説明

車両ドア遠隔操作システム

【課題】操作性の悪化を抑制しつつ、消費電力を低減させることが可能な車両ドア遠隔操作システムを提供すること。
【解決手段】車両の各ドアに設けられ、携帯機に対してリクエスト信号を送信する複数の送信機2a〜2dを有し、当該送信機2a〜2dが設けられたドア位置に応じて、各送信機2a〜dからのリクエスト信号の送信頻度を異ならせる。一般的には、携帯機1の保持者は運転席用のドアから車両に乗車する場合が多い等、携帯機1と通信を行なうのは、特定の送信機2a〜2dに偏る傾向がある。そのため、送信機2a〜2dが設けられたドア位置に応じて、各送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信頻度を異ならせることにより、車両ドアの遠隔操作に関する操作性を悪化することなく、消費電力の低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機から送信される信号に基づいて、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する車両ドア遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両ドア遠隔操作システムとして、携帯型電子キー(携帯機)と車両側ユニットとの双方向通信によるIDコードの照合結果をもとに、各ドアのロック・アンロック状態を制御するシステムが知られている。このシステムにおいては、車両の内外に所定の検知エリアを設定し、この検知エリアにおいて、車両側ユニットにおける送信機から所定間隔毎に、リクエスト信号を発信する。このようにして、携帯機の保持者の車両への接近、車両への乗車や車両からの降車を常に監視している。
【0003】
例えば、携帯機の保持者が車両への乗車のために車両に接近し、検知エリアに侵入すると、リクエスト信号に応答して携帯機がIDコードを含むレスポンス信号を車両側ユニットに送信する。車両側ユニットは、携帯機から取得したIDコードが登録IDコードに一致する等、所定の関係を満足すると判定される場合に、車両側ユニットのドアロック制御装置に対して、各ドアをアンロックスタンバイ状態にするように制御信号を与える。この状態となった時に、携帯機の保持者がドアハンドルに触れると、ドアロック制御装置は、それをタッチセンサ等で検出し、ドアをアンロックする。
【0004】
また、携帯機の保持者が、車両のエンジンを停止した後に降車すると、携帯機の検知エリアは、車室内から車室外へ移る。この場合に、例えばドアハンドルの近傍に設けられたドアロックスイッチが操作されると、ドアはロックされる。
【0005】
上述したシステムによれば、携帯機の保持者は、携帯機を手にすることなく、ドアのロック・アンロックを行なうことが可能となり、携帯機の保持者にとっての利便性を向上することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、車両ドア遠隔操作システムにおいては、車両を駐車している時に、車両側ユニットが定期的にリクエスト信号を送信して携帯機の検知動作を実行する。このため、車両側ユニットの消費電力が大きいとバッテリー上がり等の原因となってしまう。そこで、従来の車両ドア遠隔操作システムの中には、車両が駐車されてからの経過時間に応じて、リクエスト信号の送信間隔を長くして、消費電力の低減を図るものもある。
【0007】
しかしながら、単にリクエスト信号の送信間隔を長くした場合、携帯機の保持者が車両に接近したときに、その検知が遅れる可能性がある。この場合、携帯機の保持者がドアハンドルに触れても、即座にドアがアンロックされない等、操作性の悪化を招いてしまう。
【0008】
また、車両ドア遠隔操作システムの中には、上述した携帯機と車両側ユニットとの双方向通信によるIDコードの照合結果をもとに、各ドアのロック・アンロック状態を制御する機能(いわゆる、スマートキー)に加え、携帯機に設けられたスイッチを保持者が操作することによって、各ドアのロック・アンロック状態を切り換え可能な機能(いわゆる、ワイヤレスキー)をともに備えるものもある。ワイヤレスキーの場合、携帯機の保持者によるスイッチ操作がいつ行なわれようとも、そのスイッチ操作による送信信号を受信する必要があるので、車両側ユニットは、少なくとも所定の間隔で受信機を信号受信可能状態にする。
【0009】
しかしながら、車両ドア遠隔操作システムがこのような両機能を備えていても、ユーザは、そのどちらか一方の機能しか使わないことが多い。もし、両機能の一方がほとんど使用されていないのであれば、その不使用の機能に関する車両側ユニットの動作は無駄になされていることになる。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、操作性の悪化を抑制しつつ、消費電力を低減させることが可能な車両ドア遠隔操作システムを提供することを第1の目的とする。また、携帯機と車両側ユニットとの双方向通信によって、各ドアのロック・アンロック状態を制御する機能に加え、携帯機に設けられたスイッチを保持者が操作することによって、各ドアのロック・アンロック状態を切り換え可能な機能をともに備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、車両側ユニットにおける無駄な動作を抑制し、消費電力の低減を図ることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の車両ドア遠隔操作システムは、
リクエスト信号を受信するとともに、そのリクエスト信号に応答してIDコードを含む応答信号を送信する携帯機と、
車両の各ドアに設けられ、携帯機に対してリクエスト信号を送信する複数の送信機と、
送信機から送信されたいずれかのリクエスト信号に応答して、携帯機から応答信号が返送されたとき、その応答信号を受信する受信機と、
