説明

車両ネットワークに属するソースノードと宛先ノードとの間の通信方法

本発明は、移動中のソースノード(10)と宛先ノード(20)との間の通信方法に関する。本方法は、宛先ノードによって実装された、ソースノードから送信されたパケットを受信するステップであって、前記パケットがソースノードに関する最新の移動情報を含むステップと、また、ソースノードに向かうことになっている少なくとも1つの応答パケットをルーティングするために、以前そこから受信した前記パケットに含まれるソースノードに関連する最新の移動情報からソースノードの位置の地理的ゾーンを予測するステップであって、このように予測された地理的ゾーンが宛先地理的ゾーンとされるステップと、他のパケットを宛先地理的ゾーンに送信する少なくとも1つのステップであって、もう一方のパケットが前記応答パケットおよび宛先地理的ゾーンを含み、必要に応じて車両ネットワークに属する少なくとも1つの中間ノードを介して移動するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースノードと宛先ノードとの間の通信技法であって、両ノードが車両ネットワークに属し、およびネットワーク内のパケットをルーティングするように構成され、ソースノードが移動中である通信技法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野は、車両ネットワーク分野である。車両ネットワークは、アドホックハイブリッドモバイルネットワークの特定の形式である。このようなネットワークでは、モバイルノードは、無線リンクを介して相互に、および通信ネットワークのインフラストラクチャに属する固定アクセスポイントと通信する。固定アクセスポイントは、通信ネットワークのオペレータによって、たとえば車道に沿って配備される。
【0003】
RFC2284によって包含される拡張可能認証プロトコル(EAP)は、クライアントがオペレータのインフラストラクチャ、およびオペレータが提供するサービスにアクセスできるようにするために、クライアントを認証するために使用される。サービスへのアクセスを認証および管理するこの方法により、モバイルノード、およびオペレータのインフラストラクチャへのアクセスポイントが直接通信中の場合、すなわちモバイルノードおよびアクセスポイントが互いの送信範囲内の場合、満足のいく結果が得られる。
【0004】
EAP認証の第1実装形態は、IEEE標準802.11iおよび802.16で指定された、OSIネットワーク参照モデルの第2層上に実装される。所与のクライアントにとってのオペレータのインフラストラクチャへのアクセスは、そのクライアントの認証の成功に続いてアンロックされる。しかし、EAPデータはデータリンク層においてカプセル化されているので、現在はモバイルノードがアクセスポイントの直接範囲内にない場合は認証されることができない。
【0005】
EAP認証の第2実装形態は、OSIネットワーク参照モデルの第3層上に実装される。これは、PANA(Protocol for carrying out Authentication for Network Access)として知られており、IETFによって標準化されている。このプロトコルの目的は、インターネットプロトコル(IP)を使用して、インフラストラクチャへのアクセスのためのクライアント認証ができるようにすることである。IP層上へのこの実装により、モバイルノードがアクセスポイントの直接範囲内にない場合、ルーティングプロトコルの恩恵を受けることができるようになり、したがってEAP認証が可能になる。この状況では、1つまたは複数の他のモバイルノードが、アクセスポイントへの中継器として働く。要求モバイルノードの送信範囲内の他のモバイルノードのうちの1つが、ネットワークへのエントリポイントとして働く。認証手順を実装するために、以下でアクセスコントローラと呼ばれる特定の役割がこの他のモバイルノードに割り当てられる。しかし、この実装形態は車両ネットワークに関連してさまざまな問題を引き起こす。アクセスコントローラは、クライアントのセキュリティパラメータへのアクセスを有する。車両ネットワークでは、アクセスコントローラがいわゆる信用できるノードであるとは限らない。さらに、PANAプロトコルは、認証を実装することに関連付けられる交換、およびそれに続く、アクセスコントローラを介して行われるべきインフラストラクチャとの交換を要求する。ノードの移動性が高い場合、認証されたモバイルノードは限られた時間のみアクセスコントローラの送信範囲内にとどまる。さらに、パケットをルーティングするために、ネットワークのルーティングテーブルおよびトポロジを管理するためのIPルーティングインフラストラクチャが車両ネットワーク内に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ルーティングおよびトポロジテーブルを設定することとは無関係に、同様にモバイルである他のノードを介して行われている可能性がある移動ノードとアクセスポイントとの間で交換して、通信ネットワークアクセスポイントによって移動ノードを認証できるようにする技法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、移動中のソースノードと宛先ノードとの通信方法を提案することによってこの要求に対処し、前記ノードは車両ネットワークに属してネットワーク内のパケットをルーティングするように構成されている。本方法は、宛先ノードによって実行される以下の諸ステップを含む:
・ソースノードに関する最新の移動情報をさらに含むソースノードによって送信されたパケットを受信するステップと、
また、少なくとも1つの応答パケットをソースノードにルーティングするために、
・そこから事前に受信した前記パケットに含まれるソースノードに関する最新の移動情報からソースノードの位置地理的領域を予測するステップであって、このように予測された地理的領域が宛先地理的領域であるとされるステップと、
