説明

車両ホイール用カバー

【課題】走行性能試験時、出荷待機時、あるいは移送時に、風圧によって剥がれる事態が生じにくく、車両ホイールの損傷や、ディスクブレーキが錆びる事態を効果的に防止することが可能な実用性の高い車両ホイール用カバーを提供する。
【解決手段】車両ホイール用カバー1aは、ポリエチレン製で厚さ約50μmのベースフィルム2の裏面に、アクリル系樹脂からなる厚さ約25μmの粘着剤層3を積層することによって形成されており、粘着剤層3の外側には離型紙4が積層されている。そして、外径が約500mmで内径が150mmのドーナッツ状にカットされている。また、周縁際には、内向きに凸のV字状の切り込み5,5・・が、中心から放射方向に約40°間隔で設けられており、それらの切り込み5,5・・がリム接合部として機能するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車軸に固着される車両ホイールに装着される車両ホイール用カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産された自動車等の車両が購入者の手に渡るまでの間、すなわち、走行性能試験時、工場、港湾、販売店等の自動車のプール場における出荷待機時やトラック、船舶による移送時に、砂塵、鉄粉等によって車両ホイールに傷や汚れが生じたり、雨水、塩分を含んだ外気等の侵入により車両ホイールの内部に位置したディスクブレーキが錆びたりすることがある。それゆえ、車両ホイールの外側から内部への雨水、外気の侵入を防止するとともに、車両ホイールを保護する目的で、車両ホイールの表面を覆うように接着されるカバー部材が考案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−267001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のカバー部材は、粘着剤層によって、車両ホイールの表面を覆うように剥離可能に接着されるだけであるので、走行性能試験時、自動車のプール場における出荷待機時、あるいは移送時に、外圧、特に自動車の車体下部を通過しディスクブレーキ、車両ホイールへと通過する風の圧力によって剥がれてしまい、車両ホイールに傷や汚れが生じたり、ディスクブレーキが錆びたりしてしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の車両ホイール用カバーの問題点を解消し、走行性能試験時、出荷待機時、あるいは移送時に、風圧によって剥がれる事態が生じにくく、車両ホイールの損傷や、ディスクブレーキが錆びる事態を効果的に防止することが可能な実用性の高い車両ホイール用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明は、車軸に固着させるためのハブと円周状のリムとの間を放射状に設けた複数のスポークで接続した構造を有する車両ホイールに装着される車両ホイール用カバーであって、合成樹脂製のベースフィルムの裏面に粘着剤層を積層してなるフィルム積層体によって円形に形成されており、所定の形状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによって、車両ホイールのスポーク同士の間の開口部においてリムと接合させるためのリム接合部が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、車軸に固着させるためのハブと円周状のリムとの間を放射状に設けた複数のスポークで接続した構造を有する車両ホイールに装着される車両ホイール用カバーであって、合成樹脂製のベースフィルムの裏面に粘着剤層を積層してなるフィルム積層体によって円形に形成されており、所定の形状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによって、車両ホイールのスポーク同士の間の開口部においてスポークと接合させるためのスポーク接合部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、フィルムがポリオレフィン系樹脂によって形成されているとともに、粘着剤層がアクリル系樹脂によって形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載された発明は、請求項1、または請求項3に記載された発明において、内向きに凸のV字状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによってリム接合部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載された発明は、請求項2、または請求項3に記載された発明において、放射方向に沿った線に対して対向する一対のコ字状の切り込み対を中心から放射方向に等間隔に設けることによってスポーク接合部が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両ホイール用カバーは、自動車の車体下部を通過してディスクブレーキから車両ホイールへと通過する風の圧力が加わった際に、リム接合部あるいはスポーク接合部が車両ホイールとの接着状態を強固に保持し、捲れ上がったりしない。