車両の電源装置支持構造
【課題】車室内のこもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立可能な車両の電源装置支持構造を提供する。
【解決手段】前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレーム2と、これら1対のリヤサイドフレーム2に亙って設けられたリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6を載置可能で且つリヤフロアパネル3よりも上方に離隔配置された後側支持部材40と、後側支持部材40よりも上側位置において一端がホイールハウス15の固定座15aに連結され且つ他端が後側支持部材40の連結部43bに連結された左右1対の直線状の連結部材50と、左右1対の連結部材50の一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる第1車幅方向連結部材51とを備えている。
【解決手段】前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレーム2と、これら1対のリヤサイドフレーム2に亙って設けられたリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6を載置可能で且つリヤフロアパネル3よりも上方に離隔配置された後側支持部材40と、後側支持部材40よりも上側位置において一端がホイールハウス15の固定座15aに連結され且つ他端が後側支持部材40の連結部43bに連結された左右1対の直線状の連結部材50と、左右1対の連結部材50の一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる第1車幅方向連結部材51とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電源装置支持構造に関し、特に電源装置を載置可能な支持部材を車体側壁部材と連結する連結部材を備えた車両の電源装置支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車等では、電動モータによる駆動力を用いて走行するため、車体には電源装置が搭載されている。この電源装置は、充放電用バッテリや配電盤、DC/DCコンバータ等から構成され、特に、車両を駆動するための駆動用バッテリは大型且つ大重量の構成部材であるため、配置スペースを確保可能なトランクルーム内に設置されている。それ故、車両の後方衝突時等における駆動用バッテリの損傷防止は、駆動用バッテリの配置を設計する上で、最も重要な設計要件の1つである。
【0003】
特許文献1のバッテリの取付構造は、車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたクロスメンバと、キックアップ部の後部において左右1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたブリッジとを備え、駆動用バッテリが収容されたバッテリパックの前部を複数の前部ブラケットによりクロスメンバの上部に固定し、バッテリパックの後部をフランジを介して複数のボルトによりブリッジの固定部に固定し、バッテリパックをトランクルーム内に配置している。
【0004】
このバッテリの取付構造では、左右1対のリヤサイドフレームに車両前後方向の衝突荷重が入力されたとき、キックアップ部の後部が下方に折れ曲がり、この動作に伴ってブリッジの固定部が上方へ押上げられるため、バッテリパックの後部がキックアップ部の前部を回動中心として上方へ押上げられる。これにより、バッテリパッにク衝突荷重を伝達させることなくリヤサイドフレームを潰れ変形させ、駆動用バッテリの損傷を抑制している。
【0005】
リヤサイドフレームに車両前後方向の衝突荷重が入力されたとき、駆動用バッテリに伝達される衝突荷重を抑制する方法の1つとして、予め、駆動用バッテリをリヤフロアパネルから上方へ離隔した位置に配置するバッテリの支持構造も提案されている。
特許文献2のバッテリの支持構造は、駆動用バッテリを箱形のバッテリケースに収納し、このバッテリケースをリアシートバックの背面に取付ブラケットと取付ボルトとを用いて装備している。また、電源装置のうち、DC/DCコンバータを駆動用バッテリと分離し、リヤフロア上に載置すると共に、DC/DCコンバータの下部にクロスメンバを設置しDC/DCコンバータの後側にエクステンションメンバを設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−247063号公報
【特許文献2】特開2005−132348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
乗員保護の観点から、車両の後方衝突の際、車両前後方向の衝突荷重が車体に入力された場合には、リヤサイドフレーム等の車体側部材が積極的に潰れ変形を生じることにより、乗員に伝達される衝突荷重を吸収軽減する構造が採用されている。
一般に、リヤフロアの後側部分には、下方へ凹入したスペアタイヤパンが設けられ、その内部にスペアタイヤが収容されている。剛体であるスペアタイヤは、車両の後方衝突の際、車体側部材が潰れ変形する場合でも、衝突荷重によりその形状を維持した状態で車両前方へ移動される。それ故、特許文献1のようにキックアップ部の前部を回動中心として駆動用バッテリの後部を上方へ押上げても、駆動用バッテリがリヤフロア上に配置されているため、駆動用バッテリに対して前方移動したスペアタイヤが干渉する虞がある。
【0008】
特許文献2のバッテリの支持構造は、駆動用バッテリをリヤフロアパネルから上方へ離隔配置することができる。しかし、駆動用バッテリの配置設計を検討するとき、スペアタイヤとの干渉対策の他に、バッテリの振動に起因したこもり音の発生が懸念される。
駆動用バッテリは、補機用のバッテリに比べて高電圧の電力を大量に充放電するため、容量が大きく、例えば、40Kg程度の大型装置である。そのため、バッテリの支持剛性が低い場合、車両の走行振動に伴い駆動用バッテリが一定周期で振動を生じ、このバッテリ振動に起因して車室内に40Hz前後の低周波こもり音が発生する虞がある。
【0009】
通常、リアシートは、フロアパネル上にシートスライダ等を介して固定され、乗員重量を支持可能なパイプ材で形成されたシートフレームとクッション材等により形成されている。リアシートバックの背面に対して片持ち状に大重量の駆動用バッテリを配置した場合、リアシートが着座する乗員重量以上の重量を支持可能に構成されていないため、シート自体の剛性が低く、リアシートの車体に対する支持剛性も低いことから、車室内にバッテリ振動に起因したこもり音が発生する虞がある。
しかも、特許文献2のバッテリの支持構造では、クロスメンバとエクステンションメンバとによりDC/DCコンバータの支持剛性を高めているため、車体重量が増加し、車両の後方衝突の際、車体側部材の潰れ変形の阻害を招く可能性がある。即ち、この支持構造では、依然として、DC/DCコンバータと移動したスペアタイヤとの干渉の点で課題が残り、DC/DCコンバータの保護と衝突荷重の吸収軽減との両立は困難である。
【0010】
本発明の目的は、車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立できる車両の電源装置支持構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の車両の電源装置支持構造は、車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたリヤフロアパネルとを備えた車両の電源装置支持構造において、前記電源装置を載置可能で且つ前記リヤフロアパネルよりも上方に離隔配置された支持部材と、前記支持部材よりも上側位置において一端が車体側壁部材に連結され且つ他端が前記支持部材に連結された左右1対の直線状の連結部材と、前記左右1対の連結部材の前記一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる車幅方向連結部材とを備えたことを特徴としている。
【0012】
この車両の電源装置支持構造では、電源装置を左右の車体側壁部材に左右1対の直線状の連結部材を介して上方から吊り下げ状に支持している。これにより、連結部材の張力を利用して、電源装置を吊り下げる支持部材を小型化でき、電源装置をリヤフロアパネルから離間した上方位置に配置することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記左右1対の連結部材は前記電源装置の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持部材が左右1対の分割支持部材で構成され、これら左右1対の分割支持部材は、前記左右1対の連結部材の前記他端と夫々連結されると共に前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴としている。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記左右1対の連結部材の前記他端と前記車幅方向連結部材の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材とを設けたことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記電源装置の前面側と上面側とを保護するための保護連結構造であって、前端部の下端部が車体のクロスメンバに連結されると共に上端部の後端部が前記左右1対の連結部材の前記一端に連結された保護連結構造を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、電源装置を上方から吊り下げ状に支持するため、電源装置をリヤフロアパネルから上方へ離隔配置することができ、車両の後方衝突時、リヤサイドフレームやリヤフロアパネル等の変形に拘わらず、電源装置と車体側部材との干渉を回避できる。しかも、左右1対の連結部材を用いて車体強度部材である左右の車体側壁部材から吊り下げ状に電源装置を支持するため、連結部材の張力を活用して電源装置の支持剛性を高くでき、車両の走行振動に伴う電源装置の振動を抑制することができる。