・宛先地理的領域に、前記応答パケットおよび宛先地理的領域を含む他のパケットを送信して、必要に応じて、送信中に車両ネットワークの少なくとも1つの中間ノードを通過する、少なくとも1つのステップ。
【0008】
本発明は、移動ノードを認証する固定通信ネットワークアクセスポイントの問題から生じる点に留意されたい。本発明は、それでも移動ソースノードとどのような宛先ノードとの間の対話にも適用されうる。宛先ノードは固定でも移動でもよい。ソースノードによって送信され、ソースノードに関する最新の移動情報を含むパケットが、パケットの宛先ノードの地理的位置、すなわち地理的宛先領域に関する情報を使用して車両ネットワーク内にルーティングされる。このパケットは、さまざまな方法で宛先ノードにルーティングされうる。このパケットを受信すると、宛先ノードは受信した移動情報をソースノードと関連付ける。たとえば、移動情報は、ソースノードの地理的位置およびパケットが送信された時の速度を含む。その後、宛先ノードが応答パケットをソースノードに送信しなければならない場合、宛先ノードは、移動情報に基づいてソースノードが位置する可能性が高い地理的領域、パケットが受信されてから経過した時間、および現在の時刻を予測できる。次いで、パケットは宛先地理的領域であると予測された地理的領域にルーティングされる。したがって、この処理により複雑なルーティングまたは位置テーブルを構築およびアップデートすることを回避する。たとえば、ノードを認証する必要がある2つのノード間のプロトコル交換などの対話に特によく適している。OSI参照モデルの第2層上に直接実装されるので、ノードは認証される前にIP層にアクセスすることはできない。この実装形態は、マルチホップ接続、すなわちパケットが、パケットを中継する他のノードを介して2つのノード間にルーティングされる場合に同様に可能である。ソースノードと宛先ノードとの間には経路が作成されない。さらに、車両ネットワークでは、ノードが移動中なので経路は頻繁に修正されなければならず、これはネットワークのさまざまなノード間で大量のデータの交換を必要とする。これにより、頻繁な経路アップデートを回避する。さらに、本発明によるルーティングは日和見主義的なので、悪意のあるノードはパケットルーティングにほとんど影響を及ぼさない。
【0009】
この方法は、PANAプロトコルの実装に必要とされるものなどの、他のプロトコル交換にも特によく適している。さらに、道路交通事故、協調走行などに関するデータなどのデータを単発ベースで送信する場合にも、この方法が実装されうる。
【0010】
さらに、ソースノードによって送信されたパケット、および送信中に中間ノードを介して通過するもう一方のパケットについて、中間ノードによって以下の諸ステップが実行される:
・中間ノードが、中間ノードの最新の位置が、転送する前に自分の最新の位置を前記パケットに挿入した以前の中間ノードの位置よりも宛先地理的領域に近いかどうかを検証するテストステップ、および、
・そのテストが陽性の場合に限り、送信中のパケットを宛先地理的領域に転送するステップ。
【0011】
パケットを送信するそれぞれのソースまたは中間ノードが、自分の最新の位置を挿入する。ネットワーク内のルーティングされるべきパケットを中継または転送する状態を最適化するために、転送する前に、パケットを受信する中間ノードが以前のノードよりも宛先地理的領域に近いかどうかを検証する。より近くない場合、パケットを転送しても意味がない。したがって、パケットを受信する中間ノードのうちのいくつかだけがそれを転送するので、パケットの不要な送信によるネットワークの輻輳が回避される。パケットは、ソースノードによって送信されたパケット、または宛先ノードによって送信された応答パケットのどちらでも同様によい。
【0012】
さらに、ソースノードによって送信されたパケット(それぞれもう一方のパケット)が複数の中間ノードによって並列に受信され、それぞれの中間ノードがテストステップを実行し、必要に応じて複数の並列経路を介してパケット(それぞれもう一方のパケット)をルーティングするために、パケット(それぞれもう一方のパケット)を転送する。
【0013】
ソースノードまたは宛先ノードによって送信されたパケットは、車両ネットワークの構成に応じて場合によっては複数の並列経路を介してルーティングされるので、パケットがその宛先に到達する可能性がより高まる。
【0014】
さらに、送信中のパケットを宛先地理的領域に向かって転送するステップの前に、前記中間ノードが、基準方向と、中間ノードと宛先地理的領域との間の線との間の角度があらかじめ定められたしきい値未満かどうかをさらに検証する。
【0015】
基準方向と、中間ノードと宛先地理的領域との間の線との間の角度が決定される。この角度があらかじめ定められたしきい値未満である中間ノードだけが、パケットを転送する。このため、ネットワーク内のパケットのルーティングを最適化するためにパケットを転送する中間ノードの数が制限される。これによりパケットの不要な送信が回避され、ネットワークの輻輳が減る。
【0016】
ある特定の実施形態では、宛先ノードが、クライアントを認証するように構成されたエンティティに接続された通信ネットワークへのアクセスポイントであって、
・認証前に、ソースノードによってアクセスポイントに送信されたパケットが、アクセスポイントによってエンティティに転送され、また、
・認証後、そのアクセスポイントが、通信ネットワークにアクセスするために移動ノードを認証する。
【0017】
本明細書の文脈は、認証の成功に続いて通信ネットワークへのアクセスを認証している。この状況では、認証サーバによる認証の成功に続いて、アクセスポイントを介して通信ネットワークのリソースにアクセスするために、ソースノードが認証される。通信ネットワークのアクセスポイントにアクセスコントロールが実装され、したがって通信ネットワークが信用される。したがって、移動ノードに関するセキュリティ情報が、ネットワークアクセスポイントだけに提供される。移動ノードがアクセスポイントを変更できるようにするために、ネットワークメカニズムがネットワーク内に同様に実装されうる。