応答信号に含まれるIDコードが、予め登録されたIDコードと所定の関係を有する場合に、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する制御部とを備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、
送信機が設けられたドア位置に応じて、各送信機からのリクエスト信号の送信頻度を異ならせる送信機制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
一般的には、携帯機の保持者は運転席用のドアから車両に乗車する場合が多い。このように、携帯機と通信を行なうのは、特定の送信機に偏る傾向がある。そのため、請求項1に記載したように、送信機が設けられたドア位置に応じて、各送信機からのリクエスト信号の送信頻度を異ならせることにより、操作性を悪化することなく、消費電力の低減を図ることができる。
【0013】
請求項2に記載した車両ドア遠隔操作システムは、
リクエスト信号を受信するとともに、そのリクエスト信号に応答してIDコードを含む応答信号を送信する携帯機と、
車両の各ドアに設けられ、携帯機に対してリクエスト信号を送信する複数の送信機と、
送信機から送信されたいずれかのリクエスト信号に応答して、携帯機から応答信号が返送されたとき、その応答信号を受信する受信機と、
応答信号に含まれるIDコードが、予め登録されたIDコードと所定の関係を有する場合に、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する制御部とを備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、
受信機が携帯機からの応答信号を受信した際に、当該携帯機が応答したリクエスト信号を送信した送信機を特定することにより、複数の送信機毎の使用実績を記録する記録手段と、
記録手段に記録された複数の送信機毎の使用実績に基づいて、複数の送信機の各々の使用頻度を判定し、相対的に使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度を、相対的に使用頻度の高い送信機からのリクエスト信号の送信頻度よりも低くする送信機制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
携帯機の保持者が車両に乗車するために車両に接近する場合、自ら車両を運転するのであれば運転席のドアに向かい、同乗するのであれば、助手席もしくは、後席のどちらかのドアに向かう。このとき、携帯機の保持者がいずれのドアに向かうかは、各保持者ごとにほぼ同様な傾向となる。このため、請求項2に記載の車両ドア遠隔操作システムでは、各ドアに設けられた送信機毎の携帯機との相互通信に関する使用実績を記録する。そして、この使用実績に基づいて、複数の送信機の各々の使用頻度を判定し、相対的に使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度を、相対的に使用頻度の高い送信機からのリクエスト信号の送信頻度よりも低くする。
【0015】
これにより、携帯機の保持者が、車両に乗車するために普段使用するドアに接近した場合には、送信機から高い送信頻度でリクエスト信号が出力されているので、携帯機と送信機との間で即座に通信が行ない得る。従って、携帯機の保持者が車両に乗車する際の操作性の悪化を防止できる。一方、使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度は低下されているので、消費電力を低減することができる。
【0016】
使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度を、使用頻度の高い送信機からのリクエスト信号の送信頻度よりも低くする例として、請求項3に記載したように、使用頻度の高い送信機から第1の間隔でリクエスト信号を送信させ、使用頻度の低い送信機からは、第1の間隔よりも長い第2の間隔でリクエスト信号を送信させても良い。あるいは、請求項4に記載したように、使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の出力を停止させても良い。
【0017】
請求項5に記載したように、車両の各ドアに、携帯機のユーザによって操作される操作部材を設け、携帯機から応答信号を受信することなく、当該操作部材が操作されたことが検出されたとき、送信機制御手段は、その操作部材が設けられたドアに対応する送信機から、即座にリクエスト信号を送信させることが好ましい。
【0018】
携帯機の保持者が、普段使用するドア以外のドアから車両に乗車する可能性も全くないわけではない。この場合、送信機からのリクエスト信号の送信頻度が低いと、携帯機の保持者が接近したことを検知できない可能性がある。そのため、上述した構成を採用することにより、少なくとも、携帯機の保持者が車両のドアに達した時点で、携帯機と送信機との相互通信を開始させることができる。
【0019】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項6に記載の車両ドア遠隔操作システムは、携帯機と車両側ユニットとからなり、当該携帯機からの信号の受信に基づいて、車両側ユニットが車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御するものであって、
携帯機は、ユーザの操作に基づいて第1の信号を送信するとともに、車両側ユニットから送信されたリクエスト信号を受信したとき、それに応答して第2の信号を送信するものであり、
車両側ユニットは、
携帯機に対して周期的に前記リクエスト信号を送信する送信機と、
携帯機から出力される第1および第2の信号を受信する受信機であって、第1の信号を受信するために、所定の時間間隔で信号受信可能状態とされ、かつ第2の信号を受信するために、リクエスト信号の送信に同期して信号受信可能状態とされる受信機と、
ユーザが車両の各ドアのロック・アンロック状態を操作するために、第1の信号と第2の信号のいずれを使用したかに関する使用実績を記録する記録手段と、