また、車幅方向連結部材と左右1対の直線状の連結部材とこれら連結部材に連結された支持部材とにより電源装置を支持するため、支持部材を小型化でき、支持部材の重量を低減することができる。
以上により、電源装置の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、電源装置の後端と左右1対の連結部材との間に空間を確保しているため、車両の後方衝突時、左右1対の連結部材を電源装置の保護部材に兼用しつつ、荷物や車体側部材等と電源装置との直接的な接触を防止することができ、電源装置を保護することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、左右1対の連結部材と支持部材とにより左右の車体側壁部材に亙って連結する電源装置支持用の車幅方向部材を形成しているため、車体剛性と電源装置の支持剛性とを高くすることができる。
請求項4の発明によれば、支持部材を小型化できるため、電源装置の支持剛性を維持しつつ、車体重量を一層軽量化することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、後方衝突時、衝突荷重によるスペアタイヤの前方移動に拘わらず、電源装置とスペアタイヤとの干渉を回避できる。
請求項6の発明によれば、電源装置を上方からトラス構造で支持するため、電源装置の支持剛性向上と支持部材の小型化とを効果的に図ることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、左右1対の連結部材と左右1対の上側連結部材とにより車両内部を上下左右に連結するため、車体剛性向上と電源装置の後方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
請求項8の発明によれば、左右1対の連結部材と保護連結構造とにより電源装置の周囲を囲むため、支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る車両の電源装置支持構造を備えた後部車体の側面縦断面図である。
【図2】後部車体の平面図である。
【図3】後部車体を後方から視た図である。
【図4】図1の要部拡大図である。
【図5】電源装置と連結部材とを外した図2相当図である。
【図6】車両後方から荷重が作用したときの図1相当図である。
【図7】第2実施例に係る後部車体を後方から視た図である。
【図8】第2実施例に係る図4相当図である。
【図9】第3実施例に係る図2相当図である。
【図10】後部車体を斜め後方から視た図である。
【図11】後部車体を斜め前方から視た図である。
【図12】第3実施例に係る図4相当図である。
【図13】第3実施例に係る図5相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、本実施例では、車両の前後方向を前後方向とし、左右方向を左右方向として説明する。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例1について図1〜図6に基づいて説明する。
実施例1に係る車両1は、左右1対のリアサイドフレーム2と、フロントフロアパネル4の後端に連なるリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6と、燃料タンク7等を備え、駆動源を走行用電動モータ(図示略)とエンジン(図示略)とに切換え可能なセダンタイプのハイブリッド自動車である。
【0025】
左右1対のリアサイドフレーム2は、前端がサイドシル(図示略)に接続され、車両前後方向に延びるように形成されている。これらリアサイドフレーム2は、断面ハット状に形成され、リヤフロアパネル3と協働して閉断面を構成している。
左右1対のリアサイドフレーム2とリヤフロアパネル3は、フロントフロアパネル4の後端から後方上がり傾斜状にキックアップ部8を形成している。このキックアップ部8の後端部分には、左右のリアサイドフレーム8に亙って車幅方向に延びるNo.4クロスメンバ9が形成されている。図4に示すように、No.4クロスメンバ9は、断面ハット状の上側部材9aと下側部材9bとがリヤフロアパネル3を間に挟み込む2つの閉断面構造を形成している。キックアップ部8の前側部分には、リヤシート10を設置するための段差部が形成されている。
【0026】
図1に示すように、リヤフロアパネル3は、左右1対のリアサイドフレーム2に亙って設けられ、トランクルーム11の床部を形成している。このリヤフロアパネル3は、後側中央部分に下方へ凹入したスペアタイヤパン12が形成されている。スペアタイヤTは、スペアタイヤパン12の内部に収容され、固定具13を介してスペアタイヤパン12の底部に固定されている。
【0027】
リヤフロアパネル3の下側には、燃料タンク7と、サイレンサ19等が配置されている。
燃料タンク7は、扁平状に形成され、側面視にてキックアップ部8の途中部分の下側且つNo.4クロスメンバ9の前側位置に所定距離離間するように吊り下げ配置されている。
サイレンサ19は、スペアタイヤパン12の下側に固定されている。このサイレンサ19は、エンジンからの排気を排気管20を介して導入し、消音後、外部へ排気を排出可能に形成されている。
【0028】
図1に示すように、No.4クロスメンバ9とスペアタイヤパン12との間の下方空間には、サスペンション機構を取り付けるための略井型状のペリメータフレームが設置されている。ペリメータフレームは、No.4クロスメンバ10の下側に平行状に配置される第1サブフレーム21と、第1サブフレーム21の後方に平行状に配置される第2サブフレーム22と、第1サブフレーム21と第2サブフレーム22との左右端部を夫々連結する左右1対の第3サブフレーム(図示略)とから構成されている。
【0029】
車両1の左右側壁部を構成すると共にキックアップ部8とスペアタイヤパン12との間においてリヤフロアパネル3から上方へ延びる左右1対の車体側壁14(車体側壁部材)には、車幅方向内側へ膨出する左右1対のホイールハウス15が形成されている。
左右1対のホイールハウス15には、左右1対の固定座15aが夫々形成されている。
各固定座15aは、ホイールハウス15の上側且つ後側位置に車室内側へ突出するように形成されている。左右1対のホイールハウス15には、車室内側を上下方向に延びる前後1対の補強メンバ(図示略)やこれら補強メンバの上部を連結するガセット(図示略)等が設けられ、サスペンション周りの剛性を強化している。
【0030】
図1に示すように、ホイールハウス15よりも上側位置において、車体側壁14の中段部には、左右の車体側壁14の間を連結するリヤデッキメンバ16(梁部材)が形成されている。このリヤデッキメンバ16は、上側部材16aと下側部材16bとにより閉断面を形成している。リヤデッキメンバ16の上側部材16aは、後方へ水平状に延設され、パッケージトレイパネル17を構成している。
【0031】
パッケージトレイパネル17の後方には、断面略L字状のトランクリッド18が開閉可能に枢支されている。トランクルーム11は、リヤフロアパネル3と、リヤデッキメンバ16(パッケージトレイパネル17)と、左右の車体側壁14と、リヤシート10のシートバックと、トランクリッド18とにより収容空間を構成している。
【0032】
図1,2に示すように、トランクルーム11の前側部分には、電源装置としての大型の駆動用バッテリ6と、駆動用バッテリ6よりも小型の補機用バッテリ23とが車幅方向に並んで配置されている。駆動用バッテリ6は、車両1を走行させるための電動モータを駆動する高電圧、例えば直流60V、交流30V以上の電力を充放電可能に形成されている。この駆動用バッテリ6は、略直方体状に形成され、その長手方向が車幅方向に沿うように左側のホイールハウス15の近傍に配置されている。
図3に示すように、駆動用バッテリ6の後端には、右側部分にサービスプラグ接続用のサービスホール6aが設けられている。尚、本実施例の駆動用バッテリ6は、配電盤やDC/DCコンバータ等が一体的に設けられたバッテリユニットとして形成されている。
【0033】
補機用バッテリ23は、デフォッガ等の補機を駆動するために低電圧、例えば直流12Vの電力を充放電可能に形成されている。この補機用バッテリ23は、略直方体状に形成され、駆動用バッテリ6の右端と右側のホイールハウス15との間に配置されている。
補機用バッテリ23は、前後方向の幅が駆動用バッテリ6の前後方向幅と略同じ幅に設定され、両バッテリ6,23の後端が略面一になるよう配置されている。補機用バッテリ23上端の高さ位置は、ホイールハウス15の固定座15aよりも低く且つ駆動用バッテリ6上端の高さ位置よりも高くなるように設定されている。
【0034】
次に、車両1の電源装置支持構造について説明する。
この電源装置支持構造は、前側支持部材30と、後側支持部材40と、後側保護連結構造5等により形成されている。
図5に示すように、駆動用バッテリ6は、前側支持部材30と、後側支持部材40とに載置されている。前側支持部材30は、断面略ハット状の金属製板材により形成され、左右1対のリアサイドフレーム2の間において車幅方向に延びるように配置されている。
図4,5に示すように、前側支持部材30は、前端フランジ部31と、後端フランジ部32と、両フランジ部31,32との間に一体的に形成された支持部33等を備えている。
【0035】
支持部33は、断面台形状に形成されると共に、前端フランジ部31の後端と後端フランジ部32の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。この支持部33は、上端部に車幅方向へ列状に等間隔配置された4つの着座部33aを備え、図4に示すように、駆動用バッテリ6の前部が支持部33の4つの着座部33a上に載置されている。