それゆえ、車両ホイールへの接着強度が高く、走行性能試験時、出荷待機時、あるいは移送時に、剥がれる事態が生じにくい。したがって、本発明の車両ホイール用カバーによれば、車両ホイールの損傷や、ディスクブレーキが錆びる事態を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の車両ホイール用カバーの一実施形態について、図面にしたがって詳細に説明する。
【0013】
[実施例1]
<車両ホイール用カバーの構造>
図1は、実施例1の車両ホイール用カバーの正面を示したものであり、図2は、車両ホイール用カバーの断面を示したものである。車両ホイール用カバー1aは、ポリエチレン製で厚さ50μmのベースフィルム2の裏面に、アクリル系樹脂からなる厚さ約25μmの粘着剤層3を積層することによって形成されており、粘着剤層3の外側には離型紙4が積層されている。そして、外径が約500mmで内径が約150mmのドーナッツ状にカットされている。
【0014】
また、周縁際には、内向きに凸のV字状の切り込み5,5・・が、中心から放射方向に約40°間隔で設けられており、それらの切り込み5,5・・がリム接合部として機能するようになっている。各切り込み5,5・・は、図3の如く、高さが約20mmになっており、切り込み線と切り込み線との間の角度が約60°になっている。
【0015】
<車両ホイール用カバーの装着方法>
上記した車両ホイール用カバー1aは、自動車の車両ホイールに取り付けられて使用される。なお、車両ホイール用カバー1aが装着される車両ホイールは、図4の如く、アルミニウム等によって外径約500mmの大きさに形成されており、車軸に固着させるためのハブ(固着部)12と円周状のリム11との間を放射状に設けた複数のスポーク13,13・・で接続した構造を有している。また、車両ホイール10の表面には、アクリルメラミン系樹脂等からなる塗料が塗布されている。かかる車両ホイール10は、ディスクブレーキが隣接した内側に位置するように自動車の車軸に固着される。
【0016】
車両ホイール用カバー1aを、車両ホイール10に装着する際には、裏面の離型紙4を粘着剤層3から剥がして、図5の如く、外周を車両ホイール10の外周と合わせるようにして、粘着剤層3を車両ホイール10の表面に接着させる。なお、このように接着させると、中央の円形の切り欠きから、ハブ12が露出した状態となる。また、各切り込み5,5・・の形成部分においては、切り込み5の先端側の部分を車両ホイール10の内部に押し込むようにして、粘着剤層3をリム11の表面に接着させる。
【0017】
<車両ホイール用カバーの性能評価>
上記した車両ホイール用カバー1aを、車両ホイールに対する剥離強度、剥離強度の温度依存性、装着耐久性の面から評価した。評価方法は、以下の通りである。
【0018】
[車両ホイールに対する剥離強度]
上記の如く車両ホイール用カバー1aを車両ホイール10に装着し、車両ホイール10の裏面のスポーク13,13同士の間から、(株)イマダ社製プッシュプルスケール(デジタルフォースゲージ DPX−5T)のプローブ(先端に50mmφの円板を設置したもの)を、車両ホイール用カバー1aの裏面(2本のスポークとリムとによって囲まれた部分の重心、図5における×印の位置)に押し付けて、車両ホイール用カバー1aが車両ホイール10から剥がれる際の剥離強度(プローブにかかる圧力)を、5℃,10℃,23℃の各温度下で測定した。また、比較のために、切り込みのない車両ホイール用カバー(切り込みを設けなかった以外は実施例1と同様)を作成して車両ホイールに装着し、同様の方法により、5℃,10℃,23℃の各温度下で剥離強度を測定した。測定結果を表1に示す。
【0019】
【表1】

【0020】
[剥離強度の温度依存性]
車両ホイール用カバー1aを25mm幅の短冊状にカットし、その短冊状のサンプルと、車両ホイール10の表面に塗装された樹脂と同じ樹脂によって形成された板部材との0°剥離強度、90°剥離強度を、0℃,5℃,10℃,23℃の各温度下で測定した。なお、0°剥離強度とは、引き剥がされる車両ホイール用カバー1aの面と板部材の面とが略面一になるように引き剥がしたときの剥離強度であり、90°剥離強度とは、引き剥がされる車両ホイール用カバー1aの面と板部材の面とが直交するように引き剥がしたときの剥離強度である。測定結果を表2に示す。