【0018】
本発明は、ネットワークの他のノードと通信するように構成された車両ネットワークのノードも提供し、以下のものを含む:
・他の移動ノードによって送信されたパケットを受信するための手段であって、前記パケットがもう一方のノードに関する最新の移動情報を含む手段と、
・応答パケットがルーティングされるべきもう一方の移動ノードの位置地理的領域を以前に受信したパケットに含まれる前記他のノードに関する最新の移動情報から予測するように構成された予測手段であって、このように予測された地理的領域が宛先地理的領域であるとされる予測手段と、
・応答パケットおよび宛先地理的領域を含む他のパケットを、宛先地理的領域に送信するための手段。
【0019】
本発明は、受信した、および宛先地理的領域に向かってルーティングされるべきパケットのために、ノードの最新の地理的位置が、以前の中間ノードの地理的位置よりも宛先地理的領域に近いことを検証するためのテスト手段をさらに含むノードに関する。
【0020】
本発明は、宛先地理的領域に応じてノードによってパケットがルーティングされる車両ネットワークも提供し、以下のものを含む:
・上述のように少なくとも1つのノードと、
・送信されるべきパケットに最新の移動情報を追加するように構成された、宛先ノードにパケットを送信するための手段を含む、少なくとも1つのモバイルソースノードと、
・受信された、および宛先地理的領域にルーティングされるべきパケットのための、ならびにソースノードおよび宛先ノードが直接無線範囲内にない場合、ノードの最新の地理的位置が、以前の中間ノードの地理的位置よりも宛先地理的領域に近いかどうかを検証するように構成されたテスト手段を含む、少なくとも1つの中間ノード。
【0021】
本発明は、車両ネットワークのノードがネットワークの他のノードと通信するためのプログラムも提供し、前記他のノードが移動中であり、前記プログラムがノードによって実行される場合、前記プログラムが、
・ソースノードと呼ばれる他のノードによって送信されたパケットを受信するステップであって、前記パケットがソースノードに関する最新の移動情報を含むステップのためのプログラム命令と、
また応答パケットをソースノードにルーティングするために、
・以前にそこから受信した前記パケットに含まれるソースノードに関する最新の移動情報からソースノードの位置地理的領域を予測するステップであって、このように予測された地理的領域が宛先地理的領域であるとされるステップと、
・前記応答パケットおよび宛先地理的領域を含む他のパケットを、宛先地理的領域に送信するステップとのためのプログラム命令を含む。
【0022】
本発明は、上述のプログラムが格納されるノードによって読み取り可能な記憶媒体も提供する。
【0023】
本発明は、車両ネットワークのノードによって他のノードに送信されたパケットおよび宛先地理的領域を含み、前記地理的領域が以前に最新であったもう一方のノードから受信した移動情報から予測されている、メッセージをサポートする信号をさらに提供する。
【0024】
添付の図面を参照して与えられた、本発明のある特定の実施形態の以下の説明に照らせば、本発明をよりよく理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のある特定の実施形態が実装されるネットワークアーキテクチャを表す図である。
【図2】本発明のある特定の実施形態における、移動ソースノードによって実装される方法の諸ステップを表す図である。
【図3】本発明のある特定の実施形態における、車両ネットワークのノードによって実装される方法の諸ステップを表す図である。
【図4】本発明のある特定の実施形態における、2つのノード間で交換されたメッセージのヘッダを表す図である。
【図5】本発明のある特定の実施形態における、車両ネットワークのノードを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
車両ネットワーク30に属する複数のノード10、12、および14が、図1に示されている。ノード10は移動中であり、移動方向は矢印によって図1内に示されている。同様に車両ネットワーク30に属している固定アクセスポイント20は、車両ネットワークのノード10、12、および14が通信ネットワーク1にアクセスできるようにする。ノード10、12、および14、ならびにアクセスポイント20は、たとえばIEEE 802.11標準を実装している無線インタフェースを介して、共通の無線チャネルを介して相互に通信できる。ノード10、12、および14、ならびにアクセスポイント20は、宛先地理的領域に応じて車両ネットワーク30内のパケットをルーティングするように構成されている。モバイルノードには測位および時計システムがさらに装備されている。ノードの時計は、たとえばGPS、ガリレオなどのシステムによって相互に同期されている。
【0027】
ユーザが通信ネットワーク1にアクセスする資格があることを検証するために、アクセスポイント20は認証サーバ22に接続される。認証サーバ22は、通信ネットワーク1へのアクセスを要求しているノード10を認証するための手順を実装するように構成されている。たとえば、認証手順は拡張可能認証プロトコル(EAP)メッセージを使用して行われる。アクセスポイント20は、移動ノード10および認証サーバ22との対話を通じて、認証手順の実装に寄与する。
【0028】
通信ネットワーク1への唯一のアクセスポイント20が図1に示されている。通信ネットワーク1へのアクセスを提供することが要求される領域に、ネットワークへの複数のこのようなアクセスポイントが配備されることが、当然理解されなければならない。
【0029】
たとえば、以下に適用する状況は、ノード10が通信ネットワーク1へのアクセスを要求している状況である。通信ネットワーク1へのアクセスポイント20が選択された。ノードがどのように通信ネットワーク1へのアクセスポイントのリスト、およびそれぞれのアクセスポイントの地理的位置を取得するかは、ここでは説明されない。