【0036】
前端フランジ部31は、支持部33の前端から前方へ延びるように形成され、左右端部分にボルト挿通用の開口を備えた左右1対の固定部31aを備えている。左右1対の固定部31aは、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの前壁に固着され且つ上方へ延びる左右1対の固定ブラケット24に着座可能に形成されている。
左右1対の固定ブラケット24の頂部は、リアサイドフレーム2の上部よりも上側位置に配置されるように形成され、それらの頂部には、上方へ延びるボルト部が夫々形成されている。前端フランジ部31の固定は、固定ブラケット24のボルト部を固定部31aの開口に挿通させて前端フランジ部31を固定ブラケット24に着座させた後、ナット25により締結固定している。
【0037】
後端フランジ部32は、支持部33の後端から後方へ延びるように形成されている。この後端フランジ部32は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの後壁に形成された4つのナット部を備えた固定ブラケット27に着座可能に形成されている。後端フランジ部32の固定は、後端フランジ部32を固定ブラケット27に着座させた後、車幅方向へ列状に等間隔配置された4つのボルト26により締結固定している。
【0038】
後側支持部材40は、断面略ハット状の金属製板材により形成され、スペアタイヤパン12の前側において左右1対のリアサイドフレーム2に亙って車幅方向に延びるように配置されている。後側支持部材40は、前端フランジ部41と、後端フランジ部42と、両フランジ部41,42との間に一体的に形成された支持部43等を備えている。
【0039】
図4,5に示すように、支持部43は、前端フランジ部41の後端と後端フランジ部42の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。この支持部43は、左右1対の着座部43aと、左右1対の連結部43bとを備えている。
左右1対の着座部43aは、支持部43の前後方向の途中部分左部と右部に車幅方向に並んで上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の後部を載置可能に構成されている。左右1対の連結部43bは、夫々、左右1対の着座部43aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、後述する左右1対の連結部材50の端部と連結されている。
【0040】
前端フランジ部41の左右端部と後端フランジ部42の左右端部は、各々左右1対のリアサイドフレーム2の上部に固着されている。後端フランジ部42の後端部分は、スペアタイヤパン12の前側縁部に沿うように湾曲状に形成されている。
尚、図2に示すように、補機用バッテリ23は、後側支持部材40の上部と、No.4クロスメンバ9の上部とに載置されている。
【0041】
次に、後側保護連結構造5について説明する。
図1〜4に示すように、後側保護連結構造5は、左右1対の連結部材50と、第1車幅方向連結部材(車幅方向連結部材)51と、左右1対の傾斜連結部材52とにより形成されている。左右1対の連結部材50は、夫々、直線状に形成され、例えば、直径10mm程度の金属製パイプ材により構成されている。右側の連結部材50は、一端がホイールハウス15の右側固定座15aに連結されると共に他端が支持部43の右側連結部43bに連結され、車幅方向内側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。図4に示すように、固定座15aの前後方向位置が右側連結部43bの前後方向位置と略同じ前後方向位置に設定されているため、連結部材50は、側面視にて略鉛直状に設置され、駆動用バッテリ6と補機用バッテリ23との後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されている。左側の連結部材50は、右側の連結部材50と左右対称の構造に構成されている。
【0042】
図2,3に示すように、左右1対のホイールハウス15の固定座15aに亙って第1車幅方向連結部材51が設けられている。この第1車幅方向連結部材51は、連結部材50と同様のパイプ材で形成され、左右1対の連結部材50の一端同士を車幅方向に直線的に連結している。第1車幅方向連結部材51の中央部には、左右1対の傾斜連結部材52が連結されている。これら左右1対の傾斜連結部材52は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。右側の傾斜連結部材52は、一端が第1車幅方向連結部材51の中央部に連結されると共に他端が支持部43の右側連結部43bと右側の連結部材50の他端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。左側の傾斜連結部材52は、右側の傾斜連結部材52と左右対称の構造に構成されている。
【0043】
以上により、後側支持部材40と、後側保護連結構造5(左右1対の連結部材50、第1車幅方向連結部材51、左右1対の傾斜連結部材52)とにより、左右1対のホイールハウス15の間を連結するトラス構造を形成することができ、各連結部材50〜52の張力を用いて駆動用バッテリ6の重量を吊り下げ支持することができる。また、右側の連結部材50と第1車幅方向連結部材51と右側の傾斜連結部材52とにより形成されたトラス開口がサービスホール6aの外周に対応して形成されているため、駆動用バッテリ6に対する後方からのメンテナンス等の作業能率を高めている。
【0044】
次に、本実施例1に係る車両1の電源装置支持構造の作用、効果を説明する。
この車両1の電源装置支持構造によれば、駆動用バッテリ6を上方から吊り下げ状に支持するため、駆動用バッテリ6をリヤフロアパネル3から上方へ離隔配置することができ、車両1の後方衝突時、図6に示すように、リヤサイドフレーム2やリヤフロアパネル3等の変形に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤT等の車体側部材との干渉を回避できる。しかも、左右1対の連結部材50を用いて車体強度部材である左右1対のホイールハウス15から吊り下げ状に駆動用バッテリ6を支持するため、連結部材50の張力を活用して駆動用バッテリ6の支持剛性を高くでき、車両1の走行振動に伴う駆動用バッテリ6の振動を抑制することができる。また、第1車幅も方向連結部材51と左右1対の直線状の連結部材50とこれら連結部材50に連結された後側支持部材40とにより駆動用バッテリ6を支持するため、後側支持部材40を小型化でき、後側支持部材40の重量を低減することができる。
以上により、駆動用バッテリ6の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、駆動用バッテリ6の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
【0045】
左右1対の連結部材50は駆動用バッテリ6の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されているため、駆動用バッテリ6の後端と左右1対の連結部材50との間に空間を確保でき、車両1の後方衝突時、左右1対の連結部材50を駆動用バッテリ6の保護部材に兼用しつつ、荷物やスペアタイヤT等の車体側部材等と駆動用バッテリ6との直接的な接触を防止することができ、駆動用バッテリ6を保護することができる。
【0046】
後側支持部材40の車幅方向左右端部が左右1対のリヤサイドフレーム2に夫々連結されているため、左右1対の連結部材50と後側支持部材40とにより左右1対のホイールハウス15に亙って連結する駆動用バッテリ6支持用の車幅方向部材を形成することができ、車体剛性と駆動用バッテリ6の支持剛性とを高くすることができる。
リヤフロアパネル3は駆動用バッテリ6よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパン12を有しているため、後方衝突時、衝突荷重によるスペアタイヤTの前方移動に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤTとの干渉を回避することができる。
【0047】
左右1対の連結部材50の他端と第1車幅方向連結部材51の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材52とを設けているため、駆動用バッテリ6を上方からトラス構造で支持することができ、駆動用バッテリ6の支持剛性向上と後側支持部材40の小型化とを効果的に図ることができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図7及び図8に基づき、実施例2に係る車両1Aの電源装置支持構造について説明する。尚、実施例1と同様の部材は、同一の符号を付している。
図8に示すように、パッケージトレイパネル17の下部には、下方へ延びる左右1対のブラケット28が形成されている。これら左右1対のブラケット28は、夫々、支持部43の左右1対の連結部43bの直上方位置に配置されている。
【0049】
第1車幅方向連結部材51の上側には、上側保護連結構造29が形成されている。この上側保護連結構造29は、左右1対の上側連結部材53と、左右1対の上側傾斜連結部材54とにより形成されている。左右1対の上側連結部材53は、連結部材50と同様のパイプ材で形成され、リヤデッキメンバ16と左右1対のホイールハウス15とを連結している。右側の上側連結部材53は、一端が右側ブラケット27に連結されると共に他端がホイールハウス15の右側固定座15aと右側の連結部材50の一端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。左側の上側連結部材53は、右側の上側連結部材53と左右対称の構造に構成されている。