記録手段に記録された使用実績に基づいて、第1の信号を受信するために受信機が信号受信可能状態となる作動頻度と、リクエスト信号の送信及び第2の信号の受信のために、送信機によるリクエスト信号の送信頻度及び受信機が信号受信可能状態となる作動頻度とのいずれか一方を減少する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
上述した構成により、携帯機と車両側ユニットとの双方向通信によって、各ドアのロック・アンロック状態を制御する機能に加え、携帯機に設けられたスイッチを保持者が操作することによって、各ドアのロック・アンロック状態を切り換え可能な機能をともに備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、使用頻度の低い機能に関する車両側ユニットの動作が抑制できるので、消費電力の低減に寄与できる。
【0021】
なお、請求項7に記載の車両ドア遠隔操作システムの作用・効果は、上述した請求項5とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。図1は、本実施形態による車両ドア遠隔操作システムの全体の構成を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態における車両ドア遠隔操作システムは、携帯機(電子キー)1と車両側ユニットとして設けられた電子キーECU4との双方向通信によるIDコードの照合結果を基に、電子キーECU4が各ドアのロック・アンロック状態を制御する。なお、電子キーECU4は、車両10のセキュリティ性を向上するために、ステアリングロック状態の制御、さらに車両10のエンジン始動の許可・禁止状態の制御も行なう。
【0023】
図1に示すように、車両10には、各ドア11〜14に車室外送信機2a〜2dが設けられ、車室内に車室内送信機2eが設けられている。これらの車室外送信機2a〜2d及び車室内送信機2eは、電子キーECU4からの送信信号に基づいてリクエスト信号(質問信号)を発信する。なお、電子キーECU4は、車両10のエンジンが停止され、かつ各ドア11〜14がロックされた状態で駐車されている場合に、車室外送信機2a〜2dに対してリクエスト信号の送信を指示する。そのリクエスト信号の到達距離は、例えば0.7〜1.0m程度に設定される。従って、車両10の駐車時には、そのリクエスト信号の到達距離に応じた検知エリアが車両10の各ドア11〜14の周囲に形成され、携帯機1の保持者が車両10に接近したことを検知できるようにしている。
【0024】
また、車室内送信機2eによる検知エリアは、運転席のドア11の開閉時、エンジンの始動時、後述するドアロックスイッチによるドアのロック時等に形成され、車室内に携帯機1があるかどうかを検知する。
【0025】
携帯機1は、車室外送信機2a〜2dあるいは車室内送信機2eからのリクエスト信号を受信し、このリクエスト信号に応答して、IDコード等を含むレスポンス信号(応答信号)を出力する送受信回路を備えている。
【0026】
ここで、車室外送信機2a〜2dあるいは車室内送信機2eと携帯機1間で行なわれる通信について説明する。なお、以下の説明では、携帯機1が車室外送信機2aと通信する場合を例として説明する。
【0027】
通信が開始される以前は、携帯機1の送受信回路は、スリープ状態にある。そのため、車室外送信機2aは、携帯機1の送受信回路をウエイクアップさせるための第1のリクエスト信号を送信する。携帯機1は、この第1のリクエスト信号によってウエイクアップし、第1の応答信号としてアクノリッジ信号(以下、ACK信号)を返送する。後述する受信機3がACK信号を受信すると、車室外送信機2aは、第2のリクエスト信号として、車両ごとに異なる車両IDコードを含む信号を送信する。携帯機1は、送信された車両IDコードと同様の車両IDコードを有している場合に、第2の応答信号として、再度ACK信号を返送する。
【0028】
受信機3が車両IDコードに対するACK信号を受信すると、車室外送信機2aは、第3のリクエスト信号として、各送信機ごとに異なるコードを含む信号を送信する。携帯機1は、この信号に含まれるコードを利用してレスポンスコードを作成し、IDコードとともに第3のレスポンス信号として送信する。なお、車室外送信機2aが第1及び第2のリクエスト信号を送信したときに、携帯機1からACK信号が返送されないと、検知エリア内に携帯機1は存在しないとみなして、通信を終了する。
【0029】
上述したように、レスポンスコードは、送信機ごとに異なるコードを利用して作成されるので、電子キーECU4は、このレスポンスコードから、携帯機1がいずれの送信機からのリクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信したかを把握できる。
【0030】
受信機3は、車両10の車室内に設けられ、携帯機1から送信されたレスポンス信号を受信する。受信機3が受信したレスポンス信号は、受信信号として電子キーECU4に出力される。電子キーECU4は、この受信したレスポンス信号に含まれるIDコードが、予め登録されているIDコードと一致するか等、所定の関係を満足するか否かを判別する(IDコードの照合)。
【0031】
車両10の各ドア11〜14には、その各ドア11〜14をロック、アンロックしたり、ロックされているが、携帯機1の保持者がドアアウトサイドハンドル(以下、ドアハンドル)に触れることによってアンロック可能なアンロックスタンバイ状態に設定したりするドアECU5a〜5dが設けられている。このドアECU5a〜5dは、電子キーECU4からの指示信号に応じて動作する。
【0032】