【0030】
ノード10によって実装された、アクセスポイント20との対話を開始する方法を、図2を参照して以下で説明する。
【0031】
以下で、適用する特定の状況は、認証サーバ22による認証のためにノード10がアクセスポイント20と連絡を取る状況である。
【0032】
この方法はOSIレベル第2層上に直接実装され、認証される前にノードがIP層にアクセスできるようにはしない。
【0033】
この方法は、パケット送信要求を待つ最初のステップE0で開始する。
【0034】
ステップE2で、ノード10がアクセスポイント20に送信すべきパケット、たとえばノード10がアクセスポイント20を介して認証サーバ22によって認証されることを要求していることを示すEAP-Startメッセージを有することを検出する。ノード10自体の中で、このパケットは上位層から、それ自体がOSIネットワーク参照モデルの第2層の直上である層Cに転送される。
【0035】
ステップE4で、ノード10が、宛先であるアクセスポイント20にルーティングするためのヘッダ50を送信されるべきパケットに追加する。
【0036】
図4に示されるように、ヘッダ50は以下の情報を含む:
・パケットのソースノードを識別するフィールド51、
・パケットの宛先ノードを識別するフィールド52、
・パケットのソースノードの地理的位置を含むフィールド53、
・パケットのソースノードの速度を含むフィールド54、
・時間ラベルを含むフィールド55、
・パケットがもう転送されてはならない期限であるパケットの寿命を含むフィールド56、
・パケットがルーティングされなければならない地理的領域に関する情報を含むフィールド57、
・メッセージの最終送信者の地理的位置を識別するフィールド58。
【0037】
方法の諸ステップを説明する過程で、これらの諸ステップの使用を以下で詳細に説明する。
【0038】
パケットのソースノードの地理的位置および速度をそれぞれ含むフィールド53および54は、パケットのソースノードに関する最新の移動情報に対応する。
【0039】
時間ラベルフィールド55は、送信時のソースノードの時計の値を含む。
【0040】
寿命フィールド56は、パラメータによって設定された、あらかじめ定められた値を含む。
【0041】
宛先地理的領域フィールド57は、アクセスポイント20の地理的位置を含む。
【0042】
フィールド58は、この最初のヘッダ内には存在しない。
【0043】
ステップE6で、層2および1による送信のために、層Cがパケットおよびパケットのヘッダ50を含むメッセージを送信して、応答の受信、またはタイムアウトTが切れるのを待つ。メッセージは無線チャネルを介して送信されて、ノード10の送信範囲内に位置する車両ネットワークの1つまたは複数のノードによって受信される。このようにして、移動ノード10はパケットおよび最新の移動情報を含むメッセージを送信する。
【0044】
特に、移動情報は少なくとも1つの地理的位置および速度を含むグループに属する。
【0045】
値Nb-retransはゼロに初期化される。
【0046】
ステップE8で、アクセスポイント20から応答メッセージが受信されたかどうかを検証する。受信された場合、ノード10は、受信した応答メッセージからヘッダ50を除去して応答パケットを取得する。ソースノード10によるパケット送信を要求した上位層が、その応答パケットを処理する。
【0047】
タイムアウトTが切れるときにどのような応答も受信されていない場合、ステップE10で、転送の最大数に到達したかどうかテストする。
【0048】
最大数に到達した場合、ノード10は、ノードによってアクセスポイントを選択する従来の方法を使用して、認証要求を繰り返すために新しいアクセスポイントを選択しようと試みる。
【0049】
最大数に到達していない場合、ステップE12で、ノード10はNb-retransの値を増分して、ヘッダ50の値、特に最新の移動情報を含むフィールド53および54、時間ラベルフィールド55、ならびに寿命フィールド56をアップデートする。次いで、パケットブロードキャスティングステップE6に進む。
【0050】
ここからは、ヘッダ50および、ルーティングされるべきパケットを含むメッセージが、無線チャネルを介して送信された状況である。
【0051】
ヘッダ50およびルーティングされるべきパケットを含むメッセージを、無線チャネルを介して受信する中間または中継ノード12によって実装された方法を、図3を参照して以下で説明する。
【0052】
ステップF0で、中間ノード12がメッセージの受信を待つ。
【0053】
方法は、ステップF1で、ヘッダ50およびルーティングされるべきパケットを含むメッセージを受信して開始する。ステップF2で、中間ノード12が、パケットの宛先ノードを識別するフィールド52を読み取ることによって、メッセージの宛先かどうかを検証する。この特定の状況では、中間ノード12は、アクセスポイント20向けのパケットの宛先ではない。
【0054】
ステップF20で、中間ノード12はメッセージが処理を必要とするかどうか、すなわちフィールド56内で示された寿命が切れたかどうかを検証する。
【0055】
メッセージの寿命が切れた場合、どのような処理も行われず、パケットの受信を待つステップF0へのループがある。
【0056】