【0021】
【表2】

【0022】
[装着耐久性試験]
車両ホイール用カバー1aを車両ホイール10に装着した自動車を時速約100kmで5分間走行させた後の車両ホイール用カバー1aの剥離状態を、目視によって下の3段階で評価した。また、比較のために、切り込みのない車両ホイール用カバー(切り込みを設けなかった以外は実施例1と同様)を作成して車両ホイールに装着し、同一条件にて走行実験を行い、剥離状態を評価した。評価結果を表3に示す。
○・・車両ホイール用カバーの剥離部分なし
△・・車両ホイール用カバーの一部が剥離
×・・車両ホイール用カバー全体が剥離
【0023】
【表3】

【0024】
<車両ホイール用カバーの効果>
実施例1の車両ホイール用カバー1aは、上記の如く、内向きに凸のV字状の切り込み5,5・・が中心から放射方向に等間隔に設けられており、車両ホイール10に装着した際に、切り込み5,5・・が、リム接合部として車両ホイール10のリム11に接合されて、車両ホイール10との粘着状態を強固に保持する。したがって、車両ホイール用カバー1aは、周縁部分における車両ホイール10との接着強度(剥離強度)が高く、自動車の車体下部を通過してディスクブレーキから車両ホイール10へと通過する風の圧力が加わった際でも、周縁部分が捲れ上がりにくいため、車両ホイール10から非常に剥がれにくい。加えて、剥離強度の温度依存性が小さいので、寒冷地においても車両ホイール10から剥がれる事態が起こりにくい。したがって、車両ホイール用カバー1aによれば、車両ホイール10の損傷や、ディスクブレーキが錆びる事態を効果的に防止することができる。
【0025】
[実施例2]
<車両ホイール用カバーの構造>
図6は、実施例2の車両ホイール用カバーの正面を示したものであり、車両ホイール用カバー1bには、二個一対のコ字状の切り込み対6,6・・が、中心から放射方向に約40°間隔で設けられている。なお、各切り込み対6,6・・においては、2つのコ字状の切り込みが、放射方向に沿った線に対して対向した状態になっている。また、各切り込み対6,6・・における切り込みは、図7の如く、高さが約50mmになっており、幅が約10mmになっている(なお、切り込みの高さはスポークの長さの約1/3になるように調整されている)。また、長い切り込み線は、径方向に沿っており、短い切り込み線は、径方向と直交している。実施例2の車両ホイール用カバー1bのその他の構造は、実施例1の車両ホイール用カバー1aと同様である。
【0026】
<車両ホイール用カバーの装着方法>
上記した車両ホイール用カバー1bは、図8の如く、車両ホイール10に取り付けられて使用される。車両ホイール用カバー1bを、車両ホイール10に装着する際には、実施例1の車両ホイール用カバー1aと同様に、裏面の離型紙4を粘着剤層3から剥がして、外周を車両ホイール10の外周と合わせるようにして、粘着剤層3を車両ホイール10の表面に接着させる。そして、各切り込み対6,6・・の形成部分においては、コ字状の切り込みの先端側の部分を車両ホイール10の内部に押し込むようにして、粘着剤層3をスポーク13の表面(車両ホイール10の中心から見て外側の約1/3の部分)に接着させる。
【0027】
<車両ホイール用カバーの性能評価>
車両ホイール用カバー1bを車両ホイール10に装着した自動車を、実施例1と同様に高速走行させた後の車両ホイール用カバー1bの剥離状態を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
【0028】
<車両ホイール用カバーの効果>
実施例2の車両ホイール用カバーは、上記の如く、放射方向に沿った線に対して対向する一対のコ字状の切り込み対6,6・・が、中心から放射方向に等間隔に設けられており、それらの切り込み対6,6・・がスポーク接合部として車両ホイール10のスポーク13,13・・に接合されるため、自動車の車体下部を通過してディスクブレーキから車両ホイール10へと通過する風の圧力が加わった際に、スポーク接合部が車両ホイール10との粘着状態を強固に保持し、捲れ上がったりしない。したがって、実施例1の車両ホイール用カバー1aと同様に、車両ホイール10への接合強度(剥離強度)が高く、車両ホイール10から非常に剥がれにくい。したがって、車両ホイール用カバー1bによれば、車両ホイール10の損傷や、ディスクブレーキが錆びる事態を効果的に防止することができる。
【0029】
<車両ホイール用カバーの変更例>