【0050】
第1車幅方向連結部材51の中央部には、左右1対の上側傾斜連結部材54が連結されている。これら左右1対の上側傾斜連結部材54は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。右側の上側傾斜連結部材54は、一端が第1車幅方向連結部材51の中央部に連結されると共に他端がリヤデッキメンバ16の右側ブラケット27と右側の上側連結部材53の一端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が高くなるように傾斜配置されている。左側の上側傾斜連結部材54は、右側の上側傾斜連結部材54と左右対称の構造に構成されている。
【0051】
以上により、後側保護連結構造5と上側保護連結構造29とによりトランクルーム11内を上下左右に連結しているため、車体剛性向上と駆動用バッテリ6の後方保護性能向上とを効果的に図ることができる。しかも、リヤデッキメンバ16と、上側保護連結構造29(左右1対の上側連結部材53、左右1対の上側傾斜連結部材54)とにより、実施例1のトラス構造に加えて、駆動用バッテリ6よりも上側位置に左右1対のホイールハウス15の間を連結するトラス構造を形成することができる。
【実施例3】
【0052】
次に、図9〜図13に基づき、実施例3に係る車両1Bの電源装置支持構造について説明する。尚、実施例1と同様の部材は、同一の符号を付している。
実施例1では、駆動用バッテリ6の後部を単一の後側支持部材40に載置したが、本実施例では、駆動用バッテリ6の後部を左右1対の分割支持部材40Aに載置している。左右1対の分割支持部材40Aは、左右対称の構造であるため、右側の分割支持部材40Aについて主に説明する。
【0053】
図12,13に示すように、右側の分割支持部材40Aは、断面ハット状の金属製板材により形成され、左側端部が駆動用バッテリ6の右側端部よりも車室内側に位置するように形成されている。この右側の分割支持部材40Aは、前端フランジ部44と、後端フランジ部45と、両フランジ部44,45との間に一体的に形成された支持部46等を備えている。
【0054】
図12に示すように、支持部46は、前端フランジ部44の後端と後端フランジ部45の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。
この支持部43は、着座部46aと、連結部46bとを備えている。
着座部46aは、支持部46の左側部分に上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の右側後部を載置可能に構成されている。
連結部46bは、着座部46aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、右側の連結部材50の他端と右側の傾斜連結部材52の他端とに連結されている。
【0055】
図13に示すように、前端フランジ部44は、平面視にて略L字状に形成され、前方へ延びる延長部47を一体的に備えている。この前端フランジ部44の右端は、右側のリアサイドフレーム2の上部に固着され、延長部47の前端は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの上部に固着されている。尚、前側支持部材30は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aに延長部47を介して固定されている。後端フランジ部45の右端は、右側のリアサイドフレーム2の上部に固着されている。
【0056】
本実施例では、後側保護連結構造5に加えて、駆動用バッテリ6の前面側と上面側とを保護する保護連結構造55を備えている。この保護連結構造55は、左右1対の前側連結部材56と、第2車幅方向連結部材57と、左右1対の前側傾斜連結部材58と、左右1対の側部連結部材59と、左右1対の上部連結部材60と、上部中央連結部材61とから構成されている。保護連結構造55の各連結部材56〜61は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。
【0057】
左右1対の前側連結部材56は、夫々、ボルト穴を備えた下端が左右1対の固定ブラケット24に連結され、上端がホイールハウス15の固定座15aに対応する高さ位置まで上方へ延設されている。これら前側連結部材56は、側面視にて後方上がり傾斜状に設置され、駆動用バッテリ6と補機用バッテリ23との前端よりも所定間隔離隔して車両前後方向前側に配設されている。
【0058】
左右1対の前側連結部材56の上端に亙って直線状に連結する第2車幅方向連結部材57が設けられている。この第2車幅方向連結部材57の中央部には、左右1対の前側傾斜連結部材58が連結されている。右側の前側傾斜連結部材58は、一端が第2車幅方向連結部材57の中央部に連結されると共に他端が右側固定ブラケット24と右側の前側連結部材56の下端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。前側連結部材56の下端と前側傾斜連結部材58の他端とは、前側支持部材30の前端フランジ部31を介して固定ブラケット24にナット25により固定されている。
左側の前側傾斜連結部材58は、右側の前側傾斜連結部材58と左右対称の構造に構成されている。
【0059】
左右1対の前側連結部材56の上端と左右1対のホイールハウス15の固定座15aに亙って、夫々、直線状に連結する左右1対の側部連結部材59が設けられている。左右1対の前側連結部材56の上端と第1車幅方向連結部材51の中央部に亙って、夫々、直線状に連結する左右1対の上部連結部材60が設けられている。上部中央連結部材61は、第1車幅方向連結部材51の中央部と第2車幅方向連結部材57の中央部との間を直線状に連結している。
【0060】
駆動用バッテリ6を載置する支持部材が左右1対の分割支持部材40Aで構成され、これら左右1対の分割支持部材40Aは、左右1対の連結部材50の他端と夫々連結されると共に左右1対のリヤサイドフレーム2に夫々連結されているため、分割支持部材40Aを小型化でき、駆動用バッテリ6の支持剛性を維持しつつ、車体重量を一層軽量化することができる。
しかも、第1車幅方向連結部材51と左右1対の連結部材50と保護連結構造55とにより駆動用バッテリ6の前後及び上側の周囲を囲むため、駆動用バッテリ6の支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
【0061】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例1においては、駆動用バッテリの後部を載置した単一の後側支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造の例を説明したが、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造でも良い。また、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造と、上側保護連結構造とを組み合わせた支持構造を採用することも可能である。
【0062】
2〕前記実施例3においては、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と保護連結構造とを組み合わせた支持構造の例を説明したが、駆動用バッテリの後部を載置した単一の後側支持部材と保護連結構造とを組み合わせた支持構造でも良い。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、電源装置を載置可能な支持部材を車体側壁部材と連結する連結部材を備えた車両の電源装置支持構造において、電源装置を車体側壁部材に左右1対の連結部材を介して吊り下げ状に離隔配置することで、車室内のこもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B 車両
2 リヤサイドフレーム
3 リヤフロアパネル
5 後側保護連結構造
6 駆動用バッテリ
12 スペアタイヤパン
14 車体側壁
15 ホイールハウス
29 上側保護連結構造
40 後側支持部材
40A 分割支持部材
50 連結部材
51 第1車幅方向連結部材
52 傾斜連結部材
53 上側連結部材
55 保護連結構造
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電源装置支持構造に関し、特に電源装置を載置可能な支持部材を車体側壁部材と連結する連結部材を備えた車両の電源装置支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車等では、電動モータによる駆動力を用いて走行するため、車体には電源装置が搭載されている。この電源装置は、充放電用バッテリや配電盤、DC/DCコンバータ等から構成され、特に、車両を駆動するための駆動用バッテリは大型且つ大重量の構成部材であるため、配置スペースを確保可能なトランクルーム内に設置されている。それ故、車両の後方衝突時等における駆動用バッテリの損傷防止は、駆動用バッテリの配置を設計する上で、最も重要な設計要件の1つである。
【0003】
特許文献1のバッテリの取付構造は、車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたクロスメンバと、キックアップ部の後部において左右1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたブリッジとを備え、駆動用バッテリが収容されたバッテリパックの前部を複数の前部ブラケットによりクロスメンバの上部に固定し、バッテリパックの後部をフランジを介して複数のボルトによりブリッジの固定部に固定し、バッテリパックをトランクルーム内に配置している。