メッセージの寿命が切れていない場合、以下で説明するテストステップF21に進む。ここで論じられる状況は、このテストステップF21の結果がネガティブの状況である。ステップF22で、ノード12が基準方向、たとえば北極方向と、ノード12とフィールド57内に含まれる宛先地理的領域との間の線との間の角度を決定する。ノード12は、たとえば付表において説明するように、球面表現における中間ノード12の地理的位置および宛先地理的領域の地理的位置に基づいて、基準方向に対する角度を計算する。位置は、経度および緯度で表現される。ソースノードによって送信されたパケットを処理する状況では、宛先地理的領域はアクセスポイント20の位置に対応する。宛先地理的領域が地理的位置に対応する特定の状況では、中間ノード12と宛先地理的領域との間の線は、中間ノード12とアクセスポイント20の地理的位置との間の線に対応する。次いで、この角度があらかじめ定められたしきい値、たとえばπ/2ラジアン未満かどうかが検証される。π/2ラジアン未満の場合、ステップF24に進む。π/2ラジアン未満ではない場合、どのような処理も行われず、メッセージの受信を待つステップF0へのループがある。したがって、基準方向と、中間ノード12と宛先地理的領域との間の線との間の角度があらかじめ定められたしきい値未満のノードだけがパケットを転送し、パケットの不要な送信を通じたネットワークの輻輳を回避する。基準方向と、中間ノード12と宛先地理的領域との間の線との間の角度を決定するために、他の方法が同様に使用されうる。
【0057】
ステップF24で、ノード12がヘッダ50からメッセージの以前の送信者の地理的位置を取得する。ソースノードが以前の送信者である場合、ノード12は、ソースノードを識別するフィールド51を読み取ることによって情報を取得する。ソースノードが以前の送信者ではない場合、すなわち他の中間ノードがメッセージを転送した場合、ノード12は、メッセージの最終送信者を識別するフィールド58を読み取ることによってこの情報を取得する。次いで、ノード12は、メッセージの以前の送信者よりも宛先に近いかどうかを検証する。これが真ではない場合、どのような処理も行われず、メッセージの受信を待つステップF0へのループがある。
【0058】
これが真の場合、すなわちノード12が以前の送信者ノードよりも宛先に近い場合、ステップF26で、ノード12は自分の無線到達範囲は以前の送信者の無線到達範囲と同じであることを検証する。これが真の場合、どのような処理も行われず、メッセージの受信を待つステップF0へのループがある。これにより、互いにすぐ近くにあるノード、すなわち実質的に同じ送信領域をカバーするノードが、不必要にメッセージを送信することを回避する。
【0059】
これが真ではない場合、すなわちノード12の無線到達範囲が実質的に以前の送信者の無線到達範囲と実質的に同じではない場合、ステップF28で、ノード12はヘッダ50内の値、特にメッセージの最終送信者の地理的位置を含むフィールド58をアップデートして、ステップF30で、アップデートされたヘッダ50を含むメッセージを、無線チャネルを介して送信する。次いで、メッセージの受信を待つステップF0へのループがある。
【0060】
パケットは複数の中間ノードによって並列に受信されうる点、および、次いでそれぞれの中間ノードが方法の諸ステップ、特にテストステップを実行して、パケットが複数の並行パスを介してルーティングされるように、必要に応じてパケットを転送する点に留意されたい。
【0061】
宛先であり、ヘッダ50およびパケットを含むメッセージを、無線チャネルを介して受信するノードによって実装される方法を、再び図3を参照して以下で説明する。ここでの特定の状況は、車両ネットワーク30におけるアクセスポイント20のルーティングに続いてメッセージを受信するアクセスポイント20の状況である。メッセージを受信するアクセスポイント20がメッセージの宛先であることは、ステップF2で検証された。
【0062】
ステップF4で、アクセスポイント20は、特にメッセージがまだ宛先に到達していないかどうか、またはメッセージの寿命が切れてないかどうかを検証することによって、そのメッセージが処理されなければならないかどうかを検証する。メッセージを処理しなければならない場合、アクセスポイント20は、受信されたメッセージのヘッダ50内に識別子が示されるソースノード10のための対話コンテキストが存在するかどうかを検証する。
【0063】
ここでは、対話コンテキストという表現はノードの移動性に関する情報を指す点に留意されたい。対話コンテキストは、ノード、アクセスポイント、およびノードとアクセスポイントとの間の特定の対話に関連付けられる。対話コンテキストは、対話の間にノードによってアクセスポイントに送信された移動情報、および移動情報に関する時間ラベルを含む。たとえば、対話コンテキストは、認証サーバによる認証のためにノードによって開始された対話を指すことができ、またアクセスポイントは認証サーバのための中継器として働く。
【0064】
この対話コンテキストは、その後アクセスポイント20が対話を開始するメッセージを送信したソースノードにコンタクトできるようにする。
【0065】
ヘッダ50内で識別されたノードのための対話コンテキストがすでに存在する場合、ステップF6で、アクセスポイント20はメッセージ内で受信した情報に応じて移動情報をアップデートする。
【0066】
ヘッダ50内で識別されたノードのための対話コンテキストがない場合、ステップF8で、アクセスポイント20がノード10のための対話コンテキストを作成して、受信した移動情報を格納する。
【0067】
次いで、受信したメッセージのヘッダ50が除去されて、アクセスポイント20においてパケットが特に上位層によって処理される。
【0068】
次いで、無線チャネルを介してメッセージの受信を待つ、またはノードへのメッセージ送信要求の受信を待つステップF0へのループがある。
【0069】
次に、ステップF10で、アクセスポイント20が、ノード10へのパケット送信要求を上位層から受信する状況になる。
【0070】
ステップF12で、アクセスポイント20が、ノード10に関する対話コンテキストがあるかどうかを検証する。ノード10に関する対話コンテキストがない場合、パケットは送信されず、上位層はこれについて内部的に通知される。次いで、ステップF0へのループがある。
【0071】
応答パケットが送信されなければならないノード10に関する対話コンテキストがある場合、ステップF14で、アクセスポイント20が、格納された移動情報、特に対話コンテキストを作成またはアップデートすることを導いたメッセージが送信されたときに最新であった、ノード10の地理的位置および速度を取得する。
【0072】