本発明の車両ホイール用カバーの構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、ベースフィルム、粘着剤層等の材質、厚み、切り込み(リム接合部、スポーク接合部)の形状、外形や大きさ等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0030】
たとえば、リム接合部を形成する切り込みの形状は、上記実施形態の如く、内向きに凸なV字状に限定されず、図9(a),(b)の如く、内向きに凸なコ字状あるいはU字状等に変更することも可能である。また、V字状、コ字状あるいはU字状の切り込みを設ける場合には、切り込みの端縁から周縁(車両ホイール用カバーの周縁)へ裂け目が形成される事態を防止するために、図10(a)〜(c)の如く、V字状、コ字状あるいはU字状の切り込みの端縁に外向きに凸な円弧を連設し、切り込みの端縁を内向きとする(切り込みの基端から先端への方向が周縁を向かないようにする)ことも可能である。加えて、リム接合部を形成する切り込みの形状は、図11(a)の如き周縁に沿った単純な円弧状、図11(b)の如き周縁に沿った円弧の端縁に短い直交線を付した形状や、図12(a)の如き周縁に沿った円弧に短い直交線を付した形状(すなわち、周縁に沿って等間隔に十字状の切り込みを設けた形状)、図12(b),(c)の如き周縁に沿った円弧の内側あるいは外側に短い直交線を付した形状(すなわち、周縁に沿って等間隔にT字状の切り込みを設けた形状)等に変更することも可能である。なお、リム接合部を形成する切り込みの形状を、上記実施形態の如く、内向きに凸なV字状、コ字状あるいはU字状とした場合には、車両ホイールとの接合強度が高くなる上、車両ホイールへの装着が容易なものとなる、というメリットがある。また、切り込みの形状を、V字状、コ字状あるいはU字状とした場合(あるいはV字状、コ字状、U字状の切り込みの端縁に円弧を連設した場合)には、製造時における切り込みの形成時に切削屑が発生しない、というメリットもある。
【0031】
また、スポーク接合部を形成する切り込み対の形状は、上記実施形態の如く、径方向に沿った線に対して対向する二個一対のコ字状の切り込み対に限定されず、図13の如き径方向に沿った線に対して対向する二個一対のV字状の切り込み対等に変更することも可能である。加えて、スポーク接合部を形成する切り込みは、上記実施形態の如く、二個一対の切り込み対からなるものに限定されず、V字状、コ字状やU字状の切り込みを径方向と直交するように設けることも可能である。また、V字状、コ字状あるいはU字状の切り込みを径方向と直交するように設ける場合には、リム接合部として機能する切り込みを設ける場合と同様に、切り込みの端縁から裂け目が形成される事態を防止するために、図13(a)〜(c)の如く、V字状、コ字状あるいはU字状の切り込みの端縁に円弧を連設することも可能である。なお、スポーク接合部を形成する切り込みの形状を、上記実施形態の如く、二個一対のコ字状の切り込み対とした場合には、車両ホイールとの接合強度が飛躍的に向上する、というメリットがある。
【0032】
さらに、リム接合部を形成する切り込みやスポーク接合部を形成する切り込み(あるいは切り込み対)は、中心から放射方向に約40°間隔で設けたものに限定されず、車両ホイールの形状に合わせて、中心から放射方向に任意の角度毎に設けることが可能である。
【0033】
一方、車両ホイール用カバーを構成するベースフィルムの材質は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンに限定されず、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の別の合成樹脂に変更することが可能である。加えて、粘着剤層の材質もアクリル系樹脂に限定されず、ゴム、エラストマー、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂等からなる別の粘着剤層に変更することも可能である。なお、上記実施形態の如く、ポリオレフィン系樹脂からなるベースフィルムにアクリル系樹脂からなる粘着剤層を積層した場合には、車両ホイール用カバーが高い耐久強度と高い接着強度とを兼備したものとなるので好ましい。
【0034】
加えて、本発明の車両ホイール用カバーを構成するフィルム積層体は、ベースフィルムの表層に液状の粘着剤を塗布することによって粘着剤層を積層したものに限定されず、多層押出し等の方法によってベースフィルムの形成と同時に粘着剤層を積層したもの(所謂、自己粘着フィルム)等でも良い。
【0035】