すなわち、電子キーECU4において、受信したIDコードと登録IDコードとが所定の関係を満足したと判別されると(IDコードの照合OK)、電子キーECU4は、レスポンスコードから携帯機1の保持者の位置を判別する。そして、携帯機1の保持者の位置が車外である場合には、その位置に該当するドアのロックをアンロックスタンバイ状態にするように、対応するドアECU5a〜5dに指示信号を与える。この指示信号に基づいて、指示信号を受けた何れか1つのドアECU5a〜5dは、対応するドア11〜14をアンロックスタンバイ状態に設定する。
【0033】
例えば、ドアECU5aのドア11に対応する位置に携帯機1の保持者が居る場合、ドアECU5aがドア11をアンロックスタンバイ状態にする。なお、このとき、ドアECU5a以外のドアECU5b〜5dに対応するドア12〜14は、ロック状態に維持されたままである。
【0034】
車両10の各ドア11〜14のドアハンドル6a〜6dには、タッチセンサ6a1〜6d1が設けられており、携帯機1の保持者が、ドアハンドル6a〜6dに触れたことを検出することが可能である。また、ドアハンドル6a〜6dには、プッシュスイッチとして構成されたドアロックスイッチ6a2〜6d2も設けられており、IDコードの照合が完了している場合、このドアロックスイッチ6a2〜6d2を操作すると、各ドア11〜14をロックすることができる。また、ドアハンドル6a〜6dは、上述した車室外送信機2a〜2dのアンテナとしての役割も果たしている。
【0035】
電子キーECU4からの指示信号に基づいて、ドアECU5a〜5dの何れか1つが、対応するドア11〜14をアンロックスタンバイ状態に設定した時に、タッチセンサ6a1〜6d1によって携帯機1の保持者がドアハンドル6a〜6dに触れたことが検出されると、その情報を電子キーECU4に送信する。そして、電子キーECU4は、全てのドア11〜14をアンロックする。すなわち、携帯機1の保持者がドアを開けるための開扉動作を行なうと、自動的に全てのドア11〜14がアンロックされる。
【0036】
具体的には、ドア11がアンロックスタンバイ状態となっているときに、ドア11に設けられたタッチセンサ6a1に触れたことが検出されると、全てのドア11〜14がアンロックされる。ただし、ドア11がアンロックスタンバイ状態であるときは、他のドア12〜14はロック状態のままであるため、タッチセンサ6b1〜6d1が携帯機1を保持していない他の乗員等によって触られたとしても、ドア11〜14はアンロックされない。
【0037】
なお、携帯機1の保持者による開扉動作の検出は、タッチセンサ6a1〜6d1によらず、ドアハンドル6a〜6dが手前に引かれたことを機械的に検出する検出機構等を用いても良い。また、ドアハンドルに、アンロックボタンを設置し、このアンロックボタンの操作により、開扉動作の開始を検出しても良い。また、IDコードの照合がOKとなったとき、すべてのドアにおいて、アンロックスタンバイ状態に設定しても良い。
【0038】
本実施形態による車両ドア遠隔操作システムは、車両10のセキュリティ性を向上するため、ステアリングロックECU7及びエンジンECU8を備えている。これらのステアリングロックECU7及びエンジンECU8も、電子キーECU4からの指示信号に基づいて、ステアリングロックをオン・オフしたり、車両のエンジンの始動の許可・禁止を切換制御する。
【0039】
すなわち、ドアを開閉して携帯機1の保持者が車両10に乗車すると、電子キーECU4は、車室内に設けられた車室内送信機2e及び受信機3を用いて携帯機1との間で双方向通信を行ない、再度、IDコードの照合を行なう。一方、予め車両に設けられているエンジンスイッチが操作されると、ステアリングロックECU7がステアリングロックを解除しても良いかを電子キーECU4に確認する。電子キーECU4は、IDコードの照合の結果がOKである場合には、ステアリングロックECU7に対してステアリングロックの解除を許可する応答を行ない、ステアリングロックECU7は、その応答に基づいてステアリングロックをアンロックする。このとき、電子キーECU4は、同時に、エンジンECU8に対してエンジンの始動禁止を解除するように指示信号を出力する。このようにして、携帯機1の保持者は、携帯機1を手に取ることなく、ドアのアンロックによる乗車からエンジンの始動までを行なうことができる。
【0040】
一方、車両10が停車し、エンジンスイッチがオフされた後に携帯機1の保持者が降車し、ドアハンドル6a〜6dに設けられたドアロックスイッチ6a2〜6d2の何れか1つが操作されたことを検知すると、電子キーECU4は、各ドアECU5a〜5dに対して車両の各ドア11〜14をロックするように指示信号を出力する。このドアロックと同時に、電子キーECU4は、エンジンECU8に対してエンジンを始動禁止状態に設定するよう指示する。
【0041】
なお、携帯機1の保持者による各ドア11〜14のロックは、上述したドアロックスイッチ6a2〜6d2によらず、例えばドアロック用のタッチセンサを設ける等、他の手段によって行なうようにしても良い。
【0042】
このように、本実施形態における電子キーシステムは、携帯機1を保持しているのみで、ドアのロック・アンロック及び車両のセキュリティの設定・解除を自動的に行なうことができる。
【0043】
次に、上述した本実施形態の車両ドア遠隔操作システムにおいて、車両が駐車されたときに実施される処理について、図2のフローチャートに基づいて説明する。なお、図2のフローチャートは、車両のエンジンが停止され、かつ各ドアがロックされたとき、車両が駐車されたものとみなして、その処理が開始される。
【0044】
まず、図2のステップS10では、設定されているパターン・周期で各送信機2a〜2dからリクエスト信号を送信させる。すなわち、各送信機2a〜2dのリクエスト信号の送信パターン又は送信周期は、ドア位置に応じて異なる送信頻度でリクエスト信号が送信されるように、初期設定され、及び/又は、後述するステップS70において使用実績を考慮して、その設定が変更される。
【0045】
図3及び図4は、各送信機2a〜2dごとにリクエスト信号の送信頻度を異ならせた場合の、各送信機2a〜2dからリクエスト信号が送信されるタイミングを例示している。図3及び図4いずれの場合も、送信頻度の低いリクエスト信号の間隔は、少なくとも1部において、送信頻度の高いリクエスト信号の間隔よりも長くされている。