予測ステップF16で、アクセスポイント20が、ノード10が位置している可能性が高い地理的領域を移動情報から決定する。その領域は、図1においてノード10の周囲の点線の円で示されている。たとえば、最新の移動情報が格納されているメッセージの送信以来、ノード10によって移動された最大距離が決定される。このメッセージは、アクセスポイントに到達するのに、メッセージの寿命と等しい最大時間t1がかかった。応答メッセージも同様に、ノード10に到達するのに、メッセージの寿命と等しい最大時間t2がかかりうる。時間t3は、ノード10から来るメッセージの受信と、ノード10に送信されたメッセージのアクセスポイント20による受信との間に経過した時間に対応する。ノードの現在の速度および上述のように決定された累積時間を使用して、ノードによって移動された最大距離を推定することが可能である。したがって、知られている最終地理的位置から、ノード10が位置している可能性が高い地理的領域が推定される。この領域は、たとえば、中央がノード10の知られている最終位置であり、半径が上述のように決定された距離である、円として表される。次いで、予測された地理的領域が宛先地理的領域と見なされる。したがって、フィールド57内で宛先地理的領域を含むヘッダ50が決定されて、ステップF18で、応答パケットおよびヘッダ50を含むメッセージが無線チャネルを介して送信される。したがって、対話を開始する移動ノード10によってメッセージ内で送信された移動情報は、後に、移動ノードの位置地理的領域を予測するために必要な情報を含む。次いで、ステップF0へのループがある。
【0073】
次いで、パケットは1つまたは複数の中間ノードを介して宛先地理的領域に中継される。ステップF1で、パケットを受信する中間ノードが上述の方法を実装する。中間ノードはステップF2およびF20を実行する。次いで、ステップF21で、中間ノードが、宛先地理的領域フィールド57が移動性の半径を含むかどうか、および移動性の半径内に位置するかどうかを検証する。これが真の場合、ヘッダ50内の値、特にメッセージの最終送信者の地理的位置フィールド58がアップデートされるステップF28、およびアップデートされたヘッダ50を含むメッセージが無線チャネルを介して送信されるステップF 30に続く。次いで、メッセージの受信を待つステップF0へのループがある。これが真ではない場合、すなわち、宛先地理的領域が移動性の半径を含まない、または宛先地理的領域が移動性の半径を含むが、中間ノード12が移動性の半径内に位置しない場合、宛先地理的領域フィールド57内に含まれる位置情報、すなわち宛先ノードの知られている最終位置を宛先ノードの位置のために使用して、ステップF22からF30、特にテストステップF22およびF24が実行される。その結果、中間ノード12と宛先地理的領域との間の線が、中間ノード12とパケットが対象とするノードの知られている最終位置との間の線に対応する。
【0074】
この方法は、認証手順に関連して、さまざまなメッセージを交換するために繰り返し実装される点に留意されたい。
【0075】
アクセスポイント20が、認証サーバ22からノード10に送信されるべきEAP-Successパケットをいったん受信すると、アクセスポイント20はそのパケットをノード10に転送して、通信ネットワーク1にアクセスするために認証する。
【0076】
上述の方法は、アクセスポイントの到達範囲内にはない移動ノードのためのものである。ノードがアクセスポイントの到達範囲内にあるときに認証手順を開始して、手順終了前にその範囲を離れる場合、この方法が同様に適用可能である点に留意されたい。到達範囲を離れる前に最新の移動情報を送信したソースノードは、たとえアクセスポイントの到達範囲外にあるときでも応答パケットを送信されうる。したがって、この状況では認証手順は中断されない。
【0077】
認証手順の上記の説明は、特定の状況に関する。しかし、本発明は、PANAプロトコルの実装、または道路交通事故、協働走行、ショートメッセージなどに関するデータなどの単発ベースのデータ送信に必要なメッセージ交換などの、他のメッセージ交換に同様に適用可能である点に留意されたい。
【0078】
理解しやすいように、方法をソースノード、中間ノード、それから宛先ノードで連続的に実装されたものとして説明した点にも留意されたい。車両ネットワークのノードはソースノード、中間ノード、および宛先ノードの役割を区別なく実行できることが、当然理解されるべきである。
【0079】
異なる実施形態では、ステップF22は実行されない。このステップF22は方法の性能を向上させるが、たとえステップF22がなくても、この方法はやはり許容できる性能を提供する。
【0080】
ネットワークの他のノードと通信できる車両ネットワーク30のノード100を、図5を参照して以下で説明する。ノード100は、図5には示されていないが、無線インタフェースを介して車両ネットワーク30の他のノードと通信できるようにする通信手段を含む。これらの通信手段は、IEEE 802.11標準を実装できる。
【0081】
このような宛先ノード100は、以下のものを含む:
・移動中の他のノードによって送信されたパケットを受信するためのモジュール102であって、前記パケットがもう一方のノードに関する最新の移動情報を含むモジュール102、
・もう一方の移動ノードの位置地理的領域を、事前に受信したパケットに含まれる他のノードに関する最新の移動情報から予測するための予測モジュール104であって、応答パケットがその領域にルーティングされるべきであり、このように予測された地理的領域が宛先地理的領域であるとされる、予測モジュール104、
・応答パケットおよび宛先地理的領域を含む他のパケットを宛先地理的領域に送信するためのモジュール106。
【0082】
ノードに関する最新の移動情報は、格納手段110に格納される。
【0083】
中間ノードは、最新の地理的位置が以前の中間ノードの地理的位置よりも、受信された、および宛先地理的領域にルーティングされるべきパケットのための目標地理的領域に近いかどうかを検証するためのテストモジュール108を、任意選択でさらに含む。