【0004】
このバッテリの取付構造では、左右1対のリヤサイドフレームに車両前後方向の衝突荷重が入力されたとき、キックアップ部の後部が下方に折れ曲がり、この動作に伴ってブリッジの固定部が上方へ押上げられるため、バッテリパックの後部がキックアップ部の前部を回動中心として上方へ押上げられる。これにより、バッテリパッにク衝突荷重を伝達させることなくリヤサイドフレームを潰れ変形させ、駆動用バッテリの損傷を抑制している。
【0005】
リヤサイドフレームに車両前後方向の衝突荷重が入力されたとき、駆動用バッテリに伝達される衝突荷重を抑制する方法の1つとして、予め、駆動用バッテリをリヤフロアパネルから上方へ離隔した位置に配置するバッテリの支持構造も提案されている。
特許文献2のバッテリの支持構造は、駆動用バッテリを箱形のバッテリケースに収納し、このバッテリケースをリアシートバックの背面に取付ブラケットと取付ボルトとを用いて装備している。また、電源装置のうち、DC/DCコンバータを駆動用バッテリと分離し、リヤフロア上に載置すると共に、DC/DCコンバータの下部にクロスメンバを設置しDC/DCコンバータの後側にエクステンションメンバを設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−247063号公報
【特許文献2】特開2005−132348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
乗員保護の観点から、車両の後方衝突の際、車両前後方向の衝突荷重が車体に入力された場合には、リヤサイドフレーム等の車体側部材が積極的に潰れ変形を生じることにより、乗員に伝達される衝突荷重を吸収軽減する構造が採用されている。
一般に、リヤフロアの後側部分には、下方へ凹入したスペアタイヤパンが設けられ、その内部にスペアタイヤが収容されている。剛体であるスペアタイヤは、車両の後方衝突の際、車体側部材が潰れ変形する場合でも、衝突荷重によりその形状を維持した状態で車両前方へ移動される。それ故、特許文献1のようにキックアップ部の前部を回動中心として駆動用バッテリの後部を上方へ押上げても、駆動用バッテリがリヤフロア上に配置されているため、駆動用バッテリに対して前方移動したスペアタイヤが干渉する虞がある。
【0008】
特許文献2のバッテリの支持構造は、駆動用バッテリをリヤフロアパネルから上方へ離隔配置することができる。しかし、駆動用バッテリの配置設計を検討するとき、スペアタイヤとの干渉対策の他に、バッテリの振動に起因したこもり音の発生が懸念される。
駆動用バッテリは、補機用のバッテリに比べて高電圧の電力を大量に充放電するため、容量が大きく、例えば、40Kg程度の大型装置である。そのため、バッテリの支持剛性が低い場合、車両の走行振動に伴い駆動用バッテリが一定周期で振動を生じ、このバッテリ振動に起因して車室内に40Hz前後の低周波こもり音が発生する虞がある。
【0009】
通常、リアシートは、フロアパネル上にシートスライダ等を介して固定され、乗員重量を支持可能なパイプ材で形成されたシートフレームとクッション材等により形成されている。リアシートバックの背面に対して片持ち状に大重量の駆動用バッテリを配置した場合、リアシートが着座する乗員重量以上の重量を支持可能に構成されていないため、シート自体の剛性が低く、リアシートの車体に対する支持剛性も低いことから、車室内にバッテリ振動に起因したこもり音が発生する虞がある。
しかも、特許文献2のバッテリの支持構造では、クロスメンバとエクステンションメンバとによりDC/DCコンバータの支持剛性を高めているため、車体重量が増加し、車両の後方衝突の際、車体側部材の潰れ変形の阻害を招く可能性がある。即ち、この支持構造では、依然として、DC/DCコンバータと移動したスペアタイヤとの干渉の点で課題が残り、DC/DCコンバータの保護と衝突荷重の吸収軽減との両立は困難である。
【0010】
本発明の目的は、車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立できる車両の電源装置支持構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の車両の電源装置支持構造は、車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたリヤフロアパネルとを備えた車両の電源装置支持構造において、前記電源装置を載置可能で且つ前記リヤフロアパネルよりも上方に離隔配置された支持部材と、前記支持部材よりも上側位置において一端が車体側壁部材に連結され且つ他端が前記支持部材に連結された左右1対の直線状の連結部材と、前記左右1対の連結部材の前記一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる車幅方向連結部材とを備えたことを特徴としている。
【0012】
この車両の電源装置支持構造では、電源装置を左右の車体側壁部材に左右1対の直線状の連結部材を介して上方から吊り下げ状に支持している。これにより、連結部材の張力を利用して、電源装置を吊り下げる支持部材を小型化でき、電源装置をリヤフロアパネルから離間した上方位置に配置することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記左右1対の連結部材は前記電源装置の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持部材が左右1対の分割支持部材で構成され、これら左右1対の分割支持部材は、前記左右1対の連結部材の前記他端と夫々連結されると共に前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴としている。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記左右1対の連結部材の前記他端と前記車幅方向連結部材の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材とを設けたことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記電源装置の前面側と上面側とを保護するための保護連結構造であって、前端部の下端部が車体のクロスメンバに連結されると共に上端部の後端部が前記左右1対の連結部材の前記一端に連結された保護連結構造を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、電源装置を上方から吊り下げ状に支持するため、電源装置をリヤフロアパネルから上方へ離隔配置することができ、車両の後方衝突時、リヤサイドフレームやリヤフロアパネル等の変形に拘わらず、電源装置と車体側部材との干渉を回避できる。しかも、左右1対の連結部材を用いて車体強度部材である左右の車体側壁部材から吊り下げ状に電源装置を支持するため、連結部材の張力を活用して電源装置の支持剛性を高くでき、車両の走行振動に伴う電源装置の振動を抑制することができる。
また、車幅方向連結部材と左右1対の直線状の連結部材とこれら連結部材に連結された支持部材とにより電源装置を支持するため、支持部材を小型化でき、支持部材の重量を低減することができる。
以上により、電源装置の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、電源装置の後端と左右1対の連結部材との間に空間を確保しているため、車両の後方衝突時、左右1対の連結部材を電源装置の保護部材に兼用しつつ、荷物や車体側部材等と電源装置との直接的な接触を防止することができ、電源装置を保護することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、左右1対の連結部材と支持部材とにより左右の車体側壁部材に亙って連結する電源装置支持用の車幅方向部材を形成しているため、車体剛性と電源装置の支持剛性とを高くすることができる。
請求項4の発明によれば、支持部材を小型化できるため、電源装置の支持剛性を維持しつつ、車体重量を一層軽量化することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、後方衝突時、衝突荷重によるスペアタイヤの前方移動に拘わらず、電源装置とスペアタイヤとの干渉を回避できる。
請求項6の発明によれば、電源装置を上方からトラス構造で支持するため、電源装置の支持剛性向上と支持部材の小型化とを効果的に図ることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、左右1対の連結部材と左右1対の上側連結部材とにより車両内部を上下左右に連結するため、車体剛性向上と電源装置の後方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
請求項8の発明によれば、左右1対の連結部材と保護連結構造とにより電源装置の周囲を囲むため、支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る車両の電源装置支持構造を備えた後部車体の側面縦断面図である。
【図2】後部車体の平面図である。
【図3】後部車体を後方から視た図である。
【図4】図1の要部拡大図である。
【図5】電源装置と連結部材とを外した図2相当図である。
【図6】車両後方から荷重が作用したときの図1相当図である。
【図7】第2実施例に係る後部車体を後方から視た図である。
【図8】第2実施例に係る図4相当図である。
【図9】第3実施例に係る図2相当図である。
【図10】後部車体を斜め後方から視た図である。
【図11】後部車体を斜め前方から視た図である。
【図12】第3実施例に係る図4相当図である。
【図13】第3実施例に係る図5相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、本実施例では、車両の前後方向を前後方向とし、左右方向を左右方向として説明する。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例1について図1〜図6に基づいて説明する。