【0046】
図3に示す例では、使用頻度が最も高いドア位置(通常は運転席:D席)に設けられた送信機2aから基本となる所定周期でリクエスト信号を送信させている。一方、使用頻度が相対的に低いドア位置(通常は、助手席:P席、運転席の後席:DR席、助手席の後席:PR席)に設けられた送信機2b〜2dからは、基本周期ごとの送信タイミングにおいて、所定数毎にリクエスト信号を間引きすることにより、送信頻度を低下させている。このように、各送信機2a〜2bからのリクエスト信号の送信パターンを変更することで、リクエスト信号の送信頻度を異ならせることができる。
【0047】
図4に示す例では、送信機2a〜2dから、異なる送信周期でリクエスト信号の送信を行なわせるものである。このように、リクエスト信号の送信周期を変更することによっても、リクエスト信号の送信頻度を異ならせることができる。
【0048】
上述したように、初期設定において、各送信機2a〜2dが設けられたドア位置に応じて異なる送信頻度でリクエスト信号が送信されるように、各送信機2a〜2dにおけるリクエスト信号の送信パターン又は送信周期が設定されることが好ましい。一般的に、運転席に設けられる送信機2aの使用頻度が最も高いと考えられる。従って、予め運転席に設けられた送信機2aから最も高い送信頻度でリクエスト信号を送信させつつ、他の送信機2b〜2dの送信頻度を低下させる。これにより、車両の使用開始当初から、操作性の悪化を防止しつつ、車両側ユニットにおける消費電力の低減を図ることができる。
【0049】
ただし、ユーザ(携帯機1の保持者)によって車両ドア遠隔操作システムの使用態様は異なるので、初期設定として、各送信機1からのリクエスト信号の送信頻度を均等にしておいても良い。この場合、各ユーザの使用実績のみに基づいて、各送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信パターン又は送信周期が変更される。
【0050】
ステップS20では、各送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信に同期して、受信機3が所定期間、携帯機1からのレスポンス信号を受信可能な作動状態とされる。なお、受信機3が作動状態とされる所定期間は、上述したACK信号を受信するのに必要となる比較的短い時間に設定される。ただし、ACK信号が受信された場合には、受信機3の作動時間が延長され、携帯機1からIDコードを含むレスポンス信号の受信を可能としている。
【0051】
ステップS30では、携帯機1からレスポンス信号を受信したか否かを判定する。この判定処理では、上述したIDコード及びレスポンスコードを含む第3のレスポンス信号を受信したときに、レスポンス信号を受信したと判定する。そして、ステップS40では、レスポンス信号の受信に基づく各種の制御を実行する。すなわち、上述したように、電子キーECU4は、ドアECU5a〜5d、ステアンリングECU7及びエンジンECU8に指示信号を出力し、ドアロックの解除、ステアリングロックの解除、及びエンジンの始動許可等の制御を実行させる。
【0052】
ステップS50では、このレスポンス信号に含まれるレスポンスコードから、携帯機1がいずれの送信機2a〜2dからのリクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信したかを特定し、電子キーECU4内のメモリに各送信機2a〜2dの使用実績として記録する。続くステップS60では、所定個数以上の使用実績データに基づいて、使用回数(使用頻度)の多い順に順位付けを行ない、その順位に応じて、各送信機2a〜2dの望ましい送信パターン又は送信周期を算出する。この場合、相対的に使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度が、相対的に使用頻度の高い送信機からのリクエスト信号の送信頻度よりも低くなるように、送信パターン又は送信周期を算出する。
【0053】
具体的には、例えば、最も使用頻度の高い送信機からの送信頻度を最も高くし、その他の送信機からの送信頻度を一律に低減しても良い。また、最も使用頻度の高い送信機から最も使用頻度の低い送信機にかけて、序々に送信頻度が低下するように、送信パターン又は送信頻度を算出しても良い。さらには、相対的に使用頻度の低い送信機からの送信を停止させても良い。
【0054】
ステップS70では、ステップS60にて算出した各送信機2a〜2dの望ましい送信パターン又は送信周期が、現状の送信パターン又は送信周期と同一であるか否かを判定する。このステップS70の処理において同一と判定された場合には、送信パターン又は送信周期を変更する必要はないので、図2のフローチャートの処理を終了する。一方、ステップS70の処理において異なると判定された場合には、ステップS80に進んで、各送信機2a〜2dのリクエスト信号の送信パターン又は送信周期を、ステップS60にて算出した送信パターン又は送信周期に変更する。このようにして送信パターン又は送信周期が変更されると、それ以後、ステップS10でのリクエスト信号の送信は、変更された送信パターン又は送信周期に従ってなされる。
【0055】
ユーザ(携帯機1の保持者)が車両10に乗車するために車両10に接近する場合、いずれのドア11〜14に接近するかは、各ユーザごとにほぼ同様な傾向となる。従って、使用頻度の高いドア位置の送信機2a〜2dの送信頻度を高めておくことにより、携帯機1の保持者が、車両10に乗車するために普段使用するドア11〜14に接近した場合には、携帯機1と送信機2a〜2dとの間で即座に通信が行ない得る。従って、携帯機1の保持者が車両10に乗車する際の操作性の悪化を防止できる。一方、使用頻度の低い送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信頻度は低下されているので、車両側ユニットにおける消費電力を低減することができる。
