS240において携帯電話200uから運行予測データの要求を受け取った場合には、ステップS250の処理を行う。ステップS230の処理後、所定時間内に携帯電話200uから運行予測データの要求を受け取らなかった場合には、ステップS210の処理に戻る。
【0061】
ステップS250では、管理制御部104は、経路ネットワークデータ108内の停留所のノード情報を参照しつつ、携帯電話200uから受け取った現在位置の情報に基づいて、ユーザがいる停留所を特定する。そして、管理制御部104は、その停留所に止まるバスの路線を、経路ネットワークデータ108を参照して決定する。さらに、管理制御部104は、運行データ110を参照して、この先、その停留所に停車する予定のバスを特定する。そして、管理制御部104は、その停留所に次に到達するバスの最新の位置、およびその停留所への到達時刻を、運行データ110を参照しつつ、決定する。そして、管理制御部104は、その停留所に次に到達するバスの最新の位置、およびその停留所への到達時刻の情報を含む予測データを生成する。
【0062】
ステップS260では、管理制御部104は、管理通信部102を介して、携帯電話200uに予測データを送信する。その後、処理はステップS210に戻る。
【0063】
ステップS320では、携帯電話200uの主制御部210は、運行管理サーバ100から予測データを受信する。ステップS330では、携帯電話200uの主制御部210は、予測データに基づいて、その停留所に次に到達するバスの位置、およびその到達予想時刻の情報を、表示パネル202に表示する。なお、バスの位置は、たとえば、「△△(停留所名)を通過しました。」等と表示される。なお、バスの位置は、運行管理サーバ100から送信されるデータに基づいて、地図上に表示されてもよい。
【0064】
以上のような処理を行うことにより、ユーザは、次に来るバスの最新の位置、および高精度な予想に基づいた到達予想時刻を得ることができる。その結果、バスの到達予想時刻によって、徒歩やタクシーなどのバスに代わる代替手段を検討することができ、また、買い物をする時間があるか否かの判断をすることもできる。すなわち、バス路線を利用する際のユーザの利便性が高くなる。
【0065】
なお、以上では、一例として、1台のバスに搭載された携帯電話200vと1台の携帯電話200uとが運行管理サーバ100とやり取りする場合について説明した。しかし、第1実施例の運行管理システムにおいては、運行管理サーバ100は、複数のバスの携帯電話200vからデータを受け取り、複数の携帯電話200uに対してデータの送信を行うことができる。
【0066】
B.第2実施例:
図3は、車両端末としての携帯電話200vと、運行管理サーバ100と、の第2実施例における動作を示すフローチャートである。なお、ユーザ端末としての携帯電話200uの動作は第1実施例と同じであるため、図3において図示を省略している。
【0067】
第2実施例では、バスBsに搭載される携帯電話200vの処理は、ステップS110に代えてステップS105を有する。また、運行管理サーバ100の処理は、ステップS220に代えてステップS215,S217を有する。さらに、バスBsに搭載される携帯電話200vの処理は、ステップS105〜S150とは別のルーチンとして、ステップS410〜S440を有する。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0068】
ステップS105において、バスBsに搭載される車両端末としての携帯電話200vの主制御部210は、所定時間内にGPSユニット201によって主位置情報を取得できなかった否かを判定する。所定時間内にGPSユニット201を介して主位置情報を取得できなかった場合には、処理は、ステップS410に進む。主位置情報を取得できた場合には、処理は、ステップS120に進む。ステップS120以下の処理は、第1実施例と同じである。
【0069】
また、運行管理サーバ100の管理制御部104は、ステップS210で携帯電話200vからデータを受信した後、ステップS215の処理を行う。ステップS215では、管理制御部104は、携帯電話200vからのデータに基づいて、バスBsの位置を特定できたか否かを判定する。携帯電話200vからのデータに基づいてバスBsの位置を特定できなかった場合には、処理は、ステップS217に進む。バスBsの位置を特定できた場合には、処理は、ステップS230に進む。ステップS230以下の処理は、第1実施例と同じである。
【0070】
ステップS217では、運行管理サーバ100の管理制御部104は、バスBsに搭載される携帯電話200vに対して、副位置情報を要求する。具体的には、管理制御部104は、音声認識処理によって停留所の名前を取得できる副位置情報を含む、処理済みの音声データを、携帯電話200vに要求する。その後、処理は、ステップS410に進む。
【0071】