実施例1に係る車両1は、左右1対のリアサイドフレーム2と、フロントフロアパネル4の後端に連なるリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6と、燃料タンク7等を備え、駆動源を走行用電動モータ(図示略)とエンジン(図示略)とに切換え可能なセダンタイプのハイブリッド自動車である。
【0025】
左右1対のリアサイドフレーム2は、前端がサイドシル(図示略)に接続され、車両前後方向に延びるように形成されている。これらリアサイドフレーム2は、断面ハット状に形成され、リヤフロアパネル3と協働して閉断面を構成している。
左右1対のリアサイドフレーム2とリヤフロアパネル3は、フロントフロアパネル4の後端から後方上がり傾斜状にキックアップ部8を形成している。このキックアップ部8の後端部分には、左右のリアサイドフレーム8に亙って車幅方向に延びるNo.4クロスメンバ9が形成されている。図4に示すように、No.4クロスメンバ9は、断面ハット状の上側部材9aと下側部材9bとがリヤフロアパネル3を間に挟み込む2つの閉断面構造を形成している。キックアップ部8の前側部分には、リヤシート10を設置するための段差部が形成されている。
【0026】
図1に示すように、リヤフロアパネル3は、左右1対のリアサイドフレーム2に亙って設けられ、トランクルーム11の床部を形成している。このリヤフロアパネル3は、後側中央部分に下方へ凹入したスペアタイヤパン12が形成されている。スペアタイヤTは、スペアタイヤパン12の内部に収容され、固定具13を介してスペアタイヤパン12の底部に固定されている。
【0027】
リヤフロアパネル3の下側には、燃料タンク7と、サイレンサ19等が配置されている。
燃料タンク7は、扁平状に形成され、側面視にてキックアップ部8の途中部分の下側且つNo.4クロスメンバ9の前側位置に所定距離離間するように吊り下げ配置されている。
サイレンサ19は、スペアタイヤパン12の下側に固定されている。このサイレンサ19は、エンジンからの排気を排気管20を介して導入し、消音後、外部へ排気を排出可能に形成されている。
【0028】
図1に示すように、No.4クロスメンバ9とスペアタイヤパン12との間の下方空間には、サスペンション機構を取り付けるための略井型状のペリメータフレームが設置されている。ペリメータフレームは、No.4クロスメンバ10の下側に平行状に配置される第1サブフレーム21と、第1サブフレーム21の後方に平行状に配置される第2サブフレーム22と、第1サブフレーム21と第2サブフレーム22との左右端部を夫々連結する左右1対の第3サブフレーム(図示略)とから構成されている。
【0029】
車両1の左右側壁部を構成すると共にキックアップ部8とスペアタイヤパン12との間においてリヤフロアパネル3から上方へ延びる左右1対の車体側壁14(車体側壁部材)には、車幅方向内側へ膨出する左右1対のホイールハウス15が形成されている。
左右1対のホイールハウス15には、左右1対の固定座15aが夫々形成されている。
各固定座15aは、ホイールハウス15の上側且つ後側位置に車室内側へ突出するように形成されている。左右1対のホイールハウス15には、車室内側を上下方向に延びる前後1対の補強メンバ(図示略)やこれら補強メンバの上部を連結するガセット(図示略)等が設けられ、サスペンション周りの剛性を強化している。
【0030】
図1に示すように、ホイールハウス15よりも上側位置において、車体側壁14の中段部には、左右の車体側壁14の間を連結するリヤデッキメンバ16(梁部材)が形成されている。このリヤデッキメンバ16は、上側部材16aと下側部材16bとにより閉断面を形成している。リヤデッキメンバ16の上側部材16aは、後方へ水平状に延設され、パッケージトレイパネル17を構成している。
【0031】
パッケージトレイパネル17の後方には、断面略L字状のトランクリッド18が開閉可能に枢支されている。トランクルーム11は、リヤフロアパネル3と、リヤデッキメンバ16(パッケージトレイパネル17)と、左右の車体側壁14と、リヤシート10のシートバックと、トランクリッド18とにより収容空間を構成している。
【0032】
図1,2に示すように、トランクルーム11の前側部分には、電源装置としての大型の駆動用バッテリ6と、駆動用バッテリ6よりも小型の補機用バッテリ23とが車幅方向に並んで配置されている。駆動用バッテリ6は、車両1を走行させるための電動モータを駆動する高電圧、例えば直流60V、交流30V以上の電力を充放電可能に形成されている。この駆動用バッテリ6は、略直方体状に形成され、その長手方向が車幅方向に沿うように左側のホイールハウス15の近傍に配置されている。
図3に示すように、駆動用バッテリ6の後端には、右側部分にサービスプラグ接続用のサービスホール6aが設けられている。尚、本実施例の駆動用バッテリ6は、配電盤やDC/DCコンバータ等が一体的に設けられたバッテリユニットとして形成されている。
【0033】
補機用バッテリ23は、デフォッガ等の補機を駆動するために低電圧、例えば直流12Vの電力を充放電可能に形成されている。この補機用バッテリ23は、略直方体状に形成され、駆動用バッテリ6の右端と右側のホイールハウス15との間に配置されている。
補機用バッテリ23は、前後方向の幅が駆動用バッテリ6の前後方向幅と略同じ幅に設定され、両バッテリ6,23の後端が略面一になるよう配置されている。補機用バッテリ23上端の高さ位置は、ホイールハウス15の固定座15aよりも低く且つ駆動用バッテリ6上端の高さ位置よりも高くなるように設定されている。
【0034】
次に、車両1の電源装置支持構造について説明する。
この電源装置支持構造は、前側支持部材30と、後側支持部材40と、後側保護連結構造5等により形成されている。
図5に示すように、駆動用バッテリ6は、前側支持部材30と、後側支持部材40とに載置されている。前側支持部材30は、断面略ハット状の金属製板材により形成され、左右1対のリアサイドフレーム2の間において車幅方向に延びるように配置されている。
図4,5に示すように、前側支持部材30は、前端フランジ部31と、後端フランジ部32と、両フランジ部31,32との間に一体的に形成された支持部33等を備えている。
【0035】
支持部33は、断面台形状に形成されると共に、前端フランジ部31の後端と後端フランジ部32の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。この支持部33は、上端部に車幅方向へ列状に等間隔配置された4つの着座部33aを備え、図4に示すように、駆動用バッテリ6の前部が支持部33の4つの着座部33a上に載置されている。
【0036】
前端フランジ部31は、支持部33の前端から前方へ延びるように形成され、左右端部分にボルト挿通用の開口を備えた左右1対の固定部31aを備えている。左右1対の固定部31aは、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの前壁に固着され且つ上方へ延びる左右1対の固定ブラケット24に着座可能に形成されている。
左右1対の固定ブラケット24の頂部は、リアサイドフレーム2の上部よりも上側位置に配置されるように形成され、それらの頂部には、上方へ延びるボルト部が夫々形成されている。前端フランジ部31の固定は、固定ブラケット24のボルト部を固定部31aの開口に挿通させて前端フランジ部31を固定ブラケット24に着座させた後、ナット25により締結固定している。
【0037】
後端フランジ部32は、支持部33の後端から後方へ延びるように形成されている。この後端フランジ部32は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの後壁に形成された4つのナット部を備えた固定ブラケット27に着座可能に形成されている。後端フランジ部32の固定は、後端フランジ部32を固定ブラケット27に着座させた後、車幅方向へ列状に等間隔配置された4つのボルト26により締結固定している。
【0038】
後側支持部材40は、断面略ハット状の金属製板材により形成され、スペアタイヤパン12の前側において左右1対のリアサイドフレーム2に亙って車幅方向に延びるように配置されている。後側支持部材40は、前端フランジ部41と、後端フランジ部42と、両フランジ部41,42との間に一体的に形成された支持部43等を備えている。
【0039】
図4,5に示すように、支持部43は、前端フランジ部41の後端と後端フランジ部42の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。この支持部43は、左右1対の着座部43aと、左右1対の連結部43bとを備えている。
左右1対の着座部43aは、支持部43の前後方向の途中部分左部と右部に車幅方向に並んで上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の後部を載置可能に構成されている。左右1対の連結部43bは、夫々、左右1対の着座部43aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、後述する左右1対の連結部材50の端部と連結されている。
【0040】
前端フランジ部41の左右端部と後端フランジ部42の左右端部は、各々左右1対のリアサイドフレーム2の上部に固着されている。後端フランジ部42の後端部分は、スペアタイヤパン12の前側縁部に沿うように湾曲状に形成されている。
尚、図2に示すように、補機用バッテリ23は、後側支持部材40の上部と、No.4クロスメンバ9の上部とに載置されている。
【0041】
次に、後側保護連結構造5について説明する。