【0056】
なお、使用頻度の低い送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信頻度を低下又は停止させた場合、携帯機1の保持者が車両10のドアハンドル6a〜6dに触れるまでに、携帯機1と送信機2a〜2dとが通信できない場合がありえる。このため、携帯機1からレスポンス信号を受信することなく、ドアハンドル6a〜6dが操作されたことをタッチセンサ6a1〜6d1によって検出したとき、そのドアハンドル6a〜6dが設けられたドア11〜14に対応する送信機2a〜2dから、即座にリクエスト信号を送信させることが好ましい。
【0057】
携帯機1の保持者が、普段使用するドア11〜14以外のドア11〜14から車両10に乗車する可能性も全くないわけではない。この場合、送信機2a〜2dからのリクエスト信号の送信頻度が低下されていると、送信機2a〜2dと携帯機1との相互通信によって携帯機1の保持者が接近したことを検知できない可能性が生じる。このような問題に対して、上述した構成を採用することにより、少なくとも、携帯機1の保持者が車両10のドアハンドル6a〜6dに触れた時点で、携帯機1と送信機2a〜2dとの相互通信を開始させることができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。まず、本実施形態による車両ドア遠隔操作システムと、上述した第1実施形態による車両ドア遠隔操作システムとの構成上の相違点に関して、図5のブロック図に基づいて説明する。
【0059】
図5に示すように、携帯機1は、車両側ユニットに対して、ワイヤレスキー信号を送信するための操作スイッチSW1aを有している。すなわち、本実施形態における車両ドア遠隔操作システムは、携帯機1と車両側ユニットとの双方向通信によるIDコードの照合結果をもとに、各ドア11〜14のロック・アンロック状態を制御する機能(いわゆる、スマートキー機能)に加え、携帯機1に設けられた操作スイッチSW1aを保持者が操作することによって、各ドア11〜14のロック・アンロック状態を切り換え可能な機能(いわゆる、ワイヤレスキー機能)をともに備える。
【0060】
操作スイッチSW1aの操作によって送信されるワイヤレスキー信号、及び車室外送信機2a〜2dからのリクエスト信号に応答して送信されるレスポンス信号は、ともにRF(radio frequency)信号からなり、共通の受信機3によって受信される。その他の構成については、上述した第1実施形態による車両ドア遠隔操作システムと同様である。
【0061】
受信機3は、これらのワイヤレスキー信号及びレスポンス信号を受信するために、周期的に信号受信可能状態に設定される。ただし、ワイヤレスキー信号には、IDコード信号が含まれるのに対し、レスポンス信号として、第1実施形態において説明したように、当初はACK信号が送信されるだけである。このため、受信機3がワイヤレスキー信号を受信するために信号受信可能状態に設定される時間間隔は、レスポンス信号を受信するために信号受信可能状態に設定される時間間隔よりも長い。さらに、ワイヤレスキーの場合、携帯機1の保持者によってスイッチSW1aの操作がいつ行なわれようとも、そのスイッチ操作によるワイヤレスキー信号を受信する必要がある。このため、車両側ユニットは、少なくとも所定の間隔で受信機3を信号受信可能状態にする必要がある。従って、受信機3において、ワイヤレスキー信号を受信可能とするために、比較的大きな消費電力が必要となる。
【0062】
ここで、車両ドア遠隔操作システムが上述した両機能を備えていても、ユーザは、そのどちらか一方の機能しか使わないことが多い。このため、ワイヤレスキー機能をほとんど使用しないユーザの場合、ワイヤレスキー信号受信のために、受信機3において比較的大きな電力が無駄に消費されていることになる。逆に、スマートキー機能をほとんど使用しないユーザの場合、リクエスト信号の送信及びレスポンス信号の受信のために、車室外送信機2a〜2d及び受信機3において無駄な電力が消費されることになる。
【0063】
そこで、本実施形態では、スマートキー機能及びワイヤレスキー機能の使用実績に基づいて、使用頻度の低い機能のための、車室外送信機2a〜2d及び受信機3の作動頻度を低下させることとした。
【0064】
次に、本実施形態の車両ドア遠隔操作システムにおいて、車両が駐車されたときに実施される処理について、図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップS110において、設定されている送信パターンで各送信機2a〜2dからリクエスト信号を送信させる。各送信機2a〜2dのリクエスト信号は、初期設定によって所定の送信パターンで送信されるように設定される。その後、スマートキー機能の使用実績に基づいて、その初期設定が変更される。なお、スマートキー機能の使用実績がほとんどない場合には、リクエスト信号の送信が停止される場合もある。
【0065】
ステップS120では、設定されている受信パターンに従って、受信機3を信号受信可能な作動状態とする。ステップS130では、携帯機1からのレスポンス信号又はワイヤレスキー信号を受信したか否かを判定する。レスポンス信号に関しては、上述した第1実施形態と同様に、IDコード及びレスポンスコードを含む第3のレスポンス信号を受信したときに、レスポンス信号を受信したと判定する。一方、ワイヤレスキー信号には、当初からIDコードが含まれており、受信機3が信号受信可能状態とされたときに受信した信号を解読し、その信号がワイヤレスキー信号とみなされる場合、ワイヤレスキー信号の受信と判定する。
【0066】
ステップS140では、レスポンス信号の受信であるか、ワイヤレス信号の受信であるかに応じて、対応する各種の制御を実行する。レスポンス信号受信時の制御は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。一方、ワイヤレスキー信号の受信時には、電子キーECU4は、ドアECU5a〜5dに対してワイヤレスキー信号の受信を示す信号を出力する。すると、ドアECU5a〜5dは、現在のドアのロック・アンロック状態を反転させるように、各ドアのロック・アンロック状態を制御する。