ステップS410では、携帯電話200vの主制御部210は、音声出力部203から警告音を発し、表示パネル202に警告を表示して、バスの運転手の注意を促す。その後、警告音と警告表示をやめて、次の停留所の名前を明確に発音して、マイク部244を介して携帯電話200vに音声入力するよう促すメッセージを、表示パネル202に表示する。
【0072】
ステップS420では、次の停留所の名前を発音した運転手によるマイク部244への音声入力を受けとって、携帯電話200vの主制御部210は、音声データを取得する。具体的には、バスBsの運転手が「○○(停留所名)。」という音声を発音し、主制御部210は、主制御部210は、その音声データを取得する。このとき、主制御部210は、現在時刻の情報も、時計部209から取得する。
【0073】
そして、主制御部210は、その音声データに所定の処理を行って、よりデータ量の小さいデータを生成する。このデータは、音声認識処理によって停留所の名前を取得するのに必要な副位置情報を含んでいる。なお、ステップS420で取得される音声データは、警告とともに明確に発音するよう促された上でなされた音声入力によるデータである。このため、ステップS420で取得される音声データは、定常状態においてステップS120で取得される音声データよりも、音声認識処理によって停留所の名前が取得できる可能性が高い。
【0074】
ステップS440では、主制御部210は、ステップS420で得たデータに基づいて、副位置情報、ならびに副位置情報が取得された時刻の情報を含むデータを生成し、運行管理サーバ100に送信する。その後、主制御部210の処理はステップS105に戻る。
【0075】
運行管理サーバ100は、ステップS210において携帯電話200vから送信されたデータ(ステップS440)を受信する。ステップS215では、ステップS410〜S440の処理を経てデータが受信された場合には、管理制御部104は、副位置情報のみに基づいてバスBsの位置の特定を試みる。以下の処理は、第1実施例の処理、およびこれまでに説明した第2実施例の処理と同じである。
【0076】
このような処理を行うことで、携帯電話200vにおいて、定常的な処理によってGPSを介した主位置情報の取得ができなかった場合や(ステップS105参照)、運行管理サーバ100において、定常的な処理によってバスBsの位置を特定できなかった場合(ステップS215)にも、音声情報に基づいてバスBsの位置を特定することができる。このため、より信頼性の高い車両の運行管理を行うことができる。
【0077】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0078】
C1.変形例1:
上記実施例では、主位置情報は、定常状態においては、一定時間ごとに取得される。また、音声データおよび画像データは、現在位置が所定の範囲内の位置にあるときに取得される。しかし、これらの情報は、他のタイミングで取得されることもできる。
【0079】
たとえば、車両に搭載される車両端末が加速センサを備え場合には、その加速度に応じて、音声データや画像データを取得するタイミングを定めてもよい。たとえば、車両が停止しているときに、画像データを取得する態様とすることができる。そのような態様においては、特に、停留所名が記載された看板などの表示の写真や動画を撮影できるように、車両端末を設定することが好ましい。
【0080】
また、車両が減速しており、速度が0に近い一定範囲以下となったときに、写真や動画を撮影できるように、車両端末を設定することが好ましい。そのようなときには、車両が停留所に近づいている可能性が高く、停留所を含む写真や動画を撮ることができる可能性が高いためである。また、そのようなタイミングにおいては、停留所名のアナウンスが行われる可能性が高い。よって、そのようなタイミングで音声データを取得する態様とすることも好ましい。
【0081】
さらに、速度が0から、一定範囲以上となったときに、写真や動画を撮影できるように、車両端末を設定することが好ましい。そのようなときには、車両が停留所から発車した可能性が高く、停留所を含む写真や動画を撮ることができる可能性が高いためである。また、そのようなタイミングにおいては、次の停留所名のアナウンスが行われる可能性が高い。よって、そのようなタイミングで音声データを取得する態様とすることも好ましい。
【0082】
C2.変形例2:
上記実施例においては、携帯電話200vにおいて音声データおよび画像データに対して処理が行われ、よりデータ量の小さいデータが生成され、運行管理サーバ100で、それらのデータに対して認識処理が行われる。しかし、画像データに対する画像認識処理、および音声データに対する音声認識処理は、車両端末で行われてもよいし、運行管理装置で行われてもよい。また、車両端末と運行管理装置とで分担して行ってもよい。
【0083】
C3.変形例3:
上記実施例では、車両端末200vは、車内放送またはバスの運転者から音声入力を受け、必要に応じてバスの運転者に対して音声入力を促す。しかし、車両端末200vに対して音声入力を行い、車両端末200vが出力を行う人間は、車両の運転者に限られず、車掌であってもよい。また、無人運転が行われる交通システムにおいては、車両端末200vに対して音声入力を行い、車両端末200vが出力を行う人間は、車両に搭乗している不特定の乗客であってもよい。車両端末200vに対して音声入力を行い、車両端末200vが出力を行う人間は、車両に搭乗しており、車両端末200vが行う出力を受け取ることができる範囲にいる人間であることが好ましい。
【0084】
なお、乗客に対して音声出力や画像出力などの出力を行うことができる態様においては、運行管理サーバは、図2のステップS230,S250,S260において、同時に、車両がその後に停車する停留所の到着予定時刻の情報を生成し、自発的に車両端末に送信することが好ましい。そして、車両端末は、運行管理サーバから受信したデータに基づいて、車両がその後に停車する停留所の到着予定時刻の情報を、音声出力や画像出力などで乗客に対して出力することが好ましい。
【0085】
このような態様とすれば、車両がその後に停車する停留所の到着予定時刻を、車両の乗客も知ることができる。さらに、このように、定常状態において停留所への到着予定時刻を乗客に告知する態様とすれば、乗客は、定常状態ではない場合、すなわち、主位置情報が得られない場合に、正確な到着予定時刻を知ることができなくなる。このため、上記のように、主位置情報が得られない場合に乗客に対して車両端末への音声入力を促す態様においては、乗客は、車両端末への音声入力に対してより協力的になる。なお、そのような態様においては、乗客に対して車両端末への音声入力を促す際には、「音声入力がなければ正確な到着時刻の予測ができない」旨の警告を行うことが好ましい。
【0086】
なお、定常的に停留所への到着予定時刻を乗客に告知するのではなく、車両端末への音声入力に協力した場合に、停留所への到着予定時刻を乗客に告知する態様とすることもできる。そのような態様においては、乗客に対して車両端末への音声入力を促す際には、「音声入力がなされた場合には、今後の停留所への到着時刻を告知する」旨のメッセージを出力することが好ましい。
【0087】
C4.変形例4:
上記第2実施例においては、GPSによる主位置情報が取得できない場合(ステップS105参照)と、データに基づいて車両の位置を特定できない場合(ステップS215参照)の両方について、追加のデータを要求する。しかし、いずれか一方の場合にのみ、追加のデータを要求する態様とすることもできる。
【0088】
また、上記第2実施例では、携帯電話200vの主制御部210は、GPSユニット201によって主位置情報を取得できなかった場合には、ステップS410〜S440の処理を実行する。すなわち、バスの運転手に携帯電話200vに音声入力するよう促し、次の停留所の名前の音声データを取得する。
【0089】
しかし、主位置情報を取得できなかった場合にも、そのままステップS120〜S140の処理を実行して、ステップS120,S130で得た情報やデータに基づいて、副位置情報、画像起因情報、ならびにそれらの情報が取得された時刻の情報を含むデータを生成し、運行管理サーバ100に送信する態様とすることもできる。このような態様としても、主位置情報の取得ができなかった場合にも、音声データ(副位置情報)や画像データ(画像起因情報)に基づいて車両の位置を特定することができる。
【0090】
さらに、主位置情報と音声データ(副位置情報)と画像データ(画像起因情報)とのうちのいずれか二つを取得できなかった場合にも、そのままステップS140の処理を実行して、得られた情報やデータに基づいて、主位置情報、副位置情報、画像起因情報のいずれか、ならびにその情報が取得された時刻の情報を含むデータを生成し、運行管理サーバ100に送信する態様とすることもできる。このような態様とすれば、いくつかの情報の取得ができなかった場合にも、車両の位置を特定することができる。
【0091】
C5.変形例5:
上記実施例では、状態情報として、降雨、降雪、積雪の有無に関する情報が画像起因情報として利用される。しかし、車両が移動する経路の状態や車両の状態に関する情報を、音声入力によって利用できる態様とすることが好ましい。
【0092】
たとえば、それら音声状態情報の入力の態様としては、「あめ(雨)」、「ゆき(雪)」、「せきせつ(積雪)」、「こうずい(洪水)」など、天候に起因する経路の状態に関する情報を音声入力する態様とことができる。また、「じゅうたい(渋滞)」、「こうつうじこあり(交通事故あり)」など、他の車両に起因する経路の状態に関する情報を音声入力する態様とすることができる。さらに、「こしょう(故障)」、「がすけつ(ガス欠)」「こうつうじこはっせい(交通事故発生)」など、自車の状態に関する情報を音声入力する態様とことができる。
【0093】
これらの情報は、音声認識によって音声データから取り出され、予想時刻の決定に利用することができる。所定の場合に、運行管理システムは、副位置情報の場合と同様、これらの情報の入力を促す処理を行うことが好ましい。
【0094】