図1〜4に示すように、後側保護連結構造5は、左右1対の連結部材50と、第1車幅方向連結部材(車幅方向連結部材)51と、左右1対の傾斜連結部材52とにより形成されている。左右1対の連結部材50は、夫々、直線状に形成され、例えば、直径10mm程度の金属製パイプ材により構成されている。右側の連結部材50は、一端がホイールハウス15の右側固定座15aに連結されると共に他端が支持部43の右側連結部43bに連結され、車幅方向内側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。図4に示すように、固定座15aの前後方向位置が右側連結部43bの前後方向位置と略同じ前後方向位置に設定されているため、連結部材50は、側面視にて略鉛直状に設置され、駆動用バッテリ6と補機用バッテリ23との後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されている。左側の連結部材50は、右側の連結部材50と左右対称の構造に構成されている。
【0042】
図2,3に示すように、左右1対のホイールハウス15の固定座15aに亙って第1車幅方向連結部材51が設けられている。この第1車幅方向連結部材51は、連結部材50と同様のパイプ材で形成され、左右1対の連結部材50の一端同士を車幅方向に直線的に連結している。第1車幅方向連結部材51の中央部には、左右1対の傾斜連結部材52が連結されている。これら左右1対の傾斜連結部材52は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。右側の傾斜連結部材52は、一端が第1車幅方向連結部材51の中央部に連結されると共に他端が支持部43の右側連結部43bと右側の連結部材50の他端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。左側の傾斜連結部材52は、右側の傾斜連結部材52と左右対称の構造に構成されている。
【0043】
以上により、後側支持部材40と、後側保護連結構造5(左右1対の連結部材50、第1車幅方向連結部材51、左右1対の傾斜連結部材52)とにより、左右1対のホイールハウス15の間を連結するトラス構造を形成することができ、各連結部材50〜52の張力を用いて駆動用バッテリ6の重量を吊り下げ支持することができる。また、右側の連結部材50と第1車幅方向連結部材51と右側の傾斜連結部材52とにより形成されたトラス開口がサービスホール6aの外周に対応して形成されているため、駆動用バッテリ6に対する後方からのメンテナンス等の作業能率を高めている。
【0044】
次に、本実施例1に係る車両1の電源装置支持構造の作用、効果を説明する。
この車両1の電源装置支持構造によれば、駆動用バッテリ6を上方から吊り下げ状に支持するため、駆動用バッテリ6をリヤフロアパネル3から上方へ離隔配置することができ、車両1の後方衝突時、図6に示すように、リヤサイドフレーム2やリヤフロアパネル3等の変形に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤT等の車体側部材との干渉を回避できる。しかも、左右1対の連結部材50を用いて車体強度部材である左右1対のホイールハウス15から吊り下げ状に駆動用バッテリ6を支持するため、連結部材50の張力を活用して駆動用バッテリ6の支持剛性を高くでき、車両1の走行振動に伴う駆動用バッテリ6の振動を抑制することができる。また、第1車幅も方向連結部材51と左右1対の直線状の連結部材50とこれら連結部材50に連結された後側支持部材40とにより駆動用バッテリ6を支持するため、後側支持部材40を小型化でき、後側支持部材40の重量を低減することができる。
以上により、駆動用バッテリ6の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、駆動用バッテリ6の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
【0045】
左右1対の連結部材50は駆動用バッテリ6の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されているため、駆動用バッテリ6の後端と左右1対の連結部材50との間に空間を確保でき、車両1の後方衝突時、左右1対の連結部材50を駆動用バッテリ6の保護部材に兼用しつつ、荷物やスペアタイヤT等の車体側部材等と駆動用バッテリ6との直接的な接触を防止することができ、駆動用バッテリ6を保護することができる。
【0046】
後側支持部材40の車幅方向左右端部が左右1対のリヤサイドフレーム2に夫々連結されているため、左右1対の連結部材50と後側支持部材40とにより左右1対のホイールハウス15に亙って連結する駆動用バッテリ6支持用の車幅方向部材を形成することができ、車体剛性と駆動用バッテリ6の支持剛性とを高くすることができる。
リヤフロアパネル3は駆動用バッテリ6よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパン12を有しているため、後方衝突時、衝突荷重によるスペアタイヤTの前方移動に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤTとの干渉を回避することができる。
【0047】
左右1対の連結部材50の他端と第1車幅方向連結部材51の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材52とを設けているため、駆動用バッテリ6を上方からトラス構造で支持することができ、駆動用バッテリ6の支持剛性向上と後側支持部材40の小型化とを効果的に図ることができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図7及び図8に基づき、実施例2に係る車両1Aの電源装置支持構造について説明する。尚、実施例1と同様の部材は、同一の符号を付している。
図8に示すように、パッケージトレイパネル17の下部には、下方へ延びる左右1対のブラケット28が形成されている。これら左右1対のブラケット28は、夫々、支持部43の左右1対の連結部43bの直上方位置に配置されている。
【0049】
第1車幅方向連結部材51の上側には、上側保護連結構造29が形成されている。この上側保護連結構造29は、左右1対の上側連結部材53と、左右1対の上側傾斜連結部材54とにより形成されている。左右1対の上側連結部材53は、連結部材50と同様のパイプ材で形成され、リヤデッキメンバ16と左右1対のホイールハウス15とを連結している。右側の上側連結部材53は、一端が右側ブラケット27に連結されると共に他端がホイールハウス15の右側固定座15aと右側の連結部材50の一端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。左側の上側連結部材53は、右側の上側連結部材53と左右対称の構造に構成されている。
【0050】
第1車幅方向連結部材51の中央部には、左右1対の上側傾斜連結部材54が連結されている。これら左右1対の上側傾斜連結部材54は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。右側の上側傾斜連結部材54は、一端が第1車幅方向連結部材51の中央部に連結されると共に他端がリヤデッキメンバ16の右側ブラケット27と右側の上側連結部材53の一端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が高くなるように傾斜配置されている。左側の上側傾斜連結部材54は、右側の上側傾斜連結部材54と左右対称の構造に構成されている。
【0051】
以上により、後側保護連結構造5と上側保護連結構造29とによりトランクルーム11内を上下左右に連結しているため、車体剛性向上と駆動用バッテリ6の後方保護性能向上とを効果的に図ることができる。しかも、リヤデッキメンバ16と、上側保護連結構造29(左右1対の上側連結部材53、左右1対の上側傾斜連結部材54)とにより、実施例1のトラス構造に加えて、駆動用バッテリ6よりも上側位置に左右1対のホイールハウス15の間を連結するトラス構造を形成することができる。
【実施例3】
【0052】
次に、図9〜図13に基づき、実施例3に係る車両1Bの電源装置支持構造について説明する。尚、実施例1と同様の部材は、同一の符号を付している。
実施例1では、駆動用バッテリ6の後部を単一の後側支持部材40に載置したが、本実施例では、駆動用バッテリ6の後部を左右1対の分割支持部材40Aに載置している。左右1対の分割支持部材40Aは、左右対称の構造であるため、右側の分割支持部材40Aについて主に説明する。
【0053】
図12,13に示すように、右側の分割支持部材40Aは、断面ハット状の金属製板材により形成され、左側端部が駆動用バッテリ6の右側端部よりも車室内側に位置するように形成されている。この右側の分割支持部材40Aは、前端フランジ部44と、後端フランジ部45と、両フランジ部44,45との間に一体的に形成された支持部46等を備えている。
【0054】
図12に示すように、支持部46は、前端フランジ部44の後端と後端フランジ部45の前端から上方へ突出するように形成され、リヤフロアパネル3との間に空間を形成するようにリヤフロアパネル3から上方へ所定距離離間して配置されている。
この支持部43は、着座部46aと、連結部46bとを備えている。
着座部46aは、支持部46の左側部分に上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の右側後部を載置可能に構成されている。
連結部46bは、着座部46aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、右側の連結部材50の他端と右側の傾斜連結部材52の他端とに連結されている。
【0055】