【0067】
なお、携帯機1がロック操作スイッチとアンロック操作スイッチを備える場合もある。この場合、どちらのスイッチが操作されたかを識別可能な信号を電子キーECU4からドアECU5a〜5dに出力し、ドアECU5a〜5dは、各ドアのロック・アンロック状態が、スイッチによって操作された状態となるように制御すれば良い。
【0068】
次に、ステップS150では、電子キーECU4内のメモリに、スマートキー機能が使用されたのか、それともワイヤレスキー機能が使用されたのかに関する使用実績を記録する。続くステップS160では、所定個数以上の使用実績データに基づいて、それぞれの使用回数(使用頻度)に応じた、送信機2a〜2d及び受信機3における送受信パターンを算出する。つまり、送信機2a〜2dがリクエスト信号を送信する作動タイミング、及び受信機3がレスポンス信号及びワイヤレスキー信号を受信するために信号受信可能状態となる作動タイミングを算出する。
【0069】
図7(a)〜(c)は、それぞれ、受信機3がレスポンス信号及びワイヤレスキー信号を受信するために信号受信可能状態となる作動タイミングを例示するものである。具体的には、図7(a)に示す受信パターンは、例えば初期設定として使用されるもので、比較的長い時間、受信機3を信号受信可能状態として、ワイヤレスキー信号及びレスポンス信号を所定間隔毎に受信可能とする。なお、車室外送信機2a〜2dは、受信機3が信号受信可能状態となるのに同期して、リクエスト信号の送信を行なう。
【0070】
図7(b)に示す受信パターンは、スマートキー機能の使用頻度に比較して相対的にワイヤレスキー機能の使用頻度が低い場合に使用される。すなわち、受信パターンとして、ワイヤレスキー信号とレスポンス信号とをともに受信可能な状態と、レスポンス信号(ACK信号)のみを受信可能な状態とが、交互に繰り返される。なお、受信機3がACK信号を受信した場合には、携帯機1からIDコードを含むレスポンス信号を受信するために、受信機3の作動時間が延長される。
【0071】
図7(c)に示す受信パターンは、例えば、ワイヤレスキー機能がほとんど使用されていないとみなされる場合に使用される。図7(c)では、受信機3の受信パターンは、レスポンス信号(ACK信号)のみを受信可能な状態のみからなる。
【0072】
なお、図7(b)、(c)では、ワイヤレスキー機能の使用頻度が低い場合の受信機3における受信パターンを例示したが、逆にスマートキー機能の使用頻度が低い場合には、車室外送信機2a〜2dのリクエスト信号の送信頻度が低下するように、送信パターンが算出される。
【0073】
ステップS160では、このようにして、スマートキー機能とワイヤレスキー機能との使用実績に応じた車室外送信機2a〜2d及び受信機3の送受信パターンを算出するのである
次に、ステップS170では、ステップS150にて算出した車室外送信機2a〜2d及び受信機3の送受信パターンと、現状の送受信パターンとが同一であるか否かを判定する。このステップS170の処理において同一と判定された場合には、送受信パターンを変更する必要はないので、図6のフローチャートの処理を終了する。一方、ステップS170の処理において異なると判定された場合には、ステップS180に進んで、車室外送信機2a〜2d及び受信機3の送受信パターンを、ステップS160にて算出した送受信パターンに変更する。
【0074】
上述した構成及び処理により、携帯機1と車両側ユニットとの双方向通信によって、各ドア11〜14のロック・アンロック状態を制御するスマートキー機能に加え、携帯機1に設けられたスイッチ1aを保持者が操作することによって、各ドア11〜14のロック・アンロック状態を切り換え可能なワイヤレスキー機能をともに備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、使用頻度の低い機能に関する車両側ユニットの動作が抑制できるので、消費電力の低減に寄与できる。
【0075】
なお、スマートキー機能の作動頻度を低下する場合に備えて、上述した第1実施形態と同様に、携帯機1からレスポンス信号を受信することなく、ドアハンドル6a〜6dが操作されたことをタッチセンサ6a1〜6d1によって検出したとき、そのドアハンドル6a〜6dが設けられたドア11〜14に対応する送信機2a〜2dから、即座にリクエスト信号を送信させることが好ましい。
【0076】
以上、本発明による好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0077】
例えば、上述した第1実施形態による制御処理と第2実施形態による制御処理とは、組み合わせて実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施形態による車両ドア遠隔操作システムの全体の構成を示す構成図である。
【図2】第1実施形態の車両ドア遠隔操作システムにおいて、車両が駐車されたときに実施される処理を示すフローチャートである。
【図3】各送信機2a〜2dごとにリクエスト信号の送信頻度を異ならせた場合の、各送信機2a〜2dからリクエスト信号が送信されるタイミングを例示するタイムチャートである。
【図4】各送信機2a〜2dごとにリクエスト信号の送信頻度を異ならせた場合の、各送信機2a〜2dからリクエスト信号が送信されるタイミングの別の例を示すタイムチャートである。
【図5】第2実施形態による車両ドア遠隔操作システムの構成を説明するための構成図である。
【図6】第2実施形態の車両ドア遠隔操作システムにおいて、車両が駐車されたときに実施される処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)〜(c)は、それぞれ、受信機3がレスポンス信号及びワイヤレスキー信号を受信するために信号受信可能状態となる作動タイミングを例示するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1…携帯機