なお、音声入力は、あらかじめ定められた用語を、大概念から小概念に階層的に順に入力することとし、運行管理サーバにおける音声認識の処理は、概念の広さおよび種類に応じて照合用データを切り換えて行うことが好ましい。たとえば、音声入力においては、最初に、大概念として「あめ(雨)」、「ゆき(雪)」、「みぞれ」、「あられ」のいずれかを入力させる。そして、他の言葉は入力させないこととする。その後、小概念として、たとえば大概念が「あめ(雨)」であった場合には、引き続いて「おおあめ(大雨)」、「ふつう(普通)」、「こさめ(小雨)」のいずれかを入力させる。そして、他の言葉は入力させないこととする。
【0095】
そして、運行管理サーバにおいては、まず、大概念の照合用データを参照して、最初の音声データが「あめ(雨)」、「ゆき(雪)」、「みぞれ」、「あられ」のいずれであるかを決定する。その際、小概念の照合用データは参照しない。そして、最初の音声データが「あめ(雨)」であった場合には、引き続いて、「雨」用の小概念の照合用データを参照して、次の音声データが「おおあめ(大雨)」、「ふつう(普通)」、「こさめ(小雨)」のいずれであるかを決定する。その際、「雪」用の小概念の照合用データ、「みぞれ」用の小概念の照合用データ、および「あられ」用の小概念の照合用データは、参照しない。
【0096】
このような態様とすれば、任意の順序であらゆる言葉が音声データとして入力され得る態様に比べて、運行管理サーバにおいて音声認識の際に参照する照合用データをデータ量の小さなものとすることができる。このため、運行管理サーバにおいて必要となるメモリの容量を小さくすることができる。また、音声認識の結果として決定すべき言葉の種類があらかじめ限定されており、さらに階層および種類によって限定されるため、正確に音声認識を行うことができる。なお、概念の階層は3階層以上とすることもできる。
【0097】
なお、これらの音声状態情報は、入力を促されない状態でも、車両に乗っている人間が車両端末に自発的に入力できる態様とすることが好ましい。特に、自車や他の車両に起因する経路の状態は、画像認識では特定することが容易ではないため、人間が車両端末に自発的に入力できる態様とすることが好ましい。ただし、オペレータが介在する場合には、画像データに基づいて、自車や他の車両に起因する経路の状態に関する状態情報を取得することもできる。
【0098】
C6.変形例6:
また、上記第2実施例においては、所定の場合に、音声データの入力や送信を促す(図3のステップS410,S217参照)。しかし、所定の場合に、画像データの入力や送信させる態様とすることもできる。そのような態様とすれば、たとえば、運転手に異常が発生した場合にも、運転手によらずに情報を入手できる。
【0099】
また、上記第2実施例においては、所定の場合に、副位置情報の入力や送信を促す(図3のステップS410,S217参照)。しかし、所定の場合に、車両が移動する経路の状態や車両の状態を表す音声状態情報の音声入力や送信を促す態様とすることもできる。
【0100】
さらに、所定の時間区間(たとえば、10分、20分など)における車両の平均移動速度が、所定のしきい値を下回った場合に、副位置情報や音声状態情報の入力を促す態様とすることも好ましい。
【0101】
C7.変形例7:
上記実施例では、運行管理システムは、停留所へのバスの到達予想時刻を決定する。しかし、運行管理システムは、到達予想時刻を決定する対象は、停留所や駅に限られない。たとえば、利用者が車両の運転者や運行管理者に要求して、路線上の任意の場所で車両を止めさせて搭乗する交通システムにおいては、なんらかのランドマークや小売店の前など、車両の運行経路上の所定の場所とすることができる。
【0102】
C8.変形例8:
上記実施例においては、ユーザに情報を提供する出力部は、表示パネル202、音声出力部203、および振動機構204として構成される(図1参照)。しかし、出力部は、印刷物の形で情報を出力したり、点字を構成する凹凸で情報を出力するものとすることもできる。出力部は、画像、音声、触覚、振動等の何らかの形でユーザに情報を提供することができるものであればよい。
【0103】
C9.変形例9:
上記実施例では、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信して現在位置を特定するシステムが使用されている。案内装置の構成要素としての位置取得部は、現在位置を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。ただし、外部の複数の場所(たとえば、複数の人工衛星や携帯電話網の複数の基地局)から無線によって発信される情報を、受信者側の装置が受信して、それらの情報に基づいて受信者側の装置の現在位置を特定できるシステムであることが好ましい。
【0104】
たとえば、位置取得部は、携帯電話の電波に基づいて、複数の携帯電話の基地局からの距離を計算し、それらの値に基づいて現在位置を取得する態様とすることもできる。また、複数の方式、たとえば、GPSを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