図13に示すように、前端フランジ部44は、平面視にて略L字状に形成され、前方へ延びる延長部47を一体的に備えている。この前端フランジ部44の右端は、右側のリアサイドフレーム2の上部に固着され、延長部47の前端は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aの上部に固着されている。尚、前側支持部材30は、No.4クロスメンバ9の上側部材9aに延長部47を介して固定されている。後端フランジ部45の右端は、右側のリアサイドフレーム2の上部に固着されている。
【0056】
本実施例では、後側保護連結構造5に加えて、駆動用バッテリ6の前面側と上面側とを保護する保護連結構造55を備えている。この保護連結構造55は、左右1対の前側連結部材56と、第2車幅方向連結部材57と、左右1対の前側傾斜連結部材58と、左右1対の側部連結部材59と、左右1対の上部連結部材60と、上部中央連結部材61とから構成されている。保護連結構造55の各連結部材56〜61は、連結部材50と同様のパイプ材で形成されている。
【0057】
左右1対の前側連結部材56は、夫々、ボルト穴を備えた下端が左右1対の固定ブラケット24に連結され、上端がホイールハウス15の固定座15aに対応する高さ位置まで上方へ延設されている。これら前側連結部材56は、側面視にて後方上がり傾斜状に設置され、駆動用バッテリ6と補機用バッテリ23との前端よりも所定間隔離隔して車両前後方向前側に配設されている。
【0058】
左右1対の前側連結部材56の上端に亙って直線状に連結する第2車幅方向連結部材57が設けられている。この第2車幅方向連結部材57の中央部には、左右1対の前側傾斜連結部材58が連結されている。右側の前側傾斜連結部材58は、一端が第2車幅方向連結部材57の中央部に連結されると共に他端が右側固定ブラケット24と右側の前側連結部材56の下端とに連結され、車幅方向外側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。前側連結部材56の下端と前側傾斜連結部材58の他端とは、前側支持部材30の前端フランジ部31を介して固定ブラケット24にナット25により固定されている。
左側の前側傾斜連結部材58は、右側の前側傾斜連結部材58と左右対称の構造に構成されている。
【0059】
左右1対の前側連結部材56の上端と左右1対のホイールハウス15の固定座15aに亙って、夫々、直線状に連結する左右1対の側部連結部材59が設けられている。左右1対の前側連結部材56の上端と第1車幅方向連結部材51の中央部に亙って、夫々、直線状に連結する左右1対の上部連結部材60が設けられている。上部中央連結部材61は、第1車幅方向連結部材51の中央部と第2車幅方向連結部材57の中央部との間を直線状に連結している。
【0060】
駆動用バッテリ6を載置する支持部材が左右1対の分割支持部材40Aで構成され、これら左右1対の分割支持部材40Aは、左右1対の連結部材50の他端と夫々連結されると共に左右1対のリヤサイドフレーム2に夫々連結されているため、分割支持部材40Aを小型化でき、駆動用バッテリ6の支持剛性を維持しつつ、車体重量を一層軽量化することができる。
しかも、第1車幅方向連結部材51と左右1対の連結部材50と保護連結構造55とにより駆動用バッテリ6の前後及び上側の周囲を囲むため、駆動用バッテリ6の支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
【0061】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例1においては、駆動用バッテリの後部を載置した単一の後側支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造の例を説明したが、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造でも良い。また、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造と、上側保護連結構造とを組み合わせた支持構造を採用することも可能である。
【0062】
2〕前記実施例3においては、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と保護連結構造とを組み合わせた支持構造の例を説明したが、駆動用バッテリの後部を載置した単一の後側支持部材と保護連結構造とを組み合わせた支持構造でも良い。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、電源装置を載置可能な支持部材を車体側壁部材と連結する連結部材を備えた車両の電源装置支持構造において、電源装置を車体側壁部材に左右1対の連結部材を介して吊り下げ状に離隔配置することで、車室内のこもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B 車両
2 リヤサイドフレーム
3 リヤフロアパネル
5 後側保護連結構造
6 駆動用バッテリ
12 スペアタイヤパン
14 車体側壁
15 ホイールハウス
29 上側保護連結構造
40 後側支持部材
40A 分割支持部材
50 連結部材
51 第1車幅方向連結部材
52 傾斜連結部材
53 上側連結部材
55 保護連結構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたリヤフロアパネルとを備えた車両の電源装置支持構造において、
前記電源装置を載置可能で且つ前記リヤフロアパネルよりも上方に離隔配置された支持部材と、
前記支持部材よりも上側位置において一端が車体側壁部材に連結され且つ他端が前記支持部材に連結された左右1対の直線状の連結部材と、
前記左右1対の連結部材の前記一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる車幅方向連結部材とを備えたことを特徴とする車両の電源装置支持構造。
【請求項2】
前記左右1対の連結部材は前記電源装置の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項3】
前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項4】
前記支持部材が左右1対の分割支持部材で構成され、
これら左右1対の分割支持部材は、前記左右1対の連結部材の前記他端と夫々連結されると共に前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項5】
前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項6】
前記左右1対の連結部材の前記他端と前記車幅方向連結部材の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材とを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項7】
前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項8】
前記電源装置の前面側と上面側とを保護するための保護連結構造であって、前端部の下端部が車体のクロスメンバに連結されると共に上端部の後端部が前記左右1対の連結部材の前記一端に連結された保護連結構造を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項1】
車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたリヤフロアパネルとを備えた車両の電源装置支持構造において、
前記電源装置を載置可能で且つ前記リヤフロアパネルよりも上方に離隔配置された支持部材と、
前記支持部材よりも上側位置において一端が車体側壁部材に連結され且つ他端が前記支持部材に連結された左右1対の直線状の連結部材と、
前記左右1対の連結部材の前記一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる車幅方向連結部材とを備えたことを特徴とする車両の電源装置支持構造。
【請求項2】
前記左右1対の連結部材は前記電源装置の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項3】
前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項4】
前記支持部材が左右1対の分割支持部材で構成され、
これら左右1対の分割支持部材は、前記左右1対の連結部材の前記他端と夫々連結されると共に前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項5】
前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項6】
前記左右1対の連結部材の前記他端と前記車幅方向連結部材の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材とを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項7】
前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【請求項8】
前記電源装置の前面側と上面側とを保護するための保護連結構造であって、前端部の下端部が車体のクロスメンバに連結されると共に上端部の後端部が前記左右1対の連結部材の前記一端に連結された保護連結構造を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−35435(P2013−35435A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173576(P2011−173576)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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