2a〜2d…車室外送信機
2e…車室内送信機
3…受信機
4…電子キーECU
5a〜5d…ドアECU
6a〜6d…ドアハンドル
6a1〜6d1…タッチセンサ
6a2〜6d2…ドアロックスイッチ
7…ステアリングロックECU
8…エンジンECU
10…車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクエスト信号を受信するとともに、そのリクエスト信号に応答してIDコードを含む応答信号を送信する携帯機と、
車両の各ドアに設けられ、前記携帯機に対してリクエスト信号を送信する複数の送信機と、
当該送信機から送信されたいずれかのリクエスト信号に応答して、前記携帯機から応答信号が返送されたとき、その応答信号を受信する受信機と、
前記応答信号に含まれるIDコードが、予め登録されたIDコードと所定の関係を有する場合に、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する制御部とを備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、
前記送信機が設けられたドア位置に応じて、各送信機からのリクエスト信号の送信頻度を異ならせる送信機制御手段を備えることを特徴とする車両ドア遠隔操作システム。
【請求項2】
リクエスト信号を受信するとともに、そのリクエスト信号に応答してIDコードを含む応答信号を送信する携帯機と、
車両の各ドアに設けられ、前記携帯機に対してリクエスト信号を送信する複数の送信機と、
当該送信機から送信されたいずれかのリクエスト信号に応答して、前記携帯機から応答信号が返送されたとき、その応答信号を受信する受信機と、
前記応答信号に含まれるIDコードが、予め登録されたIDコードと所定の関係を有する場合に、車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する制御部とを備える車両ドア遠隔操作システムにおいて、
前記受信機が携帯機からの応答信号を受信した際に、当該携帯機が応答したリクエスト信号を送信した送信機を特定することにより、前記複数の送信機毎の使用実績を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記複数の送信機毎の使用実績に基づいて、前記複数の送信機の各々の使用頻度を判定し、相対的に使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信頻度を、相対的に使用頻度の高い送信機からのリクエスト信号の送信頻度よりも低くする送信機制御手段とを備えることを特徴とする車両ドア遠隔操作システム。
【請求項3】
前記送信機制御手段は、使用頻度の高い送信機から第1の間隔で前記リクエスト信号を送信させ、使用頻度の低い送信機からは、前記第1の間隔よりも長い第2の間隔でリクエスト信号を送信させることを特徴とする請求項2に記載の車両ドア遠隔操作システム。
【請求項4】
前記送信機制御手段は、使用頻度の低い送信機からのリクエスト信号の送信を停止させることを特徴とする請求項2に記載の車両ドア遠隔操作システム。
【請求項5】
前記車両の各ドアには、前記携帯機のユーザによって操作される操作部材が設けられ、前記携帯機から応答信号を受信することなく、当該操作部材を操作したことが検出されたとき、前記送信機制御手段は、その操作部材が設けられたドアに対応する送信機から、即座に前記リクエスト信号を送信させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両ドア遠隔操作システム。
【請求項6】
携帯機と車両側ユニットとからなり、当該携帯機からの信号の受信に基づいて、車両側ユニットが車両の各ドアのロック・アンロック状態を制御する車両ドア遠隔操作システムであって、
前記携帯機は、ユーザの操作に基づいて第1の信号を送信するとともに、前記車両側ユニットから送信されたリクエスト信号を受信したとき、それに応答して第2の信号を送信するものであり、
前記車両側ユニットは、
前記携帯機に対して周期的に前記リクエスト信号を送信する送信機と、
前記携帯機から出力される第1および第2の信号を受信する受信機であって、前記第1の信号を受信するために、所定の時間間隔で信号受信可能状態とされ、かつ前記第2の信号を受信するために、前記リクエスト信号の送信に同期して信号受信可能状態とされる受信機と、
ユーザが車両の各ドアのロック・アンロック状態を操作するために、前記第1の信号と第2の信号のいずれを使用したかに関する使用実績を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された使用実績に基づいて、前記第1の信号を受信するために前記受信機が信号受信可能状態となる作動頻度と、前記リクエスト信号の送信及び前記第2の信号の受信のために、前記送信機によるリクエスト信号の送信頻度及び前記受信機が信号受信可能状態となる作動頻度とのいずれか一方を減少する制御手段とを備えることを特徴とする車両ドア遠隔操作システム。
【請求項7】
前記車両の各ドアには、前記携帯機のユーザによって操作される操作部材が設けられ、前記携帯機から第2の信号を受信することなく、当該操作部材を操作したことが検出されたとき、前記制御手段は、前記送信機から、即座に前記リクエスト信号を送信させることを特徴とする請求項6に記載の車両ドア遠隔操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−28838(P2006−28838A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207625(P2004−207625)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】