【0105】
C10.変形例10:
上記実施例では、バスの運行管理の例について説明した。しかし、上記の運行管理システムは、路面電車や船舶など、あらかじめ定められた路線を運行される交通システムに適用することができる。
【0106】
C11.変形例11:
上記実施例においては、運行管理システムは、その構成要素として、運行管理サーバ100と、携帯電話200v,200uと、を含む。しかし、たとえば、運行管理サーバ100は、複数のサーバで構成されてもよい。
【0107】
すなわち、運行管理システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、運行管理システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。車両の位置を決定する機能や、到達予想時刻を決定する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、バスの運転手やユーザに対して情報を出力する出力部は、それぞれバスの運転手やユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0108】
なお、上記実施例では、車両を利用する者が携帯するユーザ端末および車両に搭載される車両端末として携帯電話を使用する例を用いて説明を行った。しかし、ユーザ端末や車両端末としては、ネットワークを介して音声データや画像データの送受信を含むデータ通信を行うことができるPDA(Personal Digital Assistant)、PND(Personal Navigation Device)などの様々な携帯端末を採用することができる。たとえば、車輌端末としては、車輌に固定される装置であって上記実施例における携帯電話と同様な機能を有する装置を使用することができる。
【0109】
C12.変形例12:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア230(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0110】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0111】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0112】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【0113】
100…運行管理サーバ
102…管理通信部
104…管理制御部
106…記憶部
108…経路ネットワークデータ
110…運行データ
200u…携帯電話
200v…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
211…CPU
212…RAM
213…ROM
220…通話制御部
230…アプリケーションソフトウェア
242…カメラ部
244…マイク部
Bs…バス
INT…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の経路に沿って運行される車両の運行管理システムであって、
前記車両に搭載される車両端末と、
前記経路上の所定の位置への前記車両の到達予想時刻を前記車両端末からの情報に基づいて決定する運行管理装置と、を備え、
前記車両端末は、
前記車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成することができる位置取得部と、
前記車両の搭乗者による音声入力を受け取ることができる音声入力部と、
前記運行管理装置に情報を送信できる車両通信部と、
前記車両通信部を制御して、前記主位置情報を運行管理装置に送信させ、前記音声入力部を介して音声によって入力された前記車両の位置に関する情報を、副位置情報として前記運行管理装置に送信させることができる車両端末制御部と、を備え、
前記運行管理装置は、
前記経路と、前記車両が前記経路の移動に要する標準的な時間と、の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
前記車両端末から情報を受信することができる管理通信部と、
前記主位置情報と前記副位置情報との少なくとも一方を前記管理通信部を介して前記車両端末から受けとり、前記経路網情報を参照しつつ、前記主位置情報と前記副位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記所定の位置への前記到達予想時刻を決定することができる管理制御部と、を備える、運行管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の運行管理システムであって、
前記車両端末制御部は、前記車両通信部を制御して、前記音声入力部を介して入力された情報であって、前記車両が移動している経路の状態と前記車両の状態との少なくとも一方に関する情報を、音声状態情報として前記運行管理装置に送信させ、