また、ベースフィルムの厚みも、上記実施形態の厚みに限定されず、30μm以上400μm以下の範囲内で適宜変更することができる。なお、ベースフィルムの厚みを40μm以上80μm以下の範囲内に調整すると、車両ホイール用カバーが高い破断強度と高い接着強度とを兼備したものとなるので好ましい。加えて、粘着剤層の厚みも、上記実施形態の厚みに限定されず、10μm以上80μm以下の範囲内で適宜変更することができる。なお、粘着剤層の厚みを20μm以上40μm以下の範囲内に調整すると、車両ホイール用カバーが高い接着強度と良好な剥がし易さとを兼備したものとなるので好ましい。
【0036】
また、車両ホイール用カバーは、粘着剤層上に一体の離型紙を貼り付けたものに限定されず、リム接合部やホイール接合部として機能する切り込み(切り込み対)の形成部分のみ別個に離型紙を取り外すことができるように構成することも可能である。かかる構成を採用した場合には、離型紙を取り外す場合に、切り込み(切り込み対)が他の部分の粘着剤層と粘着してしまう事態を防止し、車両ホイールへの装着を容易なものとすることが可能となる。
【0037】
加えて、本発明の車両ホイール用カバーが装着される車両ホイール用の構成も、上記実施形態の構成に限定されず、8本以下や10本以上のスポークを設けたものでも良いし、表面にアクリルメラミン系樹脂以外の塗料が塗布されたもの等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】車両ホイール用カバーの正面図である。
【図2】車両ホイール用カバーの断面の様子を示す説明図である。
【図3】切り込みを示す説明図である。
【図4】車両ホイールを示す説明図である。
【図5】車両ホイール用カバーを車両ホイールに装着した状態を示す説明図である。
【図6】車両ホイール用カバーの正面図である。
【図7】切り込み対を示す説明図である。
【図8】車両ホイール用カバーを車両ホイールに装着した状態を示す説明図である。
【図9】車両ホイール用カバーの変更例である。
【図10】車両ホイール用カバーの変更例である。
【図11】車両ホイール用カバーの変更例である。
【図12】車両ホイール用カバーの変更例である。
【図13】車両ホイール用カバーの変更例である。
【符号の説明】
【0039】
1a,b・・車両ホイール用カバー
2・・ベースフィルム
3・・粘着剤層
4・・離型紙
5・・切り込み(リム接合部)
6・・切り込み対(スポーク接合部)
10・・車両ホイール
11・・リム
12・・ハブ
13・・スポーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸に固着させるためのハブと円周状のリムとの間を放射状に設けた複数のスポークで接続した構造を有する車両ホイールに装着される車両ホイール用カバーであって、
合成樹脂製のベースフィルムの裏面に粘着剤層を積層してなるフィルム積層体によって円形に形成されており、
所定の形状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによって、車両ホイールのスポーク同士の間の開口部においてリムと接合させるためのリム接合部が形成されていることを特徴とする車両ホイール用カバー。
【請求項2】
車軸に固着させるためのハブと円周状のリムとの間を放射状に設けた複数のスポークで接続した構造を有する車両ホイールに装着される車両ホイール用カバーであって、
合成樹脂製のベースフィルムの裏面に粘着剤層を積層してなるフィルム積層体によって円形に形成されており、
所定の形状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによって、車両ホイールのスポーク同士の間の開口部においてスポークと接合させるためのスポーク接合部が形成されていることを特徴とする車両ホイール用カバー。
【請求項3】
フィルムがポリオレフィン系樹脂によって形成されているとともに、粘着剤層がアクリル系樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の車両ホイール用カバー。
【請求項4】
内向きに凸のV字状の切り込みを中心から放射方向に等間隔に設けることによってリム接合部が形成されていることを特徴とする請求項1、または請求項3に記載の車両ホイール用カバー。
【請求項5】
放射方向に沿った線に対して対向する一対のコ字状の切り込み対を中心から放射方向に等間隔に設けることによってスポーク接合部が形成されていることを特徴とする請求項2、または請求項3に記載の車両ホイール用カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−107556(P2009−107556A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284011(P2007−284011)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000150774)株式会社槌屋 (56)