【0084】
ある特定の実装形態では、モジュール108は、ノードの最新の地理的位置も送信前にパケットに挿入して、基準方向と、中間ノードと宛先地理的領域との間の線との間の角度があらかじめ定められたしきい値未満かどうかを検証する。
【0085】
さらに、中間ノードは、送信されるべきパケットに最新の移動情報を追加する宛先ノードにパケットを送信するためのモジュール112を含む。
【0086】
他のタイプの無線インタフェース、特に専用無線チャネルを実装する無線インタフェースも同様にサポートされうる。
【0087】
モジュール102、104、106、108、および112は、上述の方法を実装する。それらのモジュールは、上述の方法の諸ステップを実行するためのソフトウェア命令を含むソフトウェアモジュールであることが好ましく、それらの命令は、宛先ノードの役割を行うノード(モジュール102、104、106に関する限り)、および中間ノードまたはソースノードの役割を行うノード(モジュール108および112に関する限り)によって実行される。したがって、本発明は、車両ネットワークの他のノードと通信するために車両ネットワークのノードで実行されるべきプログラムにも関し、前記他のノードは移動中であり、前記プログラムがノードによって実行される場合、このプログラムは:
・ソースノードに関する最新の移動情報を含むソースノードによって送信されたパケットを受信するステップのためのプログラム命令と、
また応答パケットをソースノードにルーティングするために:
・事前にそこから受信した前記パケットに含まれるソースノードに関する最新の移動情報からソースノードの位置地理的領域を予測するステップと、
・前記応答パケットおよび宛先地理的領域を含む他のパケットを宛先地理的領域に送信するステップとのためのプログラム命令を含む。
【0088】
本発明は、ノードによって読み取り可能で、プログラムが格納される、記憶媒体にも関する。
【0089】
ソフトウェアモジュールは、データ媒体内に格納されることも、またはデータ媒体によって送信されることもできる。ソフトウェアモジュールは、たとえばCD-ROM、磁気ディスク、またはハードディスクなどのハードウェア記憶媒体でもよく、電気、光、または無線信号などの伝送媒体でもよく、電気通信ネットワークでもよい。
【0090】
本発明は、以下を含む車両ネットワーク30にも関する:
・上述のように宛先ノードの役割を行う、少なくとも1つのノードと、
・送信されるべきパケットに最新の移動情報を追加するように構成された、宛先ノードにパケットを送信するためのモジュール112を含む、少なくとも1つのモバイルソースノードと、
・ソースノードおよび宛先ノードが直接無線範囲内にない場合、ノードの最新の地理的位置が、以前の中間ノードの地理的位置よりも宛先地理的領域に近いかどうかを検証するように構成されたテストモジュール108を含む少なくとも1つの中間ノード。
【0091】
本発明は、ピュアアドホックネットワーク、すなわち固定インフラストラクチャのないアドホックネットワークにも同様に適用可能である。
【0092】
付表
ポイントA:座標(lat1, lon1)
ポイントB:座標(lat2, lon2)
上式で、
・latxは緯度で、lonxは経度である、
・tc1は、基準方向と、中間ノードと宛先地理的領域との間の線との間の角度(0とπとの間のラジアンで表現される)である。
tc1=|atan2(sin(lon2-lon1)*cos(lat2),
cos(lat1)*sin(lat2)-sin(lat1)*cos(lat2)*cos(lon2-lon1))|
上式で、
・atan2(x,y)は、-πとπとの間(-πとπを含む)のラジアンで表現される2つの変数xおよびyの比率の逆正接関数を返す、プログラミング言語で通常使用される関数であり、また
・|x|は絶対値関数である。
この公式は、2点間の方位を計算するための公式から得られる。http://mathforum.org/library/drmath/view/55417.html.を参照のこと。
【符号の説明】
【0093】
1 通信ネットワーク
10 ソースノード
12 中継ノード
14 ノード
20 アクセスポイント
22 認証サーバ
30 車両ネットワーク
50 ヘッダ
51 パケットのソースノードを識別するフィールド
52 パケットの宛先ノードを識別するフィールド
53 パケットのソースノードの地理的位置を含むフィールド
54 パケットのソースノードの速度を含むフィールド
55 時間ラベルフィールド
56 寿命フィールド
57 宛先地理的領域フィールド
58 最終送信者の地理的位置フィールド
100 宛先ノード
102 モジュール
104 予測モジュール
106 モジュール
108 テストモジュール
110 格納手段
112 モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中のソースノード(10)と宛先ノード(20)との間の通信方法であって、前記ノードが車両ネットワーク(30)に属し、かつネットワーク内のパケットをルーティングするように構成され、前記宛先ノードによって実行されるステップとして、
前記ソースノードに関する最新の移動情報(53、54)をさらに含む前記ソースノードによって送信されたパケットを受信するステップ(F1)を含み、
かつ、少なくとも1つの応答パケットを前記ソースノードにルーティングするために、
そこから事前に受信した前記パケットに含まれる前記ソースノードに関する最新の移動情報から前記ソースノードの位置地理的領域を予測するステップであって、このように予測された前記地理的領域が宛先地理的領域であるとされるステップ(F16)と、
前記宛先地理的領域に、前記応答パケットおよび前記宛先地理的領域を含む他のパケットを送信し、必要に応じて、送信中に前記車両ネットワークの少なくとも1つの中間ノードを通過する、少なくとも1つのステップ(F18)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ソースノードによって送信された前記パケット、および送信中に前記中間ノード(12、14)を介して通過する前記もう一方のパケットにおいて、