前記管理制御部は、前記音声状態情報を前記車両端末から受信した場合に、さらに、前記音声状態情報に基づいて前記到達予想時刻を決定する、運行管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の運行管理システムであって、
前記車両端末は、さらに、前記車両の搭乗者の注意を促すことができる出力部を備え、
前記車両端末制御部は、所定の第1の時間以上、前記主位置情報を取得できない場合に、前記音声入力部を介した前記車両の位置に関する情報の入力を、前記出力部を介して前記車両の搭乗者に促す、運行管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の運行管理システムであって、
前記車両端末制御部は、所定の第2の時間以上、前記主位置情報を取得できない場合に、前記車両が移動している経路の状態と前記車両の状態との少なくとも一方に関する情報の前記音声入力部を介した入力を、前記出力部を介して前記車両の搭乗者に促す、運行管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の運行管理システムであって、
前記車両端末は、さらに、前記車両端末の外部を撮影して画像データを生成することができる画像取得部を備え、
前記車両端末制御部は、前記車両通信部を制御して、前記画像データに基づいて得られる情報を、画像起因情報として前記運行管理装置に送信させ、
前記管理制御部は、前記画像起因情報を前記車両端末から受信した場合に、さらに、前記画像起因情報に基づいて前記到達予想時刻を決定する、運行管理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の運行管理システムであって、
前記車両端末は、携帯電話であり、
前記位置取得部は、さらに、携帯電話の基地局から受け取る情報に基づいて前記主位置情報を生成する、運行管理システム。
【請求項7】
所定の経路に沿って運行される車両の運行管理システムにおいて前記車両に搭載される車両端末であって、
前記車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成することができる位置取得部と、
前記車両の搭乗者による音声入力を受け取ることができる音声入力部と、
外部に情報を送信できる車両通信部と、
前記車両通信部を制御して、前記主位置情報を外部の運行管理装置に送信させ、前記音声入力部を介して音声によって入力された前記車両の位置に関する情報を、副位置情報として前記運行管理装置に送信させることができる車両端末制御部と、を備える、車両端末。
【請求項8】
所定の経路に沿って運行される車両の運行管理システムにおいて前記経路上の所定の位置への前記車両の到達予想時刻を決定する運行管理装置であって、
前記経路と、前記車両が前記経路の移動に要する標準的な時間と、の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
前記車両に搭載された車両端末から情報を受信することができる管理通信部と、
前記車両端末の現在位置を表す主位置情報と、前記車両の搭乗者から得られる前記車両の位置に関する副位置情報との少なくとも一方を、前記管理通信部を介して前記車両端末から受けとり、前記経路網情報を参照しつつ、前記主位置情報と前記副位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記所定の位置への前記到達予想時刻を決定することができる管理制御部と、を備える運行管理装置。
【請求項9】
所定の経路に沿って運行される車両の運行を管理する方法であって、
(a)前記車両に搭載される車両端末が、前記車両端末の現在位置を表す主位置情報を生成する工程と、
(b)前記車両端末が、前記車両の搭乗者による音声入力を受け取る工程と、
(c)前記車両端末が、前記経路上の所定の位置への前記車両の到達予想時刻を決定する運行管理装置に前記主位置情報を送信し、前記工程(b)で入力された情報であって前記車両の位置に関する情報を、副位置情報として前記運行管理装置に送信する工程と、
(d)前記運行管理装置が、前記経路と、前記車両が前記経路の移動に要する標準的な時間と、の集合を表す経路網情報を参照しつつ、前記主位置情報と前記副位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記所定の位置への前記到達予想時刻を決定する工程と、を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−238021(P2010−238021A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86186(P2009−86186)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】