中間ノードが、前記中間ノードの最新の位置が、転送する前に自分の最新の位置を前記パケットに挿入した以前の中間ノードの位置よりも前記宛先地理的領域に近いかどうかを検証するテストステップ(F24)と、
前記テストが陽性の場合に限り、送信中の前記パケットを前記宛先地理的領域に転送するステップ(F30)とが前記中間ノードによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソースノードによって送信された前記パケット(それぞれもう一方のパケット)が複数の中間ノードによって並列に受信され、それぞれの中間ノードが前記テストステップを実行し、必要に応じて複数の並列経路を介して前記パケット(それぞれもう一方のパケット)をルーティングするために、前記パケット(それぞれもう一方のパケット)を転送する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
送信中の前記パケットを前記宛先地理的領域に向かって転送する前記ステップ(F30)の前に、前記中間ノードが、基準方向と、前記中間ノードと前記宛先地理的領域との間の線との間の角度があらかじめ定められたしきい値未満かどうかをさらに検証する(F22)、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記宛先ノードが、クライアントを認証するように構成されたエンティティ(22)に接続された通信ネットワーク(1)へのアクセスポイントであって、
認証前に、前記ソースノードによって前記アクセスポイントに送信されたパケットが、前記アクセスポイントによって前記エンティティに転送され、また、
認証後、前記アクセスポイントが、前記通信ネットワークにアクセスするために前記移動ノードを認証する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
車両ネットワーク(30)のノード(100)であって、前記ネットワークの他のノードと通信するように構成され、
他の移動ノードによって送信されたパケットを受信するための手段(102)であって、前記パケットがもう一方のノードに関する最新の移動情報を含む手段と、
応答パケットがルーティングされるべきもう一方の移動ノードの位置地理的領域を以前に受信したパケットに含まれる前記他のノードに関する前記最新の移動情報から予測するように構成された予測手段(104)であって、このように予測された前記地理的領域が宛先地理的領域であるとされる予測手段と、
前記応答パケットおよび前記宛先地理的領域を含む他のパケットを、前記宛先地理的領域に送信するための手段(106)と
を含む、ノード。
【請求項7】
受信した、および宛先地理的領域に向かってルーティングされるべきパケットのために、前記ノードの前記最新の地理的位置が、以前の中間ノードの地理的位置よりも、前記宛先地理的領域に近いことを検証するためのテスト手段(108)をさらに含む、請求項6に記載のノード。
【請求項8】
宛先地理的領域に応じてノードによってパケットがルーティングされる車両ネットワーク(30)であって、
請求項6に記載の、少なくとも1つのノードと、
送信されるべきパケットに最新の移動情報を追加するように構成された、宛先ノードにパケットを送信するための手段(112)を含む、少なくとも1つのモバイルソースノード(10)と、
受信された、および宛先地理的領域にルーティングされるべきパケットのために、ならびに前記ソースノードおよび前記宛先ノードが直接無線範囲内にない場合、前記ノードの前記最新の地理的位置が、前記以前の中間ノードの地理的位置よりも、前記宛先地理的領域に近いかどうかを検証するように構成されたテスト手段(108)を含む、少なくとも1つの中間ノードと
を含む、車両ネットワーク。
【請求項9】
車両ネットワークのノードが前記ネットワークの移動中の他のノードと通信するためのプログラムであって、前記ノードに、
ソースノードと呼ばれる他のノードによって送信されたパケットを受信するステップであって、前記パケットが前記ソースノードに関する最新の移動情報を含むステップと、
また応答パケットを前記ソースノードにルーティングするために、
以前にそこから受信した前記パケットに含まれる前記ソースノードに関する前記最新の移動情報から、前記ソースノードの位置地理的領域を予測するステップであって、このように予測された前記地理的領域が宛先地理的領域であるとされるステップと、
前記応答パケットおよび前記宛先地理的領域を含む他のパケットを、前記宛先地理的領域に送信するステップとを実行させるためのプログラム命令を含む、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムが格納されているノードによって読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
車両ネットワークのノードによって他のノードに送信されたパケットおよび宛先地理的領域を含み、前記地理的領域が以前に最新であったもう一方のノードから受信した移動情報(53、54)から予測されているメッセージをサポートする信号。
【請求項12】
前記位置地理的領域が地理的位置および移動半径を含む、請求項11に記載の信号。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−531104(P2010−531104A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512748(P2010−512748)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051082
【国際公開番号】WO2009/007